結論
ロイヤル・カリビアン・グループは、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(大型・家族向け)、セレブリティ・クルーズ(プレミアム)、シルバーシー(高級)の 3 ブランドを自社で持ち、ドイツの TUI クルーズとハパグロイド・クルーズに 50% ずつ出資する、世界第 2 位のクルーズ会社である(定員ベースの市場シェアは出資分を含めて約 26%、首位のカーニバルは約 32%)。2025 年の売上は 179 億ドル、純利益 43 億ドル、乗客は過去最高の 940 万人。2026 年 4〜6 月期は純イールド +1.9%、稼働率 110%、通期の純利益は約 48 億ドル(+13% 前後)と会社は見通しを引き上げた。
事業の質はクルーズで抜きんでている。大型船(アイコン級)と私有の目的地(パーフェクト・デイ・ココケイなど)で、運賃だけでなく船内消費まで囲い込み、営業利益率は純収入ベースで 33%(カーニバル 17〜20%、ノルウェージャン 17〜18%)。供給は 2027 年 +4%、2028 年 +6%、2029 年 +7% と増え、予約は過去を上回るペースである。ただし純負債は 212 億ドル(時価総額の 28%)、自己資本比率 24%。2020〜22 年は 3 年続けて赤字で、株価は 2008 年に −86%、2020 年に −76% 落ちた。
バリュー投資の観点では、10 年後も人は船で旅をし、規模と新造船の発注枠(造船所は 2030 年代前半まで埋まっている)が堀になる。一方、景気で振れる船会社で、倍率は資本コスト 9.25%(基本 8.0% + quality +1.25%)の利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(筋書きの ROE − k)で、資本コストを超える稼ぎは先で薄れる。筋書きの ROE 24%・長期の成長 4% で上限 14.5 倍)の 8 割の PER 約 11.6 倍(10 年目の利益)。今の 15.7 倍(2026 年の見通し純利益に対して)より低いので、利益が 2.1 倍になる中立の 10 年でも、還元を足して年率は +7.6% と資本コスト 9.25% に届かず、総合は適正(差 -7%)。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、クルーズは「わかりやすいが、資本が重く、景気に弱い」事業である。10 年後も人は船で休暇を取るだろうが、新造船は 1 隻 20 億ドル前後の資本を食い、減価償却と利払いが利益を削る。ホテルのフランチャイズのように「資本を使わずに手数料が入る」事業ではない。株主のものになる利益(純利益 + 減価償却 − 新造船・目的地・保守の投資)は、2026 年で純利益 48 億ドル + 減価償却 19 億ドル − 設備投資 47 億ドル = 約 20 億ドルと、純利益の約 4 割にとどまる。
堀は新造船の枠・規模・私有の目的地で広がる方向。ただし堀の価値は、供給が増える局面で単価が物価に届くかにかかる。経営は資本配分が堅実(トリファクタを前倒しで達成、2020〜22 年の赤字から自己資本を立て直した)で、ホテルのように借金で自社株を買い進める設計ではなく、レバレッジ 3 倍未満の約束がある。それでも純負債は 212 億ドルあり、利上げと不況で最も傷む。
値段との関係:式の PER は税引き後の営業利益 ÷ 投下資本(自己資本+純負債)16% 台、g 4%、k 9.25% で上限 14.5 倍(10 年目の利益 ×(1+g))、その 8 割で 11.6 倍。2026 年の純利益に対する今の 15.7 倍より低いので、割安さは「利益が 2 倍になる」ことにかかっている。中立の 10 年で時価総額は約 1,183 億ドル(今の 1.6 倍)、還元を足すと年率 +7.6% で、資本コスト 9.25% に届かない。安全域は、2008 年と 2020 年の谷(株価 −76〜−86%)に耐えられる値段かどうかで、悲観の筋書き(時価総額 313 億ドル)は今の約 4 割である。
何で稼ぐ会社か
収益の源は「乗客定員 × 日数(APCD)」と「1 APCD あたりの純収入(純イールド)」である。2025 年の APCD は約 5,320 万、純収入(売上から旅行代理店の手数料・運賃に連動する費用・船内の仕入れを除いた会社の指標)は約 149 億ドル(推定)で、純イールドは 1 APCD あたり約 280 ドル。売上 179 億ドルのうち、運賃(キャビン)が約 6 割、船内消費(カジノ・飲食・スパ・寄港地ツアー・Wi-Fi)が約 4 割で、船内消費は乗客を船に囲い込める分だけ伸びが強い。
ブランドは 3 つに分けて見る。ロイヤル・カリビアン・インターナショナルは APCD の約 74%(推定)で、オアシス級(5,000 人超)とアイコン級(2024 年のアイコン・オブ・ザ・シーズ以降、2025 年にスター、2026 年にレジェンド、2027 年に 4 番船、2028 年に 5 番船)が主力。純イールドは約 265 ドル(推定)。セレブリティとシルバーシーは約 26%(推定)で、純イールドは約 323 ドル(推定。シルバーシーは 600 ドル超、セレブリティは 300 ドル前後の加重)。TUI クルーズとハパグロイドは持分法で、純利益にだけ入る。
