結論
オートデスクは建築・土木・製造・メディアの設計ソフトの最大手で、FY26(2026 年 1 月期)の売上は 72.1 億ドル(+18%)、GAAP の営業利益率は 21.9%、純利益は 11.2 億ドル。売上の 97% は繰り返し入る契約。筆者の結論は割高で、設計ソフトを席課金型として、生成 AI が設計を自動化して席が減る影響を数量と価格に直接入れた。
AutoCAD の図面形式と、建設の BIM データ(AECO)は、業界の共同利用の標準であり、純売上維持率 109% の実績もあるが、解約率を直接示す数字は確かめられない。そこで AECO を記録の正本寄りの混合として数量0.92倍・価格1.18倍(取引モデルの上乗せ 1.03 を含む)とし、g を堀の部分の利益比で0.6%だけ認めた。AutoCAD は成熟した席課金で、席の減少が最も効き、数量0.78倍・価格1.10倍。製造は0.85倍・1.10倍、メディアと運用ソフト(マックスメイン含む)は1.00倍。AI 製品の売上の金額開示は確かめられなかった。
中立の売上は今の1.00倍の72.2億ドル、GAAP の純利益は12.5億ドル(株式報酬は売上の約 11%)。k は基本 8.0% に寿命の上乗せ+0.75%で8.75%、倍率は11.9倍。やや悲観と悲観の確率は合わせて35%。本質価値は 118億ドル、今の時価総額 516億ドル に対して-77%で、評価は割高。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、AutoCAD の図面形式と建設の BIM データは、業界の共同利用の標準で、10 年後も存在する確信は高い。純売上維持率 109% も堀を支える。しかし課金は席が中心で、生成 AI が設計や図面作成を自動化すれば席が減る。解約率を直接示す数字は確かめられず、g は堀の部分にだけ0.6%で認めた。
オーナー利益は、株式報酬(売上の約 11%)を費用にした GAAP の純利益 11.2 億ドル。非 GAAP の利益率 41% は使わない。2026 年 2〜7 月の自社株買い約 9.0 億ドルのうち、正味約 5 億ドルは自己資本の起点から引いた。マックスメインの買収(約 36 億ドル)は過去最大で、統合の実行を見る必要がある。
本質価値は 118億ドル で、今の時価総額 516億ドル に対して-77%。GAAP の PER 約 46 倍には払わない。安全域は見込めない。
何で稼ぐ会社か
売上は 4 つの製品群で成り立つ。AECO(FY26 に 35.8 億ドル、+22%)は建物の設計(Revit)、土木・インフラ、建設現場の管理(Construction Cloud。旧プランググリッド(PlanGrid)や旧ビルディングコネクテッド(BuildingConnected))、そして完成後の施設運用(Tandem)までを一続きで売る。AutoCAD と AutoCAD LT(17.9 億ドル、+14%)は 2 次元・3 次元の汎用 CAD で、世界中の設計事務所が使う基本ツール。製造(13.8 億ドル、+16%)は Fusion と Inventor で、機械・製品の設計から加工(CAM)・解析までを扱う。メディア・エンタメ(3.3 億ドル、+5%)は映像・ゲームの制作ツール。
稼ぎ方は、設計者 1 人ごとの年間契約(席)が基本で、毎年の更新で売上が積み上がる。FY26 の売上のうち設計ソフト(Design)が 59.8 億ドル、クラウドで共同作業・製造・施設運用をつなぐ Make が 8.0 億ドル(+22%)。AI は、自動で拘束条件を付ける Fusion の AutoConstrain(利用者の受け入れ率 約 6 割)などの機能として入り、会社は設計・建設・製造・運用のデータをつなぐ「プロジェクト・インテリジェンス」を掲げる。
取引の形が変わっている点が数字を読みにくくしている。以前は再販業者が顧客に売り、オートデスクは再販業者への卸値を売上にしていた。新しい取引モデル(直接請求)では、顧客への価格を売上にし、再販業者への手数料を費用に回す。このため売上は増えるが利益率は見かけ上下がる。FY27 の売上の伸び(報告ベース +12〜13%)のうち約 3 ポイントがこの機械的な上乗せで、移行は FY27 でほぼ終わる。2026 年 8 月にマックスメイン(ARR 1.35 億ドル超・成長 5 割超・赤字)が加わった。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第一は成果物の互換性で、建築・土木・製造の世界では図面とモデルのファイル形式(DWG・RVT)が業界の共通語になっており、設計事務所・施工会社・発注者がオートデスクの形式で受け渡すため、1 社だけ別の製品へ移ると相手とやり取りできない。第二は学習の費用で、設計者は何年も使った操作を覚えており、移行の期間は生産性が落ちる。第三は広さで、建物の設計から現場管理・運用までを同じデータでつなげる会社は少ない。
競合と並べると位置がはっきりする。ダッソー(Dassault Systèmes)は 2026 年第 2 四半期にソフトの売上が +4%、非 IFRS の営業利益率 30%(IFRS 23%)。ベントレー(Bentley Systems)は売上 +12.8%、ARR +12%、GAAP の営業利益率 21.6%、純収益維持率 109%。PTC は CAD の ARR が +6%、PLM が +8%。ネメチェック(Nemetschek)は 2026 年に +14〜15%(買収を含む)、EBITDA 率 32〜33%。オートデスクの FY26 は +18%(取引モデルの上乗せ込みで、その分を除くと 1 割台前半)、GAAP の営業利益率は 21.9% で、FY27 には 25〜27% を見込む。成長は同業の上位、利益率は同業と並ぶ水準まで来た。
