結論
テラダイン(Teradyne)は、半導体の検査に使う自動テスター(SoC・メモリ・AI 向けの HBM と GPU の試験)を主力に、プロダクトテスト(記憶装置・防衛・無線の試験機)と、協働ロボットの UR・自律搬送ロボットの MiR を持つ会社である。2026 年 12 月期は、上半期の実績(売上 26.1 億ドル・GAAP 営業利益 9.1 億ドル・純利益 7.7 億ドル)と第 3 四半期の見通しから、売上 約 52 億ドル(2025 年の 31.9 億ドルの 1.6 倍)、GAAP の営業利益 約 16 億ドル、純利益 約 14 億ドルと見る。2025 年の純利益 約 5.5 億ドルの 2.5 倍で、AI のコンピュート向け SoC テストが前年比で約 6 倍に伸びたことが効いている。
売上は事業ごとに「市場 × シェア × 価格」で積んだ。SoC(システムレベルテスト含む)は市場 約 110 億ドル × シェア 31%、メモリは 約 33 億ドル × 27%、ロボティクスは協働ロボットと産業用 AMR の市場 約 40 億ドル × 10% である。競合はアドバンテスト(Advantest)で、先端 GPU を握る相手にシェアを奪われるか、特注チップと 2 社調達でシェアを取るかが筋書きの分かれ目になる。中立では、WFE(ウエハー製造装置)の 2028 年の山から 2029 年に調整が入り、シェアは 31% のまま、2029 年の純利益は約 17.7 億ドル、2036 年は約 24.3 億ドル。
バリュー投資の観点では、事業は資本が軽く(設備投資は売上の 1 割未満)、AI のテスト需要は本物で、複占という堀もある。ただし利益の山を倍率に掛けて割高を正当化することはせず、循環は悲観の確率(3 割台半ば)と深さで表した。資本コストは基本の 8% に循環 1%・寿命 0.5% を足した 9.5% で、倍率を利益ベースの正当化 PER の 8 割に抑えて(成熟後 PER 11.5 倍)測ると、確率で加重した本質価値は今の時価総額(519 億ドル)を 6 割ほど下回る。総合は 差 −60.2%(割高)。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業は存在し、今より強いか」を問う。半導体は複雑になるほど試験の時間と台数が増えるので、事業は 10 年後も存在し、アドバンテストとの複占が続く限り強いと見る。堀は広いが、利益の多くを生む AI のコンピュート向けは顧客が数社で、アドバンテストが先端 GPU を握っており、当社が取り分を広げる確証はまだない。ロボティクスは、2015〜18 年に買った事業が稼ぐ力を示していない。
次にオーナー利益。軽い設備で営業利益の多くが現金になり、株式報酬は年 0.9 億ドル程度で小さい。2026 年の純利益 14 億ドルを今の時価総額 519 億ドルで割ると 2.7%(PER 約 37 倍)、10 年国債が 5% の世界では、成長で埋める部分が大きい。しかも 2025 年の純利益 5.5 億ドルの 2.5 倍に膨らんだ年の値で、山に近い可能性がある。
資本配分は、まだ試されていない。能力増強に回すのは理にかなうが、割高な水準での自社株買いや、ロボティクスのような採算の薄い買収は避けてほしい。安全域は、悲観の筋書き(急な不況)でも純現金と複占の位置が床を作る点にあるが、それでも今の時価総額の 1 割に満たない水準(自己資本の約 0.6 倍)までしか支えない。
予測の確実性は中程度(AI 設備投資の持続に依存)。資本コストは基本の 8% に循環 1%・寿命 0.5% を足した 9.5% に置く。事業の質は良く、値段が先に行っている。
何で稼ぐ会社か
事業は 3 つの報告セグメントに分かれる。第 1 は半導体テスト(2026 年 12 月期の売上の約 84%)で、さらに SoC テスト(CPU・GPU・特注の AI 加速器・スマホ向け。2026 年に約 34 億ドル。統合システムテストの IST を含む)とメモリテスト(DRAM・HBM・NAND。約 9 億ドル)に分かれる。2026 年第 2 四半期は SoC 8.43 億ドル・メモリ 2.12 億ドル・IST 0.67 億ドル。コンピュートが SoC の 7 割で、前年比で約 6 倍になった。顧客は 2 社のハイパースケーラー(自社設計の AI チップ)、初めて出荷が始まったマーチャント GPU、スマホ向けの SoC 各社、メモリ各社(SK ハイニックス・サムスン・マイクロンなど)である。
第 2 がプロダクトテスト(約 4.4 億ドル)で、記憶装置・防衛航空・無線の試験機。景気で動きが鈍く、利益率は 1 割前後。第 3 がロボティクス(約 4.1 億ドル。初めて四半期 1 億ドル台に乗った)で、UR の協働ロボットと MiR の自律搬送ロボット。2022 年の山から減り、2025 年に 2 回の人員削減をしたが、2026 年第 2 四半期は前年比 +33%、電子・半導体向け(データセンター含む)が前期比 +50% で最大の用途になった。営業利益はほぼ損益ゼロ。
売上は「テスト市場の金額 × 当社のシェア × 価格(テスターの値段)」で決まる。テスト市場は WFE の約 1 割を占める関連市場で、会社は「WFE に対するテスト費用の割合は 2023 年 4%・2025 年 7%・2026 年 8% と上がり、7〜9% に落ち着く」と説明する。先端 AI パッケージではテスト費用が売値の 5〜7%(従来は 2% 未満)まで上がり、テスト時間も数十秒から 20 分超に延びた。ウエハーの加工工場は持たず、設備投資は軽い。
優良さと弱いところ
堀は 3 層ある。第 1 は 2 社しかない高性能 SoC テスターの一角という位置で、アドバンテストとの「合理的な複占」である。新しい AI チップの量産に入るには、顧客のチップと自社の試験機の相関を取る作業(数か月〜数年)が要り、一度入った顧客は入れ替えにくい。第 2 はテスト用ソフトウェアとプローブ・ハンドラーを含む周辺の厚み(Technoprobe の約 10% 保有、シリコンフォトニクス用の Photon100)。第 3 は規模で、2026 年上半期の営業利益率(GAAP)は 35%、第 2 四半期の非 GAAP の粗利益率は 59.8%(第 3 四半期の見通しは 58〜59%)と、1 年で 2 倍の売上を捌ける能力を示した。