目的地も売上の一部である。バハマのパーフェクト・デイ・ココケイ、ナッソーとコスメルのロイヤル・ビーチ・クラブ(2026 年)で、私有の寄港地を 3 つから 2028 年に 8 つへ増やす計画。入港料を抑え、船内より陸上で消費を取れ、ブランドの顔になる。2026 年 5 月にメキシコ政府がマハウアルのパーフェクト・デイ・メキシコを不認可としたため、2027 年開業の計画は見直しになっている。
費用は燃料(2026 年の見通し 約 13 億ドル、約 6 割をヘッジ済み)、人件費、減価償却(約 19 億ドル)、利払い(純利息 約 10 億ドル)で、費用の大半は船が動く限り固定的。稼働率が 110% でも船は空にならず、満室から先の 1 乗客あたりの利益が大きい構造で、稼働と単価の振れが利益を大きく動かす。区分別の開示は薄く、how に推定の方法を書いた。
優良さと弱いところ
堀は 4 つ。第 1 は新造船と造船所の枠:大型客船を造れる造船所は少なく(フィンランドのマイヤー・トゥルクなど)、2030 年代前半まで枠が埋まっている。ロイヤルはアイコン級 6・7 番船を 2026 年 4 月に発注し、融資も確定した。供給を増やせる会社が限られる。第 2 は規模:APCD が大きく、同じ港・燃料・食材・システムの費用を薄められる。純収入ベースの営業利益率 33% 超は、カーニバルの 17〜20% の約 2 倍で、これは船の大きさ(1 隻あたりの乗客数)と船内消費の厚みの差。第 3 は私有の目的地:ココケイなどは顧客が船を選ぶ理由になり、陸上の消費を会社が取る。第 4 は船内消費の厚み:1 隻に乗る人数が多く、運賃以外の消費で利益率を上げられる。
資本効率は改善した。税引き後の営業利益 ÷(自己資本+純負債)は 2025 年に約 15.5%、会社は 2027 年までに「高い 10 台」を目標にしている。自己資本は 2022 年に 29 億ドルまで縮み、2025 年に 100 億ドルへ戻った。経営はジェイソン・リバティの下で、2022〜24 年の「トリファクタ」を 18 か月早く達成し、2025〜27 年は「パーフェクタ」(EPS 年 20% 成長、レバレッジ 3 倍未満)を掲げている。
弱みは 4 つ。(1)景気連動:2008 年(株価 −86%)、2020 年(運航停止で −76%)。(2)借金:純負債は営業利益の約 4 倍、2027〜28 年に合計 61 億ドルの満期が来る。(3)カリブ海への集中:供給が増え、ハリケーン・感染症・事故・燃料・環境規制(排出)の影響が大きい。(4)メキシコの不認可に見られるように、目的地の許認可という外部の力が成長の計画を止める。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
世界のクルーズの乗客は 2025 年に 3,720 万人(+7.5%)と過去最高で、2026 年は約 3,830 万人(+4%)、2029 年に 4,210 万人の見通し(CLIA)。業界ノートの置き方では、10 年後に約 5,700 万人(年 +4.4%)。供給の側は、2026 年の増加がカリブ海で目立ち、ロイヤルは自社の APCD が +6.6%、第 3 四半期は +8.5%。2026 年 4〜6 月の純イールドは +1.9%(為替除く +1.2%)、第 3 四半期はほぼ横ばいの見通しで、供給が増える局面では単価の伸びが鈍る。一方、予約は「記録的な価格」で、2027 年はこれまでの水準を上回るペース(CFO)。
競争は上位 3 社の寡占に近い。定員のシェアはカーニバル 32.2%、ロイヤル・カリビアン(TUI クルーズ・ハパグロイドを含む)25.9%、ノルウェージャン 9%、これに非上場の MSC クルーズが急伸(2033 年に 11.8% の予測)。2033 年の予測ではカーニバル 31.8%、ロイヤル 24.6%、ノルウェージャン 9.7% で、ロイヤルは自社の発注があっても出資分を含めたシェアは横ばいと見られている。
競合と比べると、カーニバルは船の数が多く(90 隻超)、純収入が大きいが、営業利益率は 17〜20%、ノルウェージャンは 17〜18%(2026 年は家族向けの比率の上昇とカリブの実行のミスで見通しが弱かった)。ロイヤルがうまくいけば、利益率 37〜38% を保ちながら年 +6〜7% の供給増を単価の下落なしに吸収し、純利益は 10 年後に 100 億ドル超になる。競合にシェアを取られ、カリブの供給過多で単価が物価を下回れば、利益率は 34% 前後に下がり、純利益は 75 億ドルにとどまる。陸上の休暇との比較(1 人 1 日あたりの価格が低い)、世代交代、燃料・排出規制、感染症・事故・ハリケーンが長期の変数である。
資本政策と M&A
還元は 2025 年に配当 8 億ドル・自社株買い 12 億ドル。2026 年は四半期の配当が約 4.0 億ドル、第 2 四半期の自社株買いは 2.0 億ドルで、買い戻し枠の残りは 8.05 億ドル。資本の優先順位は、(1)新造船と目的地への投資(2026 年の設備投資は約 47 億ドル)、(2)借金の返済と格付け、(3)配当と自社株買い、の順。レバレッジ 3 倍未満が目標。