弱い点は 3 つ。株式報酬が売上の約 11%(7.9 億ドル)と大きく、非 GAAP の利益率 38% と GAAP の 22% の差の大半がこれで、オーナー利益は GAAP の純利益で見る。製造では PTC・シーメンス・ダッソーが強く、シェアを守る戦いが続く。AutoCAD は成熟し、AI が 2 次元の製図を自動化すれば席が減る。資本効率は高く、有形の資産がほとんど要らないが、自社株買いで自己資本が小さく、帳簿の ROE(36.9%)は見かけが膨らんでいる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
設計ソフトの市場は、建設・製造の電子化と、AI で設計の生産性が上がることを追い風に、世界で実質年 3〜4% 程度で伸びると置いた。業界ノートによれば、業務ソフト全体は約 8,000 億ドルで、座席の課金から使用量・成果の課金へ移る途中にあり、2026 年 2 月にはソフト株から 1 兆ドル超の時価が消えたとの報道があった。AI がソフトを置き換えるという懸念が、評価の幅を広げている。
建築・土木(AECO)は、各国の老朽インフラの更新、データセンターと工場の建設、建築情報モデル(BIM)の義務化が需要を支える。競合はベントレー(土木・インフラに強い)、ネメチェック(建築設計の Archicad・Allplan。2026 年に HCSS を買収して施工へ広げた)、トリンブルやプロコア(施工管理)。製造は、ダッソー(SOLIDWORKS・CATIA)、PTC(Creo・Onshape)、シーメンスが相手で、クラウドの Fusion と Onshape が中小企業向けで競り合う。汎用 CAD の AutoCAD は成熟し、価格改定と席の減少がせめぎ合う。
構造の変化は 3 つ。第一は AI による設計の自動化で、仕様を入力すると図面やモデルが出てくる世界になれば、同じ成果物に必要な設計者の席が減る。第二は課金の形の変化で、席数から使用量・成果の課金へ移ると、売上の予測しやすさが変わる。第三は取引モデルの変更で、オートデスクは再販業者を外して直接請求に移り、売上の見かけと利益率が動いている。循環の面では、2008〜09 年にオートデスクの売上は約 26% 減り、設計者の人員が景気で減ると席が減る。今は受注残が積み上がる(RPO +20%)好況の側にいる。分かれ目は、AI が席を減らす速さと、AI が設計の需要そのものを増やす速さの差である。
【AIエージェント代替】設計ソフトの席課金は、生成 AI が設計を自動化するほど減る。10 年の中立は売上が今の1.00倍になると置き、建設と製造の電子化による市場の成長は個別評価では採らない。
資本政策と M&A
株主還元は自社株買いが中心で配当はない。FY26 は 14.0 億ドルを買い戻し、これは純利益(11.2 億ドル)を上回る。ただし株式報酬が 7.9 億ドルあり、株数の増加を打ち消す分があるので、正味の還元は自社株買いから株式報酬を引いた約 6 億ドル(純利益の約 55%)と見る。フリーキャッシュフロー 24.1 億ドルは株式報酬と前受け収益の増加を含み、純利益の 2 倍強になる。
M&A は 2026 年 8 月に完了したマックスメイン(約 36 億ドルの現金。手元の約 16 億ドルと借入で賄い、最大 20 億ドルのコマーシャルペーパーを用意)が過去最大で、純負債は FY26 末の約 1 億ドルから 30 億ドル前後になる。過去にはプランググリッド(2018 年)・イノビーズ(Innovyze、2021 年)などを買い、現場管理や水の解析に広げてきた。マックスメインは設備保全で、設計データと運用データをつなぐ構想だが、赤字で、のれんの減損の危険を抱える。ほかの買収は、10 年では中立で年 2 億ドル台の小型を足す。
借金は借り換えで約 5.75% として純利益に入れた。オートデスク自身が買われる可能性は、時価総額約 500 億ドルと設計ソフトの寡占のため小さい。 FY27 上期(2〜7 月)の自社株買いは約 9.0 億ドル(第 2 四半期 約 4.5 億ドル)で、株式報酬の相殺分(約 4 億ドル)を引いた正味約 5 億ドルは今の株数に反映済みなので、起点の自己資本と 10 年の還元の合計から外した。
【還元の置き方】10 年の還元は純利益の累計の約 85% と置いた(無配で自社株買いが中心。成長に回す元手が要らないため、残り15%は小型買収)。残らない分は、伸びが止まる中立の筋書きでは成長に回す元手が要らないため返す。株式報酬は GAAP の純利益ですでに費用として引いている。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
設計の仕事はなくならず、むしろ増える。AI は設計者を置き換えるのでなく、1 人が扱える案件を増やし、設計の費用が下がることで、これまで図面を引けなかった小さな案件・新興国・施設運用まで需要が広がる。Fusion の自動拘束は受け入れ率が約 6 割に達し、AI の機能は使われている。RPO は 83 億ドル(+20%)で、先の売上が見えている。
ファイル形式の囲い込みは AI 時代にも効く。モデル開発会社が図面を出せても、受け取る施工会社・発注者が使う形式は DWG・RVT で、オートデスクの形式で出す必要がある。AI は同社の製品の中に入り、使用量の課金が席の課金に上乗せされる。建設・製造・運用のデータをつなぐ「プロジェクト・インテリジェンス」で、使われる量が増える。
利益率は取り戻せる。非 GAAP の目標は FY29 に 41%(取引モデルの影響を除くと約 45%)で、GAAP でも FY26 の 22% から FY27 に 25〜27% へ上がる見通し。株式報酬の比率は第 2 四半期に下がった。マックスメインが加わっても、規模が大きくなれば売上の伸びは 10% 前後を保てる。
慎重な見方
