結論
テスラは電気自動車の最大手で、蓄電池(メガパック)、ソフト(FSD の購読)、さらにロボタクシーと人型ロボット(Optimus)という将来の事業を抱える会社である。2025 年の売上は 948 億ドル(前年比 −3%)、営業利益は 48 億ドル(営業利益率 5.1%)、2026 年 4〜6 月期は売上 282 億ドルで営業利益率が 1.4% まで下がった。設備投資は年 200 億ドルを超え、フリーキャッシュフローは赤字に戻っている。
今の時価総額 1.15 兆ドルは PER 300 倍・PBR 14 倍で、自動車と蓄電池の稼ぎでは説明できない。値段の大半は、運転手のいない配車と人型ロボットが 2030 年代に何千億ドルも稼ぐという期待でできている。
10 年後の中立は、自動車 260 万台(世界の電気自動車のシェア 8% 前後で、BYD と分け合う)・蓄電池 250GWh・サービスとソフトの売上 400 億ドルで営業利益 230 億ドル程度。資本コストを 9.25% とし、倍率を利益ベースの正当化 PER(資本コストを超える ROE は先で薄れる:RONIC = k + 半分 ×(ROE − k))の 75%(1÷k を下回る分は 1÷k)に置き、手元の純現金を戻り方 0.5 で足すと、中立の 10 年後の時価総額は約 2,400 億ドルで今の 2 割ほど。今の値段を上回るのは、ロボタクシーとロボットが本当に稼ぐ楽観(確率 10%)だけである。バリュー投資の観点では、事業は面白いが、値段がすでに最も楽観的な未来を先に払っており、安全域は無い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業は存在し、今より強いか」を問う。電気自動車と蓄電池は存在するが、自動車は競争が激しく価格を決める力が無い。「今より強い」かは、運転手のいない配車と人型ロボットが本当に稼げるかにかかっていて、これは予測できない種類の事業である。分からないものに大金は払わない、が出発点になる。
次にオーナー利益。2025 年の純利益は 38 億ドル、フリーキャッシュフローは 62 億ドルだが、株式報酬(年に数十億ドル)は本物の費用として引くべきで、設備投資が 200 億ドルへ膨らむ 2026 年は赤字である。オーナー利益を今の時価総額 1.15 兆ドルで割ると 0.5% に満たない。10 年国債が 5% の世界で、回収は 10 年以上先の期待に全面的に頼ることになる。
資本配分は、本業の自動車の営業利益率が落ちる中で、設備投資を 2.5 倍にし、関連会社への出資を広げている。大きな価値が生まれる可能性は否定しないが、投資に見合う収益を示す証拠はまだ無い。経営者の言葉と実行の差(自動運転の約束の遅れ)も長い。
安全域は無い。楽観の筋書き(10 年で確率 10%)でようやく今の時価総額を上回り、やや楽観でも 10 年の年率はマイナス、悲観の筋書きでは純現金と事業の売れる資産までしか支えない。良い会社かもしれないが、今の値段は良い会社に払う値段ではなく、夢に払う値段である。確信度は低い。
何で稼ぐ会社か
売上の 7 割強が自動車で、2025 年は 163.6 万台(モデル 3・モデル Y が 9 割超、残りがサイバートラックなど)を納車し、売上は 695 億ドル(1 台あたり約 4.25 万ドル)。販売は米国・中国・欧州が中心で、2025 年は欧州と中国で BYD などに押されて台数が 9% 減った。2026 年は 4〜6 月期 48.0 万台(+25%)、7〜9 月期 48.7 万台(−2%)と持ち直したが、米国では電気自動車の連邦の税額控除が 2025 年 9 月末に終わり、需要の後押しは弱い。規制クレジット(他社が排ガス規制を満たすために買う権利)は 2025 年に 20 億ドル弱あったが、規制の緩和で 2026 年 4〜6 月期は前年比 −67% に落ちた。
エネルギー貯蔵(メガパック・パワーウォール)は 2025 年に 46.7GWh、売上 128 億ドルで前年比 +27%。電力会社と AI データセンターの需要で伸び、自動車より利益率が高い(正常時の粗利益率は 25〜30% 前後、2026 年 4〜6 月期は保証の引当で 20.4%)。サービス・その他は 125 億ドルで、スーパーチャージャー、修理・部品、中古車、保険、FSD(完全自動運転を目指す運転支援)の購読が入る。FSD の有効な購読は 148 万(+56%)で、北米の新車の 55% 超が付ける。
将来の事業が値段の中心である。ロボタクシーは 7 つの大都市圏で運行中で、サイバーキャブ(ハンドルの無い 2 人乗り)の生産がテキサスで始まった。人型ロボットの Optimus は、フリーモントのモデル S・X のラインを閉じて工場を建設中で、年内の生産開始が目標とされる。これらはまだ売上がほぼ無く、2026 年の設備投資 200 億ドル超と、営業費用の 47% 増(AI・株式報酬)が先に出ている。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 はブランドと充電網。米国の電気自動車のシェアは約半分(推定)で、北米の充電規格(NACS)を作ったのはテスラであり、スーパーチャージャーは他社にも開放された。第 2 は垂直統合と製造の技術で、一体成型(ギガキャスト)と自社設計の半導体・ソフトにより、同じ価格帯の他社より 1 台あたりの粗利益を残しやすい(クレジットを除く自動車の粗利益率は 16〜19%)。第 3 は走行データで、数百万台から集まる映像が自動運転の学習の材料になる。
