結論
ゴーダディ(GoDaddy)は、小規模事業者と個人に、ドメイン名・ホスティングとセキュリティ・サイトとマーケティング・決済を 1 つの窓口で売る会社である。2025 年の売上は 49.5 億ドルで、Core(ドメインなど)が 62%、A&C(アプリ&コマース)が 38%。顧客は 2,040 万、1 顧客あたりの年間売上(ARPU)は 242 ドルで継続率は 85% 超。2026 年上半期は売上 +6.3%、A&C +11.3%、Core +3.3%、GAAP 営業利益率 25.5%。ただし顧客数は年初から 3.5 万人増とほぼ横ばいで、伸びは単価と付帯率が出している。
部門ごとに「顧客数(世界の正規の中小企業 3.22 億社 × ゴーダディのシェア)× 契約率 × 1 契約あたり売上」(ドメインは世界の登録数 × シェア × 単価)で積むと、10 年後の中立は売上 81 億ドル(年 +5.1%)、GAAP 営業利益率 28%、純利益 16 億ドル。Airo(AI のサイト制作・集客・事務)で単価が上がる強気と、ウィックス・ショッピファイとの競争や AI 検索・エージェントで入口を奪われる慎重を並べ、10 年の確率は強気側 24%・慎重側 44% と慎重を厚く置いた。
倍率は、資本コストを超える稼ぎが先で薄れる形(k 8.75%)の正当化 PER の 8〜8.5 割に置いた(10 年の中立は約 14.9 倍)。確率で加重した本質価値は今の時価総額(約 139 億ドル)の約 1.3 倍で、総合の差は +30%、評価は「やや割安」。中立では 10 年間の FCF の合計だけで今の時価総額を上回る一方、市場の値段(FCF の約 13% の利回り)は「AI で事業が溶ける」ことをすでに織り込んでいる。ただし継続率 85% 超の定期課金とドメインという登録資産が土台にあり、AI が入口を変える速さを読み違えると差は縮むので、確信度は中程度。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業があるか」を問う。小規模事業者が名前(ドメイン)と店先(サイト)と決済を必要とする限り需要は残るが、AI がサイトを作り、AI が客を連れてくる時代に、人が窓口を選ぶ前提がどこまで残るかは読み切れない。事業の存続は確か、堀の広がりは不確か、というのが率直な評価で、確信度は中程度。
次にオーナー利益。2025 年の GAAP 純利益は 8.8 億ドル、FCF は約 16 億ドルで、株式報酬 3.2 億ドルを引いても 12.8 億ドルが残り、今の時価総額に対する利回りは約 9%。FCF と純利益の差は繰延収益の増加や現金税の軽さによる部分が大きいと推定され、将来は縮む前提で、筋書きでは FCF と純利益の差(その他)を年 4.5 億ドルから 2.3 億ドルへ縮めた。資本配分は全額自社株買いで、割安に買えているかが問われるが、PER 15.7 倍・FCF 利回り 13% の今は悪い買い方ではない。ただし純負債を減らさずに全額を買い戻しに回している。
安全域は、悲観(10 年で売上が今の 8 割)でも 10 年の還元と最後の時価総額の合計が今の時価総額に近いところまで来る点に出る。慎重側を厚く置いても「割安」が崩れないのは、足元の値段が AI による消滅をすでに織り込んでいるからで、価値を決めるのは、AI が入口を奪う速さだけ。
何で稼ぐ会社か
ゴーダディの商品は大きく 4 つ。①ドメイン:ドメイン名の登録・更新(一次ドメイン)と、すでに取られた名前を売り買いするアフターマーケット。管理下は約 8,100 万件で、世界の登録数約 3.87 億件の約 21%(10-K)。②ホスティング・セキュリティなど:サイトを置く場所と保護の契約で、開示は「Core のその他」にまとめられる。③ウェブ制作・マーケティング:サイトの制作ツール、メール・集客、そして 2025 年末に始めた Airo。④決済・コマース:店舗・オンラインの決済端末と処理、ネット店舗。
会社の開示は Core(ドメイン 23.2 億ドル・その他 7.4 億ドル:上半期の開示の 2 倍で逆算)と A&C(18.9 億ドル)の 2 区分までなので、A&C をウェブ制作・マーケティング 11.3 億ドルと決済・コマース 7.6 億ドルに 6:4 で按分した(推定)。いずれも定期課金が中心で、前払いの繰延収益が 35 億ドル、残りの履行義務は 35 億ドルある。
稼ぎ方の核は「1 つの窓口に小規模事業者の入口を集め、あとから商品を足す」こと。2025 年の ARPU は 242 ドルで、2026 年 Q2 には 250 ドル(+8.7%)まで上がったが、顧客数は 2,050 万とほぼ横ばい。売上の約 3 分の 1 は海外で、顧客の 48% が海外。Airo は AI のエージェントがサイト・集客・事務を肩代わりする仕組みで、年換算の受注は 2026 年 Q2 で 5,000 万ドル(前四半期の 5 倍)、Airo の顧客は第 2 の商品の付帯率が非 Airo より約 30% 高い(会社)。会社の 2026 年の見通し(売上 52.2〜52.6 億ドル)には Airo を入れていない。
優良さと弱いところ
堀は 3 つあるが、どれも浅めである。第 1 に認知と販売網:「ドメインならここ」という名前と、2,040 万の顧客という入口。第 2 に切り替えの手間:ドメイン・メール・サイト・決済を同じ窓口に置くと、1 つ動かすだけでは済まない。第 3 にアフターマーケットなど、ドメインの取引を持つこと。一方でドメイン自体は移管が簡単で、卸値を決めるのはベリサイン(.com)なので、価格を決める力は「卸値の値上げを小売に転嫁できる」範囲にとどまる。継続率は 85% 超で、残りの約 15% は毎年入れ替わる。顧客に個人・趣味・副業が多く、不況で解約が増えやすい。
資本効率は軽い。設備投資は半年で 0.1 億ドルと小さく、2025 年は FCF(約 16 億ドル)の全額を自社株買いに使った。自己資本は 2.2 億ドルまで縮み、帳簿の ROE は 407% と意味がない。税引き後営業利益 8.8 億ドルを(自己資本+純負債)30 億ドルで割った ROIC は約 29% で、定期課金の前受けが資本を軽くしている。GAAP 営業利益率は 2025 年 23.0%、2026 年上半期 25.5%と、株式報酬(売上の約 6%)を費用に入れても伸びている。
