結論
アトラシアンはJira、Confluence、Jira Service Managementを通じ、企業の仕事と意思決定の記録を束ねるソフト会社だ。筆者の結論は割高である。10年先も仕事の履歴や承認の仕組みは必要だが、それを使う人間の席数が今と同じとは限らず、現在の時価総額は将来の利益を大きく先取りしている。
2026年6月期の売上は約66億ドルに伸びた。4〜6月期にはクラウド売上が31%増え、GAAP営業利益率も12%に達した。一方、通期のGAAP純損益はなお赤字で、株式報酬は約16億ドルに上る。2027年6月期の会社見通しは売上13%増だが、従来のData Center製品は2029年に原則サポートを終える。クラウドへの移行が順調でも、古い契約の売上を新しい契約に移す部分は二重に成長とは数えられない。
最大の争点はAIエージェント代替である。チケットと文書の履歴は残りやすいが、作業を行う人数や画面を開く回数は減りうる。RovoとTeamwork Graphの利用は急増しているものの、AI利用料の独立した売上実績はまだ示されていない。将来の数量にはこの差を厳しく織り込んだ。
5つの筋書きを資本コスト8%で評価した現在価値は約51億ドルで、添付の基準時価総額592億ドルより約91%低い。楽観でも現在の価値を支えない。これは会社の消滅予想ではない。優れた業務基盤を持つことと、その株式にどんな値段でも払えることは別だという判断である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社が10年後も必要とされるかと、必要とされるとして誰が利益を受け取るかを分けて考える。企業は仕事の履歴、権限、監査の記録を捨てられない。JiraとConfluenceの連携網は本物の資産であり、AIが仕事を代行する時代にも記録を保つ役割は残るだろう。しかし記録を置く器が必要なことと、現在の席課金の収入が維持されることは別である。
オーナー利益には厳しくありたい。2026年6月期のフリーキャッシュフローは約13億ドルだったが、株式報酬を約16億ドル費用として差し引けば、単純計算では株主に残る現金はマイナスになる。買収で支払った約12億ドルもこの計算の外である。GAAP利益が持続的に増え、株式報酬が相対的に減るまで、調整後の高い利益率を持ち主の利益とは呼べない。
会社は自社株買いと買収の双方に資本を向けるが、創業者が議決権の大半を持つ。余った現金を少数株主のために返す保証はない。現時点では現金と有利子負債がほぼ釣り合い、余剰現金に大きな追加価値を付ける余地もない。
企業の強みへの評価は高いが、現在の値段を正当化するには強みだけでは足りない。楽観でも将来の利益を現在価値に直すと市場の要求を満たさない。よい事業を持ち続けることと、安全域のない値段で買うことは同義ではない。
何で稼ぐ会社か
収益の中心は企業向けの継続課金である。開発チームはJiraに不具合や開発計画を記録し、Confluenceに仕様と決定理由を残す。IT部門はJira Service Managementで問い合わせや障害対応を管理する。Loom、Bitbucket、Trelloも加わり、Teamwork CollectionやService Collectionとして複数の製品を横断して売る。企業は利用者数や契約プランに応じて支払い、上位プランや追加機能で契約額が増える。
2026年6月期の会社開示は製品別ではなく、提供方式別である。クラウドは44.1億ドル、顧客が自社設備で運用するData Centerは18.3億ドル、外部アプリの販売手数料などは3.3億ドルだった。クラウドの売上は同四半期に31%伸びたが、Data Centerの売上には販売終了前の契約前倒しも含まれる。提供方式ごとの営業利益は非開示なので、費用の割り振りは分析上の推定であり会社のセグメント利益ではない。
クラウドで年1万ドル超を支払う顧客は5万7,334社で、その集団がクラウドの年間経常収益の85%超を占める。全社の有料顧客は35万組織を超え、2026年の売上の90%超は前年までに取引のあった顧客から生まれた。既存企業が席を増やし、製品を横に広げ、契約単価も上げるという構造である。
RovoはAIによる検索や業務実行を製品に組み込み、Teamwork Graphは各システムの仕事の文脈を結び付ける。会社はAI操作回数などによる従量課金を2026年12月から広げる予定だが、将来の利益を裏付ける独立したAI売上額はまだ開示していない。創業時からの製品主導の販売は効率的だが、大企業向け営業とAIの計算費用は軽くない。
優良さと弱いところ
最大の堀は、仕事の記録と周辺の仕組みが結び付いていることだ。Jiraの課題には担当者、承認、変更履歴、権限が付く。Confluenceの資料や外部の開発ツールまで連動しているため、乗り換えは単なる画面の交換では済まない。2029年まで数年をかけてData Center顧客をクラウドに移す会社の計画も、移行の負担の大きさを示す。外部アプリと連携の網は6,000件超で、共同利用の基盤としての強さがある。
