結論
ルメンタム(Lumentum)は、AI データセンターの光トランシーバーに入る EML(変調レーザー)・CW レーザー、光増幅用のポンプレーザー、光回路スイッチ(OCS)、通信網の光伝送部品を作る会社である。2026 年 6 月期の売上は 30.1 億ドル(前年比 +83%)、GAAP の営業利益は 5.3 億ドル。GAAP の純損失 69 億ドルは、転換社債を株式に交換した際の 1 回限りの非現金損失 77.6 億ドルで、事業の損益ではない。第 4 四半期の売上は 10.1 億ドル(前年比 +109%)、GAAP の営業利益率 27.8% で、2026 年 9 月期は売上 12.5 億ドル・営業利益率 40%(株式報酬と償却を戻した値)の見通しである。
事業の質は高い。EML は上位 3 社で約 72% を握り、供給が需要に足りない。ただし売上の 4 割強を匿名の 2 顧客が占め、光部品は 2001 年・2018 年・2023 年と循環で崩れてきた。そこで数量 × 価格で 4 事業を積み、山の年の利益には倍率を掛けず、景気の中間の利益に利益ベースの正当化 PER の 7〜9 割を掛けた。循環は悲観の確率とひどさで表した。転換社債の希薄化は株数側(約 102 百万株)で一度だけ数え、負債側は現金で返す元本 15.5 億ドルだけにした。
中立の 10 年後は売上 135 億ドル、純利益 38 億ドル。事業の ROE は 13% まで薄まり、利益ベースの正当化 PER の上限は 11.0 倍(g 4.5%・RONIC 11.4%)で、その 8.5 割の 9.3 倍を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)6 億ドルを足して時価総額は約 358 億ドル。今の時価総額 840 億ドルの半分ほどである。確率で加重した本質価値は今の時価総額を 8 割近く下回る。バリュー投資の観点では、事業は優良だが安全域が無い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、ルメンタムは「10 年後も存在し、今より強い」可能性のある会社である。InP レーザーという作りにくい部品で AI の光通信の中心にいて、OCS と CPO 光源で次の世代にも入っている。堀は技術と歩留まりに依存し、顧客 2 社の調達方針に左右されるため、ブランドや切り替え費用の堀より傷つきやすい。
オーナー利益(税引き後営業利益から、伸びに要る投資を引いた株主の取り分)は、2026 年 6 月期で約 4 億ドル、時価総額 840 億ドルの 0.5% でしかない。2026 年 9 月期の見通しを年換算して株式報酬と償却を引いても約 13.5 億ドルで、約 62 倍。中立の 10 年後の純利益は 38 億ドル。事業の ROE は 13% まで薄まり、正当化 PER の上限は 11.0 倍、中立はその 8.5 割の 9.3 倍に置いて、余った現金 6 億ドルを足すと時価総額は約 358 億ドル。今の 4 割強で、資本コスト 10% で 10 年割り引けば今の 2 割に満たない。事業の質ではなく、山の利益を織り込んだ値段が問題である。
資本配分は評価が難しい。転換社債の株式化は株価が高い時の希薄化で、買い戻しはゼロ、拡張の設備投資は需要を信じた大きな賭けである。安全域は、最も楽観の筋書き(10 年後の純利益 81 億ドル、正当化 PER の上限 11.9 倍の 9.5 割)でも時価総額は約 917 億ドル。今の約 1.1 倍にとどまり、10% で 10 年割り引くと今の 4 割強で、安全域は無い。予測のしやすさは低く、確信度は下げた。
何で稼ぐ会社か
売上は 2 つの部門で開示される。コンポーネント(2026 年 6 月期 20.1 億ドル)は、EML・CW・ポンプ・狭線幅などのレーザーチップとテレコム用部品、産業用の超高速レーザー、3D センシング用の光源。システム(同 10.1 億ドル)は、ROADM などの光伝送装置、トランシーバー、そして急速に立ち上がる OCS である。ここでは開示の粗さを補い、AI 向けレーザー・OCS・通信向け光トランスポート・産業の 4 事業に分け、市場の大きさ × シェアで推定した。
中心は AI 向けレーザーで、800G・1.6T の光トランシーバーに入る EML は 1 本のレーンが 100G から 200G へ移り、200G の EML はすでに EML 売上の 25% 超、2027 年半ばに過半になる見通し。CW レーザーはシリコンフォトニクス型のモジュール向けで、チップが小さいため EML との利益率の差が縮んでいる。ポンプレーザーは光増幅器に使われ、シェアは 70〜80%、ほぼ売り切れで、主に 3 年の take-or-pay(引き取り義務つき)契約で売る。超高出力レーザーは CPO(光電融合)・外部レーザー光源向けで、2026 年末に四半期 0.5 億ドル、2027 年に 1 億ドル超を見込む。
OCS は AI クラスター内の経路を光のまま切り替える装置で、出荷は第 3 四半期から第 4 四半期で 2 倍。2026 年後半に 4 億ドル超を目指し、大口顧客の最大の供給元に 2027 年初になる見通し。顧客は 2026 年 6 月期に A が売上の 26.6%、B が 15.0%(社名は非開示)で、海外が 79% を占める。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 は InP(インジウムリン)レーザーの製造ノウハウで、EML は歩留まりと信頼性が難しく、TrendForce はルメンタム・ブロードコム・三菱電機の上位 3 社で約 72% と見る。200G レーンの EML を量産している企業は限られる。第 2 は顧客との長期契約で、ポンプレーザーは 3 年の take-or-pay、スケールアップ向けにも LTA(長期契約)があり、価格の調整条項もある。第 3 は顧客との共同開発で、CPO の主要顧客の量産計画は予定どおりと会社は説明する。粗利益率は SBC を戻した値で第 4 四半期に 50.4%(GAAP で 47.4%)と、一年前から 1.6 ポイント上がった。
