結論
ジェニュイン・パーツ(Genuine Parts Company)は、自動車部品の NAPA・ユーロパート・レプコと、産業部品のモーション(Motion)を持つ流通会社で、17 か国・1 万 800 超の拠点で 2025 年に売上 243 億ドルを上げた。内訳は北米の自動車部品 95 億ドル、国際(欧州・豪州)の自動車部品 59 億ドル、産業 89 億ドル。営業利益率は産業が最も高く、自動車はオライリー・オートモーティブやオートゾーンの 18〜20% よりずっと低い 6〜8%。
2025 年の GAAP の純利益は 0.7 億ドルしかないが、これは米国の年金の清算費用 7.4 億ドル(非現金)、再編費用 2.5 億ドル、アスベスト債務の見直し、供給元ファースト・ブランズの破産による回収不能見込みなどの一時要因による。これらを除いた通常の純利益は 10.3 億ドルで、今の時価総額 186 億ドルは通常の利益の約 18 倍にあたる(GAAP の PER 266 倍は使えない)。2027 年第 1 四半期に自動車と産業を 2 社に分ける計画で、エリオット・マネジメントも取締役を送り込んでいる。
バリュー投資の観点では、事業そのもの(車が走り続け、工場が動き続ければ売れる部品の流通)の見通しは立てやすいが、利益率が低く、借金が多く、配当で FCF を使い切るため、余裕は大きくない。資本コストは 8.5%(基本 8.0% + quality 0.5%)。利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(筋書きの ROE − k)で、資本コストを超える稼ぎは先で薄れる)の 8 割に置く 10 年の中立の倍率は約 12.5 倍で、時価総額は約 211 億ドル。今の 187 億ドルは上回るが、配当を足した年率は +5% 台にとどまり資本コスト 8.5% に届かない。総合は差 −20% のやや割高。ただし資本コストの置き方への感度が高く、確率は悲観側を厚く置いた。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後を問う。自動車部品と産業部品の流通は、車が走り続け、工場が動き続ける限り需要があり、わからなさは小さい。NAPA の配送網とモーションの専門性は 10 年後も存在するが、堀が広がるかは別で、NAPA はオライリー・オートゾーンに商業で押されており、広がるより守る堀に近い。産業はグレインジャー・ファステナルのデジタル調達に対抗できるかが分かれ目になる。
オーナー利益を見る。通常の純利益 10.3 億ドルに減価償却 約 3.4 億ドルを足し、設備投資 4.5〜5 億ドルを引くと、実力の FCF は 8 億ドル台で、時価総額 186 億ドルに対して約 4.5%。10 年国債 5% を下回るが、成長(名目 4%前後)が上乗せされる。配当(約 5.9 億ドル)は通常の純利益の 55% で、保たれている。
資本配分は、これまでは小さな買収と配当に偏り、再編と分離が遅れた。エリオットの圧力で動き出し、分離で 2 社が別々の資本配分をする。懸念は、供給元の管理(ファースト・ブランズの回収不能)、借金の比率、分離の費用と本社費の重複。安全域は薄い。悲観(10 年)でも時価総額は今の 3 割台に残り、産業の事業と配送網という実体が床になるが、中立でも配当を足した年率は +5% 台で資本コスト 8.5% に届かない。
何で稼ぐ会社か
売上は 3 つに分けて見る。第 1 は北米の自動車部品(2025 年の売上 95 億ドル、EBITDA 率 7.1%)で、NAPA ブランドの店舗と加盟店・提携店を通じて、修理工場などの商業向けが約 8 割、一般客向けが約 2 割。NAPA は修理工場に即日配送する配送網が強みだが、配送網と加盟店を通す売り方は営業利益率が低く、2026 年 4〜6 月の EBITDA 率は 8.2%(前年比 +0.2 ポイント)。既存店は +2.6%。
第 2 は国際の自動車部品(売上 59 億ドル、EBITDA 率 9.3%)で、欧州はアライアンス・オートモーティブ・グループ(71 の配送センター・2,500 店超・9 か国。商用車など商業が 9 割超)、豪州・ニュージーランドはレプコと NAPA。2026 年 4〜6 月の既存店は +0.6% と弱いが、為替を含む売上は +8.2%。
第 3 は産業のモーション(売上 89 億ドル、EBITDA 率 12.9%)で、ベアリング・動力伝達・油空圧・自動化などの部品を工場に売る。2026 年 4〜6 月は売上 +7.1%、既存店 +6.1%、EBITDA 率 13.1%と、全社で一番伸びている。
全社の利益は、3 つのセグメントの利益から本社費(EBITDA で年 約 4.5 億ドル)を引いたもの。減価償却を引いた通常の営業利益は 約 15.8 億ドル(6.5%)、金利 約 2.2 億ドルを引き、税率 24% で通常の純利益 10.3 億ドル。弱みは、自動車の利益率の低さ、借金(リースを除く有利子負債 約 50 億ドル)、そしてセグメントごとの営業利益が開示されない点(EBITDA の開示から減価償却を推定して置いた)。
優良さと弱いところ
