結論
F5 は、企業のアプリの前に置いて通信をさばき、守る装置とソフト(BIG-IP・NGINX・分散クラウド)の会社である。FY2025(2025 年 9 月期)の売上は 30.9 億ドルで、機器 7.1 億ドル・ソフト 8.0 億ドル・サービス(保守)15.8 億ドル。GAAP の営業利益率は 24.8%、純利益は 6.9 億ドル、純現金は約 11 億ドルで借金はほとんど無い。FY2026 は機器の更新(iSeries)が 3 割台で伸び、通期の売上見通しは +9〜10% へ上方修正された。
事業の質は高い。サービスと購読が売上の約 8 割を占め、設置済みの装置が保守料を生み続ける。ただし機器の更新は循環し、ソフトの伸びは 7〜9% にとどまり、アプリがクラウドへ移ると入口の機能は AWS・Azure の内蔵機能やクラウドフレア(Cloudflare)・アカマイ(Akamai)に取られる。一方で AI の推論の通信、ハイブリッドクラウド、API の保護は新しい需要になる。この 2 つの力を、数量(市場 × シェア)と価格で筋書きに分けた。
資本コストは基本 8.0% に quality +0.5% を足した 8.5%。中立の 10 年後は売上約 51 億ドル(年 +5.2%)、営業利益率 25%、GAAP 純利益 11.7 億ドルで、事業の ROE は 15% まで薄まる。利益ベースの正当化 PER の上限は 14.8 倍(g 4.0%・RONIC 11.9%)で、その 8.5 割の 12.6 倍を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)11 億ドルを足して時価総額は約 156 億ドル。今(251 億ドル、PER 36 倍)の 6 割ほどである。事業は 10 年後も存在し続けるが、今の値段には安全域が無い。確率で加重した本質価値は今の時価総額を約 6 割下回り、総合は「割高」になる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、F5 は「10 年後も存在し、ほぼ今と同じ強さである」会社に見える。アプリの入口という役割はクラウド化・AI 化の後も必要で、設置基盤の切り替えの重さが堀になっている。純現金で借金が無く、GAAP の営業利益率は 25%、事業の ROE は 25% 前後と質は高い。ただし堀が広がるとは言い切れない。クラウド事業者の内蔵機能とクラウドフレアは、新規のアプリでは F5 の機器を買わずに済ませる選択肢を提供しており、堀は守られるが広がりにくい。
オーナー利益(GAAP 純利益 6.9 億ドル。株式報酬は費用に入っているのでそのまま使う)は、時価総額 251 億ドルの 2.8% で、10 年国債の 5% に届かない。10 年後に純利益が 1.7 倍になっても、新しく投じるお金の稼ぎは資本コストに近づき、事業の ROE は 15% まで薄まる。その前提の正当化 PER の上限は約 15 倍で、中立はその 8.5 割の約 13 倍。純現金を足して 8.5% で割り引けば、今の値段を大きく下回る。問題は事業の質でなく値段である。
資本配分は、小さな買収と自社株買いで堅実だが、PER 36 倍での買い戻しは減点。安全域は、楽観の筋書き(10 年後に純利益 16 億ドル、正当化 PER の上限 16.0 倍の 9.5 割で時価総額 255 億ドル)でも、8.5% で 10 年割り引くと今の値段に届かず、ほとんど無い。予測のしやすさは中程度で、機器の更新の山と谷、ソフトの伸びが読みにくい。
何で稼ぐ会社か
売上の約 5 割はサービス(保守と技術支援)で、機器とソフトが各 2 割台。機器は BIG-IP の専用機器と、シャーシ型の VELOS、小型の rSeries で、大手企業・金融・通信事業者のデータセンターに置かれ、アプリの通信を振り分け、暗号化を解き、WAF(アプリの防御)をかける。ソフトは同じ機能を仮想マシン・コンテナ・クラウドで使う BIG-IP VE・NGINX と、クラウドで提供する分散クラウドサービス(WAF・API 保護・ボット対策・DDoS)。2025 年 9 月に AI セキュリティの CalypsoAI を現金 1.8 億ドルで買収し、AI の推論の通信を守る機能を足した。
顧客は一度入れた装置の設定(アプリごとのルール、証明書、自動化)を積み上げるので、乗り換えには作り直しが要る。この重さが保守契約と更新を支える。売上は米州が中心で、直近は AI 用途の顧客が前年比 50% 増、AI セキュリティの顧客は 1 四半期で倍になったと会社は説明する。
事業ごとの売上の開示は機器・ソフト・サービスの 3 つだけで、市場規模とシェアの公開の数字は確認できていない。そこで開示の売上を、アプリ配信・保護の市場(機器型・ソフト型・設置基盤)× 推定シェアに逆算し、ここでは機器 28 億ドル・25%、ソフト 150 億ドル・5.35%、設置基盤 79 億ドル・保守料率 20% と置いた(いずれも推定)。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 は設置基盤と切り替えの重さで、BIG-IP の設定は顧客のアプリごとに作り込まれており、置き換えには再設計と検証が要る。サービスの売上が 15.8 億ドルと安定し、GAAP の営業利益率が 2022 年の 15.5% から 2025 年の 24.8% まで戻ったのは、この基盤の上にソフトの利益が乗ったことによる。第 2 は大企業の信頼で、金融・通信・官公庁の基幹アプリの入口を担う。第 3 は NGINX など開発者に近い入口を持つことで、ハイブリッドの顧客に同じ操作で機器とソフトを使わせる。
