結論
ニッピは、コラーゲンとゼラチンの国内大手だ。1907 年に皮革の会社として創業し、いまはゼラチン、ソーセージの皮(コラーゲンケーシング)、化粧品、iPS 細胞の培養材料まで手がける。筆者の結論は、今の株価はやや割高で、安全域は薄いというものだ。理由は、利益が過去最高に近い水準にあり、土地の厚みが稼ぎにまだ変わっていないことにある。
稼ぎの中身は偏っている。2026 年 3 月期の営業利益は 41.5 億円。ゼラチンが 23.7 億円と、前の期より 5 割近く増えた。原料の相場が落ち着いたことが大きい。ゼラチンの利益率は 18.8% で、この水準は続かないと見る。
成長の柱は、健康・医療向けだ。コラーゲンペプチドは国内の首位で、バイオ関連はラミニンなど再生医療の材料を伸ばす。ただ、ケーシングは小ロット化で生産性が落ち、皮革は縮んでいる。
財務は堅い。自己資本比率は 59% で、土地が帳簿で 285 億円ある。配当性向は 70% に引き上げた。それでも ROE は 6% 台で、資本コストには届かない。10 年の中心は、ゼラチンの利益が平準化し、営業利益が 46 億円になる道だ。上振れも下振れも幅がある。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は「良い素材メーカーに、手つかずの土地がついている会社」である。
素材メーカーとしては、ニッチの首位が多く、堀もある。ケーシングは国内唯一、ペプチドは首位だ。ただ、2026 年 3 月期の利益は、原料相場が落ち着いた恩恵が大きい。持ち主に残る利益で考えると、数年平均の営業利益は 35 億円ほどと見る。
土地は別の話だ。帳簿で 285 億円、時価はおそらくそれ以上ある。しかし賃貸の利益は 8 億円台で、土地の価値を稼ぎに変えられていない。バリュー投資家は、持っているだけの資産を高く評価しない。
経営は変わりつつある。配当性向 70% は大胆で、ROE にも目標を置いた。ただ、土地をどう使うかの答えは、まだ示されていない。
値付けは、10 年の価値より少し高い。土地の活用方針が数字で示されれば、見方は変わる。
何で稼ぐ会社か
事業は 6 つの区分に分かれる。売上は、ゼラチン関連が 27%、食品その他が 22%、ケーシングが 20%、化粧品が 17%、皮革が 12%、賃貸が 2% だ。
ゼラチン関連は、食品用ゼラチンとコラーゲンペプチドを作る。グミやゼリー、ソフトカプセル、健康食品が使い道だ。ペプチドは国内の首位、ゼラチンは新田ゼラチンに次ぐ 2 位である。
コラーゲンケーシングは、ソーセージの皮を作る。牛皮のコラーゲンを円筒に成形する。国内で唯一の作り手で、市場の半分近くを握る。ウィンナーサイズや着色品が強い。
化粧品関連は、通販が中心だ。「ニッピコラーゲン 100」は国内の美容効果市場で 2 位に入る。世界で初めてラミニン配合の化粧品も出した。
皮革は、自動車のハンドル用革と靴用革が中心で、縮小が続く。
食品その他には、有機穀物とイタリア食材の輸入、そしてバイオ関連が入る。バイオは iPS 細胞の培養に使うラミニンが主力で、国内の培養では標準の位置にある。
賃貸は、東京の足立区と大阪の心斎橋・なんばの土地を貸す。売上は 10.6 億円と小さいが、営業利益が 8.3 億円と利益率が高い。本社費は年 19 億円ある。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは、事業ごとにばらつく。全体では中程度と見る。
強い堀を持つのは、ケーシングとペプチド、ラミニンだ。ケーシングは国内唯一で、取引先の大手とも長い付き合いがある。ペプチドは首位で、研究所の技術が裏づける。ラミニンは、iPS 細胞の培養で採用が多く、切り替えの手間が堀になる。
一方、ゼラチンは原料相場の影響を受ける汎用品だ。新田ゼラチンなど競合がいて、価格を自分で決める力は弱い。皮革は縮小市場で、堀は無い。化粧品は固定客がつくが、広告費が重い。
資本効率は低い。ROE は過去 10 年の中央値で 5% 台だ。土地が帳簿で 285 億円あっても、賃貸の利益は 8 億円台にとどまる。事業に使う分と使わない分の見極めが課題である。
経営は、中計で ROE 8% 以上と配当性向 70% を掲げ、戦略投資委員会の設置などガバナンスも強める。方向は正しい。だが、動き出したのは最近で、実績はまだ乏しい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
業界は、成長する部分と縮む部分が混ざる。
伸びるのは健康・医療向けだ。国内のグミ市場は 2023 年に 937 億円と、3 年で年 20% 近く伸びた。ゼラチンの用途として最も勢いがある。コラーゲンペプチドは、美容効果市場の約 60% を占める。機能性表示食品の拡大も追い風だ。再生医療では、iPS 細胞の培養材料の世界市場が年 10% で伸びると言われる。
縮むのは皮革とアジア向けのケーシングだ。皮革は、靴の需要が減り、自動車のハンドル用革も電気自動車で人工素材へ移りつつある。ケーシングは、アジアで現地メーカーの価格競争が強まる。国内の食肉加工業は大手が少数で、取引の力関係は対等に近い。
競争では、ゼラチンの新田ゼラチンが首位、ケーシングは海外にスペインのビスコファンなどが並ぶ。ペプチドは、海外からの輸入品が価格で攻める。
逆風は、動物由来の製品への懸念と、牛や豚の皮の調達コストだ。為替で原料の円価格が動くが、本ノートはドル円を 150 円で固定して見る。米国の関税も不確実性を残す。
数量の面では、ゼラチンは国内の食品用が成熟し、伸びる部分はグミとペプチドに限られる。人口が減る国内では、健康食品の購入層が高齢者に偏るため、固定客の維持が競争の中心になる。
資本政策と M&A
資本政策は、株主還元を一気に厚くした。連結配当性向を 2025 年 3 月期から 2028 年 3 月期まで 70% とする。それまでは 23〜25% だったので、大きな変更だ。2026 年 3 月期は自社株買いも約 10 億円実施した。
