結論
シー・エス・ランバーは、千葉が地盤の木材のプレカット、つまり家の柱や梁を工場で寸法どおりに加工する会社だ。木造の家や施設を建てる請負と、保育所などを貸す賃貸も営む。筆者の結論は、今の値段はほぼ適正だ、というものだ。
本業のプレカットは苦しい。新しく建つ家の数が減り、限られた注文を同業と値段で取り合う。2026/05期のプレカットの利益は、売上144億円に対して0.6億円しか残らなかった。
代わりに会社を支えるのが、賃貸だ。保育所23件とアパートなど43件を持ち、営業利益の6割を稼ぐ。ただ、その物件は借入で買った。借入は127億円あり、金利が上がるほど利払いが利益を削る。
10年後の中立では、プレカットの量は2割減り、建築請負と賃貸で補う。純利益は約11億円に戻るが、ROEは資本コストを下回る。今の時価総額は自己資本の4割ほどで、安く見えるが、それに見合う稼ぐ力の弱さがある。確率を重ねた本質価値は、今の時価総額とほぼ同じだ。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、本業と賃貸を分けて見る必要がある。
プレカットは、持ち続けたい事業ではない。量は家の数とともに減り、値段は同業との取り合いで決まる。利益は木材の市況しだいで、良い年は大きく出るが、悪い年はほぼ消える。
賃貸は、安定した稼ぎだ。保育所は長い契約で借りてもらえ、家賃は毎年入る。ただ、その物件は借入で買ったもので、金利が上がれば、もうけは利払いに消える。物件の利回りが借入の金利をわずかに上回るだけなら、株主の価値は増えない。
経営の資本の使い方にも、注文を付けたい。本業の利益が落ちる中で、借入を増やして物件を買い進めた。中期の目標は過去に大きく外れた。還元は利益の2割で、残りは物件に回る。
今の時価総額は自己資本の4割ほどで、帳簿の上では安い。だが、資本コストに届かない利益しか生まない資産は、帳簿どおりの価値を持たない。安全域は、賃貸の物件を時価で売れる値段にかかっている。
何で稼ぐ会社か
シー・エス・ランバーは、四つの事業を持つ。柱はプレカット事業で、売上の7割を占める。
プレカットは、家を建てる前に柱や梁、壁の板を工場の機械で寸法どおりに切り、継ぎ手まで加工しておく仕事だ。大工が現場で刻む手間が要らなくなり、今では木造の家のほとんどがプレカットを使う。顧客は千葉と首都圏の工務店と住宅会社だ。2026/05期は5,106棟分、212千坪を出荷した。日本の伝統的な柱と梁の工法と、ツーバイフォーの両方に対応する。外壁の板を切るサイディングのプレカットも始めた。
二つめは建築請負事業だ。木造の家や、保育所や介護施設などの大きな木造の建物を建てる。2026/05期は188棟を完成させ、売上は58億円だった。材料の提供と建て方の工事をまとめて請ける「材工一体」で、工務店の人手不足に応える。
三つめは不動産賃貸事業だ。保育所23件、アパートや福祉施設など43件を持ち、家賃で年13億円を稼ぐ。自社で建てて貸す物件も多い。
四つめは土地と建売の販売で、規模は小さい。
費用の柱は、木材の仕入れ、工場と配送の費用、賃貸の物件の償却と借入の利息だ。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは、プレカットではほとんど無い。
プレカットの工場は全国にあり、加工の機械も同じ会社のものを使う。首都圏でも、大手の住宅会社の系列や木材の商社の工場が並ぶ。家の数が減る中で、注文を取るには値段を下げるしかない。2026/05期のプレカットの利益率は0.4%まで落ちた。木材の値段が急に上がった2022年は、利益が大きく出たが、それは市況の追い風だった。
強みを挙げるなら、加工から配送、建て方の工事、建築、賃貸までを一つのグループで回せる点だ。工務店にとっては、材料と工事をまとめて頼める相手になる。大きな木造の施設を建てた実績も積み上がった。
賃貸は、安定した稼ぎだ。保育所は自治体の制度に支えられ、長い契約で借りてもらえる。ただ、子どもの数は減り続ける。
資本効率は下がった。ROEは2022年の40%から6%まで落ちた。利益が減る中で、借入で物件を買い、総資産は自己資本の2.5倍になった。経営の計画も、前の中期の目標は経常利益で半分にも届かなかった。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