資本効率は良い。自己資本 36 億ドルから純現金 11 億ドルを除いた事業の資本は 25 億ドル前後(のれんは買収で伸びる会社なので除かない)で、GAAP の税引き後営業利益 6.2 億ドルに対する事業の ROE は約 25%(帳簿の自己資本 ROE は 19%)。
弱点は、機器の更新が循環すること(2023 年は更新分が弱く、2026 年は更新の山で伸びが大きい)、ソフトの伸びが 7〜9% にとどまること、機器の粗利益率が部品(メモリ・ストレージ)の価格で動くこと(FY2027 の見通しは 80〜82%)、アジア太平洋の減少、そしてクラウド事業者の内蔵機能やクラウドフレアという競合が新規のアプリで標準になりやすい点。同じ領域のシスコ(営業利益率 25% 前後)と並ぶ利益率だが、アリスタ(43%)のような突き抜けた力はない。経営はフランソワ・ロコー=ドヌー(François Locoh-Donou)CEO が率いる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
対象市場は、アプリが顧客に届くまでの入口(負荷分散・TLS・WAF・API・ボット・DDoS・認証)。かつては機器が主役だったが、アプリがクラウドとオンプレミスに分かれ、コンテナと API が増え、入口の機能がソフトとクラウドサービスに移ってきた。F5 の機器は FY2025 に +31% 伸びたが、これは数年に 1 度の iSeries の更新の山で、10 年の成長の姿ではない。
競合は 4 つの形で現れる。第 1 にクラウド事業者の内蔵機能(AWS・Azure・Google のロードバランサーと WAF)で、新しいクラウドのアプリでは追加料金なしで済ませる顧客が多い。第 2 にクラウドフレアとアカマイで、CDN の上に WAF・DDoS・ボット・API 保護をまとめて売る。第 3 にシトリックス(NetScaler、Cloud Software Group)・ラドウェア・A10 ネットワークスなど同じ機器・ソフトを売る会社。第 4 にシスコ・パロアルトなどのセキュリティ大手の取り込み。
追い風は、データセンターとクラウドにまたがるハイブリッドの運用(機器とソフトを同じルールで動かす)、AI の推論の通信(トークン単位の管理・AI 向けの保護)、API の増加に伴う攻撃の増加。ここでの市場の置き方は、機器型は更新の山を過ぎて実質で横ばいから微減、ソフト型は実質で年 +6%(物価の分は価格に別に入れる)、設置基盤は実質で横ばい。業界ノートの領域(ネットワーク・光通信機器)は AI のデータセンターの帯域が主役なので、F5 のようなアプリ層には直接は当てはまらず、物差しは合わせつつ市場は別に置いた。
資本政策と M&A
資本政策は自社株買いが中心で、配当は出していない。FY2025 の自社株買いは約 5 億ドル、直近の四半期(2026 年 6 月期)は 1 億ドル。株式報酬で株が増えるぶんを引くと、正味の還元は純利益の 4〜5 割で、残りは純現金として積み上がる(今 11 億ドル、10 年の中立で約 44 億ドル)。ここでは今の純現金 11 億ドルだけを余った現金として 1 ドルで足し、先で貯まる分は数えない。
M&A は小さな買収を重ねる形で、近年は Volterra(分散クラウド、2021 年)、Shape Security(ボット対策、2020 年)、NGINX(2019 年)、そして CalypsoAI(2025 年 9 月、現金 1.8 億ドル)。大型の買収はなく、買収で価値を壊すリスクは低いが、ソフトの伸びを買収で補う傾向はある。ここでは成立済みの CalypsoAI だけを織り込み、新たな買収は置かない。
F5 自身が買われる可能性は、時価総額 250 億ドル超という大きさと、技術の重なる相手が限られる点から低い。懸念は、PER 36 倍の局面で自社株買いを続けると、利益の 36 倍の値段で買うことになり、内在価値より高く払う点。直近の買い戻しは平均で今の株価より大きく安い水準だったので、結果としては悪くないが、今の水準での買い増しは慎重に見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
F5 は AI とハイブリッドクラウドの両方の入口にいる。アプリはクラウドへ一方向に移るのではなく、データ主権・遅延・費用のために複数のクラウドとオンプレミスにまたがる形で落ち着きつつあり、そこで機器とソフトとクラウドサービスを同じ操作で使える会社は少ない。AI の推論はトークン単位の課金と攻撃への防御を必要とし、F5 の AI 用途の顧客は前年比 50% 増、AI セキュリティの顧客は 1 四半期で倍になった。FY2026 の通期見通しは +7〜8% から +9〜10% へ上がり、機器は 32% 伸び、会社は FY2027 にソフトが 2 桁成長へ戻ると言う。
