結論
コヒレント(Coherent)は、AI データセンター向けの光トランシーバー(800G・1.6T)とそのレーザー部品、通信事業者向けのコヒーレント光部品、産業用レーザー、SiC などの材料を作る会社である。2026 年 6 月期の売上は 71.2 億ドル(前年比 +23%)、GAAP の営業利益は 9.0 億ドル(営業利益率 12.6%)、純利益は 8.1 億ドル。売上の約 3/4 がデータセンター・通信で、第 4 四半期の売上は前年比 +34%(売却を除いた比較で +42%)、会社は 2027 年 6 月期に初めて四半期売上 30 億ドルを超える計画で、受注は 2028 暦年まで入っている。
堀は、インジウムリン(InP)レーザーの内製と、レーザーから完成品までの垂直統合にある。これは中国の完成品メーカー(イノライト・エオプトリンク)が持たない点で、米国の調達方針の追い風にもなりうる。弱みは、完成品では首位のイノライトより利益率が低く(第 4 四半期の非 GAAP 営業利益率 21.8%)、設備投資が 11 億ドルで営業キャッシュフローを大きく上回ったこと、産業部門が成熟していることである。
セグメントを 4 つに分け、市場 × シェア × 価格で 10 年を積み上げた。中立の 2036 年 6 月期は売上 199 億ドル(今の 2.8 倍)、営業利益率 20%、純利益 37 億ドル。利益ベースの正当化 PER の上限は 11.2 倍(g 4.5%・RONIC 10.9%)で、その 8.5 割の 9.5 倍を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)40 億ドルを足して時価総額は約 382 億ドル。資本コスト 9.75% で割り引くと、確率で加重した価値は今の時価総額を約 69% 下回り(10 年 −69%)、評価は「割高」。事業は 10 年後も存在して強いが、成長の山の分まで値段が先に走っている。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、コヒレントは「10 年後も存在し、今より強い」可能性が高い会社である。AI の帯域が増える限り光の部品は要り、InP レーザーの内製という作りにくい部品を持つ会社は少ない。ただし堀は、ブランドや切り替え費用ではなく、歩留まりと供給量という動く技術の上にある。完成品ではより利益率の高い中国勢と同じ土俵で戦い、価格決定力は InP の不足している間だけ強い。
オーナー利益(税引き後営業利益に償却を戻し、伸びに要る投資を引いた株主の取り分)は、2026 年 6 月期は設備投資が営業キャッシュフローを大きく上回って負だった。これは、利益が出る前に生産能力を作る成長期の姿で、投資が実を結べば、2029 年に純利益 23 億ドル前後(中立)が見込める。資本配分は、売却で本業に絞り債務を返す点は評価できるが、のれん 43.8 億ドルが示すとおり、過去の買収は高い値段だった。
わからない部分は大きい。AI 設備投資の循環、イノライトとの利益率の差、CPO による光トランシーバーの置き換えは予測しにくく、確信度は高くない。安全域の観点では、今の時価総額 455 億ドルは、成長が数年続いてなお、資本コスト 9% の割引で本質価値に届かない。楽観の筋書きなら届くが、そこに頼る値段になっている。
何で稼ぐ会社か
売上は 2 つの部門で開示される。データセンター・通信(2026 年 6 月期 52.7 億ドル、セグメント利益率 25%)は、データセンター用の光トランシーバー(400G・800G・1.6T)と、その中に入るレーザー・光学部品、通信事業者向けのコヒーレント光トランシーバー、波長選択スイッチなどの光伝送部品である。産業(同 18.4 億ドル、同 23%)は、材料加工・精密加工用のレーザーとその光学部品、計測・生命科学向けのレーザー、SiC 基板や特殊結晶などの材料、熱管理材料である。航空宇宙・防衛事業(2025 年 9 月に売却)とミュンヘンの事業(2026 年 1 月に売却)は外してある。
開示の粗さを補うため、データセンター向け(40.5 億ドル)、通信向け(12.2 億ドル)、産業用レーザー・フォトニクス機器(9.5 億ドル)、材料(7.6 億ドル)の 4 つに分け、市場の大きさ × シェアで推定した(売却分を除いた合計は 69.8 億ドル)。データセンター向けは、デジタル信号処理チップ(ブロードコム・マーベル)と、InP の EML レーザー・VCSEL・シリコンフォトニクス用レーザーを組み合わせた完成品で、同社は部品も外部の完成品メーカーに売る。
売上の 10% 超の顧客は 2 社で、名前は開示されていない。従業員は約 5.1 万人、特許は約 3,160 件。製造は米国・マレーシア・中国・欧州に広がり、InP のウェハは米国とスイスで増やしている。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 は InP と GaAs のレーザーを自社で作れる垂直統合で、EML・CW レーザーのチップから基板、組み立て、完成品までを持つ。イノライト・エオプトリンクはレーザーを外部(ルメンタム・三菱電機・ブロードコム・コヒレント)から買うので、InP の供給が足りない局面では、レーザーを持つ側が優先して出荷を決められる。第 2 は大口顧客との長期契約で、会社は価格がほぼ決まった長期契約が 2020 年代末まで入っていると説明する。第 3 は 2026 年 3 月のエヌビディアの 20 億ドルの出資(普通株 779 万株)と複数年の購入約束で、AI 光接続の仕様づくりに入っている。
弱みも大きい。完成品のシェアは Cignal AI の推計でイノライト(約 34%)に次ぐ約 17% で、イノライトの 2026 年 4〜6 月期の純利益率は約 35%、コヒレントの GAAP 営業利益率は 12.4% と、大きな差がある。差の一部は買収の償却(年約 2.8 億ドル)と産業部門で、残りは完成品の歩留まりと規模である。設備投資が年 11 億ドルで営業キャッシュフローを上回り、2026 年 6 月期の自由キャッシュフローは約 −10 億ドル。のれん 43.8 億ドルと買収無形資産 28.8 億ドルが、過去の高い買収価格を物語る(II-VI による旧コヒレントの買収〔2022 年〕とフィニサーの買収〔2019 年〕)。
資本効率は、買収の分を除いた事業の ROIC で約 18%(税引き後営業利益に償却を戻した値 ÷ 事業の資本 52 億ドル)と平凡だが、増収が続くと分母の増え方を分子が上回る局面に入った。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
AI の学習・推論では、GPU を何万個もつなぐ網の速度が計算の稼働率を決める。ラック内は銅線、ラック間と建屋間は光で、1.6T への移行(2026 年に約 1,000 万本の出荷、Cignal AI)と 3.2T 向けの 400G レーンの開発が進み、光の需要は帯域に比例して増える。Cignal AI は 2025 年のデータセンター向け光部品の売上を 190 億ドル超(前年比 +70% 超)、LightCounting は光トランシーバー全体を 2025 年に 238 億ドルと見て、イーサネット分が 2026 年に +120%、2027 年に +76%(クラウドの設備投資が 50% 増える前提)、2031 年に約 +20% まで鈍ると予測する。イノライトの 2026 年 4〜6 月期の売上は 33 億ドル(+192%)、エオプトリンクは 18 億ドル(+109%)で、中国勢が出荷で首位を取る構図は変わらない。