プレカットの量は、新しく建つ木造の家の数で決まる。その数は、長い下り坂にある。人口と世帯の数が減り、空き家が増えている。2025年4月の建築基準法の改正の前に駆け込みがあり、その反動で着工はさらに落ちた。2026/05期までの1年で、新しく建った家は5%減った。
値段の面では、木材と建材の値段が上がり、住宅の値段も上がった。住宅ローンの金利の上昇も重なり、家を建てる人の気持ちは冷えている。プレカットの会社は、加工の値段を上げにくい。
一方、追い風もある。大工が減り、現場で木を刻める人はいなくなった。プレカットは、なくてはならない工程だ。建て方の工事まで請ける会社は、工務店に重宝される。脱炭素で、保育所や店などの中くらいの建物を木で建てる動きも広がる。
10年の中立では、新しく建つ木造の家は2割ほど減り、プレカットの量も同じく減る、と筆者は見る。値段は物価並みに上がるが、利益率は薄いままだ。勝ち残るのは、工事まで含めて請ける会社と、規模で工場を回せる会社だ。
首都圏は、地方よりも土地が高く、小さな家や3階建ての家が多い。構造の計算と加工の精度を求められ、加工の手間がかかる分、少しだけ値段を取りやすい。
資本政策と M&A
還元は、配当だけだ。配当は年1.5億円ほどで、利益の2割前後にとどまる。自社株買いはしていない。
資金の多くは、賃貸の物件に回る。2026/05期は11件を買い、賃貸の物件の簿価は176億円になった。その資金は、主に長期の借入で賄った。借入と社債とリースは合わせて127億円ある。現金と預金は51億円あり、うち半分ほどは3か月を超える定期預金だ。純負債は約71億円になる。
金利が上がると、この形は苦しくなる。今の借入は低い金利で借りたものが多いが、借り換えのたびに3.5〜4%に上がる。賃貸の物件の利回りと借入の金利の差は、ほとんど無くなる。
株は、中井千代助社長の資産管理の会社が36%、一族で合わせて4割台を持つ。オーナーの会社で、買収の提案が来ても社長の判断で決まる。2026年には監査法人を替え、決算の発表も1日遅れた。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
強気の見方は、本業の谷と賃貸の安定の組み合わせを買い場と見る。
プレカットの利益は、2026/05期にほぼ消えた。だが、それは建築基準法の改正の前の駆け込みの反動と、値段の取り合いが重なった谷だ。会社の2027/05期の計画は営業利益15億円で、第1四半期も増益だった。大工が減る中で、材料と建て方の工事をまとめて請ける形は、工務店に重宝される。
建築請負は伸びている。保育所や介護施設などの大きな木造の建物は、脱炭素の流れで首都圏で増える。完工の実績を積んだ会社は少ない。
賃貸は、営業利益の6割を稼ぐ安定した柱だ。保育所は長い契約で借りてもらえ、既存の物件の償却は物価で増えない。家賃が少しでも上がれば、利益はそのまま増える。
今の時価総額は、自己資本の4割ほどだ。賃貸の物件は簿価で176億円あり、時価で売れれば、借入を返しても株主にかなりの額が残る。
さらに、借入の多くは長い期間の固定の金利で借りており、金利の上昇が利払いに表れるまでには時間がかかる。その間に家賃の見直しを進めれば、差は保てる。
慎重な見方
慎重な見方は、本業の先細りと、借入で買った物件の危うさを突く。
プレカットの量は、新しく建つ家の数で決まる。その数は人口とともに長く減る。値段は同業との取り合いで決まり、利益は木材の市況しだいだ。2022年の大きな利益は木材の値上がりの一時の追い風で、実力ではない。
賃貸は、借入で買った。借入は127億円あり、総資産は自己資本の2.5倍になった。今は低い金利で借りているが、借り換えのたびに3.5〜4%に上がる。保育所の家賃の利回りと借入の金利の差は、ほとんど無くなる。子どもの数が減れば、保育所の借り手も細る。
経営の確かさにも疑問がある。前の中期の計画は、経常利益の目標の半分にも届かなかった。2026年には決算の発表が1日遅れ、監査法人も替わった。
自己資本の4割という値段は、資本コストに届かない利益しか生まない資産に付く、当然の値段だ。
しかも、オーナーの一族が4割台を持ち、物件を売って株主に返す道は社長の判断しだいだ。帳簿の価値は、少数の株主の手には届きにくい。
どちらに重みを置いたか
強気の見方は、プレカットの谷と賃貸の安定を正しく見ている。慎重な見方は、家の数の長い減少と金利の上昇という、動かしにくい構造に立つ。どちらの言い分にも数字の裏づけがあり、勝ち負けははっきりしない。