弱点は、伸びの質と説明の信頼である。受注(bookings)の伸びが売上に届かず、2025-09〜2026-02 の期間について、高い意図を持つ顧客の強さと AI の説明が過大だったとする株主の集団訴訟が起きた。経営は CEO のアマン・ブータニ(Aman Bhutani)が 2018 年から率い、資本配分は FCF 全額の買い戻しで、純負債を減らさない点は慎重に見る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
市場の大きさは、世界の正規の中小企業が約 3.22 億社(世銀の MSME 指標、2019 年)、米国の小規模事業者が約 3,620 万社(SBA)。ゴーダディの顧客 2,040 万はその約 6.3% に当たる。世界のドメイン登録数は約 3.87 億件(2025 年末)で、2026 年は AI でのサイト作成が押し上げ全体で +8% 台(ベリサインの統計)。.com の卸値は 2026 年 11 月に 10.97 ドルへ上がり、2029 年末まで年 7% まで上げられるので、最大のレジストラであるゴーダディは原価の上昇を小売へ転嫁する。
サイトと決済の競争は激しい。ウィックスは 2026 年 Q2 の売上が +15%(AI の Base44 が寄与、粗利率は AI の計算費用で低下)、ショッピファイは売上 +34%・GMV 約 1,160 億ドルで決済が GMV の 68%、スクエアスペースは 2024 年に約 72 億ドルでペルミラが買収し非上場。ゴーダディの A&C は +11% と伸びはするが、ネット店舗と決済では専業に離されている。ホスティングはネームチープ・ホスティンガーなど安値の業者が下から詰める。
AI の影響は両面ある。AI がサイトを作るので参入は楽になり(顧客は増える余地)、同時にサイトの値打ちと価格が下がる。AI 検索・エージェントが人の代わりに探し、買い、予約すると、人が名前を打つドメインの入口が弱まる。RBC は 2026-10-12 に、価格決定力・A&C の付帯率・ドメインのシェアが落ちるとして格下げ。ウェルズ・ファーゴは、ゴーダディの高めのドメイン価格が AI の推薦で不利に働くと指摘した。ゴーダディは開発者向けの API(AI がドメインを検索・購入)とエージェント用の名前の仕組みで対応を始めた。
資本政策と M&A
配当は無く、FCF の全額を自社株買いに回す方針。2025 年は 10.2M 株・16 億ドルを買い、期末の株数は 1.36 億株(2021 年から約 33% 減)、2026 年上半期は 8.34 億ドルで 9.6M 株。承認枠は 30 億ドル(2027 年末まで)のうち 13.3 億ドルが残る。純負債は 26.6 億ドル(2026 年 6 月末、純レバレッジは 2025 年末で 1.6 倍)で、FCF を全額買い戻しに回しても純負債は減らない。筋書きでは純負債を事業の稼ぐ力(NEBITDA)の 1.6 倍に保つと置いた。
借金の満期は 2027 年 6.2 億ドル、2029 年 22.1 億ドル、以降 9.4 億ドル。実効金利は 2029 年期限ローン 6.0%・2031 年期限ローン 5.6%・2027 年債 5.5%・2029 年債 3.7%で、安い 2029 年債の借り換えで利払いは少し増える(brief.py の推定では 3 年・10 年とも変化はほぼ 0)。M&A は小さな補完が中心で、かつて買った .CO の登録簿事業の契約失効が 2026 年の売上の逆風(約 2% のうち約 3 分の 2 と、大型アフターマーケット案件の除外)になっている。大型買収に動く材料は見当たらず、買収される側になる材料も確認できていない。バリュー投資の観点では、株式報酬(売上の約 6%)の希薄化を打ち消すだけで買い戻しの半分近くが消えるため、payout は株式報酬を引いた正味で置いた。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 8.2 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(-6.0 億ドル)からも外した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
顧客は 2,040 万と多く、継続率は 85% 超で、売上の大半が前払いの定期課金。A&C は 2025 年に +14%、2026 年上半期も +11% で、Airo の顧客は第 2 の商品の付帯率が非 Airo より約 30% 高い。Airo の年換算の受注は 1 四半期で 5 倍の 5,000 万ドルになり、サイト制作・集客・事務・決済を AI の担当者に任せる流れは、小規模事業者が 1 人で全部をやる現実に合っている。ドメインの購入経路への Airo の組み込みも試験が始まった。
ドメインは .com の卸値が 2029 年末まで年 7% まで上がり、ゴーダディは最大のレジストラ(約 21%)として転嫁できる。AI でのサイト作成が世界のドメイン登録を +8% 台に押し上げ、開発者向け API(AI がドメインを買う)は新しい入口になる。
値段は安い。GAAP の PER 15.7 倍、EV は 2027 年 FCF の 9 倍、FCF の約 13% が株主に戻る。10 年の FCF だけで今の時価総額を超え、純利益が年 +5% で伸びるだけで今の値段は割安になる。AI が入口を奪うという懸念は、ゴーダディが「AI にとっての入口」でもある事実と、AI が作ったサイトにもドメインと決済が要る事実を見落としている。
慎重な見方
伸びの質が悪い。顧客数は年初から 3.5 万人しか増えず、ARPU の上昇(+8.7%)は既存の顧客の支出の積み上げによるもので、新しい顧客の獲得によるものではない。受注(bookings)は売上より鈍く、2026 年後半の A&C の受注見通しは「高い 1 桁」。Airo への移行で、これまで別売りだったテンプレートのサイト制作や一部のコマースが Airo に吸収され、経営陣は移行の時期を示していない。Airo の年換算の受注 5,000 万ドルは売上の約 1% にすぎない。