サービスと購読が売上の 8 割近くを占め、設置基盤が保守料を積み上げる。GAAP の営業利益率は 2022 年の 15.5% から 25% 近くまで戻り、ソフトの比率が高まれば更に上がる。株式報酬を費用として見ても、事業の ROE は 25%、借金はなく、自社株買いと小さな買収で堅実に積み上がる。
ソフトが 10 年で 4 倍(楽観)なら、売上は 70 億ドル、純利益は 16 億ドルで、時価総額は約 255 億ドル(正当化 PER の上限の 9.5 割)。それでも今の値段を 1 割ほど上回るにとどまる。
慎重な見方
今の PER 36 倍と PBR 7 倍は、FY2026 の機器の更新の山をそのまま続く成長として織り込んでいる。実際には、機器の +31%(FY2025)・+32%(直近四半期)は数年に 1 度の更新の循環で、会社自身が「一部は循環」と認めており、ソフトは +7%、サービスは +3% にとどまる。2023 年の更新分は弱く、アジア太平洋は減少している。FY2027 の粗利益率はメモリ・ストレージの価格の不確実性で 80〜82% と下がる見通しである。
構造では、新しいアプリはクラウドで作られ、入口は AWS・Azure の内蔵機能やクラウドフレアで済む顧客が増える。F5 の機器の売上の多くは、既存の大企業の基幹アプリの更新に依存しており、これは時間とともに縮む。シトリックスやラドウェアも値引きで守りに来る。
中立の 10 年後は売上 51 億ドル、純利益 11.7 億ドルで、事業の ROE は 15% まで薄まる。正当化 PER の上限 14.8 倍の 8.5 割に純現金を足しても時価総額は約 156 億ドルで、今の 6 割ほど。8.5% で 10 年割り引けば今の値段に届かない。利益が 1.7 倍になっても、倍率が 36 倍から 13 倍ほどへ縮むからである。
どちらに重みを置いたか
強気の見方の中心は AI 推論とハイブリッドの入口にいること、慎重な見方の中心は機器の更新の循環とクラウド内蔵機能・クラウドフレアへの流出、そして今の PER 36 倍が利益ベースの 13 倍ほどへ縮むこと。10 年は構造変化(クラウド内蔵・クラウドフレア)が静かに効くと見て、楽観・やや楽観を 28%、中立 34%、悲観側を 38% に置いた。結論は計算が決めており、事業の質は評価するが、値段に安全域は無い。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 260.58 ドル148 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 70.80 ドル40 億ドル)。 今の値に割り戻すと 162.33 ドル92 億ドル、今との差 −63.9%、 期待の年率 −3.0%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 449.35 ドル255 億ドル | 97.66 ドル55 億ドル | +21.5% | +2.0% | 43.76 ドル25 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 356.27 ドル202 億ドル | 88.50 ドル50 億ドル | −1.2% | −0.1% | 88.95 ドル50 億ドル |
| 中立 | 34% | 275.18 ドル156 億ドル | 71.92 ドル41 億ドル | −22.9% | −2.6% | 118.02 ドル67 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 192.50 ドル109 億ドル | 61.88 ドル35 億ドル | −43.5% | −5.5% | 63.60 ドル36 億ドル |
| 悲観 | 13% | 89.91 ドル51 億ドル | 41.25 ドル23 億ドル | −70.9% | −11.6% | 17.05 ドル10 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 260.58 ドル148 億ドル | 70.80 ドル40 億ドル | −26.4% | −3.0% | 331.38 ドル188 億ドル |
今の株価時価総額 450.08 ドル255 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:ハイブリッドクラウドと AI の入口を押さえ、売上 70 億ドル 利益 16 億ドル · PER 15.7 倍 · 株価時価総額 449.35 ドル255 億ドル
