結論
オービスは、広島県福山市に本社を置く製材とプレハブの会社だ。輸出の荷物を包む木箱の材料を作り、学校の仮設の校舎や鉄骨の建物を建て、太陽光の売電とゴルフ場も持つ。筆者の結論は、今の値段は割高だ、というものだ。
一番の理由は、稼ぐ力がこれから細ることだ。2025/10期の営業利益は6.6億円まで戻ったが、2026/10期は第3四半期までで3分の1に落ちた。利益の3分の1を稼ぐ太陽光は、国の買取の期間が10年の中で切れ始める。切れた後の単価は今の半分以下になる。木材も輸出の荷動きの弱さで伸びない。
借入も重い。純負債は約37億円で、利益の9年分にあたる。金利が上がれば、利払いが純利益を削る。
10年後の中立では、純利益は約2億円まで細り、ROEは資本コストを大きく下回る。今のPBRは0.5倍台と安く見える。だが、ためた利益が額面の価値を持たない会社に、安全域は薄いと筆者は見る。値段の安さに引かれる前に、稼ぎの先細りを数える必要がある。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、持ち続けたい事業ではないと筆者は見る。
事業は三つとも、値段を自分で決められない。木材は原料と需要の相場に、プレハブは入札に、太陽光は国の制度に値段を決められている。太陽光の守りには期限がある。
資本の使い方は堅実になった。不採算の事業から手を引き、借入を減らし、配当を増やした。ただ、それで事業の稼ぐ力が上がったわけではない。
PBRは0.5倍台で安く見える。だが、ROEが資本コストに届かない会社では、帳簿の自己資本は価値の床にならない。ためた利益は、額面ほどの値打ちを持たない。安全域は値段の安さでなく、稼ぐ力の厚さから生まれる。この会社にはそれが足りない。
ただ、経営が借入を減らし、配当を厚くする方向は正しい。太陽光の稼ぎが残るうちに、どれだけ借入を返し、事業の核を太くできるかが、この先の分かれ目になる。
何で稼ぐ会社か
事業は四つある。2025/10期の売上126億円のうち、59%が木材、34%がハウス・エコ、4%ずつが太陽光とゴルフ場だ。
木材は、ニュージーランドの松と国産の杉を丸太で買い、福山の工場で製材する。梱包用の材、パレット、ドラムの材、土木の仮設の材として売る。客は輸出の荷物を木箱に詰める機械や部品の会社で、大手からスタートアップまで数多い。工場はほぼ満杯で動き、原木の消化量で稼ぎが決まる。売上は74億円だが、利益は3億円にとどまる。
ハウス・エコは、プレハブの建物と鉄骨の建物を作り、売るか貸す。学校の仮設の校舎など官公庁の仕事が得意だ。2023年に重量鉄骨の寿鉄工を買い、大きな建物も作れるようになった。売るだけでなく貸す形も持ち、工事の現場事務所や災害の仮設にも使われる。
太陽光は、3県15か所、約13メガワットの発電所で電気を売る。売上は4.6億円だが、利益は3億円あり、利益の柱の一つだ。ゴルフ場は開場50年の1か所を持つ。
本社の費用は年3.5億円かかる。借入は45億円あり、発電所と工場の設備を支えている。利払いは今は小さいが、金利の上昇で重くなる。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは、弱いと筆者は見る。
製材は、丸太を買って板にする商売だ。原料の値段は為替と海運の相場で決まり、売値は梱包の需要で決まる。2025/10期は円安と虫害で歩留まりが落ち、木材の利益は3割減った。国産の杉への切り替えで原料の値段は安定させたが、値上げの力は限られる。
プレハブと鉄骨は、官公庁の入札が多く、値段は競争で決まる。寿鉄工を加えて作れる建物は広がったが、大型案件の有無で利益は大きく振れる。
太陽光は、国の買取の値段に守られた安定した稼ぎだ。ただ、それは期限つきの守りだ。
資本効率は低い。ROEは過去10年の中央値で11%だが、直近は7%台で、資本コストに届かない。中計の2027/10期の営業利益10億円は、遠い目標になった。経営は堅実だが、事業の組み合わせに強い核が無い。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
三つの事業は、それぞれ別の流れの中にある。
梱包用の木材は、輸出の荷動きで決まる。機械や部品を船で送る時の木箱の需要だ。米国の関税と中国の停滞で、荷動きは弱い。海運の費用も上がった。長い目では、繰り返し使える鉄やプラスチックの容器、段ボールへの置き換えが進む。製材の会社は中小が多く、地域ごとに客を分け合う。運賃が重い商品なので、工場の近くの客を取り合う形だ。
プレハブと鉄骨の建物は、公共の投資と企業の設備の投資で決まる。学校の建て替えや災害の仮設の需要は続くが、人手の不足で工事の費用は上がる。大和リースやナガワなどの大手と、地域の工務店が競う。
