結論
ラリアントは、電子回路を測る精密計測器と、送電網や防衛装備の故障を防ぐ部品を売る会社である。筆者の判断は割高である。顧客が簡単には替えられない製品を持つ一方、計測事業の立て直しが成功する前から高い利益を期待した値段になっている。
2025年6月にフォーティブから分離した。2025年の純損失12.2億ドルは、主に計測事業ののれん14.4億ドルの減損による。現金が同額流出したわけではないが、高値で買収した事業の将来収益を見誤った証拠である。減損を一度きりとして忘れるのでなく、経営の資本配分の採点に残すべきだ。
明るい材料もある。2026年第2四半期は両事業の売上が二桁伸び、送電網監視と防衛向けの受注が強かった。会社は年間売上見通しを22.50〜23.00億ドルへ引き上げた。ただし計測事業の米国会計基準による営業利益率は、まだ2.4%にとどまる。2026年第3四半期決算は11月4日予定で、本稿時点では未公表である。
10年後も、高圧設備の監視やミサイルの安全装置を不要にするのは難しい。中立では両事業の合計売上を約35.5億ドル、純利益を約5.1億ドルと見込む。それでも、買収のれんを除かない資本効率と現実的な成長率から測った現在価値は、台帳の時価総額を大きく下回る。5つの筋書きを確率で加重した現在の本質価値は約37.5億ドルで、台帳の約75.1億ドルに対して約50%の割高である。事業の寿命と、株主が払う値段は別問題である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社の良さは「測れなければ動かせないもの」を扱うことだ。送電網の劣化やロケットの点火安全性を、安い部品へ気軽に置き換える顧客は少ない。必要性が長く続き、値上げした実績まである。こうした部分には、相応の持続的な超過利益を認めてよい。
しかし、いい製品を持つ会社が、いい買収をするとは限らない。EAへの支払いは、電動化の将来市場を高く見積もった判断だった。その翌年の巨額減損は、稼いだ現金の使い道を経営に全面的に委ねてよいか、という疑問を残す。損失が非現金だからといって、以前の株主の資本が消えていないわけではない。
オーナー利益を見るなら、2025年の営業現金流入約4億ドルと設備投資約0.4億ドルの差は魅力的だ。それでも開発費と株式報酬は必要な費用であり、将来の大型買収もただではない。利益率が回復する前から2024年の高収益を当然視すると、払いすぎる。
筆者は、センサー・安全システム単体には優良事業としての評価を与える。一方、計測事業には製品サイクルと買収したのれんが残る。10年後の機器需要が消えるとは考えにくいが、同じ経営陣が利益を高い利回りで再投資できるとまでは言えない。現状の値段では、良い事業への評価と株主の安全域を混同してしまう。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は、売上の約6割を占める「センサー・安全システム」である。クオリトロールは大型変圧器の劣化や異常放電を監視し、停電を未然に防ぐ。パシフィック・サイエンティフィックはミサイルや宇宙機の点火・分離に使う安全装置を供給する。ジェムズ、セトラ、アンダーソン・ネーゲレなどは圧力、流量、液位を測り、食品工場やデータセンターにも入る。故障の損失が部品代を大きく超える現場では、認証と信頼の価値が高い。
もう一つの「試験・計測」は、テクトロニクスのオシロスコープ、キースレイの精密電源測定器、EAエレクトロ・オートマティークの双方向電源試験器が柱である。顧客は半導体、通信、電子機器、電気自動車、電池の技術者だ。新製品の開発や検証に欠かせないが、設備投資が減ると注文が一斉に鈍る。計測解析ソフトもあるが、利益の中心は物理機器とその校正・保守にある。
2025年のセンサー・安全システムの売上は12.67億ドル、営業利益は3.41億ドルだった。試験・計測は売上8.02億ドルで、巨額減損を除いた営業損失が約0.24億ドル、本社費が約0.59億ドルである。これらを合わせると、添付の下調べにある減損調整後の全社営業利益約2.6億ドルにつながる。減損を含むGAAP営業損失は別物であり、都合よく一緒にしない。
会社は約9万の顧客と約1,400人の技術者を抱える。販売の一部は代理店経由だが、難しい用途ほど顧客の設計者と直接共同で仕様を決める。装置単体の値札だけでなく、適合試験、互換性、長期供給、故障時の支援で選ばれる仕組みである。製品別の出荷台数は公表されないため、数量は一定価格の対象市場に対する採用量として扱い、単価の上昇とは分けて評価した。
優良さと弱いところ
堀、つまり競合に顧客を奪われにくい強みは、二つの事業で厚さが違う。送電網監視は導入後の校正記録、設備との適合、事故時の責任が切り替えの負担になる。防衛・宇宙向けの点火装置は設計段階から採用され、認証をやり直す費用が大きい。実際、センサー・安全システムでは2025年に値上げが売上成長へ4.1ポイント寄与した。現場の実績に裏付けられた値決め力である。
