結論
ドミノ・ピザは、世界 90 超の国と地域に 2.25 万店(2026 年 6 月、米国 7,231 店・国際 15,300 店)を持つピザの宅配・持ち帰りのフランチャイズ本社で、店の 96% は米国でも加盟店が持つ。2025 年(12 月期)の世界の小売売上は 201 億ドル、会社の売上は 49.4 億ドル、営業利益 9.5 億ドル、純利益 6.0 億ドル。売上の 6 割はサプライチェーン(加盟店への生地・チーズの卸)だが、利益の柱は米国のロイヤルティと国際のロイヤルティ、そして卸の粗利である。
2026 年は成長が止まりかけている。米国の既存店売上は 1〜3 月 +0.9%、4〜6 月 +0.1%、7〜9 月 +0.3%(前年同期は +5.2%)で、客数は増えたが 1 注文あたりの品数が減り、客単価が伸びない。国際はドミノ・ピザ・エンタープライズ(DPE、豪州・日本・欧州の運営者)が注文数を約 1 割減らして既存店を引き下げ、会社は通期の国際既存店を横ばい、米国の純出店を 125〜150 店に下げた。営業利益だけは卸の粗利とロイヤルティで年 +5% 前後を保つ。純有利子負債は約 46 億ドル(時価総額の 45%、EBITDA の 4.2 倍)。
バリュー投資の観点では、事業は単純で 10 年後も存在し、規模と宅配の仕組みの堀は残る一方、堀の成長力は 2023 年の長期計画(営業利益 年 +8% 超)より明らかに低い。10 年後の中立は営業利益 15.8 億ドル(年 +5.2%)、純利益 9.2 億ドルで、時価総額は約 160 億ドル。今の約 102 億ドルの 1.6 倍に、配当と自社株買い(10 年で約 89 億ドル)が加わる。確率で重みを付けた 10 年の本質価値は今の時価総額を 1 割強上回り、総合では「やや割安」(差 +14%)。借金の重さは資本コスト(8.75%)に足してあり、悲観を厚く置いても差が残る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後を問う。ピザは家庭の定番で、ドミノは宅配の仕組みと規模で 10 年後も存在し、堀は米国の独立店・アプリとの競争で狭まる面はあるが、致命的ではない。ここまでは合格。
次にオーナー利益。2025 年の純利益 6.0 億ドルに償却と設備投資がほぼ同額で、株式報酬 0.4 億ドルを引いた手取りは約 6 億ドル、今の時価総額約 102 億ドルに対する利回りは約 5.9%。10 年後の中立で純利益が 9.2 億ドル(年 +4.4%、金利の借り換え分を引いた後)に育てば、購入額に対する利回りは 9% 程度になり、資本コスト 8.75% を超える。
資本配分は、借金で自社株を買い続けるやり方が景気のよい時には効くが、割高な局面で買えば価値を壊す。今の PER は 17 倍で、買う側には悪くない。ただし借金が EBITDA の 4 倍を超え、証券化債の借り換えが 2027〜2029 年に集中するので、安全域は食品の大手ほど厚くない。
結論は、わかる事業で、堀は広がらず維持、価格は適正〜やや割安。ただし式の ROE が 200% を超える(元手がほとんど要らない)ため、倍率が 17 倍台まで許されること自体が結論の大部分を決めている。ROE を 31% 程度(ROIC から借金の比率を保って置いた値)に置き直すと差は縮むが(利益ベースの倍率に直す前の感度)、それでも割安側に残る。割安と言える材料は、悲観を厚く置いても差が残る点である。
何で稼ぐ会社か
売上は 5 つの束でできていて、利益の出方がまるで違う。第 1 は米国の店舗とロイヤルティ(2025 年の売上 16.1 億ドル。うち広告基金 5.6 億ドルは加盟店の拠出を預かって使うだけで利益はなく、ロイヤルティと手数料 6.8 億ドル、直営 262 店の売上 3.8 億ドル)。米国の小売売上 99.5 億ドル、7,186 店、1 店 約 139 万ドル、年間約 4.1 億件の注文(推定、1 件約 24 米ドル)で、会社の取り分は小売売上の約 6.8% と直営店の利益。この束の利益(10-K のセグメント利益)は 5.75 億ドルで、2025 年はほぼ横ばい(+1.8%)だった。
第 2 はサプライチェーン(売上 29.9 億ドル、セグメント利益 3.20 億ドル、利益率 10.7%)。米国とカナダの 20 か所前後の工場・配送拠点で生地・チーズ・包材を加盟店に卸し、加盟店は店の食材をほぼ全部ここから買う。売上は小売売上と食材の物価に連動し、利益は仕入れの束ね買いと物流の効率で決まる。2025 年はセグメント利益が +14% と最も伸びた。第 3 は国際フランチャイズ(売上 3.39 億ドル、セグメント利益 2.89 億ドル。小売売上 101.7 億ドルの約 3.3% がロイヤルティ)。14,956 店のうち大半は現地の運営者(マスター・フランチャイズ)が持ち、DPE や インドのような大手がいる。会社が負うのは地域の出店契約とブランドの運営で、設備も人件費も要らず、利益率は 85% に達する。