入口が変わる。AI 検索・エージェントが人に代わって店を探し、予約し、買う世界では、名前を打つドメインも、人が見るサイトも価値が下がる。ウェルズ・ファーゴはゴーダディの高めの価格が AI の推薦で不利になると指摘し、RBC は価格決定力・付帯率・ドメインのシェアが落ちると見る。ショッピファイは売上 +34% で決済と店を AI 時代の入口として取り、ウィックスは Base44 で AI の制作を取り込み、スクエアスペースは非上場になった。
FCF の全額を買い戻しに回し、純負債は減らない。純負債は 26.6 億ドルで、2029 年の 22.1 億ドルの借り換えは今より高い金利になる。株主訴訟(2025-09〜2026-02)は、強さの説明が過大だったとの主張で、会社の言葉をそのままは信用できない。PER 15.7 倍は、成長が止まる会社に妥当な値で、安いのではなく適正かもしれない。
どちらに重みを置いたか
足元の実績(A&C +11%・FCF の増加・Airo の立ち上がり)と市場の値段(FCF の約 9 倍の EV)の落差が大きく、強気の見方の「値段は安い」が強い。一方で慎重な見方の「入口が変わる」は 10 年では現実の脅威で、RBC・ウェルズ・ファーゴの指摘も具体的。そこで確率は 10 年を強気側 24%・慎重側 44% と、慎重に厚く置いた。それでも 10 年の中立は A&C が減速しても売上が年 +5%・純利益が年 +6% 伸びる前提で、悲観(売上が今の 8 割)でも還元と最後の時価総額の合計が今の値段に近づく。値段が安く、慎重な見方でも負けにくいことが結論を「割安」へ寄せた。資本コストを 8.75%(借金と AI による入口の変化を織り込んだ)に直し倍率を下げても、総合の差は +30% 残り、結論は「やや割安」に落ち着く。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 138.79 ドル181 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 111.77 ドル146 億ドル)。 今の値に割り戻すと 133.47 ドル175 億ドル、今との差 +23.3%、 期待の年率 +8.8%(資本コスト 8.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 284.41 ドル372 億ドル | 167.32 ドル219 億ドル | +317.4% | +15.4% | 31.62 ドル41 億ドル |
| やや楽観 | 17% | 223.69 ドル293 億ドル | 141.32 ドル185 億ドル | +237.3% | +12.9% | 62.05 ドル81 億ドル |
| 中立 | 32% | 166.41 ドル218 億ドル | 123.73 ドル162 億ドル | +168.1% | +10.4% | 92.85 ドル121 億ドル |
| やや悲観 | 27% | 82.36 ドル108 億ドル | 93.14 ドル122 億ドル | +62.2% | +5.0% | 47.39 ドル62 億ドル |
| 悲観 | 17% | 31.58 ドル41 億ドル | 66.38 ドル87 億ドル | −9.5% | −1.0% | 16.65 ドル22 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 138.79 ドル181 億ドル | 111.77 ドル146 億ドル | +131.5% | +8.8% | 250.56 ドル328 億ドル |
今の株価時価総額 108.22 ドル142 億ドル(2026-10-21)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 7% 強気:Airo が小規模事業者の入口になり、付帯率と単価が同時に上がる 利益 24 億ドル · PER 15.4 倍 · 株価時価総額 284.41 ドル372 億ドル
2035 年、売上 113 億ドル(年 +8.6%)。Airo が「サイトを作る道具」から、小規模事業者の制作・集客・受注・事務をこなす AI の担当者に育ち、顧客 25.5 百万(世界の正規の中小企業の 6.5%)に第 2・第 3 の商品がつく。ウェブ制作・マーケティングは契約率 36%・単価が物価並み(1.41 倍)に Airo の上乗せを足して 1.62 倍で 34 億ドル、決済・コマースは契約率 12.0%・単価 1.50 倍で 21 億ドル。ドメインは AI の開発基盤向け API で購入の経路を押さえ、シェア 21.3% を保ちながらベリサインの値上げ(2029 年末まで年 7%)を転嫁して単価 1.46 倍、44 億ドル。競合と照らすと、ウィックス(2026 年 Q2 売上 +15%)やショッピファイ(同 +34%)の勢いには及ばないが、ドメイン・サイト・決済を 1 社で買える便利さで流出を抑える。GAAP 営業利益率 31.4%(株式報酬は売上の 4.1% へ低下)、純利益 24 億ドル。FCF は全額を自社株買いに回し、純負債は事業の稼ぐ力(NEBITDA)の 1.6 倍の 67 億ドルまで増える。
- ドメイン:数量 107(世界のドメイン登録数(百万件)× ゴーダディの管理シェア)× 価格 42(1 ドメイン・1 年あたりの売上(ドル。更新料・アフターマーケット・付帯品を含む))→ 売上 44 億ドル・営業利益 19 億ドル。価格転嫁とシェア維持
- ホスティング・セキュリティ・その他 Core:数量 8.5(顧客数(世界の正規の中小企業 3.22 億社 × ゴーダディの顧客シェア 6.34%)× ホスティング等の契約率(百万契約))× 価格 155(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。ホスティングは横ばい
- ウェブ制作・マーケティング:数量 9.2(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 374(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 18 億ドル。Airo が入口になり契約率が上がる
- 決済・コマース:数量 3.1(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 696(1 契約・1 年あたりの売上(ドル。決済の手数料収入と端末・店舗の課金))→ 売上 21 億ドル・営業利益 10 億ドル。決済の契約率が上がる