弱点も明確である。顧客の A・B で売上の 41.6%。生産は日本の InP 工場(拡張中)とグリーンズボロの新工場(2028 年初に初売上、全量産は 2028 年末〜2029 年)に集中して、設備投資は第 4 四半期だけで 1.67 億ドルに上る。InP 基板は AXT と供給契約を結んだが、需要が動けば 1〜2 四半期で足りなくなると会社自身が言う。ROE は 2024 年 12 月期に −57%、2026 年 6 月期の帳簿の値は転換社債の損失で意味を持たない。
経営の資本配分は、これまで自社株買いが小さく(過去は年 2〜5 億ドル)、2026 年は転換社債の株式化で希薄化している。株価が高いままなら、希薄化はさらに進みうる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
AI データセンターでは、GPU を 1 万個以上つなぐ網の速度が計算の稼働率を決めるので、光の帯域が急増している。大手 5 社の 2026 年の設備投資は 7,300〜8,050 億ドル、2027 年は 1 兆ドル前後の見方で、その一部が光部品に回る。業界ノートは AI データセンター向け(スイッチ・光モジュール・光トランスポート・光ファイバ)を 2026 年に約 600 億ドルと見る。800G の出荷は 2026 年に 2 倍超、1.6T は数千万ポートに達する見通しで(LightCounting の二次情報)、その 1 台あたりのレーザー数が EML の需要を決める。
供給は InP レーザーが制約で、ルメンタム自身が EML とポンプの需給ギャップを 30% 超と言い、市場推計は需要が供給より 30〜50% 上とする。この不足が価格と利益率を支えているので、供給が追いつけば単価の下落が速まる。競争は 3 つ。第 1 に EML 同業のブロードコム・三菱電機、第 2 に光モジュール首位の中国勢(Innolight・Eoptolink)による内製化と中国の InP 新工場、第 3 にシリコンフォトニクス+ CW レーザーで EML を使わない 1.6T の設計である。会社は EML が 3.2T で再び伸びると見る。
CPO(共同パッケージ光学)は光モジュールの数を減らす脅威にも、外部レーザー光源という新しい需要にもなる。循環の前例は 2001 年(光部品の売上が 7〜8 割減、JDSU・ルーセントの崩壊)と 2023 年(シスコ・シエナの在庫調整)で、今回も山のあとに調整が来る可能性を悲観の確率で置いた。
資本政策と M&A
資本政策は、配当が無く、自社株買いも小さい。2026 年 6 月期は自社株買いなし。転換社債(2026・2028・2029・2032 年債)は、株価が転換価格の 130% を超えたため保有者が転換できる状態にあり、第 4 四半期に会社は約 10.6 百万株を発行して元本約 11.3 億ドル分を交換した。転換価値が元本を上回る分 77.6 億ドルが 1 回限りの損失として出た。残る有利子負債は元本約 15.5 億ドルで、元本は現金、超過分は株式で決済する形である。
手元は現金と短期投資で 27.4 億ドル、純現金は約 11.9 億ドル。2025 年 12 月に 4 億ドルの借入枠を設けた。M&A は過去に ネオフォトニクス(NeoPhotonics)・クラウドライト(Cloud Light)などで、買収のれんが貸借対照表にある。時価総額が 800 億ドルを超える会社が買われる側になることは現実的でなく、今は大型買収より設備投資に資金を回している。
懸念は 2 つ。1 つは、株価の高い局面で転換社債が株に変わり、希薄化が先に進むこと。もう 1 つは、日本の InP 工場とグリーンズボロの拡張投資で、需要が止まれば稼働率の低下と減価償却が利益を直撃すること。顧客が設備投資を分担する協力もあるが、条件は非開示である。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
AI の光通信は一時の設備投資ではなく、データセンター網を作り替える 10 年の流れで、1 つの GPU クラスターが使う光の帯域が急増している。ルメンタムは、その入口の部品(EML・CW・ポンプ・高出力レーザー)で首位級にあり、供給は需要に足りない。第 4 四半期の売上は前年比 +109%、2026 年 9 月期は 12.5 億ドルと目標モデルを前倒しし、粗利益率も上がり続けている。200G レーンの EML は 2027 年半ばに過半になり、1.6T の移行で 1 台あたりの単価と数が増える。
次の世代でも入っている点が強い。CPO・NPO は外部レーザー光源という新しい需要を作り、最初の外部光源の受注はすでに入った。OCS は 2026 年後半に 4 億ドル超を目指し、大口顧客の最大の供給元になる。グリーンズボロとテレコム部品の拡張が終わる 2028 年には、会社が掲げる四半期売上 20 億ドル・営業利益率 38〜42% の姿が見える。売上 80 億ドル・GAAP の営業利益率 35% なら、純利益は 23 億ドル前後になる。成熟した姿でも利益の質は高く、正当化 PER の上限は 11〜12 倍に収まる。
慎重な見方
今の値段は、山の売上と山の利益率が続くことを織り込んでいる。時価総額 840 億ドルは、2026 年 6 月期の売上の 28 倍、GAAP の税引き後営業利益の約 190 倍であり、2026 年 9 月期の見通しを年換算しても約 62 倍である。成熟した光部品会社の利益ベースの正当化 PER の上限は 11 倍前後で、中立はその 8.5 割ほど。売上が 3 倍になって利益率が保たれても、倍率が戻れば今の値段に届かない。
光部品の歴史は循環の歴史である。2001 年に JDSU とルーセントの光部品は売上が 7〜8 割落ち、2018 年にはルメンタム自身が見通しを下げて売上と株価が急落し、2024 年 12 月期の営業利益率は −25% だった。今回の不足も、InP の増産・中国の新工場・シリコンフォトニクスと CW レーザーの採用が進めば解け、単価と利益率は下がる。売上の 4 割強は匿名の 2 顧客で、どちらかが調達を絞るか自社内製に動けば数割動く。
