結論
南海プライウッドは、住宅の収納や天井材、床材を作り、建材商社とハウスメーカーに売る香川の会社だ。筆者の結論は「国内の本業は同業より明らかに稼ぐが、仏の合板事業と借金が重く、それを差し引いても今の値段はやや安い」である。
国内の内装建材は、2026 年 3 月期に 1 割を超える利益率を出したとみられる。収納の品ぞろえと、インドネシアの自社工場で部材を作る仕組みが効いている。同業の永大産業やノダの利益率が 2〜3% であることを思えば、本業の強さは際立つ。
重荷は欧州だ。2014 年に買った仏の合板会社 NP ROLPIN は 12 年近く赤字が続き、債務超過は 46 億円に膨らんだ。それでも会社は 2025 年に、同じ仏の合板会社 JOUBERT を約 41 億円で買い足した。借金は 74 億円の純負債に変わった。
時価総額は 71 億円で、自己資本 265 億円の 3 割弱にすぎない。帳簿どおりの価値はないが、国内の本業が稼ぐ利益だけでも今の値段を支える。10 年後の価値を今に引き直すと、確率で重みづけた値は今の時価総額を 1 割強上回る。欧州で利益を出せるか、資本を株主に戻すかが分かれ目になる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、南海プライウッドは「よい事業と、よくない資本の使い方が同居する会社」だ。
国内の内装建材は、同業より明らかに稼ぐ。インドネシアの工場と組み合わせた作り方は、まねに時間がかかる。新築は減るが、残る市場で取り分を広げられる会社だ。この部分だけなら、オーナーとして持ちたいと思える。
問題は、稼いだ利益の行き先である。配当は利益の 1 割強で、残りは欧州の合板に向かった。NP ROLPIN は 12 年近く赤字で、それを立て直す前に JOUBERT を借入で買った。資本を自分で増やせない少数株主にとって、これは安心できる使い方ではない。
それでも値段が安い。時価総額は自己資本の 3 割弱で、国内の本業が稼ぐ利益の 5〜6 年分に近い。欧州が足を引っ張り続けても、国内が稼ぐ限り下値はある。
筆者は、安全域はあると見る。ただし報われるには、欧州の損を止めるか、還元を増やすか、どちらかの変化が要る。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱は国内の内装建材だ。造り付けの収納、天井板、床材、階段などを作り、建材商社の SMB建材(売上の 22%)と住友林業(16%)を通じて戸建て住宅に納める。分譲住宅や注文住宅の内装を、一式そろえて出せるのが強みである。
作り方に特徴がある。インドネシアの自社工場で木材を加工し、部材を作って日本へ運ぶ。香川の志度工場で仕上げて出荷する。人件費の安い国で手間のかかる工程をこなし、国内では組み立てと品質を担う。2025 年にはインドネシアに新しい工場も動き出した。
売上の大半は木材関連の事業で、2026 年 3 月期は 264 億円だった。ほかに、電線や電気機器を売る子会社ナンリツ(22 億円)と、配管工事の子会社(5 億円)がある。どちらも小さく、利益への貢献は薄い。
欧州では合板を作る。NP ROLPIN は 2014 年に買った工場で、松の合板を作るが、主要な客の内製化と原料高で赤字が続く。JOUBERT は 2025 年 10 月に買った会社で、アフリカのオクメ材を使った高級な合板を作り、船や家具、内装向けに売る。ガボンに原料の工場も持つ。2027 年 3 月期は JOUBERT が通年で乗り、売上は 390 億円に増える見込みだ。
利益の大半は国内が生む。欧州は売上を大きくするが、利益はまだほとんど出していない。会社は 2027 年 3 月期に営業利益 20 億円を見込み、欧州が通年で乗っても利益はほぼ横ばいだ。欧州の売上の伸びが、そのまま利益の伸びにならないことを示している。
優良さと弱いところ
国内の本業には、小さいながら本物の強みがあると見る。同じ収納や床材を作る永大産業やノダは、利益率 2〜3% で苦しむ。南海プライウッドは 2022 年 3 月期に 9.9%、2026 年 3 月期に 7.2% を出した。差を生むのは、インドネシアの自社工場で手間をかけた部材を安く作れることと、収納の品ぞろえの細かさだ。