太陽光の売電は、国の固定価格の買取に支えられてきた。期間は20年で、2012年から始まった制度の発電所は2030年代に順に期間を終える。その後は市場の値段か、企業への直接の売電になり、単価は大きく下がる。
10年の中立では、梱包の数量は1割減り、太陽光の単価は下がると筆者は見る。プレハブは件数を少し落としながら、値段を物価並みに上げて回る。三つを合わせて、名目の稼ぎを保つのがやっとだ。
資本政策と M&A
還元は配当が中心だ。2026/10期から配当性向の目安を25%から30%に上げた。自社株買いの実績は無く、株主優待も無い。
借入は45億円あり、現金は8億円だ。会社は借入を自己資本の0.8倍以内に抑える方針で、返済を続けている。金利が上がる世界では、借り換えのたびに利払いが重くなる。
2023年に重量鉄骨の寿鉄工を買った。賃貸の不動産と不採算の部門からは撤退し、事業を絞った。中計は2027/10期の営業利益10億円を掲げたが、今の勢いでは届かない。
株は、社長の中浜勇治氏が約25%、和幸が約9%を持つ。2025年に前の社長からの相続で株が移った。オーナーの会社で、買収の提案が来ても社長の判断で決まる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
強気の見方は、事業の整理が終わり、これから稼ぐ段階に入ったと見る。
会社は賃貸の不動産と不採算の部門から手を引き、事業を絞った。2023年に重量鉄骨の寿鉄工を買い、軽い鉄骨から重い鉄骨まで作れるようになった。ハウス・エコの受注残は過去最高を更新している。2026/10期の不振は着工の遅れによる期ずれで、受注残が売上に変われば利益は戻る。
木材も、国産の杉への切り替えで原料の値段を安定させた。工場はほぼ満杯で動いている。
PBRは0.5倍台と、帳簿の半分の値段だ。配当性向を30%に上げ、借入も減らしている。太陽光は買取が切れても償却が終わっていて、利益は残る。
今の値段は、事業の整理を終えた会社を、帳簿よりはるかに安く買える水準だ。受注残が売上に変われば、中計の目標にも近づく。オーナーの会社で経営の判断も速く、寿鉄工の買収のような手を打てる。設計の部署も新しく作り、人の採用も進めた。
配当を厚くする姿勢も、株主に報いる意志の表れだ。
慎重な見方
慎重な見方は、三つの事業のどれも値段を自分で決められない点を突く。
木材は輸出の荷動きと丸太の相場に縛られる。2025/10期は円安と虫害で利益が3割減った。プレハブは入札で、大型案件の有無で利益が振れる。2026/10期は第3四半期までで営業利益が前の年の3分の1になった。
いちばん安定した太陽光の稼ぎには期限がある。買取の期間が切れれば、単価は市場の値段まで落ちる。
借入は45億円あり、利益の9年分だ。金利が上がれば利払いが増え、純利益はさらに細る。中計の営業利益10億円は遠のいた。帳簿の半分の値段でも、ROEが資本コストに届かない会社は安くない。
人の不足も重い。製材の工場も鉄骨の工場も、技能を持つ人の採用が難しく、給与の上昇が利益を削る。2026/10期のハウス・エコの赤字は、人件費の増加も理由だった。事業を三つも抱える小さな会社は、どれにも十分な資金を回せない。
配当性向を上げても、利益そのものが細れば配当の額は増えない。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方が強い。強気の見方の受注残は本物だが、それが利益に変わる確かさは低く、太陽光の期限と金利の上昇は確実に来る。
そこで確率は慎重な側に38%、強気の側に25%を置き、慎重な側に寄せた。中立でもROEは資本コストを大きく下回る。値段が帳簿の半分であることは、この判断を変えない。
受注残の行方は、次の決算で確かめられる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/10 期)
確率で加重した株価時価総額 1,613 円29 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 480 円9 億円)。 今の値に割り戻すと 993 円18 億円、今との差 −44.2%、 期待の年率 +1.6%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 3,637 円65 億円 | 842 円15 億円 | +151.8% | +9.7% | 358 円6 億円 |
| やや楽観 | 17% | 2,454 円44 億円 | 679 円12 億円 | +76.1% | +5.8% | 533 円9 億円 |