成長投資は、3 年で約 73 億円を見込む。大半の 67 億円は、バイオ関連の工場の建て替えと増設に使う。営業キャッシュフローは 111 億円を見込み、還元が 54〜56 億円、更新投資が 9 億円という配分だ。
中計の最終年度(2028 年 3 月期)の目標は、売上 520 億円、営業利益 43 億円、ROE 7%、さらに 2029 年 3 月期以降は 8% 以上を目指す。2026 年 3 月期の営業利益 41.5 億円は、すでに計画に近い。
M&A は予定していない。土地は、足立区の約 12 ヘクタールと大阪のなんばなど、事業とは別の貸し付け用地である。この活用が、将来の焦点になる。確率モデルは、10 年以内に TOB で買われる確率を 3 割と見ている。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
健康・医療向けの需要は、まだ入口にある。グミの市場は 3 年で年 20% 近く伸び、ゼラチンの使い道が増え続ける。コラーゲンペプチドは国内の首位で、機能性表示食品への採用が進めば、数量は一段上がる。米国向けのケーシングも、合成着色料の規制に対応した製品で伸びる余地がある。
バイオ関連は、成長の本命だ。iPS 細胞の培養に使うラミニンは国内の標準で、世界市場も年 10% 成長する。東京と富士の工場の増強が稼働すれば、売上は 2 倍に近づく。
財務の変化も大きい。配当性向 70% は、PBR 1 倍割れを正す意思表示だ。営業利益は中計の 43 億円に届き、さらに伸びる。ゼラチンの 2026 年 3 月期の利益率 18.8% は、原料の安定とコスト削減が噛み合った結果で、構造的な改善だという見方もできる。
土地は、足立区の再開発と、なんばの開発が進めば、賃料が物価を超えて上がる。TOB で買われる確率が 3 割というモデルの見方もある。
慎重な見方
今の利益は、山の近くにある。ゼラチンの利益率 18.8% は、原料の相場が落ち着いたことが主因で、前の期は 11.9% だった。相場が戻れば、利益は 10 億円単位で減る。会社も今期は減益を見込む。
成長の柱も心もとない。バイオ関連は、一部製品の販売が想定を下回り、減収減益になった。ケーシングは小ロット化で生産性が落ち、アジアは価格競争が激しい。ペプチドも、海外では価格で苦戦している。皮革は、中国と自動車の不振で売上が 19% 減った。
動物由来の製品への懸念は、長く効く。非動物由来の素材が育てば、ゼラチンもケーシングも置き換わる。
土地は、持っているだけでは価値を生まない。ROE は 7% の目標に届かず、資本コストにも遠い。配当性向 70% は 2028 年 3 月期までの約束で、その後に下げる可能性もある。
加えて、今期の会社予想は減益だ。人件費とエネルギー費の上昇で、営業利益は 41 億円と前期をわずかに下回る。ゼラチンの山の利益が剥がれれば、さらに下がる。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方がやや強いと判断し、確率を中立から下に寄せた。ゼラチンの利益率が山に近いことと、バイオの伸びが想定を下回っていることは、事実だからだ。
一方、ペプチドとケーシングの堀、土地、配当性向 70% は上振れを支える。そこで楽観を 8%、やや楽観を 2 割、悲観を 12% に置いた。期待値は、今の時価総額を下回った。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 12,364 円346 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 5,871 円164 億円)。 今の値に割り戻すと 9,722 円272 億円、今との差 −15.2%、 期待の年率 +4.8%(資本コスト 8.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 23,001 円644 億円 | 9,536 円267 億円 | +183.9% | +11.0% | 2,603 円73 億円 |
| やや楽観 | 20% | 17,636 円494 億円 | 7,822 円219 億円 | +122.1% | +8.3% | 5,092 円143 億円 |
| 中立 | 38% | 13,929 円390 億円 | 6,357 円178 億円 | +77.0% | +5.9% | 7,709 円216 億円 |
| やや悲観 | 22% | 5,740 円161 億円 | 4,250 円119 億円 | −12.8% | −1.4% | 2,198 円62 億円 |
| 悲観 | 12% | 3,672 円103 億円 | 1,607 円45 億円 | −53.9% | −7.5% | 633 円18 億円 |
| 加重平均 | 100% | 12,364 円346 億円 | 5,871 円164 億円 | +59.1% | +4.8% | 18,234 円511 億円 |
今の株価時価総額 11,460 円321 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 健康・医療向けが伸び、利益率が 9% を超える 利益 48 億円 · PER 13.4 倍 · 株価時価総額 23,001 円644 億円
健康・医療向けが計画以上に育ち、営業利益は 70 億円を超える。営業利益率は 9% 台に乗る。
ゼラチンはグミやソフトキャンディ向けが伸び、ペプチドは機能性表示食品に採用される。利益率は 16% まで戻る。コラーゲンケーシングは米国と東南アジアで取扱いを広げ、台数が 15% 増える。化粧品も、ラミニン配合品などで固定客を増やす。