倍率:事業の ROE は 54%(自己資本がマイナスの会社の揃え方:2025 年は税引き後営業利益 8.8 ÷(自己資本 2.2+純負債 27.8)=29%、ROE = 29% +(29% − 借入金利の税引き後 約 4.5%)× 1 倍 = 約 54%)。資本コストを超える分は先で薄れるとして、新しく投じるお金の稼ぎ RONIC = k 8.75% + 1/2 ×(54% − 8.75%)= 31%(堀は普通:定期課金の切り替えの手間はあるが、AI のサイト作成に入口を奪われうる)。g は 市場の伸び +2.0% × シェア +0.5% × 価格 +3.5% で 6.1% だが、g は 4% まで(k − g ≥ 3.5% も守る)なので 4.0% に打ち止め、k 8.75%。正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) ×(1+g)(10 年目の利益に掛ける)= 19.1 倍を上限とし、楽観側も利益の質(AI の入口リスク・競争)を見てその 8.5 割の 16.2 倍に置いた。純負債 66.5 億ドルは 1 ドルで引く:時価総額 =(純利益 24.2 + 純負債の利息の税引き後 2.8)× 16.2 − 66.5 = 372 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 15.4 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用に入れた値)。
確率:業界ノートの楽観(市場 年 +12%)より低い 7%。Airo の年換算の受注は 2026 年 Q2 で 5,000 万ドルと全売上の 1% で、成功の確かな証拠はまだない。ウィックスやショッピファイが AI で伸び続ける中、ゴーダディだけが付帯率と単価を同時に上げ続ける筋書きは確率を絞る。
やや楽観 17% やや強気:Airo が一定の成功。ドメインは価格転嫁で堅調、A&C は段階的に減速 利益 19 億ドル · PER 15.3 倍 · 株価時価総額 223.69 ドル293 億ドル
2035 年、売上 96 億ドル(年 +6.8%)。Airo は一定の成功を収め、A&C(アプリ&コマース)は 2026 年の +11% から段階的に減速しつつ、10 年の平均で年 +8.7%(44 億ドル)。顧客は 23.9 百万(市場の 6.1%)、ウェブ制作・マーケティングは契約率 31%・単価 1.55 倍で 27 億ドル、決済・コマースは契約率 10.5%・単価 1.46 倍で 17 億ドル。ドメインは価格転嫁(1.43 倍)で 40 億ドル、シェアは 20.3% へ小さく低下する。AI 検索が安いレジストラを推す動きは出るが、ドメインの購入経路への Airo の組み込みで一部は吸収する。競合と照らすと、ショッピファイの決済の浸透(GMV の 68%)に比べゴーダディの決済は小さいまま、サイト制作ではウィックス・スクエアスペースと互角。GAAP 営業利益率 29.3%、純利益 19 億ドル、純負債 53 億ドル。
- ドメイン:数量 99.1(世界のドメイン登録数(百万件)× ゴーダディの管理シェア)× 価格 41(1 ドメイン・1 年あたりの売上(ドル。更新料・アフターマーケット・付帯品を含む))→ 売上 40 億ドル・営業利益 17 億ドル。シェアは小さく低下
- ホスティング・セキュリティ・その他 Core:数量 7.7(顧客数(世界の正規の中小企業 3.22 億社 × ゴーダディの顧客シェア 6.34%)× ホスティング等の契約率(百万契約))× 価格 153(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。やや増える
- ウェブ制作・マーケティング:数量 7.4(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 358(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 13 億ドル。Airo の上乗せ
- 決済・コマース:数量 2.5(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 677(1 契約・1 年あたりの売上(ドル。決済の手数料収入と端末・店舗の課金))→ 売上 17 億ドル・営業利益 8 億ドル。決済は小さいまま伸びる
倍率:事業の ROE は 54%(自己資本がマイナスの会社の揃え方:2025 年は税引き後営業利益 8.8 ÷(自己資本 2.2+純負債 27.8)=29%、ROE = 29% +(29% − 借入金利の税引き後 約 4.5%)× 1 倍 = 約 54%)。資本コストを超える分は先で薄れるとして、新しく投じるお金の稼ぎ RONIC = k 8.75% + 1/2 ×(54% − 8.75%)= 31%(堀は普通:定期課金の切り替えの手間はあるが、AI のサイト作成に入口を奪われうる)。g は 市場 +1.5% × シェア 0 × 価格 +3.0% = 4.5% だが、g は 4% までなので 4.0% に打ち止め、k 8.75%。正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) ×(1+g)(10 年目の利益に掛ける)= 19.1 倍を上限とし、楽観側も利益の質(AI の入口リスク・競争)を見てその 8.5 割の 16.2 倍に置いた。純負債 53.4 億ドルは 1 ドルで引く:時価総額 =(純利益 19.1 + 純負債の利息の税引き後 2.2)× 16.2 − 53.4 = 292 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 15.3 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用に入れた値)。
確率:A&C は 2025 年に +14%、2026 年も低い 2 桁を見込む。Airo の顧客は第 2 の商品の付帯率が 30% 高いと会社は言い、足元の実績はこの筋書きを支える。ただし受注の伸び(高い 1 桁)が売上を下回っており、17% にとどめた。
中立 32% 中立:ドメインは価格で伸び、A&C は減速。顧客数は横ばい圏 利益 16 億ドル · PER 13.9 倍 · 株価時価総額 166.41 ドル218 億ドル