さらに転換社債は株価が高い局面で株に変わって希薄化し、設備投資の重い拡張は需要が止まれば稼働率と償却で利益を削る。事業は優良でも、山を前提にした値段に安全域がない。
どちらに重みを置いたか
これはやや楽観を厚く(26%)して反映した。慎重な見方の中心は、山の利益に倍率を掛ける危うさ、顧客集中、光部品の循環で、悲観とやや悲観に 42% を置いた。
山の年の利益には倍率を掛けず、景気の中間の利益に利益ベースの正当化 PER の 7〜9 割を掛けたうえで、循環のひどさは悲観の確率で出した。強気の見方のとおりに利益が 3 倍になっても、成熟した倍率では今の値段に届かないので、確率で加重した価値は今の時価総額を大きく下回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 333.51 ドル340 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 0.00 ドル0 億ドル)。 今の値に割り戻すと 128.58 ドル131 億ドル、今との差 −82.9%、 期待の年率 −7.8%(資本コスト 10.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 899.02 ドル917 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | +19.5% | +1.8% | 71.92 ドル73 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 569.61 ドル581 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −24.3% | −2.7% | 113.92 ドル116 億ドル |
| 中立 | 30% | 350.59 ドル358 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −53.4% | −7.4% | 105.18 ドル107 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 149.02 ドル152 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −80.2% | −15.0% | 35.76 ドル36 億ドル |
| 悲観 | 18% | 37.35 ドル38 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −95.0% | −25.9% | 6.72 ドル7 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 333.51 ドル340 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −55.7% | −7.8% | 333.51 ドル340 億ドル |
今の株価時価総額 752.54 ドル768 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 10.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:光の帯域が 10 倍になり、CPO 時代も堀を保つ 利益 81 億ドル · PER 11.3 倍 · 株価時価総額 899.02 ドル917 億ドル
AI 向けの光の帯域が 10 年かけて今の 10 倍以上になり、CPO・NPO の時代でもレーザー光源(高出力 CW・外部レーザー光源)はルメンタムが握る。AI 向けレーザー市場は実質 300 億ドルでシェア 30% を維持し、OCS が AI クラスターの標準部品となって市場 200 億ドル・シェア 25%。通信向けは 320 億ドル市場の 9%。売上は今の約 8 倍で、10 年目もまだ年 10% を超えて伸びる。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 244 億ドル(今の 8.1 倍)、うち AI 向けレーザー 127 億ドル、OCS 70 億ドル、通信向け 41 億ドル、産業・その他 6 億ドル。営業利益は 88.6 億ドル(利益率 36%)、純利益は 81.1 億ドル。成熟後の倍率は、g 4.5% の正当化 PER の上限 11.8 倍の 9.5 割(11.3 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)6 億ドルを足して時価総額 917 億ドル。
- AI データセンター向けレーザー(EML・CW・ポンプ・超高出力):数量 9.0(AI 向けレーザー光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 127 億ドル・営業利益 56 億ドル。市場 300 億ドル相当(実質)× シェア 30.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- OCS(光回路スイッチ):数量 5.0(OCS の実質市場(外部調達と顧客の自社生産を含む。2026 年価格の 10 億ドル)× ルメンタムのシェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 71 億ドル・営業利益 24 億ドル。市場 200 億ドル相当(実質)× シェア 25.