結論
粧美堂は、ヘアケア雑貨やネイル、化粧品、バッグなどを企画して量販店に卸す会社だ。1948 年に大阪で櫛やブラシの卸として始まった。セリアやドン・キホーテが主な売り先で、自社ブランドの商品とキャラクター商品を持つ。筆者の結論は「利益の改善は本物だが、値段は先取りしている」である。
まず稼ぐ力。営業利益は 2023 年 9 月期の 9 億円から、2026 年 9 月期は 18 億円(会社予想)へ倍増する勢いだ。粗利率の改善と、化粧品 OEM のピコモンテ・ジャパンの連結が効いた。
次に弱さ。上位 20 社で売上の約 6 割を占め、セリアとドン・キホーテだけで 25%。量販店の値下げ圧力と流行の波に左右される。
最後に株主還元。配当は伸びており、2026 年 3 月には自己株 60 万株を取得した。ただ数値目標のある中期計画はない。筆者は、利益率の一部が戻る前提で中立を置き、今の値段をやや割高と見る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点で気になるのは「この利益率が何年続くか」だ。粧美堂の営業利益率は、2022 年 9 月期の 3.7% から 2026 年 9 月期の 7.8%(予想)へ、4 年で倍になった。これだけ伸びた会社の利益を、そのまま永続するものとは見ない。
良い点は、事業に大きな設備が要らないことだ。自己資本は 74 億円で、営業利益 18 億円を回せる。ROE が 13% に達するのは、資産が軽いからである。
悪い点は、売り先と流行に左右されること。セリアとドン・キホーテで売上の 4 分の 1。キャラクターの版権や人気は、会社の力だけでは決まらない。
筆者は、粗利率の改善の半分が残る形を中立に置いた。それでも今の値段は、その中立を先取りしている。安全域は薄く、買うなら割安になるのを待つ。持ち続けるなら、粗利率が保たれているかを四半期ごとに確かめたい。
何で稼ぐ会社か
商品は 5 つに分かれる。2025 年 9 月期の売上 221 億円のうち、化粧品が 40%、化粧雑貨が 32%、服飾雑貨が 13%、コンタクトレンズ関連が 10%、その他が 6%。化粧品はメイクやネイル、化粧雑貨はヘアケア(ヒートカーラーなど)やブラシ、キャラクターをあしらった雑貨が中心だ。
自社で企画し、中国などの協力工場に作らせ、量販店に卸す。外貨建ての仕入が半分を超え、その 9 割強が米ドル建てだ。営業利益は 14.7 億円(6.6%)。主な売り先はセリア(売上の 13.5%)とドン・キホーテ(11.6%)。
子会社が 2 つある。コンタクトレンズの受託製造の SHO-BI Labo と、化粧品の OEM を担うピコモンテ・ジャパン(2025 年 1 月に 52% を取得)。化粧品の子会社ビューティードアは 2025 年に売却した。
従業員は連結で 260 人。単一セグメントで、商品別の利益は開示されない。本社は東京にあり、中国の上海の子会社が協力工場の監査と品質管理を担う。流行の移り変わりが速く、商品は常に入れ替わる。
優良さと弱いところ
強みは、売り場の側の需要を企画に落とす力にある。量販店が求める価格帯で、新しい商品を毎年出し続ける。ヒートカーラーや束感シリーズなど、自社企画のヒットを持ち、サンリオやちいかわなどのキャラクターの版権も扱う。
ただし堀は深くない。企画卸は、売り場を持つ量販店が主導権を握る。上位 20 社が売上の約 6 割を占め、値下げの要求を受ければ利益率は削られる。2022 年 9 月期までは営業利益率が 1〜4% だった。
キャラクター商品は人気と契約更新に左右される。直近の改善は、採算の合わない商材の見送りと自社企画品の比率の上昇による粗利率の改善で、一度きりの効果が混じる。
資本効率は ROE 13% と良好だが、過去 10 年の中央値は 3.9% で、改善はまだ短い。弱点は大口依存と流行の波、為替だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
化粧雑貨は、国内の人口が減る中でも売れ筋を回し続ける市場だ。百均が売り場を広げ、品質を上げて 三百円、五百円の価格帯を作った。ドン・キホーテなどの量販店も、メイクやヘアケア用品を強化している。粧美堂は、その売り場の拡大の恩恵を受けてきた。
一方、価格は動かしにくい。百均は 一律の値付けが基本で、卸値の引き上げには限りがある。米ドル建ての仕入が半分あり、円安では原価が上がる。
競争は、中国や国内の同業の企画卸と、量販店の自社ブランド(プライベートブランド)になる。量販店が自社で企画を強めれば、卸の取り分は細る。需要が細る年にこそ、売り場に新しい提案を持ち込める企画力の差が表れる。