| 中立 | 37% | 1,538 円27 億円 | 539 円10 億円 | +16.7% | +1.6% | 768 円14 億円 |
| やや悲観 | 25% | 1,080 円19 億円 | 337 円6 億円 | −20.4% | −2.3% | 354 円6 億円 |
| 悲観 | 13% | 505 円9 億円 | 107 円2 億円 | −65.6% | −10.1% | 80 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,613 円29 億円 | 480 円9 億円 | +17.6% | +1.6% | 2,093 円37 億円 |
今の株価時価総額 1,779 円32 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 木材の値上げが通り、プレハブが育つ 利益 6 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 3,637 円65 億円
輸出の梱包が持ち直し、国産の杉への切り替えで原料の値段が落ち着く。製材の工場はほぼ満杯で動き、値上げが物価を少し上回って通る。木材の利益率は6%に上がる。
プレハブと鉄骨は、寿鉄工を加えた設計と製造の力で、学校や公共の施設の大型案件を取り続ける。受注残の厚さが売上に変わり、利益率は7%を保つ。
太陽光は、買取の期間が切れた後も、企業への直接の売電で単価を保つ。本社の費用は物価並みに増えるが、営業利益は12億円近くになる。借入は返済が進み、配当は利益の3割で増える。PBRは1倍に近づき、ためた利益が生きる会社に変わる。
- 木材(梱包用材・パレット材):数量 106(製材の出荷量(千m3・推定))× 価格 9.80(1m3あたりの値段(万円・推定))→ 売上 104 億円・営業利益 6 億円。製材10.6万m3、値段1.4倍、利益率6%
- ハウス・エコ(プレハブ・鉄骨):数量 334(工事の件数(件・推定))× 価格 2,044(1件あたりの売上(万円・推定))→ 売上 68 億円・営業利益 5 億円。333件、利益率7%
- 太陽光の売電:数量 14.0(発電量(GWh・推定))× 価格 2.40(1MWhあたりの売電の単価(万円・推定))→ 売上 3 億円・営業利益 2 億円。14GWh、買取後も1MWhあたり2.4万円
- ライフクリエイト(ゴルフ場):数量 40.0(来場者(千人・推定))× 価格 13(1人あたりの売上(千円・推定))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。来場4万人
倍率:事業の純利益 6 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.3% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍。全体の PER 11.11 倍、時価総額 65 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:中計は2027/10期の営業利益10億円を掲げるが、2026/10期は5.5億円の見込みで、届く道は細い。木材と鉄骨の両方がそろって伸びる姿は1割弱とみた。
やや楽観 17% 中計に半分ほど近づく 利益 4 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 2,454 円44 億円
梱包の需要は弱いままだが、製材の工場は国産の杉を使い、値上げで原料の高さを取り返す。数量は1割減っても、木材の利益率は5.5%に戻る。
プレハブと鉄骨は、受注残が着工に変わり、件数を今の水準で保つ。人件費の上昇は売値に移り、利益率は6%だ。
太陽光は、半分ほどの発電所で買取の期間が切れ、単価は下がる。それでも設備の償却は終わっていて、利益は残る。営業利益は8億円台、純利益は5億円台になる。配当は利益の3割を保つ。借入は返済で30億円を切り、金利の上昇の痛みも和らぐ。ROEは6%台で、資本コストにはまだ届かない。
- 木材(梱包用材・パレット材):数量 101(製材の出荷量(千m3・推定))× 価格 9.52(1m3あたりの値段(万円・推定))→ 売上 96 億円・営業利益 5 億円。製材10.1万m3、利益率5.5%
- ハウス・エコ(プレハブ・鉄骨):数量 290(工事の件数(件・推定))× 価格 2,014(1件あたりの売上(万円・推定))→ 売上 58 億円・営業利益 4 億円。290件、利益率6%