バイオ関連が大きく伸びる。iPS 細胞の培養に使うラミニンと 3D 培養基材が、再生医療の臨床の進展で 2 倍超に増える。東京工場と富士工場の増強が実を結ぶ。
賃貸は、足立区となんばの土地の開発が進み、賃料が物価並みに上がる。還元は配当性向 70% が続く。ROE は 9% に達し、資本コストを超えるため、倍率は式の値に近づける。
- コラーゲン・ケーシング:数量 115(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 123.8%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 142 億円・営業利益 17 億円。数量の指数 1.15、価格の指数 1.34、営業利益率 12.0%
- ゼラチン関連:数量 125(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 1.69(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 211 億円・営業利益 34 億円。数量の指数 1.25、価格の指数 1.34、営業利益率 16.0%
- 化粧品関連:数量 110(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 110.6%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 122 億円・営業利益 17 億円。数量の指数 1.10、価格の指数 1.34、営業利益率 14.0%
- 皮革関連:数量 80.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 78.4%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 63 億円・営業利益 3 億円。数量の指数 0.80、価格の指数 1.34、営業利益率 4.0%
- 賃貸・不動産:数量 105(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 14.2%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 15 億円・営業利益 12 億円。数量の指数 1.05、価格の指数 1.34、営業利益率 78.0%
- 食品その他(食品):数量 110(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 122.7%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 135 億円・営業利益 7 億円。数量の指数 1.10、価格の指数 1.34、営業利益率 5.0%
- 食品その他(バイオ関連):数量 220(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 14.7%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 32 億円・営業利益 8 億円。数量の指数 2.20、価格の指数 1.34、営業利益率 24.0%
倍率:事業の純利益 48 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.2% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.6%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.4 倍。全体の PER 13.36 倍、時価総額 644 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:健康食品と再生医療向けが計画以上に伸びる強気の道。会社の中計の利益率を大きく上回るため確率は 1 割弱にとどめる。
やや楽観 20% ゼラチンとペプチドが伸び、バイオも育つ 利益 40 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 17,636 円494 億円
ゼラチンとペプチドが伸び、バイオも育つ。営業利益は 58 億円まで増える。
グミの需要は伸び続け、国内のコラーゲンペプチドは首位のシェアを守る。ゼラチンの利益率は 15% 台に保たれる。ケーシングは輸出の拡大で 1 割増える。化粧品は「ニッピコラーゲン 100」が固定客を積み上げる。
バイオ関連は新工場が稼働し、売上が 1.8 倍になる。皮革は靴の需要が減り、数量が 3 割近く落ちる。
賃貸は更新のたびに賃料が上がるが、長期契約が多く、物価並みには届かない。還元は配当性向 7 割を段階的に下げる前提とした。ROE は 7% 台で、資本コストには届かない。
- コラーゲン・ケーシング:数量 110(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 123.8%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 136 億円・営業利益 15 億円。数量の指数 1.10、価格の指数 1.34、営業利益率 11.0%
- ゼラチン関連:数量 118(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 1.69(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 199 億円・営業利益 30 億円。数量の指数 1.18、価格の指数 1.34、営業利益率 15.0%
