結論
レナーは米国の住宅建設の大手 4 社の一角で、2025 年(11 月期)は 82,583 戸を引き渡し(米国の新築一戸建て販売の約 12%、推定)、売上 342 億ドル、純利益 21 億ドル、住宅の粗利益率 17.7% でした。2026 年に入って粗利益率は 15.5% 前後(6〜8 月期 15.8%)、販売管理費率は 9.2% まで悪化し、6〜8 月期の純利益は 2.84 億ドル(前年 5.91 億ドル)に半減しています。通期の引き渡し見通しも 8.2〜8.3 万戸から 8.0〜8.1 万戸へ下げました。経営は価格とインセンティブ(売上の約 12%)を差し出して「安定した量」を守る方針で、利益率はホートン(20.7%)やプルトグループ(25.0%)よりかなり低い所にあります。
事業の質は、同業の中では「規模と回転は強いが、価格を決める力は弱い」位置です。土地はミルローズなどのオプション(区画を買う権利)が中心で、貸借対照表に載る区画は 2.5% 未満、自己資本は 216 億ドルと厚く、負債比率は 16.6% です。工期は 126 日から 116 日に縮み、原価は 1 平方フィート当たり 2023 年比 -14% と下がっていますが、売上の単価も -13% で、効率化の成果は買い手へ渡っています。
バリュー投資の観点では、「10 年後もこの事業はあり、今より強いか」を問う。世帯形成と住宅不足(300〜400 万戸、推定)が需要の床を支え、規模・調達・自前のローン会社は大手に有利なので事業は残る。ただし堀は広くなく、利益は景気で大きく振れるので、ならした利益で値付けする。市場(新築販売)× シェア × 価格を積み、資本コスト 9.0%(基本 8.0% + quality +1.0%)と利益ベースの正当化 PER(RONIC = k + 1/3 ×(筋書きの ROE − k)。堀は弱い。上限 12.6 倍)の 8 割で倍率を 10.1 倍に置くと、10 年後の中立は営業利益 57 億ドルで時価総額 約 425 億ドル、今の時価総額(183 億ドル)の 2.3 倍。総合の差は +53%(割安)。今の値段は、谷に近い 2026 年の利益(純利益 約 12 億ドル)に対する値付けで、利益が戻るだけでも差が出る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、住宅建設は「景気で利益が大きく振れ、堀が浅い」循環業種であり、安い値段でなければ手を出さない業種です。レナーはその中でも堀が薄い方で、価格を決める力は弱く、経営は「量を守る」ために利益率を差し出しています。それでも、規模(年 8 万戸超)、土地の軽さ(自社保有 2.5% 未満)、厚い自己資本(216 億ドル)、低い借入(負債比率 16.6%)で、10 年後も存在する確率は高く、住宅不足がその床を支えます。
オーナー利益で見ると、増やす戸数と値上がりに伴う在庫・運転資本の再投資を引いた残りが株主のものになります。ならした ROE 14.5% で、成長 4% を支える再投資は利益の約 3 割、残りの約 7 割が還元できます。2022 年の ROE 19% は山で続くとは考えず、2026 年の 5% 台も谷として扱い、ならした営業利益率(住宅 9.2%)で値付けします。資本配分は、自社株買いを PER 10 倍前後・PBR 1 倍前後で続けた点はよいが、買収(CalAtlantic)で株数を 3 割増やし、土地とテクノロジー投資で評価損を出した点は割り引いて見ます。
安全域は、悲観でも払う値段に見合うかで測る。今の PBR は 0.83 倍、PER は 2025 年の利益で 8.7 倍、谷に近い 2026 年の利益で 15 倍強である。10 年の中立(PER 10.1 倍、還元込みの年率 +13.2%)は資本コスト 9.0% を上回り、悲観(構造的に負ける。稼ぐ力の式)でも時価総額と還元の合計は今の時価総額の約 78% にとどまる。ただし住宅は景気の振れが最も大きい業種で、利益が戻る時期と形は誰にも読めないので、確信度は事業の質(中程度)よりも値段の差に頼って控えめに置く。
何で稼ぐ会社か
売上の約 93% は一戸建て・タウンホームの引き渡しで、残りは金融サービス(自社の住宅ローン・権原保険など、売上は年約 10 億ドル)とマルチファミリー(賃貸住宅の開発)・その他(テクノロジー等への投資、ミルローズなど)です。住宅は全米の成長地域(フロリダ・テキサス・カリフォルニア・東部・中部)に 1,700 余りのコミュニティを持ち、2026 年 6〜8 月期の平均価格は 37.2 万ドル(前年 38.3 万ドル)、インセンティブは売上の約 12%、販売と着工のペースはコミュニティ当たり月 4.1 戸でそろえています。買い手は初回購入者と買い替えが中心で、ホートンの入門向けと最も重なる層です。
土地は、スピンオフしたミルローズ・プロパティーズ(Millrose)が区画を買って開発し、レナーが必要な時に買い取るオプションの仕組みで、購入または支配する約 48.8 万区画のうち自社の貸借対照表に載るのは 2.5% 未満です。ミルローズへ払う利回りは投下資本に対して約 8.5%(2026 年 6 月、レナー向け 約 60 億ドル)で、土地を持たない身軽さの代わりに、区画原価へ資金コストが乗ります。区画原価は上がり、建築原価は下がる(工期短縮・資材)という組み合わせで、粗利益率は 2022〜23 年の 20% 超から 2025 年 17.7%、2026 年 15.5% 前後へ下がってきました。
