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モトローラ・ソリューションズ MSI

公共安全の無線という替えの利かない土台は強いが、GAAP の利益の 36 倍という値段は、10 年後に成熟後の 20 倍へ縮む分を利益の伸びで取り返せない水準にある

やや割高
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)335.18 ドル566 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)477.8 ドル807 億ドル差 −29.9%
10 年後から見ると やや割高 価値 335.18 ドル566 億ドル · 差 −29.9% · 期待の年率 +2.9%
期待の年率リターン(10 年)+2.9%資本コスト比 −4.8 pt
推定の資本コスト7.8%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 7.8% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

モトローラ・ソリューションズ(Motorola Solutions)は、警察・消防・救急・軍が使う業務用の無線機と基地局(LMR)、戦術メッシュ無線(Silvus)、映像(カメラ・ボディカメラ・ナンバー読取)、通報・指令ソフト(コマンドセンター)を持つ公共安全の通信の会社である。2025 年 12 月期の売上は 117 億ドル、GAAP の営業利益 29.9 億ドル(利益率 25.6%)、純利益 21.5 億ドル。2026 年第 2 四半期は売上が前年比 +13%、受注残は過去最高の 156 億ドルで、通期の売上見通しは約 130 億ドルへ上げられた。

堀は、10〜20 年使われる無線網の切り替えの費用と、公共安全の入札での実績・互換性にある。ただし自己資本は 24 億ドルと小さく、帳簿の ROE 89% は自社株買いと買収の借金でふくらんだ見かけの値なので、倍率の上限は、10 年後の中立の帳簿 ROE 57%(自己資本が薄い分、高く出る)から、堀は強いので RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k)として出した。資本コストは基本 8.0% に quality −0.25%(景気に強い予算・標準規格による値決め力・買収で増えた純負債)を足した 7.75%。

数量 × 価格で 3 つの事業を積み上げた。中立の 10 年後は売上 230 億ドル(今の 2.0 倍)、営業利益率 26.7%、GAAP の純利益 41 億ドル、利益ベースの正当化 PER の上限 24.0 倍(ROE 57%・堀は強い・g 4.0%)の 8.5 割、20.4 倍で時価総額は約 838 億ドル(今の 1.1 倍)。10 年の割り引きと還元を入れた確率加重の本質価値は今の時価総額(783 億ドル)を約 3 割下回り、総合は「やや割高」。事業は 10 年後も存在して強いが、今の値段には安全域がない。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、モトローラ・ソリューションズは「10 年後も存在し、今より強いか同じ」可能性が高い会社である。公共安全の無線は、政府の安全と災害対応を支える必須のインフラで、更新の周期が長く、競合も限られる。景気への強さも、コロナ(−25%)や 2022 年(−22%)の下げの浅さに出ている。

オーナー利益(純利益から再投資と株式報酬を引いたもの)は、GAAP の純利益 21.5 億ドルに対し、設備投資と買収で成長を買うので、株主が自由にできるのはおおむね年 20 億ドル前後。時価総額 783 億ドルへの利回りは約 2.7% で、10 年国債 5% を下回る。利益が毎年 6〜7% ずつ伸びて初めて、長期の利回りが追いつく。

資本配分は、増配と自社株買いを続ける一方、買収を繰り返して純負債が EBITDA の 2 倍あり、買収が割高だと価値を壊す。自己資本が 24 億ドルしかなく、見かけの ROE は 89% だが、本当の資本効率は ROIC 約 22%。予測のしやすさは高い(無線の更新・保守契約・受注残)。

安全域は、中立の 10 年後(時価総額 838 億ドル・配当と自社株買いの合計 268 億ドル)で、今の約 1.07 倍・年約 0.7% の価値増加に還元を足して年約 4%。資本コスト 7.75% に届かず、確率で加重した価値は今の値段を約 3 割下回る。事業の質は高いが、値段はそれを十分以上に織り込んでいる。

何で稼ぐ会社か

売上の中心は公共安全の無線とネットワーク(2025 年に約 87 億ドル)。ハンディ無線・車載無線(APX 系)、基地局と制御装置(ASTRO・D シリーズ)、15〜20 年の保守契約、2025 年 8 月に約 44 億ドルで買った Silvus の戦術メッシュ無線(2026 年は約 8.5 億ドルの見込み)からなる。米国の警察・消防・救急の無線網の大半は同社の機器で、一度入れると周波数の設計・端末・訓練・保守が一体になるので、他社への切り替えは数年がかりになる。APX NEXT のソフト購読は 2026 年末に 30 万件・約 1 億ドルの年間購読になる見込み。

2 番目は映像セキュリティ(約 21 億ドル)。アビジロン(Avigilon)・ペルコ(Pelco)のカメラと映像管理ソフト、出入管理(Openpath)、ボディカメラと車載カメラ(SPX・V 系)、ナンバー読取(Vigilant)。売上の伸びは 2026 年に約 11%。3 番目はコマンドセンター(約 9 億ドル)で、119 番の受付・出動指令(VESTA・CAD)・記録のソフト。2026 年は約 15% 成長で、AI の通話支援が単価を押し上げる。

開示は 2 つの区分(製品・システム統合 72.5 億ドル、ソフト・サービス 44.3 億ドル)と、各区分の技術構成比(製品の 84% が MCN〈無線〉・16% が映像、ソフトの 58% が MCN)までなので、3 つの事業の売上は逆算の推定である。営業利益は 2 区分の合計が全社と一致するので本社費の調整はなく、事業ごとの利益率は推定。

優良さと弱いところ

堀は 3 つある。第 1 は切り替えの費用で、無線網は端末・基地局・周波数・訓練が一体で、更新は 15〜20 年周期の公共調達。第 2 は公共安全での実績と互換性で、P25 の標準を作った側であり、大規模災害で止まらないことが入札の第一条件になる。第 3 はソフトと保守への移行で、売上の 38% がソフト・サービスで、受注残 156 億ドルのうち製品側は 30 億ドル台後半で、約 8 割がソフト・サービス側にあり、売上の見通しが立てやすい。

資本効率は、帳簿の ROE が 89%(2025 年)と見かけ上は非常に高いが、自社株買い(累計で自己資本が一時マイナス)と買収の借金の結果。ROIC は約 22%(税引き後営業利益 23 億ドル ÷(自己資本 24 + 純負債 83 億ドル))で、これは優良だが突出ではない。営業利益率は GAAP で 2014 年 −16%(再編)、2015〜2022 年は 19〜21%、2023 年以降 24〜26% と、10 年で 5 ポイント上がった。

弱点は、買収を続けないと伸びない面(2025 年は 4 件で 49 億ドル)、純負債が EBITDA の 2 倍ほどで金利が 5% 台の局面では利払いが利益を削る点、映像でアクソンにボディカメラのシェアを取られ続けている点、株式報酬が年 2.9 億ドルと小さくない点。経営は CEO のグレッグ・ブラウン(Greg Brown)氏が長く務め、資本配分(買収と自社株買いの両用)は一貫している。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

