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ホーム・デポ HD

プロの囲い込みで堀は厚い。資本コスト 8.75% の利益ベースで倍率を引き直すと、住宅の停滞と買収後の債務を厚く見て、今の値段はやや割高

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)235.70 ドル2,345 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)327.7 ドル3,261 億ドル差 −28.1%
10 年後から見ると やや割高 価値 235.70 ドル2,345 億ドル · 差 −28.1% · 期待の年率 +3.6%
期待の年率リターン(10 年)+3.6%資本コスト比 −5.1 pt
推定の資本コスト8.8%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.8% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

ホーム・デポは、米国の住宅の修繕・改装で約 3 割の占有率を持つ世界最大のホームセンターで、約 2,350 店の店舗と通販、そして SRS・GMS を加えたプロ向けの建材流通を持つ。2025 年度(2026 年 2 月 1 日終了)は売上 1,647 億ドル(+3.2%)、営業利益 209 億ドル(営業利益率 12.7%)、純利益 142 億ドル、既存店は +0.3% にとどまった。2026 年 5〜7 月期は売上 479 億ドル(+5.7%。うち GMS の買収分 14 億ドル)、既存店 +1.7%(米国 +1.3%)で、通期の見通しは売上 +2.5〜4.5%、営業利益率 12.4〜12.6% を据え置いた。

事業の質は高い。売上の約半分を占めるプロ向けは、品ぞろえ・在庫・配送・与信が一体で、小さな店に取り替えにくい。ただし住宅は、高い住宅ローン金利で中古の売買が止まり、大型案件が延期される局面が 3 年続き、営業利益は 2022 年の 240 億ドルから 209 億ドルへ減った。2024〜25 年の SRS(約 182 億ドル)と GMS(約 55 億ドル)の買収で純負債は 640 億ドルに膨らみ、自社株買いは止まり、自己資本は 128 億ドルしかない。

バリュー投資の観点では、値段との釣り合いを見る。資本コストは 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)で、事業の ROE 34〜42%(ROIC から直した値)・g 4% の利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(事業の ROE − k))の上限は 17.1 倍。利益の質が高く住宅の振れも小売の中では小さいので上限の 9 割の約 15.4 倍に置くと、今の PER 21.8 倍よりかなり低い。事業ごとに市場 × 占有率 × 価格(10 年で物価並みの約 1.4 倍)を積むと、10 年後の中立は営業利益 321 億ドル、純利益 219 億ドルで、時価総額は約 3,366 億ドルと今の 1.1 倍。配当込みの年率は +4.8% で資本コストに届かない。純負債 640 億ドルを抱えるため悲観の確率を厚く(10 年 14%)置くと、総合の差は -24% でやや割高。「優良な事業だが、値段は先を織り込んでいる」が結論である。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず 10 年後を問う。ホーム・デポは、家を持つ人が続く限り修繕と改装の需要が続く事業で、わからなさは小さい。築 40 年の住宅、プロとの長い関係、店舗網という堀は、10 年後も存在する可能性が高く、むしろ SRS・GMS でプロ向けの外側まで広がる分だけ堀は広がる。

次にオーナー利益を見る。純利益 142 億ドルに償却を足し、設備投資を引いたフリーキャッシュフローは 126 億ドルで、株式報酬の約 5 億ドル(推定)を引くと約 121 億ドル。今の時価総額 3,081 億ドルに対する利回りは約 3.9% で、10 年国債の 5% を下回るが、国債と違って利益は物価についていく。配当の利回りは約 3%。成長が年 +4% 台なら、この利回りに足して 8% 前後で、資本コスト 8.75% にわずかに届かない。

資本配分は、SRS・GMS という大型買収が最大の論点。約 240 億ドルを投じ、買収価格に見合う利益が出るかは 3〜5 年で見えてくる。自社株買いは 2020 年代前半に年 70〜150 億ドルを続け、買収後に止めた。倍率の高い局面で買っていた面が否めない。

安全域は厚くない。中立の 10 年後で配当込みの年率は +4.8% と資本コスト 8.75% に届かず、楽観(10 年で確率 10%)でも年率 +8% 前後、構造的に負ける悲観でも時価総額と還元の合計は今の約 79% 残る。わからない事業ではない代わりに、債務の重さが下振れを深くする。値段はやや高く、住宅の停滞で株価が下がる局面を待つ価値もある。

何で稼ぐ会社か

ホーム・デポの売上は大きく 3 つに分かれる。一つめは米国の店舗と通販(2025 年度の売上 約 1,360 億ドル)。大型の倉庫型店舗で、建材・工具・電気・水回り・園芸・家電・塗料などを売る。客は一般の持ち家の所有者(自分で直す人と、業者に頼む人)と、工務店・リフォーム業者などのプロの 2 層で、プロが売上の約半分を占める(開示は幅があり約 5 割と推定)。プロは 1 回の購入額が大きく、来店の頻度が高く、品切れと配送の遅れを嫌うので、店舗の在庫、当日配送、プロ専用の与信(プロ・クレジット)が堀の中心になる。

二つめはカナダとメキシコの店舗(約 150 億ドルと推定、営業利益率は米国よりやや低い)。三つめは 2024 年に約 182 億ドルで買ったスペシャルティ・リソース・サプライ(SRS。屋根材・造園・プール用品の流通)と、2025 年 9 月に約 55 億ドルで買って完了した GMS(石こうボード・天井材・鉄骨下地の流通、約 300 の拠点)を合わせた、プロ向けの建材流通(2025 年度 約 140 億ドル。GMS は期中の 5 か月分のみで、2026 年度から通年)。店舗で扱いにくい大口・配送中心・現場への直送の領域で、ホームセンターの店舗網が届かなかった取引を取りに行く動きである。流通は営業利益率が店舗より低く(買収で積んだ無形資産の償却を含めて約 9%)、利益の大半はなお店舗が稼ぐ。