堀は、部品の品揃えと配送網(NAPA は店舗と配送センターが北米に密に張られている)、産業の技術相談と在庫の厚み(モーションはベアリングや動力伝達で専門性が高い)、そして創業 1928 年から続く仕入れ先との関係。配当は 70 年連続で増やしており、安定した事業の証になっている。
一方で、優良さには差がある。産業は営業利益率が 11〜12% と悪くないが、自動車はオライリー(19.5%)・オートゾーン(18.3%)の 3 分の 1 にとどまる。理由は、売上の 8 割が商業向けで価格競争が厳しいこと、加盟店・提携店を通す売り方が多く利益が分かれること、店舗数が多くても 1 店あたりの売上が小さいこと。商業の取り合いではオライリー・オートゾーンがメガハブ(大きな在庫拠点)を増やしていて、NAPA の既存店は +2〜3% と、2 社より遅れている。
資本効率は、自己資本 ROE が通常の利益で約 23%(自己資本 44 億ドル)と高いが、これは借金の比率が高く、年金の清算で自己資本が減った面もある。ROIC は約 11% で、資本コスト 7% 近辺に対して余裕は大きくない。経営は 2024 年から CEO ウィル・ステンゲル(Will Stengel)が率い、再編・分離の発表、エリオットの取締役受け入れ(2025 年)で資本配分を見直している。供給元ファースト・ブランズの破産で回収不能見込みが 約 1.6 億ドル出た点は、供給元の信用管理の弱さを示す。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
自動車部品(アフターマーケット)は、走っている車の台数と車齢、修理の必要で決まる。米国の部品・用品の市場は 約 2,200 億ドル(年 +4.5%)、平均車齢は約 13 年で過去最高。新車の値上がりと高金利で古い車を直して乗る人が増え、景気が悪い時ほど部品が売れる。EV は部品点数が約 3 割少ないが、保有台数での比率はまだ低く、10 年では需要の大きな変化にはならない。
競争は、DIY(一般客)と商業(修理工場向け)で違う。DIY はオライリー・オートゾーン・アドバンス・オート・パーツ、商業は NAPA・オライリー・ディーラーの整備部門。オライリーとオートゾーンは配送網(ハブ)が堀で、営業利益率 18〜20%、2026 年の既存店は +3〜5%。NAPA の北米自動車は +2〜3% で、商業の取り合いでは 2 社に押され気味。欧州は商用車の割合が高く、成長は低い(既存店 +0.6%)。
産業部品は製造業の設備と保守の需要で決まる。製造業の国内回帰と自動化は追い風で、価格は物価並みに上がるが、景気の波が大きい(リーマンでは産業の売上が 2 割ほど落ちる)。競合はグレインジャー(売上が約 2 倍)、ファステナル、アプライド・インダストリアル、MSC インダストリアル。グレインジャーとファステナルはデジタル調達と現場の自動販売機で先行する。
循環のどこにいるか:2026 年 4〜6 月は全社の既存店 +3.4%、産業は +6.1% と堅調。業界ノートの中立(部品・修理市場は名目で年 +4.5%、ジェニュイン・パーツは売上 年 +4%)と、本社の営業利益率が 6〜7% という前提に合わせた。業界ノートの資本コスト・倍率の目安は古いので使わず、SCHEMA_US の式(基本 8.0% + quality 0.5% = 8.5%)とした。
資本政策と M&A
還元は配当が中心で、2025 年に 5.6 億ドル(70 年連続の増配)、自社株買いは無し(2024 年は 1.5 億ドル)。2026 年の FCF の見通しは 5.5〜7 億ドルで、配当(約 5.9 億ドル)とほぼ同じ水準で、自社株買いに回す余裕は小さい。調整後純利益 10.3 億ドルに対する配当の割合は約 55% で、残りは設備投資(4.5〜5 億ドル)と買収に使われる。
借金は有利子負債 約 50 億ドル(現金 5.6 億ドル)、リースを含めた純負債は 64 億ドルで、2025 年の再編・年金の清算で通常の利益に比べて重くなった。借り換えは 5.75% で、10 年で利払いが増える。
M&A は小さな買収が中心(2025 年に 3.2 億ドル)。大きな動きは、2027 年第 1 四半期に予定する自動車と産業の分離(非課税のスピンオフ)で、新しいジェニュイン・パーツは自動車、モーションは産業。2026 年 2 月に発表し、9 月に経営陣を発表、12 月 8 日・9 日に投資家説明会を開く。分離後の配当の配分、2 社の借金の割り振り、本社費の重複が論点。エリオット・マネジメントは約 10 億ドルを持つ最大の活動投資家で、2025 年に 2 人の取締役を入れる合意をした。オライリーが NAPA と欧州の自動車を買うとの報道(欧州の 1 件、確認できず)もあり、買収の可能性が筋書きの上振れ要因になる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
再編と分離が大きな変化になる。自動車と産業は事業の性質(小売寄りの商業と、技術営業を伴う産業)も顧客も競合も違い、1 つの会社に収める理由が薄れていた。分離で、産業のモーションは産業流通の会社(グレインジャー・ファステナル・アプライド・インダストリアル)と並べて評価され、営業利益率は 11.5% から 13% まで上がる余地がある(2026 年 4〜6 月は EBITDA 率 13.1% で、既に伸びている)。自動車の新しいジェニュイン・パーツは北米と欧州に集中し、本社費と在庫を見直して、利益率をオライリー・オートゾーンの方へ寄せられる。