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信事業者・クラウド向け光トランスポート(ROADM・コヒーレント部品・トランシーバー):数量 2.9(光トランスポートのうちルメンタムが売る部品・モジュール・ROADM の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 41 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場 320 億ドル相当(実質)× シェア 9.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業・その他(超高速レーザー・3D センシングほか):数量 0.5(産業用レーザー・センシング光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 90 億ドル相当(実質)× シェア 5.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:理由は growth_long_why)。上限に近く置いた。 正当化 PER の上限は 11.8 倍(g 4.5%、RONIC 12.9%。RONIC = k 10.0% + 1/2 ×(事業の ROE 15.8% − k)。堀は普通)。その 9.5 割の 11.3 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 80.9 × 11.3 + 余った現金(戻り方込み)6 = 917 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 11.3 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:実現には、AI の光帯域が 10 年伸び続け、ルメンタムが EML から CPO 光源・OCS に主役を移して堀を保つことが要る。成功すれば大きいが、10 年先の予測は難しく 8% にとどめた。
やや楽観 20% やや楽観:次の世代でも堀が残り、売上 181 億ドル 利益 56 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 569.61 ドル581 億ドル
AI 向けレーザー市場は実質 240 億ドルでシェア 29%、OCS は 140 億ドル市場の 22%。CPO で EML の数は減るが、高出力レーザーの単価と数がそれを埋める。売上は今の 6 倍、10 年目もまだ年 10% を超えて伸びる。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 181 億ドル(今の 6.0 倍)、うち AI 向けレーザー 98 億ドル、OCS 43 億ドル、通信向け 34 億ドル、産業・その他 6 億ドル。営業利益は 60.0 億ドル(利益率 33%)、純利益は 55.6 億ドル。成熟後の倍率は、g 4.5% の正当化 PER の上限 11.5 倍の 9 割(10.4 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)6 億ドルを足して時価総額 581 億ドル。
- AI データセンター向けレーザー(EML・CW・ポンプ・超高出力):数量 7.0(AI 向けレーザー光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 98 億ドル・営業利益 40 億ドル。市場 240 億ドル相当(実質)× シェア 29.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- OCS(光回路スイッチ):数量 3.1(OCS の実質市場(外部調達と顧客の自社生産を含む。2026 年価格の 10 億ドル)× ルメンタムのシェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 43 億ドル・営業利益 13 億ドル。市場 140 億ドル相当(実質)× シェア 22.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信事業者・クラウド向け光トランスポート(ROADM・コヒーレント部品・トランシーバー):数量 2.4(光トランスポートのうちルメンタムが売る部品・モジュール・ROADM の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 34 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場 280 億ドル相当(実質)× シェア 8.5%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業・その他(超高速レーザー・3D センシングほか):数量 0.4(産業用レーザー・センシング光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 85 億ドル相当(実質)× シェア 5.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:理由は growth_long_why)。会社の見通しに近い筋書き。上限から少し下げて置いた。 正当化 PER の上限は 11.5 倍(g 4.5%、RONIC 12.3%。RONIC = k 10.0% + 1/2 ×(事業の ROE 14.6% − k)。堀は普通)。その 9 割の 10.4 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 55.4 × 10.4 + 余った現金(戻り方込み)6 = 581 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 10.4 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:会社の技術(InP の EML・高出力 CW・OCS)が次の世代でも堀になる筋書き。強気の見方のうち、ありうる範囲を 20% とした。