10 年後(2035 年 9 月期)、アプリは複数のクラウドとオンプレミスにまたがり、AI 推論の通信が増え、入口でトラフィック管理・WAF・API 保護・AI ゲートウェイを担う F5 の位置づけが強まる。機器は市場 340 億ドル相当・シェア 27% で 12.9 億ドル、ソフトは市場 380 億ドル相当・シェア 6.2% で 33.2 億ドル(今の 4 倍)、サービスは 24.2 億ドル。売上は 70 億ドル(年 +8.6%)、営業利益率 26.6%、GAAP 純利益は 16 億ドル。成長は g 5%(物価 3.5%+市場の実質成長 1.2%+シェア 0.3%)。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 16.0 倍の 9.5 割(15.2 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)11 億ドルを足して時価総額 255 億ドル。
- 機器(BIG-IP iSeries・VELOS・rSeries):数量 0.9(機器型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場(保守は設置基盤)34 億ドル相当(実質)× シェア(料率)27.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- ソフト(BIG-IP VE・NGINX・分散クラウド・WAF/API/ボット対策・AI ゲートウェイ):数量 2.4(ソフト型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 33 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場(保守は設置基盤)380 億ドル相当(実質)× シェア(料率)6.2%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- サービス(保守・サポート・コンサル):数量 1.7(保守対象の設置基盤(実質億ドル相当)× 保守料率)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 24 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場(保守は設置基盤)88 億ドル相当(実質)× シェア(料率)19.5%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
倍率:上限に近く置いた。 正当化 PER の上限は 16.0 倍(g 4.0%、RONIC 14.3%。RONIC = k 8.5% + 1/2 ×(事業の ROE 20.1% − k)。堀は普通)。その 9.5 割の 15.2 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 16.0 × 15.2 + 余った現金(戻り方込み)11 = 255 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 15.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:AI 推論・API・マルチクラウドの通信が増え、F5 が分散クラウドと AI ゲートウェイで入口の位置を取る。ソフトが 4 倍になる強い筋書きなので 1 割弱。
やや楽観 20% やや楽観:ソフトの比率が高まり、売上 61 億ドル 利益 14 億ドル · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 356.27 ドル202 億ドル
10 年後、ソフトが年 +12% 前後で伸び、市場 330 億ドル相当・シェア 5.7% で 26.5 億ドル、機器は 11.1 億ドル、サービスは 23.1 億ドル。売上は 61 億ドル(年 +7%)、営業利益率 25.9%、GAAP 純利益は 13.8 億ドル。クラウド内蔵機能とクラウドフレアが入り込むが、F5 はハイブリッド環境の運用の一貫性で守る。成長は g 4.5%(物価 3.5%+市場の実質成長 0.8%+シェア 0.2%)。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 15.6 倍の 9 割(14.0 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)11 億ドルを足して時価総額 202 億ドル。
- 機器(BIG-IP iSeries・VELOS・rSeries):数量 0.8(機器型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 11 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場(保守は設置基盤)31 億ドル相当(実質)× シェア(料率)25.5%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- ソフト(BIG-IP VE・NGINX・分散クラウド・WAF/API/ボット対策・AI ゲートウェイ):数量 1.9(ソフト型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 27 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場(保守は設置基盤)330 