エリオットが入った取締役会は、資本配分をはっきり見直した。2026 年は産業の売上が +7% で伸び、再編の費用は 2027 年に減る。2026 年の調整後の 1 株利益の見通しを守り、年前半は前年比 +2% と堅調。配当は 70 年連続で増える。
値段は通常の利益に対する約 18 倍で、一時要因が戻れば利益が伸びる分、割高感は薄れる。買収(オライリーが NAPA を買う話)の可能性もある。
慎重な見方
NAPA の営業利益率は、オライリー・オートゾーンの 3 分の 1 にとどまり、再編を何年続けても差が縮まらない。商業の取り合いで 2 社がメガハブを増やし、NAPA の既存店は +2〜3% と、2 社の +3〜5% に及ばない。2026 年 4〜6 月も北米自動車は +2.6%、国際は +0.6% と遅れ、2025 年のファースト・ブランズ(供給元)の破産で、仕入れのリベートと債権の回収不能が 約 1.6 億ドル出た。供給元の管理の弱さが、同じ供給網の別の会社でも起きないとは言えない。
分離にも費用がかかる。2 社に分けると本社費・システム・購買の規模が小さくなり、年 5 千万ドル前後の余計な費用が出る。産業は景気の波が大きく、製造業が落ちれば売上が 2 割下がり、リーマンで株価が −41% 下がった実績がある。借金は有利子負債 約 50 億ドルで、配当で FCF を使い切るため、景気後退と重なれば配当の増配も止まりうる。
利益ベースの中立の倍率は約 12.5 倍で、今の約 18 倍より低い。今の値段は、分離と利益率の改善がうまくいくことをすでに織り込んでいる。EV・通販・アマゾン・デジタル調達が加われば、20 年後の事業は今と違う。
どちらに重みを置いたか
事業の質は産業が強く、自動車は弱い。強気の見方の根拠(分離・営業利益率の改善・産業の伸び)は具体的だが、改善の度合いは 2027 年以降の実行にかかっている。慎重な見方の根拠(利益率の差・供給元の管理・借金・分離の費用)も具体的で、とくに「NAPA の営業利益率が上がった歴史がない」点は重い。確率は悲観・やや悲観の合計を 38% と厚く置いた。中立と上側が 6 割を超えるが、利益ベースの倍率では今の値段を下回り、総合はやや割高に出る。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 142.87 ドル199 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 66.66 ドル93 億ドル)。 今の値に割り戻すと 107.52 ドル150 億ドル、今との差 −16.0%、 期待の年率 +5.1%(資本コスト 8.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 245.60 ドル342 億ドル | 87.61 ドル122 億ドル | +160.4% | +10.0% | 23.32 ドル32 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 203.59 ドル284 億ドル | 79.71 ドル111 億ドル | +121.4% | +8.3% | 53.83 ドル75 億ドル |
| 中立 | 36% | 151.45 ドル211 億ドル | 68.94 ドル96 億ドル | +72.2% | +5.6% | 79.34 ドル110 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 103.05 ドル144 億ドル | 58.89 ドル82 億ドル | +26.5% | +2.4% | 42.10 ドル59 億ドル |
| 悲観 | 12% | 47.32 ドル66 億ドル | 43.81 ドル61 億ドル | −28.8% | −3.3% | 10.94 ドル15 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 142.87 ドル199 億ドル | 66.66 ドル93 億ドル | +63.7% | +5.1% | 209.53 ドル292 億ドル |
今の株価時価総額 127.97 ドル178 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 7% 楽観:分離で 2 社が集中し、産業のシェアが 10% に上がる 利益 24 億ドル · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 245.60 ドル342 億ドル
再編と分離で 2 社が別々に集中できるようになり、産業(モーション)はグレインジャーやアプライド・インダストリアルとの取り合いでシェアを 8.9% から 10.0% に上げ、営業利益率は 13.0% に。製造業の国内回帰と自動化で市場は実質 年 +1.5%。自動車は北米のシェアが 3.8% から 4.4%(オライリー・オートゾーンの規模には届かない水準)、営業利益率は 8.0% まで上がり、欧州も 9.0% に。新しいジェニュイン・パーツ(自動車)は欧州の整理と小さな買収で規模を増す。 売上 438 億ドル、営業利益 37.4 億ドル(営業利益率 8.5%)、純利益 24.0 億ドル(利払い 5.9 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 122 億ドル。