つまり利益の中心は「引き渡し戸数 × 平均価格 × (粗利益率 − 販売管理費率)」で、2026 年は 8.0〜8.1 万戸 × 37.2 万ドル × (15.5% − 9.3%) = 住宅の営業利益率 約 6.3% です。金融サービスは自社ローンの取り込みで年 4〜5 億ドルの営業利益(2026 年 6〜8 月期は一時益を含み 1.30 億ドル、第 4 四半期の見通し 0.90〜0.95 億ドル)を稼ぎ、全社の利益の 2 割弱を支えます。その他の部門はテクノロジー投資の評価損(6〜8 月期 0.53 億ドル)で赤字になる期があり、経営が「テクノロジー支出の縮小」を進めている領域です。
優良さと弱いところ
堀の第 1 は規模と調達です。年 8 万戸超の引き渡し(ホートンに次ぐ 2 位)で資材・下請けの交渉力があり、工期は 116 日(前年 126 日)、建築原価は 2023 年比 -14%(1 平方フィート当たり)まで下げました。第 2 は自社ローンと買い下げの余力で、金利の買い下げを含むインセンティブ(売上の約 12%)を出し続けられる体力があります。第 3 は土地の軽さ(自社保有 2.5% 未満)で、需要が急に落ちても土地の減損が重く出にくい構造です。
弱点は、価格を決める力が弱いことです。粗利益率はプルトグループ(25.0%)・ホートン(20.7%)・NVR(約 18%)より低い 15.8% で、売上の単価も 2023 年比 -13% と下がりました。経営は「利益より量」を明言しており(安定した生産と販売、価格の引き下げとインセンティブを許容)、値引きで台数を守る限り、粗利益率の回復は需要の戻りと原価の下げに頼ることになります。ミルローズへの利回り(約 8.5%)が区画原価に乗るので、区画を自前で安く持つホートン(子会社のフォレスターが引き渡し区画の 67% を供給)より原価で不利になりうる点も弱みです。
資本効率は今は低い状態にあります。ROE は 2022 年の 19% から 2025 年は 9.4%、2026 年は 5% 台まで下がりました。自己資本が 216 億ドルと厚いのに利益が薄いためで、ならした ROE は 14〜15% に戻ると見ますが、戻るかどうかは粗利益率と販売管理費率(9.2%)の戻り次第です。ステュアート・ミラー氏は議決権の約 41.9%(2026 年の委任状)を持ち、ジョン・ジャフィ氏は 2025 年末に共同 CEO を退きました。経営は長期の持ち主の目線ですが、決定が一極に集まる面があります。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の新築一戸建て販売は年 65〜70 万戸で、2026 年 8 月は年率 68.4 万戸(前年比 -2.0%)、在庫 8.5 か月分、販売価格の中央値は 39.4 万ドル(前年比 -5.8%)です。住宅ローンは 30 年で 7% 前後(10 年国債 5% + 差 2%、推定。レナーは 6〜8 月期末に 約 6.8% と説明)で、前提ではこの水準が続きます。高い金利で借りた人が今のローンを手放さず中古の売り物が出ない「ロックイン」のおかげで新築が増分を取っていますが、買い手の月々の支払いは限界に近く、建築業者は金利の買い下げで数量を保ちます。
需要は世帯形成と構造的な住宅不足(300〜400 万戸、推定)に支えられる一方、所得に対して家が高く、小さな家への移行が平均価格を抑えます(レナーの平均価格は 2025 年 38.6 万ドル → 2026 年 37.2 万ドル)。供給側は区画原価が上がり、建築原価は下がる動きで、関税(木材・鋼)は今の水準が続くのを中立とします。競争は、上位 4 社(ホートン・レナー・プルトグループ・NVR)で新築の 3〜4 割(推定)、残りは中小。入門向けはホートンとレナーが競り、ホートンは「量より利益率」、レナーは「量を保つ」と、方針が分かれます。
循環上の位置は、山を過ぎて下がっている途中で、2007〜09 年(新築 -70%、レナーの営業利益率 2007 年 -25.8%・2009 年 -15.0%)のような崩れ方ではなく横ばい圏の弱さにとどまります。株価はリーマン期に 81% 下がり(2007 年 6 月→2009 年 2 月)、2020 年 3 月に 42%、2022 年の利上げで 39% 下がりました。ただし今回は在庫が少なく、土地の大半がオプションなので、2007〜09 年のような土地の減損と借入の膨張は起きにくい構造です。ホートンの 4〜6 月は粗利益率 20.7%・解約率 20% で、見通しを 2 期続けて下げており、入門向け全体が弱いことが分かります。
資本政策と M&A
還元は自社株買いと配当です。2025 年は自社株買い 18 億ドル・配当 5 億ドルで、2026 年の 9 か月は買い戻しを絞って(四半期 3 百万株・約 2.6 億ドル)、株数は 2025 年の平均 2.58 億株から 6〜8 月期の 2.38 億株へ減りました。配当は年約 4.8 億ドル。経営は「負債の返済・配当・自社株買いのバランス」と説明しますが、2026 年 6 月に 4 億ドルの社債を償還し、住宅の現金は 34.4 億ドル → 11.5 億ドルへ減っており、買い戻しを増やす余地は大きくありません。