一方、価格を決める力は弱い。2023〜25 年に繰り返した値下げで営業利益率は 17%(2022 年)から 5%(2025 年)に下がり、2026 年 4〜6 月期は 1.4%。モデルの刷新が遅く、BYD などが大幅に安い車を出し、欧州と中国でシェアを落としている。ROE は 2022 年の 28% から 2025 年は 4.6% である。
経営は創業者イーロン・マスク氏への依存が極めて強い。マスク氏は xAI・スペース X など別の会社も率いており、テスラの資金(xAI へ 20 億ドルの出資)や人材が関連会社へ流れる利益相反の懸念がある。自動運転の約束は 2016 年以降、毎年のように「来年」と言い続けて遅れてきた。堀は「ブランドと製造」であり、価格を決める力の堀ではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の新車(軽量車)は年 1,600 万台前後で頭打ち、平均取引価格は約 5 万ドル(前年比 +1% 未満)。ローン金利が 7% 前後で月額が重く、保有している車の平均年齢は 12.8 年に上がった。電気自動車は税額控除の終了後に勢いを失い、新車に占める割合は 2026 年 4〜6 月期で約 6%(前年 7%)、ハイブリッドは過去最高の 16%。テスラは台数で米国の電気自動車の約半分を占めるが、市場そのものが縮んでいる。
構造の変化は 3 つ。第 1 に中国勢(BYD など)が安い車で欧州・新興国へ出ている。米国は関税で締め出されているが、他地域でテスラのシェアを削る。第 2 に自動運転:アルファベット傘下のウェイモは米国の複数の都市で有料運行を広げ、アマゾン傘下のズークス、ウーバーと組む各社も追う。テスラはカメラ中心の安価な方式で先行を狙うが、事故や規制の判断で台数が左右される。第 3 に蓄電池:AI データセンターと再生可能エネルギーの調整用で需要が急増し、中国の CATL・BYD・サングロー、米国のフルエンスが競合する。メガパックは設置量で世界の上位だが、セルの調達を中国に頼る面があり、関税の影響を受ける。
循環の位置は、自動車は「成熟した山の手前の横ばい」、蓄電池は「成長の序盤」。業界ノートは、10 年後の米国の軽量車を 1,600〜1,700 万台 × 平均 6.3 万ドル(約 1.05〜1.1 兆ドル、年 +3%)、電気自動車のシェアを 15〜25% と置く。テスラの置き方(台数が年 +5〜8%)は、このノートの中立に沿う。
資本政策と M&A
テスラは配当も自社株買いもしていない。利益と現金(2025 年末 444 億ドル、有利子負債 147 億ドル)を工場と AI 計算に回す方針で、2026 年の設備投資は 200 億ドルを超える。2025 年のフリーキャッシュフロー 62 億ドルは、2026 年 4〜6 月期に −11 億ドルへ戻った。株式報酬は年に数十億ドル級で、株数は年 約 1% ずつ増えている。
大型の買収は 2016 年のソーラーシティ(約 26 億ドル。株主の訴訟で取締役の判断が争われた)以来無い。代わりに関連会社への出資が増えた。2026 年 1 月に xAI へ 20 億ドルを出資し、スペース X・xAI との結び付きを強める観測もあるが、テスラの株主の利益に合うかには疑問が残る。
2025 年 11 月に承認されたマスク氏の 10 年の報酬は、時価総額が 2 兆ドルから最大 8.5 兆ドルへと目標に届くごとに、最大 約 12% の新株を付ける設計である。届かなければ付与されず、届くほど既存の株主の取り分は薄まる。時価総額から見て、買われる側(TOB)になる可能性はほぼ無い。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
事業は 3 つの柱で伸びる。自動車:低価格の新型車とハンドルの無いサイバーキャブで台数が増え、2026 年 4〜6 月期の納車は前年比 +25% と戻った。蓄電池:AI データセンターの電力需要で 2025 年は 46.7GWh(+27%)、2026 年 4〜6 月期は 13.5GWh(+40%)。粗利益率は保証の引当を除けば 30% 近くへ戻る。ソフト:FSD の有効な購読が 148 万(+56%)で、北米の新車の 55% 超が付ける。ソフトの売上はほぼ利益になるため、自動車の値引きと関係なく 1 台あたりの利益が積み上がる。
ロボタクシーは 7 都市圏で運行しており、無人運行の費用が運転手付きの配車の半分以下になれば、世界の配車市場(数千億ドル)の一部を取れる。数百万台のテスラが走る車隊と走行データは他社に無い資産で、カメラ中心で車 1 台の部品費も低い。Optimus は自社工場の人手を代替し、外販できれば自動車を超える市場になる。