利益の構造は、仕入れの規模(年 1,000 億ドル超の商品調達)による粗利益率 33% 前後、店舗の固定費の高い運営(人件費と店舗の運営費)、営業利益率 12〜15% という形である。本部費は各事業に配分されているので、セグメントごとの営業利益は推定で置いた(店舗 180 億ドル、海外 17 億ドル、流通 12 億ドル。いずれも開示が薄いため、how に推定の方法を書いた)。

優良さと弱いところ

堀は 4 つある。第 1 は規模と店舗網で、年 1,000 億ドル超の仕入れが価格と品ぞろえの力になり、これに並ぶのは国内ではロウズ(Lowe's)だけ。ホームセンターは 2 強で、米国の売上の約 5 割を占める(推定)。第 2 はプロとの関係で、プロ専用の与信、配送、取引先ごとの価格、プロ用の品ぞろえが、1 度使い始めると切り替えにくい。第 3 はブランドで、「自分で直す」ときの最初に思い出す店舗である。第 4 は SRS・GMS を加えた建材流通で、店舗に来ないプロの大口取引を取り込む。

資本効率は非常に高い。過去 12 期の営業利益率は 12.7〜15.3% で、2008〜10 年の底(7.4〜8.6%)は今の水準から遠い。ROE は 110% だが、これは自社株買いを続けて自己資本を 128 億ドルまで削った結果で、実態は投下資本利益率(純負債 640 億ドル + 自己資本)で見るべき。税引き後営業利益 約 160 億ドル ÷ 投下資本 約 770 億ドル = 20% 台。経営は現場主義の伝統が強く、現 CEO のテッド・デッカー(2022 年〜)は SRS・GMS の買収を決めた。

弱みは 3 つ。(1)住宅の回転率が低い間は、大型案件(キッチン・浴室・屋根)が延期され、既存店が伸びない(2025 年度 +0.3%)。(2)買収で純負債 640 億ドル(EBITDA の約 2.3 倍と推定)となり、自社株買いを止めた。(3)営業利益率が 12.7% まで下がり、2022 年のピーク 15.3% から 2.6 ポイント低い。物価 3.5% の世界でも、値上げで人件費と関税を吸収しきれていない。事業の質は高いが、いま優良さが一時的に薄まっている。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

米国の住宅リフォーム市場は約 5,000 億ドル(推定)で、2025 年は前年比ほぼ横ばい。要因は 3 つ。第 1 に、住宅ローン金利が高い局面で低い金利で借りた持ち家の所有者が売らず(ロックイン効果)、中古住宅の回転率が低水準。引っ越さない代わりに直す需要が出るが、大型案件は借入が重く延期される。第 2 に、持ち家の平均築年数は約 40 年と古く、修繕の需要そのものは底堅い。第 3 に、2025 年の IEEPA 関税は工具・家電・建材の仕入れ価格を押し上げ、2026 年に一部が還付されたが一回限りで、正常利益から除く。

競争は 3 つの層。店舗はホーム・デポとロウズの 2 強で、小さな店とアマゾン・ウォルマートが周辺にいる。プロ向けは専門流通の戦いで、フェルグソン、ビーコン(QXO が買収)、ロウズが買った FBM、ホーム・デポの SRS・GMS が競う。ロウズのプロ比率は約 3 割で、ホーム・デポの約 5 割に追いつこうとしている。通販ではアマゾン、ウェイフェア、ウォルマートが工具・家具・小物を削る。

循環のどこにいるか:住宅は 2022 年から 3 年以上の停滞で、金利が下がらない世界でも、金利への慣れ・築年数・世代交代の需要で、緩やかな回復が入ると見る。ただしリーマン級の急落は、住宅と借入の両方に敏感なこの業界が最も深く傷む。業界ノートの中立(市場 年 +3.5%、住宅ローン金利への慣れによる回復、営業利益率は横ばい)を使い、ホーム・デポが特別に強い・弱いという見方はしていない。

資本政策と M&A

還元は配当が中心。2025 年度の配当は約 92 億ドルで純利益の約 65%、四半期の配当は 2026 年 2 月に +1.3% の引き上げで、増配の幅は小さい。自社株買いは SRS の買収後、調整後の純負債/EBITDA が 2.0 倍に戻るまで止める方針で、2025 年度はゼロ。2.0 倍に戻るのは 2027 年ごろ(推定)。

M&A は SRS(2024 年、約 182 億ドル)と GMS(2025 年 9 月、約 55 億ドル)で、ホームセンターのプロ向けの外側にある建材の流通を取りにいった。いずれも大型で、買収の価格が高く、統合の費用と無形資産の償却が利益率を押し下げている。今後は大型の買収は止め、SRS の拠点網と GMS を結びつける統合に集中するとみる(推定)。独占禁止法の面で、ホームセンター・建材流通の大型の買収は難しい。ホーム・デポ自身が買われる側になる可能性はない。

論点は、買収で積んだ約 240 億ドルの資本が、投下資本利益率の中で何 % を稼ぐか。流通の営業利益率が 9% 前後で、店舗の 13% を下回る限り、全社の利益率は買収の分だけ薄まる。自社株買いの再開が遅れるほど、株数が減らず、利益の増え方が遅くなる。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

