結論
プラネット・フィットネスは、低料金のジムを加盟店中心に広げる米国のフィットネス大手だ。筆者は、2026年の失速と借金を慎重に織り込んでも、今の時価総額には10年保有の安全域が幾分残ると見る。2025年末の会員は約2,080万人、店舗は2,896店だった。客の会費だけでなく、加盟店の売上に応じたロイヤルティーと機器更新でも稼ぐ。
強みは、安い月会費と近隣の店舗網を両立できる規模だ。新規会員向け基本会費を大幅に上げた翌年も会員は増え、上位会員プランの比率も高まった。ただし2026年の上半期は会員獲得が期待を下回り、会社は同店売上の通期予想を従来の4〜5%増から約1%増へ下げた。高い物価の下で実質的な値上げが止まれば、ブランドの堀は思ったほど深くない。2026年7〜9月期の決算発表は11月5日の予定で、現時点の最新確報は4〜6月期である。
2025年の純利益は約2.2億ドル、純有利子負債は24.3億ドルで、自己資本はマイナスだった。加盟店が設備投資を負担する利点はあるが、借金を使った自社株買いで株主の余裕を削ってきた。中立では2035年に約4,170店、純利益4.9億ドルを見込む。競争に負けて会員数と収益力が落ちる道も無視せず、確率はやや慎重側へ寄せた。
現在の台帳時価総額約40.5億ドルに対し、10年後の価値と正味還元を資本コスト8.5%で割り引いた加重価値は約46.0億ドルとなる。差は約プラス14%で、判定は「やや割安」だ。大幅な割安ではない。会員の純増と店舗採算が回復せず、自社株買いだけが続くなら、この余地は容易に消える。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、10年後にも人は運動するための場所と器具を必要とする。動画やAIコーチは運動方法を教えられるが、近所に置かれた多数の器具と店舗の空間をそのまま置き換えない。低料金で心理的な敷居を下げる看板も残るだろう。ただし長年の会員であっても競争店に移るのは簡単で、ブランドの力を永遠の独占と取り違えてはいけない。
株主が受け取れるのは、広告基金を除いた手数料と直営店・機器販売の利益から、維持投資と税金、借入利息を払った残りである。2025年の営業利益は約4億ドル、純利益は約2.2億ドルで、フリーキャッシュフローは約2.5億ドルだった。加盟店が新店の開業資金を出す構造なら、店舗網の拡張に必要な本部の追加資本は小さい。新店のロイヤルティーと既存店の機器更新が積み上がるほど、再投資の利回りは高くなりやすい。
気がかりなのは、経営が強い本業を借入で過度に飾ってきたことだ。累積の自社株買いで自己資本はマイナスとなり、金利や解約率が悪化した際の緩衝材が薄い。2025年末に高値圏で大きな買い戻しをした一方、2026年には成長予想を引き下げた。規模が大きくても資本配分の誤りは消えない。
筆者は、会員が増える事業の継続性に価値を認める。それでも利益率の上振れと自社株買いの成功を二重に評価しない。中立の10年後に純利益が4.9億ドルへ増える道筋は描けるが、弱い出店が増えたときの取り分も残す。今の値段はやや有利に見えるものの、十分に厚い安全域とまでは言えない。
何で稼ぐ会社か
この会社の主な顧客は二層ある。運動場所を安く使いたい会員と、同じ看板でジムを経営する加盟店主だ。2025年末の2,896店のうち2,604店は加盟店、292店だけが直営店である。会員が店舗で払った会費は全体で約53億ドルに達したが、加盟店の会費を本部の連結売上にそのまま計上するわけではない。連結売上は13.2億ドルで、実際には三つの収益源から生まれる。
第一のフランチャイズ事業は約4.68億ドルの売上だ。加盟店の会費と年会費に対するロイヤルティーが約3.15億ドルを占め、平均料率は6.7%だった。広告基金の拠出金約0.87億ドルも売上に入るが、ほぼ同額を広告に使うため利益と混同してはいけない。米国の新規契約の料率は7%で、規模が大きくなるほど本部の固定費を薄められる。
第二の直営店は約5.46億ドルの売上を生む。基本会員と、全店利用や同伴者などの特典が付く上位プランの月会費、年会費が主な対価だ。成熟した直営店の年間売上は平均で約200万ドルだが、家賃、人件費、機器の減価償却は本部が負う。第三の機器事業は約3.10億ドルで、加盟店の新店開業と既存店の機器更新に販売する。更新周期は約5〜9年であり、新店数だけでは売上を説明できない。
2026年4〜6月には加盟店2,636店、直営294店となり、会員は約2,150万人に増えた。今の稼ぎは実体のある店舗、会員課金、契約上の機器更新に基づく。デジタルの画面操作や人月で報酬を得る商売ではないので、指定されたAIエージェント代替の事業類型には当たらない。
優良さと弱いところ
堀の中心は、低料金の看板を全国で認知してもらい、近くに使える店を揃える規模である。2025年には2,080万人の会員と2,600超の加盟店があり、全店での広告投資と機器の大量調達が単独ジムにない強みとなった。基本プランの新規会員向け料金を約50%上げた後も2025年に純増約110万人を確保したことは、一定の値決め力を裏付ける。上位プランの会員比率は2021年末の62.6%から2025年末の66.5%に上昇した。
