株譜
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ハスブロ HAS

利益の約 9 割をマジックが稼ぐ一本足の玩具・ゲーム会社。利益ベースの倍率で測ると今の値段はやや割高で、2025〜26 年の高い水準が続くかが焦点

割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)74.69 ドル105 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)117.2 ドル164 億ドル差 −36.3%
10 年後から見ると 割高 価値 74.69 ドル105 億ドル · 差 −36.3% · 期待の年率 +2.6%
期待の年率リターン(10 年)+2.6%資本コスト比 −6.4 pt
推定の資本コスト9.0%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 9.0% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

ハスブロは、トレーディングカードのマジック:ザ・ギャザリング(MTG)とダンジョンズ&ドラゴンズを持つウィザーズ・オブ・ザ・コースト(売上の 47%、営業利益の約 9 割)と、玩具・ゲームの消費者向け商品(売上の 52%、利益はごくわずか)でできている。2025 年は売上 47.0 億ドル(+14%)、調整後の営業利益 11.4 億ドル(24.2%)で、消費者向け商品ののれん減損 10.2 億ドルを計上して GAAP では赤字(純損失 3.2 億ドル)。2026 年は上期の売上が +15%、通期の見通しを売上 +5〜7%・調整後営業利益率 25〜26% に引き上げた。

中立の 10 年は、マジックの数量が 2025〜26 年の高い水準から 20% 増え、価格が物価並みに上がり、消費者向け商品の利益率が 10% まで戻る形で、売上 74.6 億ドル・営業利益 19.8 億ドル・純利益 15.2 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k))の上限 14.8 倍の 75% で約 11 倍(k 9.0%・g 3.2%)。時価総額は約 170 億ドルで、今の約 1.2 倍になる。ただし利益の大半が 1 つの商品に集中し、2025 年のマジックの +59% には供給の絞りと提携セットの一時的な押し上げが混じるので、悲観側の確率を 4 割強に厚くした。

バリュー投資の観点では、マジックは 1993 年から続く稀な「堀のあるカード・ゲーム」で事業の質は高いが、一本足・のれん減損の前歴・玩具の低収益という弱さがある。資本コストは 9.0%(基本 8.0% + quality 1.0%)。総合はやや割高(差 −24%)で、中立でも配当を足した年率は +5〜6% と資本コストに届かない。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、ハスブロはマジックという「10 年後も存在し、今より強い可能性が高い」稀なカード・ゲームを持つ会社で、その部分だけを見れば質は高い。堀は、遊び手と流通と二次市場が互いに価値を支え合う仕組みで、売上が伸びても増える資本はわずか(ウィザーズの利益率は 46%)。オーナー利益は純利益の 8 割前後が株主のものになる。

弱点は 3 つ。第 1 は一本足で、利益の約 9 割がウィザーズ、その大半がマジック。2025 年の +59%・2026 年上期の +34% は、印刷の絞りと提携セットで押し上げられた面があり、遊び手が増えたのか、収集家が先に買ったのかを外から見分けにくい。第 2 は、消費者向け商品が利益のほとんど出ない事業で、10 億ドルののれん減損が示すとおり、経営は資本配分で価値を壊した前歴がある。第 3 は、デジタルゲームへの大型投資(1 本 1〜2.5 億ドル)が当たるか読めないこと。

値段は、積み上げた中立の 10 年(純利益 15.2 億ドル、利益ベースの倍率 約 11 倍)で時価総額 約 170 億ドル、今の約 1.2 倍。配当を足しても年率は +5〜6% で資本コスト 9.0% に届かず、安全域は薄い。確信度は、事業の質には高く、2025〜26 年の水準の持続には中くらいである。

何で稼ぐ会社か

ハスブロは 3 つの事業からなり、利益の中身がまるで違う。

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストとデジタルゲーム(2025 年の売上 21.9 億ドル、営業利益 10.1 億ドル、利益率 46%)は、マジック(売上 17.2 億ドル、+59%)、ダンジョンズ&ドラゴンズとそのデジタル版 D&D Beyond(登録 3,000 万)、デジタルのライセンス収入からなる。卓上ゲームが 16.9 億ドル、デジタル・ライセンスが 5.0 億ドルで、ライセンスの主力はスコープリーが運営するスマホゲーム「モノポリー GO」(2025 年 1.68 億ドル、累計の取扱高は 80 億ドル超)。マジックはホビーショップ(約 7 割)・量販店(約 2 割)・海外(約 1 割)の卸でブースターパック・デッキ・限定品を売り、ユニバース・ビヨンド(UB。マーベル・ファイナルファンタジー・ロード・オブ・ザ・リングなど他社 IP を載せた特別セット)が 2025〜26 年の急伸を引っ張った。2026 年は 7 セット、2027 年は 6 セット(自社 3・UB 3)の予定。

消費者向け商品(2025 年の売上 24.4 億ドル、−4%)は、ナーフ・モノポリー・プレイ・ドー・トランスフォーマーなどの自社ブランドと、マーベル・スター・ウォーズ・ペッパピッグなどの許諾品。地域は北米 58%・欧州 23%・アジア太平洋 10%・中南米 8%。2025 年は関税が引き金でのれんを 10.2 億ドル減損し、営業利益率は 6〜8%(2026 年の見通し)と低い。エンターテインメントは売上 0.77 億ドルで、ペッパピッグ・PJ マスクの権利が中心(映像制作は 2023 年に売却)。