ただし、競合のアドバンテストは営業利益率が 44%(2025 年度)、SoC テスターのシェアは 6 割台と見られ、先端 GPU(マーチャント)の顧客に深く入っている。当社は特注チップの顧客に強いが、GPU 側では初の注文が出荷されたばかりで、会社は「3〜4 年で 2 社調達の 3 割〜7 割」を狙うと言うにとどまる。2025 年にアドバンテストが SoC シェアを 10 ポイント上げ、当社は取り分を譲ったという第三者の分析もある。
弱点は 4 つ。顧客が数社に集中すること、利益が AI 設備投資の循環に依存すること(2025 年の純利益 5.5 億ドルが 2026 年に 14 億ドルへ)、メモリテストの利益率が低くて 2027 年まで全社の利益率の重しになること、ロボティクスが採算に乗っていないことである。ROE は 2021 年の 40% から 2023 年の 18% に落ち、直近の 2025 年 20% は低い利益の年の値で、2026 年は自己資本 39.5 億ドルに対して純利益 14 億ドルと見る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
半導体テスターの市場は 2025 年に約 69 億ドル(アドバンテストの見方。会社は 60〜65 億ドル)、2026 年は SoC テスターで 110 億ドル近く(アドバンテストが 2026 年 7 月に約 2 割上方修正)。AI の加速器・推論向けの特注チップ・CPU の増設が主因で、WFE が 2026 年に +23%(1,439 億ドル)・2027 年に +22%・2028 年に +14%(約 2,000 億ドル)と SEMI が上方修正したことと重なる。自動テスト全体は 2030 年ごろに 200 億ドル級になると会社は言う。
構造の変化は 3 つ。第 1 に、チップが大きく複雑になり(HBM の積層 12 段から 16 段、GAA、チップレット)、1 個あたりのテスト時間が延びて、テスター台数と単価が同時に上がる。第 2 に、AI のハイパースケーラーが GPU の調達を 2 社に分ける方針で、当社にシェアを取る機会がある。第 3 に、共封止光学(CPO)・シリコンフォトニクスのテストが新しい市場(2028 年に 3〜7 億ドル)として立ち上がる。
循環の位置は「山へ向かう途中」。AI 向けの設備投資(大手 5 社で 2026 年に約 7,300〜8,000 億ドル)の減価償却の負担が 2028 年以降に鈍る可能性があり、2009 年(WFE −46%)・2019 年・2023 年(メモリ −40%)の前例のように、メモリや先端ロジックの投資が急に止まるとテスト売上も山から 3〜4 割落ちる。競合の構図は、アドバンテスト 約 6 割・テラダイン 約 3〜4 割で他社がほぼ無い複占で、価格を下げあう競争は起きにくいが、中国国内の試験機(華峰測控など)が成熟品から広がる可能性がある。同じ領域のアプライド・マテリアルズ・ラムリサーチは製造装置で、テスターは WFE の約 1 割の関連市場にあたる。
資本政策と M&A
還元は、2026 年上半期の配当 0.41 億ドルと自社株買い 0.74 億ドル(合計 1.15 億ドル)と、純利益 7.7 億ドルに対して軽い。上半期のフリーキャッシュフロー 5.8 億ドルのうち、運転資金と能力増強(2027 年に向けた研究開発・営業の投資を増やす)に回している。現金等は 5.2 億ドル、借入は 0(2025 年末の短期借入 2 億ドルは返済済み)で純現金。株数は 2021 年以降ほぼ横ばい(株式報酬と自社株買いが釣り合う)。
買収は過去に UR(2015 年)・MiR(2018 年)を買ったロボティクスが成果に乏しく、ロボティクスののれんは 2025 年 6 月に減損の兆候を検査したが減損は出なかった。2025 年にはシリコンフォトニクスの試験機の Quantifi Photonics を買い、のれんは 5.2 億ドルに増えた。大型買収の予定はなく、時価総額 500 億ドル超のため TOB の対象になる可能性も低い。
バリュー投資家には、利益が 2.5 倍になった年に還元の割合が低いのは、能力増強の資金需要と見れば許せるが、2027〜28 年の山で余った現金を割高な株価の自社株買いで使うなら価値を壊す。ここでは、増えた利益の 85% を還元する水準で将来の純現金を置いた。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
需要の質が変わった。AI のチップは大きく複雑で、テストに 20 分超かかり、テスト費用は売値の 5〜7% まで上がった。WFE が 2028 年に約 2,000 億ドルまで伸びる間、テストの対 WFE 比も 7% から 8% へ上がり、SoC テスター市場は 2025 年の 69 億ドルから 2026 年に約 110 億ドルへ 6 割近く伸びた。アドバンテストの増産(年 7,500 台→1 万台)でも足りない需要で、当社も 2026 年に売上が前年比で 6 割増える。
競合との関係もよい。ハイパースケーラーは GPU を 2 社に分けて調達したい。当社は 2 社目のハイパースケーラーの相関を終え、初のマーチャント GPU の注文を出荷した。会社の狙いは 3〜4 年で GPU の 3〜7 割で、うまくいけば SoC シェアは 31% から 35% へ上がり、営業利益率もアドバンテストの 4 割台半ばに近づく。メモリも HBM4 の積層で試験時間が延びて単価が上がる。ロボティクスはデータセンター・電子向けで最大の用途ができ、物理 AI の製品(MiR1200)が加わる。10 年後に WFE が 3,500 億ドルに育ち、シェアが 36% になれば、純利益は 45 億ドルに達する。
慎重な見方
今の利益は循環の山に近い。純利益は 2025 年の 5.5 億ドルから 2026 年に 14 億ドルへ 2.5 倍になった。WFE は 2026 年に +23%、2027 年に +22% と 2 年続けて急増しており、AI の設備投資が減価償却の負担で 2028 年以降に鈍れば、テスト売上は山から 3〜4 割落ちる。2009 年は WFE −46%・2023 年はメモリ −40% で、当社の利益率も 2022 年の 27% から 2023 年の 20% へ落ちた。