供給の制約は InP レーザーで、会社の説明では組み立て・試験の能力は制約でない。InP の内部生産能力は 2026 年 9 月末までに前年の 2 倍、暦年 2027 年末までにさらに 2 倍超になる計画。次の世代として、光回路スイッチ(OCS。市場 40 億ドル超)、CPO・NPO(共同パッケージ光学。追加市場 150 億ドル超、初売上は 2026 年 12 月四半期、本格化は 2027 年下期)がある。
米国は中国製の新規光トランシーバーを規制する案を検討しているが、案文は未公表で、既存の認可品は残る見通し。西側の供給者が中国勢の量を吸収するには 12〜24 か月かかるとの見方があり、中国勢もコヒレントやルメンタムのレーザーを使うので、規制は両刃になる。産業部門は成熟していて、会社自身が産業全般の需要の弱さを挙げている。通信向けは 800ZR などの伸びで +50% 台。
資本政策と M&A
資本政策は、配当が無く、自社株買いも 2026 年 6 月期は無い。AI 光接続の需要に応えるための設備投資と債務の返済が優先で、2026 年 6 月期は債務を 5.1 億ドル返済し、レバレッジは 2 倍から 0.7 倍に下がった。有利子負債は 32.2 億ドル(シニア担保付きのタームローン A・B が各約 11 億ドル、2029 年満期の 5.0% 債が 9.9 億ドル)で、現金・短期投資は 19.9 億ドル(制限付き現金が別に 6.1 億ドル)。
株数は、ベイン・キャピタルが持っていた転換優先株(2021 年に 7.5 億ドル、2022 年に 14 億ドル、計 25 億ドル)が 2025 年 12 月四半期に全部普通株へ転換され、いま優先株は無い。したがって転換優先株の株数と配当を二重に数えることはなく、普通株 1.958 億株(2026 年 8 月 10 日)に、株式報酬の希薄化後で約 2.02 億株を見ればよい。エヌビディアへの 7.79 百万株の発行(20 億ドル)は 2026 年 6 月期に済んでいる。
M&A は、売却が中心で、航空宇宙・防衛(2025 年 9 月、約 4 億ドル)とミュンヘンの事業を手放し、本業を AI 光接続に絞る方向。のれん 43.8 億ドルの減損や、新たな大型買収は置かず、買収で伸びる前提は取らない。筋書きの時価総額は会社全体で書き、株数は考えない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
AI の光接続は 10 年の構造変化で、銅から光への移行はまだ入口にある。LightCounting は光トランシーバーが 2026 年に +120%、2027 年に +76% 伸びると見ていて、会社の第 4 四半期のデータセンター・通信は前年比 +59%、2027 年 6 月期の第 1 四半期(2026 年 7〜9 月)はデータセンターが +80% 超の見込みである。InP レーザーを内製できる会社は少なく、供給が足りない間は、持つ側が優先出荷と価格を決められる。受注は 2028 暦年まで入り、長期契約は価格が決まったまま 2020 年代末まで続く。
さらに米国の調達方針が追い風になる。中国製の新規トランシーバーが規制されれば、イノライトの約 34% の市場の一部が西側の供給者に移り、コヒレントは約 17% のシェアから大きく取り得る。エヌビディアは 20 億ドルを出資し、複数年の購入を約束した。粗利益率は非 GAAP で 40.2% から 42% 超を狙い、収益が出る前に作った設備の償却は、売上が 3 倍になれば薄まる。OCS(市場 40 億ドル超)、CPO・NPO(追加 150 億ドル超)、データセンターの冷却(産業部門)という次の柱も立ち上がる。2029 年に売上 195 億ドル、営業利益率 26% に届く楽観は、会社の計画の延長にある。
慎重な見方
時価総額 455 億ドルは、2026 年 6 月期の GAAP 純利益の約 57 倍で、会社の 2027 年 6 月期の第 1 四半期(2026 年 7〜9 月)の見通し(非 GAAP の 1 株利益の見通し)を年換算しても、SBC と償却を戻した数字で約 30 倍。利益ベースの成熟後の PER は 9〜11 倍(正当化 PER の上限の 7.5〜9.5 割)で、売上が 3 倍になって利益率が保たれても、倍率が戻れば資本コスト 9.75% の割引で今の値段に届かない。
光部品は循環の歴史である。2001 年の光部品の崩壊、2023 年のシスコ・シエナの受注急減が前例で、2026 年は大手の設備投資が 1 兆ドル前後に向かう山に近い。会社は受注が 2028 暦年まで入っていると言うが、InP の不足が解け、中国勢が 1.6T で量を取ると、単価が崩れる。イノライトの純利益率は約 35%、コヒレントの GAAP 営業利益率は 12.4% で、差は構造的である。設備投資が年 11 億ドルで営業キャッシュフローを上回り、需要が止まれば稼働率の低下と償却が利益を直撃する。
エヌビディアの出資には調達の約束が付くが、同社は CPO で光トランシーバーそのものを減らす側でもある。のれん 43.8 億ドルが示すとおり、過去の買収は高い値段で、産業部門は成熟している。規制の追い風は案文が無く、中国勢はコヒレントのレーザーも使うので、両刃である。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方の中心は、成長を織り込んだ倍率、中国勢との利益率の差、光部品の循環で、悲観とやや悲観に 41% を置いた。
10 年は構造(シェアと価格)が効くので、悲観側を厚くした。利益には山の年の倍率を掛けず、各年の営業利益率で置いた利益に正当化 PER の 8〜9 割の倍率を掛け、循環のひどさは悲観の確率で出した。結果は、強気の見方が正しくても今の値段は届かず、中立でも届かない(結果をそのまま受け入れた)。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 184.55 ドル361 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 0.00 ドル0 億ドル)。 今の値に割り戻すと 72.79 ドル142 億ドル、今との差 −65.0%、 期待の年率 −1.2%(資本コスト 9.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 473.83 ドル926 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | +128.0% | +8.6% | 37.91 ドル74 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 316.76 ドル619 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | +52.4% | +4.3% | 63.35 ドル124 億ドル |
