結論
サンディスクは NAND フラッシュ(SSD・メモリカード)を作る専業で、キオクシアとの合弁(Flash Ventures)で製造する。2026 年 7 月期の売上は 202.5 億ドル(前の期の 2.8 倍)、営業利益率 62%、純利益 114 億ドル。売上は「業界のビット × 当社シェア(約 11%)× ビット単価」で、データセンター・Edge(PC・スマホ・車載)・Consumer の 3 区分に分けて積んだ。10 年後は売上約 100 億ドル級の NAND 専業の 1 社(シェア 11% 前後)という見立てである。NBM(4 年超の数量・金額保証つき契約)8 社が FY28 のビットの約 2/3 を押さえるが、下げ相場ではまだ試されていない。
バリュー投資の観点では、2026 年の PER 17 倍は周期の頂の利益に対する倍率で、安さの証拠ではない。資本コストは基本 8.0% に quality 2.0%(NAND の大きな振れ・価格を決められない・NAND 一本足と合弁・YMTC への依存)を足した 10.0%。中立は ROE が資本コスト並みで、正当化 PER の上限は約 10.0 倍、その 9.5 割の 9.5 倍に純現金 46 億ドルを足して、10 年後の時価総額は約 296 億ドル(今の約 15%)。確率で加重した価値は今の時価総額を約 66% 下回る(割高、10 年 −66%)。無借金と合弁の資本効率は事業の質の高さだが、安全域は無い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業は存在し、今より強いか」を問う。NAND は 10 年後も必要で、サンディスクも合弁を通じて生き残る可能性は高い。ただし今より強いかは分からない。堀は合弁の資本効率と NBM で、需給がきつい時にしか価格を決める力は出ない。FY26 の営業利益率 62%・ROE 73% は 2 年前の赤字からの急回復で、10 年の平均ではなく山である。
次にオーナー利益。FY26 の純利益 114 億ドルは周期の頂に近く、これを使うと PER 17 倍と普通に見えるが、10 年後のならした利益は 25 億ドル前後(FY26 の約 2 割)にとどまる。帳簿の ROE は 10 年後の中立で約 10% と資本コスト並みになり、倍率は 1÷k の上限に近くなる。価格の下落が利益率を削るためである。
資本配分は、無借金と 100% 還元の方針は良いが、山で自社株買いを増やすと割高で買うことになる。合弁の増設の負担(約 125 億ドル)が山の後に響く点も気になる。安全域は、悲観でも無借金・純現金・契約の下限が下を支えることだが、合弁の設備は自社の資産ではなく、悲観では売れる資産の床(今の自己資本の 5 割弱)まで下がりうる。
結論として、事業の質は上がったが、予測の確実性は低く(需給の山と谷、合弁の相手への依存)、資本コストは quality を足した 10% に置く。値段が山の利益を前提にしているなら、待つのが正しい。
何で稼ぐ会社か
売上は NAND フラッシュで、3 つの顧客区分に分かれる。Edge(PC・スマホ・車載・ロボット)が FY26 に 122 億ドルで約 6 割、データセンター向け SSD が 51.5 億ドル(前年比 5.4 倍、直近の四半期は総ビットの 38%)、Consumer(メモリカード・USB・外付け SSD の小売)が約 29 億ドル。データセンターは 2026 年に NAND 市場の約半分を占める見込みで、売上の中心が移りつつある。
製造は日本の四日市と北上にある合弁(Flash Ventures)で、持ち分はキオクシア 51%・当社 49%。ビットの出荷では業界の約 29% を作りながら、5 年間で業界の設備投資の 13% しか使っていない、というのが経営の説明で、当社は設備を持たず、合弁の設備を使ってウエハーを買う構造である。自社の物件の設備投資は FY26 に約 1.8 億ドルと小さい。ただし 2032 年までに合弁で約 5 兆円(約 310 億ドル、キオクシア 6 割・当社 4 割、日本の補助金が前提)の増設が計画され、当社の負担は約 125 億ドルになる。
顧客は上位クラウド、AI 企業、PC・スマホのメーカー、小売。2026 年は NBM(新事業モデル)の契約が 8 社に広がり、FY27 のビットの約 50%、FY28 の約 2/3 を、最低の数量と金額の保証つきで押さえた。数量 × 価格で見ると、数量は業界のビットの伸び(年 20〜25%)、価格は年 −20% 前後の下落が普通で、価格の上下が利益のほぼすべてを決める。
優良さと弱いところ
堀は 3 つあるが、いずれも「広いが永続的ではない」。第 1 は合弁の資本効率で、業界のビットの 29% を 13% の設備投資で作る(経営の説明。Counterpoint も NAND の設備投資の規律を認める)。これは同じ価格で他社より高い利益率が出る構造の強みで、当社が無借金でいられる理由でもある。第 2 は NBM で、4 年超・最低の数量と金額の保証つきの契約が 8 社と結ばれ、FY28 のビットの約 2/3 がすでに決まった。価格の下限があるため、谷でも粗利益率は約 80% を保つと経営は言うが、NAND の下げ相場を経験していない契約で、買い手が見直しを求める可能性は残る。第 3 はデータセンター向け SSD の技術(QLC の大容量 SSD、Stargate)で、HBF(高帯域フラッシュ)は SK ハイニックスと規格を作った段階で売上は無い。