- 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,762(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 6.2%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 171 億ドル・営業利益 14 億ドル。シェア 4.40%・営業利益率 8.0%(物価指数 1.41)
- 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,733(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.9%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 103 億ドル・営業利益 9 億ドル。シェア 4.20%・営業利益率 9.0%(物価指数 1.41)
- 産業部品(モーション):数量 1,161(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 14.1%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 164 億ドル・営業利益 21 億ドル。シェア 10.00%・営業利益率 13.0%(物価指数 1.41)
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 4.0%(価格 3.5%+産業のシェア拡大)・事業の ROE 26.4%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 17.4%、10 年目より先の正当化 PER 17.1 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 17.8 倍。再編と分離が成果を出す側なので上限の 80% に置き 14.2 倍。
確率:分離で 2 社が集中し、産業のシェアが 10%、自動車の営業利益率が 8% まで上がる筋書き。7%。
やや楽観 19% やや楽観:再編が定着し、営業利益率が 8% 台に上がる 利益 21 億ドル · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 203.59 ドル284 億ドル
再編の効果が定着し、北米自動車の営業利益率は 7.5% に上がる。北米のシェアは 4.2% に上がり、国際自動車は欧州の効率化で 8.8%、産業は 12.7% で、シェアは 9.8%。市場は実質 年 +0.6〜1.2%。分離後の 2 社は配当を増やしながら、年 1〜2% の自社株買いを続ける。EV の比率は上がるが、保有台数が大きく入れ替わるのは 10 年後より先で、部品の需要の変化は小さい。 売上 412 億ドル、営業利益 33.2 億ドル(営業利益率 8.1%)、純利益 21.3 億ドル(利払い 5.2 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 111 億ドル。
- 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,707(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.9%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 160 億ドル・営業利益 12 億ドル。シェア 4.20%・営業利益率 7.5%(物価指数 1.41)
- 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,699(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.6%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 96 億ドル・営業利益 8 億ドル。シェア 4.00%・営業利益率 8.8%(物価指数 1.41)
- 産業部品(モーション):数量 1,127(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 13.8%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 156 億ドル・営業利益 20 億ドル。シェア 9.80%・営業利益率 12.7%(物価指数 1.41)