| 中立 | 31% | 195.46 ドル382 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −5.9% | −0.6% | 60.59 ドル118 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 76.05 ドル149 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −63.4% | −9.6% | 17.49 ドル34 億ドル |
| 悲観 | 18% | 28.92 ドル57 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −86.1% | −17.9% | 5.21 ドル10 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 184.55 ドル361 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −11.2% | −1.2% | 184.55 ドル361 億ドル |
今の株価時価総額 207.82 ドル406 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.8% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:光の帯域が 10 倍になり、CPO 時代も堀を保つ(売上 352 億ドル) 利益 78 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 473.83 ドル926 億ドル
AI の光の帯域が 10 年かけて今の 10 倍以上になり、CPO・NPO の時代でも InP のレーザー光源と完成品の両方を持つコヒレントが堀を保つ。データセンター向けの市場は 2036 年 6 月期に名目 2,100 億ドル(LightCounting の 2031 年の +20% の鈍化後も年 +10% 前後が続く)、シェアは 13% を維持。通信向けは 800ZR・1.6T ZR で市場が広がり、材料はデータセンター冷却・SiC パワーで伸びる。売上は今の約 5 倍で、10 年目もまだ年 7〜8% で伸びる。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 352 億ドル(今の 5.0 倍)、うち データセンター向け 275 億ドル、通信向け 33 億ドル、産業用レーザー 18 億ドル、材料 26 億ドル。営業利益は 88.3 億ドル(利益率 25%)、純利益は 78.4 億ドル。成熟後の倍率は、g 4.5% の正当化 PER の上限 12.1 倍の 9.5 割(11.5 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)40 億ドルを足して時価総額 926 億ドル。
- データセンター向け光トランシーバー・レーザー部品(800G・1.6T):数量 19.5(データセンター向け光部品(トランシーバーとレーザー部品)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 275 億ドル・営業利益 85 億ドル。市場 1,500 億ドル相当(実質)× シェア 13.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信向け(コヒーレント光・ROADM・増幅器):数量 2.3(通信向け光部品の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 33 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場 360 億ドル相当(実質)× シェア 6.5%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業用レーザー・フォトニクス機器:数量 1.3(産業用レーザー・フォトニクス機器の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 18 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 245 億ドル相当(実質)× シェア 5.2%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理):数量 1.8(材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。SiC の値下がりは実質の市場額の伸びで見る))→ 売上 26 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 260 億ドル相当(実質)× シェア 7.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:AI の光接続が 10 年かけて続き、InP レーザーから完成品までの垂直統合が効く筋書き。ただし設備投資の山の利益で、競合も増えるので、上限に近く置く。 正当化 PER の上限は 12.1 倍(g 4.5%、RONIC 12.3%。RONIC = k 9.8% + 1/2 ×(事業の ROE 14.8% − k)。堀は普通)。その 9.5 割の 11.5 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 4.5%):市場 実質 +1.5% + 価格 物価並み 3.5%、シェアは動かさず 4.5%。時価総額 = 事業の純利益 77.3 × 11.5 + 余った現金(戻り方込み)40 = 926 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 11.8 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:実現には、AI の光帯域が 10 年伸び続け、コヒレントが InP の内製と米国の調達方針で完成品のシェアも守り、CPO 時代にも堀を保つことが要る。成功すれば大きいが、10 年先の予測は難しく 8% にとどめた。
やや楽観 20% やや楽観:次の世代でも堀が残り、売上 273 億ドル 利益 56 億ドル · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 316.76 ドル619 億ドル