そこで中立を厚くし、強気の側と慎重な側をほぼ同じ重さにした。賃貸の物件の時価が帳簿を上回るかどうかは確かめられず、床には数えなかった。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/05 期)
確率で加重した株価時価総額 6,134 円113 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1,063 円20 億円)。 今の値に割り戻すと 3,350 円62 億円、今との差 +27.5%、 期待の年率 +10.6%(資本コスト 8.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 11,001 円204 億円 | 1,622 円30 億円 | +380.3% | +17.0% | 1,262 円23 億円 |
| やや楽観 | 22% | 8,650 円160 億円 | 1,351 円25 億円 | +280.6% | +14.3% | 2,200 円41 億円 |
| 中立 | 36% | 6,671 円123 億円 | 1,081 円20 億円 | +195.0% | +11.4% | 2,791 円52 億円 |
| やや悲観 | 20% | 2,684 円50 億円 | 811 円15 億円 | +33.0% | +2.9% | 699 円13 億円 |
| 悲観 | 12% | 1,606 円30 億円 | 432 円8 億円 | −22.4% | −2.5% | 245 円5 億円 |
| 加重平均 | 100% | 6,134 円113 億円 | 1,063 円20 億円 | +173.9% | +10.6% | 7,197 円133 億円 |
今の株価時価総額 2,628 円49 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 10% 材工一体と大型の木造で中期の目標に届く 利益 18 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 11,001 円204 億円
材料の提供と建て方の工事をまとめて請ける形が、工務店の人手不足で一気に広がる。プレカットの量は家の数ほど減らず、今の95%を保つ。外壁の板の加工も伸び、利益率は5%に戻る。
建築請負は、保育所や店などの大きな木造の建物で伸びる。完工は338棟に増え、利益率は6.5%に上がる。脱炭素の流れで、木造の施設の注文は首都圏で増え続ける。
賃貸の物件は100件に増える。家賃は長い契約の見直しで少しずつ上がり、既存の物件の償却は取得の時の値段のままなので、利益率は55%に上がる。
営業利益は32億円を超え、借入の利息が増えても純利益は18億円近くになる。オーナーの会社のまま、首都圏の木造の建物を一手に担う会社になる。
- プレカット事業(在来・ツーバイフォー・サイディング):数量 201(出荷坪数(千坪))× 価格 9.12(1坪あたりの売上(万円))→ 売上 184 億円・営業利益 9 億円。坪数0.95倍、単価1.34倍、利益率5%
- 建築請負事業:数量 338(完工棟数(棟))× 価格 4,142(1棟あたりの売上(万円))→ 売上 140 億円・営業利益 9 億円。完工1.8倍、単価1.34倍、利益率6.5%
- 不動産賃貸事業(保育所・アパート・福祉施設):数量 100(賃貸の物件数(件))× 価格 2,443(1件あたりの年間家賃(万円))→ 売上 24 億円・営業利益 13 億円。100件、家賃1.2倍、償却は取得時の値段で利益率55%
倍率:事業の純利益 18 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.4% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.43 倍、時価総額 204 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:中期の計画は2028/05期に純利益19億円を掲げるが、前の計画は半分にも届かなかった。工事と大型の木造が大きく伸び、プレカットの利益も戻る姿は1割とみた。
やや楽観 22% プレカットは細るが、工事と賃貸で伸びる 利益 14 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 8,650 円160 億円