ホーム・デポは住宅の停滞の底にいる。2022 年から 3 年以上、住宅の回転率が低水準で、大型案件が延期され、既存店は +0.3%(2025 年度)。それでも営業利益率は 12.7%(調整後 13.1%)を保ち、2026 年 5〜7 月期は既存店が +1.7% と上向き、粗利益率は 33.7% に上がった。金利が下がらなくても、買い手と売り手が高金利に慣れ、築 40 年の住宅の修繕と、プロの手による大型案件が戻れば、市場は年 +4% 台、営業利益率は 14% に近づく。

プロ向けが売上の約半分を占め、SRS・GMS で建材の流通まで広がった。プロは店舗の在庫・配送・与信に縛られるので、取り替えが難しい。ロウズより一段上のプロ比率と、流通まで一貫した供給網は、10 年のうちにプロの取引を一段と囲い込む。

自社株買いが止まっているのは債務を減らすためで、2027 年に債務比率が 2.0 倍に戻れば再開できる。10 年の純利益の合計は約 1,900 億ドル、還元(配当と自社株買い)は約 9 割。投下資本利益率は 20% 台で、住宅の回復という景気の力を借りなくても、堀はなお効いている。

慎重な見方

ホーム・デポの PER 21.8 倍は、資本コスト 8.75%・g 4% の利益ベースの上限(17.1 倍)を大きく上回り、安全域がない。資本コストが 1% 上がれば上限は 14 倍台に落ちる。

成長の質も怪しい。2025 年度の既存店は +0.3%、営業利益は 3 年で 240 億ドルから 209 億ドルに減り、営業利益率は 15.3% から 12.7% へ下がった。2026 年の見通しの営業利益率 12.4〜12.6% には、一回限りの関税の還付が入っている。住宅の回転が戻る保証はなく、金利が 5% で動かないなら、ロックインはさらに続く。

さらに SRS(182 億ドル)と GMS(55 億ドル)の買収は高値で、流通の営業利益率は 9% 前後と店舗の 13% を下回り、無形資産の償却で利益を削る。フェルグソン・ビーコン(QXO が買収)・ロウズ(FBM を買収)が配送と与信で追い上げ、プロの囲い込みの堀は想定より狭い。純負債 640 億ドルのもとで景気が悪化すれば、増配も自社株買いの再開も遅れる。アマゾンの建材・工具の通販と AI の購入窓口が、DIY の価格を比較し尽くす可能性もある。

どちらに重みを置いたか

事業の質と堀は強気の見方が強い(特にプロ向け)。確率は楽観・やや楽観の合計を 30% とし、債務の重さを見て悲観を 14% に厚くした。値段の議論では、資本コスト 8.75% の利益ベースの上限が 17.1 倍で、中立の倍率は上限の 9 割の約 15.4 倍と今の 21.8 倍よりかなり低い。中立の 10 年後で配当込みの年率は +4.8% と資本コストに届かず、楽観でも年率 +8% 前後で、安全域はない。結論は「優良な事業だが、値段は先を織り込んでいる」(総合の差 -24%、やや割高)。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 318.60 ドル3,170 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 149.05 ドル1,483 億ドル)。 今の値に割り戻すと 235.70 ドル2,345 億ドル、今との差 −28.1%、 期待の年率 +3.6%(資本コスト 8.8%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 503.91 ドル5,014 億ドル 190.75 ドル1,898 億ドル +112.0% +7.8% 69.47 ドル691 億ドル
やや楽観 20% 408.79 ドル4,068 億ドル 172.26 ドル1,714 億ドル +77.3% +5.9% 116.21 ドル1,156 億ドル
中立 36% 338.29 ドル3,366 億ドル 154.57 ドル1,538 億ドル +50.4% +4.2% 177.43 ドル1,765 億ドル
やや悲観 20% 224.03 ドル2,229 億ドル 127.84 ドル1,272 億ドル +7.4% +0.7% 70.37 ドル700 億ドル
悲観 14% 141.86 ドル1,412 億ドル 102.21 ドル1,017 億ドル −25.5% −2.9% 34.17 ドル340 億ドル
加重平均100% 318.60 ドル3,170 億ドル149.05 ドル1,483 億ドル +42.7% +3.6% 467.65 ドル4,653 億ドル

今の株価時価総額 327.73 ドル3,261 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。

楽観 10% 楽観:プロ向けの囲い込みが進み、店舗と流通が一体で利益率が上がる 利益 291 億ドル · PER 17.2 倍 · 株価時価総額 503.91 ドル5,014 億ドル

市場は 10 年で 1.6 倍(年 +4.8%:中古の回転が戻り、築 40 年の住宅の修繕と高齢者のバリアフリー改装が重なる)。ホームデポの占有率は 28.8% に上がり、米国の店舗・通販の売上は 2,304 億ドル、営業利益率 14.5%。プロ向け流通(SRS・GMS)はフェルグソンなどから取り、占有率 12.5% で売上 371 億ドル、営業利益率 12%。カナダ・メキシコは 285 億ドル。営業利益 416 億ドル、純利益 291 億ドル。ROE は自己資本が小さいので意味が薄いが、投下資本の利益率は 20% 台を保つ。倍率は正当化 PER 17.8 倍の 9.7 割にあたる 17.2 倍に置いた。

  • 米国の店舗・通販(一般向けと小口のプロ):数量 5,674(米国の住関連・修繕の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.41(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 2,304 億ドル・営業利益 334 億ドル。店舗・通販の占有率と利益率(占有率 28.8%・物価指数 1.41)
  • カナダ・メキシコの店舗:数量 1,755(カナダ・メキシコの住関連の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.16(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 285 億ドル・営業利益 37 億ドル。カナダ・メキシコの店舗(占有率 11.5%・物価指数 1.41)
  • プロ向け建材流通(SRS・GMS):数量 2,106(米国の専門流通の対象市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.18(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 371 億ドル・営業利益 45 億ドル。SRS・GMS の占有率と利益率(占有率 12.5%・物価指数 1.41)