弱みは 4 つ。NAND 一本足で、DRAM のように AI の別の山(HBM)が無い。製造を合弁の相手キオクシアに依存し、同社はシェアを取りに行く戦略を公言している。売上シェアは 5 四半期、12〜13%(直近 11〜12%)で横ばい、シェアを取っていない。中国の YMTC が 8% から 13%(出荷ビットで 14%)に伸びた。資本効率は周期で激しく振れる(FY25 の営業利益率は 7%、FY26 は 62%)。経営は昨年上場したばかりで、周期の山での資本配分の実績が短い。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
NAND 市場は 2025 年の約 1,000 億ドルから 2026 暦年に 3,000 億ドル超へ(Sandisk の見方)、2027 年は約 5,000 億ドルと見込む。TrendForce では 2026 年 4〜6 月期の上位 5 社の NAND 売上は 689 億ドル(前期比 +77%)で、サムスン電子 約 29%、SK ハイニックス(ソリダイム込み)、マイクロン(前期比 +99%)、キオクシア 13.6%、サンディスクの順。データセンター向けの SSD が総ビットの 48%(前年は 26%)に増え、AI のデータ保存・推論の KV キャッシュが需要を押し上げている。
構造の変化は 3 つ。第 1 に需要:AI のデータ量(Sandisk は 2030 年に 1.2 ゼタバイトの AI データセンター需要と見る)。第 2 に供給:サムスン電子・SK ハイニックス・マイクロンの増設、合弁の北上第 3 棟(BiCS10)、YMTC の第 3 工場。クリーンルームの不足は 2028 年まで続く。第 3 に反動:メモリの高騰が PC・スマホの出荷を押し下げる。
循環の位置は「山の頂付近」と見る。2026 年 10 月 12 日にも中国の DRAM の進展で NAND 関連株が下げた。契約価格の上げ幅は縮み始め、NBM は強いが、2028〜29 年に新しい供給と AI 投資の鈍化が重なる局面は、2018〜19 年・2022〜23 年と同じ形になりうる。競合はサムスン電子、SK ハイニックス、マイクロン、キオクシア(合弁の相手でもある)、YMTC、HDD のウエスタンデジタル・シーゲイト(大容量ストレージで一部競合)。
資本政策と M&A
還元の方針は「超過現金の 100% を還元、無借金を保つ」(Investor Day 2026-08-13)。FY26 の期末の現金は 47.6 億ドル、有利子負債はほぼゼロ(期中に 19 億ドルを返済)。Q4 の自社株買いは 45 億ドル、追加の 140 億ドルの枠で残りは 155 億ドルと、還元の本番はこれから。
設備投資は自社の物件が売上比 1 桁台の中ほど(FY26 の第 4 四半期は 6.3%)と軽く、大きいのは合弁の増設への負担(2032 年までに約 125 億ドル)。ここが資本配分の最大の論点で、山で増設を決めて谷で稼働が落ちる NAND の癖が、当社の資金で繰り返されるかどうかが問われる。NBM の前受金(Q4 に約 19 億ドル)は現金に含まれるが、将来の出荷で返す性格なので純現金の質に注意する。
M&A は無く、買われる側になる可能性も時価総額(約 1,900 億ドル)を考えると小さい。ただしキオクシアとの合弁の契約更新・条件変更は、当社の製造費用に直接効く。株式報酬は株数を年 0.7% ほど増やしており、正味の還元は自社株買いの額より小さい。過去に WD の分離で独立した会社のため、資本配分の実績は短い。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
AI のデータ量は構造的に増え、データセンター向け SSD は総ビットの 48% まで来た。サンディスクはその最前線で、FY26 の第 4 四半期にデータセンターの売上が前期比 +103% の 29.8 億ドル。NBM の 8 社が FY27 の約 50%、FY28 の約 2/3 を、最低の数量と金額の保証つきで押さえ、契約の下限でも粗利益率は約 80%。供給は 2028 年までクリーンルームが足りず、新棟は北上でも BiCS10 で 2027 年以降。
合弁の資本効率は業界の 1/2.7。需要が伸びて設備を絞れば、無借金のまま FCF の 50% を還元できる(経営計画:FY28〜30 に売上は年 十数%、営業利益率 75%)。データ保存が AI の必需品になり、NAND がコモディティでなくなるなら、周期の山と谷の幅は縮み、過去の PER 5〜10 倍は低すぎる。年率換算の FCF 400 億ドル超に対して 1,900 億ドルは割安である。
慎重な見方
NAND は需要の山で各社が増設し、供給が出るころに需要が鈍る、という周期を 20 年繰り返してきた。FY26 の営業利益率 62% は同社の過去最高で、前の期は 7%、2 年前は赤字だった。2028 年にサムスン電子・SK ハイニックス・マイクロン・キオクシア・YMTC の増設が重なれば、2019 年・2023 年と同じ急落になる。
NBM の最低保証は下げ相場で一度も試されていない。買い手が見直しを求める、または契約の下限が市場価格より高くて途中で崩れる可能性がある。売上シェアは 5 四半期 12〜13% で横ばい、YMTC が 8% から 13% に伸び、合弁の相手キオクシアはシェアを取りに行く。データセンター向けは 2 社・3 社の大口顧客に偏る。