コンタクトレンズ関連は、中国の孫会社の EC 撤退で減った。化粧品の OEM は、輸入化粧品の国内向けの製造受託で、取引先が増えれば粗利の厚い売上になる。EC の比率を 3 割に高める目標もあるが、数値の計画は公表されていない。人口が減る国内では、数量よりも単価と企画の質で稼ぐ市場だ。訪日客の需要は、ドン・キホーテなど売り場を通じて追い風になる。
資本政策と M&A
配当は「安定的かつ継続的に」という方針で、明確な配当性向の目標はない。2025 年 9 月期の配当は 3 期連続の増配で、2026 年 9 月期はさらに増える見通しだ。実績の配当性向は 4 割前後。
2026 年 3 月には、自己株式を 60 万株、約 7.6 億円取得した。発行株式の約 4.5% に当たる。自己株は発行済みの約 6% まで積み上がった。
M&A は、2018 年にコンタクトレンズのメリーサイトを子会社化し、2025 年に化粧品 OEM のピコモンテ・ジャパンを 52% で取得した。ピコモンテは少数株主が 48% いるため、利益の一部は外部に出る。
大株主の詳細は開示から取れなかった。社長が大量保有者として名を連ねる。株主優待は、300 株以上に自社企画品(小売価格で三千円相当)を贈る制度で、費用は年 1 億円未満と筆者は見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
改善は構造的だ。採算の合わない一部の量販店向け商材の導入を見送り、自社企画品の比率を上げて粗利率を高めた。2026 年 9 月期は 3 四半期の累計で営業利益が 35% 増え、会社は通期予想を 16 億円から 18 億円へ引き上げた。
成長の入り口は 3 つある。化粧品 OEM のピコモンテ・ジャパンが量販店向けの外へ取引を広げる。服飾雑貨は 2025 年 9 月期に 25% 増えた。EC の比率を 3 割まで高める計画がある。
資産は軽い。自己資本 74 億円で営業利益 18 億円を回し、ROE は 13% を超える。配当は 3 期連続で増え、2026 年 3 月には約 7.6 億円の自己株買いも行った。株主に報いる姿勢が見える。
売り先は広い。ドン・キホーテやセリアに限らず、上位 20 社が売上の約 6 割で、特定の 1 社が 15% を超えない。企画力が評価され、取引先が離れにくい。
慎重な見方
利益率の倍増は、わずか数年の出来事だ。2022 年 9 月期までは営業利益率が 1〜4% で、過去 10 年の ROE の中央値は 3.9%。この改善が壊れる条件は多い。
売り先が偏っている。セリアとドン・キホーテで売上の 4 分の 1、上位 20 社で約 6 割。量販店が値下げを求めれば、企画卸の取り分は細る。百均は値付けが固く、原価が上がっても卸値を上げにくい。
流行とキャラクターの版権は不確かだ。サンリオやちいかわの人気は、会社の努力だけでは続かない。版権元の契約更新や解除がリスクとして挙げられている。
為替も重い。仕入の半分が外貨建てで、その 9 割強が米ドル。円安で原価が上がっても、卸値に乗せにくい。ピコモンテは少数株主が 48% で、利益の一部は外に出る。数値目標のある中期計画もなく、改善の持続を外から確かめにくい。2022 年 9 月期までの営業利益率は 4% を超えたことがなく、今の水準は会社の歴史では異例である。
どちらに重みを置いたか
筆者は、粗利率の改善が半分残る形を中立と置き、確率は中立 38%、やや悲観 28%、悲観 10%、やや楽観 18%、楽観 6% とした。強気の言い分の「構造的な改善」は半分認め、慎重な言い分の「大口依存と流行」は、やや悲観の厚みに反映した。結果、今の値段は中立を先取りしている。ただし財務の傷みは小さく、悲観でも倒れる会社ではないため、悲観の確率は 1 割にとどめた。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した株価時価総額 1,188 円150 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 351 円44 億円)。 今の値に割り戻すと 774 円98 億円、今との差 −21.3%、 期待の年率 +4.6%(資本コスト 8.3%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 2,134 円270 億円 | 467 円59 億円 | +164.6% | +10.2% | 156 円20 億円 |
| やや楽観 | 18% | 1,787 円226 億円 | 427 円54 億円 | +125.2% | +8.5% | 399 円50 億円 |