今の値段が高すぎる。GAAP の PER は 46 倍、非 GAAP の予想 PER でも 20 倍近くで、株式報酬(売上の約 11%)を費用に入れると倍近い。中立の 10 年後の PER は約 16 倍と、今の 3 分の 1 ほどで、利益が 3 倍になっても今の時価総額に届かない。
AI は席の課金の根幹を突く。2 次元の製図、図面の確認、数量の拾い出し、建物の基本設計は、仕様から自動で出せるようになる部分が大きい。同じ成果物に必要な設計者が減れば席が減り、会社が使用量課金へ移れば、売上の安定という席課金の強みを手放す。2026 年 2 月に起きたソフト株の急落は、この懸念の表れで、AutoCAD(売上の 25%)は特に弱い。
競合は手強い。ベントレーは土木で成長が 12%、ネメチェックは買収で 14〜15%、製造ではダッソー・PTC・シーメンスが固い顧客を持つ。取引モデルの変更で売上の伸びの約 3 ポイントは見かけで、実質は 9〜10%。マックスメインは赤字で、36 億ドルは ARR の約 27 倍、成長が鈍れば減損になる。リーマン期にオートデスクの株価は約 75% 下がり、売上は約 26% 減った。 設計の自動化で席課金が崩れ、競合の値引きが重なれば、GAAP の利益は株式報酬と償却を引くとほとんど残らない。
どちらに重みを置いたか
強気は図面と BIM の標準、純売上維持率 109%、契約残 +20%、マックスメインの成長を言い、慎重は生成 AI による席の減少と、GAAP の PER 約 46 倍という値段を言う。堀の部分にだけ g を認め、席型の数量と価格で引いた。やや悲観と悲観を合わせて35%。AI 代替は数量・価格に主に入れ、k では寿命の上乗せ(0.75%)にとどめた。結論は割高。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 63.67 ドル137 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 41.34 ドル89 億ドル)。 今の値に割り戻すと 54.70 ドル118 億ドル、今との差 −78.5%、 期待の年率 −8.5%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 84.65 ドル182 億ドル | 49.77 ドル107 億ドル | −47.3% | −6.2% | 9.41 ドル20 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 76.70 ドル165 億ドル | 46.98 ドル101 億ドル | −51.5% | −7.0% | 24.73 ドル53 億ドル |
| 中立 | 38% | 68.98 ドル148 億ドル | 44.65 ドル96 億ドル | −55.4% | −7.8% | 43.18 ドル93 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 55.91 ドル120 億ドル | 39.53 ドル85 億ドル | −62.6% | −9.4% | 21.95 ドル47 億ドル |
| 悲観 | 12% | 27.77 ドル60 億ドル | 20.00 ドル43 億ドル | −81.3% | −15.4% | 5.73 ドル12 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 63.67 ドル137 億ドル | 41.34 ドル89 億ドル | −58.8% | −8.5% | 105.01 ドル226 億ドル |
今の株価時価総額 254.95 ドル548 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 7% BIM と図面の標準が効き、席の減りが小さい 利益 15 億ドル · PER 12.0 倍 · 株価時価総額 84.65 ドル182 億ドル
BIM と図面の標準が効き、AI 製品が席の減りを埋める最良の筋書き。AI 製品の売上の金額開示は確かめられないので、AECO の数量は今の1.00倍、AutoCAD は0.90倍が上限。売上は84.0億ドル、純利益は15.2億ドル。 内訳は建築・土木・建設・運用=数量1.00倍・価格1.25倍・利益率20.0%、AutoCAD・AutoCAD LT=数量0.90倍・価格1.15倍・利益率34.3%、製造=数量0.98倍・価格1.15倍・利益率18.4%、メディア・エンタメ+運用ソフト=数量1.00倍・価格1.15倍・利益率5.3%。 この筋書きの確率は7%。結果は、売上が今の1.17倍の84.0億ドル、営業利益20.7億ドル、純利益15.2億ドル、自己資本51.0億ドル、10年の正味の還元107億ドル、時価総額182億ドル(PER11.9倍)。
- 建築・土木・建設・運用(AECO):数量 700(AECO 向けソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 6.4%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 45 億ドル・営業利益 9 億ドル。数量1.00倍・価格1.25倍・営業利益率20.0%(人月と記録の正本の混合)
- AutoCAD・AutoCAD LT:数量 135(汎用 CAD 市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 13.7%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 18 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量0.90倍・価格1.15倍・営業利益率34.3%(席課金型)