公共安全の通信は、①無線(LMR)の更新、②広帯域への移行(FirstNet など LTE の PTT)、③映像・AI、④指令ソフト、⑤無人機への対処、の 5 つの流れで動く。無線の市場は調査会社で 230〜360 億ドル(2026 年)と幅があり、MSI は最大手で、競合は L3ハリス(L3Harris)・ヒテラ(Hytera)・ケンウッド・シェペラ(Sepura)・タイト(Tait)。米国の公共安全では FCC の規制と連邦補助金で MSI と L3ハリスがほぼ寡占で、中国のヒテラは米国市場から締め出されている。2026 年の MSI の下期は LMR が約 10% 成長する見込みで、D シリーズのインフラ出荷が第 4 四半期から始まる。

映像・指令では、アクソン(Axon)が大きな競合である。アクソンの 2026 年第 2 四半期の売上は 9.0 億ドル(+35%)、年間購読は 16.4 億ドルで、ボディカメラ・Taser・記録・Axon 911(指令)を一体で売り、対ドローンの Dedrone も 1 億ドルを超えた。MSI も SPX(ボディカメラ・車載)を 150 の顧客に展開し、指令(VESTA)と映像を組み合わせるが、成長率はアクソンの約 3 分の 1。映像の汎用カメラは、ハンファ・アクシス(Axis)・ジェネテック(Genetec)・ベルカダ(Verkada)・ハイクビジョンが入り乱れる。

戦術メッシュ無線(Silvus)は NATO・欧州・米国の国防費の増加と無人機の普及で需要が強く、ペルシスタント(Persistent)・L3ハリス・アンドゥリルが競合。供給能力(ロサンゼルスの拡張、ソルトレイクの新工場は 2027 年から)が成長の制約。メモリ価格の高騰で、MSI の直接のメモリ費用は 2026 年に約 1.5 億ドル(前年の約 3 倍)に増える見込みで、映像のサーバーなど一部は値上げで転嫁している。

資本政策と M&A

資本政策は、配当(2025 年 7.3 億ドル・毎年増額)、自社株買い(2025 年 11.5 億ドル、2026 年上期 4.5 億ドル)、買収の 3 本立てで、純負債÷EBITDA 約 2 倍を保つ。2025 年は 4 件の買収に 49 億ドルを使い(Silvus を term loan 15 億ドルなどで調達)、末の純負債は 83 億ドル。2026 年は D-Fendを 15 億ドルで買う合意をし、約 10 億ドルを新たな借り入れで賄う(2026 年下期に完了見込み)。ベル・カナダの LMR 保守事業も年末に完了見込み。いずれも未成立なので筋書きには入れていない。

自社株買いは 2026 年第 2 四半期の平均が今の値段より約 1 割低い水準で、高値では買い増していない。株式報酬が年 2.9 億ドル出るので、自社株買い(年 12 億ドル前後)の約 4 分の 1 は株数を維持する分にあたる。本稿の payout_oku は配当+自社株買い−株式報酬で、資本(自己資本+純負債)は買収・設備投資を含めて売上に比例して増えるとして、その増加分を還元から引いた。将来の買収は価値中立として、別に売上や利益には足していない。

懸念は、金利が 5% 台で借り換えられる局面で純負債 83〜90 億ドルの利払いが 2028 年に年 4.5 億ドル台に増えること、買収が割高なとき(特に株価が高い局面)に価値を壊しうること。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

受注残は過去最高の 156 億ドルで、2026 年の見通しは 2 回続けて上げられた。無線は D シリーズ(米国の大きな州 3 つと大都市 3 つが採用に動いている)と UHF 端末の更新で下期に約 10% 成長し、APX NEXT の購読は 30 万件に近づく。Silvus は NATO・欧州の国防費(ドイツなど)で通年の売上 8.5 億ドルまで上がり、供給能力の拡張が 2027 年から効く。映像は +11%、コマンドセンターは +15% で、AI の通話支援(VESTA の assist 階層を 100% の受注に付ける)が単価を上げている。営業利益率は 2026 年に 170bp 上がる見込みで、ソフト・サービスの割合が上がり続ければ利益率はさらに上がる。

競合との比較でも優位がある。無線の切り替えは数年かかり、米国の入札では MSI と L3ハリスの寡占で、ヒテラは米国市場から締め出されている。アクソンは 35% 成長だが営業利益はまだ薄く、無線という守りの現金源を持たない。MSI は無線の現金(FCF 年 26 億ドル)で買収と還元の両方を回せる。

慎重な見方

今の値段は GAAP の PER 36 倍・PBR 32 倍で、成熟後の利益ベースの PER(中立で 20 倍。正当化 PER の上限 24.0 倍の 8.5 割)を大きく超える。2026 年上期の成長の一部(Silvus の通年化で約 5 億ドル、IEEPA の関税還付 0.6 億ドル=営業利益率で約 1.9 ポイント)は 1 回限りで、2027 年以降は年 7% 前後に鈍る。2026 年の「営業利益率 +170bp」にも還付が入っている。

映像と指令ではアクソンが 35% で成長し、ボディカメラ・Taser・記録・Axon 911 を 1 つの契約で売る。MSI は無線の人脈を使えるが、大都市の新規はアクソンに流れている。公共安全の通信は広帯域(FirstNet・Verizon・AT&T)へ移り、狭帯域の LMR の端末と基地局の更新は先送りされうる。更新サイクルは 15〜20 年ごとの大型調達で、米国の州・市の予算に左右される。

買収で伸びる経営はリスクでもある。2025 年に 49 億ドル、2026 年に D-Fend で 15 億ドルを使い、純負債÷EBITDA 2 倍を保つ。借り換えは 5.75% 前後で、利払いは利益を削る。株式報酬は年 2.9 億ドル。自己資本は 24 億ドルしかなく、ROE 89% は見かけの数字。計画どおり進んでも、倍率が成熟後の 20 倍前後へ縮めば、資本コスト 7.75% で割り引いた価値は今の値段に届かない。

どちらに重みを置いたか

強気の見方の中心は、受注残と見通しの引き上げ、無線の切り替えの費用、ソフト比率の上昇による利益率の拡大である。慎重な見方の中心は、今の PER 36 倍が成熟後の約 20 倍へ縮むこと、アクソンの追い上げ、広帯域への移行、買収と借金の重さである。10 年は構造的に負ける筋書き(やや悲観・悲観)を合計 32% に置いた。事業の質は高いが、倍率の縮みと利益の伸びが打ち消し合い、確率で加重した本質価値は今の時価総額を約 3 割下回る。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 486.10 ドル822 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 152.12 ドル257 億ドル)。 今の値に割り戻すと 335.18 ドル566 億ドル、今との差 −29.9%、 期待の年率 +2.9%(資本コスト 7.8%)→ やや割高

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 10% 739.29 ドル1,249 億ドル 198.82 ドル336 億ドル +96.3% +7.0% 93.81 ドル159 億ドル
やや楽観 23% 628.46 ドル1,062 億ドル 178.70 ドル302 億ドル +68.9% +5.4% 185.65 ドル314 億ドル
中立 35% 495.68 ドル838 億ドル 158.58 ドル268 億ドル +36.9% +3.2% 228.99 ドル387 億ドル
やや悲観 21% 351.30 ドル594 億ドル 126.63 ドル214 億ドル +0.0% +0.0% 100.37 ドル170 億ドル
悲観 11% 185.15 ドル313 億ドル 82.25 ドル139 億ドル −44.0% −5.6% 29.41 ドル50 億ドル
加重平均100% 486.10 ドル822 億ドル152.12 ドル257 億ドル +33.6% +2.9% 638.23 ドル1,079 億ドル