計測器のブランドにも寿命はあるが、より競争的だ。キーサイト、ローデ・シュワルツ、テレダインが新しい周波数帯や高速信号の計測で競う。2025年は試験・計測の販売数量が17.4%減り、2.1%の値上げでは補えなかった。ブランドがあっても、需要減や製品の遅れから利益を守り切れないことが分かった。全社を強い独占企業とは評価しない。
資本配分には明確な傷がある。2024年のEA買収には約17.2億ドルを使ったが、2025年には計測事業ののれん14.4億ドルを減損した。電気自動車の普及予測が外れたことが主因で、増分投資利益率が資本コストを上回ったとは到底確認できない。2026年の受注回復は重要だが、一年の好調で買収価格を正当化してはならない。
利益の質を測る際は、2025年の減損によってROEが大幅な赤字になった点に注意する。日常的なキャッシュフローは黒字でも、減損前の自己資本には買収価格が重く乗っていた。経営改善の利益だけでなく、成長に投入する資本も監視する必要がある。AIエージェントが人月・席課金を代替する業態には当たらないが、解析ソフトの自動化が計測器の競争条件を変える余地はある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
市場は一枚岩ではない。会社が2025年の分離資料で示した商圏は、広義の商業市場で約460億ドル、現在の製品が対象にできる市場で約260億ドル、販売網を考慮した実際のサービス可能市場で約160億ドルだった。これらは2024年の会社推計であり、2025年の売上約21億ドルを単純に割った13%を、どの製品にも当てはまる正式なシェアとは呼べない。
送電網監視には構造的な需要がある。データセンターの電力使用が増え、老朽化した変圧器を延命する監視機器への支出が続く。変圧器監視だけの世界市場は2025年に約28億ドルという外部推計があるが、ラリアントのセンサー事業には防衛・産業用も含まれる。防衛ではミサイル在庫の補充と宇宙機の増加が追い風だが、政府予算と発注時期は揺れる。
対する試験・計測は、電子機器の複雑化とAI関連回路の高周波化が需要を生む一方、顧客の設備投資循環に左右される。広義の世界計測機器市場には2025年約330億ドルという推計もある。キーサイト、アメテック、ローデ・シュワルツ、テレダインとの競争が強く、安価な中国製計測器も低中価格帯へ入ってくる。業界統計は対象製品が異なり、競合の厳密な同一市場シェアは公表されていない。
数量の筋書きでは、会社の160億ドルの商圏を製品の用途によりセンサー・安全95億ドル、計測65億ドルへ暫定的に分けた。この内訳は会社開示ではない。中立では、送電網と防衛の実質需要増と小幅な採用拡大を見込む。計測は市場そのものが少し増えても競争でシェアをやや失うと考える。価格は米国の物価上昇を基準にするが、顧客が認める性能を維持できるかで差をつけた。
資本政策と M&A
2025年6月のフォーティブからの分離時に、会社は旧親会社へ約11.5億ドルを支払うため借入を行った。2025年末の純有利子負債は約9億ドルで、短期の借換期限もある。分離前の利益と自己資本は旧親会社との資金移動を含み、独立企業として10年の資本配分成績が確認できるわけではない。支配株主や複数議決権株はなく、現時点で優先株の発行もない。
2024年に約17.2億ドルで買ったEAの評価損が最大の教訓である。経営陣は製品の革新に投資しつつ、今後も選別的な買収を続ける方針だ。ただし、買い手の側に立つなら次の大型買収を無条件に好材料とはしない。買収額に対する投下資本利益率と、経営の説明を重視する。
還元は分離後に本格化した。2026年5月に自社株買い枠を5億ドルへ増やし、6月末までに約1.5億ドルを買い戻した。7月時点の残枠は4億ドルである。四半期配当もあるが、経営の目安はフリーキャッシュフローの約半分を買戻しに回すことだ。2025年の株式報酬費用は約0.56億ドルであり、総買戻しからこの希薄化相当を引いたものだけを正味の還元とする。
会社は売上の長期成長率3〜5%、調整後EBITDA利益率20%台前半〜半ば、2028年までに年換算0.5〜0.6億ドルの費用節減を掲げる。ただし調整後利益には買収無形資産の償却が含まれないことがある。2035年の純利益はGAAPの費用を含め、借入金利を約5.75%とした場合も想定している。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
送電網の監視と防衛用安全装置は、値段の安さより故障の少なさが選ばれる市場だ。クオリトロールは高圧変圧器の監視を担い、パシフィック・サイエンティフィックは防衛や宇宙開発の長い認証過程に入り込む。送電容量の増強とミサイルの補充が続けば、数量増と価格改定を同時に取り込める。2026年第2四半期には受注が伸び、センサー部門の利益率も28%台へ回復した。