M&A は、過去にカリフォルニアの大手(CalAtlantic、2018 年・株式交換で株数 +29.9%)を買って規模を広げ、2025 年にはミルローズへの土地の移管(交換に伴う一時の損 1.56 億ドル)で土地を外に出しました。大型の買収は今は想定せず、他社に買われる可能性も低い(ミラー氏が議決権の約 41.9%)と見ます。
資本配分で見るべきは 3 点です。(1)ミルローズへの利回り(約 8.5%)は、土地を持たない身軽さの対価として妥当か。(2)テクノロジー投資(その他部門)の評価損が続かないか。(3)自己資本が 216 億ドルと厚いのに ROE が 5% 台で、資本を事業に寝かせていないか。2026 年 6〜8 月期の自社株買いは PBR 1 倍を割る水準での買いで、割高とは言えません。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 9.9 億ドル(10-Q・2025 年 12 月〜2026 年 8 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(209.7 億ドル)からも外した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
レナーは足元が谷で、そこから戻る分だけで大きく上がる。粗利益率は 17.7%(2025 年)から 15.8% へ下がったが、建築原価は 2023 年比 -14%、工期は 116 日まで縮み、同じ家をより安く早く建てられる。販売管理費率 9.2%(前年 8.2%)は、売上が 1 割落ちた局面の固定費の重さで、戻れば 8.5% に下がる。粗利益率が 17.5%・販売管理費率が 8.5% に戻るだけで、住宅の営業利益率は 9% になり、2026 年の約 6.3% から営業利益は 4 割増える。
長期では、住宅不足(300〜400 万戸)と世帯形成で新築は 10 年で 90 万戸まで増え、レナーはシェア 12% を保って約 10.8 万戸(今の 1.3 倍)を引き渡す。土地を自社で持たないので資産が重くならず、自己資本 216 億ドルは需要が戻れば利益率を上げずに戸数だけで稼ぎを増やせる余力になる。資本コスト 9.0% とならした ROE 14〜15% で式の倍率は約 15 倍。2026 年は 15 倍強の PER が谷の利益に付いているだけで、ならした純利益は 40 億ドル台で、今の時価総額(183 億ドル)はその 4〜5 倍にすぎず、差は大きい。
慎重な見方
住宅は景気で最も振れる業種で、2007〜09 年に新築は 70% 減り、レナーの株価も 81% 下がった(営業利益率は 2007 年 -25.8%)。ローン金利は 7% 前後で、買い手の月々の支払いはインセンティブ(売上の約 12%)でようやく成り立つ。粗利益率は 17.7% → 15.8% と下がり、新規受注は 6〜8 月期に前年比 -9% で、通期の引き渡しを 8.2〜8.3 万戸から 8.0〜8.1 万戸へ下げた。経営は「量を保つ」ために価格を下げ続けると明言しており、この戦略が利益の回復を遅らせる。
競争もきびしい。ホートンは粗利益率 20.7% で量より利益を守り、プルトグループは 25% を保つ。レナーだけが値引きで台数を守る形は、長く続けるほど「同じ戸数でも稼げない会社」になる。ミルローズへ払う利回り(約 8.5%)が区画原価に乗るので、区画を自前で供給するホートン(フォレスターが 67%)と原価でも差が開きうる。その他部門のテクノロジー投資は評価損を出し続け(6〜8 月期 0.53 億ドル)、マルチファミリーも小さな赤字で、本業の利益を薄める。
式の倍率 15 倍は、ならした ROE 14.5% が戻る前提だが、ROE は 2022 年の 19% から 2025 年 9.4%、2026 年 5% 台と 3 年下がり続けている。価格が物価に届かず(平均価格は 2 年で -3.6%)、区画・人件費は物価で上がるので、利益率が構造的に 6〜7% で止まれば、ROE は 10% 前後、倍率は 11〜12 倍に縮み、価値は今の時価総額の 1.5 倍にもならない。
どちらに重みを置いたか
事業の残り方(規模・土地の軽さ・自己資本の厚み)では強気の言い分が強いが、価格を決める力が弱く、経営が量のために利益率を差し出す方針である点は慎重な見方を支える。10 年は住宅不足が構造的な需要を支える一方、値引き戦略の失敗とミルローズ経由の原価の不利を悲観に入れて 16%、楽観・やや楽観は 8%・20% とした。倍率は利益ベース(資本コスト 9.0%、堀が弱いので上限 12.6 倍の 8 割)で式の外では割り引かず、景気の振れは確率と悲観の深さ(稼ぐ力の式)で表した。総合の差は +53% で割安。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 159.52 ドル379 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 73.50 ドル175 億ドル)。 今の値に割り戻すと 115.15 ドル274 億ドル、今との差 +36.4%、 期待の年率 +10.7%(資本コスト 9.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 326.39 ドル776 億ドル | 103.09 ドル245 億ドル | +408.6% | +17.7% | 34.36 ドル82 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 246.13 ドル585 億ドル | 92.57 ドル220 億ドル | +301.1% | +14.9% | 67.74 ドル161 億ドル |