今の株価時価総額 477.81 ドル807 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。

楽観 10% 楽観:戦術メッシュと指令ソフトが広がり、売上 290 億ドル 利益 57 億ドル · PER 22.1 倍 · 株価時価総額 739.29 ドル1,249 億ドル

10 年後(2035 年 12 月期)の売上は 290.0 億ドル(今の 2.48 倍・年平均 +10%)、営業利益は 84.2 億ドル(利益率 29.0%)、GAAP の純利益は 56.5 億ドル(2025 年の 21.5 億ドルの 2.62 倍)。

内訳は無線とネットワーク 193.8(市場 444 億ドル相当 × シェア 31.0%)、映像 60.2(市場 854 億ドル相当 × シェア 5.0%)、コマンドセンター 36.0(市場 189 億ドル相当 × シェア 13.5%)(いずれも億ドル)。

無線の更新は 15〜20 年周期で繰り返され、米国の P25 網の大半が D シリーズや APX NEXT へ移る。Silvus の戦術メッシュは NATO・欧州の国防費の増加と無人機の普及で標準の位置を取り、無線全体のシェアを 26.2% から 31% へ上げる。映像はボディカメラ・車載・クラウドの一体運用で伸び、コマンドセンターは 119 番(緊急通報)の次世代化と AI 支援で市場の倍の速さで広がる。競合に勝った場合の利益は、売上が約 2.5 倍・営業利益率 29% で、純利益は今の 2.6 倍。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 24.6 倍の 9 割(22.1 倍)を事業の純利益に掛けて時価総額 1249 億ドル。

  • 公共安全の無線とネットワーク(LMR・インフラ・保守・Silvus):数量 13.7(業務用無線・公共安全の通信網(端末・インフラ・保守・戦術メッシュ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。1 台あたりの単価の変化は実質の市場額に入れる))→ 売上 194 億ドル・営業利益 57 億ドル。市場 444 億ドル相当(実質)× シェア 31.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • 映像セキュリティ(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ):数量 4.3(公共安全・企業向け映像(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。カメラの単価下落は実質の市場額に入れる))→ 売上 60 億ドル・営業利益 15 億ドル。市場 854 億ドル相当(実質)× シェア 5.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • コマンドセンター(通報・指令・記録ソフト):数量 2.6(緊急通報・指令・記録ソフトの実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数))→ 売上 36 億ドル・営業利益 12 億ドル。市場 189 億ドル相当(実質)× シェア 13.5%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)

倍率:無線の設備更新と映像・指令ソフトの重ね売りが続く最良の筋書き。上限から少し下げて置いた。 正当化 PER の上限は 24.6 倍(g 4.0%、RONIC 50.9%。RONIC = k 7.8% + 2/3 ×(事業の ROE 72.4% − k)。堀は強い)。その 9 割の 22.1 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 56.5 × 22.1 = 1249 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。

確率:無線の更新が繰り返され、Silvus が標準になり、映像と指令ソフトもシェアを上げる。ここまで揃うのは 1 割。

やや楽観 23% やや楽観:堀を保ったまま着実に伸び、売上 259 億ドル 利益 49 億ドル · PER 21.9 倍 · 株価時価総額 628.46 ドル1,062 億ドル

10 年後(2035 年 12 月期)の売上は 258.8 億ドル(今の 2.22 倍・年平均 +8%)、営業利益は 72.3 億ドル(利益率 27.9%)、GAAP の純利益は 48.5 億ドル(2025 年の 21.5 億ドルの 2.25 倍)。

内訳は無線とネットワーク 175.5(市場 422 億ドル相当 × シェア 29.5%)、映像 52.8(市場 814 億ドル相当 × シェア 4.6%)、コマンドセンター 30.5(市場 173 億ドル相当 × シェア 12.5%)(いずれも億ドル)。

無線は更新サイクルを守りながら年 +2.5% の実質成長、映像とコマンドセンターが全体を押し上げる。Silvus がシェアを 29.5% まで上げる。アクソンのボディカメラ・指令ソフトとの競争は続くが、無線の端末とインフラは切り替えの費用が大きく、顧客の維持率が高いので互換性で守れる。営業利益率は 28% 近辺で、会社の「年 170bp の拡大」が数年続いて頭打ちになる姿。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 24.3 倍の 9 割(21.9 倍)を事業の純利益に掛けて時価総額 1062 億ドル。

  • 公共安全の無線とネットワーク(LMR・インフラ・保守・Silvus):数量 12.4(業務用無線・公共安全の通信網(端末・インフラ・保守・戦術メッシュ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。1 台あたりの単価の変化は実質の市場額に入れる))→ 売上 176 億ドル・営業利益 50 億ドル。市場 422 億ドル相当(実質)× シェア 29.5%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • 映像セキュリティ(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ):数量 3.7(公共安全・企業向け映像(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。カメラの単価下落は実質の市場額に入れる))→ 売上 53 億ドル・営業利益 13 億ドル。市場 814 億ドル相当(実質)× シェア 4.6%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • コマンドセンター(通報・指令・記録ソフト):数量 2.2(緊急通報・指令・記録ソフトの実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数))→ 売上 31 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場 173 億ドル相当(実質)× シェア 12.5%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)

倍率:上限から少し下げて置いた。 正当化 PER の上限は 24.3 倍(g 4.0%、RONIC 45.7%。RONIC = k 7.8% + 2/3 ×(事業の ROE 64.7% − k)。堀は強い)。その 9 割の 21.9 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 48.5 × 21.9 = 1062 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。

確率:堀を保ったまま無線・映像・指令ソフトが市場並みからやや上で伸びる。買収と購読への移行を重ねてきた経営の実績から厚めに。

中立 35% 中立:無線は成熟し映像と指令ソフトが支えて、売上 230 億ドル 利益 41 億ドル · PER 20.4 倍 · 株価時価総額 495.68 ドル838 億ドル

10 年後(2035 年 12 月期)の売上は 229.5 億ドル(今の 1.96 倍・年平均 +7%)、営業利益は 61.2 億ドル(利益率 26.7%)、GAAP の純利益は 41.0 億ドル(2025 年の 21.5 億ドルの 1.90 倍)。

内訳は無線とネットワーク 158.7(市場 402 億ドル相当 × シェア 28.0%)、映像 44.7(市場 754 億ドル相当 × シェア 4.2%)、コマンドセンター 26.1(市場 157 億ドル相当 × シェア 11.8%)(いずれも億ドル)。

無線の市場は実質 +2% で成熟し、Silvus が戦術メッシュで 1〜2 ポイントのシェアを足す程度。映像と指令ソフトは AI 支援で伸びるが、アクソンがボディカメラ・指令・記録の一体提供で大きな自治体を取り、MSI のシェアは映像・指令とも横ばいにとどまる。営業利益率 26.7% は今の GAAP(25.6%)より少し上で、ソフトと購読の比率が上がる効果。競合に負けない筋書きでの純利益は 今の 1.9 倍。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 24.0 倍の 8.5 割(20.4 倍)を事業の純利益に掛けて時価総額 838 億ドル。

