結論
フェア・アイザック(FICO)は信用スコアの寡占会社で、FY26(2026 年 9 月期)の売上はガイダンスで 25.3 億ドル(+27%)、GAAP の純利益は 8.5 億ドルの見通し。成長のほぼ全部が住宅ローン向けスコアの単価の引き上げによる。筆者の結論は割高で、AI エージェント代替の影響は信用スコアでは小さく、主因は FHFA の VantageScore 受け入れ指示と価格表の変更という規制である。
スコアは住宅ローンの審査・証券化・規制の仕組みがこのスコアを前提に組まれており、切り替えに貸し手の審査と規制の全部を変える必要がある、という開示の証拠と、米国の信用スコアの大半を握る事実が揃う。そこで住宅ローン向けと自動車・カードほかのスコアを記録の正本型とし、数量と価格は既存の筋書き(規制による単価の削減と VantageScore への割合の移行を織り込み済み)をそのまま使った。g は物価並みの値上げが続く側として、元の 4.0% から1.0%に下げた。ソフトウェア(FICO プラットフォームほか)は、銀行が AI で自前のモデルを作れる面と企業ライセンスの面の混合で、数量0.95倍・価格1.20倍とした。AI を自社の売り物にして金額の売上が出る開示は確かめられなかった。
中立の売上は今の1.14倍の28.8億ドル、GAAP の純利益は6.1億ドル。k は基本 8.0% に景気・借金・寿命の上乗せ+1.50%で9.50%、倍率は11.5倍。やや悲観と悲観の確率は合わせて48%。本質価値は 37.2億ドル、今の時価総額 175億ドル に対して-79%で、評価は割高。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、信用スコアは住宅ローンの審査・証券化・規制の仕組みに組み込まれ、10 年後も存在する確信は高い。切り替えに貸し手の審査と規制の全部を変える必要があり、この部分だけ物価並みの値上げ力を g=+1.0% で認めた。
しかし価格を決める力が FICO の自由な値付けから規制当局の裁量に移り、すでに逆向きに使われている。純負債は時価総額の約 3 割で、割高な時期に借金で自社株を買っていないかという資本配分の疑問がある。2025 年 10 月から 2026 年 6 月にすでに実行した 30.5 億ドルの自社株買いは自己資本の起点から引いた。
本質価値は 37.2億ドル で、今の時価総額 175億ドル に対して-79%。堀には払うが、規制で削られる価格の根拠には払わない。安全域は見込めない。
何で稼ぐ会社か
FICO は 2 つの事業で稼ぐ。Scores は信用スコアのライセンスで、売上の約 3 分の 2 を占める。B2B は、銀行・カード会社・自動車金融・住宅ローンの貸し手が、与信の審査のたびに FICO スコアを信用情報会社(エクイファックス・エクスペリアン・トランスユニオン)経由で買う仕組みで、スコア 1 件ごとに FICO に使用料が入る。B2C は、消費者向けの myFICO と、信用情報会社を通じた消費者向けスコアの使用料。信用情報 3 社が売上の 51%(FY25)を占めるので、顧客であり同時に競合(VantageScore の運営会社の持ち主)でもある。
住宅ローンは Scores の中で最大かつ最も伸びた分野で、FY26 第 2 四半期は Scores 売上 4.75 億ドルの 63% が住宅ローン向け(組成向けの売上は前年比 +127%)だった。ファニーメイとフレディマックの審査はクラシック FICO を標準としてきたため、価格の引き上げが受け入れられてきた。2025 年 10 月に FICO は信用情報会社を通さず貸し手へ直接スコアを売る直接ライセンス(実績型:スコア 4.95 ドルに成約時の手数料)を始め、2026 年 4 月には FICO 10T の実績型を 0.99 ドルに成約時の 65 ドルを足す形へ変えたと報じられた(成約時の額は第三者の報道で、会社の資料では未確認)。
Software は不正対策(ファルコン)・与信の意思決定・顧客対応などの金融機関向けソフトで、FY25 末の ARR は 7.47 億ドル(+4%)、純更新率 102%。新しい中核の FICO プラットフォームは 2026 年第 1 四半期の ARR が 3.03 億ドル(+33%)で、全体の ARR の 3 分の 1 強。収益の源は、住宅ローンの照会が増える・単価が上がる・ソフトの契約が増えるの 3 つで、自社株買いが 1 株の価値を押し上げる。営業利益率は GAAP で 53%(第 3 四半期)と極めて高い。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第一に標準としての地位で、FICO は米国の大手貸し手の大半が使い、ファニーメイとフレディマックの審査のモデルとして 30 年以上使われてきた。切り替えには貸し手の与信モデル・投資家との取り決め・システムの作り直しが要る。第二に、価格に対する貸し手の鈍さで、スコアは住宅ローンの総費用のごく一部なので、貸し手は値上げを受け入れてきた(単価は数セントから 10 ドルへ)。第三に、データの蓄積とモデルの精度で、FICO は 10T が VantageScore より予測が良いと主張している。