| 中立 | 38% | 1,462 円185 億円 | 380 円48 億円 | +87.4% | +6.5% | 700 円88 億円 |
| やや悲観 | 28% | 565 円71 億円 | 285 円36 億円 | −13.5% | −1.4% | 238 円30 億円 |
| 悲観 | 10% | 245 円31 億円 | 222 円28 億円 | −52.6% | −7.2% | 47 円6 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,188 円150 億円 | 351 円44 億円 | +56.6% | +4.6% | 1,539 円195 億円 |
今の株価時価総額 983 円124 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.3% を下回るほど割高。
楽観 6% 自社ブランドと OEM が伸び、利益率が 8% に乗る 利益 16 億円 · PER 15.4 倍 · 株価時価総額 2,134 円270 億円
自社企画の高単価品とキャラクター商品が売り場を広げ、化粧品の OEM(相手先ブランドの製造受託)も育つ。数量は今の 1.15 倍、単価は 10 年で 1.40 倍まで上がる。
服飾雑貨とコンタクトレンズも伸び、全体の営業利益率は 8% に乗る。ピコモンテ・ジャパンの OEM が量販店向けに加えて新しい取引先を開き、粗利の厚い売上が増える。
営業利益は 28 億円、純利益は 16 億円。配当性向は 4 割台を保ち、自己資本は 140 億円ほどになる。化粧品の OEM は流行の波が小さく、利益の質が上がるため、倍率も高く評価される。
- 化粧品・化粧雑貨:数量 2.6(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 98(1 個あたり卸値(円))→ 売上 255 億円・営業利益 22 億円。化粧品・雑貨 出荷 1.15 倍 × 卸値 1.40 倍、営業利益率 8.5%
- 服飾雑貨:数量 0.1(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 540(1 個あたり卸値(円))→ 売上 49 億円・営業利益 3 億円。服飾雑貨 出荷 1.30 倍 × 卸値 1.35 倍、営業利益率 7.0%
- コンタクトレンズ関連・その他:数量 110(取扱量(2025/09 を 100 とした指数))× 価格 1.30(取扱量 100 あたり売上の指数(2025/09 = 1.0))→ 売上 50 億円・営業利益 3 億円。コンタクト・その他 取扱 1.10 倍 × 価格 1.30 倍、営業利益率 6.5%
倍率:事業の純利益 16 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 14.9% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.6%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.4 倍。全体の PER 15.4 倍、時価総額 253 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:自社ブランドの比率が上がり、化粧品 OEM が大きく伸びる筋書き。直近の粗利率の改善が定着する必要がある。上場以降の最良の利益率は 9.4% で、それに近づく条件が重なる確率は低い。
やや楽観 18% 粗利率の改善が残り、利益率は 7.5% で落ち着く 利益 14 億円 · PER 15.0 倍 · 株価時価総額 1,787 円226 億円
数量は 1.07 倍、単価は物価をわずかに上回る 1.35 倍。取引先の量販店が売り場で粗利の厚い商品を求め、自社企画品の比率が上がる。
服飾雑貨は 15% 増え、コンタクトレンズは緩やかに増える。営業利益率は 7.5% で、足元の 7.8%(会社予想)をわずかに下回って推移する。
営業利益は 24 億円、純利益は 14 億円。ピコモンテ・ジャパンの OEM が量販店向けの外にも広がり、粗利の厚い売上が少しずつ増える。配当は純利益の 4 割台で、自社株買いも時折行う。主力の化粧品と雑貨は景気で大きくは落ちず、売り先の量販店も分散しているため、利益の振れは小さい。
- 化粧品・化粧雑貨:数量 2.4(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 95(1 個あたり卸値(円))→ 売上 229 億円・営業利益 18 億円。化粧品・雑貨 出荷 1.07 倍 × 卸値 1.35 倍、営業利益率 8.0%
