結論
アミファは、百円ショップ向けの雑貨を企画し、中国の工場に作らせて納める小さな会社だ。年に 1 億個を超える商品を売り、売上の約 9 割が百円ショップ向けである。時価総額は 28 億円にとどまる。
筆者の結論は、今の値段は事業の稼ぐ力に対しておおむね妥当というものだ。急回復した 2026 年 9 月期の利益を、10 年続く姿とは見ていない。
利益は 2024 年 9 月期の赤字から一気に戻った。売上は 8% 伸び、営業利益は前年の 4 倍だ。営業利益は 3 四半期累計で 7 億円を超え、会社予想を上回る。ただ四半期ごとに細り、直近の 3 か月は利益率が 5% を割った。
弱みは、価格を販売先に決められることだ。強みは、財務が軽いこと。自己資本比率は 68% で、借金は小さく、手元の現金が厚い。
筆者は、利益率が過去の中央値の 5% 前後に戻る姿を中心に置く。それでも現金と配当で、10 年の価値は今と大きく離れない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は「質は並み、値段は妥当」に映る。オーナーとして長く持ちたい会社の条件は、満たしていない。
理由は堀の浅さだ。作りも調達もまねできる。価格と数量を握るのは販売先の大手で、利益率は 2017 年の山の 6.9% を一度も超えていない。
資本の使い方は無難だ。借金は小さく、利益は現金として積み上がる。ただ、ためた現金が株主に戻る約束が弱く、少数株主は待つしかない。
安全域は、純現金の厚さにある。時価総額 28 億円のうち、現金が 3 割ほどを占める。利益が落ちても、会社が急に傾く心配は小さい。
時価総額が小さく、買い手にとっては現金つきの安い買い物にもなりうる。この点は安全域に数える。
筆者は、2026 年 9 月期の急回復を過大に評価しない。利益は過去の中央値に戻ると考え、その前提で値段を見る。
何で稼ぐ会社か
アミファは、百円ショップ向けの雑貨の企画・調達・卸売の会社だ。開示上は単一の事業で、売上の約 9 割が百円ショップ向けである。
百円ショップは出店を続けており、そこに棚を持つことが当社の存在理由である。商品は、ギフトのラッピング、デザイン文具、キッチンとテーブルの雑貨、花の関連商品など。自社ブランド amifa の商品と、販売先のブランドで納める商品の両方を扱う。
1973 年にフジ産業として創業し、1999 年に百円ショップ向けの雑貨を始めた。2001 年から中国の工場に生産を委託し、海外調達の比率は 9 割を超える。2025 年 9 月期の販売は約 1.06 億個。1 個あたりの売上は百円に遠く届かない。
百円を超える価格帯の一般小売向け商品も育てているが、売上に占める割合はまだ小さい。
利益は企画の当たり外れと、為替・海上運賃・在庫の処分で大きく振れる。2024 年 9 月期は粗利が減り、販売管理費が増えて営業赤字になった。
決算は 9 月で、会社は上場が新しく、東証スタンダードに属する。社員は少なく、固定費が軽い構造だ。
優良さと弱いところ
この会社の強みは、百円ショップの売り場に合う雑貨を速く企画し、中国で安く作って届ける仕組みだ。25 年の取引で培った調達網と企画の経験が土台になる。
弱みは、作りも調達も他社がまねできることだ。しかも販売先は少数の大手で、価格と数量を決めるのは相手側である。自社ブランドの知名度も高くない。
利益率は不安定だ。営業利益率は 2017 年の 6.9% が山で、2023 年に 2.2%、2024 年に赤字、2025 年に 3.0% と沈んだ。2026 年 9 月期は 8% 近くまで上がる計画だが、1 年だけの実績では判断できない。
財務は強い。自己資本比率は 68%。借金は小さく、2026 年 6 月末の現金は 14 億円ある。
経営は小規模で、時価総額が小さいため、買収の対象になる可能性は常にある。統計上の 10 年以内の買収確率は 26% ほどだ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
百円ショップは、国内の小売の中で出店を続けてきた数少ない業態だ。市場は 1 兆円規模と筆者は推定する。大手の数社が店数を伸ばしており、当社の個数もそれに支えられている。
一方で、人口は減る。店数が頭打ちになれば、量の成長は止まる。筆者は、実質の数量が 10 年で横ばいと見る。
価格は、百円という価格帯が縛りになる。物価が上がれば、販売先は量目を減らすか、価格帯を一段上げて対応する。当社の卸値も同じ制約を受け、物価の 3% を毎年そのまま乗せるのは難しい。筆者は 10 年で 1.25 倍ほどと置く。
