結論
マーベル・テクノロジーは、データセンターの中をつなぐ高速の信号処理部品(光 DSP・電気ケーブル用 AEC・電気光学部品)、顧客の AI チップを一緒に作るカスタム事業、イーサネットスイッチとストレージコントローラを持つ、工場を持たない半導体会社である。2026 年 8 月の 2027 会計年度第 2 四半期は売上 27.4 億ドル(前年比 +37%)で、データセンターが 79% を占める。2027 会計年度は約 120 億ドル、2028 会計年度は約 200 億ドルへ引き上げられ、10 月の投資家説明会では 2031 会計年度に 700〜900 億ドルという目標が示された。
売上はセグメントごとに「市場(実質)× シェア × 物価並みの価格」で積んだ。中立の筋書きは、10 年後(2036 会計年度)に売上約 840 億ドル・営業利益率 32%(株式報酬を引く)・純利益約 240 億ドル。会社の目標より 5 年ほど遅いペースで、カスタムはグーグル 1 社への依存とブロードコム・アルチップ・メディアテックの追い上げでシェアを一部失い、相互接続も競合が増えてシェアが 6 割から 5 割弱へ下がると置いた。
バリュー投資の観点では、光 DSP の堀と顧客の設計に入り込む位置は 10 年後も残る可能性が高い。資本コスト 9.5%(基本 8% + 循環 0.75%・値決め 0.25%・寿命 0.5%)で割り、倍率を利益ベースの正当化 PER(余った現金を除いた事業の ROE 約 22%・堀は普通・g は通信量の伸びを見て 4.5%)の 7.5 割に置くと、10 年後の中立は純現金込みで PER 11.2 倍になる。2026 会計年度の純利益 27 億ドルは車載事業の売却益 18 億ドルを含み、継続事業は約 9 億ドルなので、今の PER 77 倍は見かけより高い。確率で加重した本質価値は今の時価総額を 4 割ほど下回り、割高となる。10 年で利益が継続事業の 26 倍になる中立の筋書きを置いても、倍率が上限に縛られて届かず、悲観の下げも深い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業は存在し、今より強いか」を問う。光 DSP・AEC・スイッチといった接続部品は、AI のモデルが大きくなるほど要る量が増え、設計に入った後は切り替えにくいので、10 年後も存在する可能性は高い。堀は光 DSP で深く、カスタムでは顧客が価格を決めるため浅い。
次にオーナー利益。2026 会計年度の純利益 27 億ドルは売却益 18 億ドルを含み、継続事業は約 9 億ドルにとどまる。非 GAAP で見ても株式報酬が売上の約 9% あり、これを費用として見ると営業利益率は 36.6% でなく 28% 前後になる。今の時価総額 2,044 億ドルに対し、継続事業のオーナー利益の利回りは 1% に届かない。10 年で利益が約 26 倍になる世界を前提にした水準である。
資本配分は評価が分かれる。買収は多く、償却が売上の 9% 残り、自社株買いは株式報酬の希薄化を打ち消す程度である。グーグルへのワラントは、売上を買うために株を安く渡す動きで、確定が進めば既存株主の持ち分は約 7% 薄まる。
安全域は無く、筋書きの強さに頼る。事業の質は高いが、グーグル 1 社・AI 設備投資の循環・ブロードコムとの競争という 3 つの予測しにくい要素が重なり、確信度は下げる。資本コスト 9.5% で、成熟後の倍率を利益ベースの正当化 PER の 7.5 割(純現金込みで PER 11.2 倍)に置くと、中立では 10 年後の時価総額が今の約 1.3 倍にとどまり、9.5% で割り引くと今の 5 割強にしかならない。楽観でも 10 年後は PER 12.8 倍(時価総額は今の約 3.1 倍)。筋書きどおりに進んでも割安とは言えず、悲観(10 年で 15%)では今の 1 割台まで下がる。
何で稼ぐ会社か
売上は 4 つに分かれる。1 つ目は相互接続(2026 会計年度で約 33 億ドルと推定)で、サーバーとスイッチ・チップ同士をつなぐ信号処理部品である。光モジュールの中で信号を整える DSP は 800G から 1.6T へ移行中で世界のシェアが高い。銅線で短距離をつなぐ AEC、光の駆動に使う広帯域アナログ、2026 年 2 月に買ったセレスチャル AI のパッケージ内光接続(CPO)が加わる。顧客はアマゾン・マイクロソフト・グーグル・メタなどの大手クラウドと、光モジュールを作る会社である。
2 つ目はカスタム(2026 会計年度で約 15 億ドル)。顧客が欲しい AI チップ(XPU)の設計を受託する形と、顧客のチップの周辺機能(メモリのインターフェース・ストレージ・ネットワーク・ニアメモリ演算、いわゆる XPU アタッチ)を半カスタムで納める形がある。アマゾンのトレニアム周辺で実績があり、2026 年 8 月にグーグルと最大 1,200 億ドル規模の拡大契約を結んだ。製造は台湾の TSMC で、設計と販売が仕事である。
3 つ目がスイッチ・ストレージ(約 13 億ドル)で、51.2T のイーサネットスイッチ(テラリンクス)、スケールアップ用のスイッチ、ストレージコントローラ。4 つ目は通信・企業ネットワーク・その他(約 21 億ドル)で、景気で波が大きい。車載イーサネットは 2025 年 8 月にインフィニオンへ 25 億ドルで売った。売上の式は、接続部品なら AI サーバーの出荷台数と 1 台あたりの接続数、カスタムなら顧客のチップの出荷個数と受託単価である。
優良さと弱いところ