億ドル相当(実質)× シェア(料率)5.7%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- サービス(保守・サポート・コンサル):数量 1.6(保守対象の設置基盤(実質億ドル相当)× 保守料率)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 23 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場(保守は設置基盤)85 億ドル相当(実質)× シェア(料率)19.3%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
倍率:上限から少し下げて置いた。 正当化 PER の上限は 15.6 倍(g 4.0%、RONIC 13.3%。RONIC = k 8.5% + 1/2 ×(事業の ROE 18.2% − k)。堀は普通)。その 9 割の 14.0 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 13.6 × 14.0 + 余った現金(戻り方込み)11 = 202 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 14.6 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:ソフトが年 12% 前後で伸び、機器の縮みを補う。ここまでが強気側の現実的な上限と見て 2 割。
中立 34% 中立:優良なインフラ・ソフト会社として残り、成長は物価をやや上回る程度 利益 12 億ドル · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 275.18 ドル156 億ドル
10 年後、機器は VELOS・rSeries への移行を挟みながらも市場 270 億ドル相当・シェア 24% で 9.1 億ドル(今より +30%、うち物価 41%)、ソフトは市場 280 億ドル相当・シェア 5.3%(今より 0.05 ポイント低下)で 20.9 億ドル、サービスは設置基盤が横ばいで 21.2 億ドル。売上は 51 億ドル(年 +5.2%)、営業利益率 25.1%、GAAP 純利益は 11.7 億ドル。AI 推論とマルチクラウドの追い風を、AWS・Azure の内蔵機能・クラウドフレアへのシェア流出が打ち消す。成長は g 4.0%(物価 3.5%+市場の実質成長 0.7%+シェアの低下 −0.2%、価格は物価並み)。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 14.8 倍の 8.5 割(12.6 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)11 億ドルを足して時価総額 156 億ドル。
- 機器(BIG-IP iSeries・VELOS・rSeries):数量 0.6(機器型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場(保守は設置基盤)27 億ドル相当(実質)× シェア(料率)24.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- ソフト(BIG-IP VE・NGINX・分散クラウド・WAF/API/ボット対策・AI ゲートウェイ):数量 1.5(ソフト型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 21 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場(保守は設置基盤)280 億ドル相当(実質)× シェア(料率)5.3%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- サービス(保守・サポート・コンサル):数量 1.5(保守対象の設置基盤(実質億ドル相当)× 保守料率)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 21 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場(保守は設置基盤)79 億ドル相当(実質)× シェア(料率)19.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
倍率:更新の山が過ぎた後の姿。上限から一段下げて置いた。 正当化 PER の上限は 14.8 倍(g 4.0%、RONIC 11.9%。RONIC = k 8.5% + 1/2 ×(事業の ROE 15.4% − k)。堀は普通)。その 8.5 割の 12.6 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 11.5 × 12.6 + 余った現金(戻り方込み)11 = 156 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 13.3 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:AI とマルチクラウドの追い風と、クラウド内蔵機能への置き換えがほぼ釣り合う。F5 の過去 10 年の売上の伸び(年 +5〜6%)に近い。