- 製造(Fusion・Inventor ほか):数量 293(製造向け設計・加工・解析ソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 5.3%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 16 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量0.98倍・価格1.15倍・営業利益率18.4%(席課金型)
- メディア・エンタメ+運用ソフト(MaintainX 含む):数量 400(メディア制作ツールと設備保全・運用ソフトの対象市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 1.3%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量1.00倍・価格1.15倍・営業利益率5.3%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.60%(記録の正本の部分だけ物価並みの値上げが続く。利益の加重)の正当化PER:事業のROE30.1%、RONIC=k+0.67×(ROE−k)=23.0%、(1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.9倍。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:AI 製品の売上の金額開示がなく、楽観でも数量は上限を抑えた。7%。
やや楽観 20% AECO が伸び、AutoCAD の席は緩やかに減る 利益 14 億ドル · PER 11.9 倍 · 株価時価総額 76.70 ドル165 億ドル
AECO 0.96倍・1.22倍、AutoCAD 0.84倍、製造0.91倍。売上は78.2億ドル、純利益は13.8億ドル。 内訳は建築・土木・建設・運用=数量0.96倍・価格1.22倍・利益率19.4%、AutoCAD・AutoCAD LT=数量0.84倍・価格1.13倍・利益率33.3%、製造=数量0.91倍・価格1.13倍・利益率17.9%、メディア・エンタメ+運用ソフト=数量1.00倍・価格1.13倍・利益率5.2%。 この筋書きの確率は20%。結果は、売上が今の1.09倍の78.2億ドル、営業利益18.8億ドル、純利益13.8億ドル、自己資本50.0億ドル、10年の正味の還元101億ドル、時価総額165億ドル(PER11.9倍)。
- 建築・土木・建設・運用(AECO):数量 672(AECO 向けソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 6.2%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 42 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量0.96倍・価格1.22倍・営業利益率19.4%(人月と記録の正本の混合)
- AutoCAD・AutoCAD LT:数量 126(汎用 CAD 市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 13.5%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 17 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量0.84倍・価格1.13倍・営業利益率33.3%(席課金型)
- 製造(Fusion・Inventor ほか):数量 274(製造向け設計・加工・解析ソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 5.2%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 14 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量0.91倍・価格1.13倍・営業利益率17.8%(席課金型)
- メディア・エンタメ+運用ソフト(MaintainX 含む):数量 400(メディア制作ツールと設備保全・運用ソフトの対象市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 1.3%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量1.00倍・価格1.13倍・営業利益率5.1%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.60%(記録の正本の部分だけ物価並みの値上げが続く。利益の加重)の正当化PER:事業のROE27.9%、RONIC=k+0.67×(ROE−k)=21.5%、(1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.9倍。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:AECO の標準が効き、売上の 97% が繰り返し入る契約である点を見て 20%。
中立 38% 席が AI で圧縮され、価格が物価に届かない 利益 13 億ドル · PER 11.9 倍 · 株価時価総額 68.98 ドル148 億ドル