中立 30% 中立:成熟した光部品会社になり、売上 135 億ドル・営業利益率 30% 利益 38 億ドル · PER 9.5 倍 · 株価時価総額 350.59 ドル358 億ドル
AI 設備投資の山が一度か二度来て去ったあと、光インターコネクトは成熟した成長産業に落ち着く。AI 向けレーザー市場は実質 190 億ドル、中国勢と CW レーザーの量産で 27% までシェアを落とす。OCS は市場 100 億ドル・シェア 20%、通信向けは 250 億ドル市場の 8%。ここでの利益は、山の年と谷の年の中間(ならした)の水準で置いた。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 135 億ドル(今の 4.5 倍)、うち AI 向けレーザー 72 億ドル、OCS 28 億ドル、通信向け 28 億ドル、産業・その他 6 億ドル。営業利益は 39.8 億ドル(利益率 30%)、純利益は 37.8 億ドル。成熟後の倍率は、g 4.5% の正当化 PER の上限 11.0 倍の 8.5 割(9.3 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)6 億ドルを足して時価総額 358 億ドル。
- AI データセンター向けレーザー(EML・CW・ポンプ・超高出力):数量 5.1(AI 向けレーザー光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 72 億ドル・営業利益 28 億ドル。市場 190 億ドル相当(実質)× シェア 27.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- OCS(光回路スイッチ):数量 2.0(OCS の実質市場(外部調達と顧客の自社生産を含む。2026 年価格の 10 億ドル)× ルメンタムのシェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 28 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 100 億ドル相当(実質)× シェア 20.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信事業者・クラウド向け光トランスポート(ROADM・コヒーレント部品・トランシーバー):数量 2.0(光トランスポートのうちルメンタムが売る部品・モジュール・ROADM の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 28 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 250 億ドル相当(実質)× シェア 8.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業・その他(超高速レーザー・3D センシングほか):数量 0.4(産業用レーザー・センシング光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 82 億ドル相当(実質)× シェア 5.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:理由は growth_long_why)。上限から一段下げて置いた。 正当化 PER の上限は 11.0 倍(g 4.5%、RONIC 11.4%。RONIC = k 10.0% + 1/2 ×(事業の ROE 12.8% − k)。堀は普通)。その 8.5 割の 9.3 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 37.6 × 9.3 + 余った現金(戻り方込み)6 = 358 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 9.5 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:AI の山を越えたあとも優良な光部品会社として残るが、堀は少し狭まる。議論の落としどころで、確率は最大の 30%。
やや悲観 24% やや悲観:CPO と中国勢で堀が狭まり、売上 86 億ドル 利益 18 億ドル · PER 8.4 倍 · 株価時価総額 149.02 ドル152 億ドル
CPO・NPO への移行で EML の数が減り、高出力光源は中国勢との値下げ競争に入る。AI 向けのシェアは 24% に落ち、OCS は顧客の自社生産と他社に押されて 14%。物価分を引くと売上は今の約 2 倍にとどまる。優良ではあるが、堀は狭まっている。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 86 億ドル(今の 2.8 倍)、うち AI 向けレーザー 47 億ドル、OCS 12 億ドル、通信向け 22 億ドル、産業・その他 5 億ドル。営業利益は 18.7 億ドル(利益率 22%)、純利益は 18.2 億ドル。成熟後の倍率は、g 4.5% の正当化 PER の上限 10.2 倍の 8 割(8.2 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)4 億ドルを足して時価総額 152 億ドル。