借金は 2026 年 6 月末で有利子負債 228 億ドル・現金 8.8 億ドル、満期は 2026 年 9 億・2027 年 27 億・2028 年 34 億・2029 年 12 億・2030 年 13 億ドル。流動性は 69 億ドル(融資枠を 250 百万ドル増やし 66 億ドル)。借り換えで金利は 5.75% 前後(brief の推定)になり、純利息は今の約 10 億ドルから 10 年後に約 14 億ドルへ増える。
M&A は小さい。2018 年にシルバーシーの過半を取得し、TUI クルーズは持分法。大型買収は計画に入っていない。TOB・再編の可能性は小さい(時価総額 761 億ドル)。株式報酬は純利益の約 4%(1.8 億ドル)で、payout_oku は配当と自社株買いから株式報酬の希薄化分を除いた正味で書き、増資は想定しない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ロイヤルは同業で唯一、供給の増加と単価の伸びを同時に実現している。純イールドは 2026 年 +2.4〜2.9%、供給 +6.6%、稼働率は 110%。2027 年の予約は過去のペースを上回り、記録的な価格で売れている。純収入ベースの営業利益率 33% は 2026 年に 36% 前後へ上がり、カーニバル(17〜20%)、ノルウェージャン(17〜18%)の約 2 倍。
アイコン級は 1 隻に最大 7,600 人が乗り、船内消費の厚みが高い利益率の源。2025 年のスター、2026 年のレジェンドに続いて 2027 年の 4 番船、2028 年の 5 番船、さらに 6・7 番船の発注(融資確定)まであり、造船所の枠を押さえているため競合は同じ規模を急には作れない。私有の目的地は 3 つから 8 つへ。パーフェクト・デイ・メキシコは不認可でも、ココケイとナッソー・コスメルが稼ぎ、代替地を探せる。
10 年で乗客は 5,700 万人へ増え、ロイヤルの APCD は 1.8 倍、純イールドは物価並みの 1.5 倍で、純収入は 2.7 倍。借金は設備投資と還元を自社のキャッシュで賄って増えず、純利益は 144 億ドルまで伸びる。レバレッジは 1.3 倍まで下がり、自社株買いと配当が増える。
慎重な見方
まず、供給の増加はロイヤル自身も業界も大きい。2026 年第 3 四半期の純イールドはほぼ横ばいで、供給が +8.5% 増える局面では単価が伸びない。カリブ海に新造船と私有の目的地が集中し、MSC・カーニバル・ノルウェージャンも供給を増やせば、単価は物価(3.5%)を下回る。純イールド +2.4〜2.9% は物価より低く、実質では下がっている。
次に借金と景気。純負債は 212 億ドルで営業利益の 4 倍。2027〜28 年に 61 億ドルの満期が来て、借り換えで金利が 5.75% 前後になる。クルーズは 2008 年に株価 −86%、2020 年に −76% で、2020〜22 年は赤字が 3 年続いた。燃料は 13 億ドルで、原油 100 ドル超(2026 年 9 月)で下がった株価が示すように、利益の 1 割を動かす。メキシコの不認可、TUI クルーズの中東航路への影響、ハリケーン、感染症、排出規制は、ココケイに頼るカリブの集中を傷つける。
さらに、今の値段は利益の高止まりを織り込んでいる。営業利益率が 36% を超えて続く保証はなく、競合の追い上げで 33% 前後に戻れば、純利益は 10% 以上減る。利益ベースの式の PER は上限 14.5 倍(資本コスト 9.25%)で、中立は 11.6 倍と今の 15.7 倍より低い。中立でも倍率の拡大はなく、資本コスト 9.25% を上回る余裕はない。
どちらに重みを置いたか
事業の質(利益率・新造船の枠・私有の目的地)は事実で、供給の増加も 2029 年まで計画どおり。ただし単価の伸びが物価を下回る点と、借金と景気連動は確率に強く効く。中立の 10 年は純利益 102 億ドル・PER 約 11.6 倍で時価総額 約 1,183 億ドル、還元を足して年率 +7.6% で資本コスト 9.25% に届かず、総合は適正(差 -7%)。楽観(144 億ドル・PER 約 13 倍)でも倍率の拡大は小さく、利益の伸びで稼ぐ形。そこで 10 年の確率は楽観 8%・やや楽観 22%・中立 38%・やや悲観 22%・悲観 10% と、悲観側にやや寄せた。景気の谷は 10 年のうちに 1 回は来るので、中立にも利益率の低下を織り込んだ。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 413.08 ドル1,132 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 136.86 ドル375 億ドル)。 今の値に割り戻すと 258.47 ドル708 億ドル、今との差 −9.7%、 期待の年率 +6.8%(資本コスト 9.3%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 699.49 ドル1,917 億ドル | 169.71 ドル465 億ドル | +203.8% | +11.8% | 69.54 ドル191 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 557.45 ドル1,527 億ドル | 160.95 ドル441 億ドル | +151.1% | +9.6% | 158.05 ドル433 億ドル |