強みは 3 つ。1 つ目は光 DSP で、信号処理の設計力と TSMC の先端工程の使いこなしにより、800G・1.6T の世代で顧客の標準品に入っている。光モジュールの設計に組み込まれると 1 世代(2〜3 年)は切り替えにくく、切り替えの費用が堀になる。2 つ目はカスタムで、アマゾンなどの設計を一緒に作ってきた経験と、2026 年 3 月にエヌビディアから受けた 20 億ドルの出資と NVLink Fusion への対応で、エヌビディアの GPU と組む案件にも入れる。3 つ目は 10 年で約 400 億ドル(買収 200 億・自社開発 200 億)を投じて積んだ幅広い製品群である。
資本効率はまだ低い。2026 会計年度の営業利益率は GAAP で 16%(買収の償却 9% ポイント・株式報酬 9% ポイントを含む)、ROE は売却益を除くと 6% 前後で、過去 10 年は赤字の年が多かった。2026 年 8 月のように非 GAAP の営業利益率が 36.6% まで来ても、株式報酬を引くと 28% 前後である。
弱い所は 3 つ。1 つ目はグーグル依存で、2029 会計年度以降のカスタムの増加の大半がグーグル案件になる。2 つ目はブロードコム(設計受託の 7 割超)、アルチップ(トレニアム周辺)、メディアテック(グーグルの低価格版)に挟まれ、顧客自身が価格を決める点。3 つ目は買収の消化で、セレスチャル AI は条件付きで最大 55 億ドルまで膨らむ。経営は 2016 年からのマット・マーフィー CEO で、買収で製品幅を広げる路線を続けている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
AI 向けデータセンターの設備投資は、大手 5 社で 2026 年に約 7,300〜8,050 億ドル、2027 年は 1 兆ドル前後の見方が出ている。マーベルは 2030 年のデータセンター設備投資が約 3 兆ドルになり、うち自社が狙える市場が約 3,850 億ドル(インターコネクト 650・スイッチ・ストレージ 850・カスタム 2,350)になると言う。2025 年の同じ市場は約 1 割の規模だったので、会社の言う成長率は年 45% になる。業界ノートの置き方(AI アクセラレータ市場が 2029 年に約 6,000 億ドル、2036 年に約 8,000 億ドル。ASIC の比率が 2 割弱から 3〜4 割へ)と照らすと、マーベルの TAM のうちカスタムはほぼ整合するが、インターコネクトの年率 65% 成長は強気に見える。
構造の変化は 3 つある。1 つ目は、モデルの大型化でチップ同士をつなぐ帯域が足りなくなり、接続部品の金額が GPU や XPU の金額より速く伸びる点。銅から光への切り替え(1.6T・3.2T・CPO)が 2027 年から本格化する。2 つ目は、顧客が自前チップ(グーグルの TPU・アマゾンのトレニアム・メタの MTIA・マイクロソフトのマイア)を増やし、設計の受託がブロードコム・マーベル・アルチップ・メディアテックの間で取り合いになる点。3 つ目は、エヌビディアが NVLink Fusion で他社チップも自社の接続規格に取り込み、規格の主導権を握る点。
競合は、DSP でクレド(Credo)・アステラ・ラボ(Astera Labs)・ブロードコム、スイッチでブロードコム・エヌビディア、カスタムでブロードコム・アルチップ・メディアテックである。循環の位置は「山へ向かう途中」で、2027 年までは顧客の発注計画が数字を支えるが、2028〜29 年は電力とデータセンター建設の遅れ・AI の収益化の遅れで設備投資が踊り場に入る恐れがある。
資本政策と M&A
還元は小さい。配当は年約 2 億ドル(四半期 0.54 億ドル)、自社株買いは 2026 会計年度に約 20 億ドル、2027 会計年度第 2 四半期は 2 億ドル。会社は長期に FCF の 5 割超を還元すると言うが、株式報酬で増える株が多く、正味の還元は小さい。純負債は 24 億ドルで、純負債/EBITDA は 0.27 倍と軽く、金利の変化の影響はほぼない。
買収で大きくなった会社である。2021 年にインノビウム(スイッチ)、2025 年にセレスチャル AI(前払い約 32.5 億ドル・条件達成で最大 55 億ドル)を買い、車載イーサネットはインフィニオンへ売って 18 億ドルの益を出した。資本の使い方は、買って育てる路線で、償却が売上の約 9% 残る。買収価格が高いほど ROE が薄まる点に注意が要る。
最大の資本の動きはグーグルへのワラント(最大約 7%・累計売上 1,200 億ドルに応じて確定)とエヌビディアの 20 億ドル出資である。ワラントは売上が 5 億ドル積み上がるごとに 1 区分(0.5 億ドルの払い込み)が確定する。筋書きは会社全体の時価総額で書き、確定した区分の払い込みを還元から引いた。TOB で買われる可能性は、時価総額が 2,000 億ドル台で小さい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
まず需要が確かである。2027 会計年度第 2 四半期のデータセンターは 21.7 億ドル(+46%)で、会社は 2027 会計年度のデータセンター +60%、2028 会計年度 +80% を示し、2028 会計年度の全社売上を 6 週間で 180 億から 200 億ドルへ引き上げた。グーグルとの契約は累計 1,200 億ドル・6.5 年の枠で、ワラントが売上に連動しているため、グーグルは買うほど株主として得をする。売る側と買う側の利害が一致した契約は、受注が途切れにくい。
接続部品は設備投資より速く伸びる。2030 年のデータセンター設備投資は約 3 兆ドルで、うち加速計算が 1.6 兆ドル。1 つの AI クラスターの中で GPU・XPU を何万個もつなぐため、光 DSP・AEC・スイッチの金額が計算チップの金額に対して増え続ける。スケールアップ光(CPO・NPO)は今は売上がほぼゼロだが、顧客が 2027 年から導入を計画し、2028 会計年度の見通しをさらに引き上げた。セレスチャル AI の条件達成(累計売上 20 億ドル)は 2029 会計年度までに現実味がある。