加盟店にとっては、看板を変えると広告、店舗設備、会員管理、機器調達を組み直す手間がある。米国の新規加盟店のロイヤルティー率は7%まで高まり、更新機器を本部から買う契約も継続収入を作る。拠点が増えるほど広告の効率が高まる循環は、本部側には強い堀である。ただし会員個人の乗り換え費用は小さい。競合店が近所に開けば、安さだけで客を守るのは難しい。
資本効率は見かけに注意がいる。2025年の自己資本は約マイナス4.8億ドルで、買い戻しにより帳簿のROEは使えない。営業利益の税引き後額を自己資本と純負債の合計に照らすと、事業のROICは概算15%で資本コストを上回る。新店の大半を加盟店が開く仕組みなら高い増分収益が続きうるが、直営店の改装と設備更新には現金が必要だ。
2026年に会員の獲得が鈍り、上位プランの一斉値上げも見送った。これは価格決定力が無制限ではない証拠である。筆者は本部のブランドと契約網は強いと認める一方、同店売上が物価に負ける期間が続けば堀の評価を下げる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国のジム会員は2025年に約8,100万人となり、前年より5.2%増えた。人口の約4人に1人が会員で、健康寿命への関心が利用者を広げている。プラネット・フィットネスの世界会員2,080万人は、その約4分の1に相当する規模だ。ただし海外会員も含むため、米国内の厳密なシェアはこの単純な比率では測れない。会員数を起点に見ると、2035年に米国市場が約9,500万〜1億1,000万人へ広がる余地はある。
競争の焦点は高額な会員制クラブではなく、低料金で十分な設備を出す店だ。クランチ・フィットネスは世界で550店超、会員約400万人まで拡大した。イーオーエス・フィットネスも2025年末に会員200万人を超え、筋力トレーニング設備や回復サービスを増やしている。エニタイム・フィットネスなどを抱えるパーパス・ブランズは複数ブランド合計で会員約620万人を持つ。各社の米国内だけの会員シェアは比較可能な形で開示されていないが、低料金帯の競争相手は着実に厚くなっている。
プラネット・フィットネスには米国内で5,000店超の可能性があるという自社推計がある。しかし、それは確定した出店計画ではない。2025年の181店開設と約750店の契約上の開設約束は追い風だが、用地、加盟店の融資、近隣店との食い合いが成長を制限する。2035年の中立では全世界約4,170店、会員約3,100万人を想定する。米国会員市場の拡大と地域シェアの小幅な獲得に対し、競争店への流出を差し引いた規模だ。
ホテルやクルーズと同じ比較領域に入っているが、需要は旅行客の泊数ではなく会員の継続課金で決まる。景気悪化では解約が増えるが、既存の会費契約があるため船舶の運航停止ほど極端ではない。一方、家賃と人件費は固定で残り、会員獲得の費用が膨らむと直営店や加盟店の採算を急速に圧迫する。
資本政策と M&A
経営陣は加盟店を増やし、上位プランへの移行と既存店の体験改善に投資してきた。2025年の投資家説明会では、2026〜28年の新店数を年6〜7%増、同店売上を年率で一桁台半ば増、全社売上を年率で二桁台前半増とする中期的な狙いを公表した。ただし2026年の実際の会員獲得は鈍く、直近の通期見通しは売上約7%増、調整後EBITDA約6%増、同店売上約1%増へ下がった。調整後の利益はGAAP純利益ではない。2026年4〜6月期には持分投資の売却で約0.13億ドルの一時益も計上されており、その部分を恒常的な利益にしない。
自社株買いは大胆だった。2025年の買い戻しは約5.0億ドルで、年間純利益約2.2億ドルを大きく上回る。2025年末に組んだ3.5億ドルの加速買い戻しは、今よりかなり高い株価水準で実行された。2026年上半期にも別途2.5億ドルを買い戻し、6月末時点の新しい買い戻し枠には2.5億ドルが残る。配当はなく、枠を使い切る金額の約束もない。
2012年以降の企業形態の名残で、上場会社はプラ・フィット・ホールディングスの持ち分を保有する。2026年6月末に残る非支配株主の持ち分は約0.4%と小さいが、旧持分所有者への税効果分配契約にはなお約3.6億ドルの債務がある。直営店の買収や一部売却を繰り返してきたものの、将来の大規模買収を前提に利益を上乗せしない。借入とリースを抱える以上、価値を生む順番はまず加盟店の採算を保ち、次に負債を管理し、最後に割安な時だけ自社株を買うことだ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
低価格ジムの全国網は、すでに競合が簡単に複製できない規模に達している。2025年末には約2,080万人が会員となり、店舗は2,896店に拡大した。新規基本会費を大幅に値上げしても年間110万人の純増を確保したことは、値段だけに頼っていない証拠だ。上位プラン比率も66.5%まで上がり、既存店では会員の単価をまだ改善できる。全国の広告と大量調達の効率は店舗が増すほど高まる。