- 服飾雑貨:数量 0.1(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 520(1 個あたり卸値(円))→ 売上 42 億円・営業利益 3 億円。服飾雑貨 出荷 1.15 倍 × 卸値 1.30 倍、営業利益率 6.5%
- コンタクトレンズ関連・その他:数量 105(取扱量(2025/09 を 100 とした指数))× 価格 1.25(取扱量 100 あたり売上の指数(2025/09 = 1.0))→ 売上 46 億円・営業利益 3 億円。コンタクト・その他 取扱 1.05 倍 × 価格 1.25 倍、営業利益率 6.0%
倍率:事業の純利益 14 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 13.8% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.0%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.0 倍。全体の PER 14.98 倍、時価総額 207 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:直近の粗利率の改善が定着し、OEM と服飾雑貨の増収が続く筋書き。直近の利益率に近いが、流行と大口顧客の変動を考えて中立より低い確率とする。
中立 38% 粗利率の改善は半分残り、数量は横ばい 利益 11 億円 · PER 14.5 倍 · 株価時価総額 1,462 円185 億円
化粧雑貨の数量は人口減で伸びないが、自社企画品の比率が上がるため出荷は今の水準を保つ。単価は物価(1.34 倍)に届かず 1.30 倍。百均の値付けが固く、卸値の引き上げには限りがある。
営業利益率は 6.9%。2025 年 9 月期の 6.6% と 2026 年 9 月期の 7.8%(会社予想)の間で、ここ数年の改善の一部が残る。
営業利益は 19 億円、純利益は 11 億円。ピコモンテ・ジャパンの少数株主の取り分があるため、純利益は営業利益の 6 割弱にとどまる。配当は純利益の 4 割台で、自社株買いは時折行う。
- 化粧品・化粧雑貨:数量 2.3(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 91(1 個あたり卸値(円))→ 売上 206 億円・営業利益 15 億円。化粧品・雑貨 出荷 1.00 倍 × 卸値 1.30 倍、営業利益率 7.3%
- 服飾雑貨:数量 0.1(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 500(1 個あたり卸値(円))→ 売上 35 億円・営業利益 2 億円。服飾雑貨 出荷 1.00 倍 × 卸値 1.25 倍、営業利益率 6.0%
- コンタクトレンズ関連・その他:数量 100(取扱量(2025/09 を 100 とした指数))× 価格 1.20(取扱量 100 あたり売上の指数(2025/09 = 1.0))→ 売上 42 億円・営業利益 2 億円。コンタクト・その他 取扱 1.00 倍 × 価格 1.20 倍、営業利益率 5.5%
倍率:事業の純利益 11 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.5% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.4%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.5 倍。全体の PER 14.46 倍、時価総額 163 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の化粧雑貨の需要は成熟し、数量は横ばい。単価は量販店の値付けで物価に届かない。直近の粗利率の改善が半分残る形を落としどころとした。
やや悲観 28% 大口顧客の値下げ圧力と流行の一巡で、利益率が戻る 利益 6 億円 · PER 8.5 倍 · 株価時価総額 565 円71 億円
量販店が仕入れ価格の引き下げを求め、卸値は 1.22 倍にとどまる。キャラクター商品の人気が一巡し、数量は今の 9 割に減る。
服飾雑貨は競争で伸びが止まり、コンタクトレンズも縮む。営業利益率は 4.5% まで下がる。2022 年 9 月期の 3.7%、2023 年 9 月期の 4.2% に近い水準だ。