- AI データセンター向けレーザー(EML・CW・ポンプ・超高出力):数量 3.4(AI 向けレーザー光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 47 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場 140 億ドル相当(実質)× シェア 24.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- OCS(光回路スイッチ):数量 0.8(OCS の実質市場(外部調達と顧客の自社生産を含む。2026 年価格の 10 億ドル)× ルメンタムのシェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 60 億ドル相当(実質)× シェア 14.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信事業者・クラウド向け光トランスポート(ROADM・コヒーレント部品・トランシーバー):数量 1.5(光トランスポートのうちルメンタムが売る部品・モジュール・ROADM の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 22 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 220 億ドル相当(実質)× シェア 7.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業・その他(超高速レーザー・3D センシングほか):数量 0.3(産業用レーザー・センシング光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場 75 億ドル相当(実質)× シェア 4.5%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:理由は growth_long_why)。上限から下げて低めに置いた。 正当化 PER の上限は 10.2 倍(g 4.5%、RONIC 10.3%。RONIC = k 10.0% + 1/2 ×(事業の ROE 10.5% − k)。堀は普通)。その 8 割の 8.2 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 18.1 × 8.2 + 余った現金(戻り方込み)4 = 152 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 8.3 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:光部品は 2001 年・2018 年・2023 年と循環で業績が崩れ、構造変化(CPO・中国勢)で堀が狭まる筋書きを 24% と厚くした。
悲観 18% 悲観:構造的に負け、もう優良ではなくなっている 利益 5 億ドル · PER 7.5 倍 · 株価時価総額 37.35 ドル38 億ドル
構造的に負ける姿。ブロードコムの EML、シリコンフォトニクスと他社の CW レーザー、中国の InP 新工場(Innolight 系の内製を含む)で、ルメンタムのレーザーは標準品になり、AI 向けのシェアは 17% まで落ちる。OCS は顧客の自社生産が勝って 8% まで縮む。日本とグリーンズボロの新設備が過剰になって稼働率が低く、売上は物価分を引くと今より小さい。 10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 44 億ドル(今の 1.5 倍)、うち AI 向けレーザー 22 億ドル、OCS 3 億ドル、通信向け 15 億ドル、産業・その他 4 億ドル。営業利益は 4.9 億ドル(利益率 11%)、純利益は 5.1 億ドル。成熟後の倍率は、g 0.0% の正当化 PER の上限 10.0 倍の 7 割(7.0 倍)を事業の純利益に掛け、余った現金(戻り方込み)3 億ドルを足して時価総額 38 億ドル。
- AI データセンター向けレーザー(EML・CW・ポンプ・超高出力):数量 1.5(AI 向けレーザー光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当))× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる))→ 売上 22 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 90 億ドル相当(実質)× シェア 17.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- OCS(光回路スイッチ):数量 0.2(OCS の実質市場(外部調達と顧客の自社生産を含む。2026 年価格の 10 億ドル)× ルメンタムのシェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場 30 億ドル相当(実質)× シェア 8.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 通信事業者・クラウド向け光トランスポート(ROADM・コヒーレント部品・トランシーバー):数量 1.1(光トランスポートのうちルメンタムが売る部品・モジュール・ROADM の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 15 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 180 億ドル相当(実質)× シェア 6.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
- 産業・その他(超高速レーザー・3D センシングほか):数量 0.3(産業用レーザー・センシング光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア)× 価格 14(物価指数(2026 年 = 10 とした指数))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場 65 億ドル相当(実質)× シェア 4.0%、価格指数 1.41(2026 年 = 1.00)
