結論
三井松島は、石炭会社から転じて、小さなニッチ製造業を買い集める持株会社だ。ストロー、シュレッダー、産業用チェーン、架線金具などを抱え、2026/03 期は営業利益 96 億円を稼いだ。祖業の石炭は 2024/03 期に終えている。
筆者の結論は「ほぼ適正」である。10 年後の価値は、今の時価総額を 1%ほど下回る程度にとどまる。買い方の巧さは本物だが、自社株買いで財務が重くなり、その強みはすでに値段に含まれていると見る。
中立の姿は地味だ。需要の中心は国内の成熟市場で、数量の伸びは小さい。物価の分と、毎期の利益でまかなう買収が、営業利益を 10 年で 6 割ほど押し上げる。金利の上昇で、利益が年 10 億円ほど削られる点も織り込んだ。
見どころは 2 つある。1 つは、買収を毎期の利益の範囲で続けられるかだ。もう 1 つは、中核の子会社の持株が 5 割ほどで、利益の一部が外に出る点だ。中期計画は 2030/03 期の純利益 100 億円を掲げるが、筆者は借金頼みの達成を前提にしない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、見る点は 3 つある。第 1 に、10 年後も残る事業か。ストローも架線金具も産業用チェーンも、地味だが消えない。小さな市場の寄せ集めなので、1 つが傷んでも全体は崩れにくい。
第 2 に、稼いだ利益の使い道だ。この会社は利益を買収に回し、価格を利益の 10 倍前後に抑えてきた。自社株買いでは、株数を 3 割ほど減らした。資本の配り方は、オーナーとして持ちたいと思える側にある。
第 3 に、安全域だ。ここが弱い。純有利子負債は 445 億円で、買収と自社株買いをやり切った後だ。利益が 3 割落ちても生き延びるが、減損が重なると自己資本が削られる。
株主のものになる利益は、営業利益の 7 割ほどの純利益から、少数株主の取り分と買収に回す分を引いた残りだ。買収が資本コスト並みの稼ぎにとどまれば、積み上げた利益はそのままの額でしか評価できない。価値を生むのは、安く買い続けられるかどうかだ。今の値段は、その巧さをほぼ織り込んでいると見る。
何で稼ぐ会社か
事業は 3 つの区分に分かれる。2026/03 期の売上は、産業用製品が 333 億円、生活消費財が 271 億円、金融その他が 52 億円だった。営業利益は順に 51 億円、25 億円、21 億円で、産業用製品が半分を稼ぐ。
産業用製品は、工場や鉄道を支える部品が中心だ。ジャパン・チェーン・ホールディングスは産業用のローラーチェーンを作る。日本カタンは鉄道の架線金具を持つ。CST はマスクブランクス、つまり半導体の回路原版の材料を手がける。どれも市場は小さいが、簡単には取り換えない部品だ。2026/03 期は売上が 12% 伸び、利益は 3 割増えた。
生活消費財は、日本ストローのストロー、明光商会の業務用シュレッダー、ケイエムテイのペットフードなどだ。明光商会は国内首位級とされる。買い手が個人や事務所なので景気には強いが、伸びは鈍い。円安による原価上昇が利益を削る年もある。
金融その他は、2024 年 7 月に約 113 億円で買った MRF が柱だ。不動産を担保にした貸付で、区分全体では利益率が 4 割に達する。上場株式への投資もここに入る。2026 年 8 月には、綿棒の山洋(売上 36 億円)を子会社にした。
この会社の本質は、個々の事業より買い方にある。条件は「ニッチ・安定・わかりやすい」で、買った会社は売らずに持つ。
優良さと弱いところ
この会社の優良さは、個々の事業ではなく、買収の規律にある。買う相手は後継者に困る中堅の製造業で、買った会社は売らずに持ち、経営は現場に任せる。石炭が終わった 2024/03 期のあと、営業利益を 96 億円まで戻せたのは、この積み重ねだ。
堀、つまり他社がまねしにくい強みは、会社ごとにばらばらだ。明光商会は業務用シュレッダーの首位級で、架線金具や産業用チェーンは、取り換えの手間が堀になる。ただどれも市場が小さく、1 社ずつの堀は浅い。集めて分散することで強くなる形だ。
資本効率は並である。過去 10 年の自己資本利益率の中央値は 9.5% で、資本コストとほぼ同じだ。2023/03 期の 41% は石炭価格が高騰した年の利益で、もう戻らない。
弱みは 3 つある。第 1 に借金だ。純有利子負債は 445 億円、自己資本比率は 43% まで下がった。第 2 に、中核の子会社の持株が 5 割ほどで、利益の一部が外に出る。第 3 に、事業が多岐にわたり、外から全体を測りにくい。筆者が最も気にするのは、この見えにくさだ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
事業ごとに市場も競合も違う。産業用チェーンでは椿本チエインや大同工業が大手で、JCH はそれより小さい。国内の成熟市場で、数量の伸びは小さい。ただ補修や更新の需要が底堅く、値上げは通りやすい。
追い風は設備と更新の投資だ。鉄道や電力の設備は老朽化しており、架線金具の更新が続く。半導体やデータセンターの投資が増えれば、CST の材料や工業用綿棒にも出番が増える。2027/03 期の第 1 四半期は、産業用製品の売上が 3 割、利益が 2 割強伸びた。
向かい風は円安による原価と、縮む需要だ。ペーパーレスで、紙を裁くシュレッダーの市場は広がりにくい。ストローやペットフードは輸入の原料が多く、円安が利益を削る。第 1 四半期の生活消費財は、実際に減益だった。ここでは為替を 150 円で動かさず、物価と同じペースで値上げできるかを見る。
本当の競争は買収の市場にある。後継者のいない中堅製造業は多いが、投資ファンドや事業会社も狙う。買収価格が上がれば、買う側の稼ぎは薄くなる。この会社は MRF を純利益の約 10 倍で買うなど、価格を抑えてきた。この規律が続くかが、10 年の分かれ目だ。
資本政策と M&A
資本の使い方は、この 2 年で大きく変わった。2025 年 5 月に最大 200 億円の自社株買いを決め、発行済株式の約 3 割を買い戻す枠を置いた。株数は大きく減り、自己資本比率は 64% から 43% に下がった。
買収は 16 件に達した。2026 年 8 月の山洋は、売上 36 億円・営業利益 3.9 億円で、純資産は約 91 億円ある(価格は非公表)。利益より資産に重きを置いた買い物に見える。