やや悲観 25% やや悲観:クラウド内蔵とクラウドフレアにシェアを取られ、売上 41 億ドル 利益 9 億ドル · PER 11.9 倍 · 株価時価総額 192.50 ドル109 億ドル
10 年後、機器の市場は 220 億ドル相当へ縮み、シェアも 22% に下がって 6.8 億ドル。ソフトはクラウドフレア・アカマイ・クラウド事業者の標準機能に押され、市場 240 億ドル相当・シェア 4.8% で 16.2 億ドル。サービスは設置基盤の縮みで 18.3 億ドル。売上は 41 億ドル(年 +2.9%、物価分を引くと実質は縮小)、営業利益率 23.1%、GAAP 純利益は 9.2 億ドル。成長は g 3.5%(物価 3.5% に、市場の実質の縮みとシェアの低下が相殺)。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 13.9 倍の 8 割(11.1 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)8 億ドルを足して時価総額 109 億ドル。
- 機器(BIG-IP iSeries・VELOS・rSeries):数量 0.5(機器型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場(保守は設置基盤)22 億ドル相当(実質)× シェア(料率)22.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- ソフト(BIG-IP VE・NGINX・分散クラウド・WAF/API/ボット対策・AI ゲートウェイ):数量 1.2(ソフト型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 16 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場(保守は設置基盤)240 億ドル相当(実質)× シェア(料率)4.8%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- サービス(保守・サポート・コンサル):数量 1.3(保守対象の設置基盤(実質億ドル相当)× 保守料率)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 18 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場(保守は設置基盤)70 億ドル相当(実質)× シェア(料率)18.5%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
倍率:上限から下げて低めに置いた。 正当化 PER の上限は 13.9 倍(g 4.0%、RONIC 10.7%。RONIC = k 8.5% + 1/2 ×(事業の ROE 12.8% − k)。堀は普通)。その 8 割の 11.1 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 9.1 × 11.1 + 余った現金(戻り方込み)8 = 109 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 11.9 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:オンプレミスの機器が縮み、クラウドで動くアプリの入口は AWS・Azure の内蔵機能とクラウドフレアに取られ、シェアが下がる。構造変化として十分ありうるので、中立に次いで厚い 25%。
悲観 13% 悲観:オンプレミスが縮み、優良ではなくなる 利益 6 億ドル · PER 9.1 倍 · 株価時価総額 89.91 ドル51 億ドル
10 年後、アプリの大半がクラウドに移り、入口の機能は AWS・Azure・クラウドフレアの標準機能で足りる世界になる。機器は市場 160 億ドル相当・シェア 19% で 4.3 億ドル(利益率 11%)、ソフトは市場 190 億ドル相当・シェア 4.0% で 10.7 億ドル、サービスは設置基盤が消えて 13.4 億ドル。売上は 28 億ドル(今の 0.9 倍で、物価分を引くと実質は 3 分の 2)、営業利益率 18.5%、GAAP 純利益は受取利息を含めて 5.6 億ドル。成熟後の倍率は、g 0.0% の正当化 PER の上限 11.8 倍の 7 割(8.2 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)6 億ドルを足して時価総額 51 億ドル。事業は残るが、堀は狭まっている。
