結論
ラティス・セミコンダクターは、半導体を後から設定できる低消費電力FPGAを使い、サーバーや産業機器の制御を支える会社である。筆者の結論は割高だ。顧客の製品に入り込んだ設計の粘りは魅力だが、今の時価総額は買収後の株主利益が十分に伸びることを先取りしている。GPUを使うAIの計算そのものではなく、GPUを積んだ機械の起動、電源、監視、接続を管理する脇役であることを押さえたい。
2025年度は産業向け在庫調整などで売上が5.2億ドル、GAAP利益はほぼ消えた。しかし2026年第2四半期の売上は2.01億ドルへ前年同期比62%伸び、クラウド向けが牽引した。7月にはサーバーの基本ソフトを持つAMIを16.5億ドルで買収し、機器の制御を半導体とファームウェアの両方で押さえる体制に変わった。一方で借入と新株が増え、調整後利益をそのままオーナー利益とは呼べない。
2035年度の中立では、サーバー管理向け設計の採用増と産業向け回復が続き、AMIの管理ソフトも伸びる。だがAMDの高機能FPGA、独立したアルテラ、マイクロチップとの競争は残り、価格と利益率を自由には上げられない。中立の売上は約24.5億ドル、GAAP純利益は約6.0億ドルで、買収償却や株式報酬を費用として引いた後の稼ぎを重視した。
資本コストは9.25%とし、事業の利益率・成長に見合う倍率だけを認めた。10年後の5筋書きを確率で平均して還元を含めて現在に割り引くと、価値は約38億ドルで、添付の時価総額約133億ドルに約72%届かない。事業が悪いのではなく、まだ確かでない利益の大幅拡大に高い代価が付いている。十分な安全域が生まれるまでは、事業への期待と株主に残る金額を混同したくない。
バリュー投資の観点から
長く株主でいるなら、サーバーの中の目立たない制御回路を10年後にも必要とするかを先に考える。計算の性能競争は激しくても、電源を安全に立ち上げ、機器の状態を監視する仕事は消えにくい。ラティスの低消費電力FPGAはその役目に合い、設計に採用されると簡単には入れ替えられない。この点には本物の堀がある。
ただし、その堀は顧客の製品ごとに築き直す必要がある。GPUの覇者ほど大規模な開発環境を独占しているわけではなく、AMD、アルテラ、マイクロチップ、専用ASICが常に次の設計を争う。AMIのファームウェアを加えたことで製品の入り口は増えたが、ソフトを他社チップにも開いておかなければ既存の顧客を失う。買収が堀を広げるか、むしろ壊すかはまだ判定できない。
オーナー利益は調整後EBITDAではない。将来も必要な研究開発、買収無形資産の償却、借入利息、株式報酬を引いて残るGAAP利益を見る。成長分を稼ぐのにどれだけ自己資本が要るかを点検し、余剰分だけを株主が受け取れると考える。2025年の株式報酬と2026年の買収による新株は、その取り分を考える際に省けない。
価格は別問題である。新規設計を獲得しても10年後の利益が読める幅は広く、業界の在庫調整だけで利益率は大きく崩れた。楽観の成長を当然の前提にして高い時価総額を払うのは、安全域を放棄することに近い。事業は長期保有の候補だが、買収後のGAAP利益が積み上がり、負債が減るまで株主価値を慎重に見積もるべきである。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの芯は、顧客が出荷した後でも書き換えられるFPGAである。サーバーでは起動や電源の順序制御、セキュリティー、周辺チップの接続を担い、産業機器ではカメラやセンサーを結ぶ。ネクサス、アバント、MachXOという製品群を、設計ソフトRadiantやPropelと一緒に提供する。低い消費電力と小さな形状を優先するため、巨大な演算用GPUとは競合せず、むしろ同じ装置の中で使われる。
2025年度の連結売上は通信・計算機向け2.93億ドル、産業・自動車向け1.94億ドル、民生向け0.37億ドルだった。産業・民生を合わせた2.31億ドルと通信・計算機向けに分けて将来を追う。これは会計上の報告セグメントではなく、会社が開示する販売先別の補助区分である。チップの出荷数量と平均単価は開示がなく、市場の実質売上規模と当社の取り分を数量の代理としている。