プレカットの量は家の数とともに12%減るが、建て方の工事と組み合わせた注文で値段の下落を止める。利益率は4%に戻る。
建築請負は大きな木造の建物で伸び、完工は1.5倍の282棟になる。東京の事業所は閉じるが、千葉と神奈川で注文を取る。利益率は6%だ。
賃貸の物件は92件に増える。新しく買う物件は借入で賄い、利払いは増えるが、既存の物件の償却が増えない分、賃貸の利益率は53%に上がる。
営業利益は約26億円、純利益は14億円ほどになる。配当は少しずつ増えるが、利益の大半は物件と借入の返済に回る。ROEは7%ほどで、資本コストにはまだ届かない。
- プレカット事業(在来・ツーバイフォー・サイディング):数量 187(出荷坪数(千坪))× 価格 9.12(1坪あたりの売上(万円))→ 売上 170 億円・営業利益 7 億円。坪数0.88倍、単価1.34倍、利益率4%
- 建築請負事業:数量 282(完工棟数(棟))× 価格 4,142(1棟あたりの売上(万円))→ 売上 117 億円・営業利益 7 億円。完工1.5倍、利益率6%
- 不動産賃貸事業(保育所・アパート・福祉施設):数量 92.0(賃貸の物件数(件))× 価格 2,443(1件あたりの年間家賃(万円))→ 売上 22 億円・営業利益 12 億円。92件、家賃1.2倍、利益率53%
倍率:事業の純利益 14 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.1% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.43 倍、時価総額 160 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2027/05期の会社の計画は営業利益15億円で、第1四半期も増益だった。工事と賃貸で本業の縮みを補う姿は十分ありうる。2割強に置いた。
中立 36% プレカットは2割減、賃貸と工事で補う 利益 11 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 6,671 円123 億円
新しく建つ木造の家は10年で2割減り、プレカットの量も同じく減る。加工の値段は物価並みに上がるが、同業との取り合いで利益率は3%にとどまる。工場と配送の効率化で、今の極端に低い利益率からは戻る。
建築請負は、工務店の人手不足と木造の施設の広がりで少しずつ伸び、完工は244棟になる。利益率は5.5%だ。
賃貸の物件は85件に増える。保育所の家賃は長い契約で、物価ほどは上がらない。既存の物件の償却は取得の時の値段のままなので、利益率は52%に少し上がる。一方、借入の金利は3.5〜4%に上がり、利払いは今の4倍近くに増える。
営業利益は約21億円、純利益は約11億円になる。ROEは6%弱で、資本コストに届かない。配当は利益の2割ほどで続く。
- プレカット事業(在来・ツーバイフォー・サイディング):数量 170(出荷坪数(千坪))× 価格 9.12(1坪あたりの売上(万円))→ 売上 155 億円・営業利益 5 億円。坪数0.8倍、単価1.34倍、利益率3%
- 建築請負事業:数量 244(完工棟数(棟))× 価格 4,142(1棟あたりの売上(万円))→ 売上 101 億円・営業利益 6 億円。完工1.3倍、利益率5.5%
- 不動産賃貸事業(保育所・アパート・福祉施設):数量 85.0(賃貸の物件数(件))× 価格 2,341(1件あたりの年間家賃(万円))→ 売上 20 億円・営業利益 10 億円。85件、家賃1.15倍(保育所の長期の契約で物価に遅れる)、利益率52%
倍率:事業の純利益 11 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.8% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.43 倍、時価総額 123 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:家の数の減少は止まらず、プレカットの値段の取り合いも続く。工事と賃貸が少しずつ伸びて全体の利益を保つ姿が、いちばん起こりやすいとみた。
やや悲観 20% 着工の落ち込みと金利で利益が細る 利益 4 億円 · PER 8.0 倍 · 株価時価総額 2,684 円50 億円