10 年後、ロボタクシーとロボットが年 3,600 億ドルを売り、営業利益率 38% なら、営業利益は 1,900 億ドル近い。マスク氏は電気自動車と再利用ロケットで「不可能」を実現してきた。約束は遅れても、確率が小さくても、上振れの大きさが桁違いである。
慎重な見方
売上の 7 割強を占める自動車は、利益率が下がり続けている。2022 年の営業利益率 17% は 2025 年に 5.1%、2026 年 4〜6 月期は 1.4% で、台数が 25% 増えた四半期でも営業利益は 57% 減った。値下げ、関税、BYD などの安い車、米国の税額控除の終了、規制クレジットの収入減(前年比 −67%)が同時に効いている。蓄電池も粗利益率が 39.5% から 20.4% へ下がり、競争で価格が落ちている。
それでも値段は PER 300 倍。ロボタクシーはウェイモが先行し、運行 7 都市圏でも規模は小さく、事故や規制の判断で止まる危険がある。完全自動運転は 2016 年以降「来年」と言い続けて遅れてきた。Optimus も量産とコストの実績が無い。設備投資は 2026 年に 200 億ドル超(2025 年の約 2.5 倍)で、フリーキャッシュフローは赤字に戻った。回収できなければ、減価償却として利益を削り続ける。
統治の面では、マスク氏への依存、xAI への出資、スペース X との関係、最大 約 12% の新株を付ける報酬が、少数株主の取り分を薄める。仮にロボタクシーが成功しても、競争で利益が薄まり、10 年後の倍率は成熟後の公式で 15 倍前後に落ちる。大成功してようやく今の時価総額を上回り、失敗すれば自己資本の周りまで下がる、非対称な賭けである。
どちらに重みを置いたか
強気の言う成長のうち、蓄電池と FSD の購読は数字で確認できるので、10 年の楽観とやや楽観に合わせて 30% を置いた。ただしロボタクシーとロボットが実際に稼ぐ筋書きは、実績が無く予測できないため、楽観は 10%、やや楽観は 20% に留めた。慎重な見方の勝ち所は、本業の利益率の低下(営業利益率 1.4%)と価格競争で、資本コスト 9.25% でも中立とやや楽観では今の時価総額に遠く届かない点である。強気が正しければ(楽観)今の値段を上回るが、その確率は 1 割。構造的な失敗(ロボタクシーが事故や規制で止まる、BYD に価格で負ける)は 10 年で悲観 15%、やや悲観を合わせて慎重側に 37% を置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 125.70 ドル4,069 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 15.72 ドル509 億ドル)。 今の値に割り戻すと 62.00 ドル2,007 億ドル、今との差 −83.4%、 期待の年率 −9.3%(資本コスト 9.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 535.04 ドル1.73 兆ドル | 77.23 ドル2,500 億ドル | +63.5% | +5.0% | 61.23 ドル1,982 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 196.89 ドル6,373 億ドル | 24.71 ドル800 億ドル | −40.8% | −5.1% | 44.32 ドル1,435 億ドル |
| 中立 | 33% | 75.00 ドル2,428 億ドル | 9.27 ドル300 億ドル | −77.5% | −13.9% | 27.81 ドル900 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 25.96 ドル840 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −93.1% | −23.4% | 5.71 ドル185 億ドル |
| 悲観 | 15% | 15.73 ドル509 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −95.8% | −27.2% | 2.36 ドル76 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 125.70 ドル4,069 億ドル | 15.72 ドル509 億ドル | −62.2% | −9.3% | 141.43 ドル4,578 億ドル |
今の株価時価総額 374.58 ドル1.21 兆ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.3% を下回るほど割高。
楽観 10% ロボタクシーとロボットが稼ぎの柱になり、売上 7,000 億ドル超 利益 1,540 億ドル · PER 11.2 倍 · 株価時価総額 535.04 ドル1.73 兆ドル