2026年7月に買ったAMIは、サーバーを起動するAptio、管理するMegaRACなどのファームウェアを供給する。2025年の買収対象の調整後売上2.03億ドルのうち、ライセンス1.06億ドル、ハード0.32億ドル、専門サービス0.56億ドルという内訳が開示された。管理ソフトのライセンスはサーバー機器への採用に結び付き、利用者の席数で売る業務SaaSとは違う。専門サービスの実装・設定・受託開発にはAIエージェントによる工数の置き換えを織り込む。
顧客はクラウド事業者、サーバー製造会社、通信機器会社、工場設備・車載機器メーカーである。LSCC自身は工場を持たず、UMCやTSMC、サムスンなどに製造を委託する。販売の大半は代理店経由で、2025年度の売上の84%を占めた。装置に採用されれば製品寿命中の発注は続きやすいが、短期の在庫調整が販売量に直結する構造でもある。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が簡単には奪えない強みは、採用後の切り替え費用にある。FPGAの論理回路は設計ツール、周辺ソフト、動作検証、機器の安全認証まで一組になる。サーバーの起動や産業機器の制御を途中で替えれば、設計変更と長い再検証が必要だ。AMIのファームウェアも機器を正常に立ち上げる土台となり、相互運用性を守れれば採用の粘りが加わる。
ただし、この堀は製品ごとに強さが違う。小型で低消費電力の制御向けには得意分野があるが、全FPGA市場の独占企業ではない。欧州委員会の2023年の金額シェアは当社5〜10%に対しAMDが50〜60%で、アルテラとマイクロチップも手強い。AMIを自社FPGA専用に囲い込めば、他社半導体を使う既存顧客に敬遠される危険すらある。
価格支配の証拠は限定的だ。2026年第2四半期のGAAP粗利益率70.3%は優秀だが、新しい製品の比率と製造原価の改善が主因であり、毎年の一律値上げを通した実績と同一視できない。2022~23年は営業利益率が約29%だった一方、2025年は添付資料上2.9%まで落ちた。設計資産への再投資収益は上振れ得るが、技術の競争と需要の山谷が利益を揺らす。
2025年の株式報酬は1.16億ドル程度で、同年のGAAP純利益を大きく超えた。現金支出ではないからと無視すれば、オーナーの取り分を膨らませる。2026年のAMI買収は技術の隣接を狙ったが、その対価にはのれんと無形資産が含まれる。収益の質を判断するには、2026年の半導体売上成長よりも、買収後のGAAP利益と負債返済、正味の株主還元が持続するかが大切だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
この会社をGPUやAIアクセラレータの市場規模で測ると過大評価になる。FPGAはデータセンターの制御だけでなく、通信設備、ロボット、工場、車載電子機器に使われる。民間調査の2025年の世界FPGA市場は約117億ドル、2030年の予測は約193億ドルである。ただし高価格の大規模FPGAも含んだ市場であり、ラティスの低価格・小型製品がすべてを取れるわけではない。
競争の構図は濃い。欧州委員会の2023年の金額シェアではAMDが50〜60%、当時インテル傘下のアルテラが20〜30%、マイクロチップが10〜20%、ラティスが5〜10%だった。アルテラは2025年に独立性を強め、再び研究開発と販売に集中している。一方、AMDは高機能製品を中心に置くため、電力と面積を削りたい用途ではラティスにも勝ち目がある。双方が異なる価格帯で勝つとしても、ラティスの全市場シェアを機械的に倍増させる根拠にはならない。なお2025年の売上と市場調査から逆算した全社シェア約4.5%は2023年の欧州委員会の数値より低く、対象年と市場の定義が違うため厳密な時系列比較はできない。
サーバー向けの需要にはAIによる追い風がある。高性能GPUを多く積むほど電源管理、温度監視、セキュアな起動と周辺通信の重要性が高まり、ラティスの補助チップやAMIの管理ソフトが採用される機会が増える。ただしGPUの値段が2倍になっても制御チップの単価が同じように上がるわけではない。電力・熱の制約から機器の構成が変わり、専用制御ASICやサーバー管理用半導体へ機能が統合される可能性もある。