調達の 9 割が海外なので、為替・海上運賃・中国の人件費が原価を左右する。為替は 150 円で固定して考えるが、現実の円高・円安は利益率を 1〜2 ポイント動かす。
店舗の数は大手で数千店に及び、売り場の入れ替えも速い。この速さが、企画に強い商社に商機を生む。競合は同じ百円ショップ向けの商社と、販売先の自社調達部門だ。取引が内製に移るリスクが、業界の最大の弱点である。
新しい動きとしては、百円を超える価格帯の売り場の拡大がある。この売り場に商品を出せるかが、当社の次の伸びを決める。
資本政策と M&A
配当は 2026 年 9 月期の予想で配当性向 14% にとどまる。通常の利益水準に戻れば、配当性向は 4 割ほどになる見込みだ。
自己株式は 16 千株ほどと小さい。自社株買いの方針は強くない。
純現金が積み上がっているが、配当の拡大や自社株買いの約束は無い。筆者は、積み上がる現金の戻り方を 0.75 とした。
大型の買収の実績は無い。中期経営計画は、確認できる開示がなかった。
時価総額が 28 億円と小さいため、買い手には安い買い物になる。統計上の 10 年以内の TOB の確率は 26% ほどだ。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
2026 年 9 月期は、営業利益が 3 四半期累計で 7 億円を超え、前年の 1.7 億円から 4 倍に増えた。売上も 8% 伸び、会社予想は据え置かれたが、実績はすでに予想を超えている。
百円ショップは出店を続けており、当社の個数も増える。百円を超える一般小売向け商品も育ち、利益率の高い売上が積み上がる。調達の見直しで原価が下がれば、営業利益率は 7% 台に定着できる。
会社は工場を持たない軽い構造で、固定費が小さい。このため、売上が少し増えると利益は大きく増える。財務は軽く、現金は 14 億円ある。配当は予想の配当性向 14% にとどまり、増配の余地は大きい。時価総額は現金を引くと 20 億円ほどで、利益が 5 億円を維持すれば、今の値段は割安に映る。
小さな会社なので、買収の対象にもなりやすい。株主にとって上振れの出口がある。
2026 年 9 月期の利益には、構造の変化が含まれているかもしれない。調達先を絞り込み、売れ筋に集中した効果が出ていれば、利益率の水準そのものが切り上がっている。
慎重な見方
急回復した利益を、10 年続く姿と見るのは危うい。四半期ごとに営業利益は細り、直近の 3 か月は 5% を割った。2024 年 9 月期には赤字に落ちた実績もある。
百円ショップの販売先は少数の大手で、価格と数量を握る。自社企画や直接調達が増えれば、取引は一気に減る。作りもまねされやすく、堀と呼べるものが無い。
会社は 2025 年 9 月期にも営業利益率が 3% にとどまった。百円という価格帯の制約で、物価の上昇を卸値に乗せにくい。10 年で人件費と運賃が 1.3 倍に上がれば、利益率は削られる。2026 年 9 月期の利益には税の効果が混じっている可能性もあり、純利益をそのまま使うのは危ない。
現金が厚くても、少数株主には戻らない。配当性向は低く、自社株買いも小さい。現金は積み上がっても、価値としては割り引くべきだ。
小さな会社の利益は、一つの大口取引の増減で大きく動く。2026 年 9 月期の増益の大半も、少数の商品の大量受注の可能性がある。反動に備えるべきだ。
どちらに重みを置いたか
筆者は、慎重な見方のほうが強いと判断した。足元の回復は事実だが、販売先に価格を握られる構造と、四半期ごとの細りは見逃せない。中立の営業利益率は過去の中央値の 5% に置き、確率は中立に最も重みを置き、やや悲観を楽観よりやや厚くした。純現金が厚く、悲観でも会社は傾かないため、悲観は 1 割にとどめた。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した株価時価総額 1,671 円54 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 451 円15 億円)。 今の値に割り戻すと 1,019 円33 億円、今との差 +15.8%、 期待の年率 +9.2%(資本コスト 8.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 3,841 円124 億円 | 736 円24 億円 | +420.1% | +17.9% | 320 円10 億円 |
| やや楽観 | 18% | 2,703 円87 億円 | 593 円19 億円 | +274.6% | +14.1% | 593 円19 億円 |
| 中立 | 38% | 1,900 円61 億円 | 488 円16 億円 | +171.3% | +10.5% | 907 円29 億円 |