倍率:上限の正当化 PER 17.8 倍に対し、17.2 倍(9.7 割)に置いた。需要が安定し利益の質が高いので、中立(9.0 割)にさらに 0.7 割を上乗せした(上限の内側)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 25.6%(k 8.75% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 42.4%(帳簿の自己資本 ROE は 40% 超か自己資本が負・極小なので使わず、ROIC 28%(税引き後営業利益 ÷(その筋書きの自己資本+今の純負債))+(ROIC − 税引き後の借入金利 4.4%)× 業界並みの負債の比 0.6(純負債 ÷(自己資本+純負債)。1 まで)で出した値)。時価総額は、書いた純利益 291 億ドル × 17.2 倍で 5014 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。

確率:金利が下がらない前提で、利益率が過去最高(15.3%)に近づくには数量と価格の両方が要る。10%。

やや楽観 20% やや楽観:占有率が少し上がり、流通が利益に厚みを足す 利益 250 億ドル · PER 16.3 倍 · 株価時価総額 408.79 ドル4,068 億ドル

市場は 1.52 倍。ホームデポの占有率は 28.2% で、米国の店舗・通販の売上 2,143 億ドル、営業利益率 13.8%。流通は占有率 11.5%(バリューチェーンの統合とクロスセル)で売上 321 億ドル、営業利益率 11%。カナダ・メキシコは 256 億ドル。営業利益 362 億ドル(営業利益率 13.3%)、純利益 250 億ドル。物価 3.5% の中でも値上げで人件費と関税を吸収でき、営業利益率は 2022 年のピーク(15.3%)には戻らないが 13% 台に回復する。債務比率が下がった 2027 年以降は自社株買いが配当と並ぶ還元になり、10 年の還元は 1,714 億ドル。倍率は正当化 PER 17.5 倍の 9.3 割にあたる 16.3 倍に置いた。

  • 米国の店舗・通販(一般向けと小口のプロ):数量 5,390(米国の住関連・修繕の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.40(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 2,143 億ドル・営業利益 296 億ドル。店舗・通販の占有率と利益率(占有率 28.2%・物価指数 1.41)
  • カナダ・メキシコの店舗:数量 1,649(カナダ・メキシコの住関連の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.16(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 256 億ドル・営業利益 31 億ドル。カナダ・メキシコの店舗(占有率 11%・物価指数 1.41)
  • プロ向け建材流通(SRS・GMS):数量 1,979(米国の専門流通の対象市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.16(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 321 億ドル・営業利益 35 億ドル。SRS・GMS の占有率と利益率(占有率 11.5%・物価指数 1.41)

倍率:上限の正当化 PER 17.5 倍に対し、16.3 倍(9.3 割)に置いた。需要が安定し利益の質が高いので、中立(9.0 割)にさらに 0.3 割を上乗せした。上限の中身は g 4.0%、RONIC 23.7%(k 8.75% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 38.6%(帳簿の自己資本 ROE は 40% 超か自己資本が負・極小なので使わず、ROIC 26%(税引き後営業利益 ÷(その筋書きの自己資本+今の純負債))+(ROIC − 税引き後の借入金利 4.4%)× 業界並みの負債の比 0.6(純負債 ÷(自己資本+純負債)。1 まで)で出した値)。時価総額は、書いた純利益 250 億ドル × 16.3 倍で 4068 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。

確率:堀(規模・品ぞろえ・プロ向けの関係)が保たれ、住宅の回転がある程度戻る筋書き。債務の返済で還元が細る期間を見て 20%。

中立 36% 中立:優良な成熟小売として名目 +4% 台で伸び、倍率は資本コスト 8.75% の利益ベースの上限の 9 割 利益 219 億ドル · PER 15.4 倍 · 株価時価総額 338.29 ドル3,366 億ドル

住宅リフォーム市場は名目で年 +3.9%(価格は物価並みの 1.41 倍、実質の数量は年 +0.3%)で 10 年後に 7,250 億ドル。ホームデポの占有率は 27.6% で、米国の店舗・通販の売上は 2,001 億ドル、営業利益率 13.3%。プロ向け流通は占有率 10.5%、売上 280 億ドル、営業利益率 10%。カナダ・メキシコは 233 億ドル。営業利益 321 億ドル(今の 1.5 倍、年 +4%)、営業利益率 12.8%、純利益 219 億ドル。借り換えで利払いは約 11 億ドル増える。設備投資は売上の 2.5〜3%、還元は純利益の約 9 割(配当と自社株買い、株式報酬の分を差し引く)。倍率は正当化 PER 17.1 倍の 9.0 割にあたる 15.4 倍に置いた。

  • 米国の店舗・通販(一般向けと小口のプロ):数量 5,142(米国の住関連・修繕の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.39(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 2,001 億ドル・営業利益 266 億ドル。店舗・通販の占有率と利益率(占有率 27.6%・物価指数 1.41)
  • カナダ・メキシコの店舗:数量 1,575(カナダ・メキシコの住関連の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.15(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 233 億ドル・営業利益 27 億ドル。カナダ・メキシコの店舗(占有率 10.5%・物価指数 1.41)
  • プロ向け建材流通(SRS・GMS):数量 1,889(米国の専門流通の対象市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.15(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 280 億ドル・営業利益 28 億ドル。SRS・GMS の占有率と利益率(占有率 10.5%・物価指数 1.41)