成長の元手は加盟店主が主に出す。運営するのは地元の加盟店で、本部は継続課金の一定割合を受け取る。現行の新規ロイヤルティーは7%で、既存の加盟店契約と機器更新も大きな需要源だ。2025年末には約750店の開設約束が残り、米国内だけでも5,000店超の余地があるという自社推計がある。海外ではジムの普及率が米国より低く、新規市場を開ける可能性もある。
2026年の会員純増の停滞は広告の訴求と出店時期の問題が大きく、回復を待てると考える。クランチやイーオーエスの拡大は業界全体の需要を示しており、会員が他社と使い分ける余地も残る。2035年に約5,100店、会員4,000万人前後まで伸びれば、加盟店ロイヤルティーと設備更新は今の数倍の規模になる。強い広告基盤と低い本部設備負担によって、利益率も改善する。
慎重な見方
2026年の失速は、単なる一時的な広告のミスではないかもしれない。会社は同店売上予想を4〜5%増から約1%増に落とし、上位プランの全国一斉値上げも見送った。月会費の安さを売りにする会員は値上げに敏感だ。クランチは世界で約400万人、イーオーエスも約200万人の会員を集め、筋力トレーニング設備と回復サービスを充実させている。プラネット・フィットネスの会員が店を変えるための費用は、加盟店が看板を変える費用ほど高くない。
米国内での出店余地は紙の上と現場で異なる。良い場所から先に埋まり、新しい店舗が既存店の会員を奪うと、加盟店主は新店を開く動機を失う。人件費と賃料の上昇に会費の値上げが追いつかなければ、直営店の利益率が削られる。加盟店が設備投資を先延ばしにすれば、本部の機器売上も減る。2025年の好調だった機器更新需要を永続的な成長と勘違いしてはいけない。
さらに重いのは純負債24.3億ドルと自己資本のマイナスだ。2025年には純利益を超える買い戻しを行い、2026年上半期も還元を優先した。税効果分配契約の支払いと賃料が残る中、会員流出と借り換え金利の上昇が重なると、株主が受け取る利益は大きく細る。2035年には店舗網が縮み、広告の規模の利点も損なわれる道がある。
どちらに重みを置いたか
店舗網・会員数・契約上の機器更新は、事業が長く続くという見方を支える。だが2026年の予想引き下げは価格決定力への警告であり、借入で買い戻す余力も限られる。中立を39%と最も厚くし、楽観側の合計29%に対し慎重側を32%として、わずかに慎重へ寄せた。10年後の中立の稼ぐ力は現在の約2倍だが、会員流出が続く道では大きく傷む。確率を通した価値は今の時価総額を約14%上回るにとどまり、結論は「やや割安」である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 91.52 ドル70 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 28.89 ドル22 億ドル)。 今の値に割り戻すと 59.69 ドル46 億ドル、今との差 +11.4%、 期待の年率 +9.9%(資本コスト 8.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 194.21 ドル150 億ドル | 50.63 ドル39 億ドル | +357.0% | +19.5% | 22.04 ドル17 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 139.56 ドル108 億ドル | 41.54 ドル32 億ドル | +238.0% | +15.4% | 36.22 ドル28 億ドル |
| 中立 | 39% | 96.69 ドル74 億ドル | 31.16 ドル24 億ドル | +138.6% | +10.7% | 49.86 ドル38 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 35.08 ドル27 億ドル | 15.58 ドル12 億ドル | −5.4% | −0.7% | 11.65 ドル9 億ドル |
| 悲観 | 9% | 3.86 ドル3 億ドル | 3.25 ドル3 億ドル | −86.7% | −21.4% | 0.64 ドル0 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 91.52 ドル70 億ドル | 28.89 ドル22 億ドル | +124.7% | +9.9% | 120.41 ドル93 億ドル |
今の株価時価総額 53.58 ドル41 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 楽観:5,100店規模へ広がり、上位プランの単価改善が定着する 利益 8 億ドル · PER 18.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 194.21 ドル150 億ドル