住宅ローンの金利の上昇と建築費の高さで、家を建てる人がさらに減る。プレカットの量は3割減り、値段の取り合いで利益はほぼ出ない。
建築請負も伸びず、完工は今と同じ188棟にとどまる。利益率は3%だ。賃貸は新しい物件をあまり買えず、75件で止まる。家賃はわずかに上がるだけで、修繕の費用もかさむ。
借入の金利は3.5〜4%に上がり、利払いは今の4倍近くになる。賃貸の物件の利回りと借入の金利の差がほとんど無くなり、賃貸は利払いを払うためだけの事業になる。
純利益は4億円ほどで、ROEは3%に届かない。配当は今の額で続くが、増やす余力は無い。
- プレカット事業(在来・ツーバイフォー・サイディング):数量 148(出荷坪数(千坪))× 価格 8.85(1坪あたりの売上(万円))→ 売上 131 億円・営業利益 1 億円。坪数0.7倍、単価1.3倍、利益率0.5%
- 建築請負事業:数量 188(完工棟数(棟))× 価格 3,864(1棟あたりの売上(万円))→ 売上 73 億円・営業利益 2 億円。完工横ばい、利益率3%
- 不動産賃貸事業(保育所・アパート・福祉施設):数量 75.0(賃貸の物件数(件))× 価格 2,240(1件あたりの年間家賃(万円))→ 売上 17 億円・営業利益 8 億円。75件、家賃1.1倍、修繕で利益率48%
倍率:純利益約4.2億円、ROEは3%に届かない。稼ぐ力の価値は純利益÷kで約45億円。ためた利益が額面を下回る分を見て8倍。EV(時価総額+今の純負債71億円)は営業利益の約9倍で、借金を含めても高くない。
確率:2026/05期のプレカットの利益はほぼ消え、住宅ローンの金利も上がっている。家の数が想定より速く減り、利払いが重くなる筋書きの現実味は高く、2割に置いた。
悲観 12% プレカットが赤字になり、賃貸で借入を払うだけに 利益 −2 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 1,606 円30 億円
構造的に負ける筋書きだ。新しく建つ木造の家は半分近くまで減る。首都圏のプレカットの工場は余り、値段の叩き合いで赤字になる。工場の一部を閉じる。
建築請負も、工務店の廃業と注文の減少で縮む。賃貸は70件で止まり、保育所は子どもの減少で借り手が抜け、家賃の見直しを求められる。
借入の金利は上がり、賃貸の稼ぎはほぼ利払いに消える。工場の減損と閉鎖の費用で最終損益は赤字になる。物件を売って借入を返そうにも、金利の上昇で物件の値段は下がり、簿価を割る。
株主に残るのは、物件と工場を売って借入を返した後の、わずかな残りだけだ。
- プレカット事業(在来・ツーバイフォー・サイディング):数量 117(出荷坪数(千坪))× 価格 8.17(1坪あたりの売上(万円))→ 売上 95 億円・営業利益 −3 億円。坪数0.55倍、赤字
- 建築請負事業:数量 132(完工棟数(棟))× 価格 3,709(1棟あたりの売上(万円))→ 売上 49 億円・営業利益 0 億円。完工0.7倍、損益ゼロ
- 不動産賃貸事業(保育所・アパート・福祉施設):数量 70.0(賃貸の物件数(件))× 価格 2,138(1件あたりの年間家賃(万円))→ 売上 15 億円・営業利益 7 億円。70件、家賃1.05倍、利益率45%
倍率:赤字で稼ぐ力では測れない。床の資産(floor_assets)から置き、今の自己資本119億円の0.25倍。EV(時価総額+純負債約71億円、facts の純負債98億円なら約128億円)は営業利益3.9億円の25〜33倍と高く見えるが、営業利益がほぼ消えた谷の値で、物件と工場の売却価値で見る。
確率:家の数の減少と同業の値下げで、プレカットの工場が赤字になる道は現実にある。借入が重く、物件を売っても簿価を割る恐れがある。1割強に置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
プレカット事業(在来・ツーバイフォー・サイディング)
木造の家の柱・梁・壁の板を工場で寸法どおりに加工し、工務店と住宅会社に売る。
| 数量出荷坪数(千坪) | 価格1坪あたりの売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 212 | 6.81 | 144 | 1 |
| 10 年後 中立 | 170 | 9.12 | 155 | 5 |