マーベルは米国の大手 4 社すべてにカスタムを納め、エヌビディアの NVLink Fusion に入り、アマゾンの 5 年契約もある。特定の大型案件に頼らず「数百製品」の積み上げで 2031 会計年度 700〜900 億ドルと言っている。営業利益率は非 GAAP で 38〜40% に入りつつあり、2031 会計年度は 44〜46%。この通りなら 2031 会計年度の純利益は 280 億ドル前後で、今の時価総額の約 1.4 倍の純利益である。
慎重な見方
今の値段は 2036 会計年度の売上 840 億ドルの世界を先に払っている。2027 会計年度第 2 四半期の売上は市場予想を小幅に上回った程度で、株価の反応は割れた。2026 会計年度の純利益 27 億ドルのうち 18 億ドルは車載事業の売却益で、継続事業の純利益は約 9 億ドル。非 GAAP の営業利益率 36.6% から株式報酬(売上の約 9%)を引くと 28% 前後になる。
カスタムの増加の大半はグーグル 1 社で、グーグルはブロードコムとメディアテックにも分けている。グーグルへのワラントは累計売上 1,200 億ドルの達成を要するが、これは設計の取り合いで他社へ流れるリスクを受け入れた契約でもある。アマゾンのトレニアム周辺ではアルチップが入り、カウンターポイントはマーベルのシェアが 2027 年に約 8% まで下がると予測する。ブロードコムは設計受託の 7 割超を持つ。カスタムは顧客が価格を決めるので、粗利益率は 5 割台後半から下がる方向になる。
接続部品の TAM を年率 65% 成長とする置き方は、2025 年に約 53 億ドルの市場が 2030 年に 650 億ドルになるという意味で、現時点でほぼ売上のないスケールアップ光に大きく頼る。クレド・アステラ・ラボ・ブロードコムが追い、DSP の単価は世代ごとに下がる。2022 年の利上げ局面で株価は −57% 下げ、AI 設備投資が 1 年止まれば 2022〜23 年のような在庫調整が来る。資本コスト 9% では、成熟後の倍率は利益ベースの正当化 PER の 7.5 割(PER 14 倍台)にとどまり、10 年で売上が 10 倍になる筋書きでも、9% で割り引くと今の値段を 3 割ほど下回る。
どちらに重みを置いたか
強気の見方の「需要は確かで接続部品は設備投資より速く伸びる」は認め、10 年の楽観とやや楽観を 30% にとどめた。慎重な見方の「グーグル依存・競合・値段が先行」は 10 年で効くので、やや悲観と悲観を 37% とした。10 年後の成熟した倍率(利益ベースの正当化 PER の 7〜8.5 割に置いて、純現金込みで PER 10〜13 倍)を当てると、中立で今の値段の約 1.3 倍、悲観では 1 割台まで下がる。9.5% で割り引いた確率加重の価値は今の時価総額を 4 割ほど下回り、結論は「割高」。事業の質は高いが、売上が 10 倍になる筋書きを置いても、倍率が上限に縛られる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 297.93 ドル2,674 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 29.81 ドル268 億ドル)。 今の値に割り戻すと 139.16 ドル1,249 億ドル、今との差 −37.7%、 期待の年率 +3.9%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 699.14 ドル6,274 億ドル | 91.38 ドル820 億ドル | +253.7% | +13.5% | 79.05 ドル709 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 499.54 ドル4,483 億ドル | 54.60 ドル490 億ドル | +148.0% | +9.5% | 110.83 ドル995 億ドル |
| 中立 | 33% | 297.19 ドル2,667 億ドル | 30.09 ドル270 億ドル | +46.5% | +3.9% | 108.00 ドル969 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 115.11 ドル1,033 億ドル | 2.23 ドル20 億ドル | −47.5% | −6.2% | 25.81 ドル232 億ドル |
| 悲観 | 15% | 31.42 ドル282 億ドル | −4.46 ドル−40 億ドル | −87.9% | −19.1% | 4.05 ドル36 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 297.93 ドル2,674 億ドル | 29.81 ドル268 億ドル | +46.7% | +3.9% | 327.74 ドル2,941 億ドル |
今の株価時価総額 223.47 ドル2,005 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 会社の目標を超えて伸び、接続部品の堀も保たれる 利益 489 億ドル · PER 12.8 倍 · 株価時価総額 699.14 ドル6,274 億ドル