中期計画は、2030/03 期に純利益 100 億円以上、買収などに 400 億円を投じる内容だ。配当は累進配当で、配当性向 4 割を目安とし、社長は引き上げる可能性にも触れた。2027/03 期は上場株の売却益を受けて、配当総額で年 48 億円ほど(前期は 18 億円)へ大きく増やし、これを新しい基準にするという。10 年の還元は、この下限が続く前提で、中立で配当と自社株買いの合計 500 億円と置いた。
株主は、自己株が約 4 割を占める。TOB(公開買い付け)の可能性は、kabufu の試算で 10 年以内に 24% とある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
「ニッチ・安定・わかりやすい」という買い方が、成果を出している。石炭が終わった後の 2024/03 期から、営業利益を 96 億円まで戻した。2027/03 期は 100 億円の計画だ。産業用製品は、2027/03 期の第 1 四半期も売上が 3 割伸び、チェーン、架線金具、半導体材料のどれもが回っている。
買収の規律は高く評価できる。MRF は純利益の約 10 倍、山洋は純資産の範囲で買えた。売らずに持つので、買われる側にも安心感があり、後継者のいない中堅製造業が相談に来る。件数は 16 に達したが、まだ入口に立ったところだ。
中期計画は、2030/03 期の純利益 100 億円と、400 億円の投資を掲げる。社長は配当性向を上げる可能性にも触れ、2027/03 期は配当を大きく増やした。自社株買いで株数が 3 割減り、1 株あたりの価値も上がった。
金利が上がっても、買った会社の利益が物価と同じペースで伸びれば、借金の負担は薄まる。10 年の複利で見れば、小さな買収を重ねるこのやり方は、資本コストを上回る利益を積み上げる仕組みになる。
慎重な見方
利益の質を疑う。2027/03 期の純利益 86 億円の計画には、上場株の売却益が混じる。繰り返せない利益だ。石炭が終わった後の利益は、買収で買った分と、買う前の会社の寄せ集めにすぎない。
借金が重い。純有利子負債は 445 億円で、自己資本比率は 2 年で 64% から 43% に下がった。山洋でさらに増える。金利が上がり、借り換えで 3.5% 前後になれば、利益は年 10 億円ほど削られる。
事業が散らばり、内部が見えない。中核の子会社の持株は 5 割ほどで、利益の一部は外に出る。買収は後から減損になりやすく、のれんの償却も重なる。投資ファンドも同じ会社を狙うので、買収価格は上がる一方だ。
円安で原価が上がる生活消費財は、第 1 四半期に減益だった。紙のシュレッダーは需要が細り、ストローは素材の転換に追われる。10 年の長さで見れば、毎年買い続ける会社は、いつか高い買い物をつかむ。
株の売買の面でも、気がかりがある。自己株が約 4 割を占め、市場に出回る株は少ない。株数が減って株価が上がった後は、次の買い戻しの余地も限られる。自社株買いで上げた 1 株あたりの価値は、再現しにくい。中期計画の 100 億円も、買収の資金が借金なら、利益が増えても、1 株の価値は同じように増えるとは限らない。
どちらに重みを置いたか
買い方の巧さでは、強気の言い分が勝つ。利益の質と借金の面では、慎重な言い分が当たっている。確率は中立に 38% を置き、強気側 32%、慎重側 30% とした。強気側をわずかに厚くしたのは、買収の実績が積み上がっているからだ。ただ、買収の失敗と円安が重なる姿も 1 割残した。結果は、中立の 10 年後の価値が今の時価総額とほぼ同じで、全体でも差は小さく、適正と出た。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 3,712 円1,375 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1,252 円464 億円)。 今の値に割り戻すと 2,673 円990 億円、今との差 +21.5%、 期待の年率 +8.5%(資本コスト 7.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 6,057 円2,243 億円 | 1,512 円560 億円 | +244.0% | +13.2% | 757 円280 億円 |
| やや楽観 | 22% | 5,234 円1,938 億円 | 1,431 円530 億円 | +203.0% | +11.7% | 1,466 円543 億円 |
| 中立 | 38% | 4,208 円1,558 億円 | 1,350 円500 億円 | +152.6% | +9.7% | 2,112 円782 億円 |
| やや悲観 | 20% | 1,514 円561 億円 | 1,026 円380 億円 | +15.5% | +1.4% | 508 円188 億円 |
| 悲観 | 10% | 535 円198 億円 | 675 円250 億円 | −45.0% | −5.8% | 121 円45 億円 |
| 加重平均 | 100% | 3,712 円1,375 億円 | 1,252 円464 億円 | +125.7% | +8.5% | 4,964 円1,838 億円 |
今の株価時価総額 2,200 円815 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 買収が当たり続け、産業用製品が大きく育つ 利益 128 億円 · PER 17.5 倍 · 株価時価総額 6,057 円2,243 億円
10 年後、産業用製品は実質で 9 割ほど増えている。年 1〜2 件の買収が当たり続け、JCH や日本カタンの隣に、似た規模の会社が何社も並ぶ。設備更新と半導体・データセンターの投資が追い風になり、CST や工業用綿棒も伸びる。生活消費財は、山洋と既存事業の統合で規模を増やし、原価を値上げで吸収する。MRF は貸付を増やすが、調達金利の上昇で利ざやは物価ほど伸びない。借金は増えるが、利益がそれを上回って増える。営業利益率は 15% 台、自己資本利益率も 13% 台に乗る。中期計画の純利益 100 億円は、10 年かけて 130 億円ほどに育つ。最も理想的な 10 年だ。
- 業務用シュレッダー(台):数量 38,000(出荷台数(台)。1 台あたりの単価 25 万円で売上に換算)× 価格 138.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 台あたり 25 万円(億円換算))→ 売上 131 億円・営業利益 14 億円。数量 1.00 倍・値段 1.38 倍、営業利益率 11.0%