セグメントの数量と単価は開示がないため、パック換算・個数・取扱高などで推定した(各セグメントの how に書いた)。

優良さと弱いところ

堀は 3 つある。第 1 は、マジックそのもの。1993 年から続くカード・ゲームで、遊び手どうし・ホビーショップ・大会・二次市場・手持ちのカードの資産が互いに価値を支え合い、新しい競合が同じ土俵を作るのは難しい。会社は、マジックが 2009 年から年平均 17% 超で伸び、17 年のうち 15 年で増収、減収の 2 年も 3% 未満だったと説明する。第 2 は、ユニバース・ビヨンドで他社の人気 IP を取り込み、新しい遊び手を呼べること(ファイナルファンタジーは歴代最大のセット)。第 3 は、デジタルのライセンス(モノポリー GO など)が軽い資本で利益を生むこと。

弱い所は 5 つ。①営業利益の約 9 割がウィザーズ、そのうち大半がマジックという一本足。②消費者向け商品は参入障壁が低く、関税・ロイヤルティ・原材料で利益率は 6〜8% と薄い(同業のマテルも 4〜6 月は 3.4%)。③2025 年に 10.2 億ドルののれん減損を出し、過去の買収(イーワン)で価値を壊した前歴がある。④2025 年の +59% には、印刷の絞りと提携セットの一時的な上振れが混ざり、再現するか不確か。⑤純負債が 25 億ドル、自己資本は 5.4 億ドルと薄い。

価格を決める力はマジックで強く、消費者向け商品では弱い。資本効率は税引き後営業利益で見て 30% 台と高い。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

ハスブロの市場は、収集品とゲーム(マジック)と、玩具(消費者向け商品)の 2 つに分かれる。

トレーディングカード・ゲームの世界市場は、推計で 2025 年に約 84 億ドル、2026 年に約 92 億ドル(調査会社の推計で幅が大きい)。ポケモン社の 2026 年 2 月期の売上は 5,314 億円(+29%)、ポケモンは 2025 年の米国玩具で 1 位(約 25 億ドル、+87%、サーカナ)。マジックは同じ市場でポケモン・遊戯王・ワンピースなどと競り、収集家と遊び手の両方を取る点で独特である。2026 年の米国玩具は上期 +17%(過去 6 年で最高)で、成人の購入が +25% と収集品ブームの色が濃く、ならせば年 +3% 台(業界ノート)。

玩具は、レゴ・マテル・ファンコ・ポケモンなどと競り合い、関税(中国・ベトナムなどでの調達)・ロイヤルティ・原材料で利益が削られる。マテルは 2026 年 4〜6 月に売上 +10% でも調整後営業利益率が 3.4%(前年 9.4%)に落ちた。ハスブロの消費者向け商品も、北米で +17% と伸びたのに調整後は営業損失(4〜6 月)で、売上の伸びが利益に結びつかない構造がある。

業界ノート(領域「衣料・靴・ブランド・玩具・電子」の塊 D)は、玩具・ゲームを年 +3.5〜4%(今の +17% は一時的)、ハスブロの利益の 7 割がウィザーズ、PER 14〜17 倍と置く。2025〜26 年の実績(営業利益の約 9 割がウィザーズ)はこれより偏っており、倍率は旧式のため使わず式で出した。

資本政策と M&A

資本政策は、配当を守りつつ、借金を減らして自社株買いを再開する段階にある。配当は年 3.9 億ドル(46 年連続、純利益の約 5 割)、自社株買いは 2026 年に 2 億ドル以上(当初の 1 億ドルから引き上げ、授権は 10 億ドル)。借入は 35.4 億ドル、現金と短期投資は 13.8 億ドル(2026 年 6 月末)で、11 月の償還分は 4 億ドルの新規債で手当てし、高い金利の長期債を買い戻している。コスト削減 1.5 億ドルのうち 0.7 億ドルが達成済み。

M&A は、2019 年のイーワン買収(映像・テレビ制作を含む)が高くついた。映像制作は 2023 年に売却し、消費者向け商品ののれんは 2025 年に 10.2 億ドル減損した。デジタルゲームは 2028 年以降の予定作を中止して 0.56 億ドルの減損を出し、2027 年のエクソダス・ウォーロックに絞った(開発費は 1 本 1〜2.5 億ドル)。ゲームへの投資は 2026 年がピークで、2028 年までにデジタル支出を 25% 以上減らす計画。

時価総額 138 億ドルで、TOB・再編の可能性は低い。資本配分の注意点は、割高な局面で自社株買いを増やさないこと、ゲーム開発の大型投資を続けるか、ユニバース・ビヨンドの許諾料(ロイヤルティ)が増えることの 3 点。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

マジックの急伸は一時の熱でなく、遊び手の裾野が広がった結果である。ユニバース・ビヨンドはファイナルファンタジー(歴代最大のセット)、マーベル(最速で 3 億ドル)と続き、アバターは歴代 3 位で、他社の人気 IP が新しい遊び手を呼び込む仕組みが回り始めた。流通はホビー・量販・海外の 3 つとも二桁で伸び、アリーナは 2019 年から約 10 億ドルを稼ぎ、D&D Beyond の登録は 3,000 万に達した。初回の印刷量を増やしても再版が追いつかないのは、需要が供給を上回っている印である。