2035 年、売上 81 億ドル(年 +5.1%)。顧客数は 22.0 百万(市場の 5.6%)と、2026 年上半期に年初から 3.5 万人しか増えていない今の横ばい圏に近く、伸びは単価と付帯率が支える。ドメインは世界の登録数が年 +2.1% 伸び、シェアは新しい安値のレジストラとの競り合いで 19.0% へ下がり、単価は物価並み(1.41 倍)で 36 億ドル。ウェブ制作・マーケティングは契約率 28.5%・単価 1.50 倍(物価 1.41 倍に Airo の上乗せ 6%)で 22 億ドル、決済・コマースは契約率 9.5%・単価 1.42 倍で 14 億ドル、A&C は 10 年の平均で年 +6.5%。ホスティングなど Core のその他は非中核の軟調が続き単価 1.35 倍(物価を下回る)で 10 億ドル。競合と照らすと、ドメインでは首位を保つがシェアを少しずつ手放し、サイトと決済ではウィックス・ショッピファイに伸びで負け続ける中堅の位置。GAAP 営業利益率 28.3%、純利益 16 億ドル。FCF は全額還元で、純負債は 44 億ドル。
- ドメイン:数量 90.8(世界のドメイン登録数(百万件)× ゴーダディの管理シェア)× 価格 40(1 ドメイン・1 年あたりの売上(ドル。更新料・アフターマーケット・付帯品を含む))→ 売上 37 億ドル・営業利益 15 億ドル。シェア 19%・単価は物価並み
- ホスティング・セキュリティ・その他 Core:数量 6.4(顧客数(世界の正規の中小企業 3.22 億社 × ゴーダディの顧客シェア 6.34%)× ホスティング等の契約率(百万契約))× 価格 149(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 2 億ドル。非中核は軟調。単価は物価を下回る
- ウェブ制作・マーケティング:数量 6.3(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 347(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 10 億ドル。物価 1.41 倍に Airo の上乗せ 6%
- 決済・コマース:数量 2.1(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 659(1 契約・1 年あたりの売上(ドル。決済の手数料収入と端末・店舗の課金))→ 売上 14 億ドル・営業利益 6 億ドル。契約率 9.5%
倍率:事業の ROE は 54%(自己資本がマイナスの会社の揃え方:2025 年は税引き後営業利益 8.8 ÷(自己資本 2.2+純負債 27.8)=29%、ROE = 29% +(29% − 借入金利の税引き後 約 4.5%)× 1 倍 = 約 54%)。資本コストを超える分は先で薄れるとして、新しく投じるお金の稼ぎ RONIC = k 8.75% + 1/2 ×(54% − 8.75%)= 31%(堀は普通:定期課金の切り替えの手間はあるが、AI のサイト作成に入口を奪われうる)。g は 市場 +1.0%(事業者数とドメイン登録数)× シェア −0.5% × 価格 +3.0% = 3.5%、k 8.75%。正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) ×(1+g)(10 年目の利益に掛ける)= 17.5 倍を上限とし、楽観側も利益の質(AI の入口リスク・競争)を見てその 8.5 割の 14.9 倍に置いた。純負債 44.4 億ドルは 1 ドルで引く:時価総額 =(純利益 15.7 + 純負債の利息の税引き後 1.9)× 14.9 − 44.4 = 218 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 13.9 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用に入れた値)。
確率:顧客数は横ばい・ARPU は +9%、ドメインは +5%、A&C は低い 2 桁という足元の延長で、成長は年々鈍る。強い見方と慎重な見方の落としどころで、最大の 32%。
やや悲観 27% やや慎重:AI 検索とエージェントでシェアと付帯率がじわじわ落ちる 利益 10 億ドル · PER 10.7 倍 · 株価時価総額 82.36 ドル108 億ドル
2035 年、売上 61 億ドル(年 +2.1%)。AI 検索とエージェントが、サイト・ドメイン・決済の入口を少しずつ変える。顧客は 19.6 百万(市場の 5.0%)へ減り、ドメインのシェアは 17.0% まで落ちる(安い価格に偏る AI の推薦、ウェルズ・ファーゴの指摘)。単価は 1.32 倍と物価を下回り 29 億ドル。A&C は Airo がサイト制作の値下がり(AI がサイトを安く作る)を一部しか埋めず、ウェブ制作・マーケティングは契約率 24.5%・単価 1.30 倍で 14 億ドル、決済・コマースは 10 億ドル。競合と照らすと、ウィックスが AI の制作ツールで、ショッピファイが決済で顧客を取り、ゴーダディの A&C の付帯率は今より下がる。GAAP 営業利益率 24.6%、純利益 10 億ドルと今(8.8 億ドル)をわずかに上回る程度で、売上は 10 年で 1.2 倍にとどまる。純負債は利益の縮みに合わせて 30 億ドルまで減る。
- ドメイン:数量 78.2(世界のドメイン登録数(百万件)× ゴーダディの管理シェア)× 価格 38(1 ドメイン・1 年あたりの売上(ドル。更新料・アフターマーケット・付帯品を含む))→ 売上 29 億ドル・営業利益 12 億ドル。AI の推薦で安いレジストラへ
- ホスティング・セキュリティ・その他 Core:数量 4.7(顧客数(世界の正規の中小企業 3.22 億社 × ゴーダディの顧客シェア 6.34%)× ホスティング等の契約率(百万契約))× 価格 138(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約が減る
- ウェブ制作・マーケティング:数量 4.8(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 300(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 6 億ドル。AI がサイトを安く作る