ただ、値段を決める力は強くない。売上の 4 割近くを SMB建材と住友林業の 2 社に頼る。客の要求に合わせた受注生産が中心で、新築が減れば量はそのまま落ちる。為替にも弱い。インドネシアから運ぶので、円安は原価を押し上げる。
弱みは資本の使い方だ。NP ROLPIN は 12 年近く立て直せず、親会社の帳簿では 46 億円の貸付金に引当金を積んだ。その教訓が残るうちに、同じ仏で JOUBERT を買った。過去 10 年の ROE の中央値は 4.2% で、資本コストに届かない。配当は純利益の 1 割強にとどまり、利益はためられて欧州に向かった。
財務はまだ持ちこたえる。自己資本比率は 56% あり、利払いの負担も軽い。ただ純現金から純負債に転じ、余裕は小さくなった。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の住宅内装建材は、新築の数で量が決まる成熟した市場だ。新設住宅の着工は 2025 年度に 70 万戸台まで減り、南海プライウッドの主戦場である持家と分譲住宅は 1 年で 1 割以上減った。野村総合研究所は、着工が 2040 年度に 60 万戸ほどまで減るとみる。人口が減る以上、この流れは変わらない。
それを埋めるのがリフォームだ。収納の入れ替えや間取りの変更は、古い家が増えるほど需要が増える。ただ、リフォームは工務店や小さな店が担い、ハウスメーカーとの大口の取引とは売り方が違う。南海プライウッドはショールームや EC で届け方を広げている。
競合は永大産業、ノダ、ウッドワン、大建工業、パナソニックの住宅設備部門などだ。どこも新築の減少と原料高に苦しみ、値上げで何とかしのいでいる。新築が減る市場では、品ぞろえと物流で効率のよい会社にシェアが寄る。南海プライウッドはその側にいる。
欧州の合板市場は別の論理で動く。オクメ材の合板は軽くて美しく、船や高級家具、内装に使われる。供給はガボンの森林規制に縛られ、作れる会社は限られる。一方で、松の合板は東欧や南米からの安い輸入品と競う厳しい市場だ。JOUBERT は前者、NP ROLPIN は後者にいる。
10 年で見ると、国内は量が 1 割ほど減り、値段は物価並みに上がる。欧州は量が少し増えるが、利益率は低いまま、という姿が中心だろう。
資本政策と M&A
還元は細い。配当は安定配当が方針で、2026 年 3 月期の配当総額は約 1.9 億円、純利益の 1 割強だ。自己株買いはほぼしていない。利益の多くは社内にためられ、インドネシアの新工場と欧州の買収に回った。
大株主は南海興産で、議決権の 25% を持つ。不動産を貸す会社で、役員の兼任があり、会社に設備も貸している。創業の一族に近い資産会社とみられ、会社の方針を左右できる位置にいる。建材商社のジャパン建材も株主だ。
買収は 2 つの仏の合板会社だ。NP ROLPIN は失敗に近く、JOUBERT は約 41 億円で、借入で払った。次の大型の買収よりも、まずは欧州 2 社の立て直しが課題になる。
自己資本に比べて時価総額が極端に小さく、PBR 1 倍を求める市場の声は強まっている。還元の方針を変えれば、値段は大きく動きうる。南海興産が株を持つ限り、外からの買収は起きにくい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
国内の本業は同業の中で一番稼ぐ。2026 年 3 月期の営業利益は 21 億円で、利益率 7.2% は永大やノダの 2〜3 倍だ。インドネシアの新工場が動き、部材を作る力はさらに増える。新築が減っても、収納の品ぞろえでシェアを取り、リフォームや集合住宅に広げれば量は保てる。
欧州も見方を変えるべきだ。JOUBERT はオクメ材の合板という、作れる会社の少ない品を持つ。ガボンに原料の拠点まであり、船や高級家具向けに値段を取れる。NP ROLPIN と販路や工場を組み合わせれば、2 社合わせて利益を出す道はある。2027 年 3 月期の第 1 四半期は、売上が 5 割増え、営業利益も 26% 増えた。
そして値段だ。時価総額 71 億円は、自己資本 265 億円の 3 割弱にすぎない。国内の本業だけで、毎年 15 億円前後の純利益を生む力がある。還元を少し増やすだけで、株主の取り分は大きく変わる。PBR 1 倍を求める市場の圧力も、この会社には強く効く。