競合も重い。アドバンテストは SoC シェア 6 割台・営業利益率 44% で、先端 GPU の顧客に深く入り、増産も進めている。当社は初のマーチャント GPU を出荷しただけで、シェアを取れるとは限らない。特注チップの顧客も、自社チップの設計会社がアドバンテストへ切り替えれば減る。メモリテストは利益率が低く、2027 年まで重しになる。ロボティクスは 2015〜18 年に買った事業で、採算に乗っていない。
さらに、テストの対 WFE 比(今 8%)は会社自身が 7〜9% に落ち着くと言い、AI 向けの強度の上昇は終わりに近い。資本コスト 9.5% と、成熟後の倍率(利益ベースで PER 11.5 倍)を掛けると、利益が今の 1.7 倍になっても、時価総額は今の 5 割強にとどまる計算になる。
どちらに重みを置いたか
強気の言う「複雑さが増してテスト強度が上がる」は 2028 年ごろまでは正しいと見て、楽観・やや楽観・中立に 64% を置いた。ただし利益が 1 年で 2.5 倍になり顧客が数社に集中していること、アドバンテストとのシェア争い、メモリの利益率の薄さを重く見て、やや悲観と悲観を 36%(22%・14%)に厚くした。同じ領域のアプライド・マテリアルズ・ラムリサーチの悲観 12%・やや悲観 20〜21% より悲観が厚いのは、当社が 2026 年に利益を 2.5 倍にした直後であり、顧客の集中がより強いためである。倍率は利益ベースの正当化 PER(帳簿の ROE 約 3 割・k 9.5%・g 4%・堀は普通)の 8 割、成熟後 PER 11.5 倍に置き、山の年の利益に掛けて割り引くことはしていない。循環は確率と悲観の深さ(悲観は ROE が k 以下で 1÷k の PER)で表した。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 170.51 ドル272 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 95.13 ドル152 億ドル)。 今の値に割り戻すと 129.23 ドル206 億ドル、今との差 −58.1%、 期待の年率 −1.5%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 390.75 ドル624 億ドル | 173.43 ドル277 億ドル | +82.7% | +6.2% | 56.42 ドル90 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 261.21 ドル417 億ドル | 133.99 ドル214 億ドル | +28.0% | +2.5% | 86.94 ドル139 億ドル |
| 中立 | 32% | 174.93 ドル279 億ドル | 101.43 ドル162 億ドル | −10.5% | −1.1% | 88.44 ドル141 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 66.68 ドル107 億ドル | 55.72 ドル89 億ドル | −60.4% | −8.8% | 26.93 ドル43 億ドル |
| 悲観 | 14% | 23.73 ドル38 億ドル | 25.67 ドル41 億ドル | −84.0% | −16.7% | 6.92 ドル11 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 170.51 ドル272 億ドル | 95.13 ドル152 億ドル | −14.0% | −1.5% | 265.64 ドル424 億ドル |
今の株価時価総額 308.75 ドル493 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 複雑化が 10 年続き、WFE は 3,500 億ドル。SoC シェアは 36% へ 利益 45 億ドル · PER 13.9 倍 · 株価時価総額 390.75 ドル624 億ドル
2036 年の WFE は名目 3,500 億ドル。GAA の次の世代・3D DRAM・HBM の積層・チップレット・CPO で、テスト費用の WFE 比が 7.6% を保ち、SoC テスト市場は実質 183 億ドル、メモリは 58 億ドル。当社の SoC シェアは 36%(アドバンテストと 6 対 4 に近い複占。GPU の 2 社調達が 3 割を超え、特注チップは当社が主)、メモリ 31%。テスターの価格は物価をやや上回る 145。売上 157 億ドル、営業利益率 33%(SoC 43%)。ロボティクスはデータセンターの運用・組み立て向けで市場が 3.5 倍(実質 140 億ドル)、シェア 12%・利益率 15% で 24 億ドル。10 年間の正味の還元は約 277 億ドル。
- SoC テスト(CPU・GPU・AI 加速器・スマホ向け。統合システムテスト含む):数量 66.0(当社の SoC テスト出荷(実質の億ドル)= SoC テスト市場(2026 年の値段で測った実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 145(テスターの価格の水準(2026 年=100。中立は物価並みで 10 年 141))→ 売上 96 億ドル・営業利益 41 億ドル。SoC 市場 実質 183 億ドル(WFE 3,500 億ドル×7.6%÷1.45)× シェア 36%・価格 145・営業利益率 43%
- メモリテスト(DRAM・HBM・NAND):数量 18.0(当社のメモリテスト出荷(実質の億ドル)= メモリテスト市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 145(テスターの価格の水準(2026 年=100。メモリは値引きが多く、中立は物価並み))→ 売上 26 億ドル・営業利益 8 億ドル。メモリ市場 実質 58 億ドル × シェア 31%・価格 145・営業利益率 30%
