結論
アドビは、フォトショップなどの制作ソフト(Creative Cloud)、PDF と電子署名(ドキュメント)、企業のマーケティングを回すエクスペリエンス・クラウドを持つ世界最大の制作ソフト会社で、2025 年 11 月期の売上は 238 億ドル(+11%)、会計上の営業利益率は 36.7%。筆者の結論は割高で、売上の 6 割を占める制作ソフトを席課金型として、生成 AI による技能の壁の低下とキャンバ・フィグマ・画像動画 AI への分散を数量と価格に直接入れた。
クリエイティブは、プロの制作現場に染みついた操作と素材の互換性が堀だが、画像・動画・デザインを AI で作れば、席(利用者)単位の購読が揺らぐ。AI 機能(Firefly)の売上の金額開示は確かめられなかったので、楽観でも数量は今を超えない。そこで数量を今の0.78倍、価格を物価に届かない1.10倍とした。ドキュメントは PDF という文書の標準で記録の正本寄りだが、電子署名の競合が多く、堀の証拠が開示で 2 つ揃わないので g は 0%、数量0.92倍・価格1.18倍。マーケティング・顧客体験は席型で0.78倍・1.08倍。
中立の売上は今の0.89倍の212億ドル、GAAP の純利益は57.9億ドル。k は基本 8.0% に景気 −0.25%・寿命 +1.0%を足した8.75%、g は 0% で倍率は11.4倍。やや悲観と悲観の確率は合わせて35%。本質価値は 590億ドル、今の時価総額 969億ドル に対して-39%で、評価は割高。今の PER の低さは、市場がすでに一部を織り込んだ結果とも読めるが、利益そのものが縮むなら割安の証拠にならない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、プロの制作現場に染みついた操作と素材の互換性、PDF という文書の標準は、10 年後も存在する確信は高い。しかし制作ソフトの購読は席で売る型で、画像・動画・デザインを AI で作れる世界では、技能の壁が下がり、キャンバ・フィグマ・画像動画 AI に利用者が分散しうる。堀の証拠(解約率の数字や年単位の移行)は開示で揃わなかった。
オーナー利益は、株式報酬を費用にした GAAP の純利益 71.3 億ドル。資本は軽く、利益のほぼ全部を自社株買いで返してきたが、2025 年 12 月から 2026 年 8 月にすでに実行した 68.2 億ドルは自己資本の起点から引いた。
本質価値は 590億ドル で、今の時価総額 969億ドル に対して-39%。成長を前提にした値段には払わない。10 年後の利益への確信は中程度で、安全域は薄い。
何で稼ぐ会社か
売上は大きく 3 つに分けて見る。第一はクリエイティブで売上の約 6 割(2025 年 11 月期に約 138 億ドルと推定)。フォトショップ・イラストレーター・プレミア・アフターエフェクツなどをまとめた購読(Creative Cloud)に、生成 AI のファイアフライ(Firefly)、簡易デザインのエクスプレス(Express)、動画の共同編集のフレーム・アイオー(Frame.io)が加わる。プロ・学生・個人事業主・企業が顧客で、月額または年額の購読が中心、AI は生成のクレジット(回数)で課金する形を広げている。
第二はドキュメント(約 38 億ドル)で、アクロバット(Acrobat)による PDF の作成・編集・署名と、文書に質問できる AI アシスタント、電子署名のアドビ・サイン(Adobe Sign)。PDF は世界の文書の標準で、個人から大企業まで買う。2026 年 6〜8 月期の「ビジネス専門家・一般」向け購読は +16% と全社より速い。
第三はマーケティング・顧客体験(出版・広告を含め約 62 億ドル)で、企業のウェブ分析・顧客データ・コンテンツ管理・広告配信を担うエクスペリエンス・クラウドと、コンテンツ制作を自動化するジェンスタジオ(GenStudio)。2026 年 4 月に SEO・生成 AI の検索対策のセムラッシュを約 19 億ドルで買収した。購読は売上の 9 割を超え、利益は株式報酬を費用に入れた会計上で 36〜37%、非 GAAP で 45% 前後。2026 年 6〜8 月期の総 ARR は 275 億ドル(+11%)、月間利用者は 10 億人を超える。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第一は切り替えの費用で、プロの制作現場では素材・テンプレート・拡張機能・ショートカットの操作と、取引先との受け渡しの形式がアドビの形式で固まっており、別のツールへ乗り換えると 1 案件ごとの手戻りが出る。第二は PDF という文書の標準で、署名・保存・規制対応の流れに入り込んでいる。第三は権利処理済みの学習データでファイアフライを作り、商用で安心して使える AI として企業に売れる点である。
資本効率は際立っている。のれんを除くと有形の資本はほとんど要らず、営業利益のほぼ全部を株主に返せる。ROE 61% は自社株買いで自己資本が 116 億ドルまで縮んだ見かけの面もあるが、ROIC でも約 58% と高い。営業利益率は 2020 年の 33% から 36〜37% で安定し、フリーキャッシュフローは 2021 年の 69 億ドルから 98 億ドルまで増えた。