倍率は、周期の商品で山の PER が普通に見えるのは利益が一時的だからで、PER 17 倍は割高の入り口。10 年後の中立の純利益 27 億ドルは山から 8 割近く縮み、1÷k の 10 倍の 9.5 割を掛けて純現金を足しても、時価総額は 300 億ドルほどで、今の約 1,900 億ドルの 6 分の 1 にも届かない。
どちらに重みを置いたか
強気の言う「供給が足りない」は 2028 年までは正しいと見る。ただし NAND の歴史(2019 年・2023 年)と、新棟・YMTC の供給が 2028〜29 年に重なる点を重く見て、10 年のやや悲観・悲観に 38%、中立に 32% を置き、下側の厚みを残した。構造(中国勢・合弁の相手のシェア拡大・買い手の力)の下振れが主な理由である。確率の寄せ方よりも、山の利益を成熟後の倍率に持ち込まない点が結論を決める。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 225.94 ドル332 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 574.47 ドル844 億ドル)。 今の値に割り戻すと 443.81 ドル652 億ドル、今との差 −64.8%、 期待の年率 −4.4%(資本コスト 10.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 663.54 ドル975 億ドル | 1,466 ドル2,155 億ドル | +68.9% | +5.4% | 212.98 ドル313 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 369.73 ドル544 億ドル | 913.40 ドル1,343 億ドル | +1.8% | +0.2% | 256.63 ドル377 億ドル |
| 中立 | 32% | 201.29 ドル296 億ドル | 544.15 ドル800 億ドル | −40.9% | −5.1% | 238.54 ドル351 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 58.30 ドル86 億ドル | 219.52 ドル323 億ドル | −78.0% | −14.0% | 66.68 ドル98 億ドル |
| 悲観 | 14% | 51.70 ドル76 億ドル | 131.09 ドル193 億ドル | −85.5% | −17.6% | 25.59 ドル38 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 225.94 ドル332 億ドル | 574.47 ドル844 億ドル | −36.5% | −4.4% | 800.41 ドル1,177 億ドル |
今の株価時価総額 1,261 ドル1,854 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 10.0% を下回るほど割高。
楽観 10% NBM が業界標準になり、無借金の資本効率で山と谷を均す 利益 84 億ドル · PER 11.6 倍 · 株価時価総額 663.54 ドル975 億ドル
NBM が業界の標準になり、買い手が最低の数量と金額を約束するため、山と谷が小さくなる。業界のビットは 10 年で 5.0 倍、ビット単価は FY26 平均の 0.19 倍(年 15% 前後の下落)。2036 年の NAND 市場は約 1,691 億ドル、当社のシェアは 12.0%(合弁の資本効率で増設を絞り、キオクシアと並ぶ)。営業利益率はならして 50%、設備投資は売上比 1 桁台の中ほど。堀は規模・コスト・契約で広がる。 成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 12.4 倍の 9 割(11.1 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金 46 億ドルを足して時価総額 975 億ドル。 10 年の純利益の合計は約 2,359 億ドル(山の FY27〜28 を含む)で、正味の還元 2,155 億ドルは超過現金の 100% 還元の方針に沿う(残りは合弁の投資と運転資本に回り、純現金は 70 億ドル前後を保つ。最後の年の利益だけで見ると多く見えるが、借入や資産の売却はしない)。年ごとの道筋は、FY27〜29 の累計約 1,018 億ドルのあと、FY30 約 316・FY31 約 250・FY32 約 220・FY33 約 190・FY34 約 150・FY35 約 130・FY36 約 84 億ドル(山のあとは周期の波を挟んで細る。年ごとの金額は仮に置いた。減損は置かない)。
- データセンター(エンタープライズ SSD):数量 893(当社のデータセンター向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100。業界のビット × 当社シェア × 区分の比率))× 価格 0.10(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 87 億ドル・営業利益 47 億ドル。業界のビット 5.0 倍 × 当社シェア 12.0%(区分の倍率 1.7)・ビット単価 FY26 平均の 0.19 倍・営業利益率 54%