ただし堀の核心である標準の地位は、自由な競争でなく規制の裁量に依存している。2022 年に FHFA が FICO 10T と VantageScore 4.0 をファニーメイとフレディマックの新しいスコアとして認め、2025 年 7 月に VantageScore 4.0 の選択制を認め、2026 年 9 月には全貸し手の受け入れと価格表の統一に進んだ。トランスユニオンとエクイファックスが VantageScore を 0.99 ドル・4.50 ドルで売り、FICO の 10 ドルに比べて桁違いに安い。価格決定力はこの意味で堀の外にある。資本効率は ROIC で測ると 80% 前後と極めて高いが、これは自社株買いで自己資本が縮んだ結果でもあり(自己資本は 2026 年 6 月末でマイナス 41 億ドル)、純負債は 53 億ドルまで膨らんだ。経営は債務で自社株買いを増やす資本配分で、9 か月で 30 億ドルを買い戻した。人員を 15% 削減するリストラ(2026 年 10 月)は、AI を使う開発への移行と費用の削減を狙う。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
信用スコアの市場は、貸し手が与信の審査で使うスコアの件数 × 単価でできている。数量は住宅ローンの組成(MBA の見通しで 2026 年約 530 万件・2.1 兆ドル、2027 年は 500 万件・1.99 兆ドルへ 5% 減り、30 年金利は 7% 超)、自動車・カード・個人向けの与信の件数で決まる。住宅ローンの組成は金利が高いため数年にわたり低迷しており、金利が下がれば件数は増える一方、高止まりすれば FICO の売上の数量面は伸びない。
価格は競争と規制で決まる。VantageScore(エクイファックス・エクスペリアン・トランスユニオンの共同出資)はクラシック FICO と同じ価格表を得て、エクイファックスが 4.50 ドルを 2 年据え置き、トランスユニオンが 0.99 ドルを 2028 年末まで据え置く。FHFA 長官のパルテ氏は VantageScore の 1 件 0.99 ドルを歓迎し、FICO にも下げるよう期待を表明した。FICO の CEO は VantageScore の適合ローンでの割合を「2% くらい」とし、非適合ローンでは無いと述べたが、ロケット・モーゲージが主モデルに切り替えたことで、大手の貸し手が動き始めた。
競合の構造変化は 2 つ。1 つ目は政府の買い手(ファニーメイ・フレディマック)が価格の主導権を握り、FICO を標準の座から外す動き。2 つ目は AI と代替データ(銀行口座の入出金など)を使う信用評価で、大手のカード会社や銀行が自社のモデルを持つ流れ。ソフトでは、AI を使う競合(NICE アクティマイズ・ペガシステムズ・フィーザイなど)が意思決定・不正対策の市場に入っている。循環の面では、住宅ローンの組成は金利が決める。FICO の売上は 2007 年の 8.2 億ドルから 2009 年の 6.3 億ドルへ 2 割強減り、株価は山から谷で 72% 下がった。今は価格の引き上げで売上が数量の循環を上回る異例の局面にある。
【AIエージェント代替】信用スコアは審査の標準で AI エージェントが直接置き換えにくいが、銀行の自社モデルと代替データが割合を削る。10 年の中立は売上が今の1.14倍になると置いた。
資本政策と M&A
株主還元は自社株買いが中心で、配当は出さない。FY25 は 14 億ドルで 0.8 百万株、FY26 は 9 か月で 30.5 億ドルと前年の 3.5 倍に増やした。資金は営業キャッシュフロー(FY25 で 7.8 億ドル)に借金を足したもので、総債務は FY25 末の 31 億ドルから 2026 年 6 月末の 56 億ドルへ、純負債は約 53 億ドルへ増えた。2026 年 3 月に 6.25% の 2034 年満期債 10 億ドルを発行して 5.25% の 2026 年債を償還しており、借り換えの金利は 6% 台。純負債は時価総額の約 3 割に達した。
M&A は小さく、事業は成熟しているのでソフトの買収は今のところ主役ではない。資本配分の課題は、割高と見られる時期に借金で自社株を買っていないかという点で、FY25 は 0.8 百万株を 14 億ドルで買った(1 株あたりの買い付け値は今の株価の 2 倍強)。株価が約 65% 下がった今は、買い戻しの効率が上がる一方、借金を増やす余力は小さくなる。FICO が買われる可能性は、規模(時価総額 約 170 億ドル)と規制の注目度から低い。株式報酬は年 1.6 億ドル(FY25)で、GAAP の純利益では費用に入る。正味の還元は配当・自社株買いから株式報酬による新株を引いた額で、中立の筋書きでは純利益の合計とほぼ同じ(純負債を一定に保つ)と置いた。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 30.5 億ドル(10-Q・2025 年 10 月〜2026 年 6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(-48.0 億ドル)からも外した。
【還元の置き方】10 年の還元は純利益の累計の約 95% と置いた(純利益を超えて自社株買いする会社。残り5%は小型の投資)。残らない分は、伸びが止まる中立の筋書きでは成長に回す元手が要らないため返す。株式報酬は GAAP の純利益ですでに費用として引いている。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