倍率:上限の正当化 PER 17.1 倍に対し、15.4 倍(9.0 割)に置いた。需要が安定し利益の質が高い(景気で利益がほとんど振れない)ので、上限の 9.0 割に置いた。上限の中身は g 4.0%、RONIC 21.2%(k 8.75% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 33.7%(帳簿の自己資本 ROE は 40% 超か自己資本が負・極小なので使わず、ROIC 23%(税引き後営業利益 ÷(その筋書きの自己資本+今の純負債))+(ROIC − 税引き後の借入金利 4.4%)× 業界並みの負債の比 0.6(純負債 ÷(自己資本+純負債)。1 まで)で出した値)。時価総額は、書いた純利益 219 億ドル × 15.4 倍で 3366 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。

確率:業界ノートの中立(市場 約 1.45 倍、営業利益率横ばい)に従い、プロ向けで占有率がわずかに上がる分を足した。

やや悲観 20% やや悲観:プロ向けで専門流通に追われ、店舗の利益率が下がる 利益 169 億ドル · PER 13.2 倍 · 株価時価総額 224.03 ドル2,229 億ドル

市場は 1.35 倍。プロ向けでフェルグソン、ビーコン(QXO が買収)、ロウズ(FBM を買収)が配送と与信で追い上げ、ホームデポの占有率は 26.4% に下がる。米国の店舗・通販の売上は 1,782 億ドル、営業利益率 12.2%。流通は占有率 9.2%、営業利益率 8.5%(石こうボード・屋根材の価格競争)。営業利益 257 億ドル、純利益 169 億ドル。アマゾンの建材・工具の通販が DIY の小物を削り、関税の転嫁も遅れて、営業利益は今の 1.2 倍にとどまる(年 +2%)。カナダ・メキシコは 203 億ドル。債務は返せるが、還元は純利益の 85% 前後で成長の再投資は小さく、成長は年 +3.5% に落ちる。倍率は正当化 PER 17.6 倍の 7.5 割にあたる 13.2 倍に置いた。

  • 米国の店舗・通販(一般向けと小口のプロ):数量 4,787(米国の住関連・修繕の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.37(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 1,782 億ドル・営業利益 217 億ドル。店舗・通販の占有率と利益率(占有率 26.4%・物価指数 1.41)
  • カナダ・メキシコの店舗:数量 1,468(カナダ・メキシコの住関連の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.14(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 203 億ドル・営業利益 21 億ドル。カナダ・メキシコの店舗(占有率 9.8%・物価指数 1.41)
  • プロ向け建材流通(SRS・GMS):数量 1,762(米国の専門流通の対象市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.13(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 229 億ドル・営業利益 19 億ドル。SRS・GMS の占有率と利益率(占有率 9.2%・物価指数 1.41)

倍率:上限の正当化 PER 17.6 倍に対し、13.2 倍(7.5 割)に置いた。中立(9.0 割)より 1.5 割低くした。住宅の停滞で利益率が下がる筋書きだからだ。上限の中身は g 4.0%、RONIC 24.3%(k 8.75% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 39.9%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 169 億ドル × 13.2 倍で 2229 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。

確率:競争は現実的で、プロ向けの取り合いは既に始まっている。20%。

悲観 14% 悲観:構造的に負ける(プロの囲い込みが崩れ、AI と通販が入口を奪う) 利益 109 億ドル · PER 13.0 倍 · 株価時価総額 141.86 ドル1,412 億ドル

10 年後、プロ向けの取引の入口が専門流通・ロウズ・アマゾンのビジネス購買に分散し、ホームデポの占有率は 24.5% まで下がる。さらに AI の購入窓口が価格比較を完全にし、店舗の価格を決める力が弱まる。米国の店舗・通販の売上は 1,494 億ドル(今より 10% 増で物価の 3 割)、営業利益率 10.5%。流通は買収価格に見合う利益が出ず営業利益率 6%(減損の可能性)。営業利益 181 億ドル、純利益 109 億ドル(今の 77%)。成長はほぼ止まり、利益ベースの式の 90% の PER 約 17.6 倍で、時価総額は今の 6 割前後に沈む。店舗網・物流網の資産が床で、二重には下げていない。

  • 米国の店舗・通販(一般向けと小口のプロ):数量 4,326(米国の住関連・修繕の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.35(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 1,494 億ドル・営業利益 157 億ドル。店舗・通販の占有率と利益率(占有率 24.5%・物価指数 1.41)
  • カナダ・メキシコの店舗:数量 1,330(カナダ・メキシコの住関連の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.12(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 165 億ドル・営業利益 13 億ドル。カナダ・メキシコの店舗(占有率 8.8%・物価指数 1.41)
  • プロ向け建材流通(SRS・GMS):数量 1,596(米国の専門流通の対象市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定))× 価格 0.11(ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41))→ 売上 176 億ドル・営業利益 11 億ドル。SRS・GMS の占有率と利益率(占有率 7.8%・物価指数 1.41)

倍率:式どおり:g 1.5%(g はこの筋書きの数量と価格から置いた)、ROE 31.1%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))、k 8.75%。(1−g÷RONIC)÷(k−g) の値は来年の利益に対する倍率なので、10 年目の利益には ×(1+g) で 12.9 倍。RONIC = k + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k)= 19.9%。上限の正当化 PER 16.8 倍の 7.7 割で、上限の内側。10 年目の利益の伸びは年 10% 未満なので 1 段。時価総額は、書いた純利益 109 億ドル × 12.9 倍で 1412 億ドル。

