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ジェニュイン・パーツ GPC

自動車の NAPA と産業のモーションの 2 本立て。分離(2027 年第 1 四半期)で価値が出るが、自動車の利益率の低さと借金が重い

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)107.52 ドル150 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)128.0 ドル178 億ドル差 −16.0%
10 年後から見ると やや割高 価値 107.52 ドル150 億ドル · 差 −16.0% · 期待の年率 +5.1%
期待の年率リターン(10 年)+5.1%資本コスト比 −3.4 pt
推定の資本コスト8.5%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.5% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

ジェニュイン・パーツ(Genuine Parts Company)は、自動車部品の NAPA・ユーロパート・レプコと、産業部品のモーション(Motion)を持つ流通会社で、17 か国・1 万 800 超の拠点で 2025 年に売上 243 億ドルを上げた。内訳は北米の自動車部品 95 億ドル、国際(欧州・豪州)の自動車部品 59 億ドル、産業 89 億ドル。営業利益率は産業が最も高く、自動車はオライリー・オートモーティブやオートゾーンの 18〜20% よりずっと低い 6〜8%。

2025 年の GAAP の純利益は 0.7 億ドルしかないが、これは米国の年金の清算費用 7.4 億ドル(非現金)、再編費用 2.5 億ドル、アスベスト債務の見直し、供給元ファースト・ブランズの破産による回収不能見込みなどの一時要因による。これらを除いた通常の純利益は 10.3 億ドルで、今の時価総額 186 億ドルは通常の利益の約 18 倍にあたる(GAAP の PER 266 倍は使えない)。2027 年第 1 四半期に自動車と産業を 2 社に分ける計画で、エリオット・マネジメントも取締役を送り込んでいる。

バリュー投資の観点では、事業そのもの(車が走り続け、工場が動き続ければ売れる部品の流通)の見通しは立てやすいが、利益率が低く、借金が多く、配当で FCF を使い切るため、余裕は大きくない。資本コストは 8.5%(基本 8.0% + quality 0.5%)。利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(筋書きの ROE − k)で、資本コストを超える稼ぎは先で薄れる)の 8 割に置く 10 年の中立の倍率は約 12.5 倍で、時価総額は約 211 億ドル。今の 187 億ドルは上回るが、配当を足した年率は +5% 台にとどまり資本コスト 8.5% に届かない。総合は差 −20% のやや割高。ただし資本コストの置き方への感度が高く、確率は悲観側を厚く置いた。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、まず 10 年後を問う。自動車部品と産業部品の流通は、車が走り続け、工場が動き続ける限り需要があり、わからなさは小さい。NAPA の配送網とモーションの専門性は 10 年後も存在するが、堀が広がるかは別で、NAPA はオライリー・オートゾーンに商業で押されており、広がるより守る堀に近い。産業はグレインジャー・ファステナルのデジタル調達に対抗できるかが分かれ目になる。

オーナー利益を見る。通常の純利益 10.3 億ドルに減価償却 約 3.4 億ドルを足し、設備投資 4.5〜5 億ドルを引くと、実力の FCF は 8 億ドル台で、時価総額 186 億ドルに対して約 4.5%。10 年国債 5% を下回るが、成長(名目 4%前後)が上乗せされる。配当(約 5.9 億ドル)は通常の純利益の 55% で、保たれている。

資本配分は、これまでは小さな買収と配当に偏り、再編と分離が遅れた。エリオットの圧力で動き出し、分離で 2 社が別々の資本配分をする。懸念は、供給元の管理(ファースト・ブランズの回収不能)、借金の比率、分離の費用と本社費の重複。安全域は薄い。悲観(10 年)でも時価総額は今の 3 割台に残り、産業の事業と配送網という実体が床になるが、中立でも配当を足した年率は +5% 台で資本コスト 8.5% に届かない。

何で稼ぐ会社か

売上は 3 つに分けて見る。第 1 は北米の自動車部品(2025 年の売上 95 億ドル、EBITDA 率 7.1%)で、NAPA ブランドの店舗と加盟店・提携店を通じて、修理工場などの商業向けが約 8 割、一般客向けが約 2 割。NAPA は修理工場に即日配送する配送網が強みだが、配送網と加盟店を通す売り方は営業利益率が低く、2026 年 4〜6 月の EBITDA 率は 8.2%(前年比 +0.2 ポイント)。既存店は +2.6%。

第 2 は国際の自動車部品(売上 59 億ドル、EBITDA 率 9.3%)で、欧州はアライアンス・オートモーティブ・グループ(71 の配送センター・2,500 店超・9 か国。商用車など商業が 9 割超)、豪州・ニュージーランドはレプコと NAPA。2026 年 4〜6 月の既存店は +0.6% と弱いが、為替を含む売上は +8.2%。

第 3 は産業のモーション(売上 89 億ドル、EBITDA 率 12.9%)で、ベアリング・動力伝達・油空圧・自動化などの部品を工場に売る。2026 年 4〜6 月は売上 +7.1%、既存店 +6.1%、EBITDA 率 13.1%と、全社で一番伸びている。

全社の利益は、3 つのセグメントの利益から本社費(EBITDA で年 約 4.5 億ドル)を引いたもの。減価償却を引いた通常の営業利益は 約 15.8 億ドル(6.5%)、金利 約 2.2 億ドルを引き、税率 24% で通常の純利益 10.3 億ドル。弱みは、自動車の利益率の低さ、借金(リースを除く有利子負債 約 50 億ドル)、そしてセグメントごとの営業利益が開示されない点(EBITDA の開示から減価償却を推定して置いた)。