価格決定力にも実績がある。2025年10月のクラウド料金改定では主要製品の上位プランを中心に値上げし、2026年にも改定を続けた。Data Centerには2026年2月に原則15%の値上げがあった。ただし、価格表を上げられることと、全顧客が更新時に同じ価格を受け入れることは違う。大企業の契約割引やクラウドへの移行条件は外部から読み切れない。
AIの下でも堀が残る根拠は二つある。長期の移行を要する運用記録と、企業が共同利用する外部アプリの広い連携網だ。これは記録の正本として評価できる。しかし、低解約率を示す厳密な数字は開示されておらず、席課金の部分まで強いとは見ない。Rovo利用者の拡大は好材料だが、利用増と有料収益を混同しない。
資本効率の弱点は株式報酬である。2026年6月期のGAAP営業利益はほぼ損益分岐で、調整後営業利益との開きが大きい。株式報酬を費用として残すと、既存事業の高い粗利益率がそのまま株主の取り分になるわけではない。新しい開発投資の増分利回りは高くなりうるが、競争が強まれば資本コストを下回る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
会社の2026年2月の説明では、対象市場は開発関連170億ドル、仕事管理350億ドル、サービス管理150億ドルの計670億ドルだった。8月の決算資料ではプラットフォームや複数の製品群を含めて1,400億ドルへ対象を拡張した。これは市場範囲の定義変更を含み、既存市場が半年で倍増したわけではない。旧定義670億ドルに対する全社売上66億ドルの単純比は約1割だが、事業範囲が重なるため正確なシェアではない。Jiraなど製品別の売上がない以上、各市場での厳密な持ち分も特定できない。
開発ではマイクロソフトのGitHub、ギットラボ、各種AI開発環境が競う。業務管理ではアサナとマンデー・ドットコムが直接の相手である。マンデーの2025年売上は約12億ドルで、350億ドルの仕事管理市場に対する単純な比率は約3.5%。アサナは約8億ドルで約2.3%となるが、これも市場の範囲を揃えない粗い参考値だ。ITサービス管理ではサービスナウ、BMC、フレッシュワークスと競合する。サービスナウの2025年売上は約133億ドルだが、他事業も含むので150億ドルのサービス管理市場でのシェアと取り違えてはならない。
需要の総量は増えても、課金の単位は変わる。AIが開発の修正や問い合わせの解決を自動化すれば、人間の席は減る。同時に、AIが行った仕事を記録し監査する台帳には価値が残る。会社はRovoの利用拡大や開発者向け接続機能を示す一方、2026年9月にはAI操作回数と解決件数による従量課金への移行を発表した。そこから独立した有料売上の金額はまだ確かめられない。
10年後に市場全体の利用が伸びても、従来の席単価と人員数を掛けた売上が同じ速度で伸びるとは見ない。競争相手の課金が成果報酬へ移り、顧客がAIの処理系を自社で構築すれば、アトラシアンの金額ベースのシェアは低下しうる。逆に仕事の記録の標準であり続ければ、利用者が減っても契約基盤は守れる。
資本政策と M&A
資本配分は株主にとって手放しで褒められない。2024年から自社株買いが増え、2026年6月期には18.0億ドルを投じた。ただし同年度の株式報酬費用は約16.1億ドルで、差し引いた正味の還元はわずかである。2025年は自社株買い7.8億ドルに対し株式報酬が13.6億ドルだった。配当は予定しておらず、2025年に承認された25億ドルの買い戻し枠のうち2026年6月末に約19億ドルが残る。年間の正味還元額に関する数字の約束はない。
買収ではトレロ、オプスジーニー、ルームなどで製品の幅を広げた。2025年10月にAIブラウザー企業The Browser Companyを約4.9億ドルで、同年11月に開発者分析のDXを約7.2億ドルで取得した。合計約12億ドルの投資が新しい販売機会につながるかはまだ測り切れない。2026年のリストラは人員のおよそ1割に及んだ。短期の収益改善だけでなく、開発力を保てるかを見たい。
少数株主の弱点は議決権である。B株は1株10議決権で、2026年6月末にはB株側が約86%の議決権を握っていた。A株とB株の配当・残余財産請求権は同じでも、資本配分への発言力は同じではない。上場廃止や買収の合意、継続企業に重大な疑義があるとの開示は確認されず、独立した上場企業として評価する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
JiraはAIが代行した仕事を残す台帳になれる。開発者が人手で課題を更新しなくなっても、AIの実行結果、権限、承認、顧客への影響は記録される。2026年にはMCPとTeamwork Graphの接続機能の月間利用者が100万人を超え、仕事の履歴をAIが読み書きする動きが見え始めた。従来の操作画面が使われなくなることは、かえって企業内の共通基盤としての価値を強める可能性がある。