2035 年の自動車は納車 400 万台・1 台 4.9 万ドル、営業利益率 10%。蓄電池は 500GWh(1GWh 2.0 億ドル)で営業利益率 20%。サービスは稼働台数 3,200 万台、FSD の購読が過半に付き営業利益率 25%(売上 860 億ドル)。ロボタクシーと Optimus は合計 600 万台(運行中のロボタクシー 300 万台・ロボット 300 万台)で 1 台あたり年 6 万ドルを売り、3,600 億ドル、営業利益率 38%。営業利益は 1,880 億ドル、純利益 1,540 億ドル。時価総額が 2 兆ドルを超えるため、マスク氏への報酬の新株が一部付与され、時価総額はその後の株数で書く。10 年間の正味の還元は 2,500 億ドル(自社株買いが株式報酬の増発を上回る)。
- 自動車(モデル 3・Y・サイバートラック・セミ・サイバーキャブ):数量 400(世界の納車台数(万台))× 価格 4.90(1 台あたり自動車売上(万ドル))→ 売上 1,960 億ドル・営業利益 196 億ドル。営業利益率 10%
- エネルギー貯蔵(メガパック・パワーウォール)・太陽光:数量 500(蓄電池の設置量(GWh))× 価格 2.00(1GWh あたり売上(億ドル))→ 売上 1,000 億ドル・営業利益 200 億ドル。営業利益率 20%
- サービス・ソフト(FSD・充電・保険・中古・部品):数量 3,200(世界で走っているテスラの台数(万台))× 価格 0.27(1 台あたり年間のサービス売上(万ドル))→ 売上 864 億ドル・営業利益 216 億ドル。営業利益率 25%
- ロボタクシー・ヒューマノイド(Optimus):数量 600(運行中のロボタクシーと出荷したロボットの台数(万台))× 価格 6.00(1 台あたり年間売上(万ドル))→ 売上 3,600 億ドル・営業利益 1,368 億ドル。営業利益率 38%
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.25%・g 4.0%(納車の実質 1.0%+蓄電池・ソフトの伸び 0.5%+価格 3.0%=4.5% を上限の 4% に)・事業の ROE 23.0%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 16.1%、10 年目より先の正当化 PER 14.3 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 14.9 倍。景気・流行・競争で利益が振れやすいので余った現金 297 億ドルは帳簿の値に戻り方 0.5 を掛けて足す(時価総額 = PER × 現金の利息を除いた純利益 + 現金 × 戻り方)。上限の 75% に置き 11.2 倍。
確率:業界ノートの楽観(10 年で 1,800 万台・ソフトとロボタクシーが実際の利益に育つ)に当たる。運行実績は増えているが、無人運行の安全・規制と費用の前提が全部当たる必要があるため 10% に留める。
やや楽観 20% 自動車は 330 万台、ソフトとロボタクシーが利益の過半に 利益 580 億ドル · PER 10.8 倍 · 株価時価総額 196.89 ドル6,373 億ドル
2035 年の納車は 330 万台・1 台 4.8 万ドル・営業利益率 9%(新型車と蓄電池の部品で原価が下がる)。蓄電池は 380GWh、営業利益率 18%。サービスは稼働台数 2,500 万台・売上 600 億ドル・営業利益率 20%。ロボタクシーとロボットは合計 250 万台で売上 1,250 億ドル、営業利益率 28%(人手を使わない配車の限定的な成功)。営業利益は 680 億ドル、純利益 580 億ドル。時価総額は 1 兆ドル近い。10 年間の正味の還元は 800 億ドル(2030 年代に自社株買いが始まるが、株式報酬の増発を打ち消す分を引いた正味)。自動車の価格は名目で年 +1% ほどと物価(3.5%)を下回り、実質では下がる一方、数量とソフトの比率で利益が伸びる。M&A は無く、関連会社との結び付きも株主の価値を大きく動かさない前提。
- 自動車(モデル 3・Y・サイバートラック・セミ・サイバーキャブ):数量 330(世界の納車台数(万台))× 価格 4.80(1 台あたり自動車売上(万ドル))→ 売上 1,584 億ドル・営業利益 143 億ドル。営業利益率 9%
- エネルギー貯蔵(メガパック・パワーウォール)・太陽光:数量 380(蓄電池の設置量(GWh))× 価格 2.05(1GWh あたり売上(億ドル))→ 売上 779 億ドル・営業利益 140 億ドル。営業利益率 18%
- サービス・ソフト(FSD・充電・保険・中古・部品):数量 2,500(世界で走っているテスラの台数(万台))× 価格 0.24(1 台あたり年間のサービス売上(万ドル))→ 売上 600 億ドル・営業利益 120 億ドル。営業利益率 20%