為替も味方になりうる。2026 年 3 月期は為替の対策と原価の削減で、利益率を前の年の 3.9% から 7.2% に戻した。円安の重荷を受け止める力は、すでに数字で示されている。
慎重な見方
国内は稼ぐが、その利益は欧州に吸い込まれる。NP ROLPIN は 2014 年から赤字が続き、債務超過は 46 億円だ。会社は 12 年かけても立て直せなかった。それなのに、同じ仏で JOUBERT を借入で買った。経営は損を止めるより、規模を広げる方を選んだ。
国内の量も細る。持家と分譲の着工は 1 年で 1 割以上減った。売上の 4 割近くを 2 社の商社とハウスメーカーに頼り、値段は客が決める。円安になればインドネシアからの部材が高くなり、利益率は 2023〜2025 年のように 3〜4% に沈む。2026 年 3 月期の純利益 18 億円も、為替差益 10 億円に支えられた。
借金も増えた。純現金から 74 億円の純負債に転じ、借り換えの金利は 3.5% に上がる。配当は利益の 1 割強で、自己株買いもしない。南海興産が 25% を握る限り、外から資本の使い方を変える力は働かない。ためた利益が欧州で消えるなら、自己資本の大きさは何の慰めにもならない。
同業の姿も参考になる。永大産業は自社の木質ボードの事業でつまずき、利益の多くを失った。本業が強くても、新しい事業の失敗 1 つで会社の値打ちは大きく削られる。
どちらに重みを置いたか
国内の本業の強さは数字で確かめられる一方、欧州の失敗も数字で確かめられる。どちらの言い分にも根拠があるが、値段がすでに欧州の損を大きく織り込んでいる点を重く見た。中立に最大の重みを置き、楽観側をやや厚くした。
JOUBERT が黒字を定着させ、NP ROLPIN の赤字が止まれば楽観側を、欧州で追加の損失や減損が出れば悲観側を厚くする。還元の方針が変われば、それも楽観側の材料になる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 4,144 円201 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 480 円23 億円)。 今の値に割り戻すと 2,246 円109 億円、今との差 +55.9%、 期待の年率 +12.4%(資本コスト 8.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 7,439 円361 億円 | 762 円37 億円 | +469.1% | +19.0% | 820 円40 億円 |
| やや楽観 | 22% | 5,894 円286 億円 | 577 円28 億円 | +349.1% | +16.2% | 1,424 円69 億円 |
| 中立 | 38% | 4,506 円219 億円 | 453 円22 億円 | +244.2% | +13.2% | 1,885 円92 億円 |
| やや悲観 | 20% | 1,409 円68 億円 | 371 円18 億円 | +23.5% | +2.1% | 356 円17 億円 |
| 悲観 | 10% | 1,092 円53 億円 | 309 円15 億円 | −2.8% | −0.3% | 140 円7 億円 |
| 加重平均 | 100% | 4,144 円201 億円 | 480 円23 億円 | +220.9% | +12.4% | 4,624 円225 億円 |
今の株価時価総額 1,441 円70 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:国内でシェアを取り、欧州 2 社が黒字に。営業利益は 45 億円台 利益 29 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 7,439 円361 億円
国内では、新築の減少を収納のシェアの伸びとリフォームで埋める。インドネシアの新工場で部材の原価が下がり、品ぞろえも広がる。納める住戸は今とほぼ同じ数を保ち、値段は物価を少し上回る。
欧州が変わる。JOUBERT のオクメ合板が船や高級家具で値段を取り、NP ROLPIN は工場の役割を整理して赤字を止める。2 社合わせて利益率 6% に乗り、欧州は利益の柱の 1 つになる。