会員純増が2027年から再び強まり、加盟店は約4,650店、直営は約445店へ増える。合計は約5,100店で、会員は4,000万人前後に達する。米国のフィットネス会員が1億人を超える市場で、低価格帯のシェアを広げる。クランチやイーオーエスの出店は続くが、全国広告と近隣の店舗密度で差を付ける。
加盟店1店当たりの本部収入は10年で約1.66倍となり、ロイヤルティーは会費と上位プランの値上げに伴って伸びる。直営店は既存店採算を改善し、年会費と上位プランの利用を増やす。機器の更新需要も増え、年間設備供給はフルセット換算670件となる。収益が加盟店中心へ移るため本部の固定費を抑えられ、営業利益は約14億ドルまで増す。
2026年の弱さからの回復に加えて、店舗網の増加が競合を上回る好循環を前提とする。大きな買収は行わず、余剰利益で負債を管理しつつ自社株買いを再開する。上半期までに実行された2026年の買い戻しは再計上せず、2035年までの株式報酬控除後の正味還元は約39億ドルとする。
- 加盟店ロイヤルティー・広告基金・加盟店手数料:数量 4,650(年末加盟店店舗数(店))× 価格 0.00(1店当たり年間本部収入(億ドル、広告基金を含む))→ 売上 14 億ドル・営業利益 9 億ドル。加盟店4,650店、1店当たり本部売上は物価1.41倍を上回る約1.66倍。広告基金は利益にならない。
- 直営フィットネスクラブ:数量 445(年末直営店店舗数(店))× 価格 0.03(1店当たり年間会費等収入(億ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 4 億ドル。直営445店、店舗売上単価約1.66倍。上位プランと会員純増で家賃負担を吸収。
- 加盟店向けジム設備販売・更新:数量 670(新店用フルセット換算の年間設備供給件数(件・推計))× 価格 0.02(フルセット換算1件当たり売上(億ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 3 億ドル。フルセット換算670件。加盟店数と5〜9年の更新サイクル、納入価格を反映。
倍率:k8.5%、2035年後の市場会員数の実質約2%増・シェア拡大約1%・会費単価約1%増から長期g4.0%(上限内、k−g4.5pt)。2035年のROICはGAAP税引き後営業利益14.054×72%÷(自己資本2.25+純負債24.3)で約38%。自己資本は買い戻しにより薄いため、式に用いるROEはROIC+(ROIC−税引き後借入金利約4.1%)×負債比1倍=約72%に補正する。強い堀の残存2/3でRONIC約50.9%、式(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)は21.3倍。利益の質が向上する場合でも88%の18.7倍とし、調整後利益や借金は二重に足さない。
確率:全国のブランド力が再び強く働き、加盟店出店と上位プランの値上げが10年続いて競合の新店を上回るには多くの条件が要る。2026年の失速を踏まえて最上位は9%に抑える。
やや楽観 20% やや楽観:4,600店を超え、会費と機器更新が並行して伸びる 利益 6 億ドル · PER 17.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 139.56 ドル108 億ドル
会員獲得の見直しが功を奏し、店舗の純増は2026年の一時的な鈍化を経て回復する。2035年の加盟店は約4,200店、直営店は約410店で、会員は約3,500万人となる。世界のフィットネス市場が広がる中、クランチやエニタイムとの競争でも既存店の会員密度を維持する。米国内の高い認知度と海外展開が出店の背中を押す。
加盟店1店当たり本部収入は約1.55倍となり、物価上昇に上位プランの浸透が少し加わる。直営店は会員単価と来店率の改善によって家賃や人件費をまかなう。既存加盟店の設備交換が増え、機器の年間供給はフルセット換算600件となる。広告基金の収入と支出は対応し、営業利益の伸びは本部手数料と直営店の採算から生まれる。
2025年のように純利益以上の買い戻しを毎年繰り返さず、会社の現金創出の範囲で還元する。大型買収で店舗数を嵩上げせず、加盟店の増加を中心とする。競合に対する優位は維持されるが、独占的な価格決定力までは見込まない。株式報酬控除後の期間正味還元は約32億ドルとなる。
- 加盟店ロイヤルティー・広告基金・加盟店手数料:数量 4,200(年末加盟店店舗数(店))× 価格 0.00(1店当たり年間本部収入(億ドル、広告基金を含む))→ 売上 12 億ドル・営業利益 7 億ドル。加盟店4,200店、単価約1.55倍。ロイヤルティーの平均料率は大きく変えない。