利益率も戻る。消費者向け商品はコスト削減 1.5 億ドルが進み、北米は 4〜6 月に +17%。会社の見通しは 6〜8% でも、2022 年の目標 15% に向けて 10〜12% まで戻る余地がある。ゲームは 2026 年が投資のピークで、2027 年のエクソダス・ウォーロックが当たれば、モノポリー GO に続く自社の稼ぎ頭になる。ゼルダ(任天堂)の玩具も 2027 年に始まる。

結果として 10 年で卓上の数量は 1.4〜1.65 倍、純利益は 20〜26 億ドルになり、無借金で現金がたまり、配当も増える。今の値段を払う価値があると見る。

慎重な見方

2025 年の +59% は、ユニバース・ビヨンドの特別セットと、印刷の絞りで品薄をつくった効果が混ざる。2026 年の通期は「低い 1 桁の増加」と会社自身が言い、第 4 四半期は前年割れの見通しで、伸びは早くも頭打ちである。ファイナルファンタジーの次に同じ大型の IP を出し続けられるか、収集家が定番の自社セットから離れないかは分からない。再版が遅いほど、後から買う人は二次市場の高値に離れていく。

利益の約 9 割が 1 つの商品に乗る一本足で、ポケモンは 2025 年に米国玩具の首位(約 25 億ドル)になり、収集品の財布を取り合う。消費者向け商品は北米で +17% 伸びても調整後は営業損失で、関税とロイヤルティが利益を食い、マテルの利益率は 3.4% まで落ちた。2025 年に 10 億ドルを減損した経営が、1 本 1〜2.5 億ドルのゲームを当て続ける保証はない。純負債 25 億ドル、自己資本 5.4 億ドルと財務も薄い。

過去 12 期の営業利益率の幅は 3.8%(2023 年)から 22.5%(2025 年)で、収集品の熱が冷めれば、数量が 2024 年の水準(今の 6 割強)まで戻りうる。その時は純利益が 3〜9 億ドルにとどまる。

どちらに重みを置いたか

事業の質(マジックの堀)と 2026 年の実績では強気の見方が勝つが、一本足・熱が冷めた時の反動・のれん減損の前歴・玩具の低収益では慎重な見方が勝つ。確率は 6/18/33/27/16 とした(同じ領域のガーミンの 10/22/35/23/10 に比べ、楽観を減らし、悲観側を 4 割強に厚くした。一本足で、悲観の確率を 16% と置いた)。倍率は利益ベースで、中立の 10 年は約 11 倍(g 3.2%・ROE 29%・k 9.0%、上限の 75%、×(1+g))。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 106.05 ドル149 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 45.99 ドル64 億ドル)。 今の値に割り戻すと 74.69 ドル105 億ドル、今との差 −36.3%、 期待の年率 +2.6%(資本コスト 9.0%)→ 割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 6% 224.89 ドル315 億ドル 69.90 ドル98 億ドル +151.5% +9.7% 17.69 ドル25 億ドル
やや楽観 18% 167.05 ドル234 億ドル 59.91 ドル84 億ドル +93.6% +6.8% 40.85 ドル57 億ドル
中立 33% 120.54 ドル169 億ドル 49.22 ドル69 億ドル +44.8% +3.8% 56.02 ドル79 億ドル
やや悲観 27% 68.12 ドル96 億ドル 37.80 ドル53 億ドル −9.6% −1.0% 28.60 ドル40 億ドル
悲観 16% 26.96 ドル38 億ドル 28.53 ドル40 億ドル −52.7% −7.2% 8.88 ドル12 億ドル
加重平均100% 106.05 ドル149 億ドル45.99 ドル64 億ドル +29.7% +2.6% 152.04 ドル213 億ドル

今の株価時価総額 117.23 ドル164 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。

楽観 6% 楽観:マジックがポケモン並みの世界的な収集文化になる 利益 26 億ドル · PER 12.1 倍 · 株価時価総額 224.89 ドル315 億ドル

卓上ゲームの数量は 10 年で 1.65 倍(遊び手が広がり、ユニバース・ビヨンドとハスブロ自身の IP の両輪)、価格は 1.47 倍(物価より高い限定品・プレミアムの構成)で売上 40.9 億ドル(利益率 50%)。デジタルは自社ゲーム(年 1〜2 本の大型)とライセンスの総取扱高が 2.3 倍になり 17.3 億ドル(42%)。消費者向け商品は個数 1.15 倍で利益率 14%(2022 年の目標 15% にほぼ届く)。売上 100.3 億ドル(年 +7.9%)、営業利益 33.8 億ドル、純利益 26.1 億ドル。還元が積み上がり純負債は 10 億ドルまで減る。