- ストロー(百万本):数量 2,500(出荷本数(百万本)。100 万本あたり 220 万円で売上に換算)× 価格 1.30(単価の指数(今期 = 1.00)。原料と物流の値上がりは転嫁しにくい。rev_factor は 100 万本あたり 220 万円(億円換算))→ 売上 72 億円・営業利益 4 億円。数量 1.00 倍・値段 1.30 倍、営業利益率 5.5%
- ペットフード・住設部品ほか(万点):数量 1,936(出荷点数(万点)。1 万点あたり 1,000 万円で売上に換算)× 価格 138.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 万点あたり 1,000 万円(億円換算))→ 売上 267 億円・営業利益 28 億円。数量 1.60 倍・値段 1.38 倍、営業利益率 10.5%
- 産業用ローラーチェーン(km):数量 7,150(出荷長さ(km)。1 km あたり 2,000 万円で売上に換算)× 価格 140.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 km あたり 0.02 億円)→ 売上 200 億円・営業利益 32 億円。数量 1.10 倍・値段 1.40 倍、営業利益率 16.0%
- 架線金具(千個):数量 1,300(出荷個数(千個)。1,000 個あたり 500 万円で売上に換算)× 価格 140.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 個あたり 500 万円(億円換算))→ 売上 91 億円・営業利益 17 億円。数量 1.30 倍・値段 1.40 倍、営業利益率 19.0%
- マスクブランクス(枚):数量 121,000(出荷枚数(枚)。1 枚あたり 10 万円で売上に換算)× 価格 1.25(単価の指数(今期 = 1.00)。微細化で高付加価値品は上がるが、旧世代品は値下がりするため、物価までは上がらない前提。rev_factor は 1 枚あたり 10 万円(億円換算))→ 売上 151 億円・営業利益 38 億円。数量 2.20 倍・値段 1.25 倍、営業利益率 25.0%
- 測定機器・計量機・工業用綿棒ほか(千点):数量 1,244(出荷点数(千点)。1 点あたり 2 万円で売上に換算)× 価格 140.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 点あたり 0.2 億円)→ 売上 348 億円・営業利益 35 億円。数量 2.55 倍・値段 1.40 倍、営業利益率 10.0%
- MRF の貸付残高(億円):数量 465(貸付残高(億円)。売上は残高 × 利回り 12% で換算)× 価格 115.0%(利回りの指数(今期 = 1.00)。調達金利が上がるぶん利ざやは広がらない。物価並みには上がらず、10 年 1.10 倍まで。rev_factor は利回り 12%)→ 売上 64 億円・営業利益 24 億円。数量 1.55 倍・値段 1.15 倍、営業利益率 38.0%
- 上場株式の運用残高(億円):数量 217(運用残高(億円)。売上は残高 × 約 10% の収益率で換算)× 価格 1.20(収益率の指数(今期 = 1.00)。売却益と配当の合計で、物価並みに伸びる保証はない)→ 売上 26 億円・営業利益 11 億円。数量 1.40 倍・値段 1.20 倍、営業利益率 42.0%
倍率:事業の純利益 128 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 13.2% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 17.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 17.5 倍。全体の PER 17.52 倍、時価総額 2,243 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:中期計画どおりに買収が進み、価格の規律も保たれ、さらに半導体と設備更新が重なる姿。どれか 1 つなら十分ありうるが、10 年続けて全部は難しいので 1 割とした。
やや楽観 22% 産業用製品が伸び、買収もおおむね当たる 利益 114 億円 · PER 17.0 倍 · 株価時価総額 5,234 円1,938 億円
産業用製品は実質で 6 割強伸びる。鉄道と電力の更新が続き、半導体関連の需要も加わって、チェーンや架線金具、CST が堅調に伸びる。買収は年 1 件ほどで、価格は利益の 10 倍前後に収まる。生活消費財は、山洋の統合と値上げで利益率を 10% 近くまで戻す。MRF の貸付は緩やかに増える。借金は高止まりするが、自社株買いは続けず、利益は買収と返済に回る。営業利益は 10 年で倍近くになり、自己資本利益率は 12% 近い。堅い土台に買収の上乗せが乗る、悪くない 10 年だ。
中期計画の 100 億円は、2030/03 期にはわずかに届かず、数年遅れで達成する。それでも利益の積み上がりは早く、配当性向を 4 割から引き上げる余地も出てくる。
- 業務用シュレッダー(台):数量 37,240(出荷台数(台)。1 台あたりの単価 25 万円で売上に換算)× 価格 136.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 台あたり 25 万円(億円換算))→ 売上 127 億円・営業利益 13 億円。数量 0.98 倍・値段 1.36 倍、営業利益率 10.5%
- ストロー(百万本):数量 2,425(出荷本数(百万本)。100 万本あたり 220 万円で売上に換算)× 価格 1.30(単価の指数(今期 = 1.00)。原料と物流の値上がりは転嫁しにくい。rev_factor は 100 万本あたり 220 万円(億円換算))→ 売上 69 億円・営業利益 4 億円。数量 0.97 倍・値段 1.30 倍、営業利益率 5.3%