顧客基盤も強い。35万を超える有料顧客のうち、大口クラウド顧客は5万7,334社に増えた。全売上の9割超は既存顧客から生まれ、複数製品を組み合わせた契約が広がる。Rovoを使う顧客の年間契約額は非利用顧客より速く伸びるという会社の開示もある。こうした深い利用が続けば、席数が減っても企業ごとの支払額は維持できる。
2029年までのData Centerからの移行は、一時的に増収を遅らせても、製品を統一して維持費を減らす機会になる。クラウドの高い粗利益率と開発効率がGAAP利益に表れれば、成長投資から得られる増分利益は大きい。外部アプリの広い網、長い移行期間、企業内の承認履歴という三つの理由で、マイクロソフトやサービスナウが簡単に顧客を奪うとは限らない。
慎重な見方
最も危ういのは、かつて料金を払っていた人間の数である。AIがソフトの変更、障害対応、文書の更新を行えば、従来必要だった開発者、支援担当、管理者の席は減る。アトラシアンがAIに接続できることは確かでも、それを既存ライセンスの減少以上の有料収入にできた証拠はまだない。無料枠や低価格でRovoを配れば利用量は増えるが、計算費用も増える。
次に移行である。Data Centerの新規販売は終了し、2029年には原則サポートも終わる。規制業種や自社運用を続けたい大企業が、クラウドへ移る代わりに他社や自社の仕組みを選べば、既存の高額契約を失う。欧州のデータ主権規制は、この選択を後押ししかねない。加えて、サービスナウがITサービス管理を、マイクロソフトとGitHubが開発の流れを、アサナやマンデーが一般業務を奪い合う。
利益の質にはさらに注意が要る。2026年6月期の調整後営業利益は約20億ドルだが、GAAPでは約0.1億ドルしかない。差の中心は株式報酬とリストラ費用であり、いずれも株主に無関係な数字ではない。2026年には約12億ドルを買収へ振り向け、創業者側は議決権の86%を持つ。成長が止まっても支出が残り、買い戻しが株式報酬を相殺するだけなら、外部株主の長期の取り分は小さい。
どちらに重みを置いたか
仕事の記録という堀は強く、全面的な消滅を想定する必要はない。しかし、料金体系が席からAIの処理量へ移る速度と、Data Center顧客を取りこぼす危険は大きい。中立には既に有料席の減少を入れたため、その同じ理由で資本コストを上げない。やや悲観と悲観の合計39%は、クラウド移行に失敗する、競合へ記録ごと移されるという追加の経営上の失敗に与えた確率である。楽観側は26%にとどめた。どの筋書きも現在の時価総額を支えず、判断は割高で変わらない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 45.59 ドル119 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 2.69 ドル7 億ドル)。 今の値に割り戻すと 22.95 ドル60 億ドル、今との差 −88.0%、 期待の年率 −13.1%(資本コスト 8.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 109.85 ドル286 億ドル | 9.22 ドル24 億ドル | −37.9% | −4.8% | 9.53 ドル25 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 82.30 ドル214 億ドル | 5.77 ドル15 億ドル | −54.1% | −7.7% | 15.85 ドル41 億ドル |
| 中立 | 35% | 55.81 ドル145 億ドル | 3.07 ドル8 億ドル | −69.3% | −11.3% | 20.61 ドル54 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 7.55 ドル20 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −96.1% | −27.6% | 1.89 ドル5 億ドル |
| 悲観 | 14% | 4.07 ドル11 億ドル | −1.15 ドル−3 億ドル | −98.5% | −32.2% | 0.41 ドル1 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 45.59 ドル119 億ドル | 2.69 ドル7 億ドル | −74.8% | −13.1% | 48.28 ドル126 億ドル |
今の株価時価総額 191.72 ドル499 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 楽観:記録の共通基盤として残り、クラウド移行をほぼ完遂 利益 17 億ドル · PER 14.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 109.85 ドル286 億ドル
開発の自動化は進むが、企業はAIエージェントが何を変更し、誰が許可したかをJiraへ残し続ける。外部アプリの連携網とTeamwork Graphは、他社製品を使う組織にも横断的な記録の場所を提供する。大企業がData Centerからの移行を完了し、サービス管理でもサービスナウに対抗できる。