| 中立 | 32% | 178.67 ドル425 億ドル | 82.48 ドル196 億ドル | +209.2% | +12.0% | 83.57 ドル199 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 90.98 ドル216 億ドル | 69.02 ドル164 億ドル | +89.5% | +6.6% | 38.40 ドル91 億ドル |
| 悲観 | 16% | 32.34 ドル77 億ドル | 23.60 ドル56 億ドル | −33.8% | −4.0% | 8.95 ドル21 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 159.52 ドル379 億ドル | 73.50 ドル175 億ドル | +175.9% | +10.7% | 233.02 ドル554 億ドル |
今の株価時価総額 84.45 ドル201 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:住宅不足が解消に向かい、量と利益率の両方で戻る 利益 66 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 326.39 ドル776 億ドル
10 年後(2035 年 11 月期)、新築は年 100 万戸へ増え(年 +3.9%)、レナーはシェア 12.8% で引き渡し約 12.8 万戸(2025 年の 1.55 倍)。平均価格は物価並みの 54.3 万ドル(2025 年比 1.41 倍)。「量を守る」戦略が実り、規模と調達の優位で粗利益率が 19.5% 台まで戻り、販売管理費率は 8.5% 台で、住宅の営業利益率は 10.8%。金融サービスの利益も 9 億ドルに増える。営業利益 88 億ドル、純利益 66 億ドル、自己資本 386 億ドル(ROE 約 17%)。g 4.5%(市場の実質 1.0% + シェア 0.1% + 価格 3.4%)・ROE 17% の利益ベースの式の 70% が 1÷k を下回るので PER 約 11.1 倍、時価総額 729 億ドル。10 年の還元は 245 億ドル。倍率は正当化 PER 13.1 倍の 9.0 割にあたる 11.8 倍に置いた。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 1,000(米国の新築一戸建て販売(千戸)× レナーのシェア)× 価格 6.95(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 38.6 万ドル、2026 年 37.2 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍・10 年 1.31 倍(小さな家への移行で物価に届かない))→ 売上 695 億ドル・営業利益 75 億ドル。市場 1000 千戸・シェア 12.8%・平均価格 54.3 万ドル、営業利益率 10.8%
- 金融サービス:数量 1,000(米国の新築一戸建て販売(千戸)(自社ローンの利用は引き渡し戸数に連動))× 価格 0.22(市場の 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年 約 0.14 万ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 9 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)
倍率:上限の正当化 PER 13.1 倍に対し、11.8 倍(9.0 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(楽観 +1.0 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 11.7%(k 9.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 17.0%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 66 億ドル × 11.8 倍で 776 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:ロックインの解消・世帯形成・原価の下げが重なり、量と利益率が両方戻る筋書き。確率 8%。