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 3.7%(価格 3.5%+数量の小幅な伸び)・事業の ROE 23.7%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 16.1%、10 年目より先の正当化 PER 16.0 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 16.6 倍。再編の効果が定着する側なので上限の 80% に置き 13.3 倍。
確率:再編が定着し、営業利益率が 8% 台に上がる筋書き。19%。
中立 36% 中立:売上は年 +4.3%、営業利益率は 7% 台で横ばい 利益 17 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 151.45 ドル211 億ドル
市場は実質 年 +0.4〜1.0%(自動車が小さく産業がやや大きい)、価格は物価並みの 1.41 倍。北米自動車は営業利益率が 6.8% までわずかに上がり、シェアは 3.8% から 3.7% に微減(オライリー・オートゾーンの商業の拡大で押される)。産業は営業利益率 12.0%・シェア 9.3% で、国際自動車は 8.0%。分離後も 2 社の本社費が重く、全社の営業利益率は 7.1%。借金は営業利益に比例して増え、利払いは借り換えで金利 5.75% に上がる。 売上 370 億ドル、営業利益 26.4 億ドル(営業利益率 7.1%)、純利益 16.9 億ドル(利払い 4.1 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 96 億ドル。
- 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,654(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.2%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 139 億ドル・営業利益 9 億ドル。シェア 3.70%・営業利益率 6.8%(物価指数 1.41)
- 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,665(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.2%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 87 億ドル・営業利益 7 億ドル。シェア 3.70%・営業利益率 8.0%(物価指数 1.41)
- 産業部品(モーション):数量 1,105(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 13.1%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 145 億ドル・営業利益 17 億ドル。シェア 9.30%・営業利益率 12.0%(物価指数 1.41)
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 3.5%(物価 3.5% に、自動車のシェア低下と産業の維持を混ぜて実質 0)・事業の ROE 19.9%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 14.2%、10 年目より先の正当化 PER 15.1 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 15.6 倍。普通の質(競争と景気の振れが中くらい)なので上限の 80% に置き 12.5 倍。
確率:営業利益率は 7% 台で横ばい、シェアは自動車が微減、産業は維持。36%。
やや悲観 26% やや悲観:自動車のシェアを失い、産業も価格を転嫁しきれない 利益 12 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 103.05 ドル144 億ドル
北米自動車はシェアを 3.4% に落とし、営業利益率は 5.9%。産業はアマゾンなどの通販・デジタル調達にも押され、営業利益率は 11.0%、価格は物価を 2% ほど下回る(1.38 倍)。国際自動車は欧州の低成長で 7.2%。EV の比率が上がって部品の点数が減り、関税の転嫁が遅れる。分離で 2 社の規模が小さくなり、購買力が落ちる。配当は物価の伸びを下回って増えるだけで、自社株買いは少ない。 売上 328 億ドル、営業利益 19.1 億ドル(営業利益率 5.8%)、純利益 12.2 億ドル(利払い 3.0 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 82 億ドル。
- 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,576(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 4.7%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 121 億ドル・営業利益 7 億ドル。シェア 3.40%・営業利益率 5.9%(物価指数 1.38)