本社費と償却を引くと営業利益 9.5 億ドル(営業利益率は売上比で 19%)。2025 年の設備投資は 1.2 億ドルと償却並みで、フリーキャッシュフローは 6.7 億ドル。資産が軽いため帳簿の自己資本は −39 億ドル(自社株買いの累積)で、借金で自社株を買い続ける構造が利益の 1 株あたりの伸びを支えてきた。会社は 2023 年に「Hungry for MORE」(2028 年まで世界の小売売上 年 +7% 超、営業利益 年 +8% 超、純出店 年約 1,100 店)を掲げたが、2026 年は小売売上 +3% 前後・営業利益 +5% 前後と大きく下回る。
優良さと弱いところ
堀は 4 つ。第 1 は規模で、米国 7,200 店は 2 位のピザハット(6,739 店、2026 年 6 月にヤム・ブランズが売却を決め、ヤム・チャイナ等に渡った)より多く、1 店の売上も約 139 万ドルと上位 4 社で最大。広告費・調達・デジタル会員の固定費を多くの店で割れるので、価格を下げても店が耐える。第 2 は宅配の仕組みで、自社の注文アプリ・配達員の管理・生地の毎日配送を一体で回す。ウーバーとドアダッシュにも出店し、会社は両社でピザの首位、注文の約半分は新規の客と説明する。第 3 はサプライチェーンの束ね買い。第 4 は国際の運営者を選ぶ力で、現地の資本で出店を進める。
資本効率は極めて高い。帳簿の自己資本はマイナスで ROE は意味を持たないため、税引き後営業利益 7.4 億ドルを(自己資本+純有利子負債 = 7.1 億ドルの元手)で割ると ROIC は約 100% を超える。店舗の資本は加盟店が出し、会社の設備投資は償却並みで済む。経営は 2026 年 10 月にジョー・ジョーダンが新 CEO に就き(ラッセル・ウェイナーは 2027 年 4 月に会長へ)、2026 年の通期見通しを何度か下げたのは率直だが、長期計画の数字が達成できなかったことも意味する。
弱みは 4 つ。(1)加盟店の収益が出店の限界で、米国の純出店が 175 店から 125〜150 店に下がった。(2)利益の 6 割が米国の注文数と客単価に乗り、成長の火種が 1 つのブランドの 1 市場に偏る。(3)DPE は豪州・日本・欧州でバリュー戦略が効かず、運営者の交代も含めて国際が足を引く。(4)レバレッジが EBITDA の 4.2 倍で、借り換えの利息が上がる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の外食・フードサービスは 2026 年に約 1.5 兆ドル(前年比 +4.3%、実質 +0.8%)で、伸びの大半は価格。ピザは約 7.5 万店・約 490〜750 億ドル(推計幅が広い)で、チェーンが約 6 割、独立店が約 4 割。クイックサービスのピザ(チェーン)でドミノは約 23% を握り、8 年で獲得した 9 ポイントのうち 3 ポイントは独立店から取ったと会社は言う。競合は、ピザハット(6,739 店、売却で運営者が変わる)、パパジョンズ(3,189 店)、リトル・シーザーズ(持ち帰り中心の最安値)、そして宅配アプリ上の独立店。ファストフード全体でも値引き競争(マクドナルドの低価格メニューなど)が客数を奪い合っている。
循環のどこにいるか。米国の外食は 2 年ほど客数が弱く、低所得層は回数を減らす二極化の局面にある(マクドナルドの来店 −4.5%、ウェンディーズの既存店 −7%、一方でタコベルは +7%)。ドミノは「Best Deal Ever」(値引き)で客数は増やしたが、1 注文あたりの品数が減り客単価が崩れた。持ち帰り +1.0%・宅配 −0.3%(7〜9 月)と宅配が弱い。景気の山ではなく、中程度の谷にいる。
構造の変化は 3 つ。(1)宅配アプリの手数料と、アプリ上での比較購買。(2)肥満治療薬(GLP-1)の普及で食事量が 3〜5% 減る可能性(会社は今は影響を見ていない)。(3)最低賃金と人件費の年 +4〜5%。ピザは外食の中で価格が安く、物価高では選ばれやすい。国際は新興国で出店が続く一方、豪州・日本・フランスのような先進国の成熟市場で既存店が負けている。業界ノートの置き方(外食の売上は年 +4.5%、客数 +0.5〜1%、フランチャイズの店舗は年 +3〜5%)と比べ、ドミノの米国は市場より弱く、国際は店数で市場並みに伸びる。
資本政策と M&A
還元の基本は配当と自社株買い。2025 年は配当 2.4 億ドル、自社株買い 3.5 億ドル(純利益の約 98%)、2026 年 1〜9 月は自社株買いが 3.05 億ドルで、残る授権は 11.5 億ドル。四半期配当は 2026 年に 15% 増の 1.99 米ドルで、連続増配は 12 年。借入は証券化債(固定金利 47.7 億ドル、純金利費用 ÷ 借入で約 3.8%)が中心で、1 年以内の返済分が約 13 億ドルあり、借り換えのたびに新しい金利(本稿は約 5.75% を想定)へ替わる。経営は EBITDA の 4 倍を下限とする方針だが、金利が高いため「4 倍を下回ってもよい」と言い始めた。
M&A は少ない。大型の買収で価値を壊した歴史はなく、直営店の売却(リフランチャイズ)と国際の運営者の入れ替えを進める。DPE の運営地域を別の運営者に渡す可能性を会社は示している。バークシャー・ハサウェイは 2026 年 1〜3 月に 9.9% の持ち分を全部売った(グレッグ・エーベルの新体制の整理)。独占禁止の面で他のピザチェーンを買う余地は小さく、ドミノが買われる側になる可能性は借金の大きさから低い。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