- プロダクトテスト(記憶装置・防衛航空・無線の試験機):数量 170(出荷規模の指数(2026 年=100))× 価格 0.06(指数 1 あたりの売上(億ドル。値段は物価並みが中立))→ 売上 11 億ドル・営業利益 2 億ドル。出荷規模 170 × 値段 1.45 倍・営業利益率 16%
- ロボティクス(UR の協働ロボット・MiR の自律搬送ロボット):数量 16.8(当社のロボット出荷(実質の億ドル)= 協働ロボット・産業用 AMR の市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 145(ロボットの価格の水準(2026 年=100。中国勢との競争で中立は物価並みを超えない))→ 売上 24 億ドル・営業利益 4 億ドル。ロボット市場 実質 140 億ドル × シェア 12%・価格 145・営業利益率 15%
倍率:正当化 PER は 15.4 倍(g 4.0%、RONIC 26.2%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 42.9% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 13.9 倍(9 割)に置いた。AI 向けのテストが伸び、GPU の側でもシェアを取る最良の筋書きでも、顧客の集中と設備投資の循環は残る。上限の 9 割に置く。 g の内訳:テスト市場の実質の伸び 年 1.5% 前後(WFE の 7〜9% に落ち着く)× シェアの増減 ほぼ 0 × 価格は物価並みの +3.5% を引いた差し引きで、名目の長期 g は 4.0%(structural は使わない。k − g ≧ 3.5%)。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:業界ノートの楽観(2036 年に WFE 3,500 億ドル)に、2 社調達が定着して SoC シェアが 36% に上がる筋書き。10% に留める。
やや楽観 22% WFE は 3,000 億ドル、SoC シェアは 34% 利益 33 億ドル · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 261.21 ドル417 億ドル
2036 年の WFE は名目 3,000 億ドル。テスト費用の WFE 比は 7.4%、SoC テスト市場は実質 157 億ドル、メモリは 49 億ドル。当社のシェアは SoC 34%・メモリ 29% と、2 社調達の取り分が緩やかに積み上がる。テスターの価格は物価並みの 141。売上 123 億ドル、営業利益率 31%。ロボティクスは市場が実質 115 億ドル・シェア 11%・利益率 12% で 18 億ドル。アドバンテストの営業利益率(4 割台)には届かないが、メモリを除く SoC は 4 割を保つ。10 年間の正味の還元は約 214 億ドル。
- SoC テスト(CPU・GPU・AI 加速器・スマホ向け。統合システムテスト含む):数量 53.5(当社の SoC テスト出荷(実質の億ドル)= SoC テスト市場(2026 年の値段で測った実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 141(テスターの価格の水準(2026 年=100。中立は物価並みで 10 年 141))→ 売上 76 億ドル・営業利益 31 億ドル。SoC 市場 実質 157 億ドル(WFE 3,000 億ドル×7.4%÷1.41)× シェア 34%・価格 141・営業利益率 41%
- メモリテスト(DRAM・HBM・NAND):数量 14.2(当社のメモリテスト出荷(実質の億ドル)= メモリテスト市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 141(テスターの価格の水準(2026 年=100。メモリは値引きが多く、中立は物価並み))→ 売上 20 億ドル・営業利益 5 億ドル。メモリ市場 実質 49 億ドル × シェア 29%・価格 141・営業利益率 27%
- プロダクトテスト(記憶装置・防衛航空・無線の試験機):数量 150(出荷規模の指数(2026 年=100))× 価格 0.06(指数 1 あたりの売上(億ドル。値段は物価並みが中立))→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。出荷規模 150 × 値段 1.41 倍・営業利益率 14%
- ロボティクス(UR の協働ロボット・MiR の自律搬送ロボット):数量 12.7(当社のロボット出荷(実質の億ドル)= 協働ロボット・産業用 AMR の市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 141(ロボットの価格の水準(2026 年=100。中国勢との競争で中立は物価並みを超えない))→ 売上 18 億ドル・営業利益 2 億ドル。ロボット市場 実質 115 億ドル × シェア 11%・価格 141・営業利益率 12%
倍率:正当化 PER は 14.9 倍(g 4.0%、RONIC 22.3%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 35.1% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 12.7 倍(8.5 割)に置いた。特注チップの顧客で強く、2 社調達で GPU の一部も取れる筋書き。上限の 8.5 割に置く。 g の内訳:テスト市場の実質の伸び 年 1.5% 前後(WFE の 7〜9% に落ち着く)× シェアの増減 ほぼ 0 × 価格は物価並みの +3.5% を引いた差し引きで、名目の長期 g は 4.0%(structural は使わない。k − g ≧ 3.5%)。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:業界ノートの中立と楽観の間(2036 年に約 3,000 億ドル)。2 社調達で SoC シェアが 34% に上がる筋書き。