弱点は 4 つ。生成 AI が技能の壁を下げ、アドビを使わない制作が増えること(キャンバの売上規模は約 40 億ドル、フィグマは UI の設計で 8〜9 割のシェア)。2022 年の大型買収(フィグマ)の頓挫のように、成長を買う道が閉ざされたこと。AI の推論費用で粗利が薄くなること。2022 年の利上げ局面で株価が 59% 下がったように、倍率の振れが大きいことである。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
制作・デザイン・動画の市場は、業界ノートの業務ソフトの考え方では数量が年 +2%・価格が年 +2.5% だが、アドビの領域は生成 AI で作る人と作る物が増えるので、数量は実質で年 3.5〜4% 伸びると置いた(本分析ではツールの市場を約 800 億ドルと推定)。ただし、伸びの果実をアドビが取れるかが分かれ目である。
競争は 3 方向から来る。第一にキャンバ(個人・中小の簡易デザイン)とフィグマ(UI・協業設計)が価格と使いやすさで利用者を取る。第二にグーグル・オープン AI・ミッドジャーニーなどの画像動画の生成 AI が、制作の入口をアプリから文章の指示へ移す。第三にマイクロソフトが Copilot を Office に標準で付け、文書と簡易デザインの領域で価格を押し下げる。William Blair は 2026 年 3 月、AI でクリエイティブの技能が民主化し、プロの顧客基盤が危ういとして格下げした。モルガン・スタンレーも AI の収益化の遅れを指摘している。
循環でいえば、制作ソフトは景気に強い方だが、広告・マーケティング予算は景気の谷で絞られる(エクスペリエンス・クラウド)。AI の構造変化と景気後退が同時に来ると、2 つの経路で売上が減る。今は、倍率がすでに大きく縮み(2021 年の 56 倍 → 13.6 倍)、成長の質(有機で 1 割が保てるか)が問われる段階にいる。
【AIエージェント代替】制作ソフトの席課金は、生成 AI で技能の壁が下がるほど分散しやすい。10 年の中立は売上が今の0.89倍になると置き、市場全体の成長は個別評価では採らない。
資本政策と M&A
還元は自社株買いが中心で、配当はない。2025 年 11 月期は自社株買い 113 億ドル(フリーキャッシュフローの 1 割超)、株数は 2022 年から年 1〜5% ずつ減り、直近は 3.95 億株。2026 年 4 月には 250 億ドル(時価総額の約 26%)の新しい自社株買い枠を 2030 年 4 月までで設け、2026 年 6〜8 月期だけで 22 億ドルを買った。株式報酬は年約 20 億ドルで、正味の還元は自社株買いからこの分を引いた額で見る。
M&A は、2022 年に 200 億ドルで買うはずだったフィグマが独禁当局の審査で頓挫し、解約金 10 億ドルを払って撤退した。2026 年 4 月にはセムラッシュを約 19 億ドルで買い、SEO・生成 AI 検索対策を埋めた。大型買収が難しい中で、自社株買いと小型の買収を使い分ける形になっている。売られる側になる可能性は、時価総額が大きく経営の抵抗もあるので小さい。
今後の鍵は、250 億ドルの枠を、株価が下がった時に使うか(割安なら株主に報いる)、AI が成長を押し下げる中で割高に使わないか、の 2 つである。経営は 2026 年 9 月、社内昇進のアニル・チャクラヴァルティ氏を 12 月 1 日付で社長兼 CEO にすると発表した(ナラヤン氏は執行会長)。後任は元インフォマティカの CEO でマーケティング側の出身のため、資本配分と AI の収益化をどう変えるかが焦点になる。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 68.2 億ドル(10-Q・2025 年 12 月〜2026 年 8 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(48.0 億ドル)からも外した。
【還元の置き方】10 年の還元は純利益の累計の約 95% と置いた(自社株買いが純利益を超える方針。残り5%は小型買収)。残らない分は、伸びが止まる中立の筋書きでは成長に回す元手が要らないため返す。株式報酬は GAAP の純利益ですでに費用として引いている。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
アドビは、生成 AI の時代に最も安全に使える制作ソフトである。ファイアフライは権利を処理した画像・動画で学習しており、企業が商用でそのまま使える。フォトショップやプレミアの中にファイアフライが入り、生成と精密な編集を 1 つの画面で行えるため、画像を生成するだけのツールよりも制作の最後の仕上げを握る。月間利用者は 10 億人を超え、AI 先行の ARR は 150% 超で伸びている。
ドキュメントの AI アシスタントは契約書や論文に質問する用途で、PDF の標準という足場がそのまま入口になる。マーケティング側はジェンスタジオとセムラッシュで、広告・SEO・コンテンツを AI で回す企業の道具になる。2026 年の目標(売上 +12%・期末 ARR +10.2%・会計上の営業利益率 35%)は 6〜8 月期でも上方修正され、勢いは落ちていない。