- 太陽光の売電:数量 14.0(発電量(GWh・推定))× 価格 2.20(1MWhあたりの売電の単価(万円・推定))→ 売上 3 億円・営業利益 2 億円。14GWh、1MWhあたり2.2万円
- ライフクリエイト(ゴルフ場):数量 38.0(来場者(千人・推定))× 価格 13(1人あたりの売上(千円・推定))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。来場3.8万人
倍率:事業の純利益 4 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.6% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍。全体の PER 11.11 倍、時価総額 43 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2025/10期は営業利益6.6億円まで戻した実績がある。プレハブの受注残は過去最高で、それが売上に変わる道は十分ありうる。2割弱に置いた。
中立 37% 木材は細り、太陽光の買取が切れる 利益 2 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 1,538 円27 億円
輸出の梱包は細り、製材の数量は10年で1割減る。値段は物価並みに上がるが、輸入の丸太と運賃の高さが残り、木材の利益率は4.8%だ。
プレハブと鉄骨は、学校や公共の施設の仕事で件数を1割落としながら回る。利益率は5%で、2024/10期と2025/10期の間に落ち着く。
太陽光は、2034年ごろから買取の期間が切れ始める。10年後の平均の単価は今の3分の2に下がり、利益は半分になる。本社の費用は物価で増える。営業利益は約4億円、純利益は約2億円になる。借入の金利も上がる。ROEは3%台で、資本コストを大きく下回る。
- 木材(梱包用材・パレット材):数量 95.7(製材の出荷量(千m3・推定))× 価格 9.38(1m3あたりの値段(万円・推定))→ 売上 90 億円・営業利益 4 億円。製材9.6万m3、値段1.34倍、利益率4.8%
- ハウス・エコ(プレハブ・鉄骨):数量 261(工事の件数(件・推定))× 価格 2,014(1件あたりの売上(万円・推定))→ 売上 53 億円・営業利益 3 億円。261件、利益率5%
- 太陽光の売電:数量 13.8(発電量(GWh・推定))× 価格 1.90(1MWhあたりの売電の単価(万円・推定))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。13.8GWh、買取が半分切れ、単価は今の0.62倍(物価で上げない)
- ライフクリエイト(ゴルフ場):数量 36.0(来場者(千人・推定))× 価格 13(1人あたりの売上(千円・推定))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。来場3.6万人
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 2.8% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍。全体の PER 11.11 倍、時価総額 24 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:梱包の需要は輸出の荷動きに縛られ、太陽光は買取の期間が10年の中で切れ始める。今の稼ぎを物価の分だけ保つのが精いっぱい、という姿がいちばん起こりやすい。
やや悲観 25% 輸出の梱包が縮み、鉄骨が赤字に沈む 利益 −1 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 1,080 円19 億円
米国の関税と中国の停滞で、輸出の梱包の需要がもう一段落ちる。製材の数量は2割余り減り、値上げも物価に届かない。木材の利益率は3%だ。
プレハブと鉄骨は、公共の大型案件が減り、寿鉄工の工場の稼働が落ちる。人件費の上昇を売値に移せず、利益率は2.5%に下がる。
太陽光は買取が切れた発電所で単価が大きく下がる。営業利益はわずか、純利益は赤字すれすれになる。借入の金利が上がり、返済に追われる。配当は細る。会社は工場の一部を閉じ、発電所を売って借入を減らす。株主に残るのは、売れる資産の値打ちだけになる。
借入の返済が優先され、成長への投資は後回しになる。
- 木材(梱包用材・パレット材):数量 82.9(製材の出荷量(千m3・推定))× 価格 8.75(1m3あたりの値段(万円・推定))→ 売上 73 億円・営業利益 2 億円。製材8.3万m3、利益率3%