- 直営フィットネスクラブ:数量 410(年末直営店店舗数(店))× 価格 0.03(1店当たり年間会費等収入(億ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。直営410店、単価約1.52倍。上位プランが伸び営業採算は改善。
- 加盟店向けジム設備販売・更新:数量 600(新店用フルセット換算の年間設備供給件数(件・推計))× 価格 0.01(フルセット換算1件当たり売上(億ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。フルセット換算600件。更新需要の伸びと値上げを織り込む。
倍率:k8.5%、10年目後は市場の実質約1.5%増・シェア小幅増・価格約3.5%増を調整して長期g3.9%、k−g4.6pt。税引き後営業利益からROIC約30.9%、負債比上限1倍・借入税引き後金利約4.1%の補正ROE約57.6%を得る。強い堀の残存2/3でRONIC約41.3%、式の10年目正当化PER約20.5倍に対し、成長継続の不確かさを考慮した84%の17.2倍とする。GAAP利益に掛ける。
確率:現在の契約済み出店約束と健康需要の伸びは確かな支えだが、会員単価と店舗密度がともに順調に改善する必要がある。加盟店網の優位が続く確率として20%とする。
中立 39% 中立:全世界約4,170店、単価は概ね物価並みの伸び 利益 5 億ドル · PER 15.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 96.69 ドル74 億ドル
全世界のクラブは2035年に約4,170店となる。加盟店3,800店、直営370店の計画で、会員は約3,100万人へ増える。米国のジム会員市場は約1億人に広がるが、クランチやイーオーエスも出店するため、プラネット・フィットネスは全ての増分を取れない。2026年の会員獲得鈍化を数年で立て直し、その後の出店速度は過去より落ち着く。
加盟店1店当たりの本部収入は約1.47倍と物価の1.41倍を少し上回る。2026年の広告基金の拠出率引き上げは売上になるが支出にもなるため、利益の上積みとは扱わない。直営店の売上単価は物価並み、機器は既存店の更新周期と新店の双方から年間520件相当の需要が生まれる。会社全体の営業利益は約8.5億ドル、GAAP純利益は4.9億ドルへ増える。
直営店の設備投資と本部のシステム費用を負担し、負債は大幅に増やさない。期間のGAAP純利益累計は約31.7億ドルで、2026年上半期の既実行分を除いた自社株買いから株式報酬の希薄化分を引くと、正味還元は約24億ドルとなる。大規模買収をせず、加盟店との長期契約から稼ぐ構図を維持する。
- 加盟店ロイヤルティー・広告基金・加盟店手数料:数量 3,800(年末加盟店店舗数(店))× 価格 0.00(1店当たり年間本部収入(億ドル、広告基金を含む))→ 売上 10 億ドル・営業利益 6 億ドル。加盟店3,800店、単価約1.47倍。うち広告基金の増収は費用と相殺する。
- 直営フィットネスクラブ:数量 370(年末直営店店舗数(店))× 価格 0.03(1店当たり年間会費等収入(億ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 2 億ドル。直営370店、単価約1.44倍。家賃と改装費を吸収する程度の改善。
- 加盟店向けジム設備販売・更新:数量 520(新店用フルセット換算の年間設備供給件数(件・推計))× 価格 0.01(フルセット換算1件当たり売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。フルセット換算520件。新店約180〜200件と交換需要を組み合わせた推計。
倍率:k8.5%。10年目後の名目g3.7%は米国ジム市場の実質1.5%増、当社の地域シェア横ばい〜小幅低下、会費価格約3.3%増の合成であり、ROEから作っていない。k−g4.8pt。事業ROICは8.521×(1−28%)÷(2035年自己資本1.55+純負債24.3)=約23.7%。帳簿ROEは自社株買いにより40%超となるので、借入税引き後約4.1%・負債比1倍の式で事業ROEを約43.3%に修正。堀の残存2/3ならRONIC約31.7%、10年目の式の正当化PERは約19.1倍。出店競争と2026年の実績悪化を考慮し上限の約80%である15.2倍。2035年EV/営業利益は純負債24.3億ドルを加えて約11.6倍で、20倍を超えない。
確率:会員市場の拡大と約750店の契約済み出店約束は下支えする一方、2026年の値上げ停滞と競合の増店を織り込む。相反する材料を均衡させる中心筋書きなので39%と最も厚い。
やや悲観 23% やや悲観:会費の実質値上げが進まず、出店の採算が低下する 利益 2 億ドル · PER 11.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 35.08 ドル27 億ドル