- 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,616(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 4.8%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 78 億ドル・営業利益 6 億ドル。シェア 3.50%・営業利益率 7.2%(物価指数 1.38)
- 産業部品(モーション):数量 1,062(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 12.1%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 129 億ドル・営業利益 14 億ドル。シェア 8.80%・営業利益率 11.0%(物価指数 1.38)
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 3.0%(価格 3.0%+数量の微減)・事業の ROE 16.1%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 12.3%、10 年目より先の正当化 PER 13.7 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 14.2 倍。商業の取り合いで押される側なので上限の 80% は床の 1÷k(11.8 倍)を下回るので、1÷k に置く。
確率:自動車のシェア低下と、産業の価格の転嫁の遅れが重なる筋書き。NAPA の営業利益率はオライリー・オートゾーンの約 3 分の 1 で、差が縮まった歴史が無いので 26%。
悲観 12% 悲観:構造的に負ける(EV・通販・商業の取り合いで優良さを失う) 利益 6 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 47.32 ドル66 億ドル
構造的に負ける。EV と通販で自動車の市場が実質で縮み、オライリー・オートゾーンが商業まで広げて NAPA のシェアが 2.9% に下がる(営業利益率 5.0%)。産業は景気の波と通販で営業利益率 9.5%、価格も物価を下回る(1.30 倍)。国際自動車も 6.2% に落ち、どちらの会社ももう優良ではなくなっている。配当は維持するが、自社株買いは無く、借金の比率が上がる。ただし配送網・在庫・加盟店という実体があり、産業の事業は景気が戻れば回復する。 売上 252 億ドル、営業利益 9.9 億ドル(営業利益率 3.9%)、純利益 5.6 億ドル(利払い 2.5 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 61 億ドル。
- 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,426(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 3.8%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 92 億ドル・営業利益 5 億ドル。シェア 2.90%・営業利益率 5.0%(物価指数 1.30)
- 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,522(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 3.9%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 59 億ドル・営業利益 4 億ドル。シェア 3.00%・営業利益率 6.2%(物価指数 1.30)
- 産業部品(モーション):数量 970(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 10.4%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 101 億ドル・営業利益 10 億ドル。シェア 8.00%・営業利益率 9.5%(物価指数 1.30)
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 1.5%(価格 2.0%+数量の減少)・事業の ROE 9.7%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 9.1%、10 年目より先の正当化 PER 11.9 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 12.1 倍。構造的に負ける側なので上限の 80% は床の 1÷k(11.8 倍)を下回るので、1÷k に置く。
確率:EV・通販・商業の取り合いと、分離後の購買力低下で優良さを失う筋書き。12%(オートゾーン・オライリーの 10〜11% よりやや厚く)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