2036 会計年度(2036 年 1 月期)の売上は約 1,410 億ドル。2031 会計年度に会社の目標の上限(900 億ドル)に近づき、その後も年 10% 台で伸びる。相互接続は約 680 億ドル(シェア 52%)、カスタムは約 510 億ドルで、グーグルに加えてマイクロソフト・メタ向けも量産に入る。営業利益率は株式報酬を引いて 38%、純利益は約 490 億ドル。10 年の還元は、グーグルのワラント(満額に近づく・払い込み約 80 億ドル)や株式報酬の希薄化を引いても約 820 億ドル。接続部品の堀が保たれる前提で、ブロードコムとの競争は価格でなく製品の幅で勝つ。スケールアップ光(CPO)は 2030 年代前半に数十億ドル規模の事業になり、エヌビディアの NVLink Fusion に入ったカスタムも量産に入る。AI 設備投資は 2030 年に約 3 兆ドルに達し、その後も年 1 割前後で伸びて、10 年後の時点でもまだ成長が止まっていない。
- 相互接続(光 DSP・電気ケーブル用 AEC・電気光学部品・スケールアップ光):数量 484(相互接続の市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 682 億ドル・営業利益 314 億ドル。市場 930 億ドル(実質)× シェア 52.0%・営業利益率 46%(株式報酬を引き、償却を除く)
- カスタム(XPU と XPU アタッチ):数量 363(カスタムの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 512 億ドル・営業利益 169 億ドル。市場 3300 億ドル(実質)× シェア 11.0%・営業利益率 33%(株式報酬を引き、償却を除く)
- スイッチ・ストレージ:数量 127(スイッチ・ストレージの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 179 億ドル・営業利益 75 億ドル。市場 1060 億ドル(実質)× シェア 12.0%・営業利益率 42%(株式報酬を引き、償却を除く)
- 通信・企業ネットワーク・その他:数量 26.4(通信ほかの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 37 億ドル・営業利益 9 億ドル。市場 220 億ドル(実質)× シェア 12.0%・営業利益率 25%(株式報酬を引き、償却を除く)
倍率:正当化 PER は 14.7 倍(g 4.5%、RONIC 17.0%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 24.6% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 12.5 倍(8.5 割)に置いた。カスタムチップと光通信部品が伸びる筋書きだが、大口顧客に偏るので 8.5 割に留めた。 g の内訳:データ通信量は 10 年より先も実質で伸びるので、長期の g は structural の 4.5%(k − g ≥ 3.5% も守る)。 純現金 1164 億ドルは戻り方 0.5 を掛けて数え、時価総額 =(純利益 489 − 受取利息の税引き後 34)× 12.5 + 1164 × 0.5 = 6274 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 12.8 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:会社の 2031 会計年度の目標を超えて伸びる筋書き。設計の取り合いで勝ち、顧客がマーベルの接続規格を使い続けることが条件で、10 年は 10% にとどめる。
やや楽観 20% 目標の達成が少し遅れ、その後は市場並みに伸びる 利益 369 億ドル · PER 12.2 倍 · 株価時価総額 499.54 ドル4,483 億ドル
2036 会計年度の売上は約 1,150 億ドル。2031 会計年度に目標の中央(800 億ドル)にやや遅れて達し、その後は年 5〜6%。相互接続約 560 億ドル(シェア 50%)、カスタム約 420 億ドル。営業利益率は 36%(株式報酬を引く)、純利益は約 370 億ドル。グーグルのワラントは累計売上の約 6 割で確定し、払い込みは約 60 億ドル。カスタムはグーグルに加えてアマゾン・マイクロソフトの次世代案件を取り、相互接続ではスケールアップ光の寄与が数十億ドル規模になる。AI 設備投資は 2030 年に約 3 兆ドルの手前で止まり、その後は年 5〜8% に落ち着く。競合(ブロードコム・クレド)は残るが、DSP の単価の下がり方は世代ごとに 1 割ほどで収まる。
- 相互接続(光 DSP・電気ケーブル用 AEC・電気光学部品・スケールアップ光):数量 400(相互接続の市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 564 億ドル・営業利益 248 億ドル。市場 800 億ドル(実質)× シェア 50.0%・営業利益率 44%(株式報酬を引き、償却を除く)
- カスタム(XPU と XPU アタッチ):数量 300(カスタムの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 423 億ドル・営業利益 127 億ドル。市場 3000 億ドル(実質)× シェア 10.0%・営業利益率 30%(株式報酬を引き、償却を除く)
- スイッチ・ストレージ:数量 92.4(スイッチ・ストレージの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 130 億ドル・営業利益 52 億ドル。市場 880 億ドル(実質)× シェア 10.5%・営業利益率 40%(株式報酬を引き、償却を除く)
- 通信・企業ネットワーク・その他:数量 25.2(通信ほかの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 36 億ドル・営業利益 9 億ドル。市場 210 億ドル(実質)× シェア 12.0%・営業利益率 24%(株式報酬を引き、償却を除く)