- 決済・コマース:数量 1.7(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 626(1 契約・1 年あたりの売上(ドル。決済の手数料収入と端末・店舗の課金))→ 売上 10 億ドル・営業利益 4 億ドル。ショッピファイに負ける
倍率:事業の ROE は 54%(自己資本がマイナスの会社の揃え方:2025 年は税引き後営業利益 8.8 ÷(自己資本 2.2+純負債 27.8)=29%、ROE = 29% +(29% − 借入金利の税引き後 約 4.5%)× 1 倍 = 約 54%)。資本コストを超える分は先で薄れるとして、新しく投じるお金の稼ぎ RONIC = k 8.75% + 1/2 ×(54% − 8.75%)= 31%(堀は普通:定期課金の切り替えの手間はあるが、AI のサイト作成に入口を奪われうる)。g は 市場 +1.0% × シェア −1.0% × 価格 +2.5% = 2.5%、k 8.75%。正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) ×(1+g)(10 年目の利益に掛ける)= 15.1 倍を上限とし、弱い筋書きで利益の質が落ちるのでその 8 割の 12.1 倍に置いた。純負債 30.0 億ドルは 1 ドルで引く:時価総額 =(純利益 10.1 + 純負債の利息の税引き後 1.3)× 12.1 − 30.0 = 108 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 10.7 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用に入れた値)。
確率:RBC(2026-10-12)とウェルズ・ファーゴが、AI が入口を変えて価格決定力・付帯率・ドメインのシェアを落とすと指摘。ドメインの高い価格が AI に不利に働くという具体的な経路もあるため、27% と中立並みに厚く置いた。
悲観 17% 慎重:AI のつくるサイトと取引が入口を奪い、構造的に優良さを失う 利益 6 億ドル · PER 7.3 倍 · 株価時価総額 31.58 ドル41 億ドル
2035 年、売上 41 億ドル(今の約 0.84 倍)。AI が作るサイト・AI 同士が行う取引が小規模事業者の入口を奪い、人がドメインを探して買う行為そのものが減る。顧客は 16.9 百万(市場の 4.3%)、ドメインのシェアは 15.0%・単価 1.20 倍で 23 億ドル、ウェブ制作・マーケティングは契約率 20%・単価は今と同じ水準の 1.05 倍(AI が無料に近いサイトを作る)で 8 億ドル、決済・コマースは 7 億ドル。ゴーダディは AI に対応する投資(AI の計算費用)を続けるため部門の利益率も下がり、GAAP 営業利益率 20.5%、純利益 5.7 億ドル。競合と照らすと、ウィックス・ショッピファイ・AI 開発基盤が顧客の入口を押さえ、ゴーダディは「安いドメインの窓口」に退く。リーマン級の不況ではなく、構造的に優良さを失う筋書き。純負債は 18 億ドルまで返す。10 年の還元の合計 87 億ドルは、最終年より利益が大きい前半の年の分を含み、純利益の合計に繰延収益の増加などの現金(その他)を足して純負債の返済を引いた額で、資産の売却によるものではない。
- ドメイン:数量 66.8(世界のドメイン登録数(百万件)× ゴーダディの管理シェア)× 価格 34(1 ドメイン・1 年あたりの売上(ドル。更新料・アフターマーケット・付帯品を含む))→ 売上 23 億ドル・営業利益 8 億ドル。人が探して買う行為が減る
- ホスティング・セキュリティ・その他 Core:数量 3.2(顧客数(世界の正規の中小企業 3.22 億社 × ゴーダディの顧客シェア 6.34%)× ホスティング等の契約率(百万契約))× 価格 116(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約が大きく減る
- ウェブ制作・マーケティング:数量 3.4(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 243(1 契約・1 年あたりの売上(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 3 億ドル。単価は今と同じ(AI が無料に近いサイトを作る)
- 決済・コマース:数量 1.3(顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約))× 価格 534(1 契約・1 年あたりの売上(ドル。決済の手数料収入と端末・店舗の課金))→ 売上 7 億ドル・営業利益 3 億ドル。入口を奪われる
倍率:事業の ROE は 54%(自己資本がマイナスの会社の揃え方:2025 年は税引き後営業利益 8.8 ÷(自己資本 2.2+純負債 27.8)=29%、ROE = 29% +(29% − 借入金利の税引き後 約 4.5%)× 1 倍 = 約 54%)。資本コストを超える分は先で薄れるとして、新しく投じるお金の稼ぎ RONIC = k 8.75% + 1/2 ×(54% − 8.75%)= 31%(堀は普通:定期課金の切り替えの手間はあるが、AI のサイト作成に入口を奪われうる)。g は 市場 +0.5% × シェア −2.0% × 価格 +1.5% = 0%、k 8.75%。正当化 PER = (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) ×(1+g)(10 年目の利益に掛ける)= 11.4 倍を上限とし、弱い筋書きで利益の質が落ちるのでその 8 割の 9.1 倍に置いた。純負債 18.1 億ドルは 1 ドルで引く:時価総額 =(純利益 5.7 + 純負債の利息の税引き後 0.8)× 9.1 − 18.1 = 41 億ドル(純利益に対する見かけの PER は 7.2 倍)。純利益は GAAP(株式報酬は費用に入れた値)。