- Edge(PC・スマホ・車載・ロボット):数量 420(当社の Edge 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.23(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 97 億ドル・営業利益 49 億ドル。業界のビット 5.0 倍 × 当社シェア 12.0%(区分の倍率 0.8)・ビット単価 FY26 平均の 0.19 倍・営業利益率 50%
- Consumer(小売のカード・USB・外付け SSD):数量 236(当社の Consumer 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.06(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 5 億ドル。業界のビット 5.0 倍 × 当社シェア 12.0%(区分の倍率 0.45)・ビット単価 FY26 平均の 0.19 倍・営業利益率 42%
倍率:楽観でも利益の多くは周期の山の分で、NAND は商品として価格を決める力が乏しい。上限から少し下げて置いた。 正当化 PER の上限は 12.4 倍(g 4.0%、RONIC 15.5%。RONIC = k 10.0% + 1/3 ×(事業の ROE 26.5% − k)。堀は弱い)。その 9 割の 11.1 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 83.6 × 11.1 + 余った現金(戻り方込み)46 = 975 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:契約を軸にした事業モデルが 10 年続き、中国勢が高性能品に届かない場合。業界ノートの楽観に相当し、10%。
やや楽観 20% 市場は大きいが価格は毎年下がり、シェアは維持する 利益 52 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 369.73 ドル544 億ドル
データセンター向けの SSD が総ビットの 6 割を占め、業界のビットは 10 年で 4.8 倍、ビット単価は FY26 平均の 0.15 倍まで下がる。2036 年の市場は約 1,282 億ドル、当社のシェアは 11.4% を維持、営業利益率はならして 42%。HBF(高帯域フラッシュ)は SK ハイニックスとの規格にとどまり売上への寄与は小さい。この年は周期の下側で ROE は中程度。 成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 11.5 倍の 8.5 割(9.7 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金 46 億ドルを足して時価総額 544 億ドル。 10 年の純利益の合計は約 1,510 億ドル(山の FY27〜28 を含む)で、正味の還元 1,343 億ドルは超過現金の 100% 還元の方針に沿う(残りは合弁の投資と運転資本に回り、純現金は 60 億ドル前後を保つ。最後の年の利益だけで見ると多く見えるが、借入や資産の売却はしない)。年ごとの道筋は、FY27〜29 の累計約 759 億ドルのあと、FY30 約 170・FY31 約 150・FY32 約 130・FY33 約 100・FY34 約 80・FY35 約 70・FY36 約 52 億ドル(山のあとは細る。年ごとの金額は仮に置いた。減損は置かない)。
- データセンター(エンタープライズ SSD):数量 816(当社のデータセンター向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100。業界のビット × 当社シェア × 区分の比率))× 価格 0.08(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 63 億ドル・営業利益 29 億ドル。業界のビット 4.8 倍 × 当社シェア 11.4%(区分の倍率 1.7)・ビット単価 FY26 平均の 0.15 倍・営業利益率 46%
- Edge(PC・スマホ・車載・ロボット):数量 384(当社の Edge 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.18(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 70 億ドル・営業利益 30 億ドル。業界のビット 4.8 倍 × 当社シェア 11.4%(区分の倍率 0.8)・ビット単価 FY26 平均の 0.15 倍・営業利益率 42%
- Consumer(小売のカード・USB・外付け SSD):数量 216(当社の Consumer 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.04(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 3 億ドル。業界のビット 4.8 倍 × 当社シェア 11.4%(区分の倍率 0.45)・ビット単価 FY26 平均の 0.15 倍・営業利益率 34%