既存クラウドの席相当数は2026年の水準を維持するだけで、単価は10年で約1.34倍になる。旧Data Centerの席相当もほぼ全数をクラウドへ移し、元の契約に対する年間単価が上がる。売上は約88億ドルに達する。AI課金の独立した販売額は開示されていないので、そこから別の増収は加えない。
固定費の吸収と開発組織の効率化でGAAP営業利益率は約25%に上がる。株式報酬を費用として引いた後の純利益は16.9億ドルとなる。10年の純利益累計81億ドルから買い戻しと株式報酬の差引正味還元24億ドルを払い、自己資本を約68億ドルに増やす。買収は小型の技術補完にとどめ、余剰資金は移行・AI基盤への投資に回る。
- 既存クラウド契約(Jira・Confluence・サービス管理):数量 2,200(有料利用席相当・万席(製品の重複を合成した推定単位))× 価格 269(有料席相当当たり年間売上・ドル(複数製品の合成単価))→ 売上 59 億ドル・営業利益 17 億ドル。記録基盤が定着し、既存席相当は横ばい。AI売上の未開示分を上乗せしない。
- Data Center既存顧客の移行後契約基盤:数量 600(旧Data Center契約の有料席相当・万席(移行後も同じ顧客群を追う))× 価格 409(元Data Center席相当当たり年間契約売上・ドル)→ 売上 25 億ドル・営業利益 6 億ドル。旧Data Center顧客を全数クラウドへ移行した契約収益。
- Marketplace・その他の契約:数量 500(外部アプリ年間有料取引の契約換算・万件(推定))× 価格 85(契約換算1件当たりアトラシアン受取額・ドル/年)→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。Forge基盤と外部アプリの契約が守られる。
倍率:k=8%、10年後の帳簿ROE=16.9÷67.6=25.0%、強い堀の残存比2/3でRONIC=19.33%。AIエージェント代替を考慮したg_long=1.5%は記録基盤の名目成長で、上限PER=(1−0.015÷0.1933)÷(0.08−0.015)×1.015=14.40倍。利益の質が最良なので上限をほぼそのまま採用。純利益はGAAP基準で株式報酬を費用に含み、余剰現金を二重に上乗せしない。
確率:AIが仕事を実行しても監査の台帳にJiraが残り、移行顧客をほぼ全数守り、GAAPの利益率が大きく改善する三つの条件が必要だ。単なるRovo利用増を売上増とはみなさず、確率は1割未満にした。
やや楽観 18% やや楽観:移行は順調だが一部の席が自動化される 利益 13 億ドル · PER 14.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 82.30 ドル214 億ドル
企業は仕事の履歴やアクセス権限を保つ必要があるため、JiraとConfluenceを簡単には外せない。Teamwork Collectionは部門間の契約を広げるが、単純な開発や問い合わせをAIに任せる企業が増え、既存クラウドの席相当数は7%減る。AI処理自体の追加売上は確証がなく、価格の上昇は契約の統合と物価の範囲に収まる。
Data Centerの旧顧客群では大半がクラウドへ移り、EUの規制産業や自前運用を重視する顧客の一部を失う。仕事の管理でアサナやマンデー、サービス管理でサービスナウとの競争は続くが、大企業の既存システムの移行負担が離反を抑える。売上は約79億ドルになる。
研究開発と営業費を抑えながらクラウドの価値を高め、GAAP営業利益率は約21%に改善する。純利益12.6億ドルのうち相応の額を再投資し、10年間の純利益累計62億ドル、株式報酬控除後の正味還元15億ドル、期末自己資本58億ドルとなる。新規買収は中核製品の補完に限り、成長を買収だけに頼らない。
- 既存クラウド契約(Jira・Confluence・サービス管理):数量 2,046(有料利用席相当・万席(製品の重複を合成した推定単位))× 価格 258(有料席相当当たり年間売上・ドル(複数製品の合成単価))→ 売上 53 億ドル・営業利益 13 億ドル。既存有料席相当は7%減、契約単価は企業向けの統合で上昇。
- Data Center既存顧客の移行後契約基盤:数量 576(旧Data Center契約の有料席相当・万席(移行後も同じ顧客群を追う))× 価格 390(元Data Center席相当当たり年間契約売上・ドル)→ 売上 22 億ドル・営業利益 5 億ドル。96%の元顧客席相当がクラウドへ転換。
- Marketplace・その他の契約:数量 470(外部アプリ年間有料取引の契約換算・万件(推定))× 価格 80(契約換算1件当たりアトラシアン受取額・ドル/年)→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。外部アプリ課金は減るが高付加価値品が残る。