取り方:出荷坪数212千坪とセグメントの売上144.3億円(グループ内の売上を含む)、利益0.55億円は短信の開示。1坪あたり約6.8万円。
建築請負事業
木造の家と、保育所や介護施設などの大きな木造の建物を建てる。
| 数量完工棟数(棟) | 価格1棟あたりの売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 188 | 3,091 | 58 | 3 |
| 10 年後 中立 | 244 | 4,142 | 101 | 6 |
取り方:完工188棟(大型の木造27棟を含む)とセグメントの売上58.1億円、利益3.36億円は短信の開示。1棟あたり約3,100万円。
不動産賃貸事業(保育所・アパート・福祉施設)
保育所23件とアパート・福祉施設など43件を持ち、家賃を受け取る。
| 数量賃貸の物件数(件) | 価格1件あたりの年間家賃(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/05 | 66.0 | 2,036 | 13 | 7 |
| 10 年後 中立 | 85.0 | 2,341 | 20 | 10 |
取り方:物件66件とセグメントの売上13.44億円、利益6.75億円は短信の開示。1件あたり年約2,000万円。期中に11件を買ったので、通年の家賃はもう少し多い。
リスクと懸念
住宅着工の減少
プレカットの量は、新しく建つ木造の家の数で決まる。人口と世帯が減り、空き家が増える中で、その数は長く減り続ける。住宅ローンの金利の上昇がそれを早める。
借入と金利
賃貸の物件を借入で買い進め、借入は127億円になった。借り換えのたびに金利は3.5〜4%に上がる。物件の利回りとの差が無くなれば、賃貸の稼ぎは利払いに消える。
プレカットの価格競争
限られた注文を同業と値段で取り合い、2026/05期のプレカットの利益率は0.4%まで落ちた。木材の値段が下がる局面では、在庫の評価も重くなる。
保育所の借り手
賃貸の柱の保育所は、子どもの数の減少で先細る。自治体の制度が変われば、借り手の運営会社が撤退し、家賃の見直しや空室が出る。
管理の体制と経営の計画
2026年に決算の発表を1日延ばし、監査法人も替えた。前の中期の計画は、経常利益で目標の半分にも届かなかった。数字と計画の確かさに注意が要る。
今後の分かれ目
- プレカットのセグメントの利益率が2期続けて3%を超えた
- 値段の取り合いが落ち着いた合図だ。中立から、やや強気の筋書きに寄せる。
- 建築請負の完工が年250棟を超え、大型の木造が増えた
- 材工一体と木造の施設が稼ぎの柱になり始めた。強気の筋書きの確率を上げる。
- 借入の平均の金利が3%を超え、利払いが営業利益の3割を超えた
- 賃貸の稼ぎが利払いに消え始めた合図だ。慎重な筋書きの確率を上げる。
- 賃貸の物件の一部を売り、簿価を上回る値段が付いた
- 物件の時価が帳簿より高いとわかる。悲観の床を上げる。
- 大手の木材の会社や住宅会社から資本の提携や買収の提案が出た
- オーナーの判断しだいだが、工場と物件をまとめて評価する値段が付く可能性がある。
見ておくもの
- 新設住宅着工戸数(木造)
- プレカットの出荷坪数とセグメントの利益率
- 建築請負の完工棟数と大型の木造の数
- 賃貸の物件数と家賃の収入
- 借入の残高と平均の金利
倍率と資本コストの決め方
倍率は式から出した。中立のROEは6%弱で資本コスト8.75%に届かず、PERの上限は1÷kの約10.8倍。その約74%の8倍に置いた。今の株価や、自己資本の4割ほどという今のPBR、同業の値付けは倍率の根拠に使っていない。賃貸の物件の償却は取得の時の値段のまま増やさず、家賃は保育所の長期の契約で物価に遅れるとした。利払いは借入の借り換えで3.5〜4%に上がる分を純利益に入れた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 9.5→11.43 倍・やや楽観 PER 9→11.43 倍・中立 PER 8→11.43 倍)。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%にquality +1.75%を足した9.25%。決算の延期と監査法人の交代は筋書きと確率で見た。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.25% → 8.75%。