財務は軽く、有形の資本はほとんど要らず、営業利益のほぼ全部を自社株買いに回せる。250 億ドルの新しい枠は時価総額の 26% で、数年で株数を大きく減らす。今の PER 13.6 倍は、リーマン期の底(13 倍台)に近い水準で、これ以上は縮みにくい。
慎重な見方
制作ソフトの強みは「操作を覚える苦労」が作る囲い込みだったが、生成 AI は文章で指示すれば作れるので、その苦労を無価値にする。キャンバは簡易デザインで中小の購読を、フィグマは UI の設計を取り、グーグルやオープン AI は画像・動画を入口で生成して、アドビの出番を最後の微調整だけに狭める。William Blair とモルガン・スタンレーが格下げ・目標引き下げをしたのも、プロの顧客基盤の流出と AI の収益化の遅れを数字の外で見ているからだ。
AI 先行 ARR の「+150%」は金額が非開示で、全体の 275 億ドルに占める割合は小さい。ファイアフライは生成のたびに推論費用がかかり、クレジット課金の粗利は購読より薄い。マイクロソフトは Copilot を標準で付け、文書と簡易デザインの価格を押し下げる。大型買収の道はフィグマで閉ざされ、成長を買えない。
経営も変わる。18 年率いたナラヤン氏から社内昇進のチャクラヴァルティ氏へ替わる時期に、250 億ドルの自社株買いを株価が下がった時にだけ使えるのか、疑いが残る。今の PER 13.6 倍は、成長が 1 桁台前半に落ちる前提のそれで、悲観の裾が実現すれば PER がもう一段縮み、利益そのものも減るので、時価総額は半分以下にもなりうる。 生成 AI が制作の技能の壁を崩せば、購読の席と単価が同時に下がり、開発費の負担は変わらず利益率が崩れる。
どちらに重みを置いたか
強気は PDF と制作の標準、売上 +13% の加速、PER 13.6 倍の低さを言い、慎重は生成 AI による技能の壁の低下、画像動画 AI への分散、AI 機能の売上の金額開示がない点、CEO の交代を言う。堀の証拠が揃わないので g は 0% とし、制作は席型の数量と価格で引いた。やや悲観と悲観を合わせて35%。AI 代替は数量・価格に主に入れ、k では寿命の上乗せ(1.0%)にとどめた。結論は割高。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 154.51 ドル610 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 125.63 ドル496 億ドル)。 今の値に割り戻すと 149.37 ドル590 億ドル、今との差 −44.8%、 期待の年率 +0.3%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 208.89 ドル825 億ドル | 155.19 ドル613 億ドル | +34.6% | +3.0% | 25.49 ドル101 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 187.70 ドル741 億ドル | 145.57 ドル575 億ドル | +23.2% | +2.1% | 66.65 ドル263 億ドル |
| 中立 | 38% | 167.39 ドル661 億ドル | 135.95 ドル537 億ドル | +12.1% | +1.2% | 115.27 ドル455 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 134.46 ドル531 億ドル | 119.24 ドル471 億ドル | −6.2% | −0.6% | 58.35 ドル230 億ドル |
| 悲観 | 12% | 65.09 ドル257 億ドル | 54.68 ドル216 億ドル | −55.7% | −7.8% | 14.37 ドル57 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 154.51 ドル610 億ドル | 125.63 ドル496 億ドル | +3.5% | +0.3% | 280.13 ドル1,107 億ドル |
今の株価時価総額 270.55 ドル1,069 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 7% AI 機能が席を保ち、制作の標準の地位が続く 利益 72 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 208.89 ドル825 億ドル
AI 機能の追加課金が席の減りを埋め、制作の標準の地位が続く最良の筋書き。AI 機能の売上の金額開示は確かめられないので、制作の数量は今の0.90倍が上限。売上は252億ドル、純利益は72.2億ドル。 内訳はクリエイティブ=数量0.90倍・価格1.15倍・利益率39.9%、ドキュメント=数量1.00倍・価格1.25倍・利益率46.3%、マーケティング・顧客体験=数量0.90倍・価格1.12倍・利益率22.9%。 この筋書きの確率は7%。結果は、売上が今の1.06倍の252億ドル、営業利益93.1億ドル、純利益72.2億ドル、自己資本152億ドル、10年の正味の還元613億ドル、時価総額825億ドル(PER11.4倍)。