- ロボタクシー・ヒューマノイド(Optimus):数量 250(運行中のロボタクシーと出荷したロボットの台数(万台))× 価格 5.00(1 台あたり年間売上(万ドル))→ 売上 1,250 億ドル・営業利益 350 億ドル。営業利益率 28%
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.25%・g 4.0%(実質 0.5%+価格 3.5%=4% に)・事業の ROE 18.7%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 14.0%、10 年目より先の正当化 PER 13.6 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 14.1 倍。景気・流行・競争で利益が振れやすいので余った現金 297 億ドルは帳簿の値に戻り方 0.5 を掛けて足す(時価総額 = PER × 現金の利息を除いた純利益 + 現金 × 戻り方)。上限の 75% は床の 1÷k(10.8 倍)を下回るので、1÷k に置く。
確率:蓄電池と FSD の購読は実績があり、ロボタクシーが一部の都市で定着する筋書き。業界ノートの楽観と中立の中間に 20% を置く。
中立 33% 電気自動車と蓄電池の、優良だが普通の会社に落ち着く 利益 215 億ドル · PER 10.8 倍 · 株価時価総額 75.00 ドル2,428 億ドル
2035 年の納車は 260 万台(年 +4.7%)・1 台 4.6 万ドル(名目で年 +0.8%。物価 3.5% より低く、実質では下がる)、営業利益率 7.5%。蓄電池は 250GWh で 1GWh 2.1 億ドルへ下がり(競争)、営業利益率 16%。サービスは稼働台数 1,900 万台で売上 400 億ドル、営業利益率 14%。ロボタクシーとロボットは限定的で 80 万台・売上 280 億ドル・営業利益率 15%。営業利益 230 億ドル、純利益 215 億ドル(実効税率 22%)。10 年間の正味の還元は 300 億ドル(2030 年代に始まる自社株買いが株式報酬の増発を少し上回る)。ROE は 11% 台。「最大の電気自動車会社」ではあるが、価格を決める力は無い。
- 自動車(モデル 3・Y・サイバートラック・セミ・サイバーキャブ):数量 260(世界の納車台数(万台))× 価格 4.60(1 台あたり自動車売上(万ドル))→ 売上 1,196 億ドル・営業利益 90 億ドル。営業利益率 8%
- エネルギー貯蔵(メガパック・パワーウォール)・太陽光:数量 250(蓄電池の設置量(GWh))× 価格 2.10(1GWh あたり売上(億ドル))→ 売上 525 億ドル・営業利益 84 億ドル。営業利益率 16%
- サービス・ソフト(FSD・充電・保険・中古・部品):数量 1,900(世界で走っているテスラの台数(万台))× 価格 0.21(1 台あたり年間のサービス売上(万ドル))→ 売上 399 億ドル・営業利益 56 億ドル。営業利益率 14%
- ロボタクシー・ヒューマノイド(Optimus):数量 80.0(運行中のロボタクシーと出荷したロボットの台数(万台))× 価格 3.50(1 台あたり年間売上(万ドル))→ 売上 280 億ドル・営業利益 42 億ドル。営業利益率 15%
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.25%・g 4.0%(実質 0.5%+価格 3.5%=4% に)・事業の ROE 13.4%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 11.3%、10 年目より先の正当化 PER 12.3 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 12.8 倍。景気・流行・競争で利益が振れやすいので余った現金 297 億ドルは帳簿の値に戻り方 0.5 を掛けて足す(時価総額 = PER × 現金の利息を除いた純利益 + 現金 × 戻り方)。上限の 75% は床の 1÷k(10.8 倍)を下回るので、1÷k に置く。
確率:業界ノートの中立(テスラは台数が年 +5〜8%、全社の営業利益率 7〜10%)より、今の利益率の低下を重く見て 7% 台に置いた、最も確率の厚い筋書き。強気と慎重の中間。
やや悲観 22% 価格競争と自動運転の遅れで、普通の自動車会社になる 利益 93 億ドル · PER 8.1 倍 · 株価時価総額 25.96 ドル840 億ドル
2035 年の納車は 220 万台・1 台 4.3 万ドル・営業利益率 5%(2025 年並みで推移)。蓄電池は 170GWh、価格が 1GWh 2.0 億ドル弱へ下がり営業利益率 13%。サービスは稼働台数 1,600 万台・営業利益率 9%。ロボタクシーとロボットは 30 万台・売上 90 億ドルで赤字が続く。営業利益 74 億ドル、純利益 93 億ドル(金利収入を含む)。手元の純現金は戻り方 0.5 を掛けて足し、受取利息を除いた事業の純利益(事業の ROE 7% 台で k を下回るので伸びに価値は無い)には 1÷k の 75% ほどの倍率を掛ける。配当と自社株買いは無く、株式報酬の希薄化だけが残る。
