結論
オカムラは、オフィス家具で国内トップクラスの会社だ。店舗の什器と物流設備も手がける。筆者の結論は、今の値段は中立の見通しでも割安というものだ。理由は、事業の稼ぐ力に対して、時価総額が小さすぎることにある。
稼ぎの柱はオフィス環境だ。利益の大半がここから出る。オフィス回帰と買い替えで5期連続の最高益となり、国内市場は年5%ほどで伸びていると社長は語る。ただ、この数字は価格の上昇を含む。人が減る国で、実質の数量が伸び続けるとは筆者は見ていない。
商環境と物流システムは足を引っ張ってきた。大手流通の投資は控えめで、物流は赤字に落ちた。この2つが小さな黒字に戻るだけで、全社の利益率は目に見えて上がる。
懸念も明確にある。今の利益は改装需要の山かもしれない。山のあとは数量が落ち、リーマン後には法人の受注が2〜3割減った。資材高の転嫁も遅れがちだ。それでも、財務は無借金に近く、配当も厚い。事業が壊れる筋書きは、確率を低く見積もっても1割ほどは置いておく必要がある。
総合では、本質価値は今の時価総額を上回る。割安の程度は、利益が山のまま続くかどうかで決まる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、オカムラは「悪くないが、すばらしくもない会社」だ。事業は存在し続ける。机と椅子を使う人がいる限り、オフィス家具の需要は消えない。ただ、堀は普通の厚さで、利益率が高いわけでもない。
それでも魅力があるのは、値段が安いからだ。オーナーとして手元に残る利益は、純利益から維持のための投資を引いた額だ。この会社は工場の維持更新に年200億円ほど使うが、減価償却は78億円と別に出る。だから見かけの利益より、手元に残る額は少し小さい。それでも、今の時価総額に対し、利益の水準は高い。
安全域は2つある。第1に、財務が堅い。自己資本比率は約68%で、純現金はほぼゼロだが借金は軽い。第2に、政策保有株の含み益という隠れた資産がある。
懸念は、過去最高益の中身だ。改装需要の山を、普通の水準と取り違えている可能性がある。筆者は、山の利益を事業の実力に積み増さないよう、利益率の伸びを控えめに置いた。経営は、資本を雑には使っていない。海外のM&Aはやや気になるが、規模が小さいので、失敗しても致命傷にはならない。
何で稼ぐ会社か
オカムラは、オフィスの「場」づくりを一社で請け負う会社だ。机・チェア・収納を作り、レイアウトの設計から内装工事まで受ける。売上の6割近くがオフィス環境事業で、利益の大半もここから出る。顧客は大企業から官公庁・自治体まで広い。
次に大きいのが商環境事業だ。スーパーやドラッグストアの棚と什器、冷凍冷蔵ショーケースを作る。長野県須坂市の新工場で、ショーケースの供給力を1.4倍にした。大手流通の投資に左右されやすく、利益は薄い。
物流システム事業は、自動倉庫や搬送設備を設計して納める。規模は小さい。受注から売上になるまで2〜4年かかるため、受注が細ると赤字が先に出る。前期は赤字だった。
海外は、タスクチェアを中心にアジアで売ってきた。2021年にシンガポールのデザイン内装会社DB&Bを買い、2024年に完全子会社にした。2026年4月には英国のBoss Designを完全子会社にし、売上が約100億円増える。
稼ぎ方の核心は、買い替えの理由を作ることだ。昇降デスクのように健康の価値を足した品を出し、古い机を替える口実にする。社長が語る「1を1000にするイノベーション」は、新製品より売り方の工夫を指す。
優良さと弱いところ
筆者は、オカムラの堀(他社がまねしにくい強み)は「普通」の厚さと見る。国内のオフィス家具は、オカムラ・コクヨ・イトーキ・ウチダヨコの上位4社で過半を握る寡占だ。ただ、強いブランドで値段を自由に決められる業界ではない。入札と相見積もりが多く、価格は大手どうしの駆け引きで決まる。
強みは3つある。第1に、家具から内装までを一社で受ける設計施工の力。第2に、全国の営業網と保守の拠点。第3に、官公庁や大企業との長い取引だ。第1の強みは、改装を丸ごと任せたい顧客に効く。
弱みは利益率だ。営業利益率は7%台で、素材の鉄・鋼板が2020年代に約1.5倍になった時、転嫁が追いつかず利益計画を下げた。値上げは3〜5%、商環境は10%と動き始めたが、効くのは遅い。
資本効率は悪くない。自己資本利益率は5期連続で10%を超え、直近は11%台だ。ただし、この水準は中期計画の目標とほぼ重なる普通の水準で、ずばぬけてはいない。経営は、政策保有株を28社まで減らし、配当性向を40%以上に引き上げた。資本の使い方は、株主の側を向いている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内のオフィス家具の市場規模は約9,000億円で、年5%ほどで伸びているというのが会社の見立てだ。ただし、この伸びは物価の上昇を含む。人口が減る国で、実質の数量が年に何%も増えるとは考えにくい。筆者は、実質で横ばい前後とみる。数量は金額でなく、年に移転・改装で入れ替わる床面積(国内で約450万坪)で数える。オカムラはその約18%を受け持つ。