- クリエイティブ(Photoshop・Illustrator・Premiere・Firefly・Express・Frame.io):数量 718(制作・デザイン・動画・画像生成ツールの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 19.8%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率(物価・値上げ))→ 売上 142 億ドル・営業利益 57 億ドル。数量0.90倍・価格1.15倍・営業利益率39.9%(席課金型)
- ドキュメント(Acrobat・Sign・AI アシスタント):数量 400(文書作成・PDF・電子署名・文書 AI の市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 11.9%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 48 億ドル・営業利益 22 億ドル。数量1.00倍・価格1.25倍・営業利益率46.3%(人月と記録の正本の混合)
- マーケティング・顧客体験(Experience Cloud・GenStudio・Semrush・出版広告):数量 1,076(マーケティング・顧客体験ソフトの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 5.8%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 62 億ドル・営業利益 14 億ドル。数量0.90倍・価格1.12倍・営業利益率22.9%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.00%(人月・席の型は0%以下。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(8.8%+-0.00%)=11.4倍(事業のROE47.4%)。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:AI 機能の売上の金額開示がなく、楽観でも数量は上限を抑えた。7%。
やや楽観 20% PDF と制作の標準が効き、席の減りが緩やか 利益 65 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 187.70 ドル741 億ドル
制作 0.84倍・1.13倍、ドキュメント0.96倍、マーケティング0.84倍。売上は233億ドル、純利益は64.9億ドル。 内訳はクリエイティブ=数量0.84倍・価格1.13倍・利益率38.8%、ドキュメント=数量0.96倍・価格1.22倍・利益率45.0%、マーケティング・顧客体験=数量0.84倍・価格1.11倍・利益率22.3%。 この筋書きの確率は20%。結果は、売上が今の0.98倍の233億ドル、営業利益83.6億ドル、純利益64.9億ドル、自己資本150億ドル、10年の正味の還元575億ドル、時価総額741億ドル(PER11.4倍)。 10年の純利益の累計は677億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- クリエイティブ(Photoshop・Illustrator・Premiere・Firefly・Express・Frame.io):数量 671(制作・デザイン・動画・画像生成ツールの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 19.5%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率(物価・値上げ))→ 売上 131 億ドル・営業利益 51 億ドル。数量0.84倍・価格1.13倍・営業利益率38.8%(席課金型)
- ドキュメント(Acrobat・Sign・AI アシスタント):数量 384(文書作成・PDF・電子署名・文書 AI の市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 11.5%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 44 億ドル・営業利益 20 億ドル。数量0.96倍・価格1.22倍・営業利益率45.0%(人月と記録の正本の混合)
- マーケティング・顧客体験(Experience Cloud・GenStudio・Semrush・出版広告):数量 1,006(マーケティング・顧客体験ソフトの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 5.7%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 58 億ドル・営業利益 13 億ドル。数量0.84倍・価格1.11倍・営業利益率22.2%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.00%(人月・席の型は0%以下。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(8.8%+-0.00%)=11.4倍(事業のROE43.2%)。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:制作の標準が効く筋書き。2026 年も売上 +13% と加速している点を見て 20%。