| 中立 | 38% | 431.82 ドル1,183 億ドル | 148.18 ドル406 億ドル | +102.7% | +7.3% | 220.40 ドル604 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 267.96 ドル734 億ドル | 118.61 ドル325 億ドル | +35.1% | +3.1% | 85.05 ドル233 億ドル |
| 悲観 | 10% | 114.34 ドル313 億ドル | 54.74 ドル150 億ドル | −40.9% | −5.1% | 16.91 ドル46 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 413.08 ドル1,132 億ドル | 136.86 ドル375 億ドル | +92.2% | +6.8% | 549.94 ドル1,507 億ドル |
今の株価時価総額 286.13 ドル784 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.3% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:APCD が 1.8 倍、純イールドは物価並み、営業利益率 40% 超 利益 144 億ドル · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 699.49 ドル1,917 億ドル
2035 年の APCD は約 9,570 万(2025 年の 1.8 倍。世界の乗客 5,700 万人の中で、ロイヤルの自社ブランドの定員シェアが 25% から約 28% へ上がる)。純イールドはロイヤル・カリビアン・インターナショナルが 1.48 倍、セレブリティ・シルバーシーが 1.52 倍(物価 1.41 倍に私有の目的地・船内消費の上積み)。純収入 399 億ドル(2.7 倍)、営業利益 162 億ドル(純収入比 40.5%)、純利益 144 億ドル(純負債は 250 億ドルで EBITDA の 1.3 倍、純利息は約 13 億ドル)。還元は 10 年で 465 億ドル。成熟後は成長が止まり、倍率は正当化 PER 14.8 倍の 9.0 割にあたる 13.3 倍に置いた。今の PER には寄せていない。
- ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(大型・家族向け):数量 71.3(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 3.92(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 280 億ドル・営業利益 117 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
- セレブリティ・シルバーシー(プレミアム・高級):数量 24.4(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 4.91(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 120 億ドル・営業利益 44 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
倍率:上限の正当化 PER 14.8 倍に対し、13.3 倍(9.0 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(楽観 +1.0 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 17.9%(k 9.25% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 26.6%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 144 億ドル × 13.3 倍で 1917 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:業界ノートの楽観(乗客 年 +6%、ネット・イールド 年 +4%)が 10 年続く形。全部がうまくいく確率は高くなく 8%。
やや楽観 22% やや楽観:APCD が 1.7 倍、純イールドは物価をやや下回る程度 利益 122 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 557.45 ドル1,527 億ドル
2035 年の APCD は約 9,050 万(1.7 倍)。純イールドはロイヤル・カリビアン・インターナショナルが 1.42 倍、セレブリティ・シルバーシーが 1.46 倍(物価 1.41 倍をほぼ維持)。純収入 362 億ドル、営業利益 140 億ドル(純収入比 38.6%)、純利益 122 億ドル(純負債 280 億ドル、純利息 約 14.5 億ドル)。還元は 10 年で 441 億ドル。会社の発注(アイコン級 6・7 番船、オアシス級 7 番船)が計画どおり入り、私有の目的地は 8 つに増えるが、カリブの供給の増加で単価は物価をやや下回り、営業利益率は 36% 台後半で止まる。倍率は正当化 PER 14.7 倍の 8.5 割にあたる 12.5 倍に置いた。
- ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(大型・家族向け):数量 67.4(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 3.76(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 254 億ドル・営業利益 101 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
- セレブリティ・シルバーシー(プレミアム・高級):数量 23.1(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 4.72(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 109 億ドル・営業利益 39 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
倍率:上限の正当化 PER 14.7 倍に対し、12.5 倍(8.5 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(やや楽観 +0.5 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 17.7%(k 9.25% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 26.1%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 122 億ドル × 12.5 倍で 1527 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:会社の計画(供給 +4〜7%)どおり増えるが、単価が物価をやや下回る形。22%。
中立 38% 中立:APCD が 1.64 倍、純イールドは物価をやや下回り、営業利益率は 36% 前後 利益 102 億ドル · PER 11.6 倍 · 株価時価総額 431.82 ドル1,183 億ドル
2035 年の APCD は約 8,720 万(2025 年の 1.64 倍:2026〜29 年の計画で 1.26 倍、その後は年 +4.5% 弱。世界の乗客 4.4% 成長に対し、ロイヤルの定員シェアは 25% から 27% へ)。純イールドはロイヤル・カリビアン・インターナショナルが 1.36 倍、セレブリティ・シルバーシーが 1.40 倍(物価 1.41 倍をわずかに下回る:カリブの供給の増加とカーニバル・MSC・ノルウェージャンの新造船が運賃を抑えるが、船内消費と私有の目的地の収入が補う)。純収入 335 億ドル(2.2 倍)、営業利益 121 億ドル(純収入比 36.2%。10 年のうちの景気の谷 1 回分を平均に入れた)、純利益 102 億ドル(純負債は 300 億ドル、純利息は約 16 億ドル)。還元は 10 年で 406 億ドル(純利益の合計から、新造船・目的地の投資で増える投下資本を引き、借金の増加を足した)。今の PER 15.7 倍(2026 年の見通し)にも過去の中央 17.9 倍にも寄せていない。倍率は正当化 PER 14.5 倍の 8.0 割にあたる 11.6 倍に置いた。
- ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(大型・家族向け):数量 65.0(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 3.60(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 234 億ドル・営業利益 88 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
- セレブリティ・シルバーシー(プレミアム・高級):数量 22.2(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 4.52(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 100 億ドル・営業利益 33 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
倍率:上限の正当化 PER 14.5 倍に対し、11.6 倍(8.0 割)に置いた。新しく投じる資本の稼ぎは先で薄れるので 8.0 割に置いた。上限の中身は g 4.0%、RONIC 16.7%(k 9.25% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 24.2%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 102 億ドル × 11.6 倍で 1183 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:業界ノートの中立(乗客 年 +4〜5%、ネット・イールド 年 +3%、営業利益率 25〜28%)に対し、ロイヤルは 33% 超から維持する形。景気の谷 1 回分を織り込む。38%。