- ハウス・エコ(プレハブ・鉄骨):数量 218(工事の件数(件・推定))× 価格 1,879(1件あたりの売上(万円・推定))→ 売上 41 億円・営業利益 1 億円。218件、利益率2.5%
- 太陽光の売電:数量 13.5(発電量(GWh・推定))× 価格 1.40(1MWhあたりの売電の単価(万円・推定))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。13.5GWh、単価は今の0.46倍
- ライフクリエイト(ゴルフ場):数量 32.0(来場者(千人・推定))× 価格 11(1人あたりの売上(千円・推定))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。来場3.2万人
倍率:純利益はほぼゼロで稼ぐ力では測れない。売れる資産の床(約13億円)で置き、今の自己資本57億円の0.23倍にあたる。
確率:2026/10期の第3四半期までで営業利益は前の年の3分の1に落ちた。木材とプレハブがそろって弱い姿はすでに見えており、4分の1に置いた。
悲観 13% 梱包の木箱が要らなくなり、工場が余る 利益 −3 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 505 円9 億円
構造的に負ける筋書きだ。輸出の梱包は、繰り返し使える鉄やプラスチックの容器に置き換わる。製材の数量は4割減り、工場の稼働が落ちて利益はほぼ消える。
プレハブと鉄骨は、大手との値段の競争で赤字すれすれになる。太陽光は買取の期間が切れ、単価は3分の1になる。ゴルフ場も客が減る。
営業損益は赤字になり、借入の返済のために発電所や土地を売る。減損で自己資本は削られる。株主に残るのは、借入を返した後の土地と設備の値打ちだけだ。工場の跡地や発電所は、地方の土地なので高くは売れない。
配当は止まり、会社は借入の返済を最優先にする。社長の持ち株の価値も大きく目減りする。
- 木材(梱包用材・パレット材):数量 63.8(製材の出荷量(千m3・推定))× 価格 8.05(1m3あたりの値段(万円・推定))→ 売上 51 億円・営業利益 0 億円。製材6.4万m3、利益ほぼなし
- ハウス・エコ(プレハブ・鉄骨):数量 160(工事の件数(件・推定))× 価格 1,728(1件あたりの売上(万円・推定))→ 売上 28 億円・営業利益 0 億円。160件、利益なし
- 太陽光の売電:数量 13.0(発電量(GWh・推定))× 価格 1.10(1MWhあたりの売電の単価(万円・推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。13GWh、単価は今の0.36倍
- ライフクリエイト(ゴルフ場):数量 28.0(来場者(千人・推定))× 価格 11(1人あたりの売上(千円・推定))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。来場2.8万人、赤字
倍率:赤字で稼ぐ力では測れない。売れる資産の床(約9億円)で置き、今の自己資本57億円の0.16倍にあたる。
確率:梱包の木箱はプラスチックや鉄の容器に置き換わりうる。借入が利益の9年分あり、谷が長引けば資産を売る形になる。1割強に置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
木材(梱包用材・パレット材)
ニュージーランドの松と国産の杉を製材し、梱包用材・パレット材・土木の仮設材を売る。
| 数量製材の出荷量(千m3・推定) | 価格1m3あたりの値段(万円・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 106 | 7.00 | 74 | 3 |
| 10 年後 中立 | 95.7 | 9.38 | 90 | 4 |
取り方:売上74.4億円と利益3.01億円は短信の開示。出荷量の開示は無く、製材品の値段を1m3あたり7万円と推定して10.6万m3と置いた。前の期の利益率は5.8%。
ハウス・エコ(プレハブ・鉄骨)
プレハブと鉄骨の建物の製造・販売・貸し出し、建築と太陽光の工事の請負。
| 数量工事の件数(件・推定) | 価格1件あたりの売上(万円・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 290 | 1,503 | 44 | 4 |
| 10 年後 中立 | 261 | 2,014 | 53 | 3 |