やや楽観 20% やや楽観:新築 95 万戸、シェア 12.4% で利益率も高めを維持 利益 53 億ドル · PER 11.0 倍 · 株価時価総額 246.13 ドル585 億ドル
新築は年 95 万戸(年 +3.4%)、シェア 12.4% で引き渡し約 11.8 万戸、平均価格は 52.8 万ドル(2025 年比 1.37 倍)。粗利益率 18.5%、販売管理費率 8.6% で住宅の営業利益率 9.9%。規模と調達の優位が利益に残り、ホートンとの差を保つ。金融サービスの営業利益は 7.8 億ドルに増える。営業利益 71 億ドル、純利益 53 億ドル、自己資本 332 億ドル(ROE 約 16%)。g 4.2%・ROE 16% で PER 約 11.1 倍(1÷k の床)、時価総額 591 億ドル(今の 3.2 倍)。10 年の還元は 220 億ドル。倍率は正当化 PER 12.9 倍の 8.5 割にあたる 11.0 倍に置いた。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 950(米国の新築一戸建て販売(千戸)× レナーのシェア)× 価格 6.55(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 38.6 万ドル、2026 年 37.2 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍・10 年 1.31 倍(小さな家への移行で物価に届かない))→ 売上 622 億ドル・営業利益 62 億ドル。市場 950 千戸・シェア 12.4%・平均価格 52.8 万ドル、営業利益率 9.9%
- 金融サービス:数量 950(米国の新築一戸建て販売(千戸)(自社ローンの利用は引き渡し戸数に連動))× 価格 0.21(市場の 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年 約 0.14 万ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 8 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)
倍率:上限の正当化 PER 12.9 倍に対し、11.0 倍(8.5 割)に置いた。中立の 8.0 割に、利益の質がよい分を上乗せした(やや楽観 +0.5 割)。上限の中身は g 4.0%、RONIC 11.3%(k 9.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 16.0%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 53 億ドル × 11.0 倍で 585 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:世帯形成が続き、規模と調達の優位が利益に出る筋書き。確率 20%。
中立 32% 中立:新築 90 万戸、シェア 12%、ならした営業利益率 9.2% 利益 42 億ドル · PER 10.1 倍 · 株価時価総額 178.67 ドル425 億ドル
新築は年 90 万戸(今の 1.3 倍、年 +2.8%)。レナーのシェアは 12.0% で引き渡し約 10.8 万戸(2025 年の 1.3 倍)、平均価格は 50.5 万ドル(2025 年比 1.31 倍。小さな家への移行で物価の 1.41 倍には届かない)。売上は約 545 億ドル(今の 1.7 倍)。粗利益率 17.7% 前後、販売管理費率 8.5% 台で、住宅の営業利益率は景気の山谷をならして 9.2%。営業利益 57 億ドル、純利益 42 億ドル、自己資本 291 億ドル。g 4%(市場の実質 0.7% + シェア 0 + 価格 3.3%)・ROE 14.5%・k 9.0% の利益ベースの式(13.1 倍)の 70% が 1÷k を下回るので PER 約 11.1 倍、時価総額 468 億ドル(今の 2.6 倍)。10 年の還元は 196 億ドル(純利益の合計の約 7 割)。倍率は正当化 PER 12.6 倍の 8.0 割にあたる 10.1 倍に置いた。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 900(米国の新築一戸建て販売(千戸)× レナーのシェア)× 価格 6.06(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 38.6 万ドル、2026 年 37.2 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍・10 年 1.31 倍(小さな家への移行で物価に届かない))→ 売上 545 億ドル・営業利益 50 億ドル。市場 900 千戸・シェア 12.0%・平均価格 50.5 万ドル、営業利益率 9.2%