安い会費だけでは近隣の競合に勝てず、加盟店の開設ペースは落ちる。2035年は加盟店3,200店、直営305店、会員約2,200万人にとどまる。米国のジム会員市場全体は伸びるが、クランチやイーオーエスの新店に客を取られ、シェアが下がる。契約上の出店約束の一部は遅れ、出店を重ねても既存店の利用者は増えない。
加盟店と直営の会員単価は10年で約1.26倍しか上がらず、物価の1.41倍に届かない。直営店の家賃は固定されたままで営業利益率は低下し、機器更新を遅らせる加盟店も増える。機器供給は年間415件相当にとどまり、全社の営業利益は約4.6億ドルに縮小する。借り換え利息の重みから純利益は約2.35億ドルしか残らない。
本部のブランドや店舗網は残るため事業は続くが、かつての高成長を前提にした買い戻しはできない。長期間のGAAP利益累計は20.5億ドルで、買い戻しを絞った正味還元は12億ドルとなる。税効果分配と直営店の維持投資がキャッシュフローを先取りする。
- 加盟店ロイヤルティー・広告基金・加盟店手数料:数量 3,200(年末加盟店店舗数(店))× 価格 0.00(1店当たり年間本部収入(億ドル、広告基金を含む))→ 売上 7 億ドル・営業利益 4 億ドル。加盟店3,200店、実質価格は低下。契約手数料の利益率も低下。
- 直営フィットネスクラブ:数量 305(年末直営店店舗数(店))× 価格 0.02(1店当たり年間会費等収入(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。直営305店、会費値上げが家賃と給与の伸びに追い付かない。
- 加盟店向けジム設備販売・更新:数量 415(新店用フルセット換算の年間設備供給件数(件・推計))× 価格 0.01(フルセット換算1件当たり売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。フルセット換算415件。更新延期と新店不足で数量が伸び悩む。
倍率:k8.5%、構造的なシェア流出で市場の実質増を取りこぼし、会費値上げも物価に負けるので長期g2.0%、k−g6.5pt。事業ROICは4.63×72%÷(自己資本2.35+純負債24.3)で約12.5%、税引き後借入金利4.1%とレバレッジ1倍による補正ROEは約20.9%。強い堀が薄れる筋書きであり、残存2/3での正当化PER上限13.8倍より低い11.5倍とする。PBRや過去の市場倍率は使わず、時価総額は稼ぐ力2.35÷8.5%=27.65億ドルを超えない。
確率:2026年の会員獲得不振が複数年続く可能性と、低価格帯の競争相手が同時に増える危険を重く見て23%。倒産ではなく伸び悩みが主な損失原因である。
悲観 9% 悲観:競合への流出と更新延期で店舗網が縮み、借入が利益を食う 利益 0 億ドル · PER 8.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3.86 ドル3 億ドル
競合のクランチ、イーオーエス、地域の低価格店に会員を奪われ、ブランドの求心力が弱まる。2035年の加盟店は2,400店、直営店は235店に縮む。会員は約1,400万人まで減る一方、米国のフィットネス会員市場は拡大しており、地域シェアは大幅に失われる。既存の加盟店主は新店を開くより採算の悪い店を閉め、設備更新も先送りする。
会費は10年で名目約1.1倍にしか上がらず、物価に対して約2割の実質値下げとなる。広告費は客を取り戻すため下げられず、直営店の賃料も固定される。設備販売は年間270件相当に減り、営業利益率は2020年の不況期に近い水準まで下がる。営業利益が約1.86億ドルになれば、借入利息と法人税の負担後にGAAP純利益は約0.35億ドルしか残らない。税効果分配の支払いは別に現金の余裕を削る。
2027年以降に閉店費用と一時的な損失が発生し、2035年までのGAAP純利益累計は約9.5億ドルにとどまる。経営は買い戻しをほぼ止め、実行済み分を除く期間の正味還元は約2.5億ドルに縮む。売れる資産で負債を完済できる見込みはなく、価値は存続する小さな利益に依存する。法的な破綻までを必須条件にはしないが、株主の取り分は大幅に傷む。
- 加盟店ロイヤルティー・広告基金・加盟店手数料:数量 2,400(年末加盟店店舗数(店))× 価格 0.00(1店当たり年間本部収入(億ドル、広告基金を含む))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。加盟店2,400店、実質値下げ。広告費と加盟店支援費の重さが増す。
- 直営フィットネスクラブ:数量 235(年末直営店店舗数(店))× 価格 0.02(1店当たり年間会費等収入(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。直営店235店へ縮小。固定賃料と人件費が会員減少に遅れて残る。