米国の既存店は底に近い。2025 年 10〜12 月は +3.7%、通期 +3.0% だったのが 2026 年に 0〜1% へ落ちたのは、前年の 5.2% の反動と「Best Deal Ever」の値引きで品数が減ったためで、客数そのものは増えている。ピザハットが 2026 年に売却され運営が不安定な間に、ドミノは宅配・持ち帰りの両方で注文を増やし、ウーバーとドアダッシュでもピザの首位で、注文の約半分は新規の客。クイックサービスのピザの 23% は年 0.5 ポイント程度ずつ上がる余地があり、10 年で 24〜24.5% なら米国の注文は市場の伸びと合わせて 4.1 億件から 4.6 億件へ増える。
サプライチェーンは小売売上と食材の物価に連動して売上が増え、利益率は束ね買いで 10.7% から 12% に上がる。2025 年にセグメント利益が +14% 伸びた実績がある。国際は純出店が年 800 店前後(長期の潜在は約 4 万店)で、DPE が新 CEO の下で建て直せば、運営者の入れ替えで既存店が戻る。ロイヤルティは小売売上の 3.3% のまま、店が増えるほど積み上がる。
資本は軽い。設備投資は償却並み、フリーキャッシュフローは純利益とほぼ同額で、レバレッジを 4 倍に保てば営業利益の伸びに応じて借入も増え、10 年で約 100 億ドルが還元に回る。10 年で営業利益が年 +6.9%(18.5 億ドル)なら、純利益は約 11 億ドル。倍率が式の上限近く(約 21 倍)まで保たれれば時価総額は約 230 億ドル、今の約 2.3 倍に配当・自社株買いが乗る。
慎重な見方
成長の質が落ちている。2025 年に +3.0% だった米国の既存店は 2026 年に 0〜1% に落ち、前年同期は +5.2% の山だったという説明では、3 四半期連続の鈍化を説明できない。注文数は増えても、値引きで 1 注文あたりの品数が減り、価格の力が効かなくなった。マクドナルドやリトル・シーザーズの低価格メニュー、宅配アプリ上の独立店との競争で、ピザの客単価は物価(3.5%)についていけない。米国の純出店が下方修正されたのは、加盟店の収益(1 店 約 16.6 万ドル、2025 年)が圧迫されているサインで、出店が止まればロイヤルティの積み上げも止まる。
国際は DPE が 2026 年度の既存店 −4.1%・注文 −1 割と崩れており、会社も改善は 2027 年以降と認めた。DPE の地域を別の運営者へ渡す手間と、新興国で 1 店あたり売上が 4 割安い店が増えることで、1 店あたりのロイヤルティは薄まる。
借金は EBITDA の 4.2 倍で、1 年以内に約 13 億ドルの返済期限が来る。2027〜2029 年の借り換えで利率は約 3.8% から 5.75% に上がり、借入が同額のままでも年間の利息が約 1 億ドル増え、純利益が約 0.75 億ドル削られる。景気の谷では EBITDA が 1 割落ち、レバレッジが 4.7 倍に跳ね、自社株買いが止まる。2008 年にこの会社の株は 80% 下がった(当時はレバレッジが 7.5 倍だったが)。10 年で営業利益が年 −2% の悲観では、純利益 4.3 億ドルに倍率 13.6 倍で時価総額は約 58 億ドル、配当を足しても今を下回る。
どちらに重みを置いたか
強気の見方は「底の局面で、規模と宅配の堀は壊れていない」、慎重な見方は「成長の質と借金が重い」。どちらも事実だが、2026 年の数字(既存店 0〜1%、出店の下方修正、国際の停滞)は慎重な見方の側が強く出ている。そこで中立の確率を 38% に抑え、やや悲観を 23%、悲観を 11% と、同業の外食フランチャイズ(ヤム・ブランズ 20/10)より厚くした。ただし堀の厚さと営業利益が年 +5% を維持している点は強気側にあるため、楽観とやや楽観は合わせて 28% を残した。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 439.78 ドル145 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 244.80 ドル81 億ドル)。 今の値に割り戻すと 351.02 ドル116 億ドル、今との差 +10.5%、 期待の年率 +8.0%(資本コスト 8.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 593.90 ドル196 億ドル | 326.92 ドル108 億ドル | +189.8% | +11.2% | 64.46 ドル21 億ドル |
| やや楽観 | 21% | 544.26 ドル180 億ドル | 296.65 ドル98 億ドル | +164.7% | +10.2% | 176.59 ドル58 億ドル |
| 中立 | 38% | 482.51 ドル159 億ドル | 269.41 ドル89 億ドル | +136.7% | +9.0% | 285.73 ドル94 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 352.95 ドル117 億ドル | 196.76 ドル65 億ドル | +73.0% | +5.6% | 126.43 ドル42 億ドル |