やや悲観 22% やや悪い:単価が物価を大きく下回り、景気の谷が 2 回来る 利益 75 億ドル · PER 9.8 倍 · 株価時価総額 267.96 ドル734 億ドル
2035 年の APCD は約 7,980 万(1.5 倍)。純イールドはロイヤル・カリビアン・インターナショナルが 1.28 倍、セレブリティ・シルバーシーが 1.32 倍と物価(1.41 倍)を 1 ポイント以上下回る(カリブの供給過多、カーニバルのコスト削減と価格競争、MSC の急伸)。純収入 288 億ドル、営業利益 95 億ドル(純収入比 32.8%)、純利益 75 億ドル(純負債 300 億ドル、純利息 約 17 億ドル)。景気の谷が 2 回来て、そのたびに配当と自社株買いを絞り、還元は 10 年で 325 億ドル。ハリケーン・感染症・燃料の高騰・排出規制の費用が利益率を 33% 台へ押し下げる。会社は残るが優良とは言えなくなる。倍率は正当化 PER 14.0 倍の 7.0 割にあたる 9.8 倍に置いた。
- ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(大型・家族向け):数量 59.5(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 3.39(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 202 億ドル・営業利益 69 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
- セレブリティ・シルバーシー(プレミアム・高級):数量 20.3(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 4.26(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 87 億ドル・営業利益 26 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
倍率:上限の正当化 PER 14.0 倍に対し、9.8 倍(7.0 割)に置いた。中立(8.0 割)より 0.5 割低くした。利益の質が悪い筋書きだからだ。上限の中身は g 4.0%、RONIC 15.0%(k 9.25% + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k))、moat は 普通。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 20.8%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 75 億ドル × 9.8 倍で 734 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:供給過多と景気の谷が 2 回来て、単価が物価を 1 ポイント以上下回る形。クルーズの循環の深さを考えると中立に次ぐ厚さの 22%。
悲観 10% 悲観:構造的に負ける(供給過多・規制・事故で単価が崩れ、借金が重く残る) 利益 32 億ドル · PER 9.8 倍 · 株価時価総額 114.34 ドル313 億ドル
2035 年の APCD は約 7,020 万(1.32 倍。計画の一部を売却・延期する)。新造船の供給が業界に溢れてカリブの単価が崩れ、さらに排出規制(EU の排出量取引・IMO)と事故・感染症・ハリケーンが重なり、純イールドはロイヤル・カリビアン・インターナショナルが 1.12 倍、セレブリティ・シルバーシーが 1.15 倍と物価(1.41 倍)を大きく下回る。純収入 222 億ドル、営業利益 52 億ドル(純収入比 23.5%)、純利益 32 億ドル(純負債は 300 億ドルのまま減らず、純利息は約 19 億ドル)。景気の谷でそのたびに配当を止め、還元は 10 年で 150 億ドル。ROE が k とほぼ同じなので倍率は 1÷k の約 11.1 倍。ただし 940 万人の乗客と船と私有の目的地は残り、事業そのものが消えるわけではない。
- ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(大型・家族向け):数量 52.3(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 2.97(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 155 億ドル・営業利益 39 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
- セレブリティ・シルバーシー(プレミアム・高級):数量 17.9(APCD(百万。乗客定員×日数))× 価格 3.71(純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100))→ 売上 67 億ドル・営業利益 13 億ドル。APCD(百万)と純イールド(億ドル/百万 APCD)