倍率:k=8%、ROE=12.6÷57.6=21.88%、強い堀のRONIC=17.25%、g_long=1.5%。翌期利益基準の式に1.015を掛けた正当化PERは14.26倍。移行がほぼ成功するので式の上限に近い14.25倍を使い、現在や競合の株式倍率には依存しない。GAAP純利益から株式報酬を再加算しない。
確率:既存顧客の更新力と値上げ実績に支えられる一方、AIが約7%の席相当を代替する。大口顧客の多くは移行するが、競争を受けるため楽観よりは起こりやすい。
中立 35% 中立:記録は残るが有料席が減り、売上は伸び悩む 利益 9 億ドル · PER 14.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 55.81 ドル145 億ドル
2027年6月期は会社の売上13%増の見通しに近い伸びで始まる。しかし、その後はAIによるコード修正、問い合わせ処理、文書作成が普及し、人間の席に付く課金は細る。既存クラウドの有料席相当数は10年で15%減る。残る顧客の契約価格は物価より上がりにくいが、監査履歴と権限管理が必要なので名目約22%は増える。
Data Centerの販売終了では元顧客の約9割をクラウド契約へ移す。残りは自社運用やサービスナウ、GitHubを含む競合へ移る。Marketplaceも小口のアプリがAIの標準機能に置き換わり、契約換算件数が2割減る。全社売上は約69億ドルにとどまり、FY27の一時的な成長を10年間延長しない。
クラウドのホスティング費とAIの計算費用が残るため、GAAP営業利益率は約17%に落ち着く。株式報酬を戻さず、10年目の純利益は8.5億ドル。純利益累計41億ドル、買い戻しから株式報酬と増資を引いた正味還元8億ドル、期末自己資本43.6億ドルという道筋だ。利益の過半は開発費の効率化から生まれ、増益がすべて売上拡大によるわけではない。
- 既存クラウド契約(Jira・Confluence・サービス管理):数量 1,870(有料利用席相当・万席(製品の重複を合成した推定単位))× 価格 245(有料席相当当たり年間売上・ドル(複数製品の合成単価))→ 売上 46 億ドル・営業利益 9 億ドル。記録の正本型。席相当0.85倍、単価1.22倍でAI代替を反映。
- Data Center既存顧客の移行後契約基盤:数量 540(旧Data Center契約の有料席相当・万席(移行後も同じ顧客群を追う))× 価格 382(元Data Center席相当当たり年間契約売上・ドル)→ 売上 21 億ドル・営業利益 4 億ドル。旧Data Center席相当の90%がクラウド移行。重複計上なし。
- Marketplace・その他の契約:数量 400(外部アプリ年間有料取引の契約換算・万件(推定))× 価格 73(契約換算1件当たりアトラシアン受取額・ドル/年)→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。操作画面型の周辺アプリはAIに代替され、数量0.8倍。
倍率:k=8%。自己資本に対するROEは8.5÷43.6=19.50%。Jiraの記録と6,000超の連携先を根拠にmoat=strong、残存比2/3でRONIC=15.66%。AIエージェント代替後の全社g_long=1.5%(仕事の正本部分はプラス、席課金部分はゼロ以下)。PER上限=(1−0.015÷0.1566)÷(0.08−0.015)×1.015=14.12倍。AI見直し規則により中立は上限そのものを使う。GAAP利益のままでSBCも償却も二重に戻さず、純現金がないため足し算はしない。
確率:現在の強いクラウド成長と長期のAIエージェント代替は両立しうる。移行顧客を相当数守りながら人間の有料席が減り、記録基盤への支払いは残る筋書きを最頻値にした。
やや悲観 25% やや悲観:クラウド移行の取りこぼしとAI値下げが重なる 利益 2 億ドル · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 7.55 ドル20 億ドル
大企業の一部は自社に蓄積した開発履歴をGitHubなどへ移し、ITサービス管理ではサービスナウを選ぶ。EUのデータ主権や自社運用を重視する金融機関は、Data Centerの廃止期限までにアトラシアンのクラウドへ移れない。旧Data Centerの有料席相当の45%を失い、既存クラウドでもAIにより27%の有料席相当が消える。
残った顧客でも、AIが文書とチケットの更新を自動化するため、プランの引き下げを求められる。クラウドの契約単価は10年で6%しか上がらず、物価に大きく負ける。外部アプリも標準AI機能に置き換わる。売上は約47億ドルに下がり、長年積んだ製品の連携が一部でほどける。
クラウドの計算費用と中核開発費を急には下げられないため、営業利益は約3.4億ドルまで減る。金利負担や税費用を考えた純利益は1.55億ドル。移行が進んだ初期の黒字を後半の不振が削り、10年累計の純利益は9億ドルにとどまる。買い戻しは株式報酬の希薄化を埋めるだけで正味還元はゼロ、自己資本は19.6億ドルとなる。