| 悲観 | 11% | 176.17 ドル58 億ドル | 108.97 ドル36 億ドル | −10.2% | −1.1% | 31.37 ドル10 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 439.78 ドル145 億ドル | 244.80 ドル81 億ドル | +115.5% | +8.0% | 684.58 ドル226 億ドル |
今の株価時価総額 317.70 ドル105 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 7% 楽観:宅配の首位が広がり、米国 8,700 店・国際 2.45 万店、営業利益は年 +6.9% 利益 11 億ドル · PER 18.0 倍 · 株価時価総額 593.90 ドル196 億ドル
米国のクイックサービスのピザで 23% のシェアが 24.5% へ上がり、注文は 4.64 億件(2025 年 4.15 億件)へ増える。客単価は 10 年で 1.42 倍(34.1 米ドル。物価 1.41 倍並みで、品数を戻して値引きに頼らない)。サプライチェーンは小売売上と食材に連動して売上 47.8 億ドル、利益率は束ね買いで 12.0%。国際は純出店が年平均 +950 店で 2.45 万店になり、1 店あたり売上は新興国の店が混ざる分だけ 1.35 倍に留まる。DPE は新 CEO の下で注文を戻し、運営者の入れ替えで先進国の既存店も回復。営業利益は 18.5 億ドル(年 +6.9%)、純利益 10.9 億ドル。長期計画の営業利益 年 +8% には届かないが、それに近い軌道。借金はレバレッジ 4.0 倍で約 80 億ドル。
- 米国(店舗・ロイヤルティ・広告):数量 4.6(注文件数(億件)= 米国のクイックサービスのピザの注文 × ドミノのシェア 23%)× 価格 34(1 注文あたりの客単価(米ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 26 億ドル・営業利益 10 億ドル。注文件数と客単価(米ドル)。会社の取り分は rev_factor
- サプライチェーン(生地・チーズの卸):数量 4.6(米国の注文件数(億件)。卸は小売売上に連動)× 価格 10(注文 1 件あたりの卸売上(米ドル))→ 売上 48 億ドル・営業利益 6 億ドル。注文 1 件あたりの卸売上
- 国際フランチャイズ:数量 24,500(国際の店舗数(店))× 価格 0.01(1 店あたり小売売上(億ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 8 億ドル・営業利益 6 億ドル。店舗数と 1 店あたり小売売上
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%・g 4.0%(市場の実質 0.5%+シェア 0.5%+価格 3.5%=4.5% を上限の 4% に)・事業の ROE 246.6%(ROIC から直した値。帳簿の自己資本はマイナスで、加盟店の資本で回る)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 127.7%、10 年目より先の正当化 PER 20.4 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 21.2 倍。需要が安定し堀もあるので上限の 85% に置き 18.0 倍。
確率:長期計画(営業利益 年 +8% 超)の再現には届かない中で、2026 年の鈍化が一時で、宅配の首位と新規の客が効く筋。ピザハットの運営交代や DPE の建て直しが重なる必要があり 7%。
やや楽観 21% やや楽観:米国の既存店が戻り、国際は DPE の建て直しで店が増える 利益 10 億ドル · PER 18.0 倍 · 株価時価総額 544.26 ドル180 億ドル
米国のシェアは 24.25%(10 年で +1.25 ポイント)で、注文は 4.53 億件、客単価 1.40 倍(33.6 米ドル)。サプライチェーンの利益率は 11.6%。国際は 2.32 万店(年 +820 店)で、1 店の売上は 1.32 倍。DPE は 2028 年ごろまでに底を打つ。営業利益は 17.0 億ドル(年 +6.0%、2023 年の長期計画の 8% には届かない)、純利益 10.0 億ドル。借り換えの利息が約 4.2 億ドルに増える(借入 74 億ドル×5.75%)が、成長で吸収する。
- 米国(店舗・ロイヤルティ・広告):数量 4.5(注文件数(億件)= 米国のクイックサービスのピザの注文 × ドミノのシェア 23%)× 価格 34(1 注文あたりの客単価(米ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 25 億ドル・営業利益 9 億ドル。注文件数と客単価(米ドル)。会社の取り分は rev_factor