データセンター向けの市場は名目 1,660 億ドル、シェア 12.5%。CPO で着脱式のトランシーバーは減るが、レーザー光源と OCS がそれを埋める。InP の内製で粗利益率が非 GAAP で 42% を超え、データセンター冷却の材料も立ち上がる。売上は今の約 3.9 倍で、10 年目もまだ年 7% 前後で伸びる。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 273 億ドル(今の 3.9 倍)、うち データセンター向け 208 億ドル、通信向け 28 億ドル、産業用レーザー 16 億ドル、材料 21 億ドル。営業利益は 62.3 億ドル(利益率 23%)、純利益は 55.7 億ドル。成熟後の倍率は、g 4.5% の正当化 PER の上限 11.8 倍の 9 割(10.6 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)40 億ドルを足して時価総額 619 億ドル。
- データセンター向け光トランシーバー・レーザー部品(800G・1.6T):数量 14.8(データセンター向け光部品(トランシーバーとレーザー部品)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 208 億ドル・営業利益 60 億ドル。市場 1,180 億ドル相当(実質)× シェア 12.5%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信向け(コヒーレント光・ROADM・増幅器):数量 2.0(通信向け光部品の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 28 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場 320 億ドル相当(実質)× シェア 6.2%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業用レーザー・フォトニクス機器:数量 1.2(産業用レーザー・フォトニクス機器の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 16 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 230 億ドル相当(実質)× シェア 5.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理):数量 1.5(材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。SiC の値下がりは実質の市場額の伸びで見る))→ 売上 21 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 220 億ドル相当(実質)× シェア 6.8%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:AI の光接続が続くが、イノライトとの利益率の差は残り、CPO への置き換えも一部進む筋書き。上限から少し下げて置く。 正当化 PER の上限は 11.8 倍(g 4.5%、RONIC 11.8%。RONIC = k 9.8% + 1/2 ×(事業の ROE 13.9% − k)。堀は普通)。その 9 割の 10.6 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 4.5%):市場 実質 +1.0% + 価格 物価並み 3.5% で 4.5%。時価総額 = 事業の純利益 54.6 × 10.6 + 余った現金(戻り方込み)40 = 619 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 11.1 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:InP の内製・長期契約・米国の調達方針が次の世代でも堀として続く筋書きを 20% とした。
中立 31% 中立:成熟した光部品会社になり、売上 199 億ドル・営業利益率 20% 利益 37 億ドル · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 195.46 ドル382 億ドル
AI 設備投資の山が一度か二度来て去ったあと、光インターコネクトは成熟した成長産業に落ち着く。データセンター向けの市場は名目 1,250 億ドル(2029 年 780 億ドルから年 +7%)、中国勢と CW レーザーの量産でシェアは 11.5% まで下がる。通信向けは市場 280 億ドル(実質)の 5.8%、産業用レーザーは中国勢の値下げで 4.7%、材料は 6.5%。売上は今の約 2.8 倍。利益率は各年の水準で置いた。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 199 億ドル(今の 2.8 倍)、うち データセンター向け 144 億ドル、通信向け 23 億ドル、産業用レーザー 15 億ドル、材料 17 億ドル。営業利益は 40.3 億ドル(利益率 20%)、純利益は 37.0 億ドル。成熟後の倍率は、g 4.5% の正当化 PER の上限 11.2 倍の 8.5 割(9.5 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)40 億ドルを足して時価総額 382 億ドル。
- データセンター向け光トランシーバー・レーザー部品(800G・1.6T):数量 10.2(データセンター向け光部品(トランシーバーとレーザー部品)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 144 億ドル・営業利益 39 億ドル。市場 887 億ドル相当(実質)× シェア 11.5%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信向け(コヒーレント光・ROADM・増幅器):数量 1.6(通信向け光部品の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 23 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 280 億ドル相当(実質)× シェア 5.8%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業用レーザー・フォトニクス機器:数量 1.0(産業用レーザー・フォトニクス機器の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 15 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 220 億ドル相当(実質)× シェア 4.7%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理):数量 1.2(材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。SiC の値下がりは実質の市場額の伸びで見る))→ 売上 17 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 190 億ドル相当(実質)× シェア 6.5%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:InP レーザーの内製は強みだが、完成品ではイノライトより利益率が低く、設備投資の山の利益を引いて見る。