倍率:正当化 PER は 14.7 倍(g 4.5%、RONIC 17.1%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 24.8% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 11.8 倍(8 割)に置いた。主要顧客の需要が続く筋書きで 8 割。 g の内訳:データ通信量は 10 年より先も実質で伸びるので、長期の g は structural の 4.5%(k − g ≥ 3.5% も守る)。 純現金 871 億ドルは戻り方 0.5 を掛けて数え、時価総額 =(純利益 369 − 受取利息の税引き後 26)× 11.8 + 871 × 0.5 = 4483 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 12.1 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:2031 会計年度の目標(800 億ドル)を少し遅れて達成し、その後は市場並み。20% を置く。
中立 33% 目標より 5 年遅れで同じ規模に届き、シェアは落ちる 利益 239 億ドル · PER 11.2 倍 · 株価時価総額 297.19 ドル2,667 億ドル
2036 会計年度の売上は約 840 億ドル。会社が 2031 会計年度に示した中央(800 億ドル)と同じ規模に、5 年遅れで届く姿である。カスタムは約 370 億ドル(市場の約 9%。グーグルが約半分を占め続けるが、ブロードコム・メディアテック・アルチップにシェアを一部取られる)、相互接続は約 350 億ドル(市場の約 48%。クレドやブロードコムに押され 6 割から下がる)、スイッチ・ストレージ約 87 億ドル。営業利益率は 32%(株式報酬を引く)。純利益は約 240 億ドル。グーグルのワラントは累計売上 445 億ドル分が確定(約 4 割)し、払い込みは約 45 億ドル。10 年の還元は、株式報酬の希薄化とこの払い込みを引いて約 270 億ドル。
- 相互接続(光 DSP・電気ケーブル用 AEC・電気光学部品・スケールアップ光):数量 247(相互接続の市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 348 億ドル・営業利益 146 億ドル。市場 514 億ドル(実質)× シェア 48.0%・営業利益率 42%(株式報酬を引き、償却を除く)
- カスタム(XPU と XPU アタッチ):数量 264(カスタムの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 372 億ドル・営業利益 104 億ドル。市場 2935 億ドル(実質)× シェア 9.0%・営業利益率 28%(株式報酬を引き、償却を除く)
- スイッチ・ストレージ:数量 61.6(スイッチ・ストレージの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 87 億ドル・営業利益 33 億ドル。市場 685 億ドル(実質)× シェア 9.0%・営業利益率 38%(株式報酬を引き、償却を除く)
- 通信・企業ネットワーク・その他:数量 22.0(通信ほかの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 31 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 200 億ドル(実質)× シェア 11.0%・営業利益率 22%(株式報酬を引き、償却を除く)
倍率:正当化 PER は 14.3 倍(g 4.5%、RONIC 15.7%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 21.9% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 10.7 倍(7.5 割)に置いた。設計の入れ替えは数年に一度で堀はあるが、利益が少数の顧客に偏るので、中立は 7.5 割に置いた。 g の内訳:データ通信量は 10 年より先も実質で伸びるので、長期の g は structural の 4.5%(k − g ≥ 3.5% も守る)。 純現金 626 億ドルは戻り方 0.5 を掛けて数え、時価総額 =(純利益 239 − 受取利息の税引き後 19)× 10.7 + 626 × 0.5 = 2667 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 11.2 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:業界ノート(AI アクセラレータ 2036 年に約 8,000 億ドル、ASIC 比率 3〜4 割)に近い市場で、シェアが一部落ちる筋書き。最も多い 33%。
やや悲観 22% 競合に押され、カスタムの利益率が下がる 利益 106 億ドル · PER 9.8 倍 · 株価時価総額 115.11 ドル1,033 億ドル
2036 会計年度の売上は約 500 億ドル。カスタムはブロードコムとメディアテックに分散され、シェアが約 6.5% に落ちて約 200 億ドル。相互接続は約 225 億ドル(シェア 40%)で、クレド・アステラ・ラボ・ブロードコムに加え、顧客の自社内製(光の一体化)が進む。営業利益率は 24%(株式報酬を引く)、純利益は約 106 億ドル。グーグルのワラントの確定は累計売上の約 2 割にとどまる。還元は希薄化を引くとほぼゼロ。AI 設備投資は 2030 年前後に頭打ちになり、その後は年 3〜4% の伸び(物価並み)にとどまる。セレスチャル AI の条件付き対価は一部しか払わず、買収の償却と無形資産の減損が利益率を押し下げ続ける。価格を決めるのは顧客で、カスタムの営業利益率は 20% 前後に落ち着く。