確率:14%:10 年の構造変化(専門流通との取り合い、AI の購入窓口)で優良さを失う確率。買収の債務が重く、失敗したときの傷が深いので厚くした。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

米国の店舗・通販(一般向けと小口のプロ)

米国の店舗と通販。建材・工具・水回り・園芸など。売上の約半分はプロ向け。

数量米国の住関連・修繕の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定)価格ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41)売上営業利益
今 2025/12 5,000 0.27 1,359 180
10 年後 中立 5,142 0.39 2,001 266

取り方:米国の住宅の修繕・改装・建築資材の市場を業界ノートの 5,000 億ドルと置き、2025 年度の店舗・通販の売上(総売上 1,647 億ドルから海外 150、流通 138 を引いた 1,359 億ドル)を割って占有率 27.2%。営業利益は全社 209 億ドルから海外 17・流通 12 を引いた 180 億ドル(営業利益率 13.2%)。いずれも開示が薄く推定。売上 = 市場(実質)× 占有率 × 物価指数。競合はロウズ(売上 約 840 億ドル、同じ市場で占有率 2 割弱、推定)と地域のホームセンター・金物店。市場の名目の伸びのうち物価分(10 年 1.41 倍)は価格に、残りを実質の数量に置いた。

カナダ・メキシコの店舗

カナダとメキシコの店舗。米国と同じ業態。

数量カナダ・メキシコの住関連の市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定)価格ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41)売上営業利益
今 2025/12 1,500 0.10 150 17
10 年後 中立 1,575 0.15 233 27

取り方:両国の住関連の市場を 1,500 億ドルと置き、売上 約 150 億ドル(推定)を割って占有率 10%。営業利益率は米国よりやや低い 11.3% と置いた(推定)。売上 = 市場(実質)× 占有率 × 物価指数。カナダではロウズ撤退後の首位級。

プロ向け建材流通(SRS・GMS)

屋根材・造園・プール用品(SRS)と、石こうボード・天井材・鉄骨下地(GMS)の流通。大口・配送中心。

数量米国の専門流通の対象市場(億ドル、2025 年度の値段に直した実質、推定)価格ホーム・デポの占有率 × 物価指数(2025 年度=1。中立で 3 年 1.11・10 年 1.41)売上営業利益
今 2025/12 1,800 0.08 138 12
10 年後 中立 1,889 0.15 280 28

取り方:屋根材・造園・プール・石こうボード・天井材の専門流通の市場を約 1,800 億ドルと置き、2025 年度の SRS 約 115 億ドルと GMS(2025 年 9 月 4 日から期末までの約 5 か月分)約 23 億ドルの合計 138 億ドルを割って占有率 7.7%。営業利益率 8.7%(買収で積んだ無形資産の償却を含む)は推定。売上 = 市場(実質)× 占有率 × 物価指数。競合はフェルグソン、ビーコン(QXO が買収)、ロウズ(FBM を買収)。

リスクと懸念

値段(倍率の縮み)

PER 21.8 倍は資本コスト 8.75% の利益ベースの上限(17.1 倍)を上回り、安全域は薄い。k が 1% 上がれば上限は 14 倍台に下がる。利益が計画どおり伸びても、倍率が上限に近づけば株価の伸びは利益の伸びより小さい。2022 年の利上げ局面で −33%、リーマンで −44% と、倍率と景気で大きく動いた過去がある。

住宅の停滞の長期化

住宅ローン金利が下がらず、ロックイン効果が続けば、中古の回転が戻らず、大型案件が延期され続ける。2025 年度の既存店は +0.3% で、見通しの営業利益率 12.4〜12.6% には関税の還付が含まれる。還付が剥がれると利益は想定より減る。

買収後の債務と統合

SRS(約 182 億ドル)・GMS(約 55 億ドル)で純負債は 640 億ドル。自社株買いは債務比率が 2.0 倍に戻るまで止まる。流通の営業利益率が店舗を下回り、償却で利益を削り、景気悪化時には債務の重さが残る。

プロ向けの競争

プロの取引は売上の約半分で、堀の中心。フェルグソン、ビーコン(QXO が買収)、ロウズ(FBM を買収)が配送・与信・在庫で追い上げ、価格の競争も起きる。プロの囲い込みが崩れれば、店舗と流通の両方の利益率が下がる。

関税と調達

2025 年の関税は工具・家電・建材の仕入れを押し上げ、一部が 2026 年に還付された。関税が続けば、価格に転嫁しきれない期間が営業利益率を 0.5〜1 ポイント削る。調達の分散(中国から他国へ)には時間と費用がかかる。

通販と AI の購入窓口

アマゾン・ウォルマート・ウェイフェアが DIY の小物・工具の価格を比べ尽くし、AI のエージェントが購入の入口を握れば、店舗の価格を決める力が弱まる。10 年の構造的な悲観の主因で、プロ向けの取引が通販の入口に流れる場合は店舗網の堀も狭まる。

今後の分かれ目

中古住宅の販売件数が年 500 万件を超え、住宅ローン金利が下がって既存店が +3% を超えたら
大型案件が戻り、営業利益率は 14% に向かう。楽観・やや楽観の確率を上げてよい。ただし倍率は先に成長を映しているので、時価総額が追いつく保証はない。
関税の還付が終わり、営業利益率が 12% を割ったら
還付の押し上げが一時的だったとわかり、やや悲観の確率を上げる。倍率も 1〜2 倍下げて見る。
2027 年に債務比率が 2.0 倍に戻り、自社株買いが再開されたら
還元が配当と並ぶ形に戻り、株数が減り始める。今の値段はほぼ理論値なので買い戻しで価値は大きく壊れないが、債務の返済が先。
SRS・GMS の流通の営業利益率が 12% に近づき、プロ向けの占有率が上がったら
買収の価値が確認され、10 年の楽観の確率を上げる。逆に営業利益率が 7% を割れば、減損とプロ向けの競争の悪化を疑う。
リーマン級の急落(失業率 8% 超・住宅価格 −20%)が来たら
売上は 2 割減、営業利益率は 9% 台まで下がる。株価は −40% 前後まで下がる可能性があり、その時が買い場かどうかは、配当と債務の余裕で判断する。