倍率:周期の下側の年で、YMTC の追い上げと合弁の相手への依存が残る。上限から一段下げて置いた。 正当化 PER の上限は 11.4 倍(g 4.0%、RONIC 12.8%。RONIC = k 10.0% + 1/3 ×(事業の ROE 18.3% − k)。堀は弱い)。その 8.5 割の 9.7 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 51.2 × 9.7 + 余った現金(戻り方込み)46 = 544 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:AI のデータ容量が増え続ける一方、価格の下落が速い。強気側の中心として 20%。
中立 32% 普通に強い NAND 専業の 1 社(シェア 11% 前後)に戻る 利益 27 億ドル · PER 11.0 倍 · 株価時価総額 201.29 ドル296 億ドル
2036 年の NAND 市場は約 942 億ドル(FY26 の約 1 割強の増、2027 年の山から見れば約 8 割減)。業界のビットは 4.6 倍、ビット単価は 0.115 倍(年 19% 前後の下落)。当社はシェア 10.8%(YMTC の台頭で 0.6 ポイントほど下がる)、売上は約 100 億ドル、営業利益率はならして 30%。NBM は価格の下限があっても買い手の力が強まり、利益率は山の半分以下。合弁の新棟(北上)の投資は予定どおり進み、当社の負担は 40%。 事業の ROE が k 10% と同じなので、成熟後の倍率は上限の約 10.0 倍の 9.5 割(9.5 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金 46 億ドルを足して時価総額 296 億ドル。 10 年の純利益の合計は約 947 億ドル(山の FY27〜28 を含む)で、正味の還元 800 億ドルは超過現金の 100% 還元の方針に沿う(残りは合弁の投資と運転資本に回り、純現金は 55 億ドル前後を保つ。最後の年の利益だけで見ると多く見えるが、借入や資産の売却はしない)。年ごとの道筋は、FY27〜29 の累計約 563 億ドルのあと、FY30 約 90・FY31 約 75・FY32 約 62・FY33 約 50・FY34 約 42・FY35 約 38・FY36 約 27 億ドル(山のあとの正常化で細る。年ごとの金額は仮に置いた。減損は置かない)。
- データセンター(エンタープライズ SSD):数量 743(当社のデータセンター向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100。業界のビット × 当社シェア × 区分の比率))× 価格 0.06(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 44 億ドル・営業利益 15 億ドル。業界のビット 4.6 倍 × 当社シェア 10.8%(区分の倍率 1.7)・ビット単価 FY26 平均の 0.115 倍・営業利益率 34%
- Edge(PC・スマホ・車載・ロボット):数量 350(当社の Edge 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.14(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 49 億ドル・営業利益 15 億ドル。業界のビット 4.6 倍 × 当社シェア 10.8%(区分の倍率 0.8)・ビット単価 FY26 平均の 0.115 倍・営業利益率 30%
- Consumer(小売のカード・USB・外付け SSD):数量 197(当社の Consumer 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.03(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。業界のビット 4.6 倍 × 当社シェア 10.8%(区分の倍率 0.45)・ビット単価 FY26 平均の 0.115 倍・営業利益率 22%
倍率:上限に近く置いた。 正当化 PER の上限は 10.0 倍(g 4.0%、RONIC 10.0%。RONIC = k 10.0% + 1/3 ×(事業の ROE 10.1% − k)。堀は弱い)。その 9.5 割の 9.5 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 26.3 × 9.5 + 余った現金(戻り方込み)46 = 296 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:業界ノートの中立(NAND 市場は山から大きく縮み、ビットは 4〜5 倍)に、当社の位置(シェア 11% 前後)を当てた。最も厚い 32%。
やや悲観 24% YMTC に汎用品を奪われ、シェアが 1 割を割る 利益 6 億ドル · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 58.30 ドル86 億ドル