- 相互接続(光 DSP・電気ケーブル用 AEC・電気光学部品・スケールアップ光):数量 160(相互接続の市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 226 億ドル・営業利益 77 億ドル。市場 400 億ドル(実質)× シェア 40.0%・営業利益率 34%(株式報酬を引き、償却を除く)
- カスタム(XPU と XPU アタッチ):数量 143(カスタムの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 202 億ドル・営業利益 40 億ドル。市場 2200 億ドル(実質)× シェア 6.5%・営業利益率 20%(株式報酬を引き、償却を除く)
- スイッチ・ストレージ:数量 35.0(スイッチ・ストレージの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 49 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場 500 億ドル(実質)× シェア 7.0%・営業利益率 28%(株式報酬を引き、償却を除く)
- 通信・企業ネットワーク・その他:数量 19.0(通信ほかの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 27 億ドル・営業利益 5 億ドル。市場 190 億ドル(実質)× シェア 10.0%・営業利益率 18%(株式報酬を引き、償却を除く)
倍率:正当化 PER は 12.7 倍(g 4.5%、RONIC 12.4%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 15.3% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 8.9 倍(7 割)に置いた。顧客が設計を他社に移す筋書きで 7 割。 g の内訳:データ通信量は 10 年より先も実質で伸びるので、長期の g は structural の 4.5%(k − g ≥ 3.5% も守る)。 純現金 389 億ドルは戻り方 0.5 を掛けて数え、時価総額 =(純利益 106 − 受取利息の税引き後 12)× 8.9 + 389 × 0.5 = 1033 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 9.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:ブロードコム・アルチップ・メディアテックにカスタムのシェアを奪われ、DSP の単価と競争も厳しくなる。10 年は 22% と厚めに置く。
悲観 15% 構造的に負け、優良ではなくなる 利益 15 億ドル · PER 18.8 倍 · 株価時価総額 31.42 ドル282 億ドル
2036 会計年度の売上は約 225 億ドル。設備投資が構造的に半減し、カスタムはグーグルの案件をメディアテックとブロードコムに奪われ約 70 億ドル、相互接続は NVLink と顧客内製で約 117 億ドルにとどまる。セレスチャル AI などの買収無形資産に減損が出る。営業利益率は 10%、純利益は約 15 億ドル、自己資本は約 450 億ドル。株式報酬の希薄化が自社株買いを上回り、正味の還元は負になる(10 年の自社株買いと配当は約 25 億ドルだが、株式報酬で増えた株の分が約 65 億ドルで、差し引き −40 億ドル。ワラントの払い込みは約 20 億ドル分が確定し、これも正味から引いた。新規の増資はなし)。減損後の、現金を除いた事業の資本(約 160 億ドル・ROE 約 5%)は式では 0.4 倍の床まで下がり、期末の純現金 約 220 億ドルを 1 ドルで足して測る(自己資本の 0.63 倍)。
- 相互接続(光 DSP・電気ケーブル用 AEC・電気光学部品・スケールアップ光):数量 83.2(相互接続の市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 117 億ドル・営業利益 23 億ドル。市場 260 億ドル(実質)× シェア 32.0%・営業利益率 20%(株式報酬を引き、償却を除く)
- カスタム(XPU と XPU アタッチ):数量 49.5(カスタムの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 70 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 1100 億ドル(実質)× シェア 4.5%・営業利益率 8%(株式報酬を引き、償却を除く)
- スイッチ・ストレージ:数量 12.5(スイッチ・ストレージの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 18 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 250 億ドル(実質)× シェア 5.0%・営業利益率 12%(株式報酬を引き、償却を除く)
- 通信・企業ネットワーク・その他:数量 13.5(通信ほかの市場(実質・億ドル)× シェア)× 価格 141(物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた))→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 150 億ドル(実質)× シェア 9.0%・営業利益率 10%(株式報酬を引き、償却を除く)