計測の谷も長く続くとは限らない。生成AIで電子回路が高度化すると、試験する信号の周波数も電力も上がり、新型のオシロスコープや精密電源が必要になる。テクトロニクスとキースレイが技術者の信頼を取り戻し、EAの双方向電源も電池・電力系統の用途を開拓できる。競合のキーサイトに対して全商品で勝てなくても、電力測定の狭い分野で成長すれば十分だ。
さらに独立後の経営改善が効く。2028年までの費用節減が定着し、売上増に対して利益が大きく伸びれば、買収償却を引いたGAAP利益も回復する。継続的な研究開発をしながら、余分な現金を株主へ返す規律が育つ可能性がある。楽観では、2035年に売上が約51億ドル、純利益が約9億ドルへ拡大する。過去の大型買収の失敗は事実だが、物理的な性能と長期の顧客信頼まで損なったわけではない。
慎重な見方
優良なのは送電網監視の一部であり、会社全体に同じ堀はない。試験・計測では2025年に数量が17%超減り、値上げを上回った。キーサイト、ローデ・シュワルツ、テレダインは先端通信・高周波測定に強く、技術者が機器を世代更新する際には既存のブランドを替える余地がある。中国勢の低価格機も加われば、電力測定も利益率を守れない。
経営の読み違いは既に証明されている。EA買収は17億ドル超と大きく、翌年の減損14億ドル超は、電気自動車の普及を過信したことを示す。市場に魅力があっても、その魅力を買収額に上乗せして払えば株主に残らない。会社が今後も買収を続ければ、のれんを再び積む可能性がある。
分離によって借金も背負った。2025年末の純負債は9億ドルで、売上が落ちても金利と本社費は残る。帳簿の自己資本16億ドルには、のれんや顧客関係など売却しにくい資産が多く、清算時の下値を守る厚い現金の山ではない。2026年の回復は落ち込みの反動でもあり、長期の増分投資利益率をまだ証明していない。
高い営業利益率のセンサー事業も、政府予算の先送り、電力会社の工期遅延、仕様変更や競争入札から自由ではない。10年後の売上が思ったほど増えず、買収と固定費の負担だけが残ると、現金還元は縮む。AIエージェントに計測器そのものは置き換えられないが、測定手順と解析の自動化がソフトの差別化を弱める可能性はある。長く続く市場が必ず高い株主利回りを生むわけではない。
どちらに重みを置いたか
需要の寿命については強い見方が勝る。とりわけ送電網監視と防衛向けの安全装置には、価格を守る証拠がある。しかし資本配分と計測の競争力については慎重な見方が強い。2025年の大型減損は経営陣の見通しの誤りであり、2026年の回復だけでは打ち消せない。
楽観とやや楽観に計28%、中立に35%、やや悲観と悲観に37%を配した。落ち込みの確率を増やしすぎないよう、循環リスクは利益率にも入れる。どの筋書きも同じ資本コストで割り引くと、本質価値は台帳の時価総額のおよそ半分である。割高との結論は、株価に合わせて利益を調整したものではない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 54.11 ドル61 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 13.99 ドル16 億ドル)。 今の値に割り戻すと 33.23 ドル38 億ドル、今との差 −50.6%、 期待の年率 +0.1%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 126.60 ドル143 億ドル | 27.46 ドル31 億ドル | +129.2% | +9.7% | 13.87 ドル16 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 90.42 ドル102 億ドル | 20.37 ドル23 億ドル | +64.8% | +5.7% | 21.05 ドル24 億ドル |
| 中立 | 35% | 57.05 ドル64 億ドル | 14.61 ドル17 億ドル | +6.6% | +0.7% | 25.08 ドル28 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 20.37 ドル23 億ドル | 8.41 ドル10 億ドル | −57.2% | −9.2% | 7.20 ドル8 億ドル |
| 悲観 | 12% | 3.99 ドル5 億ドル | 3.54 ドル4 億ドル | −88.8% | −23.0% | 0.90 ドル1 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 54.11 ドル61 億ドル | 13.99 ドル16 億ドル | +1.3% | +0.1% | 68.10 ドル77 億ドル |
今の株価時価総額 67.21 ドル76 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 楽観:送電網と防衛の採用拡大に計測再生が重なる 利益 9 億ドル · PER 16.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 126.60 ドル143 億ドル