追い風は2つある。第1に、出社を促す企業が増え、オフィスの改装が相次いだこと。第2に、人手不足の時代に、働きやすい環境が採用の武器と考えられるようになったことだ。この追い風は、いつまで続くかわからない。改装は一度やれば、次は10年ほど先になる。
向かい風は、リモートとハイブリッド勤務の定着だ。床面積を減らす企業は増えている。もう1つが競争で、最大のライバルはコクヨだ。コクヨは海外の展開を強めており、国内の価格競争が海外にも広がりかねない。
商環境では、スーパーの改装は堅調、ドラッグストアは弱含みで二極化している。人手不足でセルフレジなどの投資は増えている。物流システムは、物流の2024年問題の対策で補助金が出て、長い目では需要が伸びる。ただ、競合は大きく、オカムラの存在感は小さい。
資本政策と M&A
資本政策は、堅実で、少しずつ株主寄りになっている。配当は増配が続き、2026年3月期の配当支払は約96億円、配当性向は4割台だった。2027年3月期は小幅の増配を予定する。自社株買いは2021年3月期から3年続けたが、2024年3月期以降は止めている。
中期経営計画2028は、営業利益の年平均成長を10%以上、自己資本利益率を12%以上に置く。配当性向は40%以上を維持し、総還元性向を上げる構えだ。筆者は、利益が伸びて自己資本が厚くなる以上、自社株買いが再開される可能性を見ている。
M&Aは、海外で積極的だ。2021年にDB&B、2026年4月にBoss Designを買った。Boss Designは売上が約100億円で、営業利益は買収の費用を引くとほぼゼロの見込みだ。のれんの償却がしばらく利益を削る。M&Aが外れた時の減損は、悲観の筋書きに入れた。
政策保有株は28社・純資産の14.8%まで縮めた。2027年3月期は売却益が約10億円出る。ほかの会社から買われる側になる可能性は、時価総額が2,000億円台と手頃なため、ゼロではない。
点検済み:中立の営業利益率が過去12年の山(8.1%)を超えていたため、国内・海外は今の水準、商環境は小幅の改善、物流は損益とんとんまでに置き直した(8.0%)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
オカムラは、オフィスが「コスト」から「投資」に変わる追い風の真ん中にいる。出社を促す企業が増え、改装は5期連続で伸びた。商談は前年を上回り、保有している商談の増加率は約9%ある。値上げも、2025年1月の3〜5%に続いて通っている。
昇降デスクのように、健康という新しい価値を乗せた品は、買い替えの理由になる。人が減っても、1人あたりに使う金額は上がる。海外はBoss Designで英国を押さえ、DB&Bの東南アジアと合わせて、タスクチェアの中核品に別の品揃えが加わる。
商環境は定価を10%上げ、須坂の新工場で供給を増やした。物流システムは固定費を5億円ほど削り、損益が均衡に戻る。この2つが戻るだけで、営業利益率は9〜10%まで上がる。会社の目標はそれを超えている。
時価総額は2,000億円台で、利益に対して小さい。利益が山のまま横ばいでも、割安は動かない。
加えて、政策保有株を28社まで減らし、売却益が約10億円出る。資本の使い方は株主寄りに動いており、自社株買いの再開も視野に入る。
慎重な見方
今の利益は山かもしれない。改装は一度やれば次は10年先で、5期連続の最高益は、コロナ後に溜まった需要を吐き出している途中だ。リーマン後には、法人の受注が2〜3割落ちた前例がある。
人が減る国で、オフィスの床面積は増えない。ハイブリッド勤務が定着すれば、大手は本社を縮める。国内の数量は実質で減るというのが、冷静な見方だ。コクヨとイトーキとの競争も厳しく、大型案件は値引きの競り合いになる。
資材高の転嫁は遅れがちだ。鉄・鋼板が1.5倍になった時は、利益計画を下げた。中東情勢でまた材料が上がっているのに、今期の計画には織り込んでいない。
商環境は大手流通の投資に頼り、物流システムは前期に赤字へ沈んだ。Boss Designの買収は、のれんの償却で利益を削る。海外の買収が外れれば、減損が出る。山の利益に、倍率を高く置いてはいけない。
中期計画の利益率10%という目標も、過去の計画が資材高で何度も下げられた経緯を思えば、そのまま信じにくい。会社の計画は、いつも達成できるとは限らない。
どちらに重みを置いたか