優良さと弱いところ

堀は、部品の品揃えと配送網(NAPA は店舗と配送センターが北米に密に張られている)、産業の技術相談と在庫の厚み(モーションはベアリングや動力伝達で専門性が高い)、そして創業 1928 年から続く仕入れ先との関係。配当は 70 年連続で増やしており、安定した事業の証になっている。

一方で、優良さには差がある。産業は営業利益率が 11〜12% と悪くないが、自動車はオライリー(19.5%)・オートゾーン(18.3%)の 3 分の 1 にとどまる。理由は、売上の 8 割が商業向けで価格競争が厳しいこと、加盟店・提携店を通す売り方が多く利益が分かれること、店舗数が多くても 1 店あたりの売上が小さいこと。商業の取り合いではオライリー・オートゾーンがメガハブ(大きな在庫拠点)を増やしていて、NAPA の既存店は +2〜3% と、2 社より遅れている。

資本効率は、自己資本 ROE が通常の利益で約 23%(自己資本 44 億ドル)と高いが、これは借金の比率が高く、年金の清算で自己資本が減った面もある。ROIC は約 11% で、資本コスト 7% 近辺に対して余裕は大きくない。経営は 2024 年から CEO ウィル・ステンゲル(Will Stengel)が率い、再編・分離の発表、エリオットの取締役受け入れ(2025 年)で資本配分を見直している。供給元ファースト・ブランズの破産で回収不能見込みが 約 1.6 億ドル出た点は、供給元の信用管理の弱さを示す。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

自動車部品(アフターマーケット)は、走っている車の台数と車齢、修理の必要で決まる。米国の部品・用品の市場は 約 2,200 億ドル(年 +4.5%)、平均車齢は約 13 年で過去最高。新車の値上がりと高金利で古い車を直して乗る人が増え、景気が悪い時ほど部品が売れる。EV は部品点数が約 3 割少ないが、保有台数での比率はまだ低く、10 年では需要の大きな変化にはならない。

競争は、DIY(一般客)と商業(修理工場向け)で違う。DIY はオライリー・オートゾーン・アドバンス・オート・パーツ、商業は NAPA・オライリー・ディーラーの整備部門。オライリーとオートゾーンは配送網(ハブ)が堀で、営業利益率 18〜20%、2026 年の既存店は +3〜5%。NAPA の北米自動車は +2〜3% で、商業の取り合いでは 2 社に押され気味。欧州は商用車の割合が高く、成長は低い(既存店 +0.6%)。

産業部品は製造業の設備と保守の需要で決まる。製造業の国内回帰と自動化は追い風で、価格は物価並みに上がるが、景気の波が大きい(リーマンでは産業の売上が 2 割ほど落ちる)。競合はグレインジャー(売上が約 2 倍)、ファステナル、アプライド・インダストリアル、MSC インダストリアル。グレインジャーとファステナルはデジタル調達と現場の自動販売機で先行する。

循環のどこにいるか:2026 年 4〜6 月は全社の既存店 +3.4%、産業は +6.1% と堅調。業界ノートの中立(部品・修理市場は名目で年 +4.5%、ジェニュイン・パーツは売上 年 +4%)と、本社の営業利益率が 6〜7% という前提に合わせた。業界ノートの資本コスト・倍率の目安は古いので使わず、SCHEMA_US の式(基本 8.0% + quality 0.5% = 8.5%)とした。

資本政策と M&A

還元は配当が中心で、2025 年に 5.6 億ドル(70 年連続の増配)、自社株買いは無し(2024 年は 1.5 億ドル)。2026 年の FCF の見通しは 5.5〜7 億ドルで、配当(約 5.9 億ドル)とほぼ同じ水準で、自社株買いに回す余裕は小さい。調整後純利益 10.3 億ドルに対する配当の割合は約 55% で、残りは設備投資(4.5〜5 億ドル)と買収に使われる。

借金は有利子負債 約 50 億ドル(現金 5.6 億ドル)、リースを含めた純負債は 64 億ドルで、2025 年の再編・年金の清算で通常の利益に比べて重くなった。借り換えは 5.75% で、10 年で利払いが増える。

M&A は小さな買収が中心(2025 年に 3.2 億ドル)。大きな動きは、2027 年第 1 四半期に予定する自動車と産業の分離(非課税のスピンオフ)で、新しいジェニュイン・パーツは自動車、モーションは産業。2026 年 2 月に発表し、9 月に経営陣を発表、12 月 8 日・9 日に投資家説明会を開く。分離後の配当の配分、2 社の借金の割り振り、本社費の重複が論点。エリオット・マネジメントは約 10 億ドルを持つ最大の活動投資家で、2025 年に 2 人の取締役を入れる合意をした。オライリーが NAPA と欧州の自動車を買うとの報道(欧州の 1 件、確認できず)もあり、買収の可能性が筋書きの上振れ要因になる。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

再編と分離が大きな変化になる。自動車と産業は事業の性質(小売寄りの商業と、技術営業を伴う産業)も顧客も競合も違い、1 つの会社に収める理由が薄れていた。分離で、産業のモーションは産業流通の会社(グレインジャー・ファステナル・アプライド・インダストリアル)と並べて評価され、営業利益率は 11.5% から 13% まで上がる余地がある(2026 年 4〜6 月は EBITDA 率 13.1% で、既に伸びている)。自動車の新しいジェニュイン・パーツは北米と欧州に集中し、本社費と在庫を見直して、利益率をオライリー・オートゾーンの方へ寄せられる。