- 機器(BIG-IP iSeries・VELOS・rSeries):数量 0.3(機器型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場(保守は設置基盤)16 億ドル相当(実質)× シェア(料率)19.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- ソフト(BIG-IP VE・NGINX・分散クラウド・WAF/API/ボット対策・AI ゲートウェイ):数量 0.8(ソフト型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場(保守は設置基盤)190 億ドル相当(実質)× シェア(料率)4.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
- サービス(保守・サポート・コンサル):数量 1.0(保守対象の設置基盤(実質億ドル相当)× 保守料率)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場(保守は設置基盤)56 億ドル相当(実質)× シェア(料率)17.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
倍率:堀が壊れる側なので最も低く置いた。 事業の ROE 8.4% が k 8.5% 以下なので PER の上限は 1÷k = 11.8 倍。その 7 割の 8.2 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 5.5 × 8.2 + 余った現金(戻り方込み)6 = 51 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 9.1 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:機器が大きく縮み、ソフトもクラウド事業者の標準機能に置き換わる。F5 は小さな保守会社になる。10 年の構造的な負けとして 13%(CSCO の 11%、ANET の 14% の間)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
機器(BIG-IP iSeries・VELOS・rSeries)
オンプレミス・データセンターに置く負荷分散・アプリ保護の専用機器(BIG-IP の機器、VELOS シャーシ、rSeries)。FY2025 は iSeries の更新で +31%。
| 数量機器型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア | 価格物価指数(2025 年 = 10) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.7 | 10 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.6 | 14 | 9 | 2 |
取り方:FY2025(2025 年 9 月期)の機器売上 7.06 億ドル(開示)。機器型の市場を約 28 億ドル(推定)、F5 のシェアを 25.2% と置いて逆算した推定。利益率は粗利益率が低い機器なので約 20%(GAAP、株式報酬を費用に含む)。公開の市場規模・シェアの数字は確認できていないので、市場とシェアの内訳は推定。価格は物価並み。
ソフト(BIG-IP VE・NGINX・分散クラウド・WAF/API/ボット対策・AI ゲートウェイ)
ソフトの負荷分散・アプリ保護(WAF・API・ボット・DDoS)と、クラウドで提供する分散クラウドサービス、NGINX、AI セキュリティ(CalypsoAI)。サブスクリプションが中心。
| 数量ソフト型のアプリ配信・保護市場の実質額(2025 年価格、10 億ドル)× F5 のシェア | 価格物価指数(2025 年 = 10) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.8 | 10 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1.5 | 14 | 21 | 4 |
取り方:FY2025 のソフト売上 8.03 億ドル(開示、+9%)。市場を約 150 億ドル(推定。ソフト ADC・WAF/WAAP・API・ボット・DDoS・AI 保護を含む)、シェアを 5.35% と置いて逆算した推定。利益率は成長投資と買収した技術の償却で約 16%(GAAP)。価格は物価並み。
サービス(保守・サポート・コンサル)
設置済みの機器・ソフトに付く保守契約と技術支援。設置基盤が積み上がる限り安定して入る。FY2025 は +2%。
| 数量保守対象の設置基盤(実質億ドル相当)× 保守料率 | 価格物価指数(2025 年 = 10) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.6 | 10 | 16 | 5 |
| 10 年後 中立 | 1.5 | 14 | 21 | 7 |