物価上昇3.5%を価格の基本線としながら、中立ではチップとファームウェアの名目単価指数を135にとどめた。規模拡大と汎用部品との競争で実質価格が下がるためだ。数量の側にはデータセンター設備、産業自動化、ロボット・車載安全性の普及と、当社シェアの変化を入れる。景気循環に加え、中国の輸出規制、台湾の製造委託先、AMDやアルテラがどの領域へ攻め込むかが長期の分かれ目になる。
資本政策と M&A
最大の資本配分は2026年7月のAMI買収である。総額16.5億ドルのうち現金10億ドル、新株など約6.5億ドルで支払い、長期借入約9.25億ドルを調達した。2025年末には約0.9億ドルの純現金だった会社が、買収後は負債を抱える立場に変わった。無形資産の償却と利息を考慮した2025年通年の仮定合算GAAP損益は約1.03億ドルの赤字で、会社が強調する調整後の利益増加とは明確に異なる。
買収対象を含めれば、LSCCは半導体の部品売りからサーバー管理の仕組みへ入り込める。その反面、AMIの中立性を壊さずに自社チップと組み合わせる難しさがあり、買収価格を回収するまで利益率の検証が要る。2015年のシリコン・イメージ買収には約6.1億ドルを投じ、その後の赤字と2018年の非中核事業整理を経験した。大型買収の成果を当然視できない歴史だ。株式報酬と買収で発行した株式を無視した自社株買いは、株主への純粋な還元にならない。
配当実績はない。2025年には1.0億ドルの自社株を買い戻したが、株式報酬はそれを上回った。2025年12月には新たに2.5億ドルの自社株買い枠を設け、2026年7月初めの未使用枠は2.35億ドルだった。枠の消化時期も長期の配当性向も数字の約束はなく、経営陣は2030年売上30億ドルを努力目標に掲げるが、確約ではない。まず買収後の借金と製品開発の投資を優先すべき時期だと考える。大型の追加買収や売却・非公開化は合意済み案件として確認されていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
AIデータセンターの拡張は、計算用GPU以外の細かな制御部品にも追い風となる。サーバーに加速器が増えれば、電源の順番、冷却、故障検知、起動時の安全性を設計し直さなければならない。ラティスは既に装置に入り込む低消費電力FPGAを持ち、新製品への切り替えも進んでいる。2026年第2四半期の売上は前年同期比62%増で、通信・計算機向けの勢いは数字で確かめられる。
AMIを買ったことで、ラティスはハードウェアだけでなく、サーバーを立ち上げ管理するファームウェアまで提供できるようになった。既存の顧客に二つの製品を別々に売り、同じ機器への採用を増やせる。AMDやアルテラは演算寄りの大規模FPGAが強いが、電力を抑え、制御に特化する領域では互角とは限らない。競合の製品とAMIのソフトも接続できる開放性を維持すれば、幅広いサーバー会社が使える。
会社は買収後の年換算売上10億ドル超を早期に目指し、長期の売上拡大に意欲を示している。制御機能がセキュリティーやロボットまで広がれば、2035年には新製品とAMIの採用が現在よりはるかに大きい事業になる。研究開発費の固定部分を売上の増加で吸収でき、2022~23年の高い営業利益率を超える余地もある。
工場を持たないため、追加の製品売上を得るための設備投資は比較的小さい。優れた増分の資本収益率が確かめられ、十分な現金が生まれれば、借入を返済したうえで自社株買いを続けられる。価格の上振れよりも、設計採用数と同じ装置に入る製品点数の増加こそ成長の本筋だ。
慎重な見方
需要が伸びる市場で勝つことと、株主が払った価格を回収することは別である。2025年には粗利益率の高さに比べGAAP営業利益が薄く、株式報酬はGAAP純利益を大きく超えた。2026年に大きく回復した四半期が続いても、米国株全体の金利が高い世界では、まだ発生していない利益まで現在価値に繰り込む危険がある。
AMIへの支払いは単なるソフト技術の取得ではない。16.5億ドルという買収額に、借入約9.25億ドルと新株発行が伴い、買収後の通年仮定損益は償却・利息によってGAAP赤字だった。売上が増えても、株主への利益が直ちに増えるとは限らない。サーバーの管理機能はオープンな規格やBMCの専用チップへ移り得るし、顧客によるファームウェアの内製化も起こり得る。