  • ウィザーズ:卓上ゲーム(マジック・D&D):数量 9.3(パック換算の販売数(億パック)= 卓上ゲームの売上 ÷ 1 パック相当の売上)× 価格 4.41(1 パック相当あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 41 億ドル・営業利益 20 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • ウィザーズ:デジタル・ライセンス:数量 115(提携・自社ゲームの実質の総取扱高(2025 年のドルで億ドル))× 価格 0.15(総取扱高 1 ドルあたりのハスブロの収入(ドル、物価の上昇を含む))→ 売上 17 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • 消費者向け商品(玩具・ゲーム):数量 2.1(販売個数(億個))× 価格 19(1 個あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 41 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • エンターテインメント:数量 420(契約・納品の件数(件))× 価格 36(1 件あたりの収入(万ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%・g 3.5%(市場と価格で 3.5%)・事業の ROE 39.7%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 24.4%、10 年目より先の正当化 PER 15.6 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 16.1 倍。マジックの裾野が広がる側だが、一本足なので上限の 75% に置き 12.1 倍。

確率:マジックがポケモンのような世界的な収集文化になり、消費者向け商品の利益率も 14% に戻る組み合わせが要る。卓上の数量が 10 年で 1.65 倍、デジタルが 2.3 倍。6%。

やや楽観 18% やや楽観:マジックの高い水準が伸び続け、玩具の利益率も戻る 利益 20 億ドル · PER 11.7 倍 · 株価時価総額 167.05 ドル234 億ドル

卓上ゲームの数量は 1.40 倍・価格 1.43 倍で売上 33.8 億ドル(利益率 48%)、デジタルは 1.9 倍で 13.9 億ドル(37%)。消費者向け商品は個数 1.07 倍・価格 1.42 倍で利益率 12%。売上 86.0 億ドル、営業利益 26.0 億ドル、純利益 20.0 億ドル。マジックは 2025〜26 年の水準がそのまま土台になり、その上で年 +3.4% 前後の数量が積まれる。ユニバース・ビヨンドは毎年 3 セット前後に絞られて希少性が保たれ、ポケモンとは遊び方の違いで住み分ける。ゲームは 1〜2 本が当たり、モノポリー GO に続くライセンスも育つ。純負債は 10 年で 3 億ドルまで減り、配当は年 +4% で増やせる。

  • ウィザーズ:卓上ゲーム(マジック・D&D):数量 7.9(パック換算の販売数(億パック)= 卓上ゲームの売上 ÷ 1 パック相当の売上)× 価格 4.29(1 パック相当あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 16 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • ウィザーズ:デジタル・ライセンス:数量 95.1(提携・自社ゲームの実質の総取扱高(2025 年のドルで億ドル))× 価格 0.15(総取扱高 1 ドルあたりのハスブロの収入(ドル、物価の上昇を含む))→ 売上 14 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • 消費者向け商品(玩具・ゲーム):数量 2.0(販売個数(億個))× 価格 19(1 個あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 37 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • エンターテインメント:数量 360(契約・納品の件数(件))× 価格 36(1 件あたりの収入(万ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%・g 3.4%(市場と価格で 3.4%)・事業の ROE 35.1%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 22.1%、10 年目より先の正当化 PER 15.1 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 15.6 倍。提携セットが定着する側だが、一本足なので上限の 75% に置き 11.7 倍。

確率:マジックの 2025〜26 年の水準が定着したうえで、卓上の数量が 10 年で 1.4 倍まで伸び、消費者向け商品は 12% まで戻る。18%。

中立 33% 中立:マジックは数量 +20%・価格は物価並みで、売上は年 +4〜5% 利益 15 億ドル · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 120.54 ドル169 億ドル

卓上ゲームの数量は 10 年で 1.20 倍(年 +1.8%。トレーディングカード全体の市場は推計で年 7% 前後伸びるが、マジックのシェアは下がる)、価格は物価並みの 1.41 倍で売上 28.5 億ドル(利益率 45%)。デジタルは数量 1.5 倍で 10.6 億ドル(32%)。消費者向け商品は個数 1.00 倍・価格 1.41 倍で 34.4 億ドル、利益率 10%(マテルの 10% 前後と並ぶ)。売上 74.6 億ドル(年 +4.7%)、営業利益 19.8 億ドル、純利益 15.2 億ドル。配当と自社株買いを払っても、10 年で純負債は 25 億ドルから純現金 4 億ドルになる。

  • ウィザーズ:卓上ゲーム(マジック・D&D):数量 6.7(パック換算の販売数(億パック)= 卓上ゲームの売上 ÷ 1 パック相当の売上)× 価格 4.23(1 パック相当あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 13 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • ウィザーズ:デジタル・ライセンス:数量 75.0(提携・自社ゲームの実質の総取扱高(2025 年のドルで億ドル))× 価格 0.14(総取扱高 1 ドルあたりのハスブロの収入(ドル、物価の上昇を含む))→ 売上 11 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • 消費者向け商品(玩具・ゲーム):数量 1.9(販売個数(億個))× 価格 19(1 個あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • エンターテインメント:数量 300(契約・納品の件数(件))× 価格 36(1 件あたりの収入(万ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%・g 3.2%(市場と価格で 3.2%)・事業の ROE 29.4%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 19.2%、10 年目より先の正当化 PER 14.4 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 14.8 倍。一本足の商品で利益が振れるので上限の 75% に置き 11.1 倍。

確率:マジックは 1993 年から続き、2009 年から年平均 17% 超で伸びてきた実績があり、数量 +20%(年 +1.8%)は保守的。ただし 2025 年の急伸の一部は供給の絞りと提携セットによる。33%。