エリオットが入った取締役会は、資本配分をはっきり見直した。2026 年は産業の売上が +7% で伸び、再編の費用は 2027 年に減る。2026 年の調整後の 1 株利益の見通しを守り、年前半は前年比 +2% と堅調。配当は 70 年連続で増える。

値段は通常の利益に対する約 18 倍で、一時要因が戻れば利益が伸びる分、割高感は薄れる。買収(オライリーが NAPA を買う話)の可能性もある。

慎重な見方

NAPA の営業利益率は、オライリー・オートゾーンの 3 分の 1 にとどまり、再編を何年続けても差が縮まらない。商業の取り合いで 2 社がメガハブを増やし、NAPA の既存店は +2〜3% と、2 社の +3〜5% に及ばない。2026 年 4〜6 月も北米自動車は +2.6%、国際は +0.6% と遅れ、2025 年のファースト・ブランズ(供給元)の破産で、仕入れのリベートと債権の回収不能が 約 1.6 億ドル出た。供給元の管理の弱さが、同じ供給網の別の会社でも起きないとは言えない。

分離にも費用がかかる。2 社に分けると本社費・システム・購買の規模が小さくなり、年 5 千万ドル前後の余計な費用が出る。産業は景気の波が大きく、製造業が落ちれば売上が 2 割下がり、リーマンで株価が −41% 下がった実績がある。借金は有利子負債 約 50 億ドルで、配当で FCF を使い切るため、景気後退と重なれば配当の増配も止まりうる。

利益ベースの中立の倍率は約 12.5 倍で、今の約 18 倍より低い。今の値段は、分離と利益率の改善がうまくいくことをすでに織り込んでいる。EV・通販・アマゾン・デジタル調達が加われば、20 年後の事業は今と違う。

どちらに重みを置いたか

事業の質は産業が強く、自動車は弱い。強気の見方の根拠(分離・営業利益率の改善・産業の伸び)は具体的だが、改善の度合いは 2027 年以降の実行にかかっている。慎重な見方の根拠(利益率の差・供給元の管理・借金・分離の費用)も具体的で、とくに「NAPA の営業利益率が上がった歴史がない」点は重い。確率は悲観・やや悲観の合計を 38% と厚く置いた。中立と上側が 6 割を超えるが、利益ベースの倍率では今の値段を下回り、総合はやや割高に出る。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 142.87 ドル199 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 66.66 ドル93 億ドル)。 今の値に割り戻すと 107.52 ドル150 億ドル、今との差 −16.0%、 期待の年率 +5.1%(資本コスト 8.5%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 7% 245.60 ドル342 億ドル 87.61 ドル122 億ドル +160.4% +10.0% 23.32 ドル32 億ドル
やや楽観 19% 203.59 ドル284 億ドル 79.71 ドル111 億ドル +121.4% +8.3% 53.83 ドル75 億ドル
中立 36% 151.45 ドル211 億ドル 68.94 ドル96 億ドル +72.2% +5.6% 79.34 ドル110 億ドル
やや悲観 26% 103.05 ドル144 億ドル 58.89 ドル82 億ドル +26.5% +2.4% 42.10 ドル59 億ドル
悲観 12% 47.32 ドル66 億ドル 43.81 ドル61 億ドル −28.8% −3.3% 10.94 ドル15 億ドル
加重平均100% 142.87 ドル199 億ドル66.66 ドル93 億ドル +63.7% +5.1% 209.53 ドル292 億ドル

今の株価時価総額 127.97 ドル178 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。

楽観 7% 楽観:分離で 2 社が集中し、産業のシェアが 10% に上がる 利益 24 億ドル · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 245.60 ドル342 億ドル

再編と分離で 2 社が別々に集中できるようになり、産業(モーション)はグレインジャーやアプライド・インダストリアルとの取り合いでシェアを 8.9% から 10.0% に上げ、営業利益率は 13.0% に。製造業の国内回帰と自動化で市場は実質 年 +1.5%。自動車は北米のシェアが 3.8% から 4.4%(オライリー・オートゾーンの規模には届かない水準)、営業利益率は 8.0% まで上がり、欧州も 9.0% に。新しいジェニュイン・パーツ(自動車)は欧州の整理と小さな買収で規模を増す。 売上 438 億ドル、営業利益 37.4 億ドル(営業利益率 8.5%)、純利益 24.0 億ドル(利払い 5.9 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 122 億ドル。

  • 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,762(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 6.2%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 171 億ドル・営業利益 14 億ドル。シェア 4.40%・営業利益率 8.0%(物価指数 1.41)
  • 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,733(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.9%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 103 億ドル・営業利益 9 億ドル。シェア 4.20%・営業利益率 9.0%(物価指数 1.41)
  • 産業部品(モーション):数量 1,161(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 14.1%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 164 億ドル・営業利益 21 億ドル。シェア 10.00%・営業利益率 13.0%(物価指数 1.41)

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 4.0%(価格 3.5%+産業のシェア拡大)・事業の ROE 26.4%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 17.4%、10 年目より先の正当化 PER 17.1 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 17.8 倍。再編と分離が成果を出す側なので上限の 80% に置き 14.2 倍。