国内の追い風が当面続く点は強気の言い分が強い。一方で、数量が実質で伸びない点と、山の利益の懸念は慎重な見方が強い。筆者は、強気の目標である利益率10%を楽観の筋書きにとどめ、中立は過去の山(8%)以下の8%ほどに置いた。確率は、悲観の側にやや厚く寄せ、やや悲観を2割、悲観を1割とした。それでも本質価値は今の時価総額を上回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 5,412 円5,125 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1,471 円1,393 億円)。 今の値に割り戻すと 3,724 円3,527 億円、今との差 +65.7%、 期待の年率 +11.8%(資本コスト 7.2%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 10,885 円1.03 兆円 | 2,336 円2,212 億円 | +488.1% | +19.4% | 1,322 円1,252 億円 |
| やや楽観 | 20% | 8,177 円7,744 億円 | 1,876 円1,777 億円 | +347.2% | +16.2% | 2,011 円1,904 億円 |
| 中立 | 38% | 5,320 円5,039 億円 | 1,451 円1,374 億円 | +201.2% | +11.7% | 2,573 円2,437 億円 |
| やや悲観 | 22% | 2,662 円2,521 億円 | 1,130 円1,070 億円 | +68.7% | +5.4% | 834 円790 億円 |
| 悲観 | 10% | 805 円763 億円 | 620 円587 億円 | −36.6% | −4.5% | 143 円135 億円 |
| 加重平均 | 100% | 5,412 円5,125 億円 | 1,471 円1,393 億円 | +206.2% | +11.8% | 6,882 円6,518 億円 |
今の株価時価総額 2,248 円2,129 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.2% を下回るほど割高。
楽観 10% 買い替えが定着し、目標の利益率に届く 利益 548 億円 · PER 18.6 倍 · 株価時価総額 10,885 円1.03 兆円
オフィスは「コスト」から「人を集める投資」へ性格が変わり、買い替えが定着する。昇降デスクや個室ブースのような高付加価値の品が主役になり、国内の売上は価格と品揃えの両面で伸びる。コクヨとの競り合いでも、設計から施工までを一社で受けられる強みが効き、シェアをじわりと広げる。
海外では英国のBoss Designとシンガポールのデザイン内装会社が互いの販路を貸し合い、北米と東南アジアで売りが立つ。商環境は定価の値上げが通り、冷凍冷蔵ショーケースの新工場が稼働率を上げて、利益が大きく戻る。物流システムも固定費の削減が効き、自動倉庫の案件が黒字に乗る。
結果として全社の営業利益率は11%に届き、会社が掲げる10%の目標を超える。ただし、リニューアル需要が10年続く前提は強気で、実現には景気と人手不足の追い風がそろう必要がある。
- 国内オフィス家具・内装:数量 104(国内で移転・改装により入れ替わるオフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.40(坪あたり売上(家具+内装)の指数(今=1.00=約20万円/坪、中立は10年で1.34))→ 売上 2,899 億円・営業利益 420 億円。移転・改装で入れ替わるオフィス床面積 531 万坪/年 × シェア 19.50%、坪あたり売上は今の 1.40 倍、営業利益率 14.5%
- 海外オフィス:数量 25.5(海外の対象オフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.34(坪あたり売上の指数(今=1.00=約25万円/坪。ドル円150円で固定))→ 売上 854 億円・営業利益 94 億円。海外の対象オフィス床面積 1,500 万坪/年 × シェア 1.70%、坪あたり売上は今の 1.34 倍、営業利益率 11.0%
- 商環境(店舗什器・ショーケース):数量 3,318(新装・改装される店舗数(店/年)× オカムラのシェア)× 価格 140.0%(1店あたり売上(什器・ショーケース・内装)の指数(今=1.00=約4,000万円/店。2026年4月に定価10%引き上げ))→ 売上 1,858 億円・営業利益 121 億円。新装・改装される店舗数 21,000 店/年 × シェア 15.80%、1店あたり売上は今の 1.40 倍、営業利益率 6.5%
- 物流システム:数量 70.2(国内の物流システム案件数(件/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.34(1案件あたり売上の指数(今=1.00=約5億円/件))→ 売上 470 億円・営業利益 33 億円。物流システムの案件数 3,900 件/年 × シェア 1.80%、1案件あたり売上は今の 1.34 倍、営業利益率 7.0%