送電網の更新、データセンター増設、防衛・宇宙の長期契約がそろって伸びる。センサー・安全システムの実質採用量は2025年の1.74倍になり、名目単価も約1.5倍となる。市場の実質成長だけでなく、クオリトロールが大型変圧器の診断を広げ、パシフィック・サイエンティフィックの採用案件を増やす効果が大きい。部門のGAAP営業利益率は30%へ向上する。
試験・計測では、AI用の高速信号検証と電力半導体の検査が新しい需要になる。テクトロニクスがキーサイトやローデ・シュワルツに対して特定の用途でシェアを取り戻し、EAの高出力試験器も電池以外へ販路を伸ばす。数量は1.50倍、単価も1.50倍となる。費用節減と製品構成の改善で同部門のGAAP営業利益率は16.5%へ回復する。
新たな大型買収を避け、研究開発と小規模な技術取得に集中する。2026〜35年のGAAP純利益累計は57億ドル、株式報酬相当を控除した正味還元は31億ドルとなる。期末自己資本は42.3億ドルで、純利益は8.85億ドルへ拡大する。成功には防衛予算、電化投資、計測器の競争力が長期にかみ合う必要がある。
- センサー・安全システム:数量 22.1(2025年単価に固定した導入数量の金額換算(実質億ドル=サービス可能市場×製品採用シェア))× 価格 1.51(2025年の機器・導入案件の平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 33 億ドル・営業利益 10 億ドル。2025年単価の実質採用数量は1.74倍。品質認証と系統投資でシェア拡大。
- 試験・計測:数量 12.0(2025年単価に固定した測定器・試験システム導入数量の金額換算(実質億ドル=対象市場×製品採用シェア))× 価格 1.50(2025年の測定器・サービスの平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 18 億ドル・営業利益 3 億ドル。2025年単価の実質導入数量は1.50倍。先端信号と電源試験のシェア回復。
倍率:送電網と防衛の実質需要約1.1%、浸透率変化約0.2%、価格実現約2.7%で成熟後の名目gを4.0%とした。k8.5%、2035年のROE20.9%(GAAP純利益8.85÷自己資本42.3)を伸びに要る資本の利回りとする。全社の堀は普通で超過収益の残存割合1/2、RONIC=8.5%+1/2×(ROE−8.5%)=14.71%。翌期利益に対する正当化PERに(1+g)を掛けた2035年利益用の上限は16.83倍。利益の質、景気変動、EA買収の不確実性を反映して上限の96%の16.15倍を採用。時価総額=GAAP純利益8.85億ドル×PER16.15倍=142.93億ドル。買収償却と株式報酬はGAAP利益に含めており倍率で再加算しない。期末に余剰純現金を別建て計上しない。
確率:防衛の長期案件、系統監視の値上げ、計測の競争力回復の三つが同時に成功する。案件の実需はあるが2024年のEA買収判断が外れたため、成立確率は9%と抑えた。
やや楽観 19% やや楽観:計測器の利益率が十分に戻る 利益 7 億ドル · PER 14.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 90.42 ドル102 億ドル
電力会社の設備保全投資が続き、送電網監視と宇宙・防衛向け安全装置が着実に増える。センサー・安全システムの採用量は1.54倍となる。単価は製品の信頼性を背景に物価を少し上回り、利益率も29%台を守る。顧客の認証と運転実績という堀はむしろ厚くなる。
計測器は2025年の谷から回復するが、全市場を独占するわけではない。キーサイトの先端通信向け製品を追い越せなくても、テクトロニクスの既存顧客とEAの電源関連需要が戻る。実質の導入量は約1.29倍、価格は約1.45倍へ伸びる。研究費と買収償却を引いた営業利益率は13.5%に達する。
費用節減が予定どおり進み、追加の大規模買収は行わない。2026〜35年のGAAP純利益は累計46億ドルとなり、約23億ドルを正味で還元する。期末自己資本は39.3億ドルで、ROEは18%弱へ改善する。利益率の改善が収益を押し上げるが、事業規模が大きくなれば成長率は物価と小幅な数量増へ落ち着く。
- センサー・安全システム:数量 19.5(2025年単価に固定した導入数量の金額換算(実質億ドル=サービス可能市場×製品採用シェア))× 価格 1.46(2025年の機器・導入案件の平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 28 億ドル・営業利益 8 億ドル。2025年単価の実質採用数量は1.54倍。系統監視のシェアが少し伸長。