堀は普通と見て、上限から一段下げて置く。 正当化 PER の上限は 11.2 倍(g 4.5%、RONIC 10.9%。RONIC = k 9.8% + 1/2 ×(事業の ROE 12.1% − k)。堀は普通)。その 8.5 割の 9.5 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 4.5%):市場 実質 +1.0% + 価格 物価並み 3.5%、シェアは動かさず 4.5%。時価総額 = 事業の純利益 35.9 × 9.5 + 余った現金(戻り方込み)40 = 382 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 10.3 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:AI の山を越えたあとも優良な光部品会社として残るが、完成品の堀は少し狭まる。議論の落としどころで、確率は最大の 31%。
やや悲観 23% やや悲観:CPO と中国勢で堀が狭まり、売上 127 億ドル 利益 15 億ドル · PER 9.7 倍 · 株価時価総額 76.05 ドル149 億ドル
CPO・NPO への移行で着脱式のトランシーバーが減り、完成品の価格は中国勢との競争で下がる。データセンター向けの市場は名目 850 億ドルにとどまり、シェアは 10% に落ちる。通信向けは 5.4%、産業用レーザーは 4.2%。物価分を引くと売上は今の 1.3 倍ほどにとどまる。優良ではあるが、堀は狭まっている。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 127 億ドル(今の 1.8 倍)、うち データセンター向け 85 億ドル、通信向け 18 億ドル、産業用レーザー 12 億ドル、材料 12 億ドル。営業利益は 16.3 億ドル(利益率 13%)、純利益は 15.3 億ドル。成熟後の倍率は、g 0.0% の正当化 PER の上限 10.3 倍の 8 割(8.2 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)30 億ドルを足して時価総額 149 億ドル。
- データセンター向け光トランシーバー・レーザー部品(800G・1.6T):数量 6.0(データセンター向け光部品(トランシーバーとレーザー部品)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 85 億ドル・営業利益 17 億ドル。市場 600 億ドル相当(実質)× シェア 10.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信向け(コヒーレント光・ROADM・増幅器):数量 1.3(通信向け光部品の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 18 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 240 億ドル相当(実質)× シェア 5.4%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業用レーザー・フォトニクス機器:数量 0.8(産業用レーザー・フォトニクス機器の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 195 億ドル相当(実質)× シェア 4.2%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理):数量 0.9(材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。SiC の値下がりは実質の市場額の伸びで見る))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 150 億ドル相当(実質)× シェア 5.8%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:AI の設備投資の循環が引き、トランシーバーの置き換え(CPO)が進む筋書き。低めに置く。 事業の ROE 8.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 8 割の 8.2 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 +0.5% + 価格 物価並み 3.5% で 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 14.5 × 8.2 + 余った現金(戻り方込み)30 = 149 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 9.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。 事業の ROE 9.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 8 割の 8.2 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 +0.5% + 価格 物価並み 3.5% で 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 14.2 × 8.2 + 余った現金(戻り方込み)40 = 157 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 10.2 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。 事業の ROE 8.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 8 割の 8.2 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 +0.5% + 価格 物価並み 3.5% で 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 14.5 × 8.2 + 余った現金(戻り方込み)30 = 149 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 9.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。 事業の ROE 8.