| やや悲観 | 27% | 615 円20 億円 | 364 円12 億円 | +11.2% | +1.1% | 264 円9 億円 |
| 悲観 | 10% | 280 円9 億円 | 93 円3 億円 | −57.6% | −8.2% | 37 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,671 円54 億円 | 451 円15 億円 | +141.2% | +9.2% | 2,123 円68 億円 |
今の株価時価総額 880 円28 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 7% 輸入雑貨の企画力が一般小売にも広がり、利益率が 7% 台に乗る 利益 8 億円 · PER 14.1 倍 · 株価時価総額 3,841 円124 億円
百円を超える価格帯の一般小売向け商品が育ち、百円ショップ向けの量も出店とともに緩やかに伸びる。販売個数は今より 3 割ほど増え、価格帯の見直しで 1 個あたりの売上は物価並みに上がる。
百円ショップ各社が新店を出し、品ぞろえを広げる流れにも乗る。企画の当たりが続き、売れ残りの値引きが減る。営業利益率は 7% 台半ばで安定する。2026 年 9 月期の水準が一時の偶然でなかったと証明される姿だ。
稼いだ現金は配当と自社株買いに厚く回り、財務はいっそう軽くなる。それでも販売先の大手百円ショップに価格を決められる構造は変わらず、堀は浅いままである。
- 百円ショップ向けを中心とする雑貨:数量 1.3(販売個数(億個、百円ショップ向けを中心とする全社の個数))× 価格 112(1 個あたりの売上(円、名目。10 年の中立は 1.25 倍))→ 売上 145 億円・営業利益 11 億円。個数 × 1 個あたり売上
倍率:事業の純利益 8 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.7% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 12.1%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)3 億円。全体の PER 14.07 倍、時価総額 113 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2026/9 期の営業利益率は 8% 台の計画だが、3Q 単独は 4.6% に細った。過去 9 期の山は 6.9%。7% 台が 10 年続くのは例外なので 1 割を切る確率にした。
やや楽観 18% 新商品の当たりと調達の改善で、利益率が 6% 台に定着する 利益 6 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 2,703 円87 億円
百円ショップ向けの量は小幅に増え、一般小売向けの商品も少しずつ積み上がる。価格は物価よりやや低い上昇にとどまるが、調達の見直しと値引きの減少で、営業利益率は 6% 前後に定着する。
百円ショップ向けの企画では、安定した定番品が収益の柱になる。2024 年 9 月期のような赤字は避けられる。配当は利益の 4 割ほどを保ち、残りは現金として積み上がる。
販売先の取引条件が大きく変わらないことが前提だ。
売上は百円ショップ向けの定番品が支え、利益は安定して積み上がる。ただ、価格を相手が決める構造は変わらないので、ここが上限に近い。
- 百円ショップ向けを中心とする雑貨:数量 1.2(販売個数(億個、百円ショップ向けを中心とする全社の個数))× 価格 108(1 個あたりの売上(円、名目。10 年の中立は 1.25 倍))→ 売上 125 億円・営業利益 8 億円。個数 × 1 個あたり売上
倍率:事業の純利益 6 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 15.2% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 10.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)3 億円。全体の PER 13.33 倍、時価総額 76 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2026/9 期の回復は実績として出ており、会社計画も 6.9% を見込む。ただし山の 6.9% 以下にとどまる前提で、中立の半分ほどの確率を置いた。