- 試験・計測:数量 10.3(2025年単価に固定した測定器・試験システム導入数量の金額換算(実質億ドル=対象市場×製品採用シェア))× 価格 1.45(2025年の測定器・サービスの平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 15 億ドル・営業利益 2 億ドル。2025年単価の実質導入数量は1.29倍。電力系統と電子設計向けの競争力改善。
倍率:成熟後は市場実質数量約0.7%、シェア横ばい、価格約3.1%で名目g3.8%。k8.5%、2035年のROE17.9%(GAAP純利益7.05÷自己資本39.3)を伸びに要る資本の利回りとする。全社の堀は普通で超過収益の残存割合1/2、RONIC=8.5%+1/2×(ROE−8.5%)=13.22%。翌期利益に対する正当化PERに(1+g)を掛けた2035年利益用の上限は15.74倍。利益の質、景気変動、EA買収の不確実性を反映して上限の92%の14.48倍を採用。時価総額=GAAP純利益7.05億ドル×PER14.48倍=102.08億ドル。買収償却と株式報酬はGAAP利益に含めており倍率で再加算しない。期末に余剰純現金を別建て計上しない。
確率:センサーの強さは確かで、2026年上期の計測回復も実績がある。ただしGAAP利益率の持続改善は未確定であり19%とした。
中立 35% 中立:センサーの堀が残り計測は部分回復 利益 5 億ドル · PER 12.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 57.05 ドル64 億ドル
送電網・防衛向けの強い需要は続くが、足元の二桁成長が10年間続くとは考えない。センサー・安全システムの採用量は2025年比で約1.33倍に増える。市場の実質成長を中心に、取扱い設備を少し増やす。名目価格は物価並みの1.41倍となり、利益率は28%を維持する。競合のエスコ・テクノロジーズや産業用センサー大手に全ての案件で勝つわけではない。
試験・計測は半導体・電子機器の投資循環を受ける。キーサイトやテレダインとの競争でシェアを少し失うが、2025年の落ち込みから需要が正常化する。実質の導入量は1.04倍、単価は1.41倍で、GAAP営業利益率は10.5%に戻る。2028年までの経費節減は効くものの、償却費や開発費を全て消せるわけではない。
2035年の売上は35.5億ドル、営業利益7.07億ドル、純利益5.12億ドルとなる。2026年のGAAP利益を約2.2億ドルと見て、その後徐々に回復し、10年間の純利益累計は36.5億ドルと見込む。配当と買戻しから株式報酬相当を引いた正味還元は16.5億ドルとなり、自己資本は36.3億ドルになる。
- センサー・安全システム:数量 16.9(2025年単価に固定した導入数量の金額換算(実質億ドル=サービス可能市場×製品採用シェア))× 価格 1.41(2025年の機器・導入案件の平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 24 億ドル・営業利益 7 億ドル。2025年単価の実質採用数量は1.33倍。電力・防衛の実質需要が拡大。
- 試験・計測:数量 8.3(2025年単価に固定した測定器・試験システム導入数量の金額換算(実質億ドル=対象市場×製品採用シェア))× 価格 1.41(2025年の測定器・サービスの平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 12 億ドル・営業利益 1 億ドル。2025年単価の実質導入数量は1.04倍。競合の中で概ね導入量を維持。
倍率:成熟後は市場実質数量約0.4%、シェア小幅減約−0.2%、価格約3.3%で名目g3.5%。k8.5%、2035年のROE14.1%(GAAP純利益5.12÷自己資本36.3)を伸びに要る資本の利回りとする。全社の堀は普通で超過収益の残存割合1/2、RONIC=8.5%+1/2×(ROE−8.5%)=11.30%。翌期利益に対する正当化PERに(1+g)を掛けた2035年利益用の上限は14.29倍。利益の質、景気変動、EA買収の不確実性を反映して上限の88%の12.58倍を採用。時価総額=GAAP純利益5.12億ドル×PER12.58倍=64.41億ドル。買収償却と株式報酬はGAAP利益に含めており倍率で再加算しない。期末に余剰純現金を別建て計上しない。
確率:会社の長期売上成長目標3〜5%と2026年の回復を起点とし、価格上昇と実質需要を区別した中位の筋書き。数量増を大きく見込まないため35%と最も厚くする。
やや悲観 25% やや悲観:計測の競争負けで利益率が伸びない 利益 3 億ドル · PER 9.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 20.37 ドル23 億ドル