倍率:式どおり:g 1.5%(g はこの筋書きの数量と価格から置いた)、ROE 9.0%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))、k 9.25%。(1−g÷RONIC)÷(k−g) の値は来年の利益に対する倍率なので、10 年目の利益には ×(1+g) で 9.8 倍。RONIC = k + 残る割合 0.50 ×(事業の ROE − k)= 9.1%。上限の正当化 PER 10.8 倍の 9.1 割で、上限の内側。10 年目の利益の伸びは年 10% 未満なので 1 段。時価総額は、書いた純利益 32 億ドル × 9.8 倍で 313 億ドル。
確率:10 年で優良さを失う確率として 10%。新造船の枠と私有の目的地の堀が厚く、全部が同時に崩れる確率は低い。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(大型・家族向け)
オアシス級・アイコン級など大型船の運賃と船内消費、私有の目的地の収入。純収入ベース。
| 数量APCD(百万。乗客定員×日数) | 価格純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 39.4 | 2.65 | 104 | 36 |
| 10 年後 中立 | 65.0 | 3.60 | 234 | 88 |
取り方:2025 年の APCD は Q1〜Q3 の 12.66・12.94・13.70 百万に Q4 を約 13.9 百万と推定して合計約 53.2 百万。このうち約 74% を大型船のブランドとして 39.4 百万。純イールドは 1 APCD あたり 約 265 ドル(推定)で、純収入 約 104 億ドル。営業利益は純収入比 34.5% = 36 億ドル(会社の営業利益 49.5 億ドルを、区分別の開示が無いため船の大きさ・船内消費の厚みから分けた推定)。
セレブリティ・シルバーシー(プレミアム・高級)
セレブリティ・クルーズとシルバーシーの運賃と船内消費。純イールドが高く、1 隻あたりの乗客は少ない。
| 数量APCD(百万。乗客定員×日数) | 価格純イールド(億ドル/百万 APCD = 1 APCD あたりのドル ÷ 100) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 13.8 | 3.23 | 45 | 14 |
| 10 年後 中立 | 22.2 | 4.52 | 100 | 33 |
取り方:APCD 約 26%(13.8 百万)に、純イールド 約 323 ドル(セレブリティは 300 ドル前後、シルバーシーは 600 ドル超の加重。推定)で、純収入 約 44.6 億ドル。営業利益は純収入比 31.4% = 14 億ドル(推定)。全社の純収入は約 149 億ドル(推定。売上 179 億ドルから代理店手数料・運賃連動費・船内の仕入れを除く)。TUI クルーズとハパグロイドは持分法で、ここには含めない。
リスクと懸念
景気後退で単価と稼働が落ち、借金が重くのしかかる
クルーズは消費の中で最も景気の影響が大きい領域で、2008 年に株価 −86%、2020 年は運航停止で −76%、2020〜22 年は 3 年続けて赤字だった。純負債は 212 億ドルで営業利益の約 4 倍、2027 年に 27 億・2028 年に 34 億ドルの満期が来る。不況で稼ぎが落ちると、配当・自社株買いは止まり、増資の恐れが出る。3 年以内に来る確率を 12% と見て悲観に置いた。
カリブ海の供給過多で単価が物価に届かない
2026 年第 3 四半期の純イールドはほぼ横ばい、供給は +8.5%。ロイヤル自身も 2029 年まで +4〜7% で増やし、カーニバル・ノルウェージャン・MSC も新造船と私有の目的地を増やす。供給が需要を上回れば、純イールドは物価(3.5%)を下回り、営業利益率は 36% から 33% 前後へ戻る。10 年のやや悲観・悲観の主な筋書き。
燃料価格と排出規制
2026 年の燃料費は約 13 億ドルで、約 59% をヘッジ済み(Q1 時点)。2026 年 4 月は燃料で純利益見通しを 0.62 ドル/株相当(約 1.7 億ドル)引き下げ、9 月の原油 100 ドル超で株価は下げた。EU の排出量取引や IMO の規制で、燃料と船の改修の費用は長期で上がる。単価に転嫁できるかが分かれ目。
目的地の許認可(メキシコ)と成長計画の遅れ
2026 年 5 月にメキシコの環境省がマハウアルのパーフェクト・デイ・メキシコを不認可とし、会社は代替地・修正案を検討している。2027 年開業の計画は遅れ、ココケイなど既存の私有の目的地への依存が高まる。許認可は外部の力で、将来のロイヤル・ビーチ・クラブの計画にも波及しうる。
地政学・中東・事故・感染症・ハリケーン
TUI クルーズの中東航路が 2026 年の見通しを下げ、2026 年 3〜4 月は地中海とメキシコ西岸の予約が一時鈍った。感染症(2020 年の運航停止)、事故、カリブのハリケーンは船が動かなくなる事象で、稼働と単価の両方を落とす。自然と地政学は筋書きの確率に織り込んだ。
新造船の資本の重さと造船所への依存
新造船は 1 隻 20 億ドル前後で、2026 年の設備投資は約 47 億ドル。発注から引き渡しまで 3〜4 年かかり、遅れや費用の上昇が起こりうる。造船所は 2030 年代前半まで埋まっており、堀でもあるが、需要が弱っても船は来る。株主のものになる利益(純利益 + 減価償却 − 設備投資)は純利益の約 4 割にとどまる。