- 自動車(モデル 3・Y・サイバートラック・セミ・サイバーキャブ):数量 220(世界の納車台数(万台))× 価格 4.30(1 台あたり自動車売上(万ドル))→ 売上 946 億ドル・営業利益 47 億ドル。営業利益率 5%
- エネルギー貯蔵(メガパック・パワーウォール)・太陽光:数量 170(蓄電池の設置量(GWh))× 価格 1.95(1GWh あたり売上(億ドル))→ 売上 332 億ドル・営業利益 43 億ドル。営業利益率 13%
- サービス・ソフト(FSD・充電・保険・中古・部品):数量 1,600(世界で走っているテスラの台数(万台))× 価格 0.17(1 台あたり年間のサービス売上(万ドル))→ 売上 272 億ドル・営業利益 24 億ドル。営業利益率 9%
- ロボタクシー・ヒューマノイド(Optimus):数量 30.0(運行中のロボタクシーと出荷したロボットの台数(万台))× 価格 3.00(1 台あたり年間売上(万ドル))→ 売上 90 億ドル・営業利益 −10 億ドル。営業利益率 -11%
倍率:利益ベース:事業の ROE 7.0%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)が k 9.25% 以下なので PER は 1÷k = 10.8 倍まで(ためた利益 1 ドルは 1 ドル未満の価値)。上限は 1÷k の 10.8 倍。ROE が k を下回るので PER は 1÷k が頭で、余った現金 297 億ドルは帳簿の値に戻り方 0.5 を掛けて足す(時価総額 = PER × 現金の利息を除いた純利益 + 現金 × 戻り方)。上限の 75% に置き 8.1 倍。
確率:BYD など中国勢の世界での拡大、米国の関税が下がって競争が戻る、ロボタクシーが小さいまま、という慎重な見方の中心。22% を置く。
悲観 15% ロボタクシーが失敗し、中国勢との競争で構造的に負ける 利益 18 億ドル · PBR 0.6 倍 · 株価時価総額 15.73 ドル509 億ドル
2035 年までにロボタクシーは事故・規制・費用の壁で縮小し、Optimus も量産に至らず、開発費の整理で −15 億ドル。自動車は 150 万台・1 台 3.8 万ドル(価格競争で名目も下がる)・営業利益率 1%。蓄電池は中国勢との競争で 100GWh・1GWh 1.7 億ドル・営業利益率 8%。サービスは稼働台数 1,200 万台でほぼ収支均衡。営業赤字 12 億ドルで、純利益は金利収入による 18 億ドル。「将来の事業の価値が消えた普通の自動車会社」として、10 年後の自己資本は 約 1,090 億ドルまで積み上がるが、赤字と再投資で食われると見て、今の純現金 297 億ドルを 1 ドルで数え、事業の純資産 524 億ドルは 4 割しか売れないと見て測る(今の自己資本の 0.62 倍)。配当・自社株買いは無い。
- 自動車(モデル 3・Y・サイバートラック・セミ・サイバーキャブ):数量 150(世界の納車台数(万台))× 価格 3.80(1 台あたり自動車売上(万ドル))→ 売上 570 億ドル・営業利益 6 億ドル。営業利益率 1%
- エネルギー貯蔵(メガパック・パワーウォール)・太陽光:数量 100(蓄電池の設置量(GWh))× 価格 1.70(1GWh あたり売上(億ドル))→ 売上 170 億ドル・営業利益 14 億ドル。営業利益率 8%
- サービス・ソフト(FSD・充電・保険・中古・部品):数量 1,200(世界で走っているテスラの台数(万台))× 価格 0.14(1 台あたり年間のサービス売上(万ドル))→ 売上 168 億ドル・営業利益 8 億ドル。営業利益率 5%
- ロボタクシー・ヒューマノイド(Optimus):数量 5.0(運行中のロボタクシーと出荷したロボットの台数(万台))× 価格 2.00(1 台あたり年間売上(万ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 −15 億ドル。営業利益率 -150%
倍率:営業赤字で、純利益はほぼ受取利息だけ。床は売れる資産の税後で置く。今の自己資本 821 億ドルのうち純現金 297 億ドルは 1 ドルで数え、残りの事業の純資産 524 億ドル(工場・設備・在庫から買掛金などを引いた額)は、赤字の自動車会社では売却で 4 割しか戻らないと見て 210 億ドル。合わせて約 507 億ドル(今の自己資本の 0.62 倍)。式では浅くしない。二重に下げていない。
確率:業界ノートの 10 年の悲観(中国の EV が価格 −30% で世界へ輸出、自動運転の遅れで将来価値が消える、価格競争)に当たる。株価が 2022 年に −68% になった前例があり 15% を置く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