- 金融サービス:数量 900(米国の新築一戸建て販売(千戸)(自社ローンの利用は引き渡し戸数に連動))× 価格 0.18(市場の 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年 約 0.14 万ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 6 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)
倍率:上限の正当化 PER 12.6 倍に対し、10.1 倍(8.0 割)に置いた。新しく投じる資本の稼ぎは先で薄れるので 8.0 割に置いた。上限の中身は g 4.0%、RONIC 10.8%(k 9.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 14.5%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 42 億ドル × 10.1 倍で 425 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:業界ノートの中立(新築は 10 年で 85〜95 万戸、価格は物価より低い伸び、粗利益率は横ばい)に沿う。ならした利益で見る。
やや悲観 24% やや悲観:新築 82 万戸、値引きが続き営業利益率が 6.8% に 利益 24 億ドル · PER 8.9 倍 · 株価時価総額 90.98 ドル216 億ドル
新築は年 82 万戸(年 +1.9%)、レナーのシェアは 11.4% に下がって引き渡し約 9.4 万戸、平均価格は 47.5 万ドル(2025 年比 1.23 倍。物価に届かない)。粗利益率は 16.2%、販売管理費率 9.4% で、住宅の営業利益率は 6.8%。営業利益 33 億ドル、純利益 24 億ドル、自己資本 211 億ドル。g 3.5%(市場の実質 0.3% + シェア -0.1% + 価格 3.3%)・ROE 11.5%・k 9.0% で PER 約 11.1 倍(1÷k の床)、時価総額 270 億ドル(今の 1.5 倍)。10 年の還元は 164 億ドル。倍率は正当化 PER 11.9 倍の 7.5 割にあたる 8.9 倍に置いた。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 820(米国の新築一戸建て販売(千戸)× レナーのシェア)× 価格 5.42(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 38.6 万ドル、2026 年 37.2 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍・10 年 1.31 倍(小さな家への移行で物価に届かない))→ 売上 444 億ドル・営業利益 30 億ドル。市場 820 千戸・シェア 11.4%・平均価格 47.5 万ドル、営業利益率 6.8%
- 金融サービス:数量 820(米国の新築一戸建て販売(千戸)(自社ローンの利用は引き渡し戸数に連動))× 価格 0.16(市場の 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年 約 0.14 万ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 4 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)
倍率:上限の正当化 PER 11.9 倍に対し、8.9 倍(7.5 割)に置いた。中立(8.0 割)より 0.5 割低くした。利益の質が悪い筋書きだからだ。上限の中身は g 4.0%、RONIC 9.8%(k 9.00% + 残る割合 0.33 ×(事業の ROE − k))、moat は 弱い。式は (1−g÷RONIC)÷(k−g)。事業の ROE 11.5%(帳簿の自己資本 ROE(その筋書きの純利益 ÷ 自己資本))。時価総額は、書いた純利益 24 億ドル × 8.9 倍で 216 億ドル。純負債と利払いは純利益に入っているので、借金はさらに引かない。
確率:入門向けの値引きが長く続き、区画・人件費の上昇を転嫁できない筋書き。確率 24%。
悲観 16% 悲観:構造的に負ける(量を守る戦略が裏目に出て、利益率が定着して低下) 利益 7 億ドル · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 32.34 ドル77 億ドル
10 年後、住宅ローン金利が高いまま若い世帯の購入力が戻らず、新築は年 62 万戸で停滞する(2025 年より低い)。レナーは量を守る戦略で引き渡しを保とうとするがシェアは 10.5% に下がり(約 6.5 万戸)、平均価格は 43.0 万ドル(2025 年比 1.11 倍。物価に大きく届かない)。粗利益率は 14% 台で定着し、住宅の営業利益率は 3.5%。営業利益 9 億ドル、純利益 7 億ドル、自己資本 170 億ドル。もう価格を決められる会社ではなく、普通の循環企業として扱われ、時価総額は稼ぐ力(純利益 6.9 億ドル ÷ 資本コスト 9.0% = 約 77 億ドル)で、今の自己資本 220 億ドルの 0.35 倍、今の時価総額の 4 割強。10 年の還元は 56 億ドル(配当を保ち、自社株買いは止める)。