欧州委員会の市場調査ではAMDとアルテラの合計シェアは圧倒的で、ラティスに市場価格を決める力はない。小型FPGAの強みは実在するが、新設計の獲得にはその都度研究開発費を払い、顧客から値下げを求められる。機器メーカーがASICで制御機能をまとめれば、補助チップの部品点数自体が減る。AI設備投資の鈍化と産業用在庫の再調整が重なれば、営業利益は簡単に縮む。
さらにAMIの専門サービスは実装や移行の工数を売るため、AIエージェントが代替できる。ファームウェアのライセンスまで席課金ソフトと同じようには縮まないが、サービスの値決めは弱くなる。悲観では償却・減損・製品競争が重なり、回復後も資本コストを稼げない企業になってしまう。株式報酬による希薄化を買い戻しで消すだけなら、株主への正味の現金還元は小さい。
どちらに重みを置いたか
サーバー管理の需要が10年後にもあることには強い根拠がある。2026年の急回復とAMIの製品資産を考え、楽観とやや楽観に計28%を認める。しかし買収後のGAAP利益はまだ検証されず、2022~25年の利益の落差も大きい。中立を36%、やや悲観と悲観を合計36%とし、先行投資と競争の不確実性を数字に反映した。
AIエージェント代替はAMIの人月型サービスの数量と価格に織り込み、資本コストや確率には二重に上乗せしていない。慎重側の論点が勝るのは、事業そのものの寿命ではなく、収益の質と買収の回収がまだ確かでない点である。いずれの筋書きもGAAP利益を基にしており、結果の大きな割高判定を今の株価に合わせて緩める理由はない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 60.66 ドル84 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 3.26 ドル5 億ドル)。 今の値に割り戻すと 27.14 ドル38 億ドル、今との差 −70.8%、 期待の年率 −3.8%(資本コスト 9.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 191.47 ドル265 億ドル | 14.54 ドル20 億ドル | +121.6% | +8.7% | 20.60 ドル28 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 108.87 ドル150 億ドル | 10.92 ドル15 億ドル | +28.8% | +2.7% | 21.56 ドル30 億ドル |
| 中立 | 36% | 53.51 ドル74 億ドル | 3.69 ドル5 億ドル | −38.5% | −4.9% | 20.59 ドル28 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 8.47 ドル12 億ドル | −4.27 ドル−6 億ドル | −95.5% | −22.5% | 0.97 ドル1 億ドル |
| 悲観 | 13% | 5.41 ドル7 億ドル | −3.91 ドル−5 億ドル | −98.4% | −26.1% | 0.19 ドル0 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 60.66 ドル84 億ドル | 3.26 ドル5 億ドル | −31.3% | −3.8% | 63.91 ドル88 億ドル |
今の株価時価総額 92.97 ドル129 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% AIサーバー管理の標準に食い込み、製品点数が増える 利益 18 億ドル · PER 14.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 191.47 ドル265 億ドル
AIサーバーの採用数と管理機能の複雑さが大きく伸びる筋書きだ。サーバー製造会社が起動・監視・電源・セキュリティーを別々に作るより、ラティスのFPGAとAMIのファームウェアを選ぶ方が早く安全になり、採用機種が増える。2026年の設計獲得が出荷に結び付き、電力・熱対策に使う半導体の点数も増えていく。