AECO は数量0.92倍・価格1.18倍、AutoCAD は席の減少で0.78倍・1.10倍、製造は0.85倍、メディア・運用は1.00倍。売上は72.2億ドル、営業利益は16.9億ドル、純利益は12.5億ドル。 内訳は建築・土木・建設・運用=数量0.92倍・価格1.18倍・利益率19.0%、AutoCAD・AutoCAD LT=数量0.78倍・価格1.10倍・利益率32.7%、製造=数量0.85倍・価格1.10倍・利益率17.5%、メディア・エンタメ+運用ソフト=数量1.00倍・価格1.10倍・利益率5.0%。 この筋書きの確率は38%。結果は、売上が今の1.00倍の72.2億ドル、営業利益16.9億ドル、純利益12.5億ドル、自己資本48.0億ドル、10年の正味の還元96.0億ドル、時価総額148億ドル(PER11.9倍)。
- 建築・土木・建設・運用(AECO):数量 644(AECO 向けソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 6.0%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 39 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量0.92倍・価格1.18倍・営業利益率19.0%(人月と記録の正本の混合)
- AutoCAD・AutoCAD LT:数量 117(汎用 CAD 市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 13.1%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 15 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量0.78倍・価格1.10倍・営業利益率32.7%(席課金型)
- 製造(Fusion・Inventor ほか):数量 255(製造向け設計・加工・解析ソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 5.1%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量0.85倍・価格1.10倍・営業利益率17.5%(席課金型)
- メディア・エンタメ+運用ソフト(MaintainX 含む):数量 400(メディア制作ツールと設備保全・運用ソフトの対象市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 1.3%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量1.00倍・価格1.10倍・営業利益率5.0%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.60%(記録の正本の部分だけ物価並みの値上げが続く。利益の加重)の正当化PER:事業のROE26.1%、RONIC=k+0.67×(ROE−k)=20.3%、(1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.9倍。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:席が圧縮される中心の筋書き。38%。
やや悲観 23% 生成 AI が設計を自動化し、席が減る 利益 10 億ドル · PER 11.9 倍 · 株価時価総額 55.91 ドル120 億ドル
生成 AI が設計そのものを自動化し、席が減る。AECO 0.85倍・1.14倍、AutoCAD 0.72倍。売上は64.4億ドル、純利益は10.1億ドル。 内訳は建築・土木・建設・運用=数量0.85倍・価格1.14倍・利益率17.1%、AutoCAD・AutoCAD LT=数量0.72倍・価格1.07倍・利益率29.4%、製造=数量0.78倍・価格1.07倍・利益率15.7%、メディア・エンタメ+運用ソフト=数量0.92倍・価格1.07倍・利益率4.5%。 この筋書きの確率は23%。結果は、売上が今の0.89倍の64.4億ドル、営業利益13.8億ドル、純利益10.1億ドル、自己資本46.0億ドル、10年の正味の還元85.0億ドル、時価総額120億ドル(PER11.8倍)。 10年の純利益の累計は106億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- 建築・土木・建設・運用(AECO):数量 592(AECO 向けソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 5.9%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 35 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量0.85倍・価格1.14倍・営業利益率17.1%(人月と記録の正本の混合)
- AutoCAD・AutoCAD LT:数量 108(汎用 CAD 市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 12.7%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 14 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量0.72倍・価格1.07倍・営業利益率29.4%(席課金型)
- 製造(Fusion・Inventor ほか):数量 235(製造向け設計・加工・解析ソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 4.9%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量0.78倍・価格1.07倍・営業利益率15.7%(席課金型)