中立 38% 制作の席が AI で圧縮され、価格も物価に届かない 利益 58 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 167.39 ドル661 億ドル
生成 AI で技能の壁が下がり、制作は数量0.78倍・価格1.10倍、ドキュメントは0.92倍・1.18倍、マーケティングは0.78倍・1.08倍。売上は212億ドル、営業利益は74.6億ドル、純利益は57.9億ドル。 内訳はクリエイティブ=数量0.78倍・価格1.10倍・利益率38.0%、ドキュメント=数量0.92倍・価格1.18倍・利益率44.1%、マーケティング・顧客体験=数量0.78倍・価格1.08倍・利益率21.8%。 この筋書きの確率は38%。結果は、売上が今の0.89倍の212億ドル、営業利益74.6億ドル、純利益57.9億ドル、自己資本148億ドル、10年の正味の還元537億ドル、時価総額661億ドル(PER11.4倍)。 10年の純利益の累計は637億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- クリエイティブ(Photoshop・Illustrator・Premiere・Firefly・Express・Frame.io):数量 624(制作・デザイン・動画・画像生成ツールの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 19.0%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率(物価・値上げ))→ 売上 118 億ドル・営業利益 45 億ドル。数量0.78倍・価格1.10倍・営業利益率38.0%(席課金型)
- ドキュメント(Acrobat・Sign・AI アシスタント):数量 368(文書作成・PDF・電子署名・文書 AI の市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 11.2%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 41 億ドル・営業利益 18 億ドル。数量0.92倍・価格1.18倍・営業利益率44.1%(人月と記録の正本の混合)
- マーケティング・顧客体験(Experience Cloud・GenStudio・Semrush・出版広告):数量 936(マーケティング・顧客体験ソフトの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 5.6%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 52 億ドル・営業利益 11 億ドル。数量0.78倍・価格1.08倍・営業利益率21.8%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.00%(人月・席の型は0%以下。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(8.8%+-0.00%)=11.4倍(事業のROE39.2%)。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:制作の席が AI で圧縮される中心の筋書き。38%。
やや悲観 23% キャンバ・フィグマ・画像動画 AI に利用者が分散する 利益 47 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 134.46 ドル531 億ドル
キャンバ・フィグマ・画像動画 AI に利用者が分散し、制作は0.72倍・1.07倍、マーケティングは0.72倍。開発費の負担は減らず利益率が下がる。売上は189億ドル、純利益は46.5億ドル。 内訳はクリエイティブ=数量0.72倍・価格1.07倍・利益率34.2%、ドキュメント=数量0.85倍・価格1.14倍・利益率39.7%、マーケティング・顧客体験=数量0.72倍・価格1.05倍・利益率19.6%。 この筋書きの確率は23%。結果は、売上が今の0.79倍の189億ドル、営業利益59.9億ドル、純利益46.5億ドル、自己資本145億ドル、10年の正味の還元471億ドル、時価総額531億ドル(PER11.4倍)。 10年の純利益の累計は568億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- クリエイティブ(Photoshop・Illustrator・Premiere・Firefly・Express・Frame.io):数量 574(制作・デザイン・動画・画像生成ツールの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 18.4%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率(物価・値上げ))→ 売上 106 億ドル・営業利益 36 億ドル。数量0.72倍・価格1.07倍・営業利益率34.2%(席課金型)