確率:分離で 2 社が集中し、産業のシェアが 10%、自動車の営業利益率が 8% まで上がる筋書き。7%。

やや楽観 19% やや楽観:再編が定着し、営業利益率が 8% 台に上がる 利益 21 億ドル · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 203.59 ドル284 億ドル

再編の効果が定着し、北米自動車の営業利益率は 7.5% に上がる。北米のシェアは 4.2% に上がり、国際自動車は欧州の効率化で 8.8%、産業は 12.7% で、シェアは 9.8%。市場は実質 年 +0.6〜1.2%。分離後の 2 社は配当を増やしながら、年 1〜2% の自社株買いを続ける。EV の比率は上がるが、保有台数が大きく入れ替わるのは 10 年後より先で、部品の需要の変化は小さい。 売上 412 億ドル、営業利益 33.2 億ドル(営業利益率 8.1%)、純利益 21.3 億ドル(利払い 5.2 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 111 億ドル。

  • 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,707(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.9%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 160 億ドル・営業利益 12 億ドル。シェア 4.20%・営業利益率 7.5%(物価指数 1.41)
  • 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,699(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.6%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 96 億ドル・営業利益 8 億ドル。シェア 4.00%・営業利益率 8.8%(物価指数 1.41)
  • 産業部品(モーション):数量 1,127(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 13.8%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 156 億ドル・営業利益 20 億ドル。シェア 9.80%・営業利益率 12.7%(物価指数 1.41)

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 3.7%(価格 3.5%+数量の小幅な伸び)・事業の ROE 23.7%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 16.1%、10 年目より先の正当化 PER 16.0 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 16.6 倍。再編の効果が定着する側なので上限の 80% に置き 13.3 倍。

確率:再編が定着し、営業利益率が 8% 台に上がる筋書き。19%。

中立 36% 中立:売上は年 +4.3%、営業利益率は 7% 台で横ばい 利益 17 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 151.45 ドル211 億ドル

市場は実質 年 +0.4〜1.0%(自動車が小さく産業がやや大きい)、価格は物価並みの 1.41 倍。北米自動車は営業利益率が 6.8% までわずかに上がり、シェアは 3.8% から 3.7% に微減(オライリー・オートゾーンの商業の拡大で押される)。産業は営業利益率 12.0%・シェア 9.3% で、国際自動車は 8.0%。分離後も 2 社の本社費が重く、全社の営業利益率は 7.1%。借金は営業利益に比例して増え、利払いは借り換えで金利 5.75% に上がる。 売上 370 億ドル、営業利益 26.4 億ドル(営業利益率 7.1%)、純利益 16.9 億ドル(利払い 4.1 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 96 億ドル。

  • 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,654(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.2%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 139 億ドル・営業利益 9 億ドル。シェア 3.70%・営業利益率 6.8%(物価指数 1.41)
  • 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,665(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 5.2%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 87 億ドル・営業利益 7 億ドル。シェア 3.70%・営業利益率 8.0%(物価指数 1.41)
  • 産業部品(モーション):数量 1,105(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 13.1%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 145 億ドル・営業利益 17 億ドル。シェア 9.30%・営業利益率 12.0%(物価指数 1.41)

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 3.5%(物価 3.5% に、自動車のシェア低下と産業の維持を混ぜて実質 0)・事業の ROE 19.9%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 14.2%、10 年目より先の正当化 PER 15.1 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 15.6 倍。普通の質(競争と景気の振れが中くらい)なので上限の 80% に置き 12.5 倍。

確率:営業利益率は 7% 台で横ばい、シェアは自動車が微減、産業は維持。36%。

やや悲観 26% やや悲観:自動車のシェアを失い、産業も価格を転嫁しきれない 利益 12 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 103.05 ドル144 億ドル

北米自動車はシェアを 3.4% に落とし、営業利益率は 5.9%。産業はアマゾンなどの通販・デジタル調達にも押され、営業利益率は 11.0%、価格は物価を 2% ほど下回る(1.38 倍)。国際自動車は欧州の低成長で 7.2%。EV の比率が上がって部品の点数が減り、関税の転嫁が遅れる。分離で 2 社の規模が小さくなり、購買力が落ちる。配当は物価の伸びを下回って増えるだけで、自社株買いは少ない。 売上 328 億ドル、営業利益 19.1 億ドル(営業利益率 5.8%)、純利益 12.2 億ドル(利払い 3.0 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 82 億ドル。

  • 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,576(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 4.7%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 121 億ドル・営業利益 7 億ドル。シェア 3.40%・営業利益率 5.9%(物価指数 1.38)
  • 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,616(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 4.8%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 78 億ドル・営業利益 6 億ドル。シェア 3.50%・営業利益率 7.2%(物価指数 1.38)
  • 産業部品(モーション):数量 1,062(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 12.1%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 129 億ドル・営業利益 14 億ドル。シェア 8.80%・営業利益率 11.0%(物価指数 1.38)

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 3.0%(価格 3.0%+数量の微減)・事業の ROE 16.1%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 12.3%、10 年目より先の正当化 PER 13.7 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 14.2 倍。商業の取り合いで押される側なので上限の 80% は床の 1÷k(11.8 倍)を下回るので、1÷k に置く。

確率:自動車のシェア低下と、産業の価格の転嫁の遅れが重なる筋書き。NAPA の営業利益率はオライリー・オートゾーンの約 3 分の 1 で、差が縮まった歴史が無いので 26%。