送電網監視の更新案件は残るが、電力会社の工期延期と防衛調達の遅れが重なる。センサー・安全システムの実質採用量は1.14倍にとどまり、単価の上昇も物価を下回る。エスコ・テクノロジーズや産業センサーの専業企業に仕様を取られ、営業利益率は22%まで下がる。
試験・計測は競争が厳しく、顧客がキーサイト、ローデ・シュワルツ、低価格の中国メーカーへ移る。製品の認知度は残っても、新製品の性能で負ければ価格を維持しにくい。実質導入量は2025年の約9割へ縮み、単価も物価に届かない。EAの買収で得た製品の利益は小さく、同部門のGAAP営業利益率は5.5%にとどまる。
全社の純利益は2.5億ドルまで落ちる。2026〜35年には回復と再悪化が混在し、純利益累計は23億ドルとなる。借入金利と本社費を支払うため、買戻しを縮めて正味還元は9.5億ドルに抑える。自己資本は29.8億ドルとなるが、資本コスト並みの利益率しか稼げず、以前の優良さは失われている。
- センサー・安全システム:数量 14.5(2025年単価に固定した導入数量の金額換算(実質億ドル=サービス可能市場×製品採用シェア))× 価格 1.31(2025年の機器・導入案件の平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 19 億ドル・営業利益 4 億ドル。2025年単価の実質採用数量は1.14倍。競合との入札で採用シェアが低下。
- 試験・計測:数量 7.3(2025年単価に固定した測定器・試験システム導入数量の金額換算(実質億ドル=対象市場×製品採用シェア))× 価格 1.22(2025年の測定器・サービスの平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 9 億ドル・営業利益 0 億ドル。2025年単価の実質導入数量は0.90倍。計測器の更新で競合への切替が進む。
倍率:成熟後は市場の実質増加をシェア喪失が上回り数量約−0.6%、価格約3.1%で名目g2.5%。k8.5%、2035年のROE8.4%(GAAP純利益2.50÷自己資本29.8)を伸びに要る資本の利回りとする。全社の堀は普通で超過収益の残存割合1/2、RONIC=8.5%+1/2×(ROE−8.5%)=8.44%。翌期利益に対する正当化PERに(1+g)を掛けた2035年利益用の上限は12.03倍。構造的に失った利益を楽観時の高倍率で評価せず、資本コスト逆数11.76倍より低い9.20倍を採用。時価総額=GAAP純利益2.50億ドル×PER9.20倍=23.00億ドル。買収償却と株式報酬はGAAP利益に含めており倍率で再加算しない。期末に余剰純現金を別建て計上しない。
確率:競合による採用喪失や計測の価格競争は、2025年の数量減から現実味がある。2026年の回復で危険度を相殺し、やや悲観を25%にした。
悲観 12% 悲観:採用機種を失い買収資産の再減損に至る 利益 1 億ドル · PER 7.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3.99 ドル5 億ドル
構造的な競争負けが起きる。大手電機メーカーやセンサー専業企業が監視システムを一体で供給し、クオリトロールの部品が置き換えられる。防衛でも一部の採用機種が後継プログラムへ移れない。センサー・安全システムの実質採用量は2025年の85%程度になり、名目価格の上昇も限定的だ。認証の堀が薄れ、営業利益率は16%を下回る。
計測器の開発競争ではキーサイトとローデ・シュワルツが主導権を保つ。テクトロニクスの更新需要が細り、EAの製品は競争力を回復できない。実質販売量は7割程度へ落ち、2025年の価格を大きく上回れない。計測事業は再び営業赤字となり、会社全体の売上は約19億ドルまで縮む。
2028〜30年に計測関連資産の追加減損約2.5億ドルを計上する。途中の通常利益を含めた2026〜35年のGAAP純利益累計は12億ドルにとどまる。配当と自社株買いも絞り、株式報酬を差し引くと正味の還元は4億ドルである。期末自己資本は24.3億ドルだが大部分が売却しづらい資産に依存し、2035年の純利益は0.6億ドルしか残らない。
- センサー・安全システム:数量 10.8(2025年単価に固定した導入数量の金額換算(実質億ドル=サービス可能市場×製品採用シェア))× 価格 1.18(2025年の機器・導入案件の平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。2025年単価の実質採用数量は0.85倍。採用機種と仕様を奪われる。
- 試験・計測:数量 5.6(2025年単価に固定した測定器・試験システム導入数量の金額換算(実質億ドル=対象市場×製品採用シェア))× 価格 1.10(2025年の測定器・サービスの平均実現価格=1.00とする名目単価指数)→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。2025年単価の実質導入数量は0.70倍。開発競争に敗れ計測が赤字化。