確率:10 年の間に AI が入口を構造的に変える確率として 17%。市場は今の値段(FCF の 9 倍の EV)に、これ以上の悲観を織り込んでいる。ただし継続率 85% 超・定期課金・ドメインの登録資産という土台があり、事業が消える筋書きではないので 2 割は超えない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
ドメイン
ドメインの登録・更新(一次ドメイン)とアフターマーケット(中古名の売買)。Core の中で最大で、ベリサインの卸値を原価に、小売で売る。
| 数量世界のドメイン登録数(百万件)× ゴーダディの管理シェア | 価格1 ドメイン・1 年あたりの売上(ドル。更新料・アフターマーケット・付帯品を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 81.3 | 29 | 23 | 9 |
| 10 年後 中立 | 90.8 | 40 | 37 | 15 |
取り方:世界の登録数 3.87 億件(2025 年末、ベリサインの統計)× ゴーダディの管理シェア 21%(10-K の約 8,100 万件)。売上 23.2 億ドルは Core 30.6 億ドルから「Core のその他」7.4 億ドル(2026 年上半期の開示 3.66 億ドルの 2 倍で逆算)を引いた推定、単価は約 28.5 ドル。価格は物価並み(3 年 1.11 倍・10 年 1.41 倍)が基本。.com の卸値はベリサインの置き方と揃え、2029 年末までは満額の年 7%、以降は上限を下回る(10 年で年 +2.5% 前後)とみて、ゴーダディの小売はその上げ幅を転嫁できる物価並みに置く。一方、AI 検索が安いレジストラを推す可能性は筋書きで分けた。部門の利益は Core の部門 EBITDA 率 35% をドメイン 39%・その他 22% に按分した推定で、株式報酬・償却・本社費の前(その差は adjust)。
ホスティング・セキュリティ・その他 Core
サイトを置く場所(ホスティング)とサイトの保護・その他の Core 商品。会社は「Core のその他」としてまとめて開示し、非中核のホスティングは軟調。
| 数量顧客数(世界の正規の中小企業 3.22 億社 × ゴーダディの顧客シェア 6.34%)× ホスティング等の契約率(百万契約) | 価格1 契約・1 年あたりの売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 6.7 | 111 | 7 | 2 |
| 10 年後 中立 | 6.4 | 149 | 10 | 2 |
取り方:世界の正規の中小企業 3.22 億社(世銀 2019 年)× 顧客シェア 6.34%(顧客 2,040 万)= 2,040 万顧客に、ホスティング等の契約率 33%(推定。開示なし)を掛けて 6.74 百万契約、1 契約あたり 110.7 ドル。売上 7.4 億ドルは Core のその他(2026 年上半期 3.66 億ドルの 2 倍で逆算、前年から減っている)。価格は物価より低く置くのが基本(非中核が軟調、ネームチープ・ホスティンガーの安値)。
ウェブ制作・マーケティング
サイト制作ツール・集客・メールなどのアプリと、AI のエージェント型の Airo。A&C の中で大きい方。
| 数量顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約) | 価格1 契約・1 年あたりの売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.9 | 231 | 11 | 6 |
| 10 年後 中立 | 6.3 | 347 | 22 | 10 |
取り方:顧客 2,040 万に契約率 24%(推定)を掛けて 4.90 百万契約、1 契約あたり 231 ドル(月約 19 ドル。Airo の定価は月 17 ドル前後からで、割引と更新で上下するというレビューと整合)。売上 11.3 億ドルは A&C 18.9 億ドルをウェブ制作・マーケティング 6 : 決済・コマース 4 に按分した推定(開示なし)。A&C の部門 EBITDA 率は 47%(会社)で、ここは 50%・決済は 43% に按分。価格は物価並みに、Airo の上乗せ(付帯率・上位プラン)を分けて置く。
決済・コマース
店舗・オンラインの決済処理と端末、ネット店舗。A&C のうち ショッピファイと競合する領域。
| 数量顧客数(市場 3.22 億社 × シェア 6.34%)× 契約率(百万契約) | 価格1 契約・1 年あたりの売上(ドル。決済の手数料収入と端末・店舗の課金) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.6 | 464 | 8 | 3 |
| 10 年後 中立 | 2.1 | 659 | 14 | 6 |
取り方:顧客 2,040 万に契約率 8%(推定)を掛けて 1.63 百万契約、1 契約あたり 464 ドル(決済額の手数料と課金の合計)。売上 7.6 億ドルは A&C の按分(上の推定)。ショッピファイは決済が GMV の 68%・売上 +34% で、ここでの競争が A&C の質を決める。価格は決済額の名目の伸び(物価並み)を基本に置く。
リスクと懸念
AI 検索・エージェントが入口を変える
AI が人に代わって店を探し・予約し・買うと、人が名前を打つドメインも、人が見るサイトも価値が下がる。RBC(2026-10-12)は価格決定力・付帯率・ドメインのシェアの低下を指摘し、ウェルズ・ファーゴはゴーダディの高めの価格が AI の推薦で不利になると見る。10 年で最も大きいリスクで、筋書きでは慎重側の確率を 44% と厚くした。
Airo への移行で受注が鈍る
テンプレート型のサイト制作や一部のコマースが Airo に吸収され、移行の時期は 12 月の説明会まで示されない。A&C の受注は 2026 年後半に「高い 1 桁」の成長の見通しで、売上より鈍い。Airo の年換算の受注は 5,000 万ドルと売上の約 1% で、成功の証拠はまだ小さい。
ドメインの価格決定力は卸値の転嫁にすぎない
.com の卸値はベリサインが年 7% まで上げられるが、小売の価格を決めるのは競争。ネームチープなど安いレジストラが多く、AI の推薦が価格で選ぶなら、ゴーダディの高めの価格はシェア低下につながる。移管は簡単で、堀は浅い。ベリサインの値上げに NTIA が疑問を示した経緯もある。