  • 公共安全の無線とネットワーク(LMR・インフラ・保守・Silvus):数量 11.3(業務用無線・公共安全の通信網(端末・インフラ・保守・戦術メッシュ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。1 台あたりの単価の変化は実質の市場額に入れる))→ 売上 159 億ドル・営業利益 44 億ドル。市場 402 億ドル相当(実質)× シェア 28.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • 映像セキュリティ(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ):数量 3.2(公共安全・企業向け映像(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。カメラの単価下落は実質の市場額に入れる))→ 売上 45 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場 754 億ドル相当(実質)× シェア 4.2%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • コマンドセンター(通報・指令・記録ソフト):数量 1.9(緊急通報・指令・記録ソフトの実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数))→ 売上 26 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場 157 億ドル相当(実質)× シェア 11.8%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)

倍率:上限から一段下げて置いた。 正当化 PER の上限は 24.0 倍(g 4.0%、RONIC 40.5%。RONIC = k 7.8% + 2/3 ×(事業の ROE 56.9% − k)。堀は強い)。その 8.5 割の 20.4 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 41.0 × 20.4 = 838 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。

確率:無線は成熟し、映像と指令ソフトが支える常識的な姿。アクソンの追い上げと無線の更新の両方を織り込んだ落としどころ。

やや悲観 21% やや悲観:広帯域の無線と競合に削られ、売上 198 億ドル 利益 32 億ドル · PER 18.7 倍 · 株価時価総額 351.30 ドル594 億ドル

10 年後(2035 年 12 月期)の売上は 197.5 億ドル(今の 1.69 倍・年平均 +5%)、営業利益は 47.6 億ドル(利益率 24.1%)、GAAP の純利益は 31.8 億ドル(2025 年の 21.5 億ドルの 1.48 倍)。

内訳は無線とネットワーク 140.4(市場 383 億ドル相当 × シェア 26.0%)、映像 36.8(市場 705 億ドル相当 × シェア 3.7%)、コマンドセンター 20.3(市場 137 億ドル相当 × シェア 10.5%)(いずれも億ドル)。

公共安全の通信が広帯域(FirstNet・Verizon・AT&T の PTT 契約)へ移り、狭帯域の LMR の端末と基地局の更新が遅れ、無線のシェアが 26% に下がる。映像はベルカダのクラウドカメラと中国製の安いカメラ、指令ソフトはアクソンの Axon 911 やヘキサゴン(Hexagon)に価格を下げられる。営業利益率は 24% 台。競合に負けた場合の純利益は今より 5 割増にとどまる。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 23.3 倍の 8 割(18.7 倍)を事業の純利益に掛けて時価総額 594 億ドル。

  • 公共安全の無線とネットワーク(LMR・インフラ・保守・Silvus):数量 10.0(業務用無線・公共安全の通信網(端末・インフラ・保守・戦術メッシュ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。1 台あたりの単価の変化は実質の市場額に入れる))→ 売上 140 億ドル・営業利益 35 億ドル。市場 383 億ドル相当(実質)× シェア 26.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • 映像セキュリティ(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ):数量 2.6(公共安全・企業向け映像(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。カメラの単価下落は実質の市場額に入れる))→ 売上 37 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 705 億ドル相当(実質)× シェア 3.7%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • コマンドセンター(通報・指令・記録ソフト):数量 1.4(緊急通報・指令・記録ソフトの実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数))→ 売上 20 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 137 億ドル相当(実質)× シェア 10.5%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)

倍率:上限から下げて低めに置いた。 正当化 PER の上限は 23.3 倍(g 4.0%、RONIC 32.0%。RONIC = k 7.8% + 2/3 ×(事業の ROE 44.2% − k)。堀は強い)。その 8 割の 18.7 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 31.8 × 18.7 = 594 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。

確率:広帯域の公共安全網への移行とアクソン・ベルカダの競争でシェアを削られる。10 年の構造変化として 2 割強。

悲観 11% 悲観:無線の堀が薄れ、普通の通信機器会社に戻る 利益 19 億ドル · PER 16.6 倍 · 株価時価総額 185.15 ドル313 億ドル

10 年後(2035 年 12 月期)の売上は 153.9 億ドル(今の 1.32 倍・年平均 +3%)、営業利益は 29.1 億ドル(利益率 18.9%)、GAAP の純利益は 18.9 億ドル(2025 年の 21.5 億ドルの 0.88 倍)。

内訳は無線とネットワーク 112.7(市場 340 億ドル相当 × シェア 23.5%)、映像 27.5(市場 610 億ドル相当 × シェア 3.2%)、コマンドセンター 13.7(市場 108 億ドル相当 × シェア 9.0%)(いずれも億ドル)。

無線の堀が薄れる。広帯域の公共安全網(FirstNet 系)が LMR の端末とインフラの大半を置き換え、残った LMR も中国のヒテラや欧州のシェペラ(Sepura)が価格を下げる。Silvus は L3ハリスやアンドゥリルなどの戦術無線に市場を分けられる。映像と指令ソフトはアクソンが一体提供で取り、MSI は小さな顧客の保守に退く。営業利益率は 19% まで下がり、「替えの利かない無線の会社」から「普通の通信機器会社」へ。純利益は今より 1 割少なく、倍率も約 17 倍。成熟後の倍率は、g 4.0% の正当化 PER の上限 22.1 倍の 7.5 割(16.6 倍)を事業の純利益に掛けて時価総額 313 億ドル。

  • 公共安全の無線とネットワーク(LMR・インフラ・保守・Silvus):数量 8.0(業務用無線・公共安全の通信網(端末・インフラ・保守・戦術メッシュ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。1 台あたりの単価の変化は実質の市場額に入れる))→ 売上 113 億ドル・営業利益 23 億ドル。市場 340 億ドル相当(実質)× シェア 23.5%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • 映像セキュリティ(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ):数量 2.0(公共安全・企業向け映像(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数。カメラの単価下落は実質の市場額に入れる))→ 売上 28 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 610 億ドル相当(実質)× シェア 3.2%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)
  • コマンドセンター(通報・指令・記録ソフト):数量 1.0(緊急通報・指令・記録ソフトの実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2025 年 = 10 とした指数))→ 売上 14 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 108 億ドル相当(実質)× シェア 9.0%、価格指数 1.41(2025 年 = 1.00)

倍率:堀が壊れる側なので最も低く置いた。 正当化 PER の上限は 22.1 倍(g 4.0%、RONIC 23.2%。RONIC = k 7.8% + 2/3 ×(事業の ROE 31.0% − k)。堀は強い)。その 7.5 割の 16.6 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 18.9 × 16.6 = 313 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。

確率:無線の堀が薄れ、映像・指令でも負けて普通の通信機器会社になる構造的な負け。MSI の切り替えの費用の高さを踏まえ 1 割強にとどめた。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

公共安全の無線とネットワーク(LMR・インフラ・保守・Silvus)

警察・消防・救急などの業務用無線機、基地局(ASTRO・D シリーズ)、15〜20 年の保守契約、戦術メッシュ無線(Silvus)、APX NEXT の購読。

数量業務用無線・公共安全の通信網(端末・インフラ・保守・戦術メッシュ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア価格物価指数(2025 年 = 10 とした指数。1 台あたりの単価の変化は実質の市場額に入れる)売上営業利益
今 2025/12 8.7 10 87 23
10 年後 中立 11.3 14 159 44