FICO のスコアは信用の標準で、貸し手・投資家・規制当局が 30 年以上かけて築いた仕組みの一部になっている。VantageScore の割合は CEO によれば 2% くらいで、非適合ローンでは無い。ロケット・モーゲージが主モデルに切り替えても、他の貸し手は住宅ローンの審査で FICO を使い続け、貸し手の与信モデル・投資家との取り決め・システムの作り直しの費用が大きいので、移行は数年かかる。FICO 10T は予測が VantageScore より良いとする FICO の主張に、データの蓄積という裏付けがある。
価格は下がっても、売上は崩れない。直接ライセンスの 10T は 0.99 ドルに成約時の 65 ドルを足す形で、成約すれば 1 件あたり 66 ドルが入り、貸し手の総費用に占める割合は小さい。リセラーの 9 割(住宅ローンの量で)が直接ライセンスに関わり、FICO は市場の半分を取れると見込んでいる。自動車・カード・個人向けのスコアは値上げが続き、ソフトはプラットフォームが +33% で伸びる。人員削減は営業費用を約 4% 下げ、営業利益率は 50% 台を保つ。今の PER 約 20 倍は、価格が下がる筋書きを織り込んだ値で、事業の質(営業利益率 5 割・資本をほぼ要らない)に対して安い。
慎重な見方
FICO の住宅ローン向けの売上は価格の引き上げで 2 倍以上になったが、価格は市場の需要でなく FICO の値付けの力で上がった。その力を支えていた標準の地位を、FHFA 長官が 1 年で崩している。2025 年 7 月の選択制、2026 年 9 月の VantageScore 4.0 の全貸し手への受け入れ指示と価格表の統一で、貸し手が FICO を選ぶ理由は価格の面では無くなった。VantageScore は 0.99 ドル(トランスユニオン)と 4.50 ドル(エクイファックス)、FICO は 10 ドルで、貸し手は価格差だけで移る動機がある。ロケットはすでに移り、他の大手も追う。
FICO 自身が 2026 年 4 月に 10T の価格を 0.99 ドルへ下げたのは、価格の力が限界に来たことの認識でもある。成約時の 65 ドルが通るかは当局の承認次第で、承認は保証されない。BofA は 2026 年 9 月に買いから中立へ下げ、目標を半分に引き下げた。純負債は 53 億ドルで、自社株買いを借金で賄ってきたため、売上が 3 割減れば利払いと自己資本のマイナスが重くなる。人員 15% の削減は事業の自信でなく、価格の圧力への対応に見える。信用情報 3 社が売上の 51% を占め、3 社が VantageScore の持ち主でもある構造は、顧客が競合を押す形で価格を下げる力を持つことを意味する。代替データと AI で、カード会社や銀行が自社のモデルを持つ流れもあり、10 年後の FICO の割合は 7 割を割る可能性が高い。 標準の地位が規制で崩れれば、純負債が時価総額の約 3 割に達した資本構成が重く効く。
どちらに重みを置いたか
強気は標準の地位が一夜で消えないこと、営業利益率 5 割と資本の軽さ、ソフトの伸びを言い、慎重は価格の根拠が規制当局の裁量に移り、すでに逆向きに使われている事実を言う。AI エージェント代替の影響は小さい型と見て、主因は既存の筋書きの規制に置いたまま、g を元の 4.0% から1.0%に下げた。やや悲観と悲観を合わせて48%。結論は割高。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 253.70 ドル58 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 97.13 ドル22 億ドル)。 今の値に割り戻すと 164.07 ドル37 億ドル、今との差 −80.1%、 期待の年率 −8.2%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 579.18 ドル131 億ドル | 238.20 ドル54 億ドル | −0.7% | −0.1% | 49.04 ドル11 億ドル |
| やや楽観 | 15% | 433.61 ドル98 億ドル | 180.86 ドル41 億ドル | −25.4% | −2.9% | 92.17 ドル21 億ドル |
| 中立 | 31% | 311.42 ドル71 億ドル | 127.92 ドル29 億ドル | −46.6% | −6.1% | 136.20 ドル31 億ドル |
| やや悲観 | 28% | 171.15 ドル39 億ドル | 57.34 ドル13 億ドル | −72.2% | −12.0% | 63.98 ドル15 億ドル |
| 悲観 | 20% | 47.20 ドル11 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −94.3% | −24.9% | 9.44 ドル2 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 253.70 ドル58 億ドル | 97.13 ドル22 億ドル | −57.4% | −8.2% | 350.83 ドル80 億ドル |
今の株価時価総額 823.27 ドル187 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 6% 標準の地位が続き、単価が高止まりする 利益 11 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 579.18 ドル131 億ドル