営業利益は 45 億円台、利益率は 9% に近づく。2022 年 3 月期の 9.9% に迫る水準だ。借金は返済が進み、利払いは軽くなる。
利益が増える分だけ配当も増えるが、還元の割合は大きく変わらない。自己資本は 400 億円を超え、ROE は 7% 弱まで上がるが、まだ資本コストには届かない。
- 国内の内装建材(収納・天井・床):数量 25.5(内装を納めた住戸の数(万戸・推定))× 価格 9.60(1 戸あたりの販売額(万円))→ 売上 245 億円・営業利益 32 億円。住戸 1.02 倍・単価 1.37 倍
- 欧州の合板(NP ROLPIN・JOUBERT):数量 125(合板の販売量(千 m³・推定))× 価格 20(1 m³ あたりの販売額(万円))→ 売上 255 億円・営業利益 15 億円。量 2.10 倍(JOUBERT 通年込み)・単価 1.36 倍
- 電線・配管:数量 1.9(電線・樹脂製品の販売量(千 t・推定))× 価格 201(1 t あたりの販売額(万円))→ 売上 38 億円・営業利益 1 億円。量 1.06 倍・単価 1.35 倍
倍率:事業の純利益 29 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.6% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍。全体の PER 12.5 倍、時価総額 361 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の利益率 1 割超は実績があり、JOUBERT は値段の取れる品を持つ。ただ NP ROLPIN は 12 年近く立て直せておらず、欧州で利益率 6% は高い望みなので 1 割とした。
やや楽観 22% やや楽観:国内は利益率 1 割強を保ち、JOUBERT が稼ぎ始める 利益 23 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 5,894 円286 億円
国内の住戸は 6% 減るが、収納のシェアとリフォームで落ち込みを和らげる。値段は物価並みに上げ、原価の上昇を吸収する。国内の利益率は 1 割強を保つ。
欧州では JOUBERT が稼ぎ始め、NP ROLPIN の赤字は小さくなる。2 社で利益率 4.5% ほどに乗る。為替は 150 円で動かず、インドネシアからの部材の原価も落ち着く。
営業利益は 37 億円、利益率は 7% 前後だ。借入の金利は 3.5% に上がるが、返済が進むので利払いは大きく増えない。
配当は利益に合わせて増え、10 年で 28 億円を払う。自己資本は 400 億円を超え、ROE は 5% 台。今の値段に比べれば、利益の水準は十分に高い。
- 国内の内装建材(収納・天井・床):数量 23.5(内装を納めた住戸の数(万戸・推定))× 価格 9.50(1 戸あたりの販売額(万円))→ 売上 223 億円・営業利益 28 億円。住戸 0.94 倍・単価 1.36 倍
- 欧州の合板(NP ROLPIN・JOUBERT):数量 115(合板の販売量(千 m³・推定))× 価格 20(1 m³ あたりの販売額(万円))→ 売上 231 億円・営業利益 10 億円。量 1.93 倍(JOUBERT 通年込み)・単価 1.34 倍
- 電線・配管:数量 1.8(電線・樹脂製品の販売量(千 t・推定))× 価格 201(1 t あたりの販売額(万円))→ 売上 36 億円・営業利益 1 億円。量 1.00 倍・単価 1.35 倍
倍率:事業の純利益 23 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.5% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍。全体の PER 12.5 倍、時価総額 286 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の利益率は 2026/03 期に 7.2%、Q1 も増益と勢いがある。JOUBERT が通年で乗った 2027/03 期の予想も増収増益で、楽観より手堅い回復として 2 割強とした。