AMDやアルテラは高機能FPGAで強さを保つが、当社は小型制御の分野でシェアを広げる。民生製品は価格競争が残るものの、産業と車載ではロボットとセンサーの普及が実質数量を押し上げる。AMIのソフトは他社チップにも開いたままにし、顧客を囲い込まずに管理機器への採用を増やす。
買収費用の償却が長期には薄まり、研究開発費と株式報酬をGAAP費用として引いた後にも厚い利益が残る。借入を返しながら正味20.1億ドルの還元を行い、2035年の自己資本は52億ドルまで育つ。未来の追加買収は前提に入れず、既存事業と完了済みAMIの成長だけで成立する最良に近い展開である。
- 低消費電力FPGA・通信/計算機:数量 22.0(通信・計算機用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア=当社実質売上換算数量)× 価格 150(採用製品1単位当たりのASP指数(2025年=100。製品構成の高付加価値化と競争値下げを反映))→ 売上 33 億ドル・営業利益 15 億ドル。通信・計算機市場(実質)185億ドル×当社シェア11.9%。AIサーバーの1台当たり搭載点数が増え、Avant新製品も浸透。
- 低消費電力FPGA・産業/車載/民生:数量 7.5(産業・自動車・民生用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア)× 価格 148(1採用製品当たり売価指数(2025年=100))→ 売上 11 億ドル・営業利益 4 億ドル。産業・車載市場(実質)125億ドル×当社6.0%。ロボット、安全制御、車載電装の採用が広がる。
- AMI・サーバー基本ソフトと管理ファームウェア:数量 8.8(採用サーバー・管理機器の2025年価格によるライセンス等売上換算数量(億ドル)=市場×推定シェア)× 価格 150(ライセンス・管理機器1単位当たり実現単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 13 億ドル・営業利益 6 億ドル。AMI管理・基本ソフト対象市場(分析推計・実質)120億ドル×当社7.3%。採用OEMが増える。
- AMI・受託開発/導入専門サービス:数量 0.5(AMIの2025年専門サービス工数売上0.55922億ドルを基準とした実質提供工数換算数量)× 価格 134(1工数単位当たり実現請求単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。2025年AMI工数0.55922億ドル比89%で上限1.0倍以下。AIエージェントの代替があっても高難度業務が残る。
倍率:k9.25%、2035年度ROE35.3%(GAAP純利益18.363億ドル÷自己資本52億ドル)。moatは普通、残る割合1/2。RONIC22.28%=k+1/2×(ROE−k)、長期名目g3.5%(制御用途の数量・シェア・単価で決め、サービス工数は0%)から、翌年利益基準の正当化PERを当年利益基準へ×1.035して上限15.17倍。実現度・競争・買収償却を考え上限の95%=14.4140倍を採用。純現金の別加算はせず、2026年買収借入の5.75%利息と税、株式報酬・償却はGAAP純利益に反映。 10年間の正味還元20.1億ドル=買戻し41.6億ドル-株式報酬相当15.0億ドル-AMI対価の株式約6.5億ドル。期末自己資本は2025年末7.1+累計GAAP純利益65-正味還元20.1=52億ドル。
確率:2026年の回復とAMIの販路統合が予想以上に進む。ただしAMD・アルテラの製品も強く、サーバーで当社の採用が急増する上振れは容易ではないため10%。
やや楽観 18% 管理FPGAとAMIの採用が順調に拡大する 利益 11 億ドル · PER 13.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 108.87 ドル150 億ドル
新しいサーバー設計に補助制御用FPGAが定着し、AMIの基本ソフトが幅広いOEMに採用される。AI向け機器の設計は長期にわたり複雑になり、電源、起動とセキュリティーを柔軟に変更できる価値は残る。2026年の過去最高水準の設計獲得が、数年遅れで量産収入につながる。