標準の地位が続き、規制の圧力も限定的にとどまる最良の筋書き。住宅ローン向けは数量1.28倍・価格1.28倍。ソフトは1.00倍。売上は40.4億ドル、純利益は11.4億ドル。 内訳は住宅ローン向けスコア=数量1.28倍・価格1.28倍・利益率78.5%、自動車・カード・個人向けほかのスコア=数量1.25倍・価格1.55倍・利益率72.1%、ソフトウェア=数量1.00倍・価格1.25倍・利益率10.0%。 この筋書きの確率は6%。結果は、売上が今の1.60倍の40.4億ドル、営業利益17.9億ドル、純利益11.4億ドル、自己資本-13.0億ドル、10年の正味の還元54.0億ドル、時価総額131億ドル(PER11.5倍)。
- 住宅ローン向けスコア:数量 680(米国の住宅ローンの組成件数(万件・MBA の見通し))× 価格 0.02(1 件の組成あたりの FICO の売上(億ドル/万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上(ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 12 億ドル。数量1.28倍・価格1.28倍・営業利益率78.5%(記録の正本型)
- 自動車・カード・個人向けほかのスコア:数量 2,250(与信の審査・見直し・消費者の照会の件数(百万件。推定))× 価格 0.01(市場の 1 件あたりの FICO の売上(億ドル/百万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上)→ 売上 14 億ドル・営業利益 10 億ドル。数量1.25倍・価格1.55倍・営業利益率72.1%(記録の正本型)
- ソフトウェア(FICO プラットフォームほか):数量 3,000(金融機関向けの意思決定・不正対策・与信ソフトの実質市場(億ドル・推定))× 価格 0.4%(市場 1 億ドルあたりの FICO の売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量1.00倍・価格1.25倍・営業利益率10.0%(人月と記録の正本の混合)
倍率:10年より先の名目の伸びg=1.00%(記録の正本の部分だけ物価並みの値上げが続く。利益の加重)の正当化PER:事業のROE70.0%、RONIC=k+0.67×(ROE−k)=49.8%、(1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.5倍。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:規制の圧力が限定的にとどまる必要があり 6%。
やや楽観 15% VantageScore への移行が緩やかで、単価の削減が小さい 利益 9 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 433.61 ドル98 億ドル
住宅ローン向けは1.26倍・0.98倍、ほかのスコアは1.39倍。売上は34.4億ドル、純利益は8.5億ドル。 内訳は住宅ローン向けスコア=数量1.26倍・価格0.98倍・利益率73.1%、自動車・カード・個人向けほかのスコア=数量1.22倍・価格1.39倍・利益率69.7%、ソフトウェア=数量0.97倍・価格1.24倍・利益率9.8%。 この筋書きの確率は15%。結果は、売上が今の1.36倍の34.4億ドル、営業利益13.4億ドル、純利益8.5億ドル、自己資本-14.0億ドル、10年の正味の還元41.0億ドル、時価総額98.3億ドル(PER11.5倍)。
- 住宅ローン向けスコア:数量 670(米国の住宅ローンの組成件数(万件・MBA の見通し))× 価格 0.02(1 件の組成あたりの FICO の売上(億ドル/万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上(ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 9 億ドル。数量1.26倍・価格0.98倍・営業利益率73.1%(記録の正本型)
- 自動車・カード・個人向けほかのスコア:数量 2,200(与信の審査・見直し・消費者の照会の件数(百万件。推定))× 価格 0.01(市場の 1 件あたりの FICO の売上(億ドル/百万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上)→ 売上 12 億ドル・営業利益 9 億ドル。数量1.22倍・価格1.39倍・営業利益率69.7%(記録の正本型)
- ソフトウェア(FICO プラットフォームほか):数量 2,925(金融機関向けの意思決定・不正対策・与信ソフトの実質市場(億ドル・推定))× 価格 0.4%(市場 1 億ドルあたりの FICO の売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量0.97倍・価格1.24倍・営業利益率9.7%(人月と記録の正本の混合)
倍率:10年より先の名目の伸びg=1.00%(記録の正本の部分だけ物価並みの値上げが続く。利益の加重)の正当化PER:事業のROE70.0%、RONIC=k+0.67×(ROE−k)=49.8%、(1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.5倍。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:移行が緩やかな筋書き。15%。