やや悲観 27% やや悲観:マジックの水準が 2024 年に戻り、玩具の利益が薄いまま 利益 9 億ドル · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 68.12 ドル96 億ドル

ユニバース・ビヨンドの出し過ぎで収集家が離れ、卓上ゲームの数量は 0.90 倍、価格は 1.35 倍(値上げが通りにくい)で売上 20.5 億ドル(利益率 40%)。デジタルは数量 1.0 倍で 6.8 億ドル(22%)、消費者向け商品は個数 0.88 倍・価格 1.33 倍で利益率 6%(2026 年の見通しの下端)。売上 56.6 億ドル、営業利益 11.3 億ドル、純利益 8.6 億ドル。優良とは言えないが、無借金に近い普通の会社に戻る。マジックは 2025 年の急伸が定着せず、2024 年の水準から物価分だけ上がった形で、収集家向けの限定品も値上げが通りにくい。ユニバース・ビヨンドは提携先の IP が枯れて次第に売れ行きが鈍り、自社の定番セットが支える。消費者向け商品は関税と許諾料で 6% 前後の利益率にとどまる。

  • ウィザーズ:卓上ゲーム(マジック・D&D):数量 5.1(パック換算の販売数(億パック)= 卓上ゲームの売上 ÷ 1 パック相当の売上)× 価格 4.05(1 パック相当あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • ウィザーズ:デジタル・ライセンス:数量 50.0(提携・自社ゲームの実質の総取扱高(2025 年のドルで億ドル))× 価格 0.14(総取扱高 1 ドルあたりのハスブロの収入(ドル、物価の上昇を含む))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • 消費者向け商品(玩具・ゲーム):数量 1.6(販売個数(億個))× 価格 18(1 個あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • エンターテインメント:数量 255(契約・納品の件数(件))× 価格 33(1 件あたりの収入(万ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%・g 2.8%(市場と価格で 2.8%)・事業の ROE 22.7%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 15.8%、10 年目より先の正当化 PER 13.3 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 13.7 倍。提携セットの出し過ぎで収集家が離れる側なので上限の 75% は床の 1÷k(11.1 倍)を下回るので、1÷k に置く。

確率:ユニバース・ビヨンドの過剰な供給で収集家の信頼が下がり、ポケモンなどに需要が流れて、マジックの数量が 2025 年の 9 割に戻る。玩具の利益は 6% で薄いまま。確率を厚く 27%。

悲観 16% 悲観:構造的に負ける。マジックは 2024 年より低く、玩具は縮み、デジタルも失敗 利益 3 億ドル · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 26.96 ドル38 億ドル

10 年で構造的に負ける。マジックは遊び手がポケモンなどに移り、卓上の数量が 0.62 倍まで落ち(2024 年の水準より低い)、価格は 1.30 倍で売上 13.6 億ドル(利益率 34%)。デジタルの大型ゲームは続けて失敗し 3.2 億ドル(12%)、消費者向け商品は個数 0.72 倍で利益率 2%。売上 40.2 億ドル、営業利益 5.1 億ドル、純利益 3.4 億ドル。配当は守るため純負債は 10 億ドルに増え、のれんや開発費の減損が再び出る。もう優良な会社ではない。ポケモンなど他の収集品に遊び手が流れ、ホビーショップの店舗も減り、流通の厚みが薄れる。ユニバース・ビヨンドの許諾料だけが重く残り、玩具は利益がほとんど出ない。経営は資本配分をさらに誤り、のれんと開発費の減損が再び出る。

  • ウィザーズ:卓上ゲーム(マジック・D&D):数量 3.5(パック換算の販売数(億パック)= 卓上ゲームの売上 ÷ 1 パック相当の売上)× 価格 3.90(1 パック相当あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • ウィザーズ:デジタル・ライセンス:数量 25.0(提携・自社ゲームの実質の総取扱高(2025 年のドルで億ドル))× 価格 0.13(総取扱高 1 ドルあたりのハスブロの収入(ドル、物価の上昇を含む))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • 消費者向け商品(玩具・ゲーム):数量 1.3(販売個数(億個))× 価格 17(1 個あたりのハスブロの売上(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定
  • エンターテインメント:数量 180(契約・納品の件数(件))× 価格 31(1 件あたりの収入(万ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量と 1 個あたり価格の推定

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%・g 2.0%(市場と価格で 2.0%)・事業の ROE 16.1%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 12.6%、10 年目より先の正当化 PER 12.0 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 12.2 倍。一本足が崩れる側なので上限の 75% は床の 1÷k(11.1 倍)を下回るので、1÷k に置く。

確率:10 年で構造的に負ける筋書き:マジックの数量が 2025 年の 6 割(2024 年より低い)、玩具は個数が 3 割減、デジタルの大型ゲームは失敗。一本足でのれん減損の前科がある会社なので、悲観を 16% と厚くした。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

ウィザーズ:卓上ゲーム(マジック・D&D)

マジック:ザ・ギャザリングのブースター・デッキ・限定品(ユニバース・ビヨンドを含む)とダンジョンズ&ドラゴンズの書籍。

数量パック換算の販売数(億パック)= 卓上ゲームの売上 ÷ 1 パック相当の売上価格1 パック相当あたりのハスブロの売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 5.6 3.00 17 8
10 年後 中立 6.7 4.23 29 13