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 8 割の 8.2 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 +0.5% + 価格 物価並み 3.5% で 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 14.5 × 8.2 + 余った現金(戻り方込み)30 = 149 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 9.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。 事業の ROE 8.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 8 割の 8.2 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 +0.5% + 価格 物価並み 3.5% で 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 14.5 × 8.2 + 余った現金(戻り方込み)30 = 149 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 9.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:光部品は 2001 年・2023 年と循環で業績が崩れ、構造変化(CPO・中国勢)で堀が狭まる筋書きを 23% と厚くした。
悲観 18% 悲観:構造的に負け、もう優良ではなくなっている 利益 5 億ドル · PER 10.7 倍 · 株価時価総額 28.92 ドル57 億ドル
構造的に負ける姿。イノライト・エオプトリンクが 1.6T・3.2T の完成品を押さえ、規制も実効性を欠いて、コヒレントの完成品は標準品になる。データセンター向けの市場は名目 560 億ドルに縮み、シェアは 7.5% まで落ちる。CPO でトランシーバーの数と単価が減り、産業用レーザーと SiC も中国勢に値を下げられる。新設の InP 設備は過剰になって稼働率が低く、売上は物価分を引くと今より小さい。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 73 億ドル(今の 1.0 倍)、うち データセンター向け 42 億ドル、通信向け 13 億ドル、産業用レーザー 9 億ドル、材料 8 億ドル。営業利益は 7.1 億ドル(利益率 10%)、純利益は 5.3 億ドル。成熟後の倍率は、g 0.0% の正当化 PER の上限 10.3 倍の 7.5 割(7.7 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)20 億ドルを足して時価総額 56 億ドル。
- データセンター向け光トランシーバー・レーザー部品(800G・1.6T):数量 3.0(データセンター向け光部品(トランシーバーとレーザー部品)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 42 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 400 億ドル相当(実質)× シェア 7.5%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信向け(コヒーレント光・ROADM・増幅器):数量 0.9(通信向け光部品の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 190 億ドル相当(実質)× シェア 4.8%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業用レーザー・フォトニクス機器:数量 0.6(産業用レーザー・フォトニクス機器の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 170 億ドル相当(実質)× シェア 3.8%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理):数量 0.6(材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。SiC の値下がりは実質の市場額の伸びで見る))→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 120 億ドル相当(実質)× シェア 5.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:構造的にシェアと価格を失う筋書き。堀が壊れる側なので最も低く置く。 事業の ROE 5.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 7.5 割の 7.7 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 0% + 価格 物価並み 0.0%、シェアは動かさず 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 4.7 × 7.7 + 余った現金(戻り方込み)20 = 56 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 10.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。 事業の ROE 4.3% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 7.5 割の 7.7 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 0% + 価格 物価並み 0.0%、シェアは動かさず 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 5.3 × 7.7 + 余った現金(戻り方込み)0 = 41 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 7.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。 事業の ROE 5.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 7.5 割の 7.7 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 0% + 価格 物価並み 0.0%、シェアは動かさず 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 4.7 × 7.7 + 余った現金(戻り方込み)20 = 56 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 10.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。 事業の ROE 5.