中立 31% 割合が 7 割台に下がり、1 件の売上は実質で 4 割削られる 利益 6 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 311.42 ドル71 億ドル
住宅ローン向けは割合が下がって数量1.23倍、単価は実質で削られて0.71倍、ほかのスコアは1.19倍・1.24倍、ソフトは0.95倍・1.20倍。売上は28.8億ドル、営業利益は9.7億ドル、純利益は6.1億ドル。 内訳は住宅ローン向けスコア=数量1.23倍・価格0.71倍・利益率66.7%、自動車・カード・個人向けほかのスコア=数量1.19倍・価格1.24倍・利益率66.4%、ソフトウェア=数量0.95倍・価格1.20倍・利益率9.5%。 この筋書きの確率は31%。結果は、売上が今の1.14倍の28.8億ドル、営業利益9.7億ドル、純利益6.1億ドル、自己資本-14.0億ドル、10年の正味の還元29.0億ドル、時価総額70.6億ドル(PER11.5倍)。 10年の純利益の累計は62.9億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- 住宅ローン向けスコア:数量 650(米国の住宅ローンの組成件数(万件・MBA の見通し))× 価格 0.01(1 件の組成あたりの FICO の売上(億ドル/万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量1.23倍・価格0.71倍・営業利益率66.7%(記録の正本型)
- 自動車・カード・個人向けほかのスコア:数量 2,150(与信の審査・見直し・消費者の照会の件数(百万件。推定))× 価格 0.00(市場の 1 件あたりの FICO の売上(億ドル/百万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上)→ 売上 11 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量1.19倍・価格1.24倍・営業利益率66.4%(記録の正本型)
- ソフトウェア(FICO プラットフォームほか):数量 2,850(金融機関向けの意思決定・不正対策・与信ソフトの実質市場(億ドル・推定))× 価格 0.3%(市場 1 億ドルあたりの FICO の売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量0.95倍・価格1.20倍・営業利益率9.5%(人月と記録の正本の混合)
倍率:10年より先の名目の伸びg=1.00%(記録の正本の部分だけ物価並みの値上げが続く。利益の加重)の正当化PER:事業のROE70.0%、RONIC=k+0.67×(ROE−k)=49.8%、(1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.5倍。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:割合が下がり単価が実質で削られる中心の筋書き。31%。
やや悲観 28% GSE が VantageScore を主にし、単価の根拠が崩れる 利益 3 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 171.15 ドル39 億ドル
GSE が VantageScore を主にし、住宅ローン向けの単価は0.40倍まで削られる。銀行の AI モデルに割合を渡し、ほかのスコアも0.96倍。売上は21.1億ドル、純利益は3.4億ドル。 内訳は住宅ローン向けスコア=数量1.21倍・価格0.40倍・利益率58.7%、自動車・カード・個人向けほかのスコア=数量1.14倍・価格0.96倍・利益率60.3%、ソフトウェア=数量0.87倍・価格1.16倍・利益率8.6%。 この筋書きの確率は28%。結果は、売上が今の0.84倍の21.1億ドル、営業利益5.3億ドル、純利益3.4億ドル、自己資本-15.0億ドル、10年の正味の還元13.0億ドル、時価総額38.8億ドル(PER11.5倍)。 10年の純利益の累計は46.1億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- 住宅ローン向けスコア:数量 640(米国の住宅ローンの組成件数(万件・MBA の見通し))× 価格 0.01(1 件の組成あたりの FICO の売上(億ドル/万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量1.21倍・価格0.40倍・営業利益率58.7%(記録の正本型)
- 自動車・カード・個人向けほかのスコア:数量 2,050(与信の審査・見直し・消費者の照会の件数(百万件。推定))× 価格 0.00(市場の 1 件あたりの FICO の売上(億ドル/百万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上)→ 売上 8 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量1.14倍・価格0.96倍・営業利益率60.3%(記録の正本型)