悲観 12% 悲観:構造的に負ける(EV・通販・商業の取り合いで優良さを失う) 利益 6 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 47.32 ドル66 億ドル

構造的に負ける。EV と通販で自動車の市場が実質で縮み、オライリー・オートゾーンが商業まで広げて NAPA のシェアが 2.9% に下がる(営業利益率 5.0%)。産業は景気の波と通販で営業利益率 9.5%、価格も物価を下回る(1.30 倍)。国際自動車も 6.2% に落ち、どちらの会社ももう優良ではなくなっている。配当は維持するが、自社株買いは無く、借金の比率が上がる。ただし配送網・在庫・加盟店という実体があり、産業の事業は景気が戻れば回復する。 売上 252 億ドル、営業利益 9.9 億ドル(営業利益率 3.9%)、純利益 5.6 億ドル(利払い 2.5 億ドル)。還元(配当と自社株買い)は 10 年で 61 億ドル。

  • 北米の自動車部品(NAPA・商業中心):数量 2,426(北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 3.8%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 92 億ドル・営業利益 5 億ドル。シェア 2.90%・営業利益率 5.0%(物価指数 1.30)
  • 国際の自動車部品(欧州・豪州):数量 1,522(欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 3.9%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない))→ 売上 59 億ドル・営業利益 4 億ドル。シェア 3.00%・営業利益率 6.2%(物価指数 1.30)
  • 産業部品(モーション):数量 970(北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定))× 価格 10.4%(ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41))→ 売上 101 億ドル・営業利益 10 億ドル。シェア 8.00%・営業利益率 9.5%(物価指数 1.30)

倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.50%・g 1.5%(価格 2.0%+数量の減少)・事業の ROE 9.7%(筋書きの純利益 ÷ 自己資本)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 9.1%、10 年目より先の正当化 PER 11.9 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 12.1 倍。構造的に負ける側なので上限の 80% は床の 1÷k(11.8 倍)を下回るので、1÷k に置く。

確率:EV・通販・商業の取り合いと、分離後の購買力低下で優良さを失う筋書き。12%(オートゾーン・オライリーの 10〜11% よりやや厚く)。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

北米の自動車部品(NAPA・商業中心)

米国・カナダ・メキシコの NAPA の店舗と配送網。売上の約 8 割が修理工場などの商業向け。

数量北米の自動車部品・用品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定)価格ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41)売上営業利益
今 2025/12 2,500 3.8% 95 6
10 年後 中立 2,654 5.2% 139 9

取り方:北米自動車の売上 95.2 億ドル(開示)。市場は業界ノートの米国の部品・用品 2,176 億ドル(2024 年)を 2025 年に 約 +5% 伸ばした 約 2,300 億ドルにカナダ・メキシコの分を足して 約 2,500 億ドルと置いた(推定)。シェア = 95.2 ÷ 2,500 = 3.8%。営業利益 5.9 億ドルは、報告の EBITDA 率 7.1%(6.8 億ドル)から減価償却 0.9 億ドル(推定)を引いた値で、営業利益率 6.2%。競合はオライリー・オートゾーン(営業利益率 18〜20%)、アドバンス・オート・パーツ、新車ディーラーの整備部門、アマゾン。

国際の自動車部品(欧州・豪州)

欧州のアライアンス・オートモーティブ・グループ(ユーロパート・NAPA)と豪州・ニュージーランドのレプコ・NAPA。

数量欧州・豪州の自動車部品の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定)価格ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41。為替は動かさない)売上営業利益
今 2025/12 1,600 3.7% 59 5
10 年後 中立 1,665 5.2% 87 7

取り方:国際自動車の売上 58.6 億ドル(開示)。欧州の独立系の部品・用品(商用車を含む)と豪州・ニュージーランドを合わせた市場を 約 1,600 億ドルと置いた(推定)。シェア 3.7%。営業利益 4.55 億ドルは、EBITDA 率 9.3%(5.45 億ドル)から減価償却 0.9 億ドル(推定)を引いた値で、営業利益率 7.8%。欧州は商用車など商業が 9 割超。競合は地場の卸、ディーラー、ほかに欧州でオライリーが関心を示したとの報道(1 件、未確認)。

産業部品(モーション)

ベアリング・動力伝達・油空圧・自動化などの工場向け部品の販売。製造業の設備と保守の需要で決まる。

数量北米・豪州の産業用の保守・補修部品と動力伝達・流体動力・自動化の市場(億ドル、2025 年の値段に直した実質、推定)価格ジェニュイン・パーツのシェア × 物価指数(2025 年=1。中立で 10 年 1.41)売上営業利益
今 2025/12 1,000 8.9% 89 10
10 年後 中立 1,105 13.1% 145 17

取り方:産業の売上 89.2 億ドル(開示)。市場は産業用の保守・補修部品とベアリング・動力伝達・流体動力・自動化の流通を合わせて 約 1,000 億ドルと置いた(推定。グレインジャー・ファステナル・アプライド・インダストリアルなどの売上の合計に近い規模)。シェア 8.9%。営業利益 10.3 億ドルは、EBITDA 率 12.9%(11.5 億ドル)から減価償却 1.2 億ドル(推定)を引いた値で、営業利益率 11.5%。競合はグレインジャー(産業用の総合商社型で売上が約 2 倍)、ファステナル、アプライド・インダストリアル、MSC インダストリアル。