中立 38% 中立:国内は量が 1 割強減るが利益率 1 割強を保ち、欧州はわずかな黒字 利益 18 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 4,506 円219 億円
国内に納める住戸は、新築の減少で 12% 減る。リフォームや集合住宅で一部を取り戻すが、全部は戻らない。値段は物価並みに上がり、利益率は 11.5% と今より少し下がる。原料と人件費の上昇を、値上げで追いかける形だ。
欧州は量が少し増え、JOUBERT の利益が NP ROLPIN の赤字をやや上回る。利益率は 3% にとどまる。欧州で大きな損は出ないが、利益の柱にもならない。
営業利益は 29 億円、利益率は 6% 台だ。借入の金利が 3.5% に上がり、利払いが年 2〜3 億円かかる。純利益は 17〜18 億円になる。
配当は利益の 1 割強のまま、10 年で 22 億円。自己資本は約 390 億円に膨らみ、ROE は 4% 台にとどまる。利益の水準に比べ、資本は使い切れずに残る。
- 国内の内装建材(収納・天井・床):数量 22.0(内装を納めた住戸の数(万戸・推定))× 価格 9.38(1 戸あたりの販売額(万円))→ 売上 206 億円・営業利益 24 億円。住戸 0.88 倍・単価 1.34 倍
- 欧州の合板(NP ROLPIN・JOUBERT):数量 110(合板の販売量(千 m³・推定))× 価格 20(1 m³ あたりの販売額(万円))→ 売上 221 億円・営業利益 7 億円。量 1.85 倍(JOUBERT 通年込み)・単価 1.34 倍
- 電線・配管:数量 1.8(電線・樹脂製品の販売量(千 t・推定))× 価格 200(1 t あたりの販売額(万円))→ 売上 35 億円・営業利益 1 億円。量 0.97 倍・単価 1.34 倍
倍率:事業の純利益 18 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.5% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍。全体の PER 12.5 倍、時価総額 219 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内は新築の減少で量が細るが、同業より高い利益率は 10 年近く続いてきた。欧州は JOUBERT の黒字と NP ROLPIN の赤字が打ち消し合う。今の延長に近い姿として最大の 4 割近くを置いた。
やや悲観 20% やや悲観:新築の落ち込みが速く、欧州は赤字と黒字が相殺。営業利益は 15 億円 利益 8 億円 · PER 9.0 倍 · 株価時価総額 1,409 円68 億円
新築の落ち込みは予想より速く、国内に納める住戸は 2 割減る。客の値下げの要求も強く、値段は物価に届かない。国内の利益率は 9% に下がる。
欧州は JOUBERT の黒字を NP ROLPIN の赤字が食い、収支はとんとんだ。立て直しの費用と運転資金に、親会社の現金が出ていく。
営業利益は 15 億円、利益率は 4% 台に落ちる。借入の金利も上がり、純利益は 7〜8 億円にとどまる。配当は保つが増やせない。
自己資本は帳簿の上では 350 億円近くに増えるが、その多くは稼がない工場と欧州の資産だ。ROE は 2% 台で、帳簿の価値と稼ぐ力の差はさらに開く。
- 国内の内装建材(収納・天井・床):数量 20.0(内装を納めた住戸の数(万戸・推定))× 価格 9.10(1 戸あたりの販売額(万円))→ 売上 182 億円・営業利益 16 億円。住戸 0.80 倍・単価 1.30 倍
- 欧州の合板(NP ROLPIN・JOUBERT):数量 100(合板の販売量(千 m³・推定))× 価格 19(1 m³ あたりの販売額(万円))→ 売上 194 億円・営業利益 0 億円。量 1.68 倍(JOUBERT 通年込み)・単価 1.29 倍
- 電線・配管:数量 1.7(電線・樹脂製品の販売量(千 t・推定))× 価格 195(1 t あたりの販売額(万円))→ 売上 33 億円・営業利益 1 億円。量 0.94 倍・単価 1.31 倍
倍率:PER 9.0 倍。ROE は約 2% で、ためた利益はほとんど価値を生まない。稼ぐ力(純利益÷k)の約 8 割に置き、床の資産(floor_assets_oku)を上回ることを確かめた。