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 7.5 割の 7.7 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 0% + 価格 物価並み 0.0%、シェアは動かさず 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 4.7 × 7.7 + 余った現金(戻り方込み)20 = 56 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 10.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。 事業の ROE 5.6% が k 9.8% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.3 倍。その 7.5 割の 7.7 倍に置いた。g の内訳(この筋書き 0.0%):市場 実質 0% + 価格 物価並み 0.0%、シェアは動かさず 0.0%。時価総額 = 事業の純利益 4.7 × 7.7 + 余った現金(戻り方込み)20 = 56 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 10.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:10 年では構造的に負ける確率を 18% と置いた(アリスタの 14% より厚く、ルメンタムの 18% と同じ)。完成品の利益率はイノライトの約 35% に対して GAAP 営業利益率 12%、産業部門の成熟、過去の買収の重荷(のれん 43.8 億ドル)があり、ルメンタムより堀が薄いが、事業が分散しているので同じにした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
データセンター向け光トランシーバー・レーザー部品(800G・1.6T)
AI・クラウドのデータセンターで使う 400G・800G・1.6T の光トランシーバー(完成品)と、その中の InP の EML・VCSEL・CW レーザー、外部の完成品メーカーに売るレーザー部品。データセンター・通信部門の大半。
| 数量データセンター向け光部品(トランシーバーとレーザー部品)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当) | 価格物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 4.1 | 10 | 41 | 10 |
| 10 年後 中立 | 10.2 | 14 | 144 | 39 |
取り方:Cignal AI は 2025 年のデータセンター向け光部品の売上を 190 億ドル超、LightCounting は 2026 年のイーサネット光トランシーバーを +120% と見る。2026 年 6 月期(2025 年 7 月〜2026 年 6 月)の市場を約 300 億ドルと置き、シェア 13.5% で 40.5 億ドル(データセンター・通信部門 52.7 億ドルのうち、データセンターは +41% 伸びたとの説明から通信を引いた推定。開示は部門まで)。シェアは Cignal AI の推計(2026 年 1〜3 月でイノライト 34%、コヒレントは約 17%)より低めに置いた。市場の定義にレーザー部品を含めるため。セグメント利益率は部門全体の 25.2% から、通信の方が高いと見て 24.5% と推定。数量は 2026 年価格の実質額で表し、価格は物価並み。世代ごとの Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びで見る。
通信向け(コヒーレント光・ROADM・増幅器)
通信事業者の幹線とデータセンター間をつなぐコヒーレント光トランシーバー(400ZR・800ZR)、波長選択スイッチ・ROADM、光増幅器などの光伝送部品。データセンター・通信部門の一部。
| 数量通信向け光部品の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当) | 価格物価指数(2026 年 = 10 とした指数) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1.2 | 10 | 12 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1.6 | 14 | 23 | 6 |
取り方:通信向けは会社説明で 2026 年 6 月期に約 +54% 伸びた。部門全体の 52.7 億ドルからデータセンターを引いた 12.2 億ドルと推定。市場は通信向け光部品とデータセンター間接続を合わせて約 200 億ドル(業界ノートの光トランスポート 2025 年 160 億ドル、2026 年 +16% と Cignal の通信向け光部品 +35% から)、シェア 6.1%。利益率は 28% と推定(データセンター向けより高い)。価格は物価並み。
産業用レーザー・フォトニクス機器
材料加工・精密加工用のレーザーと光学部品、計測・生命科学向けのレーザー。成熟した産業向けの事業で、景気の影響を受ける。
| 数量産業用レーザー・フォトニクス機器の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当) | 価格物価指数(2026 年 = 10 とした指数) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1.0 | 10 | 10 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1.0 | 14 | 15 | 3 |
取り方:産業部門の売上 18.4 億ドルから売却分(航空宇宙・防衛、ミュンヘンの事業。約 1.3 億ドル)を引いた 17.1 億ドルを、レーザー・機器 9.5 億ドルと材料 7.6 億ドルに分けた(推定。開示なし)。市場は 180 億ドル、シェア 5.3%。セグメント利益率は産業部門の 23% から 19% と推定。中国のレーザー勢(レイカスなど)の値下げで、価格を物価並みに上げ続けられない可能性は、シェアと利益率で見る。
材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理)
SiC(炭化ケイ素)の基板(150mm・200mm)、赤外光学用の結晶、熱管理材料など。パワー半導体・RF・データセンター冷却に使う。
| 数量材料(SiC 基板・特殊結晶・熱管理)の実質市場(2026 年 6 月期の価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当) | 価格物価指数(2026 年 = 10 とした指数。SiC の値下がりは実質の市場額の伸びで見る) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 0.8 | 10 | 8 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1.2 | 14 | 17 | 4 |