自動車(モデル 3・Y・サイバートラック・セミ・サイバーキャブ)
電気自動車の販売。規制クレジットの売却と、リースの収入を含む。
| 数量世界の納車台数(万台) | 価格1 台あたり自動車売上(万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 164 | 4.25 | 695 | 35 |
| 10 年後 中立 | 260 | 4.60 | 1,196 | 90 |
取り方:2025 年の納車 163.6 万台、自動車売上 約 695 億ドル(規制クレジット 20 億ドル弱を含む)。万台 × 万ドル = 億ドル(rev_factor 1)で 1 台 4.25 万ドル。営業利益 35 億ドルは、全社の営業利益 48 億ドルをエネルギー・サービス・開発費で割り振った推定(クレジットを除く本業はほぼ収支均衡)。数量 = 世界の電気自動車の市場(2025 年 約 2,000 万台、推定)× シェア(約 8%。BYD は約 2 割)。1 台の価格は物価並み(10 年 1.41 倍)を基本とせず、中立で 10 年 1.08 倍に置いた。理由は、安い新型車へのミックスの移動、電池の原価の下落の値下げへの転嫁、BYD など中国勢の 2 万ドル台の車との価格競争で、実質では年 2.5% 前後下がるため(米国の新車の平均価格は約 4.9 万ドルで物価並みに上がる在来車とは違う)。
エネルギー貯蔵(メガパック・パワーウォール)・太陽光
電力会社・データセンター向けの大型蓄電池と、家庭用蓄電池。
| 数量蓄電池の設置量(GWh) | 価格1GWh あたり売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 46.7 | 2.74 | 128 | 28 |
| 10 年後 中立 | 250 | 2.10 | 525 | 84 |
取り方:2025 年の設置 46.7GWh、売上 127.7 億ドル(太陽光を含む)で 1GWh あたり 2.7 億ドル。GWh × 億ドル = 億ドル(rev_factor 1)。粗利益率は 2025 年に約 30% で、営業利益 28 億ドルは推定。数量 = 世界の定置用蓄電池の市場(2025 年 約 300GWh、推定)× シェア(約 15%)。1GWh あたりの価格は物価に逆らって下がる(中立で 10 年 0.77 倍)。電池セルの原価が年 5〜8% 下がり、CATL・BYD・サングロウなど中国勢が価格で競うため。
サービス・ソフト(FSD・充電・保険・中古・部品)
走っているテスラの車に付く売上。FSD の購読、スーパーチャージャー、修理・部品、中古車、保険。
| 数量世界で走っているテスラの台数(万台) | 価格1 台あたり年間のサービス売上(万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 800 | 0.16 | 125 | 10 |
| 10 年後 中立 | 1,900 | 0.21 | 399 | 56 |
取り方:売上は 2025 年のサービス・その他 125.3 億ドル。累計の納車から廃車を引いた稼働台数を約 800 万台と推定し、1 台あたり 0.157 万ドルとした。粗利益率が低い(修理・中古)ため営業利益は 10 億ドルと推定。1 台あたりのサービス売上は物価並み以上に上がる(FSD の購読の比率が上がる)。
ロボタクシー・ヒューマノイド(Optimus)
運転手のいない配車(ロボタクシー、サイバーキャブ)と人型ロボットの売上。まだ売上はほぼ無く、開発費だけが先に出ている。
| 数量運行中のロボタクシーと出荷したロボットの台数(万台) | 価格1 台あたり年間売上(万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.2 | 0.50 | 0 | −25 |
| 10 年後 中立 | 80.0 | 3.50 | 280 | 42 |
取り方:2025 年はオースティンなどで数百台の運行で、売上は事実上ゼロ(0.1 億ドル)。営業利益 −25 億ドルは、AI の学習計算・Optimus の開発など将来の事業の費用を全社の営業費用から切り出した推定。
リスクと懸念
自動車の利益率の低下
営業利益率は 2022 年の 17% から 2025 年の 5.1%、2026 年 4〜6 月期の 1.4% へ下がった。値下げ、関税、BYD などの安い車、米国の税額控除の終了、クレジット収入の減少が重なる。台数が増えても利益が増えない構造が続くと、10 年後の自動車の営業利益率は 5% 前後に定着する。
自動運転の遅れと安全・規制
ロボタクシーとサイバーキャブの売上は事実上ゼロで、値段の大半がこの期待による。無人運行の事故、州や連邦の規制、ウェイモなど先行他社との差が、時期と費用を左右する。完全自動運転は 2016 年以降、約束が何度も遅れてきた。
巨額の設備投資の回収