- 化粧品関連:数量 105(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 110.6%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 116 億円・営業利益 16 億円。数量の指数 1.05、価格の指数 1.34、営業利益率 13.5%
- 皮革関連:数量 72.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 78.4%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 56 億円・営業利益 2 億円。数量の指数 0.72、価格の指数 1.34、営業利益率 3.0%
- 賃貸・不動産:数量 100(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 13.5%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 14 億円・営業利益 10 億円。数量の指数 1.00、価格の指数 1.28、営業利益率 77.0%
- 食品その他(食品):数量 105(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 122.7%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 129 億円・営業利益 6 億円。数量の指数 1.05、価格の指数 1.34、営業利益率 4.5%
- 食品その他(バイオ関連):数量 180(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 14.7%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 26 億円・営業利益 6 億円。数量の指数 1.80、価格の指数 1.34、営業利益率 21.0%
倍率:事業の純利益 40 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.5% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍。全体の PER 12.5 倍、時価総額 494 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:グミ用ゼラチンとコラーゲンペプチドが伸び、バイオ関連の新工場が稼働して利益を上乗せする。会社の中計の達成に近い。
中立 38% ゼラチンの利益は平準化し、物価の分だけ伸びる 利益 31 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 13,929 円390 億円
ゼラチンの利益は平準化し、全体は物価の分だけ伸びる。営業利益は 46 億円になる。
2026 年 3 月期のゼラチンは、原料価格の落ち着きで利益率が 18.8% と過去最高になった。筆者は、これを続くとは見ない。原料の相場は動き、価格改定の効果も一巡する。10 年では 13.5% に落ち着くと置く。
ケーシングは輸出で台数が 5% 増える。化粧品はほぼ横ばいで、皮革は靴とハンドル用革が減り、数量が 3 分の 2 になる。バイオ関連は新設備で 1.5 倍になる。
賃貸は土地の貸し付けが中心で、契約が長く、賃料は物価の 6 割の伸びにとどまる。本社費は物価で増え、26 億円になる。還元は中計の 7 割から徐々に下げ、10 年平均で 6 割とした。ROE は 5〜6% にとどまる。
- コラーゲン・ケーシング:数量 105(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 123.8%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 130 億円・営業利益 13 億円。数量の指数 1.05、価格の指数 1.34、営業利益率 10.0%
- ゼラチン関連:数量 110(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 1.69(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 186 億円・営業利益 25 億円。数量の指数 1.10、価格の指数 1.34、営業利益率 13.5%
- 化粧品関連:数量 100(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 110.6%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 111 億円・営業利益 14 億円。数量の指数 1.00、価格の指数 1.34、営業利益率 13.0%
- 皮革関連:数量 65.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 78.4%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 51 億円・営業利益 1 億円。数量の指数 0.65、価格の指数 1.34、営業利益率 2.5%
- 賃貸・不動産:数量 100(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 12.7%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 13 億円・営業利益 10 億円。数量の指数 1.00、価格の指数 1.20、営業利益率 75.0%