- ペットフード・住設部品ほか(万点):数量 1,815(出荷点数(万点)。1 万点あたり 1,000 万円で売上に換算)× 価格 136.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 万点あたり 1,000 万円(億円換算))→ 売上 247 億円・営業利益 25 億円。数量 1.50 倍・値段 1.36 倍、営業利益率 10.0%
- 産業用ローラーチェーン(km):数量 7,020(出荷長さ(km)。1 km あたり 2,000 万円で売上に換算)× 価格 137.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 km あたり 0.02 億円)→ 売上 192 億円・営業利益 30 億円。数量 1.08 倍・値段 1.37 倍、営業利益率 15.5%
- 架線金具(千個):数量 1,250(出荷個数(千個)。1,000 個あたり 500 万円で売上に換算)× 価格 137.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 個あたり 500 万円(億円換算))→ 売上 86 億円・営業利益 16 億円。数量 1.25 倍・値段 1.37 倍、営業利益率 18.5%
- マスクブランクス(枚):数量 107,000(出荷枚数(枚)。1 枚あたり 10 万円で売上に換算)× 価格 1.22(単価の指数(今期 = 1.00)。微細化で高付加価値品は上がるが、旧世代品は値下がりするため、物価までは上がらない前提。rev_factor は 1 枚あたり 10 万円(億円換算))→ 売上 131 億円・営業利益 31 億円。数量 1.95 倍・値段 1.22 倍、営業利益率 23.5%
- 測定機器・計量機・工業用綿棒ほか(千点):数量 1,122(出荷点数(千点)。1 点あたり 2 万円で売上に換算)× 価格 137.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 点あたり 0.2 億円)→ 売上 307 億円・営業利益 29 億円。数量 2.30 倍・値段 1.37 倍、営業利益率 9.5%
- MRF の貸付残高(億円):数量 420(貸付残高(億円)。売上は残高 × 利回り 12% で換算)× 価格 113.0%(利回りの指数(今期 = 1.00)。調達金利が上がるぶん利ざやは広がらない。物価並みには上がらず、10 年 1.10 倍まで。rev_factor は利回り 12%)→ 売上 57 億円・営業利益 21 億円。数量 1.40 倍・値段 1.13 倍、営業利益率 37.0%
- 上場株式の運用残高(億円):数量 202(運用残高(億円)。売上は残高 × 約 10% の収益率で換算)× 価格 1.17(収益率の指数(今期 = 1.00)。売却益と配当の合計で、物価並みに伸びる保証はない)→ 売上 24 億円・営業利益 10 億円。数量 1.30 倍・値段 1.17 倍、営業利益率 41.0%
倍率:事業の純利益 114 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.2% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 17.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 17.0 倍。全体の PER 17 倍、時価総額 1,938 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:産業用製品の伸びと買収の実績が続く姿。中期計画ほどではないが、これまでの実績から十分ありうるので、強気の側にやや厚く 22% を置いた。
中立 38% 中立:国内の堅い需要に、毎期の利益でまかなう買収が乗る 利益 96 億円 · PER 16.2 倍 · 株価時価総額 4,208 円1,558 億円
売上は 10 年で 7 割ほど増える。数量の伸びは小さく、大半が物価と買収だ。産業用製品は、設備更新と半導体の需要で実質 15% ほど伸び、買収の上乗せが 3 割ほど加わる。生活消費財は、国内の人口とペーパーレスで数量が増えず、山洋などの買収で 1 割強増える。値段は原価を転嫁できて物価並みに上がる。MRF の貸付は緩やかに増えるが、利ざやは調達金利の上昇で薄くなる。買収で買った会社の利益率は低めなので、全体の営業利益率は 14% 近くに下がる。借り換えの金利は 3.5% 前後に上がり、利益を年 10 億円ほど削る。自己資本利益率は 11% で、いまとほぼ同じ水準だ。地味だが、崩れにくい 10 年である。
- 業務用シュレッダー(台):数量 36,100(出荷台数(台)。1 台あたりの単価 25 万円で売上に換算)× 価格 134.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 台あたり 25 万円(億円換算))→ 売上 121 億円・営業利益 12 億円。数量 0.95 倍・値段 1.34 倍、営業利益率 10.0%
- ストロー(百万本):数量 2,375(出荷本数(百万本)。100 万本あたり 220 万円で売上に換算)× 価格 1.28(単価の指数(今期 = 1.00)。原料と物流の値上がりは転嫁しにくい。rev_factor は 100 万本あたり 220 万円(億円換算))→ 売上 67 億円・営業利益 3 億円。数量 0.95 倍・値段 1.28 倍、営業利益率 5.0%
- ペットフード・住設部品ほか(万点):数量 1,694(出荷点数(万点)。1 万点あたり 1,000 万円で売上に換算)× 価格 134.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 万点あたり 1,000 万円(億円換算))→ 売上 227 億円・営業利益 22 億円。数量 1.40 倍・値段 1.34 倍、営業利益率 9.5%
- 産業用ローラーチェーン(km):数量 6,825(出荷長さ(km)。1 km あたり 2,000 万円で売上に換算)× 価格 134.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 km あたり 0.02 億円)→ 売上 183 億円・営業利益 27 億円。数量 1.05 倍・値段 1.34 倍、営業利益率 14.5%