中立 38% 量は横ばい、利益率は過去の中央値の 5% 前後に戻る 利益 4 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 1,900 円61 億円
販売個数は百円ショップの出店と人口減が相殺して横ばい。価格は、百円の価格帯の制約から物価の 3% には届かず、10 年で 1.25 倍ほどにとどまる。
特別な事件は起きず、会社は淡々と商いを続ける。営業利益率は過去 9 期の中央値に近い 5% 前後。2026 年 9 月期の 8% 台は、販売先との条件と為替の好条件が重なった一時の山と見る。
配当は 4 割ほどを続け、残りは積み上がる。事業の稼ぎは伸びるが、資本の厚みも増すため、ROE は 7% 台にとどまる。
10 年たっても、会社の姿は今とあまり変わらない。事業は堅実に続くが、ためた現金の使い道は限られ、株主への戻りも限定的である。
- 百円ショップ向けを中心とする雑貨:数量 1.0(販売個数(億個、百円ショップ向けを中心とする全社の個数))× 価格 104(1 個あたりの売上(円、名目。10 年の中立は 1.25 倍))→ 売上 107 億円・営業利益 5 億円。個数 × 1 個あたり売上
倍率:事業の純利益 4 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.0% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 9.8%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍 + 余った現金(戻り方込み)3 億円。全体の PER 12.48 倍、時価総額 51 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:足元の急回復は 1 年分の実績で、3Q 単独は 4.6% に細った。2024 年 9 月期の赤字もあり、過去の中央値に戻る形をもっとも起こりやすいと見て 4 割弱を置いた。
やや悲観 27% 販売先の値下げ圧力が続き、利益率が 3% 台に沈む 利益 2 億円 · PER 4.7 倍 · 株価時価総額 615 円20 億円
百円ショップ大手が調達を自社で厚くし、当社の個数は 1 割近く減る。価格転嫁も思うように進まず、1 個あたりの売上は物価に大きく遅れる。
新商品の投入は続くが、当たり外れの振れが大きく、安定した稼ぎにならない。営業利益率は 3% 前後に落ち、赤字の期も混じる。配当は利益の 4 割を守れず、現金が積み上がっても少数株主には戻りにくい。
自社ブランドと一般小売向けで食いつなぐが、量の減少を補うには足りない。
営業の効率化で固定費を絞るが、量の減少と価格の低下を補い切れず、会社の稼ぐ力は目減りする。それでも借金が小さいため、危機にはならない。
- 百円ショップ向けを中心とする雑貨:数量 0.9(販売個数(億個、百円ショップ向けを中心とする全社の個数))× 価格 96(1 個あたりの売上(円、名目。10 年の中立は 1.25 倍))→ 売上 88 億円・営業利益 3 億円。個数 × 1 個あたり売上
倍率:事業の ROE 4.0% が k 8.75% 以下なので、PER の上限は 1÷k = 11.8 倍に ROE÷k = 0.47 を掛けた 5.6 倍。稼ぐ力から置き、利益の質(顧客の偏り、赤字の期)を見て、上限の 85% の 4.7 倍に置いた。
確率:2024 年 9 月期は粗利が減り販管費が増えて赤字に落ちた。販売先の大手が価格を決める構造から、強気側の筋書きよりやや厚く置いた。
悲観 10% 主な販売先の調達が内製や他社へ移り、赤字が常態になる 利益 0 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 280 円9 億円
大手の百円ショップが調達先を絞り、あるいは自社で直接調達に切り替える。当社の個数は 3 割減り、1 個あたりの売上も上がらない。
工場を持たない会社なので固定費は軽いが、在庫の評価損と販管費の重さで赤字が続く。配当は止まり、自己資本は減損で目減りする。
従業員は少なく、事務所と倉庫を縮めて固定費を抑える。会社の価値は稼ぐ力ではなく、手元の現金と回収できる売掛金・在庫で測られる。
事業の縮小を決め、残った現金の使い道が株主の関心事になる。清算されない限り、少数株主が現金の使い方を決めることはできない。
- 百円ショップ向けを中心とする雑貨:数量 0.7(販売個数(億個、百円ショップ向けを中心とする全社の個数))× 価格 88(1 個あたりの売上(円、名目。10 年の中立は 1.25 倍))→ 売上 61 億円・営業利益 0 億円。個数 × 1 個あたり売上