北米の自動車部品(NAPA・商業中心)
米国・カナダ・メキシコの NAPA の店舗と配送網。売上の約 8 割が修理工場などの商業向け。
| 数量北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定) | 価格ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,500 | 3.8% | 95 | 6 |
| 10 年後 中立 | 2,654 | 5.2% | 139 | 9 |
取り方:北米自動車の売上 95.2 億ドル(開示)。市場は業界ノートの米国の部品・用品 2,176 億ドル(2024 年)を 2025 年に 約 +5% 伸ばした 約 2,300 億ドルにカナダ・メキシコの分を足して 約 2,500 億ドルと置いた(推定)。シェア = 95.2 ÷ 2,500 = 3.8%。営業利益 5.9 億ドルは、報告の EBITDA 率 7.1%(6.8 億ドル)から減価償却 0.9 億ドル(推定)を引いた値で、営業利益率 6.2%。競合はオライリー・オートゾーン(営業利益率 18〜20%)、アドバンス・オート・パーツ、新車ディーラーの整備部門、アマゾン。
国際の自動車部品(欧州・豪州)
欧州のアライアンス・オートモーティブ・グループ(ユーロパート・NAPA)と豪州・ニュージーランドのレプコ・NAPA。
| 数量欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定) | 価格ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,600 | 3.7% | 59 | 5 |
| 10 年後 中立 | 1,665 | 5.2% | 87 | 7 |
取り方:国際自動車の売上 58.6 億ドル(開示)。欧州の独立系の部品・用品(商用車を含む)と豪州・ニュージーランドを合わせた市場を 約 1,600 億ドルと置いた(推定)。シェア 3.7%。営業利益 4.55 億ドルは、EBITDA 率 9.3%(5.45 億ドル)から減価償却 0.9 億ドル(推定)を引いた値で、営業利益率 7.8%。欧州は商用車など商業が 9 割超。競合は地場の卸、ディーラー、ほかに欧州でオライリーが関心を示したとの報道(1 件、未確認)。
産業部品(モーション)
ベアリング・動力伝達・油空圧・自動化などの工場向け部品の販売。製造業の設備と保守の需要で決まる。
| 数量北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定) | 価格ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,000 | 8.9% | 89 | 10 |
| 10 年後 中立 | 1,105 | 13.1% | 145 | 17 |
取り方:産業の売上 89.2 億ドル(開示)。市場は産業用の保守・補修部品とベアリング・動力伝達・流体動力・自動化の流通を合わせて 約 1,000 億ドルと置いた(推定。グレインジャー・ファステナル・アプライド・インダストリアルなどの売上の合計に近い規模)。シェア 8.9%。営業利益 10.3 億ドルは、EBITDA 率 12.9%(11.5 億ドル)から減価償却 1.2 億ドル(推定)を引いた値で、営業利益率 11.5%。競合はグレインジャー(産業用の総合商社型で売上が約 2 倍)、ファステナル、アプライド・インダストリアル、MSC インダストリアル。
リスクと懸念
自動車の営業利益率が上がらない
北米自動車の EBITDA 率は 7〜8%(オライリーは 20% 超)。売上の 8 割が商業向けで、価格競争が厳しく、加盟店・提携店で利益が分かれる。再編・費用削減の効果が出ず、営業利益率が 6% 前後で止まれば、利益の伸びは売上の伸びと物価の分だけになる。筋書きではやや悲観・悲観の確率と、悲観の営業利益率(5%)に反映し、資本コストには足していない。
供給元の信用(ファースト・ブランズの破産)
2025 年に供給元ファースト・ブランズが破産申請し、仕入れのリベートと債権の回収不能見込みが 約 1.6 億ドルの粗利益減になった。供給網の組み替え費用も出る。ほかの供給元にも同じ問題が出れば、追加の損失になる。一時要因として通常の利益から除いたが、再発を悲観の確率に含めた。
分離の実行と費用
2027 年第 1 四半期に自動車と産業を非課税のスピンオフで分ける。Form 10 の効力発生など条件が残り、2 社の本社費・システム・購買の重複で年 5 千万ドル前後の余計な費用が出る見込み(推定)。借金の割り振り・配当の配分が悪ければ、どちらかの会社の信用が落ちる。中立の本社費に 5 千万ドルを加えた。
産業の景気の波
産業(モーション)は営業利益の約 3 分の 2 を稼ぐ。製造業が景気後退で落ちると売上が 2 割ほど下がり、営業利益は 3 割以上落ちる。2026 年 4〜6 月の売上が +7% と好調な分、山にいる可能性がある。悲観では産業の売上を実質で大きく減らし、営業利益率を 9.5% とした。
借金と配当の余裕