倍率:谷の純利益は約 15 億ドルと小さく(ROE 約 3%、k 9.5% 以下)、稼ぐ力(純利益 ÷ k)では約 160 億ドルにしかならない。悲観の床は純現金と売れる資産の税後で測る:期末の純現金 約 216 億ドル + 減損後の事業の資本 164 億ドルの 5 割 = 約 298 億ドルのうち、約 282 億ドル(自己資本 450 億ドルの 0.63 倍)で置いた。純利益に対する見かけの PER は 18.8 倍。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:顧客の自前化とエヌビディアの規格支配で接続部品も押され、買収の減損が出る構造的な負け。15% を置く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
相互接続(光 DSP・電気ケーブル用 AEC・電気光学部品・スケールアップ光)
データセンターの中でサーバーとスイッチ、チップとチップをつなぐ高速の信号処理部品。800G から 1.6T の光 DSP、銅線用の AEC、広帯域アナログ(TIA・ドライバ)、これから立ち上がるスケールアップ光(NPO・CPO)。
| 数量相互接続の市場(実質・億ドル)× シェア | 価格物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 33.0 | 100 | 33 | 11 |
| 10 年後 中立 | 247 | 141 | 348 | 146 |
取り方:2026 会計年度の相互接続は開示がなく推定。データセンター 61 億ドルからカスタム約 15 億とスイッチ・ストレージ約 13 億を引いた約 33 億ドルと置いた。市場は 2025 年に約 53 億ドル(マーベルの TAM 2030 年 650 億ドルから年率 65% で逆算)、シェア約 62%(光 DSP の高いシェアに合う)。営業利益率は株式報酬を引き買収無形資産の償却を除いて約 33%。
カスタム(XPU と XPU アタッチ)
顧客が持つ AI チップの設計と周辺機能(メモリインターフェース・ストレージ・ネットワーク・ニアメモリ演算)の受託。アマゾン・グーグル・マイクロソフト・メタ向け。
| 数量カスタムの市場(実質・億ドル)× シェア | 価格物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 15.0 | 100 | 15 | 3 |
| 10 年後 中立 | 264 | 141 | 372 | 104 |
取り方:2026 会計年度のカスタム売上は会社の開示で約 15 億ドル。市場は 2025 年に約 260 億ドル(TAM 2030 年 2,350 億ドルから年率 55% で逆算。ブロードコムが受託する分を含む)、シェア約 5.8%。営業利益率は立ち上げ途中で約 17%(株式報酬を引き、償却を除く)。
スイッチ・ストレージ
データセンター用のイーサネットスイッチ(テラリンクス・51.2T)、スケールアップ用スイッチ、ストレージコントローラ。
| 数量スイッチ・ストレージの市場(実質・億ドル)× シェア | 価格物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 13.0 | 100 | 13 | 3 |
| 10 年後 中立 | 61.6 | 141 | 87 | 33 |
取り方:スイッチ・ストレージは推定で約 13 億ドル。市場は 2025 年に約 158 億ドル(TAM 2030 年 850 億ドルから年率 40% で逆算)、シェア約 8%。営業利益率は約 23%。
通信・企業ネットワーク・その他
通信事業者向け(5G 基地局用チップなど)、企業ネットワーク、民生。車載イーサネットは 2025 年 8 月にインフィニオンへ売却済み。
| 数量通信ほかの市場(実質・億ドル)× シェア | 価格物価指数(2026 会計年度 = 100。3 年後 111・10 年後 141。ビット単価の値下がりは市場の金額に含めた) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 21.0 | 100 | 21 | 4 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 141 | 31 | 7 |
取り方:通信・企業ネットワーク・その他は、売上 82 億ドルからデータセンター 61 億を引いた約 21 億ドル。市場は約 150 億ドル(TAM 2030 年と同水準と置く)、シェア約 14%。営業利益率は約 19%。2027 会計年度は約 10% 成長の見通し。
リスクと懸念
グーグル 1 社への依存
2029 会計年度以降のカスタムの増加の大半がグーグル案件で、契約は累計売上 1,200 億ドルの「最大」であり、確定は買った分だけである。グーグルはブロードコム・メディアテックにも設計を分けており、TPU の次の世代で割合が変われば、カスタムの売上は半減しうる。ワラントは売上を買う代償として約 7% の希薄化も呼ぶ。
AI 設備投資の山と谷
大手の設備投資は 2027 年に約 1 兆ドルと言われるが、AI アプリの課金が設備投資に追いつかなければ、2022〜23 年の GPU 在庫調整のような調整が来る。マーベルの株価は 2022 年に −57%、リーマンで −68% 下げた。接続部品もカスタムも、同じ設備投資から売上が出るので、同時に下がる。
ブロードコム・アルチップ・メディアテックとの設計の取り合い
ブロードコムはカスタム設計受託の 7 割超を持つ。アルチップはアマゾンのトレニアムの供給網に入り、カウンターポイントはマーベルのシェアが 2027 年に約 8% まで下がると予測する。顧客が価格を決めるので、受託の粗利益率は下がりやすい。