倍率:事業の純利益 546 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 14.7% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.0%、10 年より先の名目の伸び g 3.7% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)139 億円。全体の PER 18.81 倍、時価総額 10,410 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:オフィス回帰と買い替え需要が10年続き、海外の買収も当たる必要がある。条件が多く重なるので1割にとどめた。
やや楽観 20% 国内が堅調で、海外と商環境も戻る 利益 438 億円 · PER 17.4 倍 · 株価時価総額 8,177 円7,744 億円
国内のオフィス需要は、移転と改装を中心に堅調に推移する。昇降デスクのような健康を売りにした品が買い替えの理由になり、値上げも通る。働き手の減少で面積は増えないが、1人あたりに使う金額が上がる。
海外はBoss Designの買収が実を結び、英国と東南アジアの売りが育つ。商環境は値上げで採算が戻り、物流システムは赤字を抜ける。
全社の営業利益率は10%近くまで上がるが、会社の目標にはあと一歩届かない。資材と人件費の上昇を価格に転嫁できる範囲で、少しずつ積み上がる姿である。
筆者は、この筋書きを「うまくいった普通」と呼べる水準とみる。中期計画の営業利益の伸びには届かないが、利益は10年で2倍近くに育ち、配当も毎年増える。コクヨとの競争が穏やかな間は、価格の上昇が数量の弱さを補う。
- 国内オフィス家具・内装:数量 95.8(国内で移転・改装により入れ替わるオフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.37(坪あたり売上(家具+内装)の指数(今=1.00=約20万円/坪、中立は10年で1.34))→ 売上 2,624 億円・営業利益 354 億円。移転・改装で入れ替わるオフィス床面積 504 万坪/年 × シェア 19.00%、坪あたり売上は今の 1.37 倍、営業利益率 13.5%
- 海外オフィス:数量 21.6(海外の対象オフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.32(坪あたり売上の指数(今=1.00=約25万円/坪。ドル円150円で固定))→ 売上 713 億円・営業利益 68 億円。海外の対象オフィス床面積 1,440 万坪/年 × シェア 1.50%、坪あたり売上は今の 1.32 倍、営業利益率 9.5%
- 商環境(店舗什器・ショーケース):数量 3,121(新装・改装される店舗数(店/年)× オカムラのシェア)× 価格 137.0%(1店あたり売上(什器・ショーケース・内装)の指数(今=1.00=約4,000万円/店。2026年4月に定価10%引き上げ))→ 売上 1,710 億円・営業利益 94 億円。新装・改装される店舗数 20,400 店/年 × シェア 15.30%、1店あたり売上は今の 1.37 倍、営業利益率 5.5%
- 物流システム:数量 54.9(国内の物流システム案件数(件/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.32(1案件あたり売上の指数(今=1.00=約5億円/件))→ 売上 362 億円・営業利益 18 億円。物流システムの案件数 3,660 件/年 × シェア 1.50%、1案件あたり売上は今の 1.32 倍、営業利益率 5.0%
倍率:事業の純利益 436 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.3% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.8%、10 年より先の名目の伸び g 3.7% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 17.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 17.6 倍 + 余った現金(戻り方込み)139 億円。全体の PER 17.62 倍、時価総額 7,822 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:過去5期連続の過去最高益と中期計画の上振れ実績を踏まえると、国内の堅調さが続く可能性は十分ある。ただし資材高と人件費で利益率の伸びは限られる。
中立 38% 市場は横ばい、値上げと改善で利益率が少し上がる 利益 314 億円 · PER 15.5 倍 · 株価時価総額 5,320 円5,039 億円