倍率:悲観は事業の純利益がほぼゼロで PER では置けない。値は純現金と回収できる資産から置き、減損後の自己資本 21 億円(今の水準)に PBR 0.43 倍を掛けた(やや悲観の価値より低い)。借金は小さく、EV の倍率で割安・割高は言わない。
確率:2024 年 9 月期の赤字が現実に起きた。販売先が少数の大手に偏る事業なので無視できないが、取引は 25 年続いてきたため 1 割にとどめた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
百円ショップ向けを中心とする雑貨
百円ショップ向けの雑貨の企画・調達・卸。自社ブランド amifa と販売先ブランドの両方。
| 数量販売個数(億個、百円ショップ向けを中心とする全社の個数) | 価格1 個あたりの売上(円、名目。10 年の中立は 1.25 倍) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 1.1 | 83 | 88 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1.0 | 104 | 107 | 5 |
取り方:2025 年 9 月期の売上 88.4 億円を、開示された販売個数 約 1.06 億個(第三者サイトの数字、一次未確認)で割った推定。単一セグメントなので、百円ショップ向けと一般小売向けを分けずに全社で置いた。
リスクと懸念
販売先の偏りと内製化
売上の約 9 割が百円ショップ向けで、販売先は少数の大手に偏る。調達の内製や直接取引への切り替えが起きれば、個数と価格が一度に落ちる。
利益率の振れ
営業利益率は 2017 年の 6.9% から 2024 年の赤字まで大きく動いた。2026 年 9 月期の 8% 台も、四半期ごとに細っており、定着するかは分からない。
為替・運賃・中国の調達
調達の 9 割超が海外で、中国が中心。為替と海上運賃、現地の人件費の上昇が原価を直撃する。価格帯が決まっているため、転嫁は遅れる。
在庫と売れ残り
企画の外れた商品は値引きや評価損になる。2024 年 9 月期は粗利の減少と販売管理費の増加で赤字に落ちた。
価格帯の制約
百円という価格帯のため、物価の上昇を卸値に乗せにくい。量目の変更か価格帯の引き上げで対応するが、販売先の合意が要る。
小さな会社の流動性
時価総額は 28 億円と小さく、取引量も限られる。少数株主に現金が戻る約束も弱い。
今後の分かれ目
- 営業利益率が 6% 台を 2 年続けて保ったら
- 中立の利益率を上げ、楽観側の確率を厚くする。
- 販売先の大手が当社への発注を減らし始めたら
- やや悲観・悲観の確率を上げる。売上の 9 割を占める相手からの変化は、一度に効く。
- 配当性向の引き上げや自社株買いが発表されたら
- 積み上がった現金の戻り方を 1.0 に近づけ、価値を上げる。
- 円高や運賃の低下で原価が下がったら
- 利益率は一時的に上振れするが、転嫁圧力も強まるため、中立は据え置く。
- 第三者の買収提案が出たら
- 時価総額が小さく現金が厚いので、買い手には魅力的。条件次第で評価し直す。
見ておくもの
- 四半期の営業利益率
- 主な販売先との取引条件
- 為替と海上運賃
- 現金と配当の方針
- 一般小売向け商品の比率
倍率と資本コストの決め方
セグメントは単一で、個数と 1 個あたり売上は第三者サイトの個数から推定した。価格は百円の価格帯の制約から、中立では物価の 3% より低い 10 年 1.25 倍。倍率は ROE と k から、弱い堀の式で上限を出し、その 9 割に置いた。今の株価や過去の倍率には寄せていない。事務所と倉庫の賃借はあるが、リースの約束は大きくなく、新リース会計基準で数字の形が変わる点は 10 年後を今の形でそろえて置いた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.8→14.07 倍・やや楽観 PER 11.02→13.33 倍・中立 PER 9.24→12.48 倍)。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 1.0% = 8.5%。ガバナンスや顧客の偏りは筋書きと確率で表し、k には重ねない。同じ百円ショップ向けのレックは +0.75% で、当社は規模が小さく顧客がさらに偏るぶん 0.25% 上に置いた。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.50% → 8.75%。