- 既存クラウド契約(Jira・Confluence・サービス管理):数量 1,606(有料利用席相当・万席(製品の重複を合成した推定単位))× 価格 213(有料席相当当たり年間売上・ドル(複数製品の合成単価))→ 売上 34 億ドル・営業利益 4 億ドル。有料席相当0.73倍、単価1.06倍。更新交渉力が落ちる。
- Data Center既存顧客の移行後契約基盤:数量 330(旧Data Center契約の有料席相当・万席(移行後も同じ顧客群を追う))× 価格 336(元Data Center席相当当たり年間契約売上・ドル)→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。元契約の55%だけがクラウドで残り、顧客離反が大きい。
- Marketplace・その他の契約:数量 325(外部アプリ年間有料取引の契約換算・万件(推定))× 価格 63(契約換算1件当たりアトラシアン受取額・ドル/年)→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。周辺の小口アプリがAI機能に置換される。
倍率:k=8%、ROE=1.55÷19.6=7.91%で資本コストに届かず、利益基準のPER上限は1÷k=12.5倍。AIエージェント代替に加えて元Data Center契約の45%を失う構造的な負けであるため、上限より低い10.5倍とする。中立14.12倍より低く、現在の株式の倍率や谷の値付けは根拠にしない。GAAPの純利益1.55億ドルを使う。
確率:通常の席減少とは別に、Data Center顧客が他社へ移る、規制対応でクラウド導入が遅れる、価格交渉で従来の値上げ力が失われる場合である。これらの追加失敗を4分の1とした。
悲観 14% 悲観:仕事の記録の正本を奪われ、売上が半分以下になる 利益 −1 億ドル · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4.07 ドル11 億ドル
開発AIはGitHubなどに作業結果と承認を直接記録し、企業はJiraの人間向け画面と二重の台帳を保つ意味を失う。Confluenceの知識は検索エージェントに吸収され、ITサービス管理の大口顧客はサービスナウへ移る。Data Centerの販売終了も企業の乗り換えを早め、古い契約の大半を取り戻せない。
既存クラウドの有料席相当は46%減り、単価も名目で12%下がる。Data Center旧顧客は4割しか残らず、外部アプリの契約換算件数は半分以下になる。売上は約29億ドルへ落ちる。これはAIによる普通の席減少ではなく、仕事の履歴を握る堀そのものを失う筋書きだ。
研究開発費とクラウド基盤の固定費が残り、営業損失は約1.0億ドル、GAAP純損失は1.4億ドルとなる。初期の黒字の後に損失が続き、10年の純損益累計はマイナス3億ドル。買い戻し縮小で株式報酬を控除した正味還元はマイナス3億ドルとなり、期末自己資本は10.6億ドルである。倒産を前提にせず、今の自己資本を売却可能資産の保守的な代用として床に用いる。
- 既存クラウド契約(Jira・Confluence・サービス管理):数量 1,188(有料利用席相当・万席(製品の重複を合成した推定単位))× 価格 176(有料席相当当たり年間売上・ドル(複数製品の合成単価))→ 売上 21 億ドル・営業利益 1 億ドル。有料席相当0.54倍、単価0.88倍。仕事の正本を競合へ失う。
- Data Center既存顧客の移行後契約基盤:数量 240(旧Data Center契約の有料席相当・万席(移行後も同じ顧客群を追う))× 価格 275(元Data Center席相当当たり年間契約売上・ドル)→ 売上 7 億ドル・営業利益 0 億ドル。元顧客の6割が移行せず離脱する。
- Marketplace・その他の契約:数量 225(外部アプリ年間有料取引の契約換算・万件(推定))× 価格 57(契約換算1件当たりアトラシアン受取額・ドル/年)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。周辺エコシステムの取引が崩れる。
倍率:構造的な敗北でGAAP純利益が赤字のためPERは使わず、2026年6月期の手元の自己資本10.6億ドルを床にする。2026年の今の自己資本×PBR1.0倍=10.6億ドル。将来の追加利益を積み上げた自己資本に高いPBRを掛けず、残存純現金と譲渡可能な顧客契約・技術の価値の保守的な目安にとどめる。中立の倍率より低く、値付けの過去の底から逆算していない。
確率:AIエージェントが外部システムに直接記録し、GitHubやサービスナウへ履歴ごと移される事態は基本ではない。ただしData Center廃止とガバナンスの硬直が重なる場合の構造損失として14%を与えた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
既存クラウド契約(Jira・Confluence・サービス管理)