国内のオフィス家具市場は、実質ではわずかに広がる程度にとどまる。働き手が減る一方で、オフィス回帰と買い替えが下支えする。オカムラのシェアはほぼ横ばいで、価格が物価並みに上がることが売上の伸びの主な源になる。
海外はBoss Designの上乗せが入り、売上が倍近くに育つが、利益率は国内に及ばない。商環境は定価の値上げで採算を戻すものの、大手流通の投資が控えめで、利益は薄いままである。物流システムは固定費を削ってようやく小さな黒字になる。
全社の営業利益率は今の7%台から8%ほどまで、わずかに上がる。国内と海外は今の利益率を保ち、商環境はわずかに採算を戻し、赤字だった物流は損益とんとんに戻る。過去の山(8%)を超えず、10%の目標には届かない。
- 国内オフィス家具・内装:数量 88.2(国内で移転・改装により入れ替わるオフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.34(坪あたり売上(家具+内装)の指数(今=1.00=約20万円/坪、中立は10年で1.34))→ 売上 2,365 億円・営業利益 293 億円。移転・改装で入れ替わるオフィス床面積 477 万坪/年 × シェア 18.50%、坪あたり売上は今の 1.34 倍、営業利益率 12.4%
- 海外オフィス:数量 17.2(海外の対象オフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.30(坪あたり売上の指数(今=1.00=約25万円/坪。ドル円150円で固定))→ 売上 561 億円・営業利益 44 億円。海外の対象オフィス床面積 1,380 万坪/年 × シェア 1.25%、坪あたり売上は今の 1.30 倍、営業利益率 7.8%
- 商環境(店舗什器・ショーケース):数量 2,901(新装・改装される店舗数(店/年)× オカムラのシェア)× 価格 134.0%(1店あたり売上(什器・ショーケース・内装)の指数(今=1.00=約4,000万円/店。2026年4月に定価10%引き上げ))→ 売上 1,555 億円・営業利益 47 億円。新装・改装される店舗数 19,600 店/年 × シェア 14.80%、1店あたり売上は今の 1.34 倍、営業利益率 3.0%
- 物流システム:数量 44.9(国内の物流システム案件数(件/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.30(1案件あたり売上の指数(今=1.00=約5億円/件))→ 売上 291 億円・営業利益 0 億円。物流システムの案件数 3,450 件/年 × シェア 1.30%、1案件あたり売上は今の 1.30 倍、営業利益率 0.0%
倍率:事業の純利益 312 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.5% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.4%、10 年より先の名目の伸び g 3.7% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)139 億円。全体の PER 15.8 倍、時価総額 5,074 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:市場は実質で横ばい、価格は物価並み、利益率は少し上がるという、いちばん事業の実態に近い置き方。最大の確率を置く。
やや悲観 22% 改装需要が一巡し、値引き競争で利益率が戻る 利益 206 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 2,662 円2,521 億円
リニューアル需要が一巡し、国内のオフィス家具は数量が小さく減る。リモートとハイブリッドの定着で床面積が縮み、コクヨやイトーキとの値引き競争も強まる。値上げは資材高の転嫁にとどまり、利益率は押される。
商環境は大手流通が投資を絞り、一時の黒字化も続かない。海外は英国の景気に左右され、買収で払ったのれんの重さが残る。物流システムは受注の波に飲まれて赤字に戻る。
それでも事業は壊れない。全社の営業利益率は6%台に落ちるが、利益は今の水準を保つ。無借金に近い財務のおかげで、配当も続けられる。
筆者は、この筋書きを「山のあとの普通の谷」とみる。改装需要が一巡すれば、数量はいったん弱くなる。値上げは資材高の転嫁で消え、利益率は2010年代の水準に近づく。事業の形は変わらず、ただ伸びが止まる。
- 国内オフィス家具・内装:数量 77.2(国内で移転・改装により入れ替わるオフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.28(坪あたり売上(家具+内装)の指数(今=1.00=約20万円/坪、中立は10年で1.34))→ 売上 1,976 億円・営業利益 198 億円。移転・改装で入れ替わるオフィス床面積 441 万坪/年 × シェア 17.50%、坪あたり売上は今の 1.28 倍、営業利益率 10.0%