- メディア・エンタメ+運用ソフト(MaintainX 含む):数量 368(メディア制作ツールと設備保全・運用ソフトの対象市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 1.2%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量0.92倍・価格1.07倍・営業利益率4.5%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.60%(記録の正本の部分だけ物価並みの値上げが続く。利益の加重)の正当化PER:事業のROE21.8%、RONIC=k+0.67×(ROE−k)=17.5%、(1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.8倍。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:生成 AI が設計を自動化する筋書き。23%。
悲観 12% 設計の自動化で席課金が崩れ、競合の値引きも重なる 利益 5 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 27.77 ドル60 億ドル
設計の自動化で席課金が崩れ、競合の値引きも重なる。AECO 0.66倍・1.06倍、AutoCAD 0.56倍、利益率は AECO 11.4%まで落ちる。売上は46.8億ドル、純利益は5.2億ドル。 内訳は建築・土木・建設・運用=数量0.66倍・価格1.06倍・利益率11.4%、AutoCAD・AutoCAD LT=数量0.56倍・価格0.99倍・利益率19.6%、製造=数量0.61倍・価格0.99倍・利益率10.5%、メディア・エンタメ+運用ソフト=数量0.72倍・価格0.99倍・利益率3.1%。 この筋書きの確率は12%。結果は、売上が今の0.65倍の46.8億ドル、営業利益7.1億ドル、純利益5.2億ドル、自己資本58.0億ドル、10年の正味の還元43.0億ドル、時価総額59.7億ドル(PER11.4倍)。 10年の純利益の累計は75.4億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- 建築・土木・建設・運用(AECO):数量 464(AECO 向けソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 5.4%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 25 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量0.66倍・価格1.06倍・営業利益率11.4%(人月と記録の正本の混合)
- AutoCAD・AutoCAD LT:数量 84.2(汎用 CAD 市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 11.8%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 10 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量0.56倍・価格0.99倍・営業利益率19.6%(席課金型)
- 製造(Fusion・Inventor ほか):数量 184(製造向け設計・加工・解析ソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 4.6%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量0.61倍・価格0.99倍・営業利益率10.5%(席課金型)
- メディア・エンタメ+運用ソフト(MaintainX 含む):数量 288(メディア制作ツールと設備保全・運用ソフトの対象市場の実質規模(億ドル・FY26 価格))× 価格 1.1%(1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量0.72倍・価格0.99倍・営業利益率3.0%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.00%(人月・席の型は0%以下。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(8.8%+-0.00%)=11.4倍(事業のROE9.0%)。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:席課金が崩れる筋書き。堀を見て 12% にとどめ、やや悲観と合わせて35%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
建築・土木・建設・運用(AECO)
建物の設計(Revit)・土木・施工管理(Construction Cloud)・施設運用(Tandem)を、設計者・現場の席と使用量で課金する。
| 数量AECO 向けソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格) | 価格1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 700 | 5.1% | 36 | 7 |
| 10 年後 中立 | 644 | 6.0% | 39 | 7 |