取り方:売上43.6億円と利益3.51億円は短信の開示。件数の開示は無く、1件あたり約1,500万円と推定して290件と置いた。2025/10期は官公庁の大型案件が重なった年で、2026/10期は第3四半期までで売上が4割減った。
太陽光の売電
3県15か所・約13メガワットの発電所で電気を売る。
| 数量発電量(GWh・推定) | 価格1MWhあたりの売電の単価(万円・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 15.0 | 3.04 | 5 | 3 |
| 10 年後 中立 | 13.8 | 1.90 | 3 | 1 |
取り方:売上4.56億円・利益3.02億円と約13メガワットは短信の開示。発電量は1kWあたり年1,150kWhとして約15GWh、単価は売上÷発電量で1MWhあたり約3万円と推定し、2013〜2014年度の買取の区分とみた。国の固定価格の買取で期間は20年、2034年ごろから切れる。切れた後は市場の値段に近づくので、10年後の単価は物価で上げず下げた。
ライフクリエイト(ゴルフ場)
開場50年のゴルフ場を1か所営む。
| 数量来場者(千人・推定) | 価格1人あたりの売上(千円・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 40.0 | 9.56 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 36.0 | 13 | 5 | 0 |
取り方:売上3.82億円・利益0.50億円は短信の開示。来場者の開示は無く、約4万人と推定した。
リスクと懸念
太陽光の買取の期限
利益の3分の1を稼ぐ太陽光は、国の固定価格の買取に支えられる。期間は20年で、10年の中で順に切れる。その後の単価は市場の値段に近づき、利益は大きく減る。
輸出の梱包の需要
木材の客は、機械や部品を木箱で輸出する会社だ。米国の関税、中国の停滞、海運の費用で荷動きが落ちれば、製材の工場の稼働が下がる。木箱が鉄やプラスチックの容器に置き換わる流れもある。
原料の丸太と為替
ニュージーランドの松は円安と海運の費用で高くなる。2025/10期は円安と虫害で歩留まりが落ち、木材の利益が3割減った。
大型案件の振れ
プレハブと鉄骨は官公庁の大型案件で利益が大きく振れる。2026/10期は案件の減少と着工の遅れで赤字になった。人手の不足で工事の費用も上がる。
借入と金利
借入は45億円あり、利益の9年分の重さだ。借り換えのたびに金利が上がり、純利益を削る。返済のために投資を絞れば、事業の力も落ちる。
オーナーへの依存
社長と関係の会社で3割余りを持つ。2025年に相続で株が移った。経営と資本の使い方は社長の判断に集まる。
今後の分かれ目
- 太陽光の買取が切れた後の売電の契約(企業への直接の売電など)を開示した
- 単価の落ち方が見える。中立の太陽光の利益を見直す。
- ハウス・エコの受注残が売上に変わり、利益率が5%を超えた
- 寿鉄工の買収が実を結んだ合図だ。強気の側の確率を上げる。
- 製材の数量が2期続けて落ちた
- 輸出の梱包の縮みが本物になった合図だ。慎重な側の確率を上げる。
- 借入が30億円を下回った
- 金利の上昇の痛みが和らぐ。慎重な側の確率を下げる。
- 中計の2027/10期の目標を下げた
- 会社も稼ぐ力の細りを認めた形だ。中立の見方を保つ。
見ておくもの
- 木材の利益率と製材の数量
- ハウス・エコの受注残と利益率
- 太陽光の発電所ごとの買取の終わる年
- 借入の残高と支払利息
- 配当性向30%の維持
倍率と資本コストの決め方
倍率は式から出した。中立は純利益約2.1億円、ROE3%ほどで資本コスト9%に届かないので上限は1÷kの約10.5倍、その71%の7.5倍。今のPBR0.5倍台や同業の値付けは倍率に使っていない。減価償却は年6.2億円で、太陽光の設備は10年の中で償却が終わり、製材の設備は更新の分だけ新しい値段で足す。会計の償却は減るが、更新の投資は建築費の上昇で膨らむ。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 9→11.11 倍・やや楽観 PER 8.8→11.11 倍・中立 PER 8→11.11 倍)。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%にquality +2%を足した9.5%。同じ領域で済んだ会社は無い。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.50% → 9.00%。