営業利益は 11 億円、純利益は 6 億円。売上は今の水準を割るが、固定費は物価で増え、利益の減り方は売上の減り方より大きい。配当は純利益に合わせて縮み、自己資本の増え方も鈍る。仕入の半分が米ドル建てのため、円安が重なると原価も上がる。
- 化粧品・化粧雑貨:数量 2.0(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 85(1 個あたり卸値(円))→ 売上 174 億円・営業利益 9 億円。化粧品・雑貨 出荷 0.90 倍 × 卸値 1.22 倍、営業利益率 5.0%
- 服飾雑貨:数量 0.1(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 460(1 個あたり卸値(円))→ 売上 27 億円・営業利益 1 億円。服飾雑貨 出荷 0.85 倍 × 卸値 1.15 倍、営業利益率 3.5%
- コンタクトレンズ関連・その他:数量 90.0(取扱量(2025/09 を 100 とした指数))× 価格 1.10(取扱量 100 あたり売上の指数(2025/09 = 1.0))→ 売上 35 億円・営業利益 1 億円。コンタクト・その他 取扱 0.90 倍 × 価格 1.10 倍、営業利益率 3.0%
倍率:事業の純利益 6 億円、事業の自己資本 約 71 億円で、事業の ROE は約 8.7% と k 8.25% 並み。ROE が k 以下の水準の PER は 1÷k(11.8 倍)が上限で、利益が細る途中のため上限の 7 割強(8.5 倍)に置く。
確率:上位 20 社が売上の約 6 割を占め、量販店の値下げ要求が強まる筋書き。ここ数年の改善は 2022 年以前の薄利からの急上昇で、定着の証拠が薄い。
悲観 10% 最大顧客を失い、人気商品も尽きて、薄利の卸に戻る 利益 3 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 245 円31 億円
百均やディスカウント店の取引が減り、売れ筋のキャラクターの版権も更新できない。数量は今の 75% に落ち、卸値の引き上げは物価の半分にとどまる。
営業利益率は 2.6%。2021 年以前の薄利の卸に戻る形だ。服飾雑貨とコンタクトレンズは赤字寸前まで落ちる。
営業利益は 4.4 億円、純利益は 2.6 億円。人員と物流の固定費は物価で膨らむ一方で売上は縮み、企画の人材も流出する。借入と在庫の重さから、自己資本の取り崩しが避けられない。配当は最低限になり、株主にとっては何年も報われない時期が続く。在庫の評価損が出て、販売先への値引きが重なれば、赤字に近い年も出る。
- 化粧品・化粧雑貨:数量 1.7(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 77(1 個あたり卸値(円))→ 売上 131 億円・営業利益 4 億円。化粧品・雑貨 出荷 0.75 倍 × 卸値 1.10 倍、営業利益率 3.0%
- 服飾雑貨:数量 0.0(出荷数量(億個)。売上からの推定)× 価格 400(1 個あたり卸値(円))→ 売上 18 億円・営業利益 0 億円。服飾雑貨 出荷 0.65 倍 × 卸値 1.00 倍、営業利益率 1.5%
- コンタクトレンズ関連・その他:数量 70.0(取扱量(2025/09 を 100 とした指数))× 価格 1.00(取扱量 100 あたり売上の指数(2025/09 = 1.0))→ 売上 25 億円・営業利益 0 億円。コンタクト・その他 取扱 0.70 倍 × 価格 1.00 倍、営業利益率 1.0%
倍率:事業の純利益 2.6 億円で、稼ぐ力(純利益÷k)は約 31 億円。今の自己資本 74 億円に 0.40 を掛けた 31 億円を置く。稼ぐ力に見合う水準で、床の資産は数えない。PER に直すと 11 倍台とやや悲観より高く見えるのは、やや悲観の PER が利益の細る途中の値で、悲観は稼ぐ力そのもので測るため。
確率:構造的な負けの筋書き。最大の売り先の一つが取引を縮め、キャラクターの版権更新も失う。2021 年以前の 1〜2% の利益率に戻る。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
化粧品・化粧雑貨
メイク・ネイル用品、ヘアケア雑貨(ヒートカーラーなど)、キャラクターあしらいの雑貨を企画して卸す。セリアやドン・キホーテなどが主な売り先。
| 数量出荷数量(億個)。売上からの推定 | 価格1 個あたり卸値(円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 2.3 | 70 | 158 | 11 |