- 食品その他(食品):数量 100(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 122.7%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 123 億円・営業利益 5 億円。数量の指数 1.00、価格の指数 1.34、営業利益率 4.0%
- 食品その他(バイオ関連):数量 150(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 14.7%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 22 億円・営業利益 4 億円。数量の指数 1.50、価格の指数 1.34、営業利益率 18.0%
倍率:事業の純利益 31 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.9% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍。全体の PER 12.5 倍、時価総額 390 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:最も起こりやすい道。ゼラチンの利益率は過去最高から平準化し、化粧品とケーシングは物価並みに伸びる。皮革は縮む。
やや悲観 22% 原料と競争で利益率が薄れ、皮革は撤退に向かう 利益 15 億円 · PER 8.8 倍 · 株価時価総額 5,740 円161 億円
原料と競争で利益率が薄れ、営業利益は 23 億円まで下がる。皮革は撤退に向かう。
牛や豚の皮の相場が上がり、ゼラチンは原価を転嫁しきれない。ペプチドは海外勢との価格競争で台数が落ちる。ケーシングはアジア向けの値引きが続き、利益率が 8% に落ちる。化粧品は高齢の固定客が減る。
皮革は自動車のハンドル用革が、電気自動車の人工素材に置き換わり、台数が半分になる。ほぼ利益が出ない。
賃貸は更新時の賃料交渉で伸びが鈍る。還元は配当性向 55% まで下がる。倍率は上限の 7 割に置いた。
一方、ケーシングとペプチドの首位は崩れない。化粧品も固定客が残るため、事業は赤字にはならず、土地の賃料が下支えする。
- コラーゲン・ケーシング:数量 95.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 120.1%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 114 億円・営業利益 9 億円。数量の指数 0.95、価格の指数 1.30、営業利益率 8.0%
- ゼラチン関連:数量 95.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 1.64(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 155 億円・営業利益 16 億円。数量の指数 0.95、価格の指数 1.30、営業利益率 10.5%
- 化粧品関連:数量 85.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 107.3%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 91 億円・営業利益 9 億円。数量の指数 0.85、価格の指数 1.30、営業利益率 10.0%
- 皮革関連:数量 50.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 76.1%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 38 億円・営業利益 0 億円。数量の指数 0.50、価格の指数 1.30、営業利益率 1.0%
- 賃貸・不動産:数量 100(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 11.6%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 12 億円・営業利益 8 億円。数量の指数 1.00、価格の指数 1.10、営業利益率 72.0%
- 食品その他(食品):数量 95.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 119.1%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 113 億円・営業利益 4 億円。数量の指数 0.95、価格の指数 1.30、営業利益率 3.5%
- 食品その他(バイオ関連):数量 100(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 14.3%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 14 億円・営業利益 2 億円。数量の指数 1.00、価格の指数 1.30、営業利益率 12.0%
倍率:事業の純利益15億円・ROE 3.0% は k 8.0% 以下なので、上限は 1÷k=12.5倍。利益が薄く不採算の皮革を抱えるため、上限の約7割の8.8倍に置いた。PBR は 0.3 倍と低いが、土地は事業に使うため床にしない。
確率:原料価格の上昇、海外の価格競争、動物由来製品への懸念が重なる。中国・輸出で競争が強まる。起こりやすさは中立に次ぐ。
悲観 12% 中国・輸出の価格競争に敗れ、赤字に沈む 利益 −5 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 3,672 円103 億円
中国・輸出の価格競争に敗れ、営業損益が赤字になる。ペプチドとケーシングの輸出が価格競争で負ける。