倍率:継続企業の数量減約−1.5%と低い価格改定約2.0%の合成で名目g0.5%。k8.5%、2035年のROE2.5%(GAAP純利益0.60÷自己資本24.3)を伸びに要る資本の利回りとする。全社の堀は普通で超過収益の残存割合1/2、RONIC=8.5%+1/2×(ROE−8.5%)=5.48%。翌期利益に対する正当化PERに(1+g)を掛けた2035年利益用の上限は11.42倍。構造的に失った利益を楽観時の高倍率で評価せず、資本コスト逆数11.76倍より低い7.50倍を採用。時価総額=GAAP純利益0.60億ドル×PER7.50倍=4.50億ドル。買収償却と株式報酬はGAAP利益に含めており倍率で再加算しない。期末に余剰純現金を別建て計上しない。
確率:防衛の仕様喪失と計測の長期低迷が重なり、追加減損と極端な利益率低下に至る。センサーの長寿命を考慮して12%とし、循環の谷だけで悲観を作っていない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
センサー・安全システム
送電網の監視、宇宙・防衛向け点火安全装置、産業用の液位・圧力・流量センサー。設計認証と顧客の運用資産に組み込まれる。
| 数量2025年単価に固定した導入数量の金額換算(実質億ドル=サービス可能市場×製品採用シェア) | 価格2025年の機器・導入案件の平均実現価格=1.00とする名目単価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.7 | 1.00 | 13 | 3 |
| 10 年後 中立 | 16.9 | 1.41 | 24 | 7 |
取り方:2025年10-Kの売上12.673億ドル、営業利益3.411億ドルに直結させた。顧客企業別・製品別の販売台数と平均単価は非開示なので、導入数量は2025年価格の売上相当とし、値上げを価格指数に分離した。2025年の同部門の値上げ寄与は4.1%。会社が示した2024年の全社サービス可能市場160億ドルのうち、送電網・防衛・産業センサーの用途構成から95億ドルを暫定配分した。したがって推計採用シェアは12.673÷95=約13.3%。95億ドルは会社の部門別開示ではなく投資家側の推計である。変圧器監視市場28.4億ドルという専門調査とは重なるが一致しない。2035年の数量は対象市場の実質需要と、その市場内の採用シェアで予測する。
試験・計測
テクトロニクス、キースレイ、EAによる電子回路の測定器、精密電源装置、試験ソフト・校正サービス。
| 数量2025年単価に固定した測定器・試験システム導入数量の金額換算(実質億ドル=対象市場×製品採用シェア) | 価格2025年の測定器・サービスの平均実現価格=1.00とする名目単価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 8.0 | 1.00 | 8 | 0 |
| 10 年後 中立 | 8.3 | 1.41 | 12 | 1 |
取り方:2025年10-Kの売上8.015億ドルを出発点とした。報告営業損失14.654億ドルには、2025年ののれん減損14.417億ドルが含まれるため、継続的な製品利益の出発点は−0.237億ドルとし、2025年の純利益−12.2億ドルそのものは変更しない。出荷台数・平均価格は非開示。2025年は販売数量−17.4%、価格+2.1%が開示され、採用数量と単価を分ける根拠になる。会社の160億ドルの商圏のうち半導体・電子・通信向けとして65億ドルを推計し、採用シェアを8.015÷65=約12.3%と暫定計算した。キーサイトなどの広義市場調査は製品範囲が違い、65億ドルは会社が開示した部門別市場規模ではない。
リスクと懸念
EA買収の再失敗と追加減損
2024年の買収に約17.2億ドルを支払い、2025年には計測部門ののれん約14.4億ドルを減損した。原因は電気自動車の普及と高出力試験器の需要を過大に見たことだ。今後も新しい用途を買収で追えば、のれんが再び積み上がる。買収後の投下資本利益率と製品別の受注を監視し、収益化が遅れれば悲観の比重を増やす。
計測器の技術競争と採用シェアの喪失
テクトロニクスのブランドは有名でも、先端通信と半導体の測定ではキーサイトやローデ・シュワルツが競う。安価な中国製計測器の性能も上がる。2025年の試験・計測部門では販売数量が17.4%減り、2.1%の値上げで補えなかった。次世代の製品投入が遅れれば、機器の更新時に顧客が他社へ切り替え、利益率が戻らない。
電力網と防衛予算の案件集中
送電網監視の需要は長期に強いが、変圧器の工事工程や送電会社の資本予算は年度ごとに大きく動く。防衛・宇宙の安全装置は認証の堀が厚い一方、特定のミサイルやロケット計画の調達変更に弱い。長い計画の中で一度外れた供給者が再採用されるには時間がかかる。顧客の発注と製品別の採用拡大を区別して見る。
分離時の借金と借換金利