- ソフトウェア(FICO プラットフォームほか):数量 2,622(金融機関向けの意思決定・不正対策・与信ソフトの実質市場(億ドル・推定))× 価格 0.3%(市場 1 億ドルあたりの FICO の売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量0.87倍・価格1.16倍・営業利益率8.6%(人月と記録の正本の混合)
倍率:10年より先の名目の伸びg=1.00%(記録の正本の部分だけ物価並みの値上げが続く。利益の加重)の正当化PER:事業のROE70.0%、RONIC=k+0.67×(ROE−k)=49.8%、(1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.5倍。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:GSE が VantageScore を主にする筋書き。28%。
悲観 20% 標準でなくなり、住宅ローン向けの単価が大きく下がる 利益 1 億ドル · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 47.20 ドル11 億ドル
標準でなくなり、住宅ローン向けの単価は0.14倍まで下がる。ほかのスコアも割合を渡す。売上は12.3億ドル、純利益は1.0億ドル。人員を削り負債を返す小さな会社に戻る。 内訳は住宅ローン向けスコア=数量1.17倍・価格0.14倍・利益率40.3%、自動車・カード・個人向けほかのスコア=数量1.03倍・価格0.60倍・利益率52.3%、ソフトウェア=数量0.68倍・価格1.08倍・利益率5.7%。 この筋書きの確率は20%。結果は、売上が今の0.48倍の12.3億ドル、営業利益1.6億ドル、純利益1.0億ドル、自己資本-21.0億ドル、10年の正味の還元0.0億ドル、時価総額10.7億ドル(PER10.5倍)。 10年の純利益の累計は26.9億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- 住宅ローン向けスコア:数量 620(米国の住宅ローンの組成件数(万件・MBA の見通し))× 価格 0.00(1 件の組成あたりの FICO の売上(億ドル/万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上(ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量1.17倍・価格0.14倍・営業利益率40.3%(記録の正本型)
- 自動車・カード・個人向けほかのスコア:数量 1,850(与信の審査・見直し・消費者の照会の件数(百万件。推定))× 価格 0.00(市場の 1 件あたりの FICO の売上(億ドル/百万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上)→ 売上 4 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量1.03倍・価格0.60倍・営業利益率52.3%(記録の正本型)
- ソフトウェア(FICO プラットフォームほか):数量 2,052(金融機関向けの意思決定・不正対策・与信ソフトの実質市場(億ドル・推定))× 価格 0.3%(市場 1 億ドルあたりの FICO の売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率)→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量0.68倍・価格1.08倍・営業利益率5.7%(人月と記録の正本の混合)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.00%(人月・席の型は0%以下。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(9.5%+-0.00%)=10.5倍(事業のROE70.0%)。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。 EV で見ると、時価総額 11 億ドル+今の純負債 30 億ドルは営業利益 1.6 億ドルの約 25 倍で、利益の倍率だけでは割安・割高を言えない。この筋書きは事業の稼ぐ力がほぼ消えた状態で、負債の重さが株主価値をほとんど残さないことを示す。
確率:標準でなくなる筋書き。価格の根拠が規制当局の側に移った事実があり 20%、やや悲観と合わせて48%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
住宅ローン向けスコア
住宅ローンの申込・審査・組成のたびに、貸し手が信用情報会社(エクイファックス・エクスペリアン・トランスユニオン)経由などで買う FICO スコア。ファニーメイとフレディマックの審査の標準。
| 数量米国の住宅ローンの組成件数(万件・MBA の見通し) | 価格1 件の組成あたりの FICO の売上(億ドル/万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 530 | 0.02 | 10 | 7 |
| 10 年後 中立 | 650 | 0.01 | 8 | 6 |