取り方:産業部門のうちレーザー・機器を除いた 7.6 億ドルを材料とした(推定)。市場は SiC 基板(約 15 億ドル)と特殊結晶・赤外光学・熱管理材料を合わせて 120 億ドル、シェア 6.3%。SiC は 100mm・150mm・200mm の半絶縁基板で首位級(10-K)。中国勢の増産で SiC の価格が下がるので、利益率は 28% と推定(特殊結晶が支える)。データセンター冷却の材料は 2027 年下期から。
リスクと懸念
成長を先取りした値段(倍率の縮み)
時価総額は 2026 年 6 月期の GAAP 純利益の約 57 倍、GAAP の税引き後営業利益の約 63 倍。会社の見通しを年換算しても SBC と償却を戻して約 30 倍。利益が数倍になっても、成熟後の利益ベースの PER(11〜15 倍)に戻れば、資本コストで割り引いた価値は今を下回る。
AI 設備投資の循環(2001 年・2023 年の前例)
光部品は 2001 年に売上が 7〜8 割落ち、2023 年もシスコ・シエナの受注が急減した。大手の設備投資が 1 兆ドル前後へ向かう今は山に近く、投資効率が疑われると、InP の需給が逆転して単価と稼働率が同時に崩れる。コヒレントは 2026 年 6 月期に設備投資 11 億ドルを積み、第 4 四半期は 5.6 億ドル。
中国勢との利益率の差
イノライトの 2026 年 4〜6 月期の純利益率は約 35%、売上は 33 億ドル(+192%)。コヒレントの GAAP 営業利益率は 12.4%。1.6T の完成品で量を取るのは中国勢で、規制が実現しなければ価格決定力の差が残る。規制は案文が無く、実現しても中国勢はコヒレントのレーザーを使うので両刃である。
InP 設備の拡張と運転資本の重さ
InP の能力は 2026 年 9 月末に 2 倍、暦年 2027 年末にさらに 2 倍超、チューリッヒの 3 つ目の 6 インチ工場は 2027 年上期の予定。2026 年 6 月期の営業キャッシュフローは 0.8 億ドルで設備投資 11 億ドルをまかなえず、在庫は 25.8 億ドル。拡張が遅れると取りこぼし、早すぎると過剰設備になる。
CPO・NPO による光トランシーバーの置き換え
エヌビディアなどが進める CPO は、スイッチの近くに光を寄せて着脱式のトランシーバーを減らす。会社は CPO 向けの外部レーザー光源で埋めると見るが、トランシーバー 1 本あたりの付加価値(DSP・組み立て)を失い、レーザーだけの比率が増えると売上が下がる可能性がある。
産業部門の弱さと SiC の値下がり
産業部門は 2026 年 6 月期に 10% 減(売却の影響が大きい)、第 4 四半期も実質横ばい。会社が産業全般の需要の弱さを挙げる。SiC 基板は中国勢の増産で値下がりしており、電気自動車向けの需要の鈍化と重なる。データセンター冷却の材料は 2027 年下期の立ち上がりで、まだ証拠が無い。
過去の買収の重荷
のれん 43.8 億ドルと買収無形資産 28.8 億ドルが、自己資本 109 億ドルの 7 割弱を占める。買収無形資産の償却は年約 2.8 億ドルで GAAP 利益を下げ、のれんが減損されれば自己資本が減る。ベインの転換優先株は転換済みで、株数・配当の二重の負担は無い。
今後の分かれ目
- 米国が中国製の新規光トランシーバーの規制を正式に決め、既存の認可品の更新も制限したら
- 10 年の楽観・やや楽観の確率を 5〜8 ポイント上げ、データセンター向けのシェアを 1〜2 ポイント上方へ。ただし中国勢のレーザー調達が止まる影響も見る。
- イノライトやエオプトリンクの 1.6T の売上が伸び続け、コヒレントの 1.6T の出荷が伸びで下回ったら
- データセンター向けのシェアを下へ、やや悲観・悲観の確率を 3〜5 ポイント上げる。
- InP の内部生産能力が計画どおり 2 倍になり、粗利益率が非 GAAP で 42% を超えたら
- 中立の営業利益率を 1〜2 ポイント上へ。楽観側の確率を 3 ポイント上げる。
- 大手の複数が 2027 年の設備投資の計画を引き下げる、または AI の投資効率が疑われる報道が続いたら
- 光部品は受注が急減した前例がある。
- CPO の量産(2027 年下期)で、外部レーザー光源の出荷が会社の見通しどおり始まり量が増えたら
- 次の世代でも堀が続く証拠。10 年のやや楽観の確率を上げる。逆に CPO が着脱式を置き換えてレーザー光源の売上が小さいなら、シェアを下へ。
- 産業部門の売上が実質横ばいを下回る、または SiC の価格が一段と下がったら
- 産業用レーザー・材料の営業利益率を 2〜3 ポイント下へ。これは全社の利益の約 25% を占める。
見ておくもの
- 2026 年 7〜9 月期の売上(見通し 22〜24 億ドル)と、2027 年 6 月期末の四半期売上 30 億ドルの達成
- 非 GAAP 粗利益率(今 40.2%、目標 42% 超)と GAAP 営業利益率(第 4 四半期 12.4%)の差
- InP の内部生産能力(2026 年 9 月末に 2 倍)とチューリッヒの 6 インチ工場の稼働(2027 年上期)
- 米国の中国製トランシーバー規制の案文と、イノライト・エオプトリンクの売上
- 営業キャッシュフローと設備投資(2026 年 6 月期は 0.8 億ドルと 11 億ドル)、自社株買いの再開
- CPO・NPO と OCS の初売上(2026 年 12 月四半期)と、データセンター冷却の立ち上がり(2027 年下期)
倍率と資本コストの決め方
今の PER・PBR や過去の倍率には寄せていない。10 年後の倍率は、利益ベースの正当化 PER = (1−g/RONIC)/(k−g)(k 9.75%、g 4.5%、RONIC = k + 残る割合 ×(事業の ROE − k)、堀は普通)の上限に対し、楽観 9.5 割・やや楽観 9 割・中立 8.5 割・やや悲観 8 割・悲観 7.5 割 で置いた。中立は上限 11.2 倍の 8.5 割で、事業の純利益に 9.5 倍(余った現金を足した見かけは 10.3 倍)。余った現金は戻り方 0.5 を掛けて足す。純利益は GAAP(SBC・償却は費用)で、会社の非 GAAP EPS は使っていない。ベインの転換優先株は転換済みで、株数も配当も数え直していない。総合は今の時価総額に対し -68.7% で、割高。結論は計算の結果で、先に決めたものではない。
資本コスト 9.8% = 無リスク金利 5% + β 1.79 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 1.75% = 9.75%。β は使わない。AI 設備投資と産業の循環(+0.75)、完成品の値下がり(+0.5)、CPO への置き換えと顧客集中(+0.5)を quality で見た。純有利子負債は時価総額の 3.4% で借金の上乗せは無く、事業は傾いていないので extra も置かない。中国勢との競争・産業部門の弱さは悲観側の確率(10 年 41%)で表し、k には二重に足していない。
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