YMTC・CXMT が汎用 NAND で世界の 2 割以上を握り、キオクシアも合弁の外で自社販売を増やす。業界のビットは 4.4 倍、ビット単価は 0.085 倍。当社のシェアは 9.7% へ下がり、2036 年の売上は約 63 億ドル、営業利益率は 8%。ROE は 3% で k 以下なので、成熟後の倍率は 1÷k の 10.0 倍の 9 割(9.0 倍)を事業の純利益 5.7 億ドルに掛け、余った現金 34 億ドルを足して時価総額 86 億ドル。 10 年の純利益の合計は約 430 億ドル(山の FY27〜28 を含む)で、正味の還元 323 億ドルは超過現金の 100% 還元の方針に沿う(残りは合弁の投資と運転資本に回り、純現金は 50 億ドル前後を保つ。最後の年の利益だけで見ると多く見えるが、借入や資産の売却はしない)。年ごとの道筋は、FY27〜29 の累計約 360 億ドルのあと、FY30 約 14・FY31 約 12・FY32 約 11・FY33 約 10・FY34 約 9・FY35 約 8・FY36 約 6 億ドル(山のあとは薄い黒字が続く。年ごとの金額は仮に置いた。減損は置かない)。
- データセンター(エンタープライズ SSD):数量 636(当社のデータセンター向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100。業界のビット × 当社シェア × 区分の比率))× 価格 0.04(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 28 億ドル・営業利益 3 億ドル。業界のビット 4.4 倍 × 当社シェア 9.7%(区分の倍率 1.7)・ビット単価 FY26 平均の 0.085 倍・営業利益率 12%
- Edge(PC・スマホ・車載・ロボット):数量 299(当社の Edge 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.10(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 2 億ドル。業界のビット 4.4 倍 × 当社シェア 9.7%(区分の倍率 0.8)・ビット単価 FY26 平均の 0.085 倍・営業利益率 8%
- Consumer(小売のカード・USB・外付け SSD):数量 168(当社の Consumer 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.02(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。業界のビット 4.4 倍 × 当社シェア 9.7%(区分の倍率 0.45)・ビット単価 FY26 平均の 0.085 倍・営業利益率 0%
倍率:上限から少し下げて置いた。 事業の ROE 2.5% が k 10.0% 以下なので、正当化 PER の上限は 1÷k = 10.0 倍。その 9 割の 9.0 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 5.7 × 9.0 + 余った現金(戻り方込み)34 = 86 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:YMTC・CXMT の台頭と、合弁の相手キオクシアのシェア拡大戦略(自社で売る分が増える)が重なる筋書き。24%。
悲観 14% 構造的な敗北:中国勢の増産と合弁の交渉力の低下で優良でなくなる 利益 −1 億ドル · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 51.70 ドル76 億ドル
中国勢が汎用 NAND の供給を大きく増やしてビット単価が崩れ、NBM も更新できず、合弁の条件変更・日本の補助金の打ち切りで工場の費用が上がる。当社のシェアは 8.0%、2036 年の売上は約 39 億ドルで営業損益は赤字(−10%)。もう優良ではない。赤字なので稼ぐ力では測らず、売れる資産の床で置く(今の純現金 46 億ドルと、設備の 5 割を税引き後で売れる分の約 30 億ドル、計 76 億ドル)。 10 年の純利益の合計は約 252 億ドル(山の FY27〜28 を含む)で、正味の還元 193 億ドルは超過現金の 100% 還元の方針に沿う(残りは合弁の投資と運転資本に回り、純現金は 45 億ドル前後を保つ。最後の年の利益だけで見ると多く見えるが、借入や資産の売却はしない)。年ごとの道筋は、FY27〜29 の累計約 269 億ドルのあと、FY30 約 −4・FY31 約 −3・FY32 約 −2.5・FY33 約 −2.5・FY34 約 −2・FY35 約 −1.5・FY36 約 −1.4 億ドル(山のあとは小さな赤字が続き、累計は 10 年で FY27〜29 の累計より 約 17 億ドル減る。年ごとの金額は仮に置いた。減損は置かない)。
- データセンター(エンタープライズ SSD):数量 476(当社のデータセンター向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100。業界のビット × 当社シェア × 区分の比率))× 価格 0.04(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 −1 億ドル。業界のビット 4.0 倍 × 当社シェア 8.0%(区分の倍率 1.7)・ビット単価 FY26 平均の 0.07 倍・営業利益率 -6%