| 10 年後 中立 | 2.3 | 91 | 206 | 15 |
取り方:単一セグメントのため、商品区分別の売上は開示の実額(化粧品 88.5 億円+化粧雑貨 69.8 億円)。営業利益の配分と数量は筆者の推定。1 個あたり卸値七十円前後(百均向けが中心のため)で割り、2.26 億個とした。数量は推定で、実際とずれうる。
服飾雑貨
バッグ、財布、ポーチなどの服飾雑貨の企画卸。2025/09 期に前期比 25% 増えた。
| 数量出荷数量(億個)。売上からの推定 | 価格1 個あたり卸値(円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 0.1 | 400 | 28 | 2 |
| 10 年後 中立 | 0.1 | 500 | 35 | 2 |
取り方:売上 27.9 億円は開示の実額。1 個あたり卸値四百円前後(推定)で割り、約 700 万個とした。営業利益の配分は筆者の推定(単一セグメントのため)。
コンタクトレンズ関連・その他
子会社のコンタクトレンズ受託製造(SHO-BI Labo)と、その他の事業。
| 数量取扱量(2025/09 を 100 とした指数) | 価格取扱量 100 あたり売上の指数(2025/09 = 1.0) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 100 | 1.00 | 35 | 2 |
| 10 年後 中立 | 100 | 1.20 | 42 | 2 |
取り方:コンタクトレンズ関連 22.4 億円とその他 12.6 億円の合計 35.0 億円。コンタクトレンズは中国孫会社の EC 撤退で前期比 10.5% 減った。内訳の数量が開示されないため指数で置く。営業利益の配分は推定。
リスクと懸念
大口顧客の値下げ圧力
上位 20 社で売上の約 6 割、セリアとドン・キホーテで約 25%。量販店が仕入れ価格の引き下げを求めれば、利益率は 2022 年以前の水準に戻りうる。
キャラクター商品の人気と契約
サンリオなどの版権商品は、人気の変動と契約の更新・解除に左右される。版権を失えば、売れ筋の一部が消える。
為替
外貨建て仕入が半分を超え、その 9 割強が米ドル。円安が進めば原価が上がるが、百均の値付けでは卸値に乗せにくい。
粗利率の改善が続かない
改善には、採算の合わない商材の見送りという一度きりの効果が含まれる。自社企画品の比率が下がれば、粗利率は元に戻る。
量販店の自社企画
量販店が自社企画のプライベートブランドを強めれば、企画卸の取り分は細る。
化粧品 OEM・コンタクトレンズの事業リスク
ピコモンテ・ジャパンは少数株主が 48% で、利益の一部が外に出る。コンタクトレンズは中国の EC 撤退で減り、品質や薬事の規制リスクもある。
今後の分かれ目
- 2026 年 9 月期の営業利益が 18 億円に届き、2027 年 9 月期も 7% 台を保つ
- 粗利率の改善が定着した合図で、やや楽観の確率を上げる。
- セリアやドン・キホーテなど大口の取引が縮む
- 数量と利益率が同時に落ちる。やや悲観の確率を上げる。
- 主要キャラクターの版権契約が更新されない
- 売れ筋が消え、悲観の筋書きに近づく。
- 数値目標のある中期計画や配当性向の目標が示される
- 還元の見通しが立ち、倍率の質を上げられる。
- ピコモンテ・ジャパンが量販店以外の取引先を大きく増やす
- 粗利の厚い売上が増え、やや楽観の確率を上げる。
見ておくもの
- 営業利益率(四半期)と粗利率
- セリア・ドン・キホーテ向けの売上比率
- 化粧品 OEM(ピコモンテ・ジャパン)の売上
- 為替と外貨建て仕入の比率
- 自己株買いと配当性向
倍率と資本コストの決め方
倍率は正当化 PER の式(g 4%、k 8.25%、残る割合 1/2)から出した。中立の ROE は k を超えるので 1÷k の 11.8 倍を下回らせず、上限の 84% に置いた。今の PER や同業の倍率は使っていない。商品区分別の営業利益と数量は開示がなく推定。営業利益率は 6.9% で、2026 年 9 月期の会社予想 7.8% を下回り、上場以降の最良の 9.4% を超えない。純利益÷営業利益は、ピコモンテの少数株主分を含む過去の水準 0.58 を使った。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 12.5→15.4 倍・やや楽観 PER 11.5→14.98 倍・中立 PER 11.8→14.46 倍・悲観 PBR 0.4→0.417 倍)。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。