サイト・決済の専業との競争
ウィックスは 2026 年 Q2 の売上 +15%(AI の Base44 が寄与)、ショッピファイは +34%・決済が GMV の 68%。ゴーダディの A&C は +11% と伸びるが、決済・ネット店舗では専業に離され、AI の制作でも後追い。A&C の営業利益率(部門 EBITDA で 47%)が競争で崩れると全体の利益に響く。
借金での自社株買いと金利
純負債は 26.6 億ドルで純レバレッジ 1.6 倍。FCF の全額を買い戻しに回し純負債は減らず、2027 年に 6.2 億ドル、2029 年に 22.1 億ドルの満期を迎える。安い 2029 年債(3.7%)は借り換えで 6% 前後になり、利払いが増える。景気後退で EBITDA が落ちると買い戻しを絞らざるを得ない。
説明の信頼と株式報酬
2025-09〜2026-02 の期間について、高い意図の顧客の強さと AI の説明が過大だったとする株主の集団訴訟が起きている。株式報酬は売上の約 6%(2025 年 3.2 億ドル)で、買い戻しの約 2 割を希薄化の打ち消しに使う。非 GAAP の利益で見ると実態より良く見える点にも注意。
今後の分かれ目
- A&C の受注の伸びが売上の伸び(低い 2 桁)に追いつき、低〜中位の 2 桁に戻る
- Airo が単価と付帯率を上げている証拠。やや強気・強気の確率を上げ、10 年の中立の A&C の伸びを引き上げる。RBC が自ら「誤りになる条件」として挙げた点でもある。
- A&C の受注が 2 四半期続けて前年を下回る、または顧客数が減り始める
- Airo への移行が付帯率を壊している。やや慎重・慎重の確率を上げ、ウェブ制作・マーケティングの契約率と単価を引き下げる。
- ドメインの一次ドメインの伸び(2025 年 Q4 は +5%)が止まる、またはアフターマーケットが落ちる
- AI 検索による入口の変化が数字に出たとみて、ドメインのシェアを 19% から 17% 以下に下げる(やや慎重の筋書き)。
- ベリサインが .com の卸値を毎年上限(年 7%)まで上げ続け、2030 年の契約更新後も上げられる
- ドメインの原価が上がり、小売へ転嫁しきれないとシェアが落ちる。転嫁できる場合は単価が物価を上回り、ドメインの売上は強気側へ寄る。
- 純レバレッジが 2 倍を超える、または借り換えで金利が 6.5% を超える
- 買い戻しの力が弱まり、還元の合計と純利益が下がる。借金を返す方向に会社が舵を切れば、買い戻しの額(payout)を減らして置き直す。
- ショッピファイ・ウィックスが小規模事業者向けに AI のエージェントを無料に近い価格で出す
- ウェブ制作・マーケティングの単価が今の水準に張り付く(慎重の筋書き)。10 年の価格を 1.50 倍から 1.30 倍に下げ、A&C の利益率も下がる。
見ておくもの
- A&C の受注(bookings)の伸びと、Airo の年換算の受注(2026 年 Q2 は 5,000 万ドル)
- 顧客数(2,050 万)と ARPU(250 ドル)、顧客数が増え始めるか
- ドメインの一次ドメインとアフターマーケットの伸び、ゴーダディの管理シェア(21%)
- ベリサインの .com の卸値(2026 年 11 月に 10.97 ドル)と 2030 年の契約更新
- 純レバレッジ・自社株買いの額・満期(2027 年・2029 年)と借り換えの金利
- 12 月の説明会(Investor Night)での Airo への移行の時期と、新しい長期目標
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(約 139 億ドル、GAAP の PER 15.7 倍)を見る前に、部門ごとの顧客数(市場 × シェア × 契約率)と 1 契約あたり売上を積み、株式報酬・償却・本社費を費用に入れた GAAP の純利益から、正当化 PER(自己資本がマイナスの会社の揃え方で ROIC の式から ROE を置き、RONIC = k + 1/2 ×(ROE − k)、k 8.75%=基本 8% + 借金 0.25% + 入口が AI に変わる寿命 0.5%、g は市場 × シェア × 価格)の上限に対し、AI に入口を奪われうる利益の質を見て 8〜8.5 割で倍率を決めた(中立は上限 17.5 倍に対し約 14.9 倍)。今の PER 15.7 倍へ寄せる調整はしていない。純負債は 1 ドルで引き、帳尻合わせの調整値は置いていない。式と筋書きの結果をそのまま受け入れ、結果は「やや割安」にとどまった。慎重側に 44% の確率を置いてもなお差が残るのは、市場の値段(FCF の約 9 倍の EV)が AI による消滅を深く織り込んでいるためと読む。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β 0.98 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。借金 +0.25%・寿命 +0.5% で quality は +0.75%。AI による入口の置き換え・ドメインの価格競争・株主訴訟は、確率(やや悲観・悲観を 10 年で 44%)と筋書きの数量・価格・利益率で表した。事業が傾いてはいない(GAAP 営業利益は増益)ので上乗せ 0。
同じ業種(情報技術)の AI 分析
読んだ資料
- GoDaddy 2026 年 Q2 決算発表(2026-07-30・8-K)
- GoDaddy 10-Q(2026-06-30)
- GoDaddy 10-K(2025 年)
- GoDaddy 2025 年 Q4 決算説明(2026-02-24)
- GoDaddy 2026 年 Q2 決算説明の要点(Airo の受注・ドメインの API)
- RBC の格下げ(2026-10-12)
- ゴーダディと AI 検索(TipRanks・ウェルズ・ファーゴの指摘)
- Domain Name Wire:2025 年のレジストラの成長(管理下のドメイン数)
- 世銀:MSME 経済指標(正規の中小企業 3.22 億社)
- Wix 2026 年 Q2 決算
- Shopify 2026 年 Q2 決算(8-K)
- Permira による Squarespace 買収の完了(2024-10)