- 住宅(一戸建て・タウンホーム):数量 620(米国の新築一戸建て販売(千戸)× レナーのシェア)× 価格 4.52(シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 38.6 万ドル、2026 年 37.2 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍・10 年 1.31 倍(小さな家への移行で物価に届かない))→ 売上 280 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場 620 千戸・シェア 10.5%・平均価格 43.0 万ドル、営業利益率 3.5%
- 金融サービス:数量 620(米国の新築一戸建て販売(千戸)(自社ローンの利用は引き渡し戸数に連動))× 価格 0.13(市場の 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年 約 0.14 万ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。自社ローンの利用(引き渡し戸数に連動)
倍率:悲観は稼ぐ力で測る:純利益 6.9 億ドル ÷ 資本コスト 9.0% = 約 77 億ドルで、今の自己資本 220 億ドルの 0.35 倍(ROE が k を大きく下回る会社は帳簿より安く評価されるのが式の結果)。谷に近い純利益に PER を掛けると二重に下げるので PER は使わない。市場の値付けには寄せていない。自己資本は今の値に掛け、悲観で積み上げた値には掛けない。EV でも見た:純負債 23 億ドルは時価総額に比べ小さく、利益の倍率で見て大きな差は出ない。
確率:景気後退の谷を 1 度以上経たうえ、金利高止まりで新築が 62 万戸で停滞し、量を守る戦略が利益を戻せず、ミルローズ経由の原価も不利になる筋書き。確率 16%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
住宅(一戸建て・タウンホーム)
初回購入者・買い替え・シニアの各層に全米の成長地域で引き渡す。売上の約 93%。
| 数量米国の新築一戸建て販売(千戸)× レナーのシェア | 価格シェア × 1 戸の平均価格(万ドル)。2025 年 38.6 万ドル、2026 年 37.2 万ドル。中立は 3 年 1.03 倍・10 年 1.31 倍(小さな家への移行で物価に届かない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 680 | 4.69 | 319 | 29 |
| 10 年後 中立 | 900 | 6.06 | 545 | 50 |
取り方:市場は米国の新築一戸建て販売 年 68 万戸(2025 年、Census と業界ノート)。レナーの引き渡し 82,583 戸でシェア 12.14%、平均価格 38.6 万ドル(売上 318.8 億ドル ÷ 82,583 戸)。売上 = 市場 × シェア × 平均価格 × 0.1(千戸 × 万ドル → 億ドル)。営業利益は住宅の粗利益率 17.7% − 販売管理費率 約 8.8% = 約 8.9%(推定)。競合はホートン(シェア 約 12.7%)、プルトグループ(約 4.3%)、NVR(約 3%)。
金融サービス
自社の住宅ローン・権原保険など。売上の約 3%(推定)。
| 数量米国の新築一戸建て販売(千戸)(自社ローンの利用は引き渡し戸数に連動) | 価格市場の 1 戸あたりの金融サービス売上(万ドル。2025 年 約 0.14 万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 680 | 0.14 | 10 | 5 |
| 10 年後 中立 | 900 | 0.18 | 16 | 6 |
取り方:2025 年第 4 四半期の営業利益 1.34 億ドル、2026 年 6〜8 月期 1.30 億ドル(一時益 0.39 億ドルを含む)、第 4 四半期の見通し 0.90〜0.95 億ドルから、年の営業利益は約 4〜5 億ドル(推定)。売上 約 9.5 億ドル(推定)。
リスクと懸念
住宅ローン金利が下がらない
市場の金利は 7% 前後、10 年国債は 5% で、前提では下がらない。買い手の月々の支払いは売上の約 12% のインセンティブでようやく成り立ち、外せば数量が減り、続ければ粗利益率が削られる。粗利益率は 2025 年 17.7% → 2026 年 15.5% 前後と下がり、新規受注は前年比 -9%。
景気後退と循環の落ち込み
2007〜09 年は新築が約 70% 減り、レナーの営業利益率は 2007 年 -25.8%・2009 年 -15.0%、株価は 81% 下がった。今回は土地がオプション中心で借入も軽いが、景気後退が来れば引き渡しは 4 割減り、粗利益率は 10% 台前半、営業利益は赤字に落ちうる。
「量を守る」戦略の失敗