取り方:卓上ゲームの売上 16.87 億ドル(開示。うちマジックが約 9 割)を、ブースター・デッキ・限定品をパックに換算した推定の数量 5.6 億パックと、1 パック相当の売上 3 ドル(卸売りの値)に分解した(会社は数量を開示しない)。営業利益 7.93 億ドルは、ウィザーズ全体 10.07 億ドル(開示、利益率 46%)を卓上 47%・デジタル 43% に分けた推定。2025 年はマジックが +59%(数量と限定品・ユニバース・ビヨンドの構成)。

ウィザーズ:デジタル・ライセンス

モノポリー GO などのライセンス収入、マジック・アリーナ、自社のデジタルゲーム(2027 年のエクソダス・ウォーロック)。

数量提携・自社ゲームの実質の総取扱高(2025 年のドルで億ドル)価格総取扱高 1 ドルあたりのハスブロの収入(ドル、物価の上昇を含む)売上営業利益
今 2025/12 50.0 0.10 5 2
10 年後 中立 75.0 0.14 11 3

取り方:デジタル・ライセンス収入 5.00 億ドル(開示、+6%。モノポリー GO が 1.68 億ドル)を、ゲーム側の総取扱高の推定 50 億ドルと、ハスブロの取り分 10%(ライセンス料と自社ゲームの売上の平均)に分けた推定。営業利益 2.14 億ドルはウィザーズ全体から卓上を引いた推定(利益率 43%)。

消費者向け商品(玩具・ゲーム)

ナーフ・モノポリー・プレイ・ドー・トランスフォーマーなどの自社ブランド玩具・ゲームと、マーベル・スター・ウォーズ・ペッパピッグなどの許諾品。

数量販売個数(億個)価格1 個あたりのハスブロの売上(ドル)売上営業利益
今 2025/12 1.9 13 24 1
10 年後 中立 1.9 19 34 3

取り方:売上 24.38 億ドル(開示、−4%。北米 14.2・欧州 5.7・アジア太平洋 2.5・中南米 2.0 億ドル)を、玩具・ゲームの販売個数の推定 1.85 億個と 1 個あたりの売上 13.2 ドル(卸値。安い玩具から数十ドルの品まで)に分けた推定。営業利益 0.90 億ドル(利益率 3.7%)は、会社の調整後営業利益 11.40 億ドルから他の事業を引いた推定(のれん減損 10.22 億ドルは除く)。

エンターテインメント

ペッパピッグ・PJ マスクなどのファミリーブランドの権利と、小さな映像・テレビの収入。

数量契約・納品の件数(件)価格1 件あたりの収入(万ドル)売上営業利益
今 2025/12 300 26 1 0
10 年後 中立 300 36 1 0

取り方:売上 0.77 億ドル(開示。ファミリーブランド 0.67 億、映像・テレビ 0.10 億)を、件数の推定 300 件と 1 件あたり 25.6 万ドルに分けた推定。映像制作は 2023 年に売却済みで小さい。営業利益は推定 0.30 億ドル(会社の開示は GAAP 0.004 億ドル)。

リスクと懸念

マジックへの利益の集中と、2025〜26 年の水準の反動

営業利益の約 9 割がウィザーズ、その大半がマジック。2025 年は +59%、2026 年上期は +34% だが、通期は「低い 1 桁の増加」で第 4 四半期は前年割れの見通し。印刷の絞りと提携セットの上振れが剥がれると、数量が 2024 年の水準(今の 6 割強)まで戻りうる。

ユニバース・ビヨンドの出し過ぎと許諾料

2026 年は 7 セット、2027 年は 6 セット(自社 3・UB 3)。提携先の IP が枯れる、収集家が自社の定番セットから離れる、許諾料(ロイヤルティ)が上がって利益率を削る、のいずれでも利益の質が下がる。第 4 四半期から後半はゲームの発売に伴う宣伝費・ロイヤルティの増加も重なる。

消費者向け商品の低収益と関税

売上 24.4 億ドルで営業利益率は 6〜8%(2026 年の見通し)、4〜6 月は調整後で営業損失。2025 年は関税が引き金で 10.2 億ドルののれんを減損した。マテルも売上 +10% で利益率が 3.4% に落ち、関税・ロイヤルティ・原材料の負担は業界全体の問題。調達の分散は数年かかる。

ポケモンなど収集品市場の競争

ポケモン社の売上は +29%(2026 年 2 月期)、ポケモンは米国玩具の首位(約 25 億ドル、+87%)。収集家の財布を取り合い、遊び手がポケモン側に流れれば、マジックの数量の伸びは止まる。トレーディングカード市場の規模の推計は 84 億ドルから 150 億ドル超まで幅が大きく、マジックのシェアも不明。

デジタルゲームの大型投資と当たり外れ

2027 年にエクソダス・ウォーロック(開発費 1 本 1〜2.5 億ドル、償却の約 3 分の 2 が発売後 3 か月に集中)。ウィザーズの利益率は 2027 年に 30 台後半〜40% へ下がる見込み。2028 年以降の予定作を中止して 0.56 億ドルを減損済みで、続けて外せば再び減損が出る。

財務の薄さと金利

総借入 35.4 億ドル、現金と短期投資 13.8 億ドル、自己資本は 5.4 億ドル(2025 年末)。利益が崩れた時に配当(年 3.9 億ドル)を守ると、純負債が増える。借り換えは今の高い金利(約 5.75%)になり、利払いが増える。11 月の償還分は新規債で手当て済み。