- ドキュメント(Acrobat・Sign・AI アシスタント):数量 339(文書作成・PDF・電子署名・文書 AI の市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 10.9%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 37 億ドル・営業利益 15 億ドル。数量0.85倍・価格1.14倍・営業利益率39.7%(人月と記録の正本の混合)
- マーケティング・顧客体験(Experience Cloud・GenStudio・Semrush・出版広告):数量 861(マーケティング・顧客体験ソフトの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 5.4%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 47 億ドル・営業利益 9 億ドル。数量0.72倍・価格1.05倍・営業利益率19.6%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.00%(人月・席の型は0%以下。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(8.8%+-0.00%)=11.4倍(事業のROE32.1%)。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:画像動画 AI に利用者が分散する筋書き。23%。
悲観 12% 生成 AI で技能の壁が崩れ、購読の席と単価が下がる 利益 23 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 65.09 ドル257 億ドル
生成 AI が制作の技能の壁を崩し、購読の席と単価が下がる。制作0.56倍・0.99倍、利益率は22.8%(制作)まで落ちる。売上は137億ドル、純利益は22.5億ドル。 内訳はクリエイティブ=数量0.56倍・価格0.99倍・利益率22.8%、ドキュメント=数量0.66倍・価格1.06倍・利益率26.4%、マーケティング・顧客体験=数量0.56倍・価格0.97倍・利益率13.1%。 この筋書きの確率は12%。結果は、売上が今の0.58倍の137億ドル、営業利益29.0億ドル、純利益22.5億ドル、自己資本231億ドル、10年の正味の還元216億ドル、時価総額257億ドル(PER11.4倍)。 10年の純利益の累計は399億ドル(起点の純利益から最終年へ、毎年ほぼ一定の率または幅で動く道筋で積んだ)で、自己資本は今に累計を足して還元を引いた。
- クリエイティブ(Photoshop・Illustrator・Premiere・Firefly・Express・Frame.io):数量 449(制作・デザイン・動画・画像生成ツールの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 17.1%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率(物価・値上げ))→ 売上 77 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量0.56倍・価格0.99倍・営業利益率22.8%(席課金型)
- ドキュメント(Acrobat・Sign・AI アシスタント):数量 265(文書作成・PDF・電子署名・文書 AI の市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 10.1%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 27 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量0.66倍・価格1.06倍・営業利益率26.5%(人月と記録の正本の混合)
- マーケティング・顧客体験(Experience Cloud・GenStudio・Semrush・出版広告):数量 674(マーケティング・顧客体験ソフトの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格))× 価格 5.0%(1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率)→ 売上 34 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量0.56倍・価格0.97倍・営業利益率13.1%(席課金型)
倍率:10年より先の名目の伸びg=0.00%(人月・席の型は0%以下。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(8.8%+-0.00%)=11.4倍(事業のROE9.7%)。純利益はGAAP(株式報酬は費用)。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:技能の壁が崩れて購読が崩れる筋書き。CEO の交代も重なり 12%、やや悲観と合わせて35%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