値段が高止まりした利益を織り込む
2026 年見通しの純利益に対する PER は 15.7 倍。式の倍率は 15.7 倍で同水準のため、倍率の拡大は見込めず、割安さは利益の伸びに依存する。利益率が 36% から 33% に戻る、または純イールドの伸びが物価を 1 ポイント下回るだけで、10 年後の純利益は 2 割前後下がる。
今後の分かれ目
- 純イールドが物価並み(年 +3.5%)で 3 年続き、供給が計画どおり増える
- 10 年後の純利益が 144 億ドルまで伸び、倍率が式の値(約 13 倍)なら時価総額は約 1,917 億ドルに近づく。楽観の筋書き。
- 景気後退で純イールドが 10% 下がり、稼働が 100% 前後に落ちる
- 営業利益は半分以下、純利益は 20 億ドル前後に落ち、配当は縮小。谷の年の時価総額は、ならした利益 × 2008 年の谷の PER で、今の 4 割前後(280 億ドル台)まで下がる。
- カリブの供給過多で純イールドの伸びが 2% 台前半に鈍る
- 営業利益率は 34% 台へ下がり、10 年後の純利益は 75 億ドル前後。時価総額は 734 億ドル前後(今と同程度)で、還元を足した年率は +3% 前後と資本コスト 9.25% に届かない。
- 原油が 100 ドルを超えた状態が続く
- 燃料費が 1 割上がるごとに純利益は約 1.3 億ドル減る(ヘッジを除く)。単価に転嫁できるか、燃費の良い新造船の比率が上がるかで下振れが決まる。
- メキシコが代替地を認め、パーフェクト・デイ・メキシコが 2028 年までに開業する
- ココケイに加えてメキシコ湾岸発の船の消費が増え、中立から楽観側へ動く。不認可が長引けば、中立のままで上振れの根拠が一つ減る。
- 金利が下がり、10 年国債が 4% 台に戻る
- 借り換えの利払いが軽くなり、倍率も上がる上振れ要因だが、この前提(物価・金利は動かさない)では織り込まない。
見ておくもの
- 純イールドの伸び(為替除く)と、供給(APCD)の伸びとの差
- 予約の積み上がり(2027 年が過去を上回るペースか)
- 営業利益率(純収入比)と、燃料を除く費用/APCD
- 純負債 ÷ EBITDA(3 倍未満)と満期(2027 年 27 億・2028 年 34 億ドル)の借り換え
- 燃料価格とヘッジの割合
- パーフェクト・デイ・メキシコの代替地と許認可、ロイヤル・ビーチ・クラブの開業
- アイコン級 4・5・6・7 番船、オアシス級 7 番船の引き渡し時期
- カーニバル・ノルウェージャン・MSC の供給の増加とカリブの価格
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額 761 億ドル(2026 年見通しの PER 15.7 倍)を見る前に、ロイヤル・カリビアン・インターナショナルとセレブリティ・シルバーシーに分け、APCD × 純イールドで純収入を積み、営業利益率で利益を置いた。倍率は k 9.25%(基本 8.0% + quality +1.25%)・g 3〜4%・ROE(筋書きの純利益 ÷ 自己資本で 9〜27%)の利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(筋書きの ROE − k))の 7〜9 割に置き、10 年目の利益に ×(1+g) を掛けた。今の帳簿の ROE(42%)は使っていない。結果は中立で今の倍率より低くなり、利益の伸び(純利益が 2 倍強)を入れてもほぼ適正になった。今の倍率・過去の中央 17.9 倍への寄せはしていない。確率を悲観側に寄せたのは景気連動の深さのため。
資本コスト 9.3% = 無リスク金利 5% + β 1.61 × 5%。資本コスト k = 基本 8.0% + quality +1.25% = 9.25%(v2。株価の揺れ(β)は使わない)。景気連動の強さと借金の重さを quality の cycle・debt で見た。利益率は同業で最も高く、存続が危ない会社ではないので extra は 0。個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益率と確率、悲観の深さで表した。
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読んだ資料
- Royal Caribbean Group 2026 年 Q2 決算(IR)
- Royal Caribbean 2026 年 Q2 決算の要約(Cruise Industry News)
- Royal Caribbean 2026 年 Q1 決算と見通しの引き下げ(Seatrade)
- 2025 年通期決算(Baird Maritime)
- Perfecta(2025〜27 年の財務目標)(Seatrade)
- パーフェクト・デイ・メキシコの不認可(Seatrade)
- パーフェクト・デイ・メキシコの提案を取り下げ(Royal Caribbean Blog)
- 世界のクルーズ業界の集中度(Cruise Industry News)
- 2033 年までの供給とシェア(Cruise Industry News)
- RCL の時価総額(Upstox)