取り方:2025 年の製品・システム統合 72.5 億ドルの 84% が MCN(無線)で約 61 億ドル、ソフト・サービス 44.3 億ドルの 58% が MCN で約 26 億ドル、合わせて 86.6 億ドル(10-K の構成比からの逆算で、Silvus の 2025 年 8〜12 月分を含む)。市場は調査会社の 230〜360 億ドル(2026 年)の中間と戦術メッシュ分を合わせて 330 億ドルと置き、シェア 26.2%(狭い定義の 20〜40% の範囲)。営業利益は全社の GAAP 29.9 億ドルを事業へ配分した推定で利益率 26.6%(ソフト・サービスの営業利益率 27.7%・製品 24.3% からの置き方)。価格は物価並み。

映像セキュリティ(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ)

アビジロン・ペルコのカメラと映像管理ソフト、出入管理(Openpath)、ボディカメラ・車載カメラ(SPX)、ナンバー読取(Vigilant)。

数量公共安全・企業向け映像(カメラ・管理ソフト・出入管理・ボディカメラ)の実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア価格物価指数(2025 年 = 10 とした指数。カメラの単価下落は実質の市場額に入れる)売上営業利益
今 2025/12 2.1 10 21 4
10 年後 中立 3.2 14 45 10

取り方:映像の 2025 年の売上は第三者推定で約 21 億ドル(前年比 +10%。製品の 16% の約 11.6 億ドル+ソフト・サービス側の映像)。中国国内を除いた到達できる市場を 500 億ドルと置きシェア 4.2%。競合:アクソン・アクシス(Axis)・ハンファ・ジェネテック・ベルカダ。営業利益率は 20.5%(推定)。価格は物価並み。

コマンドセンター(通報・指令・記録ソフト)

119 番の受付・出動指令(VESTA・CAD)・記録・AI の通話支援。米国内を中心に、自治体の指令センターへのソフト購読。

数量緊急通報・指令・記録ソフトの実質市場(2025 年価格の 10 億ドル)× シェア価格物価指数(2025 年 = 10 とした指数)売上営業利益
今 2025/12 0.9 10 9 3
10 年後 中立 1.9 14 26 8

取り方:全社 116.8 億ドルから無線 86.6 と映像 21.0 を引いた残り 9.2 億ドル(2026 年の成長見通しは約 15%)。市場を 80 億ドル、シェア 11.5% と推定(競合:アクソンの Axon 911・ヘキサゴン・タイラー〈Tyler〉・モトローラ自身の VESTA)。営業利益率は 28%(ソフトの水準・推定)。価格は物価並み。

リスクと懸念

買収への依存と借金の重さ

2025 年は 4 件の買収に 49 億ドル、2026 年は D-Fend に 15 億ドル。純負債÷EBITDA は約 2 倍で、借り換えは 5.75% 前後になる。割高な買収が続くと価値を壊し、景気の悪化で EBITDA が落ちると配当と自社株買いが圧迫される。

アクソンの追い上げ(ボディカメラ・指令・記録)

アクソンは年 3 割台で伸び、ボディカメラ・Taser・記録・Axon 911 を一体で売る。MSI は無線の顧客基盤を使えるが、大都市の新規でシェアを落とすと、映像と指令ソフトの成長が市場以下になる。

広帯域への移行(FirstNet・LTE の PTT)

公共安全の通信が LMR から広帯域へ移ると、無線の端末と基地局の更新が遅れ、15〜20 年周期の更新需要が弱まる。MSI は APX NEXT と Silvus で広帯域側も持つが、ハードの高い利益率は下がりうる。

州・市の予算と更新サイクル

D シリーズのような大型更新は米国の州・市の予算に左右され、景気の悪化や国の補助金の変更で 1 年ずれることがある。受注残 156 億ドルは売上の約 1.2 年分なので、新規の発注が止まれば 2 年目から効く。

メモリ高騰と関税

MSI の直接のメモリ費用は 2026 年に約 1.5 億ドル(2025 年の約 3 倍)に増え、映像のサーバーなど一部は値上げで転嫁している。2026 年第 2 四半期の関税還付 0.6 億ドル(営業利益率で 1.9 ポイント)は 1 回限りで、通年の関税の影響は中立。

Silvus の集中と供給能力

Silvus は 2026 年に約 8.5 億ドルで全社の 1 割弱、成長率は 3 割前後と高い。供給能力(ロサンゼルス・ソルトレイクの新工場は 2027 年から)が成長を決め、防衛予算の組み替えや競合(ペルシスタント・アンドゥリル)で急に鈍ることがある。

値段が高いこと(倍率の縮み)

今の GAAP の PER 36 倍・PBR 32 倍は、成熟後の利益ベースの PER(中立 20 倍)と過去 16 期の PER の中央値 30 倍を上回る。利益が毎年 6〜7% 伸びても、倍率が縮めば株価の伸びは利益の伸びより低くなる。

今後の分かれ目

下期の LMR が見通しの約 10% 成長を超え、D シリーズの大型契約(州・大都市)が 2027 年にも続いたら
楽観・やや楽観の確率を 5 ポイント上げ、無線のシェアを 0.5〜1 ポイント上方へ。ただし倍率は成熟後の 20〜22 倍で、時価総額の上振れは限られる。
アクソンがボディカメラ・指令で大都市の新規を取り続け、MSI の映像の伸びが 5% を下回ったら
映像と指令ソフトのシェアを下方へ置き直し、10 年のやや悲観の確率を 5 ポイント上げる。無線の現金は守られるので悲観までは動かさない。
D-Fend 買収が 15 億ドルで完了し、純負債÷EBITDA が 2.3 倍を超えたら
自社株買いのペースが落ちる合図。payout を下げ、金利 5.75% の利払いを純利益から引く。買収で売上と利益が増えるぶんは別に足す。
州・市の予算の悪化で受注残が 150 億ドルを割り、受注が 2 四半期続けて前年を下回ったら
受注残が売上の約 1.2 年分なので、2 年目から売上に効く。
Silvus の売上が 2027 年に 10 億ドルを超え、ソルトレイクの新工場が予定どおり立ち上がったら
無線の市場を戦術メッシュ分だけ上方へ、シェアを 1〜2 ポイント上方へ。営業利益率も 0.5 ポイント上げる。
広帯域(FirstNet・LTE の PTT)の契約が LMR の端末の更新に置き換わる動きが出たら
10 年のやや悲観の確率を厚くし、無線の実質成長を 2% から 1% へ下げる。APX NEXT の購読の伸びで補えるかを確認する。

見ておくもの

  • 下期の LMR の成長率(見通しは約 10%)と D シリーズのインフラ出荷(第 4 四半期から)、受注残(156 億ドル)の方向
  • Silvus の売上(2026 年は約 8.5 億ドル)とソルトレイクの新工場の立ち上がり時期
  • 映像の成長率(見通し +11%)とアクソンの Axon 911・ボディカメラの大都市での採用
  • 純負債÷EBITDA(約 2 倍)と D-Fend・ベル・カナダの買収の完了と借入額、自社株買いのペース
  • 営業利益率(2026 年は +170bp の見通し。関税還付は 1 回限り)とメモリ費用(約 1.5 億ドル)