- 架線金具(千個):数量 1,150(出荷個数(千個)。1,000 個あたり 500 万円で売上に換算)× 価格 134.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 個あたり 500 万円(億円換算))→ 売上 77 億円・営業利益 14 億円。数量 1.15 倍・値段 1.34 倍、営業利益率 18.0%
- マスクブランクス(枚):数量 88,000(出荷枚数(枚)。1 枚あたり 10 万円で売上に換算)× 価格 1.20(単価の指数(今期 = 1.00)。微細化で高付加価値品は上がるが、旧世代品は値下がりするため、物価までは上がらない前提。rev_factor は 1 枚あたり 10 万円(億円換算))→ 売上 106 億円・営業利益 23 億円。数量 1.60 倍・値段 1.20 倍、営業利益率 22.0%
- 測定機器・計量機・工業用綿棒ほか(千点):数量 1,000(出荷点数(千点)。1 点あたり 2 万円で売上に換算)× 価格 134.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 点あたり 0.2 億円)→ 売上 268 億円・営業利益 24 億円。数量 2.05 倍・値段 1.34 倍、営業利益率 9.0%
- MRF の貸付残高(億円):数量 375(貸付残高(億円)。売上は残高 × 利回り 12% で換算)× 価格 110.0%(利回りの指数(今期 = 1.00)。調達金利が上がるぶん利ざやは広がらない。物価並みには上がらず、10 年 1.10 倍まで。rev_factor は利回り 12%)→ 売上 50 億円・営業利益 18 億円。数量 1.25 倍・値段 1.10 倍、営業利益率 36.0%
- 上場株式の運用残高(億円):数量 186(運用残高(億円)。売上は残高 × 約 10% の収益率で換算)× 価格 1.15(収益率の指数(今期 = 1.00)。売却益と配当の合計で、物価並みに伸びる保証はない)→ 売上 21 億円・営業利益 9 億円。数量 1.20 倍・値段 1.15 倍、営業利益率 40.0%
倍率:事業の純利益 96 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.0% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.2 倍。全体の PER 16.23 倍、時価総額 1,558 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の成熟した需要が中心で、買収は毎期の利益の範囲にとどまる姿。事業の分散があり、大きくは崩れないが大きくも伸びない。議論の落としどころとして最も厚い 38% を置いた。
やや悲観 20% 買収の価格が上がり、成長が鈍る 利益 59 億円 · PER 9.5 倍 · 株価時価総額 1,514 円561 億円
買収の価格が上がり、利益の 12〜13 倍でないと買えなくなる。買った会社の稼ぎは資本コスト並みにとどまり、自己資本利益率は 7% ほどに落ちる。円安で生活消費財の原価が上がり、値上げが追いつかない年が続く。産業用製品は国内の設備投資が弱く、数量は 1 割ほどしか伸びない。MRF は貸倒れが増えて利益が薄くなる。借金は返せるが、金利の上昇で利益は削られる。営業利益は 10 年でほぼ横ばいになる。会社は傾かないが、資本を使うほど価値が増える会社ではなくなる。
配当は続き、減配までは起きない。ただ中期計画の 100 億円は遠のき、買収の旗を掲げる会社の評価は、地味な製造業の寄せ集めに近づく。
- 業務用シュレッダー(台):数量 32,300(出荷台数(台)。1 台あたりの単価 25 万円で売上に換算)× 価格 130.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 台あたり 25 万円(億円換算))→ 売上 105 億円・営業利益 9 億円。数量 0.85 倍・値段 1.30 倍、営業利益率 8.5%
- ストロー(百万本):数量 2,125(出荷本数(百万本)。100 万本あたり 220 万円で売上に換算)× 価格 1.22(単価の指数(今期 = 1.00)。原料と物流の値上がりは転嫁しにくい。rev_factor は 100 万本あたり 220 万円(億円換算))→ 売上 57 億円・営業利益 2 億円。数量 0.85 倍・値段 1.22 倍、営業利益率 3.5%
- ペットフード・住設部品ほか(万点):数量 1,392(出荷点数(万点)。1 万点あたり 1,000 万円で売上に換算)× 価格 130.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 万点あたり 1,000 万円(億円換算))→ 売上 181 億円・営業利益 15 億円。数量 1.15 倍・値段 1.30 倍、営業利益率 8.0%
- 産業用ローラーチェーン(km):数量 6,175(出荷長さ(km)。1 km あたり 2,000 万円で売上に換算)× 価格 130.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 km あたり 0.02 億円)→ 売上 161 億円・営業利益 19 億円。数量 0.95 倍・値段 1.30 倍、営業利益率 12.0%
- 架線金具(千個):数量 1,000(出荷個数(千個)。1,000 個あたり 500 万円で売上に換算)× 価格 130.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 個あたり 500 万円(億円換算))→ 売上 65 億円・営業利益 10 億円。数量 1.00 倍・値段 1.30 倍、営業利益率 16.0%
- マスクブランクス(枚):数量 66,000(出荷枚数(枚)。1 枚あたり 10 万円で売上に換算)× 価格 1.10(単価の指数(今期 = 1.00)。微細化で高付加価値品は上がるが、旧世代品は値下がりするため、物価までは上がらない前提。rev_factor は 1 枚あたり 10 万円(億円換算))→ 売上 73 億円・営業利益 12 億円。数量 1.20 倍・値段 1.10 倍、営業利益率 17.0%