取り方:FY26 の AECO 売上 35.8 億ドル(+22%、取引モデルの上乗せを含む)。対象市場は建築設計・土木・施工管理・施設運用のソフトで約 700 億ドルと推定(ベントレーの ARR 15 億ドル、ネメチェック約 15 億ユーロ、トリンブル、プロコア、ブルービームなどの合計に周辺を足して推定)。シェアは約 5%。数量 = 市場の実質規模、価格 = シェア × 価格の倍率(価格は物価 3.5% で 3 年 1.11 倍・10 年 1.41 倍、取引モデルの上乗せ 1.03 を別に掛ける)。製品群ごとの営業利益は開示されないので、全社の GAAP 営業利益 15.8 億ドルに合わせ、AECO 20%・AutoCAD 34%・製造 19%・その他 5%、本社と買収償却の調整 −0.3 億ドルと推定した。競合はベントレー・ネメチェック・トリンブル・プロコア。 【AIエージェント代替の見直し】AECO は建築・土木・施工の設計と BIM データ。業界の共同利用の標準である面と、純売上維持率 109% の実績で記録の正本寄り、課金は席が中心の混合。数量0.92倍、価格1.18倍。g はこの部分の利益比で+0.6%の一部。
AutoCAD・AutoCAD LT
2 次元・3 次元の汎用 CAD。世界中の設計事務所・施工会社が使う基本の製図ツール。
| 数量汎用 CAD 市場の実質規模(億ドル・FY26 価格) | 価格1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 150 | 11.9% | 18 | 6 |
| 10 年後 中立 | 117 | 13.1% | 15 | 5 |
取り方:FY26 の AutoCAD・AutoCAD LT 売上 17.9 億ドル(+14%)。対象市場は汎用の 2 次元・3 次元 CAD で約 150 億ドルと推定(CAD 市場全体のうち AutoCAD と競合する汎用製品)。シェアは約 12%。数量 = 市場の実質規模(成熟していて成長は 0〜1% 程度)、価格 = シェア × 価格の倍率。営業利益率は成熟した製品で最も高い 34% と推定。競合はベントレー(MicroStation)・ダッソー(DraftSight)・ZWSOFT(ZWCAD)・グラフィソフトなど。 【AIエージェント代替の見直し】AutoCAD・AutoCAD LT は成熟した席課金で、AI が図面作成を自動化すると席が最も減る領域。図面形式の標準という堀はあるが、数量は席の減少で縮む。数量0.78倍、価格1.10倍。
製造(Fusion・Inventor ほか)
機械・製品の設計から加工(CAM)・解析までを扱う Fusion・Inventor。
| 数量製造向け設計・加工・解析ソフト市場の実質規模(億ドル・FY26 価格) | 価格1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 300 | 4.6% | 14 | 3 |
| 10 年後 中立 | 255 | 5.1% | 13 | 2 |
取り方:FY26 の製造売上 13.8 億ドル(+16%)。対象市場は製造向けの CAD・CAM・CAE(PLM は除く)で約 300 億ドルと推定。シェアは約 4.6%。数量 = 市場の実質規模、価格 = シェア × 価格の倍率。営業利益率は 19% と推定(クラウドの Fusion の投資が重い)。競合はダッソー(SOLIDWORKS・CATIA)・PTC(Creo・Onshape)・シーメンス(NX・Solid Edge)。PTC の CAD の ARR は +6%、ダッソーのソフトは +4% で、オートデスクの製造(+16%)は取引モデルの上乗せ込みで同業より速い。 【AIエージェント代替の見直し】製造(Fusion・Inventor ほか)は席課金型で、PTC・ダッソー・シーメンスと競合。AI が設計補助を担い席が圧縮される。数量0.85倍、価格1.10倍、利益率は低い。
メディア・エンタメ+運用ソフト(MaintainX 含む)
映像・ゲーム制作のツール(メディア・エンタメ)と、2026 年 8 月に加わったメンテナンス管理のマックスメインなど運用ソフト。
| 数量メディア制作ツールと設備保全・運用ソフトの対象市場の実質規模(億ドル・FY26 価格) | 価格1 億ドルの市場あたりのオートデスク売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 400 | 1.1% | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 400 | 1.3% | 5 | 0 |
取り方:FY26 のメディア・エンタメ売上 3.3 億ドル(+5%)とその他 1.3 億ドルの合計 4.6 億ドル(マックスメインは FY26 に含まれない。ARR 1.35 億ドル超で成長 5 割超、赤字、FY27 以降に加わる)。対象市場はメディア制作ツール(約 100 億ドル)と設備保全・運用ソフト(約 300 億ドル)で約 400 億ドルと推定、シェアは約 1.1%。数量 = 市場の実質規模、価格 = シェア × 価格の倍率で、マックスメインの成長はシェアの上昇として置く。営業利益率は 5% と推定。競合は保全では IBM(Maximo)・SAP・アップキープ、メディアではアドビ・ブラックマジックなど。 【AIエージェント代替の見直し】メディア・エンタメとマックスメインなど運用ソフトは、成長するマックスメイン(ARR 1.35 億ドル超)が席の減りを補う。数量1.00倍、価格1.10倍、利益はほぼゼロ。
リスクと懸念
AI エージェント代替(設計ソフトの席の圧縮)
オートデスクの売上は設計者の席への購読が中心で、生成 AI が設計や図面作成を自動化すれば席が減る。AutoCAD は最も影響を受ける。AI 製品の売上の金額開示は確かめられない。中立の売上は今の1.00倍、悲観では0.65倍と置いた。
値段の高さ(GAAP の PER 約 46 倍)