倍率:構造的に負ける筋書きで、新しく投じるお金は資本コストを稼げない。堀が壊れる側なので最も低く置いた。 事業の ROE 6.2% が k 10.0% 以下なので PER の上限は 1÷k = 10.0 倍。その 7 割の 7.0 倍に置いた。時価総額 = 事業の純利益 5.0 × 7.0 + 余った現金(戻り方込み)3 = 38 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 7.5 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:10 年では構造的に負ける確率を 18% と置いた(アリスタの 14% より厚い)。顧客 2 社が売上の 4 割強、中国勢の InP 増産、CPO による光部品の数と単価の減少は、いずれもルメンタムの利益の大半(AI 向け)に直撃し、顧客集中の度合いが高いため。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
AI データセンター向けレーザー(EML・CW・ポンプ・超高出力)
800G・1.6T の光トランシーバーに入る EML(電界吸収型変調レーザー)と CW レーザー、光増幅用のポンプレーザー、CPO・NPO 向けの高出力レーザー光源。主にコンポーネント部門に入る。
| 数量AI 向けレーザー光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア(単位は 10 億ドル相当) | 価格物価指数(2026 年 = 10 とした指数。Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びに入れる) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1.4 | 10 | 14 | 4 |
| 10 年後 中立 | 5.1 | 14 | 72 | 28 |
取り方:AI 光トランシーバー向けレーザー光源の市場を 2026 年に約 46 億ドルと推定し、シェアを約 31% とおいて 14.2 億ドル。コンポーネント部門の売上 20.1 億ドルのうち、テレコム用部品と産業用レーザーを引いた残りを AI 向けとみる(開示は部門別までで、細目は推定)。TrendForce は EML の上位 3 社(ルメンタム・ブロードコム・三菱電機)で約 72% と見る。利益率は GAAP で約 26%(四半期では上がり続けていて、第 4 四半期の全社の GAAP 営業利益率は 27.8%)。数量は 2026 年価格の実質額で表し、価格は物価並み。世代ごとの Gbps あたり単価の下落は実質の市場額の伸びで見る。
OCS(光回路スイッチ)
AI クラスターの内部で光のまま経路を切り替える装置。システム部門。主要顧客の社名は非開示で、今は顧客の自社生産が中心。
| 数量OCS の実質市場(外部調達と顧客の自社生産を含む。2026 年価格の 10 億ドル)× ルメンタムのシェア | 価格物価指数(2026 年 = 10 とした指数) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 0.1 | 10 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.0 | 14 | 28 | 7 |
取り方:OCS の出荷は第 3 四半期から第 4 四半期で 2 倍になり、2026 年 9 月期は初めて 1 億ドル超の見通し。2026 年 6 月期の年間売上は 1 億ドル前後と推定(開示なし)。市場は顧客の自社生産分も含めて 15 億ドルと推定しシェア約 6.7%。会社は 2026 年後半に 4 億ドル超を目指す。立ち上げの年なので利益率は 10% と低く置く。価格は物価並み。
通信事業者・クラウド向け光トランスポート(ROADM・コヒーレント部品・トランシーバー)
通信事業者の幹線とデータセンター間をつなぐ光伝送の部品と装置(ROADM・波長選択スイッチ・コヒーレント用部品・トランシーバー)。コンポーネントとシステムの両部門にまたがる。
| 数量光トランスポートのうちルメンタムが売る部品・モジュール・ROADM の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア | 価格物価指数(2026 年 = 10 とした指数) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1.2 | 10 | 12 | 1 |
| 10 年後 中立 | 2.0 | 14 | 28 | 6 |
取り方:光トランスポート市場は 2025 年に約 160 億ドル、2026 年に +16%(業界ノート)で装置全体は約 186 億ドル。ここではルメンタムが売る部品・モジュール・ROADM の部分を約 150 億ドルとし、シェア 8% で 12.0 億ドル(コンポーネントのテレコム用とシステムのうち OCS を除く分の合計。細目は推定)。AI クラスター間をつなぐデータセンター間接続が伸びて、通信向けも前年から大きく伸びた。利益率は 12% と推定(売上の多くを占める装置は部品より薄い)。価格は物価並み。
産業・その他(超高速レーザー・3D センシングほか)
プリント基板のビア加工などに使う超高速レーザー、ファイバーレーザー、3D センシング用の光源。景気の影響を受ける成熟した事業。
| 数量産業用レーザー・センシング光源の実質市場(2026 年価格の 10 億ドル)× シェア | 価格物価指数(2026 年 = 10 とした指数) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 0.3 | 10 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.4 | 14 | 6 | 1 |