景気と収集品・玩具の需要、サイバー攻撃

収集品と玩具は不況で買い控えが起き、ホビーショップの在庫調整も重なる。2026 年 3 月末の不正アクセスは 4〜6 月に約 0.25 億ドルの売上を失い、直接費用は 0.11 億ドルで、後半に取り戻す見込みだが、追加の費用が出る可能性がある。

今後の分かれ目

2026 年第 4 四半期から 2027 年にマジックの売上が前年を割り込み続ける
2025〜26 年が供給の絞りと提携セットの一時の押し上げだったと分かり、やや悲観・悲観の確率を上げる。卓上の数量 1.00 倍の前提が崩れる。
ファイナルファンタジーに続く UB(2026 年のマーベル、2027 年の新セット)が同規模で売れ続ける
新しい遊び手が定着していると分かり、楽観・やや楽観の確率を上げる。卓上の数量 1.2 倍を超える。
消費者向け商品の調整後営業利益率が 2027 年に 8% を超える
コスト削減と調達の分散が効き、利益率 10% への道筋が見える。中立の 10 年を上げる材料。
関税の水準が引き上げられ、玩具の調達費が上がる
転嫁できなければ消費者向け商品が営業損失に戻り、利益率 4〜5% の筋書き(やや悲観)に近づく。
エクソダス・ウォーロックが 2027 年に外れる(販売が開発費を回収できない)
デジタル投資の減損が再び出て、経営の資本配分への信頼が下がる。ウィザーズの利益率は 30 台後半に張り付く。
ポケモンの人気がさらに高まり、収集家の需要がマジックから移る
構造の悲観(10 年)の確率を上げる。卓上の数量が 2025 年の 6〜9 割へ縮む筋書き。

見ておくもの

  • マジックの四半期の売上の伸び(2026 年第 3 四半期は +中 1 桁、第 4 四半期は −低 1 桁の見通し)と UB セットの売れ行き
  • ウィザーズの営業利益率(2026 年は 40% 台前半、2027 年は 30 台後半〜40%)
  • 消費者向け商品の調整後営業利益率(6〜8% の見通し)と関税・ロイヤルティの影響
  • エクソダス・ウォーロックの発売時期と初期の売れ行き、デジタル支出の推移
  • 純負債・自社株買いの額(2026 年は 2 億ドル以上)と配当の方針
  • ポケモンなど競合の収集品の売上、米国玩具市場の伸び(サーカナ)

倍率と資本コストの決め方

倍率は今の PER(赤字の年が続き意味がない)や 2026 年の見込み PER に寄せず、利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k))に k 9.0%(基本 8.0% + quality 1.0%)・g 2.0〜3.5%・ROE を入れ、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g)。一本足の商品なので上限の 75% を使った。ROE は筋書きの純利益 ÷ 自己資本で、g は市場・シェア・価格の内訳で置き ROE から出していない。業界ノートの倍率は使っていない。悲観・やや悲観で 4 割強と確率を厚く置いた。売上は数量 × 価格で積み上げ、今の株価を見て決めていない。

資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 1.0%。玩具・ゲームは景気と流行で売上が振れ、ヒットに利益が偏る(cycle +0.5%)。値決めは全体で普通(pricing 0)、純負債が営業利益の約 2 倍(debt +0.25%)、利益の約 9 割をマジック 1 本が稼ぐ一本足(life +0.25%)。のれん減損の前歴・玩具の低収益・提携先の IP への依存は k に足さず、悲観の確率と悲観の利益率で表した。