リスクと懸念

自動車の営業利益率が上がらない

北米自動車の EBITDA 率は 7〜8%(オライリーは 20% 超)。売上の 8 割が商業向けで、価格競争が厳しく、加盟店・提携店で利益が分かれる。再編・費用削減の効果が出ず、営業利益率が 6% 前後で止まれば、利益の伸びは売上の伸びと物価の分だけになる。筋書きではやや悲観・悲観の確率と、悲観の営業利益率(5%)に反映し、資本コストには足していない。

供給元の信用(ファースト・ブランズの破産)

2025 年に供給元ファースト・ブランズが破産申請し、仕入れのリベートと債権の回収不能見込みが 約 1.6 億ドルの粗利益減になった。供給網の組み替え費用も出る。ほかの供給元にも同じ問題が出れば、追加の損失になる。一時要因として通常の利益から除いたが、再発を悲観の確率に含めた。

分離の実行と費用

2027 年第 1 四半期に自動車と産業を非課税のスピンオフで分ける。Form 10 の効力発生など条件が残り、2 社の本社費・システム・購買の重複で年 5 千万ドル前後の余計な費用が出る見込み(推定)。借金の割り振り・配当の配分が悪ければ、どちらかの会社の信用が落ちる。中立の本社費に 5 千万ドルを加えた。

産業の景気の波

産業(モーション)は営業利益の約 3 分の 2 を稼ぐ。製造業が景気後退で落ちると売上が 2 割ほど下がり、営業利益は 3 割以上落ちる。2026 年 4〜6 月の売上が +7% と好調な分、山にいる可能性がある。悲観では産業の売上を実質で大きく減らし、営業利益率を 9.5% とした。

借金と配当の余裕

有利子負債 約 50 億ドル、リースを含めた純負債は時価総額の約 35%。2026 年の FCF 見通し 5.5〜7 億ドルは配当(約 5.9 億ドル)とほぼ同じで、自社株買いの余裕が小さい。借り換えは 5.75% になり、景気後退と重なれば増配が止まる。70 年連続の増配が止まれば、投資家の信頼が揺れる。

EV・自動運転・通販

EV は部品点数が約 3 割少なく、自動運転は事故と整備の頻度を変えうる。10 年では保有台数の入れ替えが限られるが、悲観(10 年)では自動車の市場が実質で縮み、オライリー・オートゾーン・アマゾンが商業まで広げる筋書きを置いた。産業でも、アマゾンやグレインジャーのデジタル調達が価格を比べ尽くせば、利益率を押し下げる。

関税と為替・欧州の低成長

自動車部品の多くは輸入で、関税が仕入れ原価を押し上げるが、転嫁が遅れると利益率が落ちる。2026 年 4〜6 月の国際自動車の既存店は +0.6% と弱く、為替(ユーロ高)で報告の売上は +8.2%。筋書きでは為替を動かさず、国際自動車の営業利益率とシェアで表した。

今後の分かれ目

2026 年 12 月 8 日・9 日の投資家説明会で、分離後の 2 社が営業利益率の目標(自動車で 10% 前後、産業で 13% 超)と配当・借金の方針を示したら
目標が具体的で、費用削減の額が 3 億ドルを超えるなら、中立の営業利益率を 7.1% から 7.5% に上げ、やや楽観の確率を厚くする。示されないなら、やや悲観の確率を上げる。倍率は g と ROE に入れて引き直し、式の外では下げない。
北米自動車の既存店が 2027 年に 2 四半期連続で +2% を下回ったら
オライリー・オートゾーンに商業を取られている合図で、自動車のシェアの前提(10 年で 3.8% から 3.7%)を 3.4% に下げ、やや悲観の確率を上げる。
産業(モーション)の既存店が 2027 年に 2 四半期連続でマイナスになり、EBITDA 率が 12% を割ったら
製造業の景気の山が過ぎた合図で、悲観の確率を上げ、産業の営業利益率の前提を 12% から 11% に下げる。
リーマン級の景気後退(失業率 8% 超・製造業 PMI が 40 を下回る)が来たら
産業の売上が 2 割ほど減り、営業利益が 3〜4 割落ち、自動車は DIY が増えて小幅減にとどまる。2007〜09 年の株価は −41% 下がったが、稼ぐ力は大きく崩れなかった。配当は維持するが、増配は止まる。
オライリーなどが NAPA または欧州の自動車の買収を正式に提案したら
上振れの筋書き(楽観)の確率を上げる材料。ただし買収が成立しても、買い手が払う倍率は式の値で測り直す。まだ成立していない買収は筋書きに含めない。
ファースト・ブランズのほかの供給元で、リベートや債権の回収不能が 5 千万ドルを超えて出たら
供給元の管理の弱さが確定した合図で、通常の利益を 1〜2% 下げ、悲観・やや悲観の確率を上げる。

見ておくもの

  • 北米自動車と国際自動車の既存店売上(商業の伸び・NAPA 対 オライリー・オートゾーン)
  • セグメントごとの EBITDA 率(北米自動車 8.2%・国際自動車 9.4%・産業 13.1% の推移)
  • 分離の進み方(Form 10 の効力発生・2 社の借金と配当の割り振り・本社費)
  • 産業の既存店と、製造業の景気指標(PMI)、グレインジャー・ファステナルの伸び
  • 純負債 / EBITDA と FCF(配当と設備投資を賄えているか)
  • エリオットの持ち株の動きと取締役会の変化、買収の提案
  • 平均車齢・走行距離・EV の保有比率