- サプライチェーン(生地・チーズの卸):数量 4.5(米国の注文件数(億件)。卸は小売売上に連動)× 価格 10(注文 1 件あたりの卸売上(米ドル))→ 売上 46 億ドル・営業利益 5 億ドル。注文 1 件あたりの卸売上
- 国際フランチャイズ:数量 23,200(国際の店舗数(店))× 価格 0.01(1 店あたり小売売上(億ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 7 億ドル・営業利益 6 億ドル。店舗数と 1 店あたり小売売上
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%・g 4.0%(市場の実質 0.5%+シェア 0%+価格 3.5%=4.0%)・事業の ROE 235.5%(ROIC から直した値。帳簿の自己資本はマイナスで、加盟店の資本で回る)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 122.1%、10 年目より先の正当化 PER 20.4 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 21.2 倍。需要が安定し堀もあるので上限の 85% に置き 18.0 倍。
確率:2026 年の鈍化は前年の反動と値引きで説明でき、米国の既存店が 3% 前後に戻り国際の店が増える筋。21%。
中立 38% 中立:米国は市場並み、国際は年 +700 店前後、営業利益は年 +5% 利益 9 億ドル · PER 17.3 倍 · 株価時価総額 482.51 ドル159 億ドル
米国は市場の注文が年 +0.2%、ドミノのシェアは 23% から 24% へ(10 年で +1 ポイント)で、注文は 4.41 億件。客単価は 1.38 倍(33.1 米ドル)と物価 1.41 倍をわずかに下回る(値引き施策「Best Deal Ever」で 1 注文あたりの品数が減る分)。サプライチェーンの売上 44.9 億ドル、利益率 11.3%。国際は純出店が 2026 年の約 800 店から落ちて年平均 +700 店となり 2.2 万店、1 店の売上は新興国の混ざりで 1.29 倍。営業利益は 15.8 億ドル(売上比 21%)、本社費・償却 −3.2 億ドル。借入はレバレッジ 4.0 倍で 69 億ドル、利息は全部が新しい金利(5.75%)に替わり約 4.0 億ドル。純利益は 9.2 億ドル(年 +4.4%、営業利益より伸びが遅いのは借り換え分)。10 年の還元は 89 億ドル(純利益の累計と借入の増加分)。
- 米国(店舗・ロイヤルティ・広告):数量 4.4(注文件数(億件)= 米国のクイックサービスのピザの注文 × ドミノのシェア 23%)× 価格 33(1 注文あたりの客単価(米ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 24 億ドル・営業利益 9 億ドル。注文件数と客単価(米ドル)。会社の取り分は rev_factor
- サプライチェーン(生地・チーズの卸):数量 4.4(米国の注文件数(億件)。卸は小売売上に連動)× 価格 10(注文 1 件あたりの卸売上(米ドル))→ 売上 45 億ドル・営業利益 5 億ドル。注文 1 件あたりの卸売上
- 国際フランチャイズ:数量 22,000(国際の店舗数(店))× 価格 0.01(1 店あたり小売売上(億ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 6 億ドル・営業利益 5 億ドル。店舗数と 1 店あたり小売売上
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%・g 3.8%(市場の実質 0%+シェア 0.3%+価格 3.5%=3.8%)・事業の ROE 227.0%(ROIC から直した値。帳簿の自己資本はマイナスで、加盟店の資本で回る)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 117.9%、10 年目より先の正当化 PER 19.6 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 20.3 倍。需要が安定し堀もあるので上限の 85% に置き 17.2 倍。
確率:2026 年の実績(営業利益 +5% 前後、米国の既存店 0〜1%)と業界ノートの置き方(外食は客数 +0.5〜1%、フランチャイズの店 年 +3〜5%)に最も近い。38%。
やや悲観 23% やや悲観:値引き競争でシェアを失い、出店が細り、営業利益は年 +3% 利益 7 億ドル · PER 15.6 倍 · 株価時価総額 352.95 ドル117 億ドル
米国のシェアは 22.5% に下がる(ピザハットの再建・パパジョンズ・アプリ上の独立店に取られる)。市場の注文は横ばいで、注文は 4.06 億件。客単価は 1.33 倍(31.9 米ドル)に留まる。サプライチェーンの利益率は 10.5% に下がる。国際は純出店が年 +480 店に鈍り 1.98 万店、DPE の改善は遅れ 1 店の売上は 1.20 倍。営業利益は 12.6 億ドル(年 +2.9%)。借入の増加を抑え(レバレッジ 3.8 倍・53 億ドル)自社株買いは減る。純利益 7.5 億ドル。