2026年時点のクラウド契約に対応する利用者基盤。2036年は既存契約の有料席がAIで減っても、仕事の記録と連携基盤として契約が残るかを測る。Data Centerからの移行分はここへ二重に足さない。
| 数量有料利用席相当・万席(製品の重複を合成した推定単位) | 価格有料席相当当たり年間売上・ドル(複数製品の合成単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 2,200 | 200 | 44 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1,870 | 245 | 46 | 9 |
取り方:2026年6月期10-KのCloud売上44.106億ドルが原数値。製品別の席数は非開示なので、Jira・Confluenceの月額十数ドル規模とService Managementの高単価を合成した年間約200ドルを仮の席単価とし、約2,200万有料席相当と逆算した。実在する席数の開示ではない。2026年6月末のクラウド年間収益1万ドル超の顧客は57,334社で、売上の85%超に対応する。開発170億、業務管理350億、サービス管理150億ドルという会社の対象市場合計670億ドルに対してCloud売上は単純比6.6%だが、製品別売上がないので市場シェアそのものではない。会社は営業利益を提供方式別に開示しないため、1.6億ドルは全社の下調べ営業利益2.8億ドルから推定配賦。10-Kの通期GAAP営業利益0.1億ドルとの差約2.8億ドルはリストラ費用であり、将来の純利益では株式報酬を戻さない。出典は2026年10-Kと2026年8月の株主書簡。
Data Center既存顧客の移行後契約基盤
2026年には自社運用のData Center契約収入。2029年に製品サポートが原則終了するため、2036年の数量は維持・移行できた元顧客の席相当、価格はクラウド移行後の年間契約額とする。Data Centerの継続販売とは見なさない。
| 数量旧Data Center契約の有料席相当・万席(移行後も同じ顧客群を追う) | 価格元Data Center席相当当たり年間契約売上・ドル | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 600 | 305 | 18 | 1 |
| 10 年後 中立 | 540 | 382 | 21 | 4 |
取り方:10-Kの2026年6月期Data Center売上18.309億ドルが出発点。契約数・有料席数は非開示で、大企業中心の年額約305ドルの席相当と仮定し約600万席相当とした。これは販売実数ではない。2025年9月に発表した終了計画では、2026年3月に新規販売を止め、2028年3月に既存顧客への拡張販売、2029年3月に原則サポートを終える。2036年は残存Data Centerの売上でなくクラウドに転換したこの顧客群の売上として計上し、cloudセグメントに重複させない。AIエージェント代替でも承認・履歴の記録は残るが、客がサービスナウやGitHubに移る可能性がある。全社の開示上は提供方式別利益がないため営業利益1.0億ドルは分析上の配賦。
Marketplace・その他の契約
外部アプリの販売手数料、導入支援や特別サポート。Jiraの周辺製品を売る生態系だが、Data Centerの終了で外部アプリの構成も変わる。
| 数量外部アプリ年間有料取引の契約換算・万件(推定) | 価格契約換算1件当たりアトラシアン受取額・ドル/年 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 500 | 66 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 400 | 73 | 3 | 1 |
取り方:10-KのMarketplace and otherは2026年6月期3.307億ドル。会社は取引件数も実効手数料率も非開示。公式の2026年10月26日発表ではMarketplaceの累計取引額は70億ドル超で、直近10億ドルは9か月で通過した。年換算の総取引額約13億ドルと仮の取り分25%から受取約3.3億ドルを照合し、仮の平均取引額約260ドルから年間約500万取引換算、受取単価66ドルを得た。プレミアサポート等を含むため実際の手数料率ではない。開発者向け連携6,000件超が競争力だが、クラウドアプリの取り分はData Centerより低い。営業利益0.2億ドルは推定。
リスクと懸念
AIエージェント代替
最大の事業リスクである。従来は開発者や支援担当者の有料席を増やすことが成長を支えた。AIが画面を介さず仕事を処理すると席数が減り、年額単価にも値下げ圧力がかかる。Jiraの監査履歴と権限は残る余地があるが、Rovoの利用者数は独立した有料売上ではない。中立の席数と長期成長率に影響を反映し、同じ理由を資本コストには重ねていない。
Data Centerの終了と顧客流出