中立 32% WFE は 2,650 億ドル、SoC シェアは 32% 利益 24 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 174.93 ドル279 億ドル
2036 年の WFE は名目 2,650 億ドル。テスト費用の WFE 比は 7.2%(会社の 7〜9% の下の方)で、SoC テスト市場は実質 135 億ドル、メモリは 41 億ドル。当社のシェアは SoC 32%・メモリ 27%。複占は続き、価格競争は起きないが、アドバンテストが先端 GPU を握ったまま、当社は特注チップと GPU の一部を取る。テスターの価格は物価並みの 141。売上 98.6 億ドル(2026 年の 1.9 倍)、営業利益率 28%(SoC 38%、メモリ 24%)。ロボティクスは市場が実質 95 億ドル(2026 年の 2.4 倍)・シェア 10%・価格 141 で売上 13.4 億ドル、利益率 10%。アドバンテストが 4 割台を保つのに、当社が 28% にとどまるのは、メモリと周辺事業を持つ分である。10 年間の正味の還元は約 162 億ドル。
- SoC テスト(CPU・GPU・AI 加速器・スマホ向け。統合システムテスト含む):数量 43.3(当社の SoC テスト出荷(実質の億ドル)= SoC テスト市場(2026 年の値段で測った実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 141(テスターの価格の水準(2026 年=100。中立は物価並みで 10 年 141))→ 売上 61 億ドル・営業利益 23 億ドル。SoC 市場 実質 135 億ドル(WFE 2,650 億ドル×7.2%÷1.41)× シェア 32%・価格 141・営業利益率 38%
- メモリテスト(DRAM・HBM・NAND):数量 11.2(当社のメモリテスト出荷(実質の億ドル)= メモリテスト市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 141(テスターの価格の水準(2026 年=100。メモリは値引きが多く、中立は物価並み))→ 売上 16 億ドル・営業利益 4 億ドル。メモリ市場 実質 41 億ドル × シェア 27%・価格 141・営業利益率 24%
- プロダクトテスト(記憶装置・防衛航空・無線の試験機):数量 135(出荷規模の指数(2026 年=100))× 価格 0.06(指数 1 あたりの売上(億ドル。値段は物価並みが中立))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。出荷規模 135 × 値段 1.41 倍・営業利益率 13%
- ロボティクス(UR の協働ロボット・MiR の自律搬送ロボット):数量 9.5(当社のロボット出荷(実質の億ドル)= 協働ロボット・産業用 AMR の市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 141(ロボットの価格の水準(2026 年=100。中国勢との競争で中立は物価並みを超えない))→ 売上 13 億ドル・営業利益 1 億ドル。ロボット市場 実質 95 億ドル × シェア 10%・価格 141・営業利益率 10%
倍率:正当化 PER は 14.4 倍(g 4.0%、RONIC 19.1%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 28.7% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 11.5 倍(8 割)に置いた。複占という堀はあるが、先端 GPU を握るアドバンテストにシェアを譲る恐れと、メモリの利益率の薄さが残る。中立は上限の 8 割に置く。 g の内訳:テスト市場の実質の伸び 年 1.5% 前後(WFE の 7〜9% に落ち着く)× シェアの増減 ほぼ 0 × 価格は物価並みの +3.5% を引いた差し引きで、名目の長期 g は 4.0%(structural は使わない。k − g ≧ 3.5%)。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:業界ノート中立(2036 年に約 2,650 億ドル。数量 年 +2%・価格 年 +4.2%)に、シェア 32%(会社が言う 2 社調達の取り分を一部認め、アドバンテストの先行を引いて 1 ポイントだけ上げる)。
やや悲観 22% 中国の国内試験機と 2 社調達の失敗で、WFE は 2,200 億ドル、SoC シェアは 27% 利益 11 億ドル · PER 9.3 倍 · 株価時価総額 66.68 ドル107 億ドル
2036 年の WFE は名目 2,200 億ドルで、AI 向けの増設が鈍る。テスト費用の WFE 比は 6.8%、SoC テスト市場は実質 115 億ドル。2 社調達はハイパースケーラーに聞き入れられず、アドバンテストが先端 GPU も特注チップも握り、当社のシェアは SoC 27%・メモリ 23% に下がる。テスターの価格は値引きで 130(物価に負ける)。売上 65.3 億ドル、営業利益率 19%(SoC 29%、メモリ 12%)。ロボティクスは中国勢との価格競争で、市場は実質 75 億ドルまで育つがシェア 9%・利益率 3%。複占でなくなり、価格を決める力が弱まる。10 年間の正味の還元は約 89 億ドル。
- SoC テスト(CPU・GPU・AI 加速器・スマホ向け。統合システムテスト含む):数量 31.1(当社の SoC テスト出荷(実質の億ドル)= SoC テスト市場(2026 年の値段で測った実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 130(テスターの価格の水準(2026 年=100。中立は物価並みで 10 年 141))→ 売上 40 億ドル・営業利益 12 億ドル。SoC 市場 実質 115 億ドル(WFE 2,200 億ドル×6.8%÷1.30)× シェア 27%・価格 130・営業利益率 29%