- Edge(PC・スマホ・車載・ロボット):数量 224(当社の Edge 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.09(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 19 億ドル・営業利益 −2 億ドル。業界のビット 4.0 倍 × 当社シェア 8.0%(区分の倍率 0.8)・ビット単価 FY26 平均の 0.07 倍・営業利益率 -10%
- Consumer(小売のカード・USB・外付け SSD):数量 126(当社の Consumer 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100))× 価格 0.02(ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。業界のビット 4.0 倍 × 当社シェア 8.0%(区分の倍率 0.45)・ビット単価 FY26 平均の 0.07 倍・営業利益率 -18%
倍率:赤字が続く筋書きなので稼ぐ力では測らず、売れる資産で床を置く。売れる資産は今の純現金 46 億ドルと、今の事業資産(自己資本 157 億ドルから純現金を引いた約 111 億ドル)のうち、のれん約 50 億ドルは売れないとして残りの設備 約 60 億ドルの 5 割を税引き後で売れる分の約 30 億ドルで、合計 76 億ドル。今の自己資本 157 億ドルに対する PBR 0.48 倍に当たる。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:業界ノートの 10 年悲観(汎用 NAND の価格が崩れ、差別化を失う)。合弁(Flash Ventures)の条件が不利に変わる場合も含め 14%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
データセンター(エンタープライズ SSD)
クラウド・AI 事業者向けの大容量 SSD と NAND。NBM の契約が最も集中する区分。
| 数量当社のデータセンター向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100。業界のビット × 当社シェア × 区分の比率) | 価格ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 100 | 0.52 | 52 | 34 |
| 10 年後 中立 | 743 | 0.06 | 44 | 15 |
取り方:FY26 の売上 51.5 億ドル(+437%)、うち第 4 四半期だけで 29.8 億ドル(総ビットの 38%)。世界の NAND 市場は FY26 に約 1,780 億ドル(売上 202.5 億ドルを当社の売上シェア 11.4% で割った)で、当社のシェアは 11〜12%(サムスン電子 約 29%・SK ハイニックス・マイクロン 約 15%・キオクシア 13.6%・YMTC が競合)。数量は FY26 のビット出荷を 100 とした指数、価格は指数 1 あたりの売上。ビット単価は物価に連れて上がらない例外で、積層とコスト低下で年 20% 前後下がる(2019 年・2023 年は 1 年で 4〜5 割下落)。営業利益率 66%(全社を区分別に分けたのは推定で、全社の合計 124.7 億ドルは brief.py と一致)。
Edge(PC・スマホ・車載・ロボット)
PC・スマホ・車載・ロボット向けの内蔵 SSD とモバイル NAND。当社の最大の区分。
| 数量当社の Edge 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100) | 価格ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 100 | 1.22 | 122 | 76 |
| 10 年後 中立 | 350 | 0.14 | 49 | 15 |
取り方:FY26 の売上 122 億ドル(+195%)で全社の約 6 割。メモリの高騰で PC・スマホの出荷は減る(IDC は 2026 年の PC を最大 −9%、スマホ −12.9%)が、単価の上昇がそれを上回った。数量は FY26=100 の指数、価格は指数 1 あたりの売上。ビット単価は物価に連れて上がらない例外で、需給で決まり、微細化で年 20% 前後下がる。営業利益率 62%(推定)。
Consumer(小売のカード・USB・外付け SSD)
SD カード・USB・外付け SSD を小売で売る区分。ブランド(サンディスク)が残る事業。
| 数量当社の Consumer 向け NAND ビット出荷の指数(FY26=100) | 価格ビット単価(指数 1 あたりの売上・億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 100 | 0.29 | 29 | 15 |
| 10 年後 中立 | 197 | 0.03 | 7 | 1 |
取り方:FY26 の売上 約 29 億ドル(+29%、第 4 四半期は前期比 −32%)。メモリ高騰で供給を DC・Edge に回し、小売の数量は減っている。数量は FY26=100 の指数、価格は指数 1 あたりの売上(ビット単価は物価に連れて上がらない例外で下がる)。営業利益率 52%(推定。小売の販売費が重い)。3 区分の合計:売上 202.5 億ドル・営業利益 124.7 億ドルは brief.py と一致。