2026 年の設備投資は 200 億ドル超(2025 年の約 2.5 倍)で、4〜6 月期のフリーキャッシュフローは −11 億ドル。サイバーキャブ・Optimus・セミへの投資が売上に結び付かなければ、減価償却が利益を削り、現金(444 億ドル)が減る。
マスク氏への依存と統治
経営と戦略がマスク氏 1 人に集中し、本人は xAI・スペース X も率いる。テスラから xAI へ 20 億ドルを出資するなど、関連会社との利益相反の懸念がある。最大 約 12% の新株を付ける報酬は、目標に届くほど少数株主の取り分を薄める。
中国勢との競争と関税の変化
BYD など中国勢は安い車で欧州・新興国のシェアを削っている。米国は関税で守られているが、関税が下がれば競争が戻る。蓄電池でも CATL・BYD・サングローが価格で挑み、セルの調達を中国に頼る面は関税の影響を受ける。
蓄電池の価格と品質費用
エネルギー貯蔵の粗利益率は 39.5% から 20.4% へ下がり、旧型セルの保証引当(約 2.4 億ドル)と価格の下落が効いた。AI データセンターの需要は強いが、競争で 1GWh あたりの価格が下がる速さが利益の鍵になる。
規制クレジットと EV 補助の消失
規制クレジットの収入は 2026 年 4〜6 月期に前年比 −67%(1.46 億ドル)。燃費・排ガス規制の緩和と、米国の電気自動車の税額控除の終了で、他社がクレジットを買う必要も、消費者の購入の後押しも弱まった。純利益に占める比率は 2025 年にまだ大きかった。
今後の分かれ目
- 自動車の営業利益率(クレジット除く)が 2 四半期続けて 3% を下回る
- やや悲観・悲観の確率を引き上げる。本業が赤字に近づき、将来の事業への期待だけが値段を支える。
- ロボタクシーが 20 都市圏以上で、運転手を使わない有料運行を黒字で続ける
- 楽観・やや楽観の確率を上げ、ロボタクシーの売上と利益率の置き方を見直す。ただし倍率は成熟後 15 倍前後(来年の利益の 14 倍 ×(1+g))が終点で、時価総額が今の水準を上回るには 10 年で売上 5,000〜7,000 億ドル級が要る。
- 無人運行で重大事故が起き、当局が運行を止める
- 10 年のロボタクシー・ロボットの売上を中立の下限へ下げ、悲観の確率を上げる。値段の中心にある期待が剥がれる。
- エネルギー貯蔵の粗利益率が 25% を超えて戻り、設置量が前年比 +40% 以上を保つ
- 蓄電池の営業利益率と数量を上げ、10 年の中立の営業利益を押し上げる。自動車の落ち込みを補う実体のある柱になる。
- マスク氏の報酬の最初の目標(時価総額 2 兆ドル)に届き、新株の付与が始まる
- 既存の株主の持ち分が約 12% を上限に薄まる。時価総額が上がっても、1 株あたりの価値の上昇はその分小さくなる。
- 米国が中国製の電気自動車と蓄電池への関税を大きく下げる
- 自動車と蓄電池の価格競争が強まり、やや悲観・悲観の確率を上げる。セルの調達費用は下がる面もある。
見ておくもの
- 四半期ごとの納車台数と、自動車の粗利益率(規制クレジット除く)
- エネルギー貯蔵の設置量(GWh)と粗利益率
- ロボタクシーの運行都市数・運行台数・1 マイルあたりの費用、事故と規制の動き
- サイバーキャブ・Optimus の量産の進み具合
- 設備投資とフリーキャッシュフロー、現金の残高
- FSD の有効な購読数と、1 台あたりのサービス売上
倍率と資本コストの決め方
売上と利益は、自動車・エネルギー・サービス・ロボタクシーの 4 つを台数(GWh)× 単価で積み、今の株価ではなく ROE・成長・資本コストから倍率を決めた。資本コストは 9.25%(基本 8.0% + quality 1.25%)、倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 残る割合 1/2 ×(筋書きの ROE − k)、g 4%)の 75%(景気と競争で利益が振れる)で、1÷k を下回る分は 1÷k に置いた。今の PER・PBR には寄せていない。10 年目の利益に掛けるので ×(1+g)、手元の純現金 297 億ドルは戻り方 0.5 で足した。自動車と蓄電池の価格を物価並みに上げないのは、中国勢との価格競争と電池の原価の下落のためで、how に書いた。悲観は営業赤字で、純現金と事業の純資産の 4 割という売れる資産の税後で床を置いた。結果は、10 年の楽観だけが今の時価総額を上回り、確率をかけると強い割高が出た。この結論はロボタクシー・ロボットの売上と利益率(楽観の売上 3,600 億ドル・営業利益率 38%)と、その確率に最も敏感で、この点を点検した。
資本コスト 9.3% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 1.25%。自動車と蓄電池は景気と金利で振れ(cycle +0.5%)、価格は中国勢との競争で下がり続けて利益率が薄く(pricing +0.5%)、競争と自動運転の遅れで事業の寿命がやや不確か(life +0.25%)。純現金が厚く借金の上乗せはない。事業の存続は危うくなく上乗せなし。統治・自動運転の期待は k に足さず、筋書きの幅と確率で表した。