AMDやアルテラの大型FPGAが強いままでも、ラティスは低電力・小面積の制御分野でシェアを上げる。産業・車載では設備投資に波はあるが、製品が使われる場所そのものが増える。価格はおおむね物価並みを保つ一方、顧客の量産規模が大きくなるほど値引きも必要になる。
AMIの中立的な製品方針を維持し、当社以外のチップを採用する顧客も残す。サービス工数はAIエージェントの普及で減るが、ファームウェアの品質保証と特殊な実装案件が売上を支える。GAAP利益が借入利息と償却を吸収し、借入返済と開発投資のあとに正味15.1億ドルの還元ができる。
- 低消費電力FPGA・通信/計算機:数量 15.8(通信・計算機用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア=当社実質売上換算数量)× 価格 142(採用製品1単位当たりのASP指数(2025年=100。製品構成の高付加価値化と競争値下げを反映))→ 売上 22 億ドル・営業利益 10 億ドル。通信・計算機市場(実質)160億ドル×当社9.9%。名目単価は物価並み。
- 低消費電力FPGA・産業/車載/民生:数量 5.6(産業・自動車・民生用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア)× 価格 141(1採用製品当たり売価指数(2025年=100))→ 売上 8 億ドル・営業利益 3 億ドル。産業・車載市場(実質)110億ドル×当社5.1%。新製品と在庫正常化。
- AMI・サーバー基本ソフトと管理ファームウェア:数量 6.2(採用サーバー・管理機器の2025年価格によるライセンス等売上換算数量(億ドル)=市場×推定シェア)× 価格 141(ライセンス・管理機器1単位当たり実現単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 9 億ドル・営業利益 3 億ドル。AMI管理ソフト対象市場(分析推計・実質)95億ドル×当社6.5%。OEM採用増。
- AMI・受託開発/導入専門サービス:数量 0.5(AMIの2025年専門サービス工数売上0.55922億ドルを基準とした実質提供工数換算数量)× 価格 132(1工数単位当たり実現請求単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。2025年AMI工数比80%の提供件数。AI自動化で工数は減るが単価の落ち込みは小さい。
倍率:k9.25%、2035年度ROE32.0%(GAAP純利益11.190億ドル÷自己資本35億ドル)。moatは普通、残る割合1/2。RONIC20.61%=k+1/2×(ROE−k)、長期名目g3.5%(制御用途の数量・シェア・単価で決め、サービス工数は0%)から、翌年利益基準の正当化PERを当年利益基準へ×1.035して上限14.94倍。実現度・競争・買収償却を考え上限の90%=13.4490倍を採用。純現金の別加算はせず、2026年買収借入の5.75%利息と税、株式報酬・償却はGAAP純利益に反映。 10年間の正味還元15.1億ドル=買戻し33.6億ドル-株式報酬相当12.0億ドル-AMI対価の株式約6.5億ドル。期末自己資本は2025年末7.1+累計GAAP純利益43-正味還元15.1=35億ドル。
確率:サーバー機種の増加とファームウェア採用は蓋然性があるが、設計採用を2035年の利益へ転換する実行リスクが残るため18%。
中立 36% 制御チップは伸びるが、競争と買収費用が残る 利益 6 億ドル · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 53.51 ドル74 億ドル
2035年にもサーバーの安全な起動と低電力制御は欠かせない。ラティスは2026年に回復した通信・計算機向けの販路を維持し、AIサーバーの管理に使うチップを増やす。一方で半導体の設計を奪い合う競争は続き、AMDや独立したアルテラが大規模FPGAを、マイクロチップが産業の低電力製品を押さえる。市場が伸びても当社のシェアが一気に跳ねるわけではない。