確率:持家と分譲の着工は 1 年で 1 割以上減った。2023〜2025 年に利益率 3〜4% へ落ちた実績もある。欧州が利益を出せない筋と重ねて、楽観側よりやや薄い 2 割とした。
悲観 10% 悲観:欧州 2 社が赤字で行き詰まり、減損と撤退。国内も細る 利益 −2 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 1,092 円53 億円
欧州の合板市況が崩れ、JOUBERT も赤字に転じる。NP ROLPIN と合わせて撤退か大幅な縮小を迫られ、のれんと工場の減損で自己資本は約 40 億円減る。
国内でも、新築の急減と客の内製化で納める住戸が 3 割以上減る。値段は物価に届かず、利益率は 6% に落ちる。円安が重なれば、インドネシアの部材も高くなる。
営業利益はほぼゼロになり、利払いと欧州の損で純損失が残る。配当は細り、10 年で 15 億円にとどまる。
価値の支えは、縮んでも黒字の国内の本業と、高松の賃貸不動産、政策保有株だけになる。帳簿の自己資本は残っても、稼がない資産に市場は値を付けない。
- 国内の内装建材(収納・天井・床):数量 17.0(内装を納めた住戸の数(万戸・推定))× 価格 8.40(1 戸あたりの販売額(万円))→ 売上 143 億円・営業利益 9 億円。住戸 0.68 倍・単価 1.20 倍
- 欧州の合板(NP ROLPIN・JOUBERT):数量 85.0(合板の販売量(千 m³・推定))× 価格 18(1 m³ あたりの販売額(万円))→ 売上 153 億円・営業利益 −6 億円。量 1.43 倍(JOUBERT 通年込み)・単価 1.20 倍
- 電線・配管:数量 1.6(電線・樹脂製品の販売量(千 t・推定))× 価格 190(1 t あたりの販売額(万円))→ 売上 30 億円・営業利益 0 億円。量 0.89 倍・単価 1.27 倍
倍率:PBR 0.2 倍を今の自己資本 265 億円に掛けた。赤字なので PER は使わず、価値は床の資産(国内の本業の売却価値・賃貸不動産・政策保有株の税後から撤退費用を引いた額)で決めた。営業利益がほぼゼロなので EV÷営業利益は意味を持たず、純負債 74 億円は床の資産の側で差し引いて見た。
確率:NP ROLPIN の債務超過は 46 億円で、立て直しの実績は無い。JOUBERT も同じ仏の合板で、市況が崩れれば共倒れになりうる。構造的に負ける筋として 1 割とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
国内の内装建材(収納・天井・床)
造り付けの収納・天井板・床材・階段などを、建材商社とハウスメーカーを通じて戸建て住宅に納める。部材はインドネシアの自社工場で作る。
| 数量内装を納めた住戸の数(万戸・推定) | 価格1 戸あたりの販売額(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 25.0 | 7.00 | 175 | 23 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 9.38 | 206 | 24 |
取り方:木材関連事業 264.4 億円から欧州の推定 89.4 億円を引いた 175 億円。住戸の数は開示が無く、新築の戸建てとリフォームの住戸に、1 戸平均 7 万円分(収納の一部・天井板など)を年 25 万戸に納めると推定。利益率 13% は全社の営業利益から欧州の赤字と本社費を戻した推定。
欧州の合板(NP ROLPIN・JOUBERT)
仏の 2 社で合板を作る。NP ROLPIN は松の合板で赤字が続き、JOUBERT はオクメ材の高級合板。2025 年 10 月から JOUBERT を連結。
| 数量合板の販売量(千 m³・推定) | 価格1 m³ あたりの販売額(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 59.6 | 15 | 89 | −1 |
| 10 年後 中立 | 110 | 20 | 221 | 7 |