- メモリテスト(DRAM・HBM・NAND):数量 7.8(当社のメモリテスト出荷(実質の億ドル)= メモリテスト市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 130(テスターの価格の水準(2026 年=100。メモリは値引きが多く、中立は物価並み))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。メモリ市場 実質 34 億ドル × シェア 23%・価格 130・営業利益率 12%
- プロダクトテスト(記憶装置・防衛航空・無線の試験機):数量 105(出荷規模の指数(2026 年=100))× 価格 0.06(指数 1 あたりの売上(億ドル。値段は物価並みが中立))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。出荷規模 105 × 値段 1.30 倍・営業利益率 8%
- ロボティクス(UR の協働ロボット・MiR の自律搬送ロボット):数量 6.8(当社のロボット出荷(実質の億ドル)= 協働ロボット・産業用 AMR の市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 130(ロボットの価格の水準(2026 年=100。中国勢との競争で中立は物価並みを超えない))→ 売上 9 億ドル・営業利益 0 億ドル。ロボット市場 実質 75 億ドル × シェア 9%・価格 130・営業利益率 3%
倍率:正当化 PER は 12.5 倍(g 4.0%、RONIC 12.7%。RONIC は k 9.50% に、事業の ROE 15.9% が k を超える分の 0.5 を足した値。moat は normal)。これに対し 9.3 倍(7.5 割)に置いた。アドバンテストにシェアを譲り、顧客の集中が重くなる筋書き。上限の 7.5 割に置く。 g の内訳:テスト市場の実質の伸び 年 1.5% 前後(WFE の 7〜9% に落ち着く)× シェアの増減 ほぼ 0 × 価格は物価並みの +3.5% を引いた差し引きで、名目の長期 g は 4.0%(structural は使わない。k − g ≧ 3.5%)。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:業界ノート中立より市場が小さく、シェアが 27% まで落ちる筋書き。アドバンテストが特注チップでも取り分を広げ、中国の国内試験機が成熟品から広がる。
悲観 14% 構造的に負ける。複占が崩れ、優良でなくなる 利益 4 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 23.73 ドル38 億ドル
2036 年の WFE は名目 1,700 億ドルで、テスト費用の WFE 比も 6.5% に下がる(AI 向けの強度の上昇が終わる)。アドバンテストが SoC テスターの 7 割以上を持ち、当社のシェアは SoC 22%・メモリ 18%、テスターの価格は 115 と物価に大きく負ける。売上 39.3 億ドル、営業利益率 9%(SoC 18%・メモリ赤字)。ロボティクスは中国勢に取られて赤字。もう「価格を決める優良企業」ではない。それでも純現金(約 36 億ドル)と複占の位置が床になるが、ROE は 5.7% で k を下回るため、1÷k の PER 10.5 倍(自己資本 63 億ドルの約 0.6 倍)で測る。10 年間の正味の還元は約 41 億ドルに縮む。
- SoC テスト(CPU・GPU・AI 加速器・スマホ向け。統合システムテスト含む):数量 21.1(当社の SoC テスト出荷(実質の億ドル)= SoC テスト市場(2026 年の値段で測った実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 115(テスターの価格の水準(2026 年=100。中立は物価並みで 10 年 141))→ 売上 24 億ドル・営業利益 4 億ドル。SoC 市場 実質 96 億ドル(WFE 1,700 億ドル×6.5%÷1.15)× シェア 22%・価格 115・営業利益率 18%
- メモリテスト(DRAM・HBM・NAND):数量 4.8(当社のメモリテスト出荷(実質の億ドル)= メモリテスト市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 115(テスターの価格の水準(2026 年=100。メモリは値引きが多く、中立は物価並み))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。メモリ市場 実質 27 億ドル × シェア 18%・価格 115・営業利益率 0%
- プロダクトテスト(記憶装置・防衛航空・無線の試験機):数量 80.0(出荷規模の指数(2026 年=100))× 価格 0.05(指数 1 あたりの売上(億ドル。値段は物価並みが中立))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。出荷規模 80 × 値段 1.15 倍・営業利益率 3%
- ロボティクス(UR の協働ロボット・MiR の自律搬送ロボット):数量 4.8(当社のロボット出荷(実質の億ドル)= 協働ロボット・産業用 AMR の市場(実質の億ドル)× 当社シェア)× 価格 115(ロボットの価格の水準(2026 年=100。中国勢との競争で中立は物価並みを超えない))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。ロボット市場 実質 60 億ドル × シェア 8%・価格 115・営業利益率 −2%