リスクと懸念
NAND の循環の反転
NAND は需要の山で増設を決め、供給が出るころに需要が鈍る。FY25 の営業利益率は 7%、FY24 は赤字。FY26 の 62% は過去最高で、反転した時の利益の落ち幅が桁違いになる。2019 年・2023 年が前例。
NBM の契約が下げ相場で試される
最低の数量と金額の保証つきの契約が FY28 のビットの約 2/3 を押さえるが、NAND の下げ相場を経験していない。買い手が見直しを求める、契約の下限が市場より高くて崩れる、顧客が破綻する場合に、下限の保証は想定ほど効かない。
キオクシアとの合弁への依存
製造は合弁(Flash Ventures)の工場に全面的に依存し、相手のキオクシアは自社のシェア拡大を公言している。合弁の更新・価格・増設の負担(2032 年までに当社分 約 125 億ドル)の条件が変わると、費用と供給が当社の意思で動かせない。日本の補助金が前提の増設でもある。
中国勢の増産(YMTC・CXMT)
YMTC は売上シェアが 8% から 13%、出荷ビットでは 14% で、第 3 工場が 2026 年末に稼働する。汎用 NAND の価格を押し下げる最大の構造要因で、米中規制の緩和で一気に変わる可能性もある。当社のシェアは 5 四半期、12〜13% で横ばい。
AI 投資の巻き戻し
データセンターの需要の大半は上位クラウド・AI 企業の設備投資で、2027 年は 1 兆ドル近い見方がある。AI の収益が追いつかず投資が半減すれば、NAND の需要と価格が同時に崩れる。メモリ・AI 部品との相関が高い。
一本足と資本配分
売上は NAND のみで、DRAM・HBM のような別の山が無い。山で自社株買いを増やすと割高で買うことになり、100% 還元の方針の質は株価で決まる。上場から 2 年弱で、周期の山での資本配分の実績が短い。
今後の分かれ目
- NAND の契約価格が 2 四半期続けて前期比マイナスになる
- 山の通過のサイン。悲観・やや悲観の確率を引き上げる。倍率は稼ぐ力(1÷k)と売れる資産の床で見る。
- サムスン電子・SK ハイニックス・マイクロン・キオクシアが設備投資を大幅に増額する
- 2028〜29 年の供給過剰の確率が上がる。
- YMTC・CXMT が高性能の NAND で上位 3 社並みの品質に達する、または米国の規制が緩む
- 10 年の悲観の確率を引き上げる。汎用品の価格を決める力が失われ、NBM の更新も難しくなる。
- NBM の契約が 2028 年分以降も積み上がり、価格の下限が市場価格を上回る期間でも守られる
- 強気側の確率を寄せる。ただし倍率は成熟後の式を超えないため、本質価値への影響は利益の水準(シェアは取らない前提)に限られる。
- AI 向けの設備投資が 2 四半期続けて下方修正される
- NAND 全体の需要が崩れる。悲観の確率を引き上げる。エヌビディアなど他の AI 部品と同時に効く。
- 自社株買いが山の高い水準で大きく進み、純現金が薄くなる
- 資本配分の質の低下。正味の還元(株式報酬を引いた額)を下げて見る。
見ておくもの
- NAND の契約価格の前期比(TrendForce)と在庫日数
- サムスン電子・SK ハイニックス・マイクロン・キオクシアの設備投資と合弁の北上第 3 棟の立ち上げ時期
- NBM の契約の積み上げ(FY28・FY29 のビットの押さえ)と顧客の更新
- YMTC の月間ウエハー能力・シェア(出荷ビットと売上)
- クラウド上位の設備投資の改定と AI の課金収入
- Sandisk の自社株買いの額・株式報酬による株数の増減と純現金
倍率と資本コストの決め方
今の PER・PBR や過去の倍率には寄せていない。売上と利益は 3 区分(データセンター・Edge・Consumer)を「業界のビット × シェア × ビット単価」で積み、サムスン電子・SK ハイニックス・マイクロン・キオクシア・YMTC とのシェアの取り合いを筋書きごとに置いた。10 年後の倍率は、利益ベースの正当化 PER = (1−g/RONIC)/(k−g)(k 10.0%、ROE が k 以下の筋書きでは 1÷k、堀は弱い)の上限に対し、楽観 9 割・やや楽観 8.5 割・中立 9.5 割・やや悲観 9 割で置き、事業の純利益に掛けて余った現金(戻り方 1.0)を足した。悲観は赤字なので稼ぐ力では測らず、今の純現金と売れる設備の税後(76 億ドル)で置いた。結論は、利益が周期の頂でその後に正常化するという前提に依存する。総合は今の時価総額に対し -65.8% で、割高。結論は計算の結果で、先に決めたものではない。
資本コスト 10.0% = 無リスク金利 5% + β 1.80 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 2.0% = 10.0%。β は使わない(上場後 20 か月で β は足りず、同じ NAND・メモリのマイクロンと同じ性質として quality を置いた)。NAND の振れの大きさ(+1.0)、商品として価格を決められないこと(+0.5)、NAND 一本足・合弁と YMTC への依存(+0.5)を quality で見た。無借金で extra は置かない。新棟の増設と供給過剰は筋書きと確率(10 年のやや悲観・悲観 38%)で表し、k には二重に足していない。