クリエイティブ(Photoshop・Illustrator・Premiere・Firefly・Express・Frame.io)
プロとクリエイターの制作ソフト(写真・デザイン・動画)と、生成 AI のファイアフライ、簡易デザインのエクスプレス。月額・年額の購読が中心。
| 数量制作・デザイン・動画・画像生成ツールの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格) | 価格1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率(物価・値上げ) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 800 | 17.3% | 138 | 55 |
| 10 年後 中立 | 624 | 19.0% | 118 | 45 |
取り方:2025 年 11 月期の売上 238 億ドルのうちクリエイティブ(Creative Cloud の全プラン)を約 138 億ドルと推定(部門別は検索の要約からの推定)。制作・デザイン・動画・画像生成ツールの世界市場を約 800 億ドルと置き、シェアは約 17%(キャンバ約 40 億・フィグマ約 12 億の売上規模と、マイクロソフトやグーグルの動画・画像 AI を合わせて市場とした)。数量=市場の実質規模、価格=シェア × 単価(物価は 10 年 1.41 倍が中立)。会計上の営業利益率は 40% 前後と推定。競合はキャンバ・フィグマ・ブラックマジック(DaVinci)・生成 AI 各社。 【AIエージェント代替の見直し】クリエイティブは制作者の席に課金する席課金型。プロの現場の操作と素材の互換性は堀だが、生成 AI で技能の壁が下がり、キャンバ・フィグマ・画像動画 AI に分散する。AI 機能の売上の金額開示は確かめられなかった。数量0.78倍、価格1.10倍(席型の 1.00〜1.15 倍の上寄り)。
ドキュメント(Acrobat・Sign・AI アシスタント)
PDF の作成・編集・署名と、文書に質問できる AI アシスタント。個人から大企業まで。
| 数量文書作成・PDF・電子署名・文書 AI の市場の実質規模(億ドル・2025 年価格) | 価格1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 400 | 9.5% | 38 | 17 |
| 10 年後 中立 | 368 | 11.2% | 41 | 18 |
取り方:ドキュメント部門を約 38 億ドルと推定。文書・PDF・電子署名・文書 AI の世界市場を約 400 億ドルと置き、シェアは約 9.5%(ドキュサインは約 30 億ドル、マイクロソフトの Office と Copilot、Foxit などが競合)。2026 年 6〜8 月期の「ビジネス専門家・一般」向け購読は +16% と速い。営業利益率は 45% 前後と推定。 【AIエージェント代替の見直し】ドキュメントは PDF という文書の標準と電子署名で、記録の正本寄りの混合。ただし解約率の数字や年単位の移行といった堀の証拠が開示で 2 つ揃わないので g は認めない。数量0.92倍、価格1.18倍。
マーケティング・顧客体験(Experience Cloud・GenStudio・Semrush・出版広告)
企業のマーケティング・分析・コンテンツ制作を回す製品群。2026 年 4 月にセムラッシュ(Semrush)を約 19 億ドルで買収。
| 数量マーケティング・顧客体験ソフトの市場の実質規模(億ドル・2025 年価格) | 価格1 億ドルの市場あたりのアドビ売上(億ドル)= シェア × 単価の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,200 | 5.2% | 62 | 15 |
| 10 年後 中立 | 936 | 5.6% | 52 | 11 |
取り方:デジタル・エクスペリエンス(出版・広告を含む)を約 62 億ドルと推定。マーケティング・分析・コンテンツ管理・SEO の世界市場を約 1,200 億ドルと置き、シェアは約 5.2%。セールスフォースのマーケティング、オラクル、ハブスポット、セムラッシュを買う前の SEO 各社が競合。営業利益率は 24% 前後と推定(償却と開発費が重い)。 【AIエージェント代替の見直し】マーケティング・顧客体験は担当者の席とデータ量で課金する席型。セールスフォース・オラクル・ハブスポットが競合で、AI エージェントが運用を肩代わりする。数量0.78倍、価格1.08倍。
リスクと懸念
AI エージェント代替(制作ソフトの席の置き換え)
アドビの売上の 6 割は制作者の席への購読。生成 AI が画像・動画・デザインを作れば、技能の壁が下がり、キャンバ・フィグマ・画像動画 AI に利用者が分散する。AI 機能の売上の金額開示は確かめられず、CEO は 2026 年 12 月に交代する。中立の売上は今の0.89倍、悲観では0.58倍と置いた。