取り方:欧州の売上は開示が無い。JOUBERT の半年分(約 65 億円)と NP ROLPIN(約 25 億円)を、2027/03 期 Q1 の増収(+35 億円)と通期予想(390 億円)から推定。1 m³ 約 15 万円(約 1,000 ユーロ)とした。利益は NP ROLPIN の赤字を JOUBERT がほぼ埋める推定。
電線・配管
子会社ナンリツが電線・電気機器を売り、南海化工が合成樹脂の配管を作る。
| 数量電線・樹脂製品の販売量(千 t・推定) | 価格1 t あたりの販売額(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.8 | 149 | 27 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1.8 | 200 | 35 | 1 |
取り方:電線関連 21.7 億円と一般管工事関連 5.2 億円の合計。量は開示が無く、銅線の t 単価 約 150 万円で割った推定。利益率 3% も推定。
リスクと懸念
欧州の合板事業
NP ROLPIN は 2014 年の買収から赤字が続き、債務超過は 46 億円に達した。2025 年に買った JOUBERT も同じ仏の合板会社だ。立て直せなければ、追加の減損や撤退費用が国内の利益を食う。
新築住宅の減少
主戦場の持家と分譲住宅の着工は、2025 年度に 1 年で 1 割以上減った。人口減で長期の減少は避けられず、リフォームでどこまで埋められるかが問われる。
客 2 社への依存
SMB建材と住友林業で売上の 4 割近くを占める。客の方針の変更や内製化は、量と値段の両方に直接効く。
為替とインドネシアの工場
部材をインドネシアで作って日本へ運ぶので、円安は原価を押し上げる。2023〜2025 年の利益率の低さは、円安の影響が大きかった。工場の操業や現地の規制にも左右される。
借金と金利
JOUBERT の買収で純現金から 74 億円の純負債に転じた。借り換えの金利が 3.5% に上がれば、利払いは年 2〜3 億円に増える。
還元の細さと大株主
配当は純利益の 1 割強で、自己株買いはほぼない。南海興産が議決権の 25% を持ち、資本の使い方を外から変える力は働きにくい。
今後の分かれ目
- JOUBERT と NP ROLPIN を合わせた欧州の損益が 2 期続けて黒字になる
- 中立の欧州の利益率を 3% から 4.5% に上げ、やや楽観の重みを増やす。
- NP ROLPIN の撤退・売却、または追加の大きな減損を発表する
- 一時の損は出るが赤字の源が消える。悲観の確率を下げ、中立の欧州の量を見直す。
- 配当性向を 3 割以上に上げる、または自己株買いの方針を出す
- 資本が株主に戻り始める。楽観側の確率を上げる。
- 持家と分譲の着工がさらに 1 割以上減る
- 中立の国内の住戸を 0.88 倍から 0.82 倍に下げる。
- 国内の利益率が円安で 2 期続けて 6% を割る
- 中立の国内の利益率を 11.5% から 9% に下げ、やや悲観の重みを増やす。
見ておくもの
- 国内の木材関連の利益率(欧州を除いた姿)
- JOUBERT と NP ROLPIN の損益
- 持家・分譲住宅の着工戸数
- 配当性向と自己株買い
- 純有利子負債の推移
倍率と資本コストの決め方
倍率は ROE と k から式で置いた。ROE は中立で約 4.5% と k 8% の半分で、PER の上限は 1÷k の約 11.4 倍。ためた利益の目減りを見て 8.5 倍とした。今の PBR 0.27 倍や過去の安い PBR は使っていない。帳簿の自己資本が大きいことは割安の根拠にしていない。償却は今ある工場が取得時の値段のまま(年 10 億円前後)で、物価で増やしていない。新リース会計基準で 2028/03 期から数字の形が少し変わるが、10 年後は今と同じ形でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10.5→12.5 倍・やや楽観 PER 9.5→12.5 倍・中立 PER 8.5→12.5 倍)。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality +1.25% を足して 8.75%。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.75% → 8.00%。