見ておくもの

  • 米国の既存店売上(客数と客単価)とプロ・一般の比率
  • 中古住宅の販売件数と 30 年住宅ローン金利
  • 営業利益率(調整後)と関税の還付の額
  • SRS・GMS の売上の伸びと営業利益率
  • 純負債/EBITDA と自社株買いの再開
  • フェルグソン・ビーコン・ロウズのプロ向けの占有率
  • ホーム・デポの新しい長期目標(Investor Day)の有無

倍率と資本コストの決め方

今の PER 21.8 倍を見る前に、米国の店舗・通販、カナダ・メキシコ、プロ向け流通の 3 つに分け、市場(実質)× 占有率 × 物価指数で売上を、営業利益率で利益を積み上げた。倍率は事業の ROE 34〜42%(ROIC から直した値)・g 4%・k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)の利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(事業の ROE − k)で、資本コストを超える稼ぎは先で薄れる)の 7.5〜9.7 割(10 年中立は 9 割で約 15.4 倍。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g))で置き、式の外の割り引き・上乗せはせず、今の倍率にも過去 20 期の中央(21.3 倍)にも寄せていない。債務の重さは k の debt と、悲観の確率の厚さ(14%)で表した。悲観は稼ぐ力の式で置き、谷の年の PER は使っていない。結果は今の値段が上限を大きく上回り、やや割高に出た。

資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β 0.97 × 5%。資本コスト k = 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%(v2。株価の揺れ(β)は使わない)。住宅市場と金利への連動を cycle で、借金(自社株買いで自己資本が薄い)を debt で見た。個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益率と確率、悲観の深さで表した。extra は 0。