- 海外オフィス:数量 13.9(海外の対象オフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.25(坪あたり売上の指数(今=1.00=約25万円/坪。ドル円150円で固定))→ 売上 433 億円・営業利益 22 億円。海外の対象オフィス床面積 1,320 万坪/年 × シェア 1.05%、坪あたり売上は今の 1.25 倍、営業利益率 5.0%
- 商環境(店舗什器・ショーケース):数量 2,576(新装・改装される店舗数(店/年)× オカムラのシェア)× 価格 128.0%(1店あたり売上(什器・ショーケース・内装)の指数(今=1.00=約4,000万円/店。2026年4月に定価10%引き上げ))→ 売上 1,319 億円・営業利益 33 億円。新装・改装される店舗数 18,400 店/年 × シェア 14.00%、1店あたり売上は今の 1.28 倍、営業利益率 2.5%
- 物流システム:数量 31.5(国内の物流システム案件数(件/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.25(1案件あたり売上の指数(今=1.00=約5億円/件))→ 売上 197 億円・営業利益 −2 億円。物流システムの案件数 3,150 件/年 × シェア 1.00%、1案件あたり売上は今の 1.25 倍、営業利益率 -1.0%
倍率:事業の自己資本利益率は6.6%で資本コスト 7.25% に届かない。ためた利益は額面未満の価値なので、上限 1÷k=12.5 倍より低い 10 倍に置いた(ROE÷k の比で見ても 10 倍前後)。今の利益はそのまま残るが、新しく投じるお金の稼ぎは資本コストを下回る。
確率:過去最高益は改装需要の山の可能性があり、山のあとに数量が落ちるのは過去の循環で繰り返し起きた。強気側より少し重く置いた。
悲観 10% オフィス需要が縮み、優良さを失う 利益 54 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 805 円763 億円
オフィス需要が構造的に縮む。ハイブリッド勤務が定着し、大手企業が本社の床面積を3割ほど減らす。景気後退では、リーマン後のように法人の設備投資が2〜3割落ち込む。そこへコクヨとイトーキの値引き競争が重なり、価格が物価に負ける。
海外は買収した英国の会社が不振になり、のれんの減損が出る。商環境は大手流通が改装を止め、赤字に沈む。物流システムは固定費を切り切れず、撤退に近い縮小になる。
全社の営業利益率は2%台まで落ち、自己資本利益率は資本コストを大きく下回る。もはや優良な会社ではなく、配当の余力も細る。
- 国内オフィス家具・内装:数量 61.2(国内で移転・改装により入れ替わるオフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.20(坪あたり売上(家具+内装)の指数(今=1.00=約20万円/坪、中立は10年で1.34))→ 売上 1,469 億円・営業利益 88 億円。移転・改装で入れ替わるオフィス床面積 382 万坪/年 × シェア 16.00%、坪あたり売上は今の 1.20 倍、営業利益率 6.0%
- 海外オフィス:数量 10.2(海外の対象オフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.20(坪あたり売上の指数(今=1.00=約25万円/坪。ドル円150円で固定))→ 売上 306 億円・営業利益 0 億円。海外の対象オフィス床面積 1,200 万坪/年 × シェア 0.85%、坪あたり売上は今の 1.20 倍、営業利益率 0.0%
- 商環境(店舗什器・ショーケース):数量 2,125(新装・改装される店舗数(店/年)× オカムラのシェア)× 価格 120.0%(1店あたり売上(什器・ショーケース・内装)の指数(今=1.00=約4,000万円/店。2026年4月に定価10%引き上げ))→ 売上 1,020 億円・営業利益 −10 億円。新装・改装される店舗数 17,000 店/年 × シェア 12.50%、1店あたり売上は今の 1.20 倍、営業利益率 -1.0%
- 物流システム:数量 19.9(国内の物流システム案件数(件/年)× オカムラのシェア)× 価格 1.20(1案件あたり売上の指数(今=1.00=約5億円/件))→ 売上 120 億円・営業利益 −10 億円。物流システムの案件数 2,850 件/年 × シェア 0.70%、1案件あたり売上は今の 1.20 倍、営業利益率 -8.0%