- 測定機器・計量機・工業用綿棒ほか(千点):数量 708(出荷点数(千点)。1 点あたり 2 万円で売上に換算)× 価格 130.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 点あたり 0.2 億円)→ 売上 184 億円・営業利益 14 億円。数量 1.45 倍・値段 1.30 倍、営業利益率 7.5%
- MRF の貸付残高(億円):数量 330(貸付残高(億円)。売上は残高 × 利回り 12% で換算)× 価格 105.0%(利回りの指数(今期 = 1.00)。調達金利が上がるぶん利ざやは広がらない。物価並みには上がらず、10 年 1.10 倍まで。rev_factor は利回り 12%)→ 売上 42 億円・営業利益 13 億円。数量 1.10 倍・値段 1.05 倍、営業利益率 30.0%
- 上場株式の運用残高(億円):数量 155(運用残高(億円)。売上は残高 × 約 10% の収益率で換算)× 価格 1.05(収益率の指数(今期 = 1.00)。売却益と配当の合計で、物価並みに伸びる保証はない)→ 売上 16 億円・営業利益 5 億円。数量 1.00 倍・値段 1.05 倍、営業利益率 32.0%
倍率:事業の自己資本利益率 7.3% は k 7.5% を下回る。ためた利益の価値も薄い。ROE が k 以下なので PER の上限は 1÷k=12.5 倍で、稼ぐ力から 9.5 倍に置いた。
確率:買収の価格が高止まりして稼ぎが薄くなり、円安で原価が上がる姿。事業は分散しているので崩れはしないが、強気の言い分ほどには伸びない。強気側とほぼ同じ厚みの 20% を置いた。
悲観 10% 高値の買収が減損になり、円安と金利が重なる 利益 22 億円 · PER 9.0 倍 · 株価時価総額 535 円198 億円
買収が構造的に負ける。高値でつかんだ会社が減損になり、自己資本が削られる。産業用製品は、半導体や設備の投資が落ち込み、主要顧客を失って数量が 15% 減る。生活消費財は、円安と原料高で利益率が 5% まで下がる。MRF は担保の不動産価格が下がり、貸倒れが増える。借金は残るので、借り換えの金利が利益を削り続ける。営業利益は今の半分以下になり、純利益は 22 億円ほどにとどまる。配当は減らすが、止めるところまでは行かない。買収で膨らんだ会社が、元に戻る失望の 10 年になる。
事業が分散しているので、全部が同時に傷むことはない。シュレッダーやストローの底堅い需要と、鉄道の更新は残る。だから会社は存続するが、買収で成長する会社という物語は終わる。
- 業務用シュレッダー(台):数量 26,600(出荷台数(台)。1 台あたりの単価 25 万円で売上に換算)× 価格 120.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 台あたり 25 万円(億円換算))→ 売上 80 億円・営業利益 4 億円。数量 0.70 倍・値段 1.20 倍、営業利益率 5.0%
- ストロー(百万本):数量 1,750(出荷本数(百万本)。100 万本あたり 220 万円で売上に換算)× 価格 1.10(単価の指数(今期 = 1.00)。原料と物流の値上がりは転嫁しにくい。rev_factor は 100 万本あたり 220 万円(億円換算))→ 売上 42 億円・営業利益 1 億円。数量 0.70 倍・値段 1.10 倍、営業利益率 1.5%
- ペットフード・住設部品ほか(万点):数量 1,150(出荷点数(万点)。1 万点あたり 1,000 万円で売上に換算)× 価格 120.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 万点あたり 1,000 万円(億円換算))→ 売上 138 億円・営業利益 6 億円。数量 0.95 倍・値段 1.20 倍、営業利益率 4.5%
- 産業用ローラーチェーン(km):数量 5,525(出荷長さ(km)。1 km あたり 2,000 万円で売上に換算)× 価格 120.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 km あたり 0.02 億円)→ 売上 133 億円・営業利益 11 億円。数量 0.85 倍・値段 1.20 倍、営業利益率 8.5%
- 架線金具(千個):数量 850(出荷個数(千個)。1,000 個あたり 500 万円で売上に換算)× 価格 120.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 個あたり 500 万円(億円換算))→ 売上 51 億円・営業利益 6 億円。数量 0.85 倍・値段 1.20 倍、営業利益率 11.0%
- マスクブランクス(枚):数量 47,000(出荷枚数(枚)。1 枚あたり 10 万円で売上に換算)× 価格 1.00(単価の指数(今期 = 1.00)。微細化で高付加価値品は上がるが、旧世代品は値下がりするため、物価までは上がらない前提。rev_factor は 1 枚あたり 10 万円(億円換算))→ 売上 47 億円・営業利益 5 億円。数量 0.85 倍・値段 1.00 倍、営業利益率 10.0%
- 測定機器・計量機・工業用綿棒ほか(千点):数量 439(出荷点数(千点)。1 点あたり 2 万円で売上に換算)× 価格 120.0%(単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 点あたり 0.2 億円)→ 売上 105 億円・営業利益 5 億円。数量 0.90 倍・値段 1.20 倍、営業利益率 5.0%
- MRF の貸付残高(億円):数量 255(貸付残高(億円)。売上は残高 × 利回り 12% で換算)× 価格 95.0%(利回りの指数(今期 = 1.00)。調達金利が上がるぶん利ざやは広がらない。物価並みには上がらず、10 年 1.10 倍まで。rev_factor は利回り 12%)→ 売上 29 億円・営業利益 5 億円。数量 0.85 倍・値段 0.95 倍、営業利益率 18.0%
- 上場株式の運用残高(億円):数量 108(運用残高(億円)。売上は残高 × 約 10% の収益率で換算)× 価格 0.95(収益率の指数(今期 = 1.00)。売却益と配当の合計で、物価並みに伸びる保証はない)→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。数量 0.70 倍・値段 0.95 倍、営業利益率 20.0%