2026年には既に新規販売が終わり、2028年に既存顧客への追加販売、2029年に原則サポートも終了する。旧契約の売上約18億ドルはクラウドへ移行して初めて残る。規制産業や自社運用を続けたい大企業が他社を選べば、値上げしても補えない。移行した売上を既存クラウドの自然増に二重計上しないことが肝要だ。
株式報酬とGAAP利益
2026年6月期の株式報酬は約16億ドルで、営業キャッシュフローの見かけの厚さを相殺する。買い戻し18億ドルはその多くが既存株主の希薄化防止であり、新たな還元ではない。調整後営業利益は約20億ドルだが、通期GAAP営業利益は約0.1億ドルである。将来も人材獲得に大量の株式を使えば、粗利益が増えてもオーナー利益は残らない。
記録基盤をめぐる巨大企業との競争
マイクロソフトとGitHubは開発の作業履歴、サービスナウはITサービス管理、アサナとマンデーは一般業務の管理を握ろうとする。AIが外部システムに直接記録するようになると、Jiraが必須の台帳である理由が薄れる。顧客が履歴や権限を移す費用は高いが、10年という期間なら徐々に置き換わる可能性を無視できない。
買収・リストラの資本配分
2025年のThe Browser CompanyとDXの買収には合わせて約12億ドルを投じた。双方の製品が既存契約の単価を上げるかはまだ確かでない。2026年の人員削減は約1割に及び、開発費を抑えすぎると競争力を失いかねない。M&Aでのれんを積み上げ、需要後退時に減損する失敗は、報告されたフリーキャッシュフローだけでは見えない。
創業者支配・情報保護・固定費
議決権の約86%はB株側にあり、A株主が買収や還元方針を変える力は乏しい。クラウド統合は企業の重要な履歴を預かるため、障害や情報漏えいが長期契約を傷つける。欧州のデータ主権規制やAIの越境処理制限も顧客移行を妨げる。事業所のリースやクラウド利用の固定契約は、売上が減ってもすぐには消えない。
今後の分かれ目
- 2027年以降も大口クラウド顧客数と契約単価が増え、従量AI課金の実売上が別途開示されたら
- Rovoが席減少を補える具体的証拠になる。既存クラウドの数量と価格の見通しを再評価し、楽観側の確率を引き上げる。
- 2028年までにData Center旧顧客の移行割合が8割を下回ると分かったら
- 移行群の残存数量を下げ、やや悲観の確率を引き上げる。将来のクラウド売上に同じ顧客を重複加算しない。
- GAAP営業利益率が通年で15%を超え、株式報酬の売上比も継続して下がったら
- 2026年の構造的な費用の重さが改善した証拠になる。純利益率と10年間の正味還元の見積もりを上げる。
- サービスナウやGitHubとの統合でJiraの顧客が記録ごと外へ移る事例が増えたら
- 乗り換えの難しさという堀の評価を弱める。記録の正本型から席課金型へ寄せ、10年後のg_longを0%以下へ下げる。
- Rovoの利用が伸びてもAIの計算費だけ増え、クラウド粗利益率が80%を割ったら
- 無料提供が競争力を高めても株主利益を削る可能性がある。営業利益率を引き下げ、クラウド契約価格を見直す。
- 自社株買いが年々の株式報酬を十分に上回り、買収費用を抑えて純現金が積み上がったら
- 正味還元と余剰現金の実現価値を上方修正する。逆に大型買収が続くなら同額を現金として二重に数えない。
見ておくもの
- 会社開示の大口クラウド顧客数(ARR年1万ドル超)と顧客当たり契約額、既存顧客の更新状況
- 2026年11月5日公表予定の2027年6月期第1四半期決算と、その後のクラウド成長率
- Data Center契約の移行率と、2028〜2029年の販売・サポート終了に伴う解約
- Rovo従量課金の独立売上額、AI解決件数とクラウドのホスティング費
- GAAP営業利益率、株式報酬の売上比、株数の増減、自社株買いの正味額
- GitHub・サービスナウとの競合、EUデータ主権対応、顧客が記録を移す実例
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額を基準に倍率を逆算していない。2026年6月期のCloud、Data Center、Marketplaceの開示売上を、推定有料席・契約件数と実効単価に分けた。Data Centerの2036年売上は移行した元顧客群として扱い、クラウドに二重計上しない。GAAPの株式報酬と買収償却を費用として残した10年目純利益に、k=8%、ROE、堀の残存比、AI代替後のg=1.5%から求めた正当化PERを適用した。純現金は現在ほぼゼロで、将来の余剰現金を利益に重ねて足さない。株式報酬を控除した正味還元だけを別に割り引いた。5筋書きの現在価値は約51億ドル、基準時価総額592億ドルとの差は約マイナス91%となるが、現在の値付けに合わせて利益や倍率を引き上げなかった。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%に品質調整0%を加えた。βや市場のPERは使わない。2026年のGAAP利益の薄さは存続危機ではないのでdistress上乗せは行わず、利益率と悲観確率で扱う。