倍率:事業の純利益 54 億円は自己資本に対し 2.0% の稼ぎにすぎず、資本コストを大きく下回る。この稼ぎが続く前提で、純利益÷k(約 675 億円)を上限に、縮小と減損の途中であることを織り込み 10 倍(約 540 億円)に置いた。売れる資産は政策保有株の税後 240 億円ほどで、稼ぐ力の方が大きい。
確率:リーマン後の受注2〜3割減という前例があり、リモート定着と価格競争も重なりうる。優良さを失う筋書きなので、5%を上回る1割とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
国内オフィス家具・内装
オフィス家具の製造・販売と、レイアウト・内装の設計施工。昇降デスクやチェアが主力。
| 数量国内で移転・改装により入れ替わるオフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア | 価格坪あたり売上(家具+内装)の指数(今=1.00=約20万円/坪、中立は10年で1.34) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 82.5 | 1.00 | 1,650 | 205 |
| 10 年後 中立 | 88.2 | 1.34 | 2,365 | 293 |
取り方:数量は実物の床面積。国内で年に移転・改装・新設で入れ替わるオフィスを約450万坪と置く(市場約9,000億円÷坪あたり約20万円。全国のオフィス総床面積の約1割弱で、改装が約10年に一度という周期とも合う)。オカムラの国内オフィス売上は、オフィス環境事業1,919億円から海外約270億円を除いた約1,650億円と推定し、坪あたり約20万円(家具と設計施工の合算の推定)で割って約82.5万坪、シェア約18%。価格は坪あたり売上の指数で、物価と、昇降デスクなど高付加価値品へのつくり替えがここに入る。営業利益はオフィス環境事業226億円のうち国内分を約205億円とみた。開示は無く、床面積・坪あたり売上とも推定。
海外オフィス
英国・シンガポールなどでのオフィス家具とデザイン内装。タスクチェアが中核で、英国のBoss Designが加わった。
| 数量海外の対象オフィス床面積(万坪/年)× オカムラのシェア | 価格坪あたり売上の指数(今=1.00=約25万円/坪。ドル円150円で固定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 10.8 | 1.00 | 270 | 21 |
| 10 年後 中立 | 17.2 | 1.30 | 561 | 44 |
取り方:数量は実物の床面積。英国・シンガポール・タイ・米国などで年に入れ替わる対象オフィスを約1,200万坪と粗く置く(対象市場約3兆円÷坪あたり約25万円)。売上約270億円を坪あたり約25万円(国内より高い英国・シンガポールの単価を反映した推定)で割ると約10.8万坪、シェア約0.9%。開示は無く推定(シンガポールのDB&B社が約90億円で前期比15%増、英国のBoss Design社は2026年4月から約100億円が加わる)。営業利益はオフィス環境の残り約21億円。数量の伸びは実物(シンガポール子会社の拡大と、英国 Boss Design の約100億円の加入)で、名目の市場の伸びではない。
商環境(店舗什器・ショーケース)
スーパー・ドラッグストアなどの什器、冷凍冷蔵ショーケース、店舗の内装。
| 数量新装・改装される店舗数(店/年)× オカムラのシェア | 価格1店あたり売上(什器・ショーケース・内装)の指数(今=1.00=約4,000万円/店。2026年4月に定価10%引き上げ) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,950 | 100.0% | 1,180 | 30 |
| 10 年後 中立 | 2,901 | 134.0% | 1,555 | 47 |
取り方:数量は実物の店舗数。スーパー・ドラッグストアなどで年に新装・改装される店舗を約2万店と置く(市場約8,000億円÷1店あたり約4,000万円。全国のスーパー・ドラッグストア約5万店の約4割に当たるが、ショーケース単体の入れ替えを1店分に数えた粗い推定)。オカムラの売上約1,180億円を1店あたり約4,000万円で割ると約2,950店、シェア約15%。価格は1店あたり売上の指数。前期は大手流通の投資抑制で減収、一時費用約16億円が出た。営業利益は開示された増減から約30億円と逆算した推定。
物流システム
自動倉庫・搬送設備・ロボットなどの物流システムの設計・施工。
| 数量国内の物流システム案件数(件/年)× オカムラのシェア | 価格1案件あたり売上の指数(今=1.00=約5億円/件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 38.0 | 1.00 | 190 | −15 |