経営は価格とインセンティブを差し出して安定した量を守る方針。平均価格は 2025 年 38.6 万ドル → 2026 年 37.2 万ドルと下がり、1 平方フィート当たり売上は 2023 年比 -13%。数量を保っても利益が戻らず、競合(ホートン・プルトグループ)は利益率を守るのでシェアの差が広がる懸念もある。
ミルローズ経由の区画原価
区画の大半はミルローズから買い取るオプションで、投下資本に約 8.5% の利回り(2026 年 6 月 約 60 億ドル)を払う。区画原価は上がっており、自前の区画開発(ホートンのフォレスター)より原価で不利になりうる。ミルローズは他の十数社とも取引を広げており、レナーの優先度が下がるリスクもある。
販売管理費の重さ
販売管理費率は 8.2% → 9.2% と 1 ポイント上がった。売上が減り、コミュニティ数 1,713 とテクノロジー支出が先行する形で、第 4 四半期の見通しは 8.7〜9.0%。オーバーヘッド削減とテクノロジー支出の縮小が効かなければ、売上が戻らない限り利益率が戻らない。
その他部門・テクノロジー投資の評価損
6〜8 月期にテクノロジー投資の評価損 0.53 億ドル、マルチファミリーの営業損失もある。2025 年は評価益 1.3 億ドルがあったが、ミルローズの交換で 1.56 億ドルの一時損も出ており、本業以外の損益のぶれが全社の純利益に出る。
資本の余力と議決権の集中
住宅の現金は 34.4 億ドル → 11.5 億ドルに減り、リボルバー 6.5 億ドルを使い、4 億ドルの社債を償還した。買い戻しを増やす余力は大きくない。議決権の約 41.9% を持つミラー氏に決定が集まり、共同 CEO だったジャフィ氏も 2025 年末に退いて、経営の一極集中が進む。
今後の分かれ目
- 30 年のローン金利が下がらず、新規受注が前年比マイナスのままなら
- やや悲観の確率を上げる。粗利益率は 15% 台のまま、営業利益は今より 3〜4 割少ない水準が続く。
- 粗利益率が 16.5〜17% に戻り、販売管理費率が 8.7〜9.0% で定着したら
- 住宅の営業利益率は 8〜8.5% に戻り、中立が上へずれる。やや楽観の確率を上げる。
- 新築販売が年率 50 万戸割れ、解約が急増したら
- 悲観(営業利益は赤字、倍率が縮む)に当たる。土地がオプション中心で借入も軽く、倒産の心配は小さいが、減損と倍率の縮みで時価総額は今の約半分になる。
- レナーがインセンティブを売上の 10% 以下に下げても受注が減らなかったら
- 価格を決める力が戻っている。シェアと利益率の両方で楽観側へ寄せてよい。
- ミルローズの利回りが上がる、または他社向けに区画を優先して出したら
- 区画原価が上がり、粗利益率が 1 ポイント下がる。悲観側の確率を上げる。
- 大型の買収やテクノロジー投資の評価損が続いたら
- 資本配分の評価を下げる。自己資本利益率の回復が遅れる。
- 議決権を持つミラー氏が経営から退くなど体制が大きく変わったら
- 方針(量を守る)が変わる可能性。利益率重視になれば、ホートンやプルトグループのような価格の運用になる。
見ておくもの
- 住宅ローン金利(30 年)と、インセンティブ率(売上の約 12%)
- 新築販売の年率戸数と在庫月数(Census)、レナーの新規受注・受注残(16,857 戸)・解約率
- レナーの粗利益率(15.8%)と販売管理費率(9.2%)、平均価格(37.2 万ドル)
- ホートン・プルトグループのインセンティブ率と粗利益率(レナーとの差)
- ミルローズのレナー向けオプション残高(約 64 億ドル)と利回り(8.5%)、他社向けの拡大
- 住宅の現金(11.5 億ドル)・負債比率(16.6%)・自社株買いの額
- その他部門(テクノロジー投資の評価損)とマルチファミリーの損益
倍率と資本コストの決め方
今の PER(2025 年の利益で 8.7 倍、谷に近い 2026 年の利益で 15 倍強)や PBR 0.83 倍を見る前に、新築市場(68 万戸)× シェア(12.1%)× 価格で売上を、営業利益率で利益を積み、そのあと ROE・g・k から倍率を決めた。資本コストは基本 8.0% + quality +1.0% の 9.0%(業界ノートの 10.5〜11.5% には寄せていない)。利益ベースの PER は ROE 14.5%・g 4%・k 9.0%・残る割合 1/3 で上限 12.6 倍、その 7〜9 割で倍率を置いた(中立 10.1 倍)。中立の利益はすでに景気の山谷をならした値(住宅の営業利益率 9.2%)で、式の外で割り引かない(二重の下げになる)。悲観は稼ぐ力(純利益 ÷ k)で置いた。過去の PER や今の値には寄せていない。結果は 10 年で大きな割安(差 +53%)だが、谷の利益が戻る時期と形は誰にも読めず、確信度は控えめに置いた。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β 1.26 × 5%。資本コスト k = 基本 8.0% + quality +1.0% = 9.0%(v2。株価の揺れ(β)は使わない)。住宅は景気と金利で需要が最も大きく振れるので cycle で見た。財務は堅く、堀は弱い。個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益率と確率、悲観の深さで表した。extra は 0。