倍率と資本コストの決め方

今の PER(通常の利益の約 18 倍)・今の時価総額を見る前に、北米の自動車・国際の自動車・産業の 3 つに分け、市場(実質)× シェア × 物価指数で売上を、営業利益率で利益を積み上げた。倍率は利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(筋書きの ROE − k)で、資本コストを超える稼ぎは先で薄れる)に、k 8.5%(基本 8.0% + quality 0.5%)・g(中立 3.5%。物価 3.5% に、自動車のシェア低下と産業の維持を混ぜて実質 0)・ROE(通常の利益 ÷ 10 年後の自己資本)を入れ、10 年目の利益に掛けるので ×(1+g)、その 8 割に置いた。式の外の割り引き・今の約 18 倍・過去の倍率への寄せはしていない。悲観は構造(EV・通販・商業の取り合い)から積み上げ、二重に下げていない。悲観・やや悲観の確率(38%)は厚く置いた。

資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0.5%。自動車部品の安定と産業部品の景気感応が混ざる(cycle 0)。流通で営業利益率が薄く値決めは強くない(pricing +0.25%)うえ、純負債が時価総額の 35% あり配当で FCF を使い切る(debt +0.25%)。寿命は普通。ファースト・ブランズの損失・再編の実行・分離の失敗・NAPA の営業利益率の低さは k に足さず、悲観の確率と悲観の営業利益率・g・ROE で表した。