倍率と資本コストの決め方

今の PER・PBR や過去の倍率には寄せていない。10 年後の倍率は、利益ベースの正当化 PER = (1−g/RONIC)/(k−g)(k 7.75%、g 4.0%、RONIC = k + 残る割合 ×(事業の ROE − k)、堀は強い)の上限に対し、楽観 9 割・やや楽観 9 割・中立 8.5 割・やや悲観 8 割・悲観 7.5 割 で置いた。中立は上限 24.0 倍の 8.5 割で、事業の純利益に 20.4 倍。純利益は GAAP(株式報酬と買収の償却は費用)。総合は今の時価総額に対し -27.6% で、やや割高。結論は計算の結果で、先に決めたものではない。

資本コスト 7.8% = 無リスク金利 5% + β 0.92 × 5%。k = 基本 8.0% + quality −0.25% = 7.75%。β は使わない。景気に強い公共安全の予算(−0.25)と、標準規格と長期保守契約で更新を通しやすい値決め力(−0.25)を下げ、買収で純負債が EBITDA の約 2 倍に増えたこと(+0.25)を足した。強い堀なので下げ幅は −0.5% 以内。アクソンの追い上げ・広帯域への移行・買収の失敗は筋書きと確率(10 年のやや悲観・悲観 32%)で表し、k には二重に足していない。extra は置かない。