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オライリー・オートモーティブORLY プロ向けの配送網と部品小売の安定で堀は厚い。利益ベースで測ると今の値段は妥当からやや高めで、中立の年率は資本コストに届かない 本質価値との差 −14.8% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 ジェニュイン・パーツGPC 自動車の NAPA と産業のモーションの 2 本立て。分離(2027 年第 1 四半期)で価値が出るが、自動車の利益率の低さと借金が重い 本質価値との差 −16.0% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 ヤム・ブランズYUM ピザハットを売って KFC とタコベルに絞った外食フランチャイズ本社で、堀は厚く成長も続くが、倍率が k−g の薄さに敏感で、利益ベースで測ると中立の 10 年は年 +5% 前後で、総合はやや割高 本質価値との差 −16.2% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 ベスト・バイBBY 米国最大の家電専門店。パソコン・携帯の買い替えで利益率は持ち直したが、アマゾン・ウォルマートに挟まれ、堀が薄い耐久財の小売として見る 本質価値との差 −16.9% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 ノルウェージャン・クルーズ・ラインNCLH 大型クルーズ 3 位。NCL ブランドの需要が崩れ、純レバレッジ 6 倍超の中で立て直し中。資本コスト 10.25% の利益ベースの倍率で測ると、回復を入れても今の値段はやや割高 本質価値との差 −17.4% · 10 年 やや割高(年 +7.5%) やや割高 ダーデン・レストランツDRI フルサービス外食の最大手で、ロングホーンの勢いと出店で伸びるが、オリーブガーデンの客数の弱さと牛肉・人件費が重い。利益ベースで測ると 10 年の中立は今の時価総額を上回るが、悲観側の厚みと資本コストを織り込むと総合はやや割高 本質価値との差 −19.3% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 トラクター・サプライTSCO 田舎暮らしのペット・畜産・庭・補修用品を 2,600 店超で売る米国最大の農村向け専門小売。堀は店の近さと専門品だが、2026 年は既存店が落ち、利益率の下げ止まりが論点 本質価値との差 −23.7% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 ラルフローレンRL 世代を超えて売れる定番ブランドで利益率は過去最高。勝負は熱の持続とアジアの伸び 本質価値との差 −25.3% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 アマゾン・ドット・コムAMZN AWS と広告の利益は本物。設備投資の重さを ROE に入れ、資本コスト 8% と利益ベースの倍率で測ると、今の値段は楽観の筋書きまで先取りしてやや割高 本質価値との差 −27.7% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 イーベイEBAY 取扱高と手数料率が上向く成熟した古参の中古市場。今の PER 26 倍は利益ベースの倍率(約 14 倍)を大きく超えており、買収提案の観測を除くと本質価値は下でやや割高 本質価値との差 −28.0% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 ホーム・デポHD プロの囲い込みで堀は厚い。資本コスト 8.75% の利益ベースで倍率を引き直すと、住宅の停滞と買収後の債務を厚く見て、今の値段はやや割高 本質価値との差 −28.1% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) やや割高 アプティブ・ホールディングスAPTV 配線事業を分離した後の「ニュー・アプティブ」。EC が稼ぎ、IS が足を引く部品会社で、純負債 46 億ドルと、中国・欧州の弱さを抱える 本質価値との差 −28.1% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) 割高 エアビーアンドビーABNB 民泊の最大手で資産が軽く高収益。10 年で年 1 割の成長と純現金を数えても、利益ベースの倍率(約 14 倍)で測ると今の PER 41 倍は高く、やや割高 本質価値との差 −30.2% · 10 年 割高(年 +3.6%) 割高 アルタ・ビューティULTA 化粧品の「安い品から高級品、美容室まで」を一つの店で売る米国最大の美容専門小売。会員と品ぞろえが堀だが、セフォラとマスに挟まれる位置で、利益ベースの倍率では今の値段はやや割高 本質価値との差 −33.1% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 ロス・ストアーズROST 米国オフプライス 2 位。客数が絶好調だが、利益ベースの倍率(約 16 倍)で測ると今の値段は高く、総合は割高 本質価値との差 −33.2% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 マリオット・インターナショナルMAR 世界最大のホテル手数料事業で堀は厚いが、今の PER 39 倍は利益ベースの倍率(約 18 倍)を大きく上回り、中立の 10 年の年率は +3% にとどまり割高 本質価値との差 −35.8% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 カルバナCVNA 年 80 万台まで来た中古車ネット販売の最大手。利益ベースの倍率で測ると今の時価総額を大きく下回り割高。利益は景気と与信市場に強く振れる 本質価値との差 −38.6% · 10 年 割高(年 +3.4%) 割高 ウィリアムズ・ソノマWSM 家具とキッチンの設計を自社で握る高収益の小売。10 年で稼ぎは伸びるが、利益ベースの倍率で見ると今の値段は割高で、関税と住宅の回転が値段を大きく左右する 本質価値との差 −40.1% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスHLT 世界最大級の手数料事業で堀は厚いが、今の PER 54 倍は利益ベースの倍率の上限(約 23 倍)の倍以上で、中立の 10 年の時価総額は今を下回り割高 本質価値との差 −41.4% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 スターバックスSBUX 世界 4.1 万店のコーヒーの堀は残るが、立て直しの反動を織り込んだ今の時価総額は利益の回復後の値より高く、中立でも 10 年の年率は 2% 前後で資本コスト 8.5% に届かず割高 本質価値との差 −43.6% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 ドアダッシュDASH 米国の即時配達で約 6 割を握る成長企業。利益率の立ち上がりが全てで、資本コスト 8.5% と利益ベースの倍率で見ると今の値段は強気の筋書きも上回り、割高 本質価値との差 −51.1% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 ガーミンGRMN 専門機器の優良企業。利益ベースの倍率(約 13 倍)で測ると今の値段は高く、総合は割高 本質価値との差 −53.4% · 10 年 割高(年 −0.5%) 割高 テスラTSLA 本業の利益は薄いのに、ロボタクシーとロボットへの期待だけで時価総額は 1.1 兆ドル超。今の値段に届くのは楽観の筋書きだけ 本質価値との差 −83.4% · 10 年 割高(年 −9.3%)

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読んだ資料

  1. ハスブロ 2025 年通期の決算発表(SEC 8-K)
  2. ハスブロ 2026 年 4〜6 月期の決算発表(SEC 8-K)
  3. ハスブロ 2026 年 4〜6 月期の決算説明会の書き起こし(Investing.com)
  4. ハスブロ 2026 年 4〜6 月期の決算 10-Q(SEC)
  5. マテル 2026 年 4〜6 月期の決算発表
  6. 米国玩具 2026 年上期の売上 +17%(Circana、Retail Dive)
  7. トレーディングカード・ゲーム市場の推計(Global Market Insights)
  8. ハスブロの時価総額(Investing.com)

分析日 2026-10-16