取り方:FY26(2026 年 9 月期)の推定。第 1 四半期は Scores 3.05 億ドルの 42%、第 2 四半期は 4.75 億ドルの 63%(組成向けは +127%)と報じられ、第 3・第 4 四半期を Scores の 6 割弱と置いて合計 約 9.6 億ドル。件数は MBA の 2026 年 約 530 万件(2027 年は 500 万件に減る見通し)。割合は 98%(VantageScore は 2% くらいと CEO)、1 件あたりの売上は約 185 ドル(申込時の照会・再照会・複数のスコアの合算、推定)。営業利益は共通費を売上比で配ったうえで、売上が価格の上げで増えた分は費用が増えないので 76%(ほかより高い)と置いた。競合は VantageScore(エクイファックスとトランスユニオンが 4.50 ドルと 0.99 ドル)。 【AIエージェント代替の見直し】住宅ローン向けスコアは記録の正本型。数量・価格は規制による単価の削減を織り込んだ既存の置き方を使う(AI は主因でない)。数量1.23倍、価格0.71倍。g はスコア全体の利益比で+1.0%。
自動車・カード・個人向けほかのスコア
自動車ローン・クレジットカード・個人向けローンの審査用スコア(B2B)と、myFICO・信用情報会社経由の消費者向け(B2C)。
| 数量与信の審査・見直し・消費者の照会の件数(百万件。推定) | 価格市場の 1 件あたりの FICO の売上(億ドル/百万件)= FICO スコアが使われる割合 × 1 件あたりの売上 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1,800 | 0.00 | 7 | 5 |
| 10 年後 中立 | 2,150 | 0.00 | 11 | 7 |
取り方:FY26 の Scores 約 16.8 億ドル(ガイダンス売上 25.3 億ドルと Software 約 8.5 億ドルから逆算)から住宅ローン向け 9.6 を引いて 7.2 億ドル(B2C は第 3 四半期に +5%)。件数は推定で 18 億件(開示なし)、割合 92%、1 件あたり約 0.43 ドル。営業利益は 65%(共通費を売上比で配分)。競合は VantageScore・信用情報会社の自社スコア・銀行や大手カード会社の自社モデルと代替データ。 【AIエージェント代替の見直し】自動車・カード・個人向けほかのスコアも記録の正本型。銀行や大手カード会社の自社モデルと代替データへの割合の移行は既存の筋書きに入れ済み。数量1.19倍、価格1.24倍。
ソフトウェア(FICO プラットフォームほか)
金融機関向けの不正対策(ファルコン)・与信の意思決定・顧客管理のソフトと、それを 1 つにまとめる FICO プラットフォーム。
| 数量金融機関向けの意思決定・不正対策・与信ソフトの実質市場(億ドル・推定) | 価格市場 1 億ドルあたりの FICO の売上(億ドル)= シェア × 価格の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 3,000 | 0.3% | 9 | 1 |
| 10 年後 中立 | 2,850 | 0.3% | 10 | 1 |
取り方:第 3 四半期までの 9 か月の Software 売上が 6.39 億ドル(+3%)、第 4 四半期を 2.1 億ドルと置いて 約 8.5 億ドル。ARR は FY25 末で 7.47 億ドル(+4%)、うちプラットフォームが 2.64 億ドル(35%)で、2026 年第 1 四半期にプラットフォームの ARR は 3.03 億ドル(+33%)。市場は推定で約 3,000 億ドル(シェア 0.28%)。営業利益は共通費を売上比で配ったので 11%(会社の開示の Software 自体の営業利益率は 3 割前後と第三者は推定)。競合は NICE アクティマイズ・ペガシステムズ・SAS・IBM・ACI など。 【AIエージェント代替の見直し】ソフトウェア(FICO プラットフォームほか)は、企業ライセンスと AI で自前のモデルを作れる面の混合。堀の証拠が揃わず g は認めない。数量0.95倍、価格1.20倍。
リスクと懸念
AI エージェント代替(ソフトと代替データの面)
FICO のスコアは審査の仕組みの標準で、AI エージェントが直接置き換えにくい。影響は、銀行や大手カード会社が AI で自社モデルと代替データを作り、ほかのスコアとソフトの割合・単価を削る面に限られる。主因は FHFA の指示という規制。中立の売上は今の1.14倍、悲観では0.48倍と置いた。
住宅ローンの価格と割合の崩れ
FHFA がクラシック FICO と VantageScore 4.0 の価格表を統一し、トランスユニオンが 0.99 ドル・エクイファックスが 4.50 ドルで VantageScore を売る。FICO の 10 ドルとの差は大きく、貸し手が移る動機がある。ロケット・モーゲージはすでに主モデルを切り替えた。住宅ローン向けは FY26 の売上の約 4 割で、利益への寄与はさらに大きい。
10T と直接ライセンスの承認の遅れ
FICO の対抗策である 10T の直接ライセンス(0.99 ドルに成約時の 65 ドル)は当局の承認待ちで、承認の時期も条件も不明。承認されなければ、FICO は価格を下げる対抗手段を失い、承認されても成約時の手数料が当局に問題視されれば、1 件あたりの売上は想定より下がる。