同じ業種(情報技術)の AI 分析

やや割安 ゴーダディGDDY FCF の約 13% が株主に戻る定期課金の事業。AI で入口を奪われる恐れを 4 割超の確率で織り込んでも、資本コストを超える稼ぎが先で薄れる倍率で測ると、確率で加重した価値は今より約 3 割高く「やや割安」 本質価値との差 +23.3% · 10 年 やや割安(年 +8.8%) やや割安 ジェン・デジタルGEN 消費者向けの防御と身元保護で解約の少ない定額収入を持つが、借金が重い。利益ベースの上限で倍率を置いてもやや割安で、悲観では借金が株主価値を削る 本質価値との差 +20.2% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) 適正 アップラビンAPP 配信 AI の稼ぐ力は突出するが、プラットフォーム依存と規制の影が重い。利益ベースの正当化 PER で測ると、悲観を厚く置いて「適正」まで下がる 本質価値との差 −2.1% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 エヌビディアNVDA AI 計算の事実上の標準を握る稼ぐ力は桁違いで、今の時価総額は確率で加重した価値を 4% ほど上回るだけの適正水準で、安全域は薄い 本質価値との差 −3.0% · 10 年 適正(年 +7.1%) やや割高 マイクロソフトMSFT AI 時代でも堀は広がる世界最強級の事業。ただし利益ベースの正当化 PER(中立で事業 約 18 倍)で測ると、今の時価総額は事業の質を先に払いすぎている 本質価値との差 −15.7% · 10 年 やや割高(年 +4.9%) やや割高 ベリサインVRSN ドメイン名 .com と .net の登録簿を握る契約型の独占。事業の質は最高水準で、今の値段は契約どおりの値上げが続く前提を先に織り込んでいる 本質価値との差 −15.8% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 CDWCDW 再販の薄利でも資本は軽く還元が厚い。利益ベースで見ると今の値段はほぼ妥当だが、クラウド直販・AI 調達の直買いで取り分が削られる危うさは残る 本質価値との差 −17.2% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 ブロードコムAVGO AI の特注チップと VMware で稼ぐ力は急拡大しているが、今の時価総額は確率で加重した価値より 2 割強高く、やや割高 本質価値との差 −18.8% · 10 年 やや割高(年 +5.3%) やや割高 スカイワークス・ソリューションズSWKS クォルボとの合併で RF 部品の最大手級になったが、売上の 5 割強がアップル。利益率が戻っても、利益ベースの正当化 PER で割ると今の時価総額には届かない 本質価値との差 −19.8% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 NXP セミコンダクターズNXPI GAAP の PER 29 倍は谷の利益。利益ベースの正当化 PER で割ると、本質価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 −20.6% · 10 年 やや割高(年 +4.8%) やや割高 クアルコムQCOM スマホが縮む間に車載・IoT と AI データセンターが穴を埋められるかが全て。埋まる前提でも、利益ベースの正当化 PER で割ると今の時価総額には届かない 本質価値との差 −20.8% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 スーパー・マイクロ・コンピューターSMCI 売上は急増しても粗利益率 10% 前後の薄利で、AI 投資の谷と統制の問題を悲観に厚く織り込んでも、今の値段は本質価値を 2 割ほど上回る(強制転換優先株を含む時価総額 251 億ドルで比べた場合) 本質価値との差 −24.3% · 10 年 やや割高(年 +5.4%) やや割高 TE コネクティビティTEL 自動車の景気循環と AI・送電網の追い風を併せ持つ接続部品の首位。GAAP の利益の 20 倍という値段は、成長が続いても本質価値を 4 割ほど上回る 本質価値との差 −26.4% · 10 年 やや割高(年 +3.8%) やや割高 KLAコーポレーションKLAC 検査・計測で約 6 割を握る、堀の深い優良な装置会社。ただし今の時価総額は山の利益と高い倍率を先取りしている 本質価値との差 −27.5% · 10 年 やや割高(年 +3.7%) 割高 ジェイビルJBL AI データセンター向けの急成長で利益は伸びるが、大口顧客に価格を握られる薄利の受託製造。成長を先取りした、割高な値段 本質価値との差 −30.2% · 10 年 割高(年 +3.6%) 割高 アナログ・デバイセズADI データセンターと試験装置の需要で利益は急回復したが、利益ベースの正当化 PER(中立 17〜18 倍)で測ると、今の時価総額は山の利益の継続を大きく先取りしている 本質価値との差 −31.2% · 10 年 割高(年 +2.9%) 割高 アンフェノールAPH AI 設備投資の山に乗った接続部品の王者。堀は厚いが、利益が山の高さで評価されており、中立でも今の値段に安全域が無い 本質価値との差 −32.4% · 10 年 割高(年 +3.2%) 割高 HPインクHPQ 利益の 6 割を生む印刷の消耗品が年 3% ずつ縮み、パソコンは高騰したメモリの転嫁で稼ぐ。現金を生む力は本物だが、利益ベースの倍率では今の値段に安全域は無い 本質価値との差 −34.3% · 10 年 割高(年 +3.0%) 割高 オン・セミコンダクターON 電力半導体の谷から利益は戻りつつあるが、SiC は価格と競合で筋書きが割れる。利益ベースの正当化 PER で割ると、確率で加重した本質価値は今を 3 割ほど下回る 本質価値との差 −35.0% · 10 年 割高(年 +3.4%) 割高 フレックスFLEX AI データセンター向けの伸びは本物だが、受託製造は薄利で、確率で加重した価値は今の時価総額を 5 割近く下回る 本質価値との差 −36.9% · 10 年 割高(年 +3.3%) 割高 ヒューレット・パッカード・エンタープライズHPE AI サーバーとジュニパーで利益が急に膨らんだが、薄利のサーバーと循環が重く、今の値段は成長の持続をかなり織り込んでいる 本質価値との差 −37.0% · 10 年 割高(年 +3.0%) 割高 マーベル・テクノロジーMRVL 接続部品の堀は深く AI 投資の恩恵は大きい。グーグル依存と競合を織り込んでも、倍率を利益ベースの正当化 PER で置くと、本質価値は今の時価総額を 4 割ほど下回る 本質価値との差 −37.7% · 10 年 割高(年 +3.9%) 割高 キューニティー・エレクトロニクスQ 半導体の研磨・洗浄・露光の消耗材と AI 向けの先端パッケージ・基板材料を持つ優良な材料会社。ただし分離後の借金と今の倍率で、本質価値は今の時価総額を 4 割強下回る 本質価値との差 −38.0% · 10 年 割高(年 +2.4%) 割高 テキサス・インスツルメンツTXN 工場投資の山を越えて稼ぐ力は戻ったが、今の時価総額は循環の回復と高い成長をすでに先取りしている 本質価値との差 −40.1% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 アップルAAPL 世界最強クラスの堀と資本効率は本物だが、今の値段は 10 年後の利益を最良に近い形で先取りしており、安全域が無い 本質価値との差 −40.7% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 テレダイン・テクノロジーズTDY 赤外線・計測・防衛電子を買収で束ねた堅い優良企業。ただし GAAP で測る資本効率は低く、今の値段は 10 年の成長を先取りしている 本質価値との差 −41.5% · 10 年 割高(年 +1.2%) 割高 アカマイ・テクノロジーズAKAM 配信の縮みをセキュリティとクラウド基盤が埋める途中の会社。アンソロピック契約で売上の見通しは上がったが、設備投資で資本の効率は薄く、利益ベースで測ると今の値段は割高 本質価値との差 −42.3% · 10 年 割高(年 +3.1%) 割高 オラクルORCL データベースの堀は本物だが、AI 基盤への巨額の借金投資とオープンエーアイ 1 社への依存が、事業の質に見合わない大きな悲観の裾を作っている 本質価値との差 −42.7% · 10 年 割高(年 +2.1%) 割高 ラムリサーチLRCX エッチングと成膜で先端メモリとロジックの増設を支える優良な装置会社。ただし今の時価総額は山の利益を先取りしている 本質価値との差 −42.9% · 10 年 割高(年 +1.5%) 割高 コグニザント・テクノロジー・ソリューションズCTSH 開発・保守の人月は AI エージェントの標的で、売上が縮む前提で見ると今の時価総額は割高(-37%) 本質価値との差 −43.8% · 10 年 割高(年 +0.9%) 割高 シノプシスSNPS 設計ソフトの 2 強にアンシスを加えて事業の幅は最大だが、稼ぎが先で薄れる倍率で測ると、今の約 65 倍は先の成長を織り込みすぎ 本質価値との差 −44.5% · 10 年 割高(年 +1.3%) 割高 ネットアップNTAP 全フラッシュとクラウドで利益は伸びたが、NAND 高騰の値上がりの山にいて、今の値段はその高さの持続を前提にしている 本質価値との差 −44.5% · 10 年 割高(年 +1.1%) 割高 ゼブラ・テクノロジーズZBRA 業務用端末とラベル印刷の堀は厚く還元力も高いが、2026 年の好調を織り込んだ今の値段は、本質価値の 2 倍近い 本質価値との差 −44.8% · 10 年 割高(年 +0.9%) 割高 アドビADBE 制作ソフトの席は生成 AI で技能の壁が下がり、置き換えの側に回る。PER 13.6 倍でも成長を前提にした値段は割高(-39%) 本質価値との差 −44.8% · 10 年 割高(年 +0.3%) 割高 シスコシステムズCSCO ネットワークの老舗が AI で息を吹き返したが、利益の質は並みで、今の値段は成長を大きく先取りしている 本質価値との差 −45.0% · 10 年 割高(年 +0.4%) 割高 アプライド・マテリアルズAMAT 成膜を軸に装置の最も広い品ぞろえを持つ優良な装置会社。