工場のロボット化と自動車の電装化で産業向けの数量は増えるが、製品が量産されると値引き要請も強まる。ファームウェアはAMIの既存OEM契約を軸に拡張し、FPGAを使わない顧客にも提供する。AIエージェントが実装・移行業務の人手を減らすため、専門サービスの売上は物価上昇ほど伸びない。
買収の無形資産償却や借入利息、株式報酬をすべて費用としたGAAP利益が回復する。売上約24.5億ドルに対して営業利益率は約32%だが、2022~23年に近い高収益を保つ必要がある。期間累計利益26億ドルのうち買収株式の対価と株式報酬を調整した正味還元は5.1億ドルにとどまり、残りを自己資本と負債の改善に充てる。
- 低消費電力FPGA・通信/計算機:数量 10.0(通信・計算機用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア=当社実質売上換算数量)× 価格 135(採用製品1単位当たりのASP指数(2025年=100。製品構成の高付加価値化と競争値下げを反映))→ 売上 14 億ドル・営業利益 5 億ドル。通信・計算機市場(実質)125億ドル×当社8.0%。現状比で利用市場は拡大、設計シェアが緩やかに上がる。
- 低消費電力FPGA・産業/車載/民生:数量 3.8(産業・自動車・民生用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア)× 価格 135(1採用製品当たり売価指数(2025年=100))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。産業・車載市場(実質)103億ドル×当社3.69%。概ね同程度のシェア。
- AMI・サーバー基本ソフトと管理ファームウェア:数量 4.0(採用サーバー・管理機器の2025年価格によるライセンス等売上換算数量(億ドル)=市場×推定シェア)× 価格 135(ライセンス・管理機器1単位当たり実現単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。AMI管理ソフト対象市場(分析推計・実質)80億ドル×当社5.0%。同市場への普及。
- AMI・受託開発/導入専門サービス:数量 0.4(AMIの2025年専門サービス工数売上0.55922億ドルを基準とした実質提供工数換算数量)× 価格 125(1工数単位当たり実現請求単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。AMI2025年0.55922億ドルに対し工数65%。AIエージェント代替の指定範囲内、価格も物価未満。
倍率:k9.25%、2035年度ROE21.6%(GAAP純利益6.041億ドル÷自己資本28億ドル)。moatは普通、残る割合1/2。RONIC15.41%=k+1/2×(ROE−k)、長期名目g3.5%(制御用途の数量・シェア・単価で決め、サービス工数は0%)から、翌年利益基準の正当化PERを当年利益基準へ×1.035して上限13.91倍。実現度・競争・買収償却を考え上限の88%=12.2431倍を採用。純現金の別加算はせず、2026年買収借入の5.75%利息と税、株式報酬・償却はGAAP純利益に反映。 10年間の正味還元5.1億ドル=買戻し21.6億ドル-株式報酬相当10.0億ドル-AMI対価の株式約6.5億ドル。期末自己資本は2025年末7.1+累計GAAP純利益26-正味還元5.1=28億ドル。
確率:価格転嫁を過大に見ず、FPGAのサーバー向け数量増、産業の回復、AMIの成長を認めた落としどころ。採用数とGAAP利益率の不確実性が大きく最多の36%。
やや悲観 23% 制御の統合が進み、AMIの収益が重荷になる 利益 1 億ドル · PER 9.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8.47 ドル12 億ドル
サーバーの数は増えるが、制御回路の部品点数は増えない。機器メーカーが電源やセキュリティーを専用ASICと管理用チップに集約し、ラティスの低電力FPGAを使う理由が弱まる。新製品アバントもAMDやアルテラの製品と正面から比較され、価格を下げなければ採用を守れなくなる。