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約 10 倍は 10 年でやや割安 本質価値との差 +2.8% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 タペストリーTPR コーチの熱が利益率を過去最高に押し上げた。利益ベースの倍率で測るとほぼ適正、勝負は流行が冷めるか 本質価値との差 +2.5% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 チポトレ・メキシカン・グリルCMG 直営の外食で最も資本効率が高く、北米 7,000 店の出店余地も残るが、客数の弱さと利益率の低下が続き、強気と慎重の幅が広い。利益ベースで測ると 10 年の中立は今の時価総額を上回るが、客数の弱さを織り込んだ総合は適正 本質価値との差 +0.3% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 MGMリゾート・インタナショナルMGM ラスベガス・マカオ・米国の地域カジノを賃借で持つ総合カジノ。固定の賃料が年 約 22 億ドルあり、利益が景気と価格に大きく振れる。資本コスト 10% の利益ベースの倍率では今の値段は適正 本質価値との差 −4.2% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 TJX カンパニーズTJX オフプライス小売の最大手。仕入れの堀は景気が悪いほど強いが、中立の年率は資本コストに届かず、総合はほぼ適正 本質価値との差 −6.0% · 10 年 適正(年 +6.0%) 適正 ロウズ・カンパニーズLOW ホーム・デポに次ぐ 2 番手の優良小売。買収後の債務と DIY の弱さを厚く見ると、PER 16.6 倍は資本コスト 9.0% の利益ベースの倍率(約 14 倍)と近く、今の値段は適正 本質価値との差 −9.5% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 ロイヤル・カリビアン・グループRCL ロイヤル・カリビアンは純収入ベースの営業利益率が 33% 超とクルーズ最強だが、借金を抱えた景気連動の船会社で、資本コスト 9.25% の利益ベースの倍率(PER 約 12 倍)では今の値段は適正 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +6.8%) やや割高 エクスペディア・グループEXPE B2B の高成長と直販の厚みで利益率が上がる途中。資本コスト 9% の利益ベースの倍率で数えると、勢いは確かだが今の値段は適正 本質価値との差 −10.2% · 10 年 やや割高(年 +6.7%) やや割高 オライリー・オートモーティブORLY プロ向けの配送網と部品小売の安定で堀は厚い。利益ベースで測ると今の値段は妥当からやや高めで、中立の年率は資本コストに届かない 本質価値との差 −14.8% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 ジェニュイン・パーツGPC 自動車の NAPA と産業のモーションの 2 本立て。分離(2027 年第 1 四半期)で価値が出るが、自動車の利益率の低さと借金が重い 本質価値との差 −16.0% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 ヤム・ブランズYUM ピザハットを売って KFC とタコベルに絞った外食フランチャイズ本社で、堀は厚く成長も続くが、倍率が k−g の薄さに敏感で、利益ベースで測ると中立の 10 年は年 +5% 前後で、総合はやや割高 本質価値との差 −16.2% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 ベスト・バイBBY 米国最大の家電専門店。パソコン・携帯の買い替えで利益率は持ち直したが、アマゾン・ウォルマートに挟まれ、堀が薄い耐久財の小売として見る 本質価値との差 −16.9% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 ノルウェージャン・クルーズ・ラインNCLH 大型クルーズ 3 位。NCL ブランドの需要が崩れ、純レバレッジ 6 倍超の中で立て直し中。資本コスト 10.25% の利益ベースの倍率で測ると、回復を入れても今の値段はやや割高 本質価値との差 −17.4% · 10 年 やや割高(年 +7.5%) やや割高 ダーデン・レストランツDRI フルサービス外食の最大手で、ロングホーンの勢いと出店で伸びるが、オリーブガーデンの客数の弱さと牛肉・人件費が重い。利益ベースで測ると 10 年の中立は今の時価総額を上回るが、悲観側の厚みと資本コストを織り込むと総合はやや割高 本質価値との差 −19.3% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 トラクター・サプライTSCO 田舎暮らしのペット・畜産・庭・補修用品を 2,600 店超で売る米国最大の農村向け専門小売。堀は店の近さと専門品だが、2026 年は既存店が落ち、利益率の下げ止まりが論点 本質価値との差 −23.7% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 ラルフローレンRL 世代を超えて売れる定番ブランドで利益率は過去最高。勝負は熱の持続とアジアの伸び 本質価値との差 −25.3% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 アマゾン・ドット・コムAMZN AWS と広告の利益は本物。設備投資の重さを ROE に入れ、資本コスト 8% と利益ベースの倍率で測ると、今の値段は楽観の筋書きまで先取りしてやや割高 本質価値との差 −27.7% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 イーベイEBAY 取扱高と手数料率が上向く成熟した古参の中古市場。今の PER 26 倍は利益ベースの倍率(約 14 倍)を大きく超えており、買収提案の観測を除くと本質価値は下でやや割高 本質価値との差 −28.0% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 アプティブ・ホールディングスAPTV 配線事業を分離した後の「ニュー・アプティブ」。EC が稼ぎ、IS が足を引く部品会社で、純負債 46 億ドルと、中国・欧州の弱さを抱える 本質価値との差 −28.1% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) 割高 エアビーアンドビーABNB 民泊の最大手で資産が軽く高収益。10 年で年 1 割の成長と純現金を数えても、利益ベースの倍率(約 14 倍)で測ると今の PER 41 倍は高く、やや割高 本質価値との差 −30.2% · 10 年 割高(年 +3.6%) 割高 アルタ・ビューティULTA 化粧品の「安い品から高級品、美容室まで」を一つの店で売る米国最大の美容専門小売。会員と品ぞろえが堀だが、セフォラとマスに挟まれる位置で、利益ベースの倍率では今の値段はやや割高 本質価値との差 −33.1% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 ロス・ストアーズROST 米国オフプライス 2 位。客数が絶好調だが、利益ベースの倍率(約 16 倍)で測ると今の値段は高く、総合は割高 本質価値との差 −33.2% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 マリオット・インターナショナルMAR 世界最大のホテル手数料事業で堀は厚いが、今の PER 39 倍は利益ベースの倍率(約 18 倍)を大きく上回り、中立の 10 年の年率は +3% にとどまり割高 本質価値との差 −35.8% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 ハスブロHAS 利益の約 9 割をマジックが稼ぐ一本足の玩具・ゲーム会社。利益ベースの倍率で測ると今の値段はやや割高で、2025〜26 年の高い水準が続くかが焦点 本質価値との差 −36.3% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 カルバナCVNA 年 80 万台まで来た中古車ネット販売の最大手。利益ベースの倍率で測ると今の時価総額を大きく下回り割高。利益は景気と与信市場に強く振れる 本質価値との差 −38.6% · 10 年 割高(年 +3.4%) 割高 ウィリアムズ・ソノマWSM 家具とキッチンの設計を自社で握る高収益の小売。10 年で稼ぎは伸びるが、利益ベースの倍率で見ると今の値段は割高で、関税と住宅の回転が値段を大きく左右する 本質価値との差 −40.1% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスHLT 世界最大級の手数料事業で堀は厚いが、今の PER 54 倍は利益ベースの倍率の上限(約 23 倍)の倍以上で、中立の 10 年の時価総額は今を下回り割高 本質価値との差 −41.4% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 スターバックスSBUX 世界 4.1 万店のコーヒーの堀は残るが、立て直しの反動を織り込んだ今の時価総額は利益の回復後の値より高く、中立でも 10 年の年率は 2% 前後で資本コスト 8.5% に届かず割高 本質価値との差 −43.6% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 ドアダッシュDASH 米国の即時配達で約 6 割を握る成長企業。利益率の立ち上がりが全てで、資本コスト 8.5% と利益ベースの倍率で見ると今の値段は強気の筋書きも上回り、割高 本質価値との差 −51.1% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 ガーミンGRMN 専門機器の優良企業。利益ベースの倍率(約 13 倍)で測ると今の値段は高く、総合は割高 本質価値との差 −53.4% · 10 年 割高(年 −0.5%) 割高 テスラTSLA 本業の利益は薄いのに、ロボタクシーとロボットへの期待だけで時価総額は 1.1 兆ドル超。今の値段に届くのは楽観の筋書きだけ 本質価値との差 −83.4% · 10 年 割高(年 −9.3%)

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読んだ資料

  1. Home Depot 2025 年度(2026 年 2 月 24 日)決算発表
  2. Home Depot 2025 年度 Form 10-K
  3. Home Depot 2026 年度第 2 四半期決算(8-K 添付)
  4. Home Depot 2026 年度第 2 四半期決算発表
  5. Home Depot の第 2 四半期(売上 479 億ドル)
  6. Home Depot 2025 年度の年間売上 +3.2%
  7. 自社株買いの停止(純負債/EBITDA 2.0 倍まで)
  8. プロ市場:ホーム・デポとロウズ
  9. ホーム・デポの複雑なプロ向け購入

分析日 2026-10-16