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約 10 倍は 10 年でやや割安 本質価値との差 +2.8% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 タペストリーTPR コーチの熱が利益率を過去最高に押し上げた。利益ベースの倍率で測るとほぼ適正、勝負は流行が冷めるか 本質価値との差 +2.5% · 10 年 適正(年 +7.4%) 適正 チポトレ・メキシカン・グリルCMG 直営の外食で最も資本効率が高く、北米 7,000 店の出店余地も残るが、客数の弱さと利益率の低下が続き、強気と慎重の幅が広い。利益ベースで測ると 10 年の中立は今の時価総額を上回るが、客数の弱さを織り込んだ総合は適正 本質価値との差 +0.3% · 10 年 適正(年 +7.1%) 適正 MGMリゾート・インタナショナルMGM ラスベガス・マカオ・米国の地域カジノを賃借で持つ総合カジノ。固定の賃料が年 約 22 億ドルあり、利益が景気と価格に大きく振れる。資本コスト 10% の利益ベースの倍率では今の値段は適正 本質価値との差 −4.2% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 TJX カンパニーズTJX オフプライス小売の最大手。仕入れの堀は景気が悪いほど強いが、中立の年率は資本コストに届かず、総合はほぼ適正 本質価値との差 −6.0% · 10 年 適正(年 +6.0%) 適正 ロウズ・カンパニーズLOW ホーム・デポに次ぐ 2 番手の優良小売。買収後の債務と DIY の弱さを厚く見ると、PER 16.6 倍は資本コスト 9.0% の利益ベースの倍率(約 14 倍)と近く、今の値段は適正 本質価値との差 −9.5% · 10 年 適正(年 +6.2%) 適正 ロイヤル・カリビアン・グループRCL ロイヤル・カリビアンは純収入ベースの営業利益率が 33% 超とクルーズ最強だが、借金を抱えた景気連動の船会社で、資本コスト 9.25% の利益ベースの倍率(PER 約 12 倍)では今の値段は適正 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +6.8%) やや割高 エクスペディア・グループEXPE B2B の高成長と直販の厚みで利益率が上がる途中。資本コスト 9% の利益ベースの倍率で数えると、勢いは確かだが今の値段は適正 本質価値との差 −10.2% · 10 年 やや割高(年 +6.7%) やや割高 オライリー・オートモーティブORLY プロ向けの配送網と部品小売の安定で堀は厚い。利益ベースで測ると今の値段は妥当からやや高めで、中立の年率は資本コストに届かない 本質価値との差 −14.8% · 10 年 やや割高(年 +4.6%) やや割高 ヤム・ブランズYUM ピザハットを売って KFC とタコベルに絞った外食フランチャイズ本社で、堀は厚く成長も続くが、倍率が k−g の薄さに敏感で、利益ベースで測ると中立の 10 年は年 +5% 前後で、総合はやや割高 本質価値との差 −16.2% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 ベスト・バイBBY 米国最大の家電専門店。パソコン・携帯の買い替えで利益率は持ち直したが、アマゾン・ウォルマートに挟まれ、堀が薄い耐久財の小売として見る 本質価値との差 −16.9% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 ノルウェージャン・クルーズ・ラインNCLH 大型クルーズ 3 位。NCL ブランドの需要が崩れ、純レバレッジ 6 倍超の中で立て直し中。資本コスト 10.25% の利益ベースの倍率で測ると、回復を入れても今の値段はやや割高 本質価値との差 −17.4% · 10 年 やや割高(年 +7.5%) やや割高 ダーデン・レストランツDRI フルサービス外食の最大手で、ロングホーンの勢いと出店で伸びるが、オリーブガーデンの客数の弱さと牛肉・人件費が重い。利益ベースで測ると 10 年の中立は今の時価総額を上回るが、悲観側の厚みと資本コストを織り込むと総合はやや割高 本質価値との差 −19.3% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 トラクター・サプライTSCO 田舎暮らしのペット・畜産・庭・補修用品を 2,600 店超で売る米国最大の農村向け専門小売。堀は店の近さと専門品だが、2026 年は既存店が落ち、利益率の下げ止まりが論点 本質価値との差 −23.7% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 ラルフローレンRL 世代を超えて売れる定番ブランドで利益率は過去最高。勝負は熱の持続とアジアの伸び 本質価値との差 −25.3% · 10 年 やや割高(年 +4.0%) やや割高 アマゾン・ドット・コムAMZN AWS と広告の利益は本物。設備投資の重さを ROE に入れ、資本コスト 8% と利益ベースの倍率で測ると、今の値段は楽観の筋書きまで先取りしてやや割高 本質価値との差 −27.7% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 イーベイEBAY 取扱高と手数料率が上向く成熟した古参の中古市場。今の PER 26 倍は利益ベースの倍率(約 14 倍)を大きく超えており、買収提案の観測を除くと本質価値は下でやや割高 本質価値との差 −28.0% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) やや割高 ホーム・デポHD プロの囲い込みで堀は厚い。資本コスト 8.75% の利益ベースで倍率を引き直すと、住宅の停滞と買収後の債務を厚く見て、今の値段はやや割高 本質価値との差 −28.1% · 10 年 やや割高(年 +3.6%) やや割高 アプティブ・ホールディングスAPTV 配線事業を分離した後の「ニュー・アプティブ」。EC が稼ぎ、IS が足を引く部品会社で、純負債 46 億ドルと、中国・欧州の弱さを抱える 本質価値との差 −28.1% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) 割高 エアビーアンドビーABNB 民泊の最大手で資産が軽く高収益。10 年で年 1 割の成長と純現金を数えても、利益ベースの倍率(約 14 倍)で測ると今の PER 41 倍は高く、やや割高 本質価値との差 −30.2% · 10 年 割高(年 +3.6%) 割高 アルタ・ビューティULTA 化粧品の「安い品から高級品、美容室まで」を一つの店で売る米国最大の美容専門小売。会員と品ぞろえが堀だが、セフォラとマスに挟まれる位置で、利益ベースの倍率では今の値段はやや割高 本質価値との差 −33.1% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 ロス・ストアーズROST 米国オフプライス 2 位。客数が絶好調だが、利益ベースの倍率(約 16 倍)で測ると今の値段は高く、総合は割高 本質価値との差 −33.2% · 10 年 割高(年 +2.8%) 割高 マリオット・インターナショナルMAR 世界最大のホテル手数料事業で堀は厚いが、今の PER 39 倍は利益ベースの倍率(約 18 倍)を大きく上回り、中立の 10 年の年率は +3% にとどまり割高 本質価値との差 −35.8% · 10 年 割高(年 +1.9%) 割高 ハスブロHAS 利益の約 9 割をマジックが稼ぐ一本足の玩具・ゲーム会社。利益ベースの倍率で測ると今の値段はやや割高で、2025〜26 年の高い水準が続くかが焦点 本質価値との差 −36.3% · 10 年 割高(年 +2.6%) 割高 カルバナCVNA 年 80 万台まで来た中古車ネット販売の最大手。利益ベースの倍率で測ると今の時価総額を大きく下回り割高。利益は景気と与信市場に強く振れる 本質価値との差 −38.6% · 10 年 割高(年 +3.4%) 割高 ウィリアムズ・ソノマWSM 家具とキッチンの設計を自社で握る高収益の小売。10 年で稼ぎは伸びるが、利益ベースの倍率で見ると今の値段は割高で、関税と住宅の回転が値段を大きく左右する 本質価値との差 −40.1% · 10 年 割高(年 +1.7%) 割高 ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスHLT 世界最大級の手数料事業で堀は厚いが、今の PER 54 倍は利益ベースの倍率の上限(約 23 倍)の倍以上で、中立の 10 年の時価総額は今を下回り割高 本質価値との差 −41.4% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 スターバックスSBUX 世界 4.1 万店のコーヒーの堀は残るが、立て直しの反動を織り込んだ今の時価総額は利益の回復後の値より高く、中立でも 10 年の年率は 2% 前後で資本コスト 8.5% に届かず割高 本質価値との差 −43.6% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 ドアダッシュDASH 米国の即時配達で約 6 割を握る成長企業。利益率の立ち上がりが全てで、資本コスト 8.5% と利益ベースの倍率で見ると今の値段は強気の筋書きも上回り、割高 本質価値との差 −51.1% · 10 年 割高(年 +0.8%) 割高 ガーミンGRMN 専門機器の優良企業。利益ベースの倍率(約 13 倍)で測ると今の値段は高く、総合は割高 本質価値との差 −53.4% · 10 年 割高(年 −0.5%) 割高 テスラTSLA 本業の利益は薄いのに、ロボタクシーとロボットへの期待だけで時価総額は 1.1 兆ドル超。今の値段に届くのは楽観の筋書きだけ 本質価値との差 −83.4% · 10 年 割高(年 −9.3%)

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読んだ資料

  1. Genuine Parts 2025 年第 4 四半期・通期決算(会社発表)
  2. Genuine Parts 2026 年第 2 四半期決算(8-K)
  3. Genuine Parts 自動車・産業の分離の発表(経営陣の発表)
  4. Motion 2026 年 4〜6 月の売上と分離(Distribution Strategy)
  5. エリオットとの合意(Industrial Distribution)
  6. Genuine Parts の事業紹介(会社)
  7. 時価総額の確認(opencapital)

分析日 2026-10-16