接続部品の TAM が先に行きすぎている
インターコネクトの TAM を 2025 年の約 53 億ドルから 2030 年の 650 億ドル(年率 65%)とする置き方は、現時点でほぼ売上のないスケールアップ光の立ち上がりに大きく頼る。光 DSP の単価は世代ごとに下がり、クレド・アステラ・ラボが追う。市場が 4 割小さければ、中立の相互接続の売上は 3 割下がる。
買収の消化とのれん・償却
セレスチャル AI は前払い約 32.5 億ドルで、2029 会計年度末までに累計売上 20 億ドル超を達成すると最大 55 億ドルになる。達成できなければ減損が出る。償却は売上の約 9% で、GAAP の利益を押し下げ続ける。2027 会計年度第 1 四半期には条件付対価の再評価で 2.03 億ドルの損失が出た。
利益の質(売却益・株式報酬)
2026 会計年度の純利益 27 億ドルのうち約 18 億ドルは車載事業の売却益。非 GAAP の営業利益率 36.6% は株式報酬(売上の約 9%)を除いた値で、費用として見れば 28% 前後。PER の見かけの低さ(直近 12 か月)に惑わされると割高さを見誤る。
台湾・輸出規制・サプライチェーン
製造は TSMC に全面依存し、台湾リスクがある。2027 会計年度の供給確保で約 10 億ドルの前払いをした。先端パッケージ・HBM の供給が制約になれば、出荷が遅れる。AI チップや光部品の輸出規制の変更は、売上の上振れにも下振れにも効く。
今後の分かれ目
- 大手 5 社のうち 2 社以上が来年の AI 設備投資を減らす
- 3 年・10 年とも慎重な筋書き(やや悲観・悲観)の確率を上げる。グーグル案件の立ち上げの遅れが先に出るので、カスタムの売上が下振れる。
- グーグルが次世代 TPU の割合をブロードコム・メディアテックに寄せる(または確定する区分の増加が止まる)
- カスタムの 10 年の売上を半分近くに引き下げる。ワラントの払い込みが減る分は小さく、持ち分の希薄化も減るが、売上の減少のほうが大きい。
- スケールアップ光(CPO・NPO)の売上が 2028 会計年度に計画どおり立ち上がる
- 相互接続の 10 年のシェアを 5 割超に保てるので、やや楽観・楽観へ寄せる。セレスチャル AI の条件付き対価の満額も現実味を帯びる。
- ブロードコムまたはアルチップがアマゾンの次世代トレニアムの設計を取る
- カスタムの 3 年の売上がやや悲観の水準に近づく。マーベルのカスタムはグーグル 1 社への依存がさらに強まる。
- 非 GAAP の営業利益率が 40% を超え、株式報酬が売上の 7% 未満に下がる
- 営業利益率の置き方(株式報酬を引いて 31〜32%)を上げられる。純利益の 10 年の置き方が 1 割強上振れる。
- エヌビディアの NVLink Fusion が主流規格になり、マーベルが標準の供給元になる
- スケールアップ接続の売上が数十億ドル規模で上乗せされ、楽観へ寄せる。一方で規格の主導権をエヌビディアが握り、利益率は下がる可能性もある。
見ておくもの
- 大手 5 社(アマゾン・グーグル・マイクロソフト・メタほか)の設備投資の改定と、AI アプリの課金の伸び
- マーベルの四半期売上(2027 会計年度第 3 四半期は約 31.5 億ドルの見通し)とデータセンターの伸び、2028 会計年度 200 億ドルの達成
- 2029 会計年度のカスタム売上(120 億ドル超)の積み上がり方と、グーグルのワラント確定区分の数
- 非 GAAP 営業利益率(Q4 に 38〜40% 入りの予定)と、株式報酬・償却の割合(GAAP との差)
- スケールアップ光(CPO・NPO)の初出荷の時期と、セレスチャル AI の累計売上(2029 会計年度末までに 5 億ドル・20 億ドル)
- アルチップ・ブロードコムによるトレニアム・マイアなどの設計受注、カウンターポイントのシェア推計
倍率と資本コストの決め方
売上は今の株価と無関係に、市場(会社の TAM を物価で割った実質の金額)× シェアで積んだ。会社の 2031 会計年度の目標(800 億ドル)を、中立では 5 年遅れで置いて割り引いた。倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)、RONIC = k + 1/2 ×(事業の ROE − k)、k 9.5%、g は通信量の伸びを見て structural の 4.5% から出し、上限の 7〜8.5 割(中立は 7.5 割)で置いた。今の PER 77 倍(売却益を除くと 200 倍超)には寄せていない。ROE は検査と同じく、帳簿の自己資本から余った現金(10 億ドル)を除いて取り(10 年の中立で約 22%)、期末の純現金は戻り方 0.5 を掛けて足した。10 年後の中立は見かけ 11.2 倍。10 年の悲観は、純現金と売れる資産の税後(約 298 億ドル)で測った。株価が年初来で約 3 倍になった勢いは、確率の理由には使っていない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β 1.80 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。循環 +0.75%・値決め +0.25%・寿命 +0.5% で quality は +1.5%(k 9.5%。前は β 1.80 を枠の上限 9% に収めた値)。グーグル依存・AI 設備投資の山と谷は k だけでなく、やや悲観・悲観の確率(10 年で 37%)と悲観の深さでも表した。存続は危うくないので上乗せ 0。
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