倍率:事業の ROE 5.7% が k 9.50% 以下なので、PER は 1÷k = 10.5 倍が上限(ためた利益は額面未満の価値)。これに対し 10.5 倍(10 割)に置いた。利益が山から崩れ、ROE が k を下回る筋書き。新しく投じた資本は k を稼がないので、PER は 1÷k に収める。 純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:構造的な敗北。アドバンテストが SoC を取り切り、中国勢が成熟品を取り、微細化と積層の複雑さの伸びが止まってテスト強度が下がる。当社の SoC シェアは 22%、価格も物価に負ける。同じ領域の 12% より厚い 14%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
SoC テスト(CPU・GPU・AI 加速器・スマホ向け。統合システムテスト含む)
SoC 向け自動テスターの新規販売と周辺機器。AI のコンピュートが約 7 割。
| 数量当社の SoC テスト出荷(実質の億ドル)= SoC テスト市場(2026 年の値段で測った実質の億ドル)× 当社シェア | 価格テスターの価格の水準(2026 年=100。中立は物価並みで 10 年 141) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 34.3 | 100 | 34 | 14 |
| 10 年後 中立 | 43.3 | 141 | 61 | 23 |
取り方:2026 年の売上は、第 1 四半期(半導体テスト 約 10.9 億ドルのうちメモリ約 2.05)と第 2 四半期(SoC 8.43+IST 0.67)の実績、第 3 四半期の見通し(総売上 12〜13 億ドル)と第 4 四半期の推定(約 13 億ドル)から、SoC+IST で約 34.3 億ドルとした。市場は、アドバンテストの 2026 年の見通し(2025 年 69 億ドル、2026 年は 2026 年 7 月の引き上げで約 110 億ドル。金額の単位が検索の要約で崩れており 110 億ドルと読んだ)に当てると当社のシェアは 31%。(アドバンテストの 66%・当社 31% の合計が 100% に近い。定義の違いはあるが、自社の売上から逆算した値で置く。)価格は水準 100(物価並みなら 10 年 141)、数量は市場(実質)× シェア。営業利益率は、2026 年上半期の GAAP 35% と非 GAAP の第 3 四半期見通し 28〜30%、メモリより高いことから 40% と置いた。
メモリテスト(DRAM・HBM・NAND)
DRAM・HBM・NAND の試験機。HBM の積層で試験時間が延びる。
| 数量当社のメモリテスト出荷(実質の億ドル)= メモリテスト市場(実質の億ドル)× 当社シェア | 価格テスターの価格の水準(2026 年=100。メモリは値引きが多く、中立は物価並み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 9.1 | 100 | 9 | 3 |
| 10 年後 中立 | 11.2 | 141 | 16 | 4 |
取り方:2026 年の売上は、第 2 四半期 2.12 億ドル(3 四半期続けて 2 億ドル超)から、第 1 四半期 約 2.05・第 3 四半期 約 2.3・第 4 四半期 約 2.6 億ドルの推定で約 9.1 億ドル(会社は 2026 年のメモリテスト市場を前年比 +40% 超、下期に偏ると言う)。市場は 約 33 億ドル(当社の売上とシェア 約 27% からの推定。アドバンテストがメモリテストで 6 割超を持つと見て、当社は 3 割弱。確かめられていない推定)。営業利益率は会社が「メモリが 2027 年まで利益率の重し」と言うので 30%(SoC より低い)と置いた。
プロダクトテスト(記憶装置・防衛航空・無線の試験機)
ハードディスク・SSD・防衛航空・無線機器の試験機。
| 数量出荷規模の指数(2026 年=100) | 価格指数 1 あたりの売上(億ドル。値段は物価並みが中立) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 100 | 0.04 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 135 | 0.06 | 8 | 1 |
取り方:2026 年第 2 四半期の売上 1.07 億ドル(前年比 +26%)、第 4 四半期の 2025 年 1.10 億ドルから、年 約 4.4 億ドル。市場全体の金額が分からないので、出荷規模の指数(2026 年=100)に 1 あたりの売上 0.044 億ドルを掛ける形で置いた。営業利益率は 1 割台前半で、データセンターの記憶装置向けが増えて 2026 年は 12%。事業が小さく利益全体への影響は 3% 程度。
ロボティクス(UR の協働ロボット・MiR の自律搬送ロボット)
協働ロボット(UR)と産業用の自律搬送ロボット(MiR)。工場・データセンター・物流向け。
| 数量当社のロボット出荷(実質の億ドル)= 協働ロボット・産業用 AMR の市場(実質の億ドル)× 当社シェア | 価格ロボットの価格の水準(2026 年=100。中国勢との競争で中立は物価並みを超えない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 4.1 | 100 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 9.5 | 141 | 13 | 1 |
取り方:2026 年第 2 四半期の売上 約 1 億ドル(前年比 +33%・前期比 +9%)、第 4 四半期の 2025 年 0.89 億ドルから、年 約 4.1 億ドル。市場は協働ロボットで調査会社が 2026 年に 23〜37 億ドル(Fortune 28・Mordor 22.8・Coherent 37.4)と大きくばらつくので中央の 28 億ドルに、産業用 AMR(推定 12 億ドル)を足して約 40 億ドル。当社シェアは 約 10%(UR は協働ロボットで 15% 前後と見る資料がある)。営業利益は黒字と赤字の境で、2026 年は 2% の 0.1 億ドルと置いた。
リスクと懸念
AI 設備投資の循環(山の年に当たる)