取り方:全社の売上 30.1 億ドルから上の 3 つを引いた残りの 2.9 億ドルを産業・その他とした(推定)。市場を 60 億ドル、シェア約 4.9% と置く。超高速レーザーはプリント基板向けの採用が広がり始めた段階。利益率は 3% 前後と推定。価格は物価並み。
リスクと懸念
売上の山を前提にした値段(倍率の縮み)
時価総額は 2026 年 6 月期の売上の 28 倍、GAAP の税引き後営業利益の約 190 倍。2026 年 9 月期の見通しを年換算しても約 62 倍。利益が数倍になっても、成熟後の 7〜11 倍(利益ベースの正当化 PER の上限の 7〜9.5 割)に戻れば、資本コストで割り引いた価値は今を大きく下回る。
AI 設備投資の循環(2001 年・2018 年・2023 年)
光部品は 2001 年に売上が 7〜8 割減、2018 年にルメンタムの売上が急減、2023〜2024 年も営業赤字になった。大手 5 社の設備投資が 1 兆ドル前後へ向かう今は山に近く、投資効率が疑われると、EML の需給が逆転して単価と稼働率が同時に崩れる。
顧客 2 社への集中
2026 年 6 月期の売上のうち顧客 A が 26.6%、顧客 B が 15.0%(前年は 15.4% と 16.0%)。どちらかが調達を絞る、他社に寄せる、内製に動くと数割単位で動く。OCS の大口顧客は今は自社生産で、供給元になる時期もずれうる。
InP の増産競争と中国勢の参入
ブロードコム・三菱電機に加え、中国の InP 新工場が立ち上がる。会社は今のところ影響なしと言うが、供給不足が解けると単価が下がり、利益率の柱の EML が標準品になる。シリコンフォトニクスと CW レーザーの採用が広がれば EML の数も減る。
CPO・NPO への移行
光モジュールが減る CPO は EML の数を減らす可能性がある。会社は外部レーザー光源の需要で埋めると見るが、高出力レーザーの単価と数が EML の減少を埋めるかは確かでない。2027 年後半から 2028 年の量産の時期とシェアが分かれ目になる。
拡張投資・希薄化・InP 基板の供給
日本の InP 工場の拡張とグリーンズボロの新工場(全量産は 2028 年末〜2029 年)に大きな設備投資を続け、需要が止まれば稼働率の低下と減価償却が利益を直撃する。転換社債は株価が高い局面で株に変わり希薄化する。InP 基板は AXT との契約で確保したが、需要が動けば 1〜2 四半期で足りなくなる。
今後の分かれ目
- 顧客 A または B が EML・OCS の調達を絞る、または内製・他社への切り替えを公表したら
- 10 年の悲観・やや悲観の確率を 5〜10 ポイント上げる。顧客集中がそのまま売上の減少に出る。
- 2026 年 12 月期の EML 出荷の伸びが前年比 +50% を下回り、需給ギャップの縮小を会社が認めたら
- 供給不足が解けつつある合図。AI 向けのシェア・利益率の置き方を下へ、やや悲観の確率を上げる。
- OCS の売上が 2026 年後半に 4 億ドルを大きく超え、2027 年に大口顧客の最大の供給元になったら
- OCS のシェアを上方へ。楽観・やや楽観の確率を 3〜5 ポイント上げる。OCS の市場は顧客の自社生産が勝つ可能性が残る。
- CPO の量産(2027 年後半)で外部レーザー光源の出荷が会社の見通しどおり始まり、量が EML の減少を上回ったら
- 次の世代でも堀が続く証拠。10 年の楽観・やや楽観の確率を上げ、AI 向けのシェアを 1〜2 ポイント上方へ。
- 大手 5 社のうち複数が 2027 年の設備投資の計画を引き下げる、または AI 向けの投資効率が疑われる報道が続いたら
- 光部品は受注が急減した前例がある。
- 中国の InP 新工場が 200G の EML を量産し、大手の顧客が採用したら
- 10 年の悲観の確率を上げ、中立の営業利益率を 2〜3 ポイント下へ。
見ておくもの
- 2026 年 12 月期の EML 出荷の伸び(会社の目標は前年比 +50% 超)と、需給ギャップの言及
- OCS の売上(2026 年 9 月期に初の 1 億ドル超、2026 年後半に 4 億ドル超の目標)と大口顧客の調達の比率
- GAAP の営業利益率(第 4 四半期 27.8%)と非 GAAP との差(SBC・償却)、粗利益率の推移
- 顧客 A・B の売上比率(2026 年 6 月期 26.6%・15.0%)と、新規の大口顧客
- 大手 5 社の 2027 年の設備投資の計画と、1.6T・CPO の立ち上がり(2027 年後半)
- 転換社債の残り(元本約 15.5 億ドル)と希薄化後株数(見通し約 102 百万株)、設備投資額
倍率と資本コストの決め方
今の PER・PBR や過去の倍率には寄せていない。10 年後の倍率は、利益ベースの正当化 PER = (1−g/RONIC)/(k−g)(k 10.00%、g 4.5%、RONIC = k + 残る割合 ×(事業の ROE − k)、堀は普通)の上限に対し、楽観 9.5 割・やや楽観 9 割・中立 8.5 割・やや悲観 8 割・悲観 7 割 で置いた。中立は上限 11.0 倍の 8.5 割で、事業の純利益に 9.3 倍(余った現金を足した見かけは 9.5 倍)。余った現金は戻り方 0.5 を掛けて足す。調整後 EPS は SBC を戻した値なので使わず、GAAP で組んだ。総合は今の時価総額に対し -84.4% で、割高。結論は計算の結果で、先に決めたものではない。
資本コスト 10.0% = 無リスク金利 5% + β 1.41 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 2.0% = 10.0%。β は使わない。AI 設備投資の循環(+0.75)、レーザーの値下がり(+0.5)、顧客集中と光源の置き換え(+0.75)を quality で見た。純現金で借金は無く、事業は傾いていないので extra は置かない。顧客集中・競争・循環は悲観側の確率(10 年 42%)でも表し、k には二重に足していない。