- 加盟店向けジム設備販売・更新:数量 270(新店用フルセット換算の年間設備供給件数(件・推計))× 価格 0.01(フルセット換算1件当たり売上(億ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。フルセット換算270件。加盟店の閉店と設備更新延期が重なる。
倍率:構造的なシェア喪失により会員の数量は減り、競争で価格も物価に負ける。10年目以降の名目gは0%、k8.5%、k−g8.5pt。事業ROICは1.856×72%÷(自己資本0.85+純負債24.3)≒5.3%、税引き後借入金利4.1%と負債比1倍による補正ROEは約6.5%で資本コストを下回る。したがってPER上限は1÷k=11.76倍、堀を失った利益の質に応じ8.5倍とする。過去の谷のPBRは使わない。純利益0.35÷k=4.12億ドル以下の事業時価総額2.975億ドルであり、倒産でなく小さく残る稼ぐ力を評価する。
確率:低価格帯の覇権を失い、出店より閉店が多い年を重ね、価格が物価に追い付かない状態が10年続くのは極端だが、借入負担が大きいため損失の深さを残す。確率9%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
加盟店ロイヤルティー・広告基金・加盟店手数料
加盟店が請求する会費・年会費へのロイヤルティーと広告基金の拠出、加盟・契約・機器据付けなどの手数料。広告基金にはほぼ同額の支出が伴う。
| 数量年末加盟店店舗数(店) | 価格1店当たり年間本部収入(億ドル、広告基金を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,604 | 0.00 | 5 | 3 |
| 10 年後 中立 | 3,800 | 0.00 | 10 | 6 |
取り方:2025年10-Kの加盟店2,604店、フランチャイズ売上4.67958億ドル、内訳はロイヤルティー3.14647億ドル、広告基金0.86987億ドル、その他を使う。4.67958÷2,604店を単価とした。年末店舗数を用いるため実際の期中平均と多少ずれる。事業別のGAAP営業利益は非開示で、調整後EBITDA3.36592億ドルから減価償却等を控除して営業利益約3.0億ドルと推計する。
直営フィットネスクラブ
本部が所有・運営するジムの月会費、年会費、入会金、物販。家賃と人件費、機器更新の固定費を本部が負担する。
| 数量年末直営店店舗数(店) | 価格1店当たり年間会費等収入(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 292 | 0.02 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 370 | 0.03 | 10 | 2 |
取り方:2025年10-Kの直営292店と売上5.46097億ドルから、1店当たり約187万ドルの年間収入を計算。会社開示の成熟店AUV約200万ドルと整合する。直営事業の調整後EBITDA2.06347億ドルから店舗設備の償却や配賦費用を控除して営業利益約1.1億ドルと推計する。
加盟店向けジム設備販売・更新
加盟店が新店を開く時の設備と、既存店舗で約5〜9年ごとに交換する有酸素・筋力トレーニング機器を販売する。
| 数量新店用フルセット換算の年間設備供給件数(件・推計) | 価格フルセット換算1件当たり売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 338 | 0.01 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 520 | 0.01 | 7 | 2 |
取り方:2025年に新店向け設備納入152件を会社が公表。既存加盟店2,604店の設備を平均7年で更新し、更新1件を新店フルセットの約0.5件相当と仮定すると152+2,604÷7×0.5≒338件。実際の更新件数・値引きは非開示なので「換算件数」は推計であり実測数ではない。10-Kの設備売上3.10089億ドルを割った単価は約92万ドル。設備事業調整後EBITDA0.94478億ドルから営業利益約0.85億ドルを推計。各推定営業利益の和と全社GAAP営業利益3.94677億ドルとの差約−1.00億ドルは本社費・償却等として筋書きのadjust_okuに反映する。
リスクと懸念
会員増の失速と値上げの限界
2026年の会員獲得は想定を下回り、通期の同店売上見通しは約1%増へ引き下げられた。物価3.5%の世界で同店売上が1%増では、実質の販売数量や単価は後退しうる。基本プランの値上げ成功を上位プランにそのまま広げられるとは限らず、年間の退会・新規入会の差を見続ける必要がある。
低価格ジムの競争と既存店の食い合い
クランチ、イーオーエス、エニタイムなどが店舗と筋力トレーニング設備を拡大している。新店が既存店の会員を奪うなら、見かけの店舗数は増えても1店当たり会費が下がり、加盟店主の投資意欲が弱まる。競合の米国シェアは統一基準で開示されず、地域別の出店と同店会員数が早期の手掛かりとなる。