ゼラチンは台数が 2 割減り、利益率が 6% まで落ちる。化粧品は広告費が膨らみ、利益が消える。皮革は赤字が続く。動物由来の製品を避ける動きが強まり、非動物由来の新素材が置き換わる。
本社費は物価で増え、26 億円が残る。賃貸は堅いが、事業全体では赤字になる。投資有価証券を売って配当を保つが、還元は 4 割に縮む。
価値は、土地と投資有価証券の売れる値の約 3 分の 1 に置いた。清算されない限り、少数株主は資産を取り出せないからだ。
- コラーゲン・ケーシング:数量 85.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 110.8%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 94 億円・営業利益 4 億円。数量の指数 0.85、価格の指数 1.20、営業利益率 4.0%
- ゼラチン関連:数量 80.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 1.51(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 121 億円・営業利益 7 億円。数量の指数 0.80、価格の指数 1.20、営業利益率 6.0%
- 化粧品関連:数量 65.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 99.1%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 64 億円・営業利益 3 億円。数量の指数 0.65、価格の指数 1.20、営業利益率 4.0%
- 皮革関連:数量 30.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 70.2%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 21 億円・営業利益 −1 億円。数量の指数 0.30、価格の指数 1.20、営業利益率 -5.0%
- 賃貸・不動産:数量 95.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 10.6%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 10 億円・営業利益 7 億円。数量の指数 0.95、価格の指数 1.00、営業利益率 65.0%
- 食品その他(食品):数量 90.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 109.9%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 99 億円・営業利益 2 億円。数量の指数 0.90、価格の指数 1.20、営業利益率 2.0%
- 食品その他(バイオ関連):数量 80.0(実質の出荷量の指数(今 = 100))× 価格 13.2%(指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本))→ 売上 11 億円・営業利益 0 億円。数量の指数 0.80、価格の指数 1.20、営業利益率 0.0%
倍率:営業損益が赤字で稼ぐ力では測れない。売れる資産の税引後は約300億円だが、清算されない限り少数株主は取り出せない。今の自己資本411億円に0.25倍を掛け約103億円に置いた(売れる資産の約3分の1)。
確率:構造的な負けの筋書き。ケーシングとペプチドの輸出が価格競争に敗れ、皮革は赤字が続く。土地と投資有価証券が支えになるため、1 割強にとどめる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
コラーゲン・ケーシング
ソーセージ用のコラーゲンケーシング。国内唯一の作り手で、市場の半分近くを握る。
| 数量実質の出荷量の指数(今 = 100) | 価格指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 92.4% | 92 | 8 |
| 10 年後 中立 | 105 | 123.8% | 130 | 13 |
取り方:開示は金額のみ。数量は実質の出荷量の指数で置いた(国内のソーセージ需要はほぼ横ばい、米国・東南アジア向けが伸びる)。営業利益 8.1 億円は多品種少量化で前期より 30% 減った。
ゼラチン関連
食品・医薬・工業用のゼラチンと、コラーゲンペプチド。ペプチドは国内の首位、ゼラチンは 2 位。
| 数量実質の出荷量の指数(今 = 100) | 価格指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 125.9% | 126 | 24 |
| 10 年後 中立 | 110 | 1.69 | 186 | 25 |
取り方:開示は金額のみ。数量はグミ向けの伸びと、ソフトカプセル用途の弱さを合わせた実質の出荷量の指数。営業利益率 18.8% は過去最高水準で、原料相場が落ち着いた結果。
化粧品関連
コラーゲン化粧品と「ニッピコラーゲン 100」などの健康食品。通販が中心。
| 数量実質の出荷量の指数(今 = 100) | 価格指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 82.6% | 83 | 13 |
| 10 年後 中立 | 100 | 110.6% | 111 | 14 |
取り方:開示は金額のみ。数量は固定客の人数と購入頻度で動く実質の指数。広告費の増加を吸収して増益だった。
皮革関連
自動車のハンドル用革と靴・袋物用の革。
| 数量実質の出荷量の指数(今 = 100) | 価格指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 58.5% | 59 | 2 |