| 10 年後 中立 | 44.9 | 1.30 | 291 | 0 |
取り方:数量は実物の案件数。自動倉庫・搬送設備などの国内市場を約1.5兆円とし、1案件あたり約5億円(小〜中規模が中心)で割って年約3,000件と置く。オカムラの売上約190億円は約38件、シェア約1.3%。大手に比べ小さい。受注から売上まで2〜4年かかる事業で、前期は赤字。営業利益は開示の減益幅から約マイナス15億円と逆算した推定。
リスクと懸念
改装需要の山と、その反動
5期連続の最高益は、コロナ後に溜まった改装の需要を吐き出している面がある。改装は10年に一度なので、需要が一巡すると数量が落ちる。リーマン後には法人の受注が2〜3割減った前例がある。山の利益に、成長の倍率を掛けてはいけない。
ハイブリッド勤務による床面積の縮小
出社が戻っても、1人あたりの面積は広がらない。大手が本社を縮める動きは続いている。国内の数量が実質で減るなら、価格の上昇で伸びを稼ぐ構造になる。値段を上げ続けられるかが問われる。
資材と人件費の上昇、転嫁の遅れ
鉄・鋼板は2020年代に約1.5倍になり、利益計画を下げる原因になった。中東情勢で材料がさらに上がっているが、今期の計画に入っていない。値上げが通るまでに、数四半期の遅れが出る。
コクヨとの競争と海外への波及
国内の最大のライバルはコクヨで、イトーキも大きい。コクヨが海外を強めると、オカムラの海外の成長にも影響が及ぶ。大型案件は値引き競争になり、利益率が削られやすい。
商環境と物流システムの採算
商環境は前期に一時費用が約16億円出て、大手流通の投資抑制の影響も受けた。物流システムは赤字に落ち、受注から売上まで2〜4年と長い。この2つの黒字化が計画どおり進まないと、利益率の改善が止まる。
海外のM&Aののれんと減損
英国のBoss Designは売上約100億円で、営業利益は買収費用を引くとほぼゼロの見込み。DB&Bも含め、のれんの償却が利益を削る。業績が計画に届かなければ、減損が出る。海外の売上は全社の1割前後で、致命傷にはなりにくい。
今後の分かれ目
- ハイブリッド勤務が広がり、大手企業が本社の面積を大きく減らす動きが続いたら
- 国内オフィスの数量が実質で減る筋書き(やや悲観・悲観)に確率を寄せる。値上げだけで売上を保てるかが焦点になる。
- 商談の保有額が前年を上回り続け、昇降デスクなどの高付加価値品の比率が上がったら
- やや楽観・楽観の確率を上げてよい。単価の上昇が実質の数量の弱さを補う。
- 商環境と物流システムが、計画どおり黒字に戻ったら
- 営業利益率が9%台に乗る筋書き(やや楽観)の確率を上げる。この2つは改善の余地が大きい。
- 鉄・鋼板などの資材高が続き、値上げが追いつかなかったら
- 営業利益率が7%台に張り付く筋書き(やや悲観)の確率を上げる。
- 自社株買いが再開され、総還元性向が5割を超えたら
- 自己資本利益率が12%に近づき、中立の倍率の質が上がる。
- 他社がオカムラの買収を持ちかけたら(時価総額が手頃で、政策保有株を縮める途中)
- TOBの価格で価値が確定する筋書きが加わる。ただし筆者は、買収を前提にした確率は置いていない。
見ておくもの
- オフィス環境事業の受注・商談の保有額と、昇降デスクなど高付加価値品の比率
- 国内オフィスの空室率と、大手企業の本社移転・縮小の動き
- 鉄・鋼板の価格と、値上げの浸透度
- 商環境と物流システムの営業損益、固定費削減の進み具合
- Boss Designの営業損益とのれんの償却額
- 自社株買いの有無と総還元性向
倍率と資本コストの決め方
倍率は、事業の自己資本利益率と資本コスト7.25%から、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)の式で出し、市場の倍率は使っていない。中立のROE約10%、長期の成長率g 4.0%で、正当化PERは約13.8倍。ROEがkを上回るので、1÷k=12.5倍が下限で、中立は12.5倍にした。今の株価は筋書きを作ったあとで比べただけで、今の値段が倍でも半分でも、価値の計算は変わらない。セグメントの売上は、オフィス・店舗・案件の実物の数量(床面積・店舗数・案件数)×単価の推定で、開示された増減から逆算したセグメントの利益は推定と明記した。新リース会計基準は2028年3月期から効くが、10年後の数字は今と同じ形(家賃を営業費用に入れた形)でそろえた。 2026-10-22 の見直し(R1〜R4)で倍率・時価総額を機械で置き直した(前後は notes/audit/fix_stage2_20261022.csv)。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に品質+0.5%を足した8.0%。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.00% → 7.25%。