2026 年の売上は 2025 年の 1.6 倍、純利益は 2.5 倍。WFE は 2026 年に +23%・2027 年に +22% と 2 年続けて急増しており、AI の設備投資が減価償却の負担で 2028 年以降に鈍る、またはメモリ価格が下がって増設が止まると、テスト売上は山から 3〜4 割落ちる。2009 年(WFE −46%)・2023 年(メモリ −40%)が前例で、2022〜23 年に当社の営業利益率は 27% から 20% に下がった。
アドバンテストとのシェア争い
アドバンテストは SoC テスターのシェア 6 割台(2025 年に 56%→66% と見る分析)・営業利益率 44% で、先端 GPU の顧客に深く入り、年 1 万台まで増産している。当社の 2 社調達の取り分(3〜4 年で 3〜7 割の狙い)が実らなければ、SoC シェアは 31% から下がり、売上の 8 割を占める事業の価格を決める力が弱まる。
顧客の集中
AI のコンピュート向けは 2 社のハイパースケーラーと初のマーチャント GPU の顧客に集まる。各社の自社チップの設計変更、アドバンテストへの切り替え、設備投資の延期が、売上と利益率に一度に効く。顧客は 2 社調達を押す立場で、価格交渉力も持つ。上位の顧客が数社で売上の過半を占める可能性があり、1 社の変更で SoC の売上が大きく動く。
メモリテストの利益率の低さ
メモリは 2026 年に約 9 億ドルと全社の 18% だが、利益率が低く、会社自身が 2027 年まで利益率の重しと言う。HBM のテスト時間は延びても、メモリ各社の設備投資と価格に連動し、投資が急停止するとテスター単価の値崩れも重なる。
ロボティクスの採算と減損
UR・MiR は 2015〜18 年に買った事業で、2022 年のピークから減り、2025 年に 2 回の人員削減をした。2026 年第 2 四半期に初めて 1 億ドル台に乗ったが、損益はほぼ零。ロボティクスののれんは 2025 年 6 月に減損の兆候が出ており、回復が続かなければ減損が出る。中国勢(JAKA・Dobot・Elite)との価格競争も強まる。
今の倍率の高さ
今の GAAP の PER は 2025 年の純利益で 94 倍、2026 年の見込みでも 37 倍で、成熟後の倍率(利益ベースで 11.5 倍)の 3.2 倍。事業が好調でも、利益が今の 1.7 倍に伸びる程度では、時価総額は今の水準に届かない。
中国・輸出規制とサプライチェーン
高性能テスターの対中輸出は規制の対象になりうる。部品の供給の混乱は会社自身が懸念を示し、顧客は 2 社調達(供給元の分散)を押す。国内試験機の育成を進める中国の需要が国産に移る可能性も残り、その場合は中国向けの売上が先に減る。
今後の分かれ目
- SEMI・顧客が WFE の見通しを 2 回続けて下げる(2027 年の +22% が一桁に鈍る)
- 悲観・やや悲観の確率を上げる。山が 2027 年で終わる合図。
- 当社の GPU の 2 社調達が、会社の狙い(3〜4 年で 3〜7 割)に向けて 2 社目・3 社目の量産に広がる
- 10 年の楽観・やや楽観へ確率を寄せる。SoC シェアが 31% から 35% へ上がる筋書きの証拠。
- アドバンテストが特注チップの顧客(当社の強い領域)で量産認定を取り始める
- SoC シェアが下がる合図で、やや悲観・悲観の確率を上げる。複占の堀が狭まる。
- メモリ価格(DRAM・NAND の契約価格)が 2 四半期続けて下がる
- メモリ各社の設備投資が止まる先行指標。悲観・やや悲観を厚くする。
- 会社が言うテストの対 WFE 比(2026 年 8%)が 7% を割り込む
- AI 向けのテスト強度の上昇が止まった合図。SoC の市場の伸びを下げ、中立の利益を下げる。
- ロボティクスの売上が 2 四半期続けて前年比で減る、または減損が出る
- ロボティクスの回復が止まった合図。利益への影響は小さいが、資本配分への信頼が下がる。
見ておくもの
- SEMI の WFE 見通し(四半期ごと)と、TSMC・サムスン・SK ハイニックス・マイクロンの設備投資
- 当社の半導体テストの売上(SoC・メモリ別)と、第 3 四半期の見通し 12〜13 億ドルに対する実績
- アドバンテストの受注・SoC テスター市場の見通し(2026 年 7 月に約 2 割上方修正)と、当社のシェアの比較
- 2 社目以降のハイパースケーラーの量産認定と、マーチャント GPU の 2 社調達の進み
- 営業利益率(非 GAAP の第 3 四半期見通し 28〜30%)と、メモリが利益率を引き下げる度合い
- ロボティクスの四半期売上(1 億ドル台を保つか)と、営業損益の黒字化
倍率と資本コストの決め方
売上と利益は、SoC(テスト市場の実質 × 当社シェア × テスターの価格)・メモリ・プロダクトテスト・ロボティクスの 4 つで積み、アドバンテスト・中国勢・UR の競合との差を筋書きごとに照らした。倍率は今の株価ではなく利益ベースの正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) の 7〜10 割。k = 9.5%(基本 8% + 循環 1% + 寿命 0.5%)、g は 4%(価格は物価 3.5%、市場の実質 1.5% 前後、シェアは動かさない)、堀は普通(複占だが先端 GPU はアドバンテストが握る)。帳簿の ROE は自社株買いで自己資本が薄く、中立で 29%。正当化 PER 14.4 倍の 8 割、11.5 倍(純現金込みの実効)。ROE が k 以下になる悲観は 1÷k の 10.5 倍。装置の循環は山の年の利益に倍率を掛けず、悲観の確率と深さで表した。今の PER 94 倍(2025 年実績)・37 倍(2026 年見込み)には寄せていない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β 1.47 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +1.50% = 9.50%。循環 +1.0%・寿命 +0.5% で quality は +1.5%。個別のリスク(顧客の集中・アドバンテストとのシェア争い・メモリの利益率の薄さ)は k に足さず、筋書きの数量・シェアと確率で表した。純現金で存続は危うくないので上乗せ 0。