- 米国(店舗・ロイヤルティ・広告):数量 4.1(注文件数(億件)= 米国のクイックサービスのピザの注文 × ドミノのシェア 23%)× 価格 32(1 注文あたりの客単価(米ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 21 億ドル・営業利益 7 億ドル。注文件数と客単価(米ドル)。会社の取り分は rev_factor
- サプライチェーン(生地・チーズの卸):数量 4.1(米国の注文件数(億件)。卸は小売売上に連動)× 価格 9.95(注文 1 件あたりの卸売上(米ドル))→ 売上 40 億ドル・営業利益 4 億ドル。注文 1 件あたりの卸売上
- 国際フランチャイズ:数量 19,800(国際の店舗数(店))× 価格 0.01(1 店あたり小売売上(億ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 5 億ドル・営業利益 5 億ドル。店舗数と 1 店あたり小売売上
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%・g 3.3%(市場の実質 −0.2%+シェア 0%+価格 3.5%=3.3%)・事業の ROE 203.1%(ROIC から直した値。帳簿の自己資本はマイナスで、加盟店の資本で回る)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 105.9%、10 年目より先の正当化 PER 17.8 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 18.4 倍。借金が重く成長が鈍る側なので上限の 85% に置き 15.6 倍。
確率:3 四半期連続の鈍化、純出店の下方修正、国際の停滞は、客単価を物価についていけなくさせ、シェアを取られる筋を現実にしている。23%。
悲観 11% 悲観:構造的に負ける(シェア 20%・国際の縮小・借金の重さ)、営業利益は減る 利益 4 億ドル · PER 13.6 倍 · 株価時価総額 176.17 ドル58 億ドル
構造的に負ける筋。肥満治療薬の普及と低所得層の外食離れで市場の注文が 10 年で −4%、ドミノはシェア 20.5%(ピザハット・リトル・シーザーズ・アプリ上の独立店に 2.5 ポイント取られる)で、注文は 3.55 億件に減る。客単価は 1.27 倍(30.5 米ドル、値引きに追われ物価に届かない)。米国の純出店は止まり店舗は減少。サプライチェーンの利益率は 9.5%。国際は DPE と先進国の閉店が続き、1.65 万店・1 店の売上 1.12 倍。加盟店の採算が悪化して、米国のロイヤルティ段階の利益率は 27% に、サプライチェーンの利益率は 8.5% に下がる。営業利益は 7.8 億ドル(年 −2%)。借入は下がらずレバレッジ 4.4 倍に残り、配当を守るので自社株買いは止まり、還元は 10 年に 36 億ドル。純利益 4.3 億ドル。ここでの優良さは消え、普通の食品卸付きのフランチャイズになる。
- 米国(店舗・ロイヤルティ・広告):数量 3.5(注文件数(億件)= 米国のクイックサービスのピザの注文 × ドミノのシェア 23%)× 価格 30(1 注文あたりの客単価(米ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 18 億ドル・営業利益 5 億ドル。注文件数と客単価(米ドル)。会社の取り分は rev_factor
- サプライチェーン(生地・チーズの卸):数量 3.5(米国の注文件数(億件)。卸は小売売上に連動)× 価格 9.59(注文 1 件あたりの卸売上(米ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 3 億ドル。注文 1 件あたりの卸売上
- 国際フランチャイズ:数量 16,500(国際の店舗数(店))× 価格 0.01(1 店あたり小売売上(億ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor)→ 売上 4 億ドル・営業利益 3 億ドル。店舗数と 1 店あたり小売売上
倍率:利益ベース:正当化 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%・g 2.5%(市場の実質 −0.5%+シェア −0.5%+価格 3.5%=2.5%)・事業の ROE 173.3%(ROIC から直した値。帳簿の自己資本はマイナスで、加盟店の資本で回る)・moat 普通(残る割合 0.50)→ RONIC 91.0%、10 年目より先の正当化 PER 15.6 倍。10 年目の利益に ×(1+g) で上限 15.9 倍。構造的に負けた会社の床として上限の 85% に置き 13.6 倍。