倍率:事業の自己資本利益率 2.9% が k 7.5% を下回る。伸びても価値が増えないので、PER は 1÷k=12.5 倍が上限。優位を失い借金も重い会社なので、稼ぐ力(純利益÷k=12.5 倍)よりさらに厳しく 9.0 倍に置いた。
確率:高値の買収の失敗に、円安と金利上昇が重なる姿。事業が散らばっているので、深い崩れは 1 割にとどめた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
業務用シュレッダー(台)
明光商会の MS シュレッダーと T SECURE など。事務所・官公庁向けの業務用が中心。
| 数量出荷台数(台)。1 台あたりの単価 25 万円で売上に換算 | 価格単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 台あたり 25 万円(億円換算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 38,000 | 100.0% | 95 | 10 |
| 10 年後 中立 | 36,100 | 134.0% | 121 | 12 |
取り方:開示は区分の売上だけで、台数は出ない。明光商会の売上は約 65 億円(買収時の資料)で、T SECURE などの製造会社と周辺機器を合わせて約 95 億円と推定した。業務用の平均単価を約 25 万円とすると、年 3.8 万台になる(推定)。ペーパーレスで台数は減る前提。利益率は約 10%。
ストロー(百万本)
日本ストローの伸縮ストロー・単体ストロー。国内市場の 9 割が輸入品で、国産は 1 割ほど。
| 数量出荷本数(百万本)。100 万本あたり 220 万円で売上に換算 | 価格単価の指数(今期 = 1.00)。原料と物流の値上がりは転嫁しにくい。rev_factor は 100 万本あたり 220 万円(億円換算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,500 | 1.00 | 55 | 3 |
| 10 年後 中立 | 2,375 | 1.28 | 67 | 3 |
取り方:開示は区分の売上だけで、本数は出ない。日本ストローの売上を約 55 億円と推定し、100 万本あたり 220 万円(業務用の単価帯)で割ると約 25 億本になる(推定)。外食の人手不足と素材の転換で本数は減る前提。利益率は 5% と薄い。
ペットフード・住設部品ほか(万点)
ケイエムテイのペットフード、システック協和の住設部品、縫製・事務用品など。個人向けが中心。
| 数量出荷点数(万点)。1 万点あたり 1,000 万円で売上に換算 | 価格単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 万点あたり 1,000 万円(億円換算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,210 | 100.0% | 121 | 12 |
| 10 年後 中立 | 1,694 | 134.0% | 227 | 22 |
取り方:区分の売上 271 億円からシュレッダー(約 95 億円)とストロー(約 55 億円)を除いた約 121 億円。点数は 1 万点あたり 1,000 万円の平均で置いた推定で、実物の数ではなく目安だ。国内の人口減で既存分は伸びず、10 年の数量の増加は 2026 年 8 月に買った山洋(売上 36 億円)などの買収分。利益率は約 10%。
産業用ローラーチェーン(km)
ジャパン・チェーン・ホールディングス(持株 50.1%)のローラーチェーン。工場の搬送・設備向け。
| 数量出荷長さ(km)。1 km あたり 2,000 万円で売上に換算 | 価格単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1 km あたり 0.02 億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6,500 | 100.0% | 130 | 18 |
| 10 年後 中立 | 6,825 | 134.0% | 183 | 27 |
取り方:開示は区分の売上だけで、長さは出ない。JCH の売上を約 130 億円と推定し、チェーンの平均単価を 1 km あたり 2,000 万円とすると約 6,500 km になる(推定)。国内の設備更新で数量は横ばいから微増。利益率は約 14%。
架線金具(千個)
日本カタンの鉄道の架線金具と送変電・配電用の金具。更新需要が中心。
| 数量出荷個数(千個)。1,000 個あたり 500 万円で売上に換算 | 価格単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 個あたり 500 万円(億円換算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,000 | 100.0% | 50 | 9 |
| 10 年後 中立 | 1,150 | 134.0% | 77 | 14 |
取り方:開示は区分の売上だけで、個数は出ない。日本カタンの売上を約 50 億円、平均単価を 1,000 個あたり 500 万円とすると約 100 万個になる(推定)。鉄道・電力設備の老朽更新で数量は緩やかに増える前提。利益率は約 18%。
マスクブランクス(枚)
CST の半導体フォトマスク用の材料(マスクブランクス)。
| 数量出荷枚数(枚)。1 枚あたり 10 万円で売上に換算 | 価格単価の指数(今期 = 1.00)。微細化で高付加価値品は上がるが、旧世代品は値下がりするため、物価までは上がらない前提。rev_factor は 1 枚あたり 10 万円(億円換算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 55,000 | 1.00 | 55 | 15 |
| 10 年後 中立 | 88,000 | 1.20 | 106 | 23 |
取り方:開示は区分の売上だけで、枚数は出ない。CST の売上は 2016/03 期で 27 億円、その後の半導体投資で約 55 億円まで伸びたと推定し、平均 10 万円で割ると約 5.5 万枚になる(推定)。半導体の需要の伸びで数量は増える前提。利益率は約 28%。