ただし今の時価総額は山の利益を先取りしている 本質価値との差 −45.6% · 10 年 割高(年 +1.2%) 割高 マイクロチップ・テクノロジーMCHP データセンター・防衛・産業の回復で利益は急回復中だが、利益ベースの正当化 PER で測ると、今の時価総額は中立の筋書きの先まで織り込んでいる 本質価値との差 −45.9% · 10 年 割高(年 +1.3%) 割高 ローパー・テクノロジーズROP 買収で伸びる GAAP の ROE 7〜8% の会社を稼ぎが先で薄れる倍率で測り、AI で縦型ソフトの堀が狭まる筋書きを厚く置くと、今の値段より割高 本質価値との差 −48.5% · 10 年 割高(年 −0.1%) 割高 デル・テクノロジーズDELL AI サーバーで売上が急膨張しても、中身は薄利の組み立てと再販。利益の質と循環の山を考えると、今の値段は先を多めに織り込んでいる 本質価値との差 −50.9% · 10 年 割高(年 +0.6%) 割高 ウエスタンデジタルWDC HDD の 2 社寡占で利益率が 4 割に乗った山の頂。契約が切れた後の利益で測る本質価値は今の時価総額を 5 割ほど下回る 本質価値との差 −52.0% · 10 年 割高(年 −0.7%) 割高 ケイデンス・デザイン・システムズCDNS EDA の 2 強の一角で事業の質は高いが、株式報酬を費用に入れた利益で測ると今の値段は成長の先まで織り込みすぎ 本質価値との差 −52.6% · 10 年 割高(年 −0.9%) 割高 インテュイットINTU 確定申告と中小会計の入口を AI の汎用アシスタントが奪いうる。帳簿の記録は強いが、席と入口の売上を抑えて見ると割高(-54%) 本質価値との差 −57.5% · 10 年 割高(年 −2.1%) 割高 テラダインTER AI 向け半導体テストで急成長する複占の一角。利益は 1 年で 2.5 倍になったが、今の時価総額はその先まで織り込んでいる 本質価値との差 −58.1% · 10 年 割高(年 −1.5%) 割高 アクセンチュアACN AI を使う側でも人月で売る限り売上は縮む。規模と提携の強さを認めても、今の時価総額は割高(-54%) 本質価値との差 −59.3% · 10 年 割高(年 −2.4%) 割高 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)AMD AI チップと EPYC で成長は急だが、10 年の楽観の筋書きでも年率が資本コストに届かない水準まで、値段が先に払っている 本質価値との差 −59.7% · 10 年 割高(年 −1.3%) 割高 モノリシック・パワー・システムズMPWR AI サーバー向け電源で利益は急増中だが、GAAP の PER 94 倍は山の利益を先に払っている。利益ベースの正当化 PER で割ると、本質価値は今を大きく下回る 本質価値との差 −60.7% · 10 年 割高(年 −2.1%) 割高 キーサイト・テクノロジーKEYS AI の計測需要で受注が 5 割超伸びた計測器の首位。GAAP の利益の約 40 倍という値段は、需要の山を恒常と置いている 本質価値との差 −61.3% · 10 年 割高(年 −2.6%) 割高 マイクロン・テクノロジーMU AI 需要で DRAM・NAND の利益が山の頂に立ったが、山の後の利益で測る本質価値は今の時価総額を 6 割下回る 本質価値との差 −61.5% · 10 年 割高(年 −3.3%) 割高 ファーストソーラーFSLR 営業利益のほぼ全てが 2029 年末から薄れる製造税額控除。控除後の事業は資本コストに届かず、10 年後の中立でも今の時価総額の 6 割弱にとどまる 本質価値との差 −61.9% · 10 年 割高(年 −2.0%) 割高 シーゲイト・テクノロジーSTX HDD は AI のデータ保存で利益が山の頂に。山の後の利益で測ると、本質価値は今の時価総額を 6 割ほど下回る 本質価値との差 −62.2% · 10 年 割高(年 −2.7%) 割高 フォーティネットFTNT ネットワークとセキュリティを一体で売る優良企業で、2026 年は更新の山で急成長。ただ山の後を見ると今の値段は先走りすぎ 本質価値との差 −63.0% · 10 年 割高(年 −3.0%) 割高 F5FFIV アプリの入口を握る堅実なインフラ・ソフト会社だが、純現金を足しても今の値段は 10 年後の姿を先取りしている 本質価値との差 −63.9% · 10 年 割高(年 −3.0%) 割高 サンディスクSNDK NAND の価格高騰で利益が 22 倍になった山の頂。山の後の利益で測ると、本質価値は今の時価総額を 6 割以上下回る 本質価値との差 −64.8% · 10 年 割高(年 −4.4%) 割高 コヒレントCOHR AI の光接続の中心で垂直統合の堀を持つが、足元の急成長が続く前提の今の値段は、式で測ると本質価値を大きく上回る 本質価値との差 −65.0% · 10 年 割高(年 −1.2%) 割高 ガートナーIT 調査の席課金は AI の回答に置き換えられる側。維持率 85% では堀の証拠にならず、今の時価総額は割高(-63%) 本質価値との差 −65.3% · 10 年 割高(年 −3.7%) 割高 IBMIBM メインフレームの堀とソフトは残るが、コンサルの人月は AI エージェントに削られ、利益の倍率を抑えると割高(-63%) 本質価値との差 −65.9% · 10 年 割高(年 −3.9%) 割高 アリスタ・ネットワークスANET データセンターのイーサネット首位で利益率は最高水準だが、顧客 2 社への集中と競争を考えると、今の値段は成長を先取りしすぎている 本質価値との差 −66.2% · 10 年 割高(年 −2.9%) 割高 コーニングGLW 光ファイバで AI の配線を押さえ業績は急伸しているが、GAAP の利益の 60 倍という今の値段は、計画どおりに進んでも届かない水準にある 本質価値との差 −67.2% · 10 年 割高(年 −3.7%) 割高 PTCPTC 設計・製品データの堀は認めるが、席課金の面は AI に削られ、買収提示額が織り込まれた今の時価総額は割高(-67%) 本質価値との差 −67.6% · 10 年 割高(年 −4.5%) 割高 シエナCIEN AI データセンター間の光伝送で首位級だが、利益の急伸は供給不足の局面の面が強く、今の値段は 10 年先の成長まで先取りしている 本質価値との差 −71.5% · 10 年 割高(年 −4.2%) 割高 トリンブルTRMB 建設ソフトと物流ソフトの席は AI に削られ、測量機器の現場は残る。成長期待を剥がすと今の時価総額は割高(-72%) 本質価値との差 −73.5% · 10 年 割高(年 −6.0%) 割高 パロアルトネットワークスPANW ファイアウォールからセキュリティ全体の「束ね役」へ。事業の質は高いが、株式報酬を引いた利益に対して値段が先を行き過ぎている 本質価値との差 −74.2% · 10 年 割高(年 −5.9%) 割高 パランティア・テクノロジーズPLTR 政府と企業の AI 基盤として強い堀を築きつつあるが、楽観の筋書きでも 10 年の年率が資本コストに届かない極端な高値 本質価値との差 −75.2% · 10 年 割高(年 −5.5%) 割高 セールスフォースCRM 営業・サービスの席は AI エージェントが肩代わりする本丸。自社の AI は売上の 4% 弱で、席の減りを埋めるには足りず、今の時価総額は割高(-74%) 本質価値との差 −75.3% · 10 年 割高(年 −6.8%) 割高 タイラー・テクノロジーズTYL 自治体の基幹ソフトという記録の正本の堀は本物。それでも成長の期待が剥がれると割高(-76%) 本質価値との差 −78.3% · 10 年 割高(年 −8.5%) 割高 オートデスクADSK 設計ソフトの席は生成 AI で減る側。ファイル形式の標準という堀は認めるが、GAAP で PER 約 46 倍の値段は割高(-77%) 本質価値との差 −78.5% · 10 年 割高(年 −8.5%) 割高 フェア・アイザックFICO 信用スコアの標準という記録の堀は本物。ただし価格の根拠が規制当局の裁量に移り、AI は主因でなくても今の値段は割高(-79%) 本質価値との差 −80.1% · 10 年 割高(年 −8.2%) 割高 インテルINTC 需要の逼迫で本業は立ち直ったが、ファウンドリの赤字と薄い稼ぐ力に対し、今の時価総額は工場の成功まで先に払っている 本質価値との差 −80.2% · 10 年 割高(年 −7.6%) 割高 ルメンタム・ホールディングスLITE 光レーザーと OCS で AI の通信を支える優良な部品会社だが、売上の山を前提にした今の値段は、景気の中間の利益で測ると大きく割高 本質価値との差 −82.9% · 10 年 割高(年 −7.8%) 割高 ワークデイWDAY 人事・財務の記録を握る堀はあるが、課金単位の従業員数が AI で縮む。GAAP の利益が小さい今の値段は割高(-83%) 本質価値との差 −84.1% · 10 年 割高(年 −10.5%) 割高 データドッグDDOG 可観測性の首位で質は高く成長も 3 割台。ただ時価総額は売上予想の約 20 倍で、株式報酬を費用に入れると 10 年後の価値を割り引いても今の値段に届かない 本質価値との差 −86.7% · 10 年 割高(年 −11.4%) 割高 クラウドストライクCRWD セキュリティ基盤として質は高く成長も加速中。ただ時価総額は売上予想の約 38 倍で、10 年後の価値を割り引いても今の値段には遠く届かない 本質価値との差 −87.6% · 10 年 割高(年 −12.7%) 割高 サービスナウNOW 業務の台帳としての堀は認めるが、席課金は AI エージェントに揺さぶられ、成長の期待が剥がれると割高(-91%) 本質価値との差 −91.5% · 10 年 割高(年 −16.6%)

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読んだ資料

  1. Motorola Solutions 2026 年第 2 四半期決算(8-K・セグメント・見通し・自社株買い)
  2. Motorola Solutions 2025 年通期決算(8-K・セグメント・自社株買い・配当)
  3. Motorola Solutions Q2 2026 説明会の文字起こし(成長率・Silvus・D-Fend・資本配分)
  4. Motorola Solutions 年次報告(10-K の抜粋・技術別の構成比)
  5. Land Mobile Radio Market(MarketsandMarkets・市場規模と競合)
  6. Axon 2026 年第 2 四半期決算(8-K・競合の成長)
  7. Motorola Solutions(Morningstar・時価総額と株数)

分析日 2026-10-16