確率:10 年で構造的に負けて優良でなくなる確率。値引き・アプリ・GLP-1 が重なり、借金が重く減配や自社株買いの停止まで進む筋。堀は厚いが借金 4 倍超なので 11%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米国(店舗・ロイヤルティ・広告)
米国 7,186 店(96% が加盟店)のロイヤルティ・手数料・広告基金と直営 262 店の売上。広告基金(5.6 億ドル)は預かって使うだけで利益はない。
| 数量注文件数(億件)= 米国のクイックサービスのピザの注文 × ドミノのシェア 23% | 価格1 注文あたりの客単価(米ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.1 | 24 | 16 | 6 |
| 10 年後 中立 | 4.4 | 33 | 24 | 9 |
取り方:米国の小売売上 99.5 億ドル(店舗 7,186 店・1 店 約 139 万ドル)を 1 注文 約 24 米ドルと推定して注文 4.15 億件(推定。ドミノは注文数を開示しない)。会社の売上は小売売上の 16.2%(ロイヤルティ・手数料 6.8 億、広告基金 5.6 億、直営店売上 3.8 億の合計 16.1 億ドル)。営業利益は 10-K のセグメント利益(償却前)5.75 億ドル。クイックサービスのピザ市場は 99.5÷0.23 ≒ 433 億ドル(会社の 23% シェアの説明から逆算)。
サプライチェーン(生地・チーズの卸)
米国・カナダの 20 か所前後の拠点から加盟店へ生地・チーズ・包材を卸す。売上の 6 割で利益率は低い。
| 数量米国の注文件数(億件)。卸は小売売上に連動 | 価格注文 1 件あたりの卸売上(米ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.1 | 7.21 | 30 | 3 |
| 10 年後 中立 | 4.4 | 10 | 45 | 5 |
取り方:サプライチェーン売上 29.9 億ドルを米国の注文 4.15 億件で割った 1 件あたり約 7.2 米ドル(カナダ・国際向けの卸も含む近似)。食材の物価と店の品数で動く。セグメント利益 3.20 億ドル(利益率 10.7%、2025 年は +14%)。
国際フランチャイズ
国際 14,956 店のロイヤルティ(小売売上の約 3.3%)。店は現地の運営者が持ち、会社の費用はほとんどない。
| 数量国際の店舗数(店) | 価格1 店あたり小売売上(億ドル)。売上のうち会社の取り分は rev_factor | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 14,956 | 0.01 | 3 | 3 |
| 10 年後 中立 | 22,000 | 0.01 | 6 | 5 |
取り方:国際の小売売上 101.7 億ドルを店 14,956 店で割って 1 店 約 68 万ドル。会社の売上(ロイヤルティ・手数料)は小売売上の 3.33%(3.39 億ドル)。セグメント利益 2.89 億ドル(利益率 85%)。為替は動かさない。市場は国際のクイックサービスのピザ(規模は開示なし)、シェアは店数で置く。
リスクと懸念
米国の既存店と客単価が物価についていけない
2026 年の既存店は +0.9%・+0.1%・+0.3% と 3 四半期続けて鈍り、値引き施策で 1 注文あたりの品数が減った。客単価が物価(3.5%)を下回り続けると、会社の取り分(小売売上の約 6.8%)も卸の売上も増えない。ピザの価格は外食の中で安く物価高に強いが、マクドナルドやリトル・シーザーズの値引きとアプリ上の独立店が客単価を押す。
加盟店の収益が出店を止める
米国の純出店の見通しは 175 店超から 125〜150 店へ下がった。加盟店の 1 店あたり利益は 2025 年で約 16.6 万ドル(会社推計)、食材と人件費が上がる中で値引きを続ければ薄くなる。出店が止まると、ロイヤルティの積み上げと卸の数量が同時に止まる。
国際の最大運営者(DPE)の不振
DPE は 2026 年度の既存店が −4.1%、後半は −5.7%、注文は約 1 割減った。会社は改善を 2027 年以降と見て、地域ごとに運営者を入れ替える可能性も示す。国際の既存店が横ばい以下だと、店が増えても 1 店あたりのロイヤルティは薄まる。
借金(EBITDA の 4.2 倍)と借り換え
純有利子負債は約 46 億ドルで時価総額の 45%。証券化債の加重の利率は約 3.8% と低く、借り換えで 5.75% 前後に替わると、同じ借入でも年間の利息が約 1 億ドル増える。1 年以内の返済分は約 13 億ドル。景気の谷で EBITDA が落ちるとレバレッジが 4.7 倍まで上がり、自社株買いが止まる。
成長の偏り:ピザの 1 ブランドに集中
利益の約 6 割が米国のピザの注文と客単価に乗る。ヤム・ブランズのように複数ブランドの分散がなく、ピザの人気の変化(GLP-1、アプリ上の独立店、低価格メニュー)の影響が直接来る。国際も大半はピザの宅配・持ち帰りで、事業の分散は店舗数と国の数に限られ、商品の分散ではない点は同業のヤム・ブランズと違う。
自社株買いに頼る 1 株あたりの伸び