信用情報 3 社との関係
売上の 51%(FY25)を占める信用情報 3 社は、FICO の顧客であると同時に VantageScore の出資者で、FICO を迂回する直接ライセンスに反発している。3 社が FICO の使用料を値切る・VantageScore を優遇する力を持つので、取引条件の変更が売上と単価に直接効く。
借金による自社株買いと財務の硬直
純負債は 2026 年 6 月末で約 53 億ドル(時価総額の約 3 割)、自己資本はマイナス 41 億ドル。9 か月で 30.5 億ドルを買い戻した。6% 台の金利で借り換えが続くと利払いは年 3.2 億ドルを超え、売上が 3 割減る筋書きでは純利益の半分近くを食う。
政治・規制の圧力(クレジットカードの金利上限など)
住宅ローン以外でも、クレジットカードの金利上限の議論や信用スコア全体の価格への関心が政治の議題になっている。与信の件数が減る、または価格の引き上げが政治的に許されなくなれば、ほかのスコアの値上げ(物価を上回る前提)が止まる。
住宅ローンの組成の低迷
MBA の見通しは 2027 年の組成が 5% 減の 500 万件、30 年金利は 7% 超。金利が下がらなければ住宅ローン向けの数量は伸びず、価格が下がる中で売上は減る。FY26 は組成が 530 万件だったが、価格の引き上げ(4.95 ドルから 10 ドル)が売上を押し上げたので、数量の減少を価格で補う余地はもう小さい。
今後の分かれ目
- FHFA が FICO 10T の直接ライセンス(成約時の手数料を含む)を承認し、大手リセラーが実際に移行したら
- 1 件あたりの売上の下がり方が緩やかになる合図。10 年の楽観・やや楽観の確率を上げ、住宅ローンの割合を 8 割台で置き直す。
- ロケット・モーゲージに続き、別の大手貸し手(銀行系・ユナイテッド・ホールセール・モーゲージなど)が VantageScore を主モデルにしたら
- 移行が加速している合図。10 年のやや悲観・悲観の確率を上げ、住宅ローンの割合を 55% 以下に置く。
- FHFA がトライマージ(3 社の合成)を 2 社または 1 社にすると決めたら
- 1 件あたりに使われるスコアの数が減り、住宅ローンの 1 件あたりの売上が直接減る合図。10 年のやや悲観の確率を上げる。
- 信用情報 3 社が FICO との使用料の契約更新で単価を下げさせたら
- FICO の価格決定力の弱まり。ほかのスコアの値上げ(物価並み)の前提を下げる。
- FY27 の会社の見通し(2026 年 11 月予定)で売上が FY26 の 25.3 億ドルを下回ったら
- 住宅ローンの価格の天井が見えた合図。中立の 10 年の売上を引き下げる。
- 住宅ローンの組成が 2027 年に 500 万件を下回り、30 年金利が 7% 超で続いたら
- 数量が価格の下落に重なる。10 年の悲観の確率を上げる。
- FHFA と GSE が VantageScore を主とする価格表を実際に運用し、FICO の割合が 7 割を割ったら
- 規制による悲観の筋書きに近づく合図。やや悲観・悲観の確率を上げる。
- AI を使った自社モデルへの切り替えが、自動車・カードの大手で開示されたら
- ほかのスコアの割合の削減が AI で加速する合図。割合と単価を見直す。
見ておくもの
- FHFA・ファニーメイ・フレディマックの発表(10T の承認・トライマージの見直し・価格表)
- 住宅ローン向けスコアの売上と Scores に占める割合、B2B の伸び、直接ライセンスの採用数
- VantageScore の割合の公表値、大手貸し手の主モデルの切り替え
- 純負債・自社株買いの額・利払い、自己資本
- プラットフォームの ARR(2026 年第 1 四半期 3.03 億ドル)とソフト全体の ARR・純更新率
- MBA の組成件数の見通しと 30 年金利
- FHFA・GSE の価格表と VantageScore の採用割合、ほかのスコアの割合
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額 175億ドル や過去の PER は見ずに、住宅ローン向けとほかのスコアは既存の筋書き(規制による単価の削減・割合の移行)を使い、ソフトは数量 0.95 倍・価格 1.20 倍で置いた。倍率は正当化 PER で、k は基本 8.0% + 景気 0.5 + 借金 0.5 + 寿命 0.5 = 9.50%、g は1.0%(元は 4.0%)、ROE は 70% を使った。悲観の筋書きでは堀が崩れるので g は 0%。AI 代替は数量・価格に主に入れ、k・確率(悲観側48%)・g に重ねていない。純利益は GAAP。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β 1.24 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 1.50% = 9.50%(β は使わない)。住宅ローンの組成は金利で振れる(cycle +0.5)。スコアの値決め力は強いが規制の圧力が相殺する(pricing 0)。純負債は EBITDA の約 3.3 倍で自己資本はマイナス(debt +0.5)。標準の地位が揺らぎうる(life +0.5)。規制・価格表・VantageScore は k に重ねず、筋書き(割合・単価)と確率で表した。AI 代替は k に足していない。