測定機器・計量機・工業用綿棒ほか(千点)
水晶デバイスの測定機器、食品の計量機、工業用綿棒など、産業用製品の残りと、今後の買収分。
| 数量出荷点数(千点)。1 点あたり 2 万円で売上に換算 | 価格単価の指数(今期 = 1.00)。物価 3% 込みで 10 年 1.34 倍。rev_factor は 1,000 点あたり 0.2 億円 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 488 | 100.0% | 98 | 8 |
| 10 年後 中立 | 1,000 | 134.0% | 268 | 24 |
取り方:区分の売上 333 億円から、チェーン・架線金具・マスクブランクスを除いた約 98 億円。点数は平均単価 2 万円で置いた推定の目安。10 年の数量の増加の大半は、2030/03 期までに 400 億円を投じる買収で加わる会社の分。利益率は約 8%。
MRF の貸付残高(億円)
2024 年 7 月に約 113 億円で買ったエム・アール・エフの不動産担保融資。
| 数量貸付残高(億円)。売上は残高 × 利回り 12% で換算 | 価格利回りの指数(今期 = 1.00)。調達金利が上がるぶん利ざやは広がらない。物価並みには上がらず、10 年 1.10 倍まで。rev_factor は利回り 12% | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 300 | 100.0% | 36 | 14 |
| 10 年後 中立 | 375 | 110.0% | 50 | 18 |
取り方:開示は区分の売上だけで、貸付残高は出ない。MRF の売上を約 36 億円、利回りを 12% と推定し、残高を約 300 億円とした(推定)。純利益の約 10 倍で買った前提と整合する。利益率は約 39%。
上場株式の運用残高(億円)
MM Investments などの上場株式への投資。割安株への長期投資。
| 数量運用残高(億円)。売上は残高 × 約 10% の収益率で換算 | 価格収益率の指数(今期 = 1.00)。売却益と配当の合計で、物価並みに伸びる保証はない | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 155 | 1.00 | 16 | 7 |
| 10 年後 中立 | 186 | 1.15 | 21 | 9 |
取り方:区分の売上のうち MRF を除いた約 16 億円(売却益・配当)。残高約 155 億円、収益率 10% は推定。2027/03 期の売却益は繰り返せない一過性。利益率は約 42%。
リスクと懸念
買収の価格上昇と失敗
成長の大半を買収に頼る。投資ファンドも同じ中堅製造業を狙うので、価格は上がりやすい。高く買えば、のれんの償却や減損で自己資本が削られる。中期計画の 400 億円は、これまでの買収の合計に近い規模だ。
借金と金利
純有利子負債は 445 億円で、自己資本比率は 2 年で 64% から 43% に下がった。借り換えで金利が 3.5% 前後になれば、利益は年 10 億円ほど削られる。山洋の買収でさらに増える。
持株 5 割の子会社と少数株主
JCH や日本カタンなど中核の子会社は、持株が 5 割ほどだ。利益の一部が少数株主に出ていき、残りの株を買い増す時はお金がかかる。純利益が営業利益の 7 割どまりなのは、このためだ。
円安と原価
ストローやペットフードは輸入の原料が多く、円安は利益を削る。2027/03 期の第 1 四半期も、生活消費財は円安で減益だった。値上げが追いつかない年は、利益率が落ちる。
利益の質と売却益
2027/03 期の純利益計画には、上場株の売却益が混じる。繰り返せない利益を除くと、稼ぐ力は計画より小さい。上場株の投資は、相場の波も受ける。
事業の見えにくさ
事業が多岐にわたり、各社の利益の質を外から測りにくい。区分の開示は 3 つで、買収した会社ごとの数量や価格は出ない。買った後に何が起きているか、投資家は確かめにくい。
今後の分かれ目
- 買収で、営業利益の 8〜10 倍の価格を続けて守れたら
- 強気の側へ確率を移す。買収が資本コスト並みの稼ぎを超えて積み上がる。
- 高値の買収で、減損が出たら
- 悲観の確率を上げる。買収で成長する筋書きは評価できなくなる。
- 金利が想定より上がり、借り換えが 4% を超えたら
- 純利益を下げて見直す。借金の重さが、中立の価値を削る。
- 配当性向を 5 割まで上げるか、自社株買いを再開したら
- 還元が厚くなる。ただし借金も増えるなら、価値の上がり方は小さい。
- 持株 5 割の子会社の株を買い増すか、売却されたら
- 少数株主に出る利益が変わる。純利益と本質価値を測り直す。
- TOB の話が出たら
- 価格はプレミアムを含みうる。本質価値は事業の稼ぐ力で測り直す。
見ておくもの
- 買収の件数と価格(営業利益の何倍か)
- 純有利子負債と自己資本比率
- 産業用製品の売上と利益率
- 生活消費財の原価と値上げ
- 配当性向と自社株買いの方針
倍率と資本コストの決め方
倍率は、事業の自己資本利益率と資本コスト 7.5% から式で決め、今の株価や同業の倍率は使っていない。中立の自己資本利益率は 11% で、式の上限の約 9 割に置いた。数量は台数・本数・枚数・貸付残高などの実物(開示がなく推定)、物価の 3% は値段の指数に入れた(ストロー、マスクブランクス、貸付利回りは物価未満)。還元は累進配当(年の配当総額 48 億円ほど)を下限にした。純有利子負債は利払いの増加(税引き前で年 10 億円ほど)として純利益に入れ、余った現金は無い。含み益のある上場株は、額が確かめられないので足していない。店舗を借りる事業ではなく、リースの約束は小さい。10 年後の数字は家賃を含めた今と同じ形で置いている。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 14→17.52 倍・やや楽観 PER 13.5→17 倍・中立 PER 13→16.23 倍)。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality +0.5% を足した。ガバナンスや買収の失敗は k に足さず、悲観の筋書きで表した。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.00% → 7.50%。