有利子負債 約 50 億ドル、リースを含めた純負債は時価総額の約 35%。2026 年の FCF 見通し 5.5〜7 億ドルは配当(約 5.9 億ドル)とほぼ同じで、自社株買いの余裕が小さい。借り換えは 5.75% になり、景気後退と重なれば増配が止まる。70 年連続の増配が止まれば、投資家の信頼が揺れる。
EV・自動運転・通販
EV は部品点数が約 3 割少なく、自動運転は事故と整備の頻度を変えうる。10 年では保有台数の入れ替えが限られるが、悲観(10 年)では自動車の市場が実質で縮み、オライリー・オートゾーン・アマゾンが商業まで広げる筋書きを置いた。産業でも、アマゾンやグレインジャーのデジタル調達が価格を比べ尽くせば、利益率を押し下げる。
関税と為替・欧州の低成長
自動車部品の多くは輸入で、関税が仕入れ原価を押し上げるが、転嫁が遅れると利益率が落ちる。2026 年 4〜6 月の国際自動車の既存店は +0.6% と弱く、為替(ユーロ高)で報告の売上は +8.2%。筋書きでは為替を動かさず、国際自動車の営業利益率とシェアで表した。
今後の分かれ目
- 2026 年 12 月 8 日・9 日の投資家説明会で、分離後の 2 社が営業利益率の目標(自動車で 10% 前後、産業で 13% 超)と配当・借金の方針を示したら
- 目標が具体的で、費用削減の額が 3 億ドルを超えるなら、中立の営業利益率を 7.1% から 7.5% に上げ、やや楽観の確率を厚くする。示されないなら、やや悲観の確率を上げる。倍率は g と ROE に入れて引き直し、式の外では下げない。
- 北米自動車の既存店が 2027 年に 2 四半期連続で +2% を下回ったら
- オライリー・オートゾーンに商業を取られている合図で、自動車のシェアの前提(10 年で 3.8% から 3.7%)を 3.4% に下げ、やや悲観の確率を上げる。
- 産業(モーション)の既存店が 2027 年に 2 四半期連続でマイナスになり、EBITDA 率が 12% を割ったら
- 製造業の景気の山が過ぎた合図で、悲観の確率を上げ、産業の営業利益率の前提を 12% から 11% に下げる。
- リーマン級の景気後退(失業率 8% 超・製造業 PMI が 40 を下回る)が来たら
- 産業の売上が 2 割ほど減り、営業利益が 3〜4 割落ち、自動車は DIY が増えて小幅減にとどまる。2007〜09 年の株価は −41% 下がったが、稼ぐ力は大きく崩れなかった。配当は維持するが、増配は止まる。
- オライリーなどが NAPA または欧州の自動車の買収を正式に提案したら
- 上振れの筋書き(楽観)の確率を上げる材料。ただし買収が成立しても、買い手が払う倍率は式の値で測り直す。まだ成立していない買収は筋書きに含めない。
- ファースト・ブランズのほかの供給元で、リベートや債権の回収不能が 5 千万ドルを超えて出たら
- 供給元の管理の弱さが確定した合図で、通常の利益を 1〜2% 下げ、悲観・やや悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- 北米自動車と国際自動車の既存店売上(商業の伸び・NAPA 対 オライリー・オートゾーン)
- セグメントごとの EBITDA 率(北米自動車 8.2%・国際自動車 9.4%・産業 13.1% の推移)
- 分離の進み方(Form 10 の効力発生・2 社の借金と配当の割り振り・本社費)
- 産業の既存店と、製造業の景気指標(PMI)、グレインジャー・ファステナルの伸び
- 純負債 / EBITDA と FCF(配当と設備投資を賄えているか)
- エリオットの持ち株の動きと取締役会の変化、買収の提案
- 平均車齢・走行距離・EV の保有比率
倍率と資本コストの決め方
今の PER(通常の利益の約 18 倍)・今の時価総額を見る前に、北米の自動車・国際の自動車・産業の 3 つに分け、市場(実質)× シェア × 物価指数で売上を、営業利益率で利益を積み上げた。倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(筋書きの ROE − k)で、資本コストを超える稼ぎは先で薄れる)に、k 8.5%(基本 8.0% + quality 0.5%)・g(中立 3.5%。物価 3.5% に、自動車のシェア低下と産業の維持を混ぜて実質 0)・ROE(通常の利益 ÷ 10 年後の自己資本)を入れ、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g)、その 8 割に置いた。式の外の割り引き・今の約 18 倍・過去の倍率への寄せはしていない。悲観は構造(EV・通販・商業の取り合い)から積み上げ、二重に下げていない。悲観・やや悲観の確率(38%)は厚く置いた。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0.5%。自動車部品の安定と産業部品の景気感応が混ざる(cycle 0)。流通で営業利益率が薄く値決めは強くない(pricing +0.25%)うえ、純負債が時価総額の 35% あり配当で FCF を使い切る(debt +0.25%)。寿命は普通。ファースト・ブランズの損失・再編の実行・分離の失敗・NAPA の営業利益率の低さは k に足さず、悲観の確率と悲観の営業利益率・g・ROE で表した。