分離のため旧親会社に多額の資金を渡し、2025年末の純負債は9億ドルとなった。短期の返済期限があり、約5.75%の借換金利を前提にしても利息が固定費として残る。2026年の営業キャッシュフローは回復したが、計測の受注が崩れると有利子負債の削減と還元を同時には続けにくい。流動性と借入条件の変更を確認する。
価格転嫁の限界と関税
センサー・安全システムでは2025年に値上げ寄与が4.1ポイントあった。しかし試験・計測は価格上昇より数量減がはるかに大きかった。関税が変わり、部材や人件費の上昇を顧客に転嫁できなくなれば、売上が増えても営業利益は伸びない。価格の実現額と販売数量を分け、利益率が会社の改善計画に沿うかを監視する。
AIによる計測工程の自動化
同社は人月売りの受託業務や席課金の業務ソフトを主力とせず、AIエージェント代替の指定業態には当たらない。物理信号を測り、故障を防ぐ機器は必要である。ただしAIが試験手順を生成し、解析ソフトと測定器の操作を自動化すれば、汎用ソフト部分の付加価値は下がる。機器の性能で競えなければ、顧客の標準化が競争相手を有利にする。
帳簿の自己資本と清算価値の乖離
2025年末の自己資本は約16.3億ドルだが、のれんと無形資産は合わせて約24.7億ドルある。工場設備や在庫を売って借金と買掛金を返す場合、帳簿価額の全額は残らない。このためPBRの低さを下値保証と見なさない。悲観では売れる資産の税引き後価値を保守的に測り、継続企業として残るGAAP利益で時価総額を評価した。
今後の分かれ目
- 2027年まで計測事業の四半期GAAP営業利益率が10%を超え、数量も連続して増えたら
- 買収後の費用構造と製品競争力の改善が確認できる。やや楽観の確率を増やせるが、無形資産償却を除く調整後利益だけでは判定しない。
- センサー・安全システムの値上げ寄与が2年続けて物価を下回り、数量も減ったら
- 顧客認証と品質の堀が弱まり始めた証拠になる。中立の同部門営業利益率28%は再検討し、やや悲観を厚くする。
- 送電網監視と防衛の受注が5年以上にわたり名目年7%を超えて増えたら
- 市場の実質数量と採用シェアの積が想定を上回るため、楽観またはやや楽観の数量に寄せる。受注残高の質も併せて調べる。
- 新たな10億ドル超の企業買収を発表したら
- 買収相手の利益は成立前に足さず、対価・調達方法・買収後の増分ROICを確認する。高額のれんを伴うなら悲観側の確率を上げる。
- 現金創出が年3億ドルを下回り、純負債がEBITDAの3倍を超えたら
- 借換負担と株主還元の継続性を見直す。2026年に示したFCFの半分を買い戻す方針は実行困難となり、正味還元を減らす。
- AIが計測ソフトの操作を代替しても、機器の保守契約と単価が維持されたら
- AIエージェントによる代替は機器の需要を損なっていない。計測の数量は半導体・電力電子の実需で判断し、AI関連売上の実額を確かめる。
見ておくもの
- センサー・安全システムの数量と価格の成長寄与(2025年の値上げ4.1ポイントからの変化)
- クオリトロールの変圧器監視受注と防衛・宇宙の長期プログラム採用件数
- 試験・計測の有機売上成長とGAAP営業利益率(2026年第2四半期は2.4%)
- EAの双方向電源・電池試験器の受注回復と追加のれん減損
- 2028年までの年換算費用節減0.5〜0.6億ドルの実現度
- 借入の2026年・2028年満期に対する借換条件、純負債/EBITDA
- FCF、自社株買い枠残高、配当、株式報酬相当を控除した正味還元
- 2026年11月4日公表予定の第3四半期結果と通期ガイダンス改定
倍率と資本コストの決め方
いまの市場PER・PBRや同業の市場評価から倍率を決めなかった。資本コストは8%に循環の0.5ポイントを加えた8.5%。堀は全社では普通とし、増分投資の超過利益が先も残る割合は2分の1である。中立は、2035年のROE約14.1%、RONIC約11.3%、成熟後の名目g3.5%から計算した正当化PER上限14.29倍の88%に当たる12.58倍とした。10年目の利益を翌年に伸ばす(1+g)も式に含めた。悲観側の倍率は中立より低く、売却できる資産が借金等を上回らないため帳簿自己資本を床として無条件には使っていない。
株式報酬・買収償却はGAAPの利益に含む。純現金はなく別建てで価値を足さない。2025年の巨額減損は過去利益と自己資本に反映したまま、2026年からの回復の利益累計を各筋書きのnet_sum_okuで明示した。台帳75.1億ドルと検索時価総額73.5億ドルの差は株数更新による約2%であり、価値の筋書きは変えない。2026年10月28日時点で第3四半期は未発表である。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国共通の8.0%に事業循環のquality 0.5ポイントを加え、k=8.5%。βと市場で成立したPERは使わない。EA買収の失敗と地政学は数量・利益率・確率に入れ、資本コストに二重加算しない。