取り方:FY2025 のサービス売上 15.8 億ドル(開示)。保守対象の設置基盤を 79 億ドル相当(過去の機器・永久ライセンスの累計の推定)、料率 20% で逆算。利益率は約 32%(GAAP、推定)。価格は保守料なので人件費とともに物価並みに上がる。
リスクと懸念
機器の更新の循環(FY2026 の山の反動)
機器の売上は FY2025 に +31%、直近の四半期に +32% と、数年に 1 度の iSeries の更新で膨らんでいる。会社も一部は循環と認める。山が過ぎれば機器は減り、2023 年のように更新分が弱い年が来る。FY2026 の増収を恒常の成長として見ると過大になる。
クラウド事業者の内蔵機能とクラウドフレアへの置き換え
新しいアプリはクラウドで作られ、入口の負荷分散・WAF・DDoS は AWS・Azure・Google の標準機能やクラウドフレア・アカマイで済む顧客が増える。F5 のシェアが年 0.1〜0.2 ポイントずつ下がるだけでも、10 年で売上が 1〜2 割動く。
ソフトの伸びが 7% 前後にとどまる
ソフトの伸びは直近 7〜9% で、2023 年の更新分が弱かったことが響いている。会社は FY2027 に 2 桁へ戻ると言うが、確かではない。ソフトの比率が上がらないと利益率の改善(機器の粗利益率の低下の相殺)が進まない。
部品価格と機器の粗利益率
メモリ・ストレージの価格の不確実性で、FY2027 の粗利益率の見通しは 80〜82%(FY2026 の 82% 台から下限が下がる)。機器の利益率が 10% 台へ落ちると、全社の営業利益率が 1〜2 ポイント下がる。
AI での置き換えと競合の取り込み
AI の推論の通信管理・AI セキュリティは F5 の成長の説明の柱だが、同じ領域にクラウド事業者・クラウドフレア・セキュリティ大手が入っている。F5 の AI 向け売上は開示が少なく、規模は確認できていない。期待が先行するリスクがある。
値段が高いこと(倍率の縮み)
今の GAAP の PER 36 倍・PBR 7 倍は、過去の PER の中央値 27 倍、利益ベースの正当化 PER(14〜16 倍)を大きく上回る。利益が 1.7 倍になっても倍率が戻れば、割り引いた価値は今を下回る。調整後の EPS に基づく『予想 PER』は株式報酬と償却を足し戻した値で安く見えるので使わない。
今後の分かれ目
- FY2027 のソフトの売上が 2 桁成長(+10% 以上)に戻り、更新の弱かった 2023 年の分を越えたら
- ソフトのシェアが守られている合図。10 年のやや楽観の確率を上げ、ソフトの利益率の改善を厚く置く。
- 機器の売上が FY2027 に 2 桁で減り、iSeries の更新の山が過ぎたと確認されたら
- 中立の機器の置き方(実質で微減)を確かめる材料。
- FY2027 の粗利益率が 80% を下回ったら
- 部品価格が機器の利益率を削っている。機器の利益率を 2 ポイント下げ、倍率を 1 倍下げる。
- AI 用途の売上(AI セキュリティ・推論の通信管理)の規模が開示され、年 1 億ドルを超えたら
- AI の筋書きに数字の裏付けが付く。楽観・やや楽観の確率を上げ、ソフトのシェアを 0.1〜0.2 ポイント上方へ。
- 大手企業の基幹アプリがクラウドへ移り、BIG-IP の更新をやめる動きが広がったら
- 10 年の悲観・やや悲観の確率を 5〜10 ポイント上げる。機器と保守の縮みがそのまま売上に出る。
見ておくもの
- 機器・ソフト・サービスの四半期の伸び(特にソフトの 2 桁への回復)
- 粗利益率(GAAP 80〜82% の見通しと機器の利益率)
- AI 用途・AI セキュリティの顧客数と売上の開示
- アジア太平洋の売上と、新規の大型顧客の獲得
- 自社株買いの額・価格と純現金の推移
倍率と資本コストの決め方
今の PER・PBR や過去の倍率には寄せていない。10 年後の倍率は、利益ベースの正当化 PER = (1−g/RONIC)/(k−g)(k 8.50%、g 4.0%、RONIC = k + 残る割合 ×(事業の ROE − k)、堀は普通)の上限に対し、楽観 9.5 割・やや楽観 9 割・中立 8.5 割・やや悲観 8 割・悲観 7 割 で置いた。中立は上限 14.8 倍の 8.5 割で、事業の純利益に 12.6 倍(余った現金を足した見かけは 13.3 倍)。余った現金は戻り方 1.0 を掛けて足す。純利益は GAAP(株式報酬は費用)で、調整後 EPS の『予想 PER』は使っていない。総合は今の時価総額に対し -63.3% で、割高。結論は計算の結果で、先に決めたものではない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β 1.02 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0.5% = 8.5%。β は使わない。機器の需要がクラウド内蔵機能とクラウドフレアに削られる流れ(寿命 +0.5)を quality で見た。純現金で借金は無く、事業は傾いていないので extra は置かない。更新の循環やシェア流出は筋書きと悲観側の確率(10 年 38%)で表し、k には二重に足していない。