帳簿の自己資本は −39 億ドル。借金で自社株を買う構造は、割高な時に買うと価値を壊し、借金を増やせない局面では 1 株あたりの伸びが営業利益の伸びを下回る。時価総額で見れば営業利益の伸びに近づく。本稿は会社全体の時価総額と正味の還元で書くので 1 株の効果は含めないが、レバレッジを下げざるを得ない局面では還元が細り、成長を借金で買う余地がなくなる点が弱みになる。
経営体制の交代
2026 年 10 月にジョー・ジョーダンが CEO に就き、ラッセル・ウェイナーは 2027 年 4 月に会長へ移る。出店と加盟店の収益を重視する方針だが、2027 年の見通しは 2026 年 10〜12 月期の決算で示される。経営の優先事項が出店の速さから加盟店の 4 壁(1 店単位)の利益へ移ると、純出店の伸びは当面鈍る可能性がある。
今後の分かれ目
- 米国の既存店が 2027 年に +2% 以上に戻り、純出店が 150 店を超える
- 値引きでも注文が増えて客単価が戻った証拠。10 年の確率を楽観・やや楽観側へ寄せ、本質価値は上がる。
- 米国の既存店が 2027 年も +1% 未満で、純出店が 100 店台前半に落ちる
- 加盟店の収益が出店を止めており、成長の質が落ちている。やや悲観・悲観の確率を厚くし、差は縮む。
- DPE が 2027 年に注文を戻す(既存店 +2% 以上)、または運営者が替わって回復する
- 国際の既存店が 0% から +2% に戻り、国際の 1 店あたり売上が伸びる。中立 10 年の国際を上方修正する。
- 証券化債の借り換えで新しい金利が 6% を超える(または借入の返済期限を延ばせない)
- 利息が想定(5.75%)より増え、純利益が下がる。レバレッジを下げるため自社株買いが減る。
- リーマン級の不況で客数が 5〜8% 落ちる
- 卸の利益率と直営店の固定費で営業利益が約 2 割減り、レバレッジが 5 倍超へ。借金の重さで倍率は 13〜14 倍まで縮むと見る。
- 肥満治療薬の普及で食事量が 3〜5% 減ることが外食の客数で確認される
- 市場の注文が年 −0.3〜−0.5% へ下がり、悲観の筋書き(注文 −4%)に近づく。
見ておくもの
- 米国の既存店売上(注文数と 1 注文あたりの品数・客単価)と、持ち帰り・宅配の内訳
- 米国・国際の純出店数(会社の見通し:米国 125〜150 店、国際 約 800 店)
- DPE の既存店と注文数、運営者の入れ替え
- レバレッジ(EBITDA の 4.2 倍)と証券化債の借り換えの利率
- サプライチェーンの粗利益率と食材のコスト
- 2027 年の通期見通し(2026 年 10〜12 月期の決算で公表)
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(約 102 億ドル)を見る前に、米国・サプライチェーン・国際の 3 つを注文件数・客単価・店数で積み上げ、10 年目の利益に利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/2 ×(事業の ROE − k)。加盟店の資本で回るので ROIC は 100% を超え、上限は 1÷(k−g) に近い)の 85% を掛けて時価総額を出した。k は 8.75%(基本 8.0% + 借金 0.75%)、g は 3.8%(市場の実質 0% + シェア 0.3% + 価格 3.5%)、ROE は ROIC から 230% 前後。結果は今の 1.6 倍(159 億ドル)で、倍率 約 17.3 倍。式の外の割り引きや、過去・今の倍率への寄せはしていない。ROE が 200% を超える点は、RONIC で薄めても上限が 1÷(k−g) に近いので結論への効きは小さい(buffett の感度は利益ベースに直す前の値)。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0.75%(借金だけ)。需要は景気に左右されにくく、値決めは普通、事業の寿命も普通。借金が EBITDA の 4 倍超で借り換えが 2027〜2029 年に集中するため debt を 0.75% 足した。存続が危ういほどではなく上乗せなし。個別のリスク(国際の運営者・出店・米国の客数)は k に足さず筋書きと確率で表した。
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読んだ資料
- Domino's 2025 年通期決算(プレスリリース)
- Domino's 10-K FY2025(セグメント利益)
- Domino's 2026 年 4〜6 月決算(8-K 添付 99.1)
- Domino's 2026 年 4〜6 月 決算説明(Investing.com)
- Domino's 2026 年 7〜9 月 決算説明(見通しの引き下げ・新 CEO)
- Domino's 2026 年 7〜9 月決算(EPS・既存店)
- Domino's 長期計画 Hungry for MORE
- ドミノ・ピザ・エンタープライズ(DPE)2026 年度後半
- 米国のピザ店の数とチェーン別の規模
- バークシャーの全株売却(2026 年 1〜3 月)
- 時価総額(2026-10-16)