生成 AI による制作の入口の置き換え
画像・動画・デザインを文章で作れるグーグル・オープン AI・ミッドジャーニーなどが、アプリを開く前の入口を握る。アドビは最後の微調整に押し込まれ、購読の数量と単価が同時に下がりうる。10 年の悲観・やや悲観の中心。
キャンバ・フィグマへの分散
キャンバは簡易デザインで中小・個人の購読を伸ばし、フィグマは UI の設計でほぼ標準になった。アドビは両方の領域にエクスプレスなどの製品を出したが、使いやすさと価格で先行されており、プロより下の層から顧客を失う。入口の層を失うと、将来のプロの育成も細る。クリエイティブのシェアが 1 割動くだけで売上は大きく変わる。
AI の収益化の遅れと粗利の低下
ファイアフライは生成のたびに推論費用がかかり、クレジット課金の粗利は購読より薄い。AI 先行 ARR の金額が非開示で、収益化の進み具合を外から確かめにくい。利益率の想定(35% 前後)を下げる方向の要因。
大型買収の道が閉ざされたこと
2022 年のフィグマ買収は規制審査で頓挫し解約金 10 億ドルを払った。成長を買う道は狭く、有機の成長が鈍ると補う手段が小さい買収と自社株買いに限られる。セムラッシュ(約 19 億ドル)の統合が試金石になる。
CEO の交代と経営の方向
18 年率いたナラヤン氏が 2026 年 12 月 1 日に執行会長へ退き、社内昇進のチャクラヴァルティ氏が CEO になる。AI の方針と資本配分(250 億ドルの自社株買い枠の使い方)が変わる可能性があり、移行期は読みにくい。
広告・マーケティング予算と倍率の振れ
エクスペリエンス・クラウドは企業の広告・マーケティング予算に連動し、景気後退で絞られる。2022 年の利上げ局面では株価が 59% 下がり、倍率の振れが大きい。
今後の分かれ目
- 有機成長(買収を除く)が 2 年続けて 10% を上回り、期末 ARR の伸びも 10% を超えたら
- AI がプランの単価を支え、数量の減少を補っている合図。楽観・やや楽観の確率を上げ、クリエイティブのシェアを微増に置き直してよい。
- AI 先行 ARR が金額で開示され、全体の ARR の 1 割を超えたら
- AI の収益化が進んでいる合図。粗利の低下を打ち消す方向なので、10 年の利益率の置き方を 1〜2 ポイント上げて見る。
- クリエイティブの購読者数・ARR の伸びが 2 四半期続けて 1 桁前半に落ちたら
- キャンバ・フィグマ・生成 AI への分散が表に出ている。やや悲観・悲観の確率を上げ、クリエイティブのシェアを 1 割下げて見直す。
- マイクロソフトが Copilot の文書・簡易デザイン機能を標準で付け、アクロバットの価格が下がり始めたら
- ドキュメントの単価が物価に追いつかなくなる合図。ドキュメントの価格の置き方を 1 割下げて見る。
- 100 億ドル級の現金買収、またはのれんの大きな減損が出たら
- 新 CEO の資本配分に疑いが出る。10 年の悲観の確率を上げ、倍率を 1〜2 倍下げて見る。
- 株価が上がった局面で、250 億ドルの枠を速いペースで使い続けたら
- 割高での買い戻しは株主価値を壊すので、正味の還元の置き方を引き下げて見る。
- Firefly など AI 機能の売上が金額で開示され、全社売上の 1 割を超えたら
- 席の減りを AI 課金が埋める証拠。制作の数量の上限を今の 1.0 倍より上で見直す。
- 期末 ARR の伸びが 2 年続けて 8% を割ったら
- 席の分散が始まった合図。制作の数量を中立の{cre_base_vm:.2f}倍より下げ、悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- クリエイティブ・ドキュメントの ARR の伸びと、購読者数・解約率
- AI 先行 ARR の金額と、全体に占める割合(開示されれば)
- キャンバ・フィグマの売上の伸びと、プロ向け機能の拡大
- 会計上と非 GAAP の営業利益率の差(株式報酬・償却)と粗利率
- 自社株買いの額と平均単価、株数の増減
- 新 CEO の 2026 年 12 月以降の資本配分と AI の価格方針
- AI 機能の売上開示と、期末 ARR の伸び・購読者数
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額 969億ドル や PER 13.6 倍は見ずに、3 部門を型で分けて数量(0.78〜0.92 倍)と価格(物価に届かない 1.08〜1.18 倍)を置いた。倍率は g=0% の 1÷(k−g)、k は基本 8.0% + 景気 −0.25 + 寿命 1.0 = 8.75%。AI 代替は数量・価格に主に入れ、k の寿命・確率(悲観側35%)・g に重ねていない。純利益は GAAP。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β 1.25 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0.75% = 8.75%(β は使わない)。購読で景気に比較的強い(cycle −0.25)。値決めは AI の影響を価格の置き方で表したので 0、借金 0。寿命 +1.0%(席型の下限)。個別のリスクは k に足さず筋書きと確率で表した。