純負債と利息・税効果分配契約
FY2025の純有利子負債24.3億ドルは調整後EBITDAの約4.4倍に相当する。借り換え金利を約5.75%とみると、現在より利払いが増える余地がある。別途、過去の持分交換による税効果分配契約の負債も残っており、会計上の利益がそのまま自由な現金ではない。悪い時ほど自社株買いを抑える必要がある。
家賃・設備更新・加盟店の資金繰り
直営店の賃貸契約は長く、2025年末のリース負債は約4.65億ドル、将来の最低支払賃料は約5.99億ドルだった。加盟店側にも賃料と機器更新の負担がある。景気後退や店舗の採算悪化で新店や更新を延期すると、本部の機器売上とロイヤルティーが同時に弱まり、固定費が残って利益率を圧迫する。
加盟店依存と機器販売の一時的な山
2025年の設備部門は既存店向け更新販売の伸びが大きく、毎年同じ伸びが続くわけではない。加盟店は独立した資本配分主体であり、設備更新を延期したり新店開設を取り消したりできる。ロイヤルティー料率の引き上げや広告拠出をめぐる不満が増えると、本部の増分利益率にも逆風となる。
解約規制とデジタル代替
自動更新の会費徴収、解約の利便性、加盟店契約には連邦・州の消費者保護やフランチャイズ規制が及ぶ。解約手続きの簡素化が進むと、退会率が上がる恐れがある。自宅器具やAIを使う運動指導は補完関係が中心だが、軽い運動をする会員の利用時間を奪い、施設を必要としない人を増やす可能性は残る。
持分構造・自社株買いの時期
上場株主以外の持分は2026年6月末に約0.4%と小さいが、税効果分配契約により過去の所有者への支払いが続く。高値での大規模な自社株買いは株主一人当たりの取り分を増やす保証にならない。将来の買収や増資が発生する場合も、会計上の成長と既存株主の実質的な利益を区別する必要がある。
今後の分かれ目
- 同店売上が4四半期連続で物価3.5%を上回り、純会員増が再加速したら
- 2026年の失速は一時的と判断しやすい。加盟店の単価と利益率を引き上げ、楽観側の確率を増やす。
- 会員が2期続けて純減し、年末の会員が2,000万人を割ったら
- 店舗数の増加では埋められない競争上の後退とみなし、やや悲観と悲観の確率を厚くする。
- 開設数が2年続けて年100店未満となり、加盟店の開設約束が大幅に減ったら
- 市場規模の成長よりシェアの低下が優勢と見て、2035年の加盟店舗数と設備販売件数を下げる。
- 上位プランの比率が70%を超え、会員単価が物価を上回って伸びたら
- 値上げ力と商品構成の改善を確認でき、直営店の利益率と加盟店ロイヤルティーの見通しを上げる。
- 純有利子負債が30億ドルを超え、買い戻しがGAAP利益を上回り続けたら
- 利益成長より資本配分リスクを重視する。正味の還元を減らし、借り換え利息を利益へ反映する。
- クランチなどが主要都市の低価格帯で新規出店を加速し、加盟店の既存店売上が前年割れしたら
- 地域シェアを削られる構造変化とみなし、加盟店・直営店の数量と単価の両方を悲観側へ修正する。
- 更新設備の売上が2年続けて減少し、加盟店の設備交換周期が9年超へ延びたら
- 機器売上の数量を新店需要だけでは補えないため、設備の件数と利益率を引き下げる。
見ておくもの
- 全世界会員数の純増減と1店当たり会員数、平均月会費
- 加盟店・直営別の同店売上増減と既存店会員数
- PFブラックカード会員構成比と値上げの実績
- 新規開店数、契約済み出店約束数、加盟店の出店資金調達
- 新店向けと既存店更新向けの機器売上・納入件数
- 純負債・利息・フリーキャッシュフロー・自社株買い
- 競合クランチ、イーオーエス、エニタイムの出店・会員動向
- 税効果分配契約の支払残高、直営店の賃料と稼働採算
倍率と資本コストの決め方
FY2025の加盟店2,604店、直営292店、新店機器納入152件と推定更新需要から2035年の数量を先に決め、各事業の単価を物価3.5%の前提と実際の値上げ力で積んだ。倍率は現行や過去の市場PERを使わず、k8.5%、堀を強いとする残存割合2/3、事業ROICから直したROE、数量と価格で決めた長期gを正当化PERの式に入れた。中立の10年目利益に対する上限19.1倍の約8割を採った。金利・リース・税効果の負担はGAAP利益と悲観側に入れ、調整後利益や2026年の一時的な持分売却益、自社株買いを二重に上乗せしない。ROICの分母に使う2035年の純負債は現時点の24.3億ドル程度で保たれる前提である。米国基準ASC842のリースはすでに負債認識済みであり、日本基準の改正による見かけの比較と混ぜない。結果としてやや割安と出たが、現値への逆算ではない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国の基本8.0%にqualityの+0.50%を加えて8.5%。借金は重いが直近の営業利益と現金創出力は正であり、存続危機のextraは付けない。会員獲得の失敗は筋書きと確率へ反映し、株価のβは用いない。