株式報酬(売上の約 11%)を費用に入れた GAAP の PER は 46 倍で、中立の 10 年後の PER(約 16 倍)の 3 倍近い。利益の伸びが倍率の縮みを埋めきれない場合は、事業が順調でも持っているだけで価値が下がる。アドビやセールスフォースなど席課金のソフトの評価が下がった 2026 年の流れは、この会社にも及びうる。
取引モデルの移行と利益率の見かけ
再販業者を外す直接請求では、売上が増えて利益率が見かけ上下がる。FY27 の伸びの約 3 ポイントは機械的な上乗せで、実質は 9〜10%。移行が終われば上乗せはなくなり、報告ベースの成長が 1 桁台に落ちて見える。利益率も移行の途中は押し下げられる。
マックスメインの実行とのれん
約 36 億ドルは ARR の約 27 倍で、赤字の事業。成長が鈍る・統合が進まないと、数億〜数十億ドルののれんの減損になる。純負債は 1 億ドルから 30 億ドル前後に増え、借り換えは約 5.75% で利払いが増える。
競合との取り合い
ベントレーは土木で ARR +12%、ネメチェックは買収込みで +14〜15%、製造ではダッソー・PTC・シーメンスが固い顧客を持つ。価格で攻められるとシェアと利益率の両方が下がる。特に製造は、PTC の Onshape とオートデスクの Fusion がクラウドで中小企業を取り合っており、値引きの応酬になりやすい。
株式報酬と株数
株式報酬は年 7.9 億ドルで、自社株買いの半分以上はこれを打ち消すだけになる。AI 人材の獲得で報酬が増えれば、純利益も正味の還元も減る。株式報酬の比率は第 2 四半期に下がったが、この傾向が続くかが利益率の見通しを左右する。
今後の分かれ目
- AutoCAD の席数(またはその売上)が 2 四半期続けて前年を下回ったら
- AI による席の減少が始まった合図。AutoCAD の市場とシェアを引き下げ、10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。
- 使用量・成果課金の売上比率が上がり、席数と売上が切り離されて伸びたら
- AI が席を減らしても売上を守れる合図。10 年のやや楽観の確率を上げる。
- 取引モデルを除いた実質の売上の伸びが 2 四半期続けて 8% を下回ったら
- 成長が鈍る合図。中立の AECO・製造のシェアの上積みを減らし、10 年の中立を見直す。
- マックスメインの ARR の伸びが 30% を下回る、または減損が出たら
- 資本配分に疑い。メディア・運用のシェアを下げ、買収の効率を見直す。
- GAAP の営業利益率が FY27 の見通し(25〜27%)を 2 年続けて下回ったら
- 取引モデルの影響や AI の費用が重い合図。中立の利益率を 1〜2 ポイント下げる。
- 景気が後退し、設計者の人員が減って更新率が下がったら
- 10 年の悲観に近づく。悲観の確率を引き上げ、ならした利益を見直す。
- AI 製品の売上が金額で開示され、全社売上の 1 割を超えたら
- 席の減りを AI 課金が埋める証拠。AECO・製造の数量の上限を見直す。
- 純売上維持率が 100% を割るか、AutoCAD の席数が 2 年続けて減ったら
- 席の圧縮が始まった合図。数量を中立の{acad_base_vm:.2f}倍より下げる。
見ておくもの
- 純収益維持率(NRR)・更新率・席数(特に AutoCAD)
- 使用量・成果課金の売上比率と AI 製品の売上の開示
- 取引モデルを除いた実質の伸びと GAAP の営業利益率(FY27 の見通し 25〜27%)
- AECO・製造の競合(ベントレー・ネメチェック・ダッソー・PTC)の ARR の伸びと利益率
- マックスメインの ARR・のれん・純負債
- 株式報酬の売上比と株数、自社株買いの額
- AI 製品の売上開示と、純売上維持率・AutoCAD の席数
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額 516億ドル や GAAP の PER 約 46 倍は見ずに、4 つの製品群を型で分けて数量(0.78〜1.0 倍)と価格(物価に届かない 1.10〜1.18 倍)を置いた。倍率は正当化 PER で、k は基本 8.0% + 寿命 0.75 = 8.75%、g は堀の部分の利益比で0.6%、ROE は 35% を使った。AI 代替は数量・価格に主に入れ、k・確率(悲観側35%)・g に重ねていない。純利益は GAAP。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β 1.20 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0.75% = 8.75%(β は使わない)。景気・借金は 0。寡占による値決め力の下げ枠(前は −0.25)は、AI による席の減少を価格の置き方に入れたため使わない。寿命は、記録の標準(+0.5)と席型(+1.0〜1.5)の間の +0.75%。個別のリスクは k に足さず筋書きと確率で表した。
同じ業種(情報技術)の AI 分析
読んだ資料
- オートデスク FY2026 第 4 四半期・通期決算(SEC 8-K)
- オートデスク FY2026 10-K
- オートデスク FY2027 第 2 四半期決算(会社発表)
- オートデスクがマックスメインを 36 億ドルで買収(Yahoo Finance)
- オートデスクがマックスメインの買収を完了(ARC Advisory)
- オートデスクの見通し引き上げと取引モデル(Nasdaq)
- ベントレー・システムズ 2026 年第 2 四半期決算
- ダッソー・システムズ 2026 年第 2 四半期決算
- PTC 2026 年度第 3 四半期決算(SEC 8-K)
- ネメチェック 2026 年第 2 四半期
- ソフト株の AI 懸念(kavout)