| 10 年後 中立 | 65.0 | 78.4% | 51 | 1 |
取り方:開示は金額のみ。数量は靴の需要減と、中国の自動車不振を反映する実質の指数。売上は前期比 19% 減。
賃貸・不動産
東京・足立区、大阪・心斎橋、なんばの土地の貸し付け。
| 数量実質の出荷量の指数(今 = 100) | 価格指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 10.6% | 11 | 8 |
| 10 年後 中立 | 100 | 12.7% | 13 | 10 |
取り方:開示は金額のみ。貸す面積は変わらず、数量の指数は 100。賃料は長期契約が多く、更新のたびに上がる。営業利益率は約 78%。
食品その他(食品)
有機穀物とイタリア食材の輸入販売。
| 数量実質の出荷量の指数(今 = 100) | 価格指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 91.6% | 92 | 4 |
| 10 年後 中立 | 100 | 122.7% | 123 | 5 |
取り方:推定。食品その他 102.6 億円のうち、バイオ関連を約 11 億円と見て、残りを食品に置いた。利益率は 4% 前後。
食品その他(バイオ関連)
iPS 細胞培養用のラミニン、3D 培養基材、医療用のコラーゲン・ゼラチン。
| 数量実質の出荷量の指数(今 = 100) | 価格指数 1 あたり売上(億円。物価 3% で 10 年 1.34 倍が基本) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100 | 11.0% | 11 | 2 |
| 10 年後 中立 | 150 | 14.7% | 22 | 4 |
取り方:推定。2025 年 3 月期のバイオ関連は売上 12.1 億円・営業利益 2.7 億円で、2026 年 3 月期は減収減益と開示された。売上 11 億円・営業利益 2 億円と置いた。
リスクと懸念
ゼラチンの利益率の反動
2026 年 3 月期のゼラチンの利益率は 18.8% と過去最高で、前の期の 11.9% から跳ねた。牛や豚の皮の相場や為替が戻れば、利益率は 10% 台前半まで下がりうる。会社も今期は減益を見込む。
バイオ関連の期待外れ
中計は、バイオ関連の売上を 3 年で 3 割増やす計画で、工場の建て替えに 67 億円を投じる。2026 年 3 月期は一部製品が想定を下回った。再生医療の臨床が遅れれば、投資の回収が遠のく。
皮革の縮小
自動車のハンドル用革は中国の不振で落ち込み、靴用革も需要が減る。売上は前期比 19% 減った。電気自動車の人工素材化が進めば、撤退と減損が避けられない。
ケーシングの価格競争と生産性
アジア向けは価格競争で減収になり、国内も多品種少量化で生産性が落ちた。営業利益は前期比 30% 減だ。中計が掲げる利益の回復には、生産工程の改善が欠かせない。
動物由来製品への懸念
牛海綿状脳症(BSE)などの過去の経緯から、動物由来製品への社会的な懸念は根強い。規制の厳格化や非動物由来の新素材が広がれば、ゼラチンとケーシングの需要を削る。
土地の使い道と資本効率
土地は帳簿で 285 億円あるが、賃貸の利益は 8 億円台にとどまる。活用の方針が示されず、ROE は資本コストを下回る。配当性向 70% の約束は 2028 年 3 月期までで、その後は未定だ。
今後の分かれ目
- 土地の活用方針(売却・再開発・自社株買い)が数字で示されたら
- 資産の厚みが株主の取り分に変わる。楽観・やや楽観の確率を上げ、賃貸等不動産の時価を確かめて価値に足す。
- ゼラチンの営業利益率が 2 期連続で 15% を保ったら
- 原料相場の山ではなく、構造的な改善だったことになる。中立の利益率を上方に直す。
- バイオ関連の売上が 2 期続けて 2 割以上伸びたら
- 新工場の投資が実り始めた証拠になる。やや楽観・楽観の確率を上げてよい。
- 皮革事業の撤退や譲渡が公表されたら
- 損失は一度出るが、固定費が減り、全体の利益率が上がる。再構築が進むと見る。
- 2028 年 3 月期以降に配当性向を 50% 以下へ戻したら
- 自己資本が積み上がり、ROE が下がる。倍率の上限に影響し、中立の価値を引き下げる。
- TOB が公表されたら
- 買い付け価格は、土地を含む資産価値を前提にする可能性が高い。確率モデルは 3 割と見る。
見ておくもの
- ゼラチンの営業利益率と、原料の相場・為替
- バイオ関連の売上と、新工場の稼働状況
- 皮革事業の売上と、撤退・再構築の方針
- ケーシングの生産性と、アジアの価格動向
- 土地の活用方針(賃貸等不動産の時価の開示を含む)
- 2029 年 3 月期以降の配当方針
倍率と資本コストの決め方
倍率は、事業の ROE が資本コスト 8.0% を下回る筋書きでは、上限の 1÷k=12.5 倍に対する割合で置いた。今の PER 11 倍・PBR 0.78 倍には寄せていない。土地は賃料が利益に入っているので、価値に足していない。賃貸等不動産の時価は未確認で、悲観の床にだけ帳簿の額で入れた。配当性向 70% は中計の期間だけと見て、10 年平均は 6 割とした。店舗の賃借は小さく、新リース会計基準の影響は小さいが、10 年後の数字は家賃を営業費用に入れた今と同じ形でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13→13.36 倍・やや楽観 PER 11.9→12.5 倍・中立 PER 11.2→12.5 倍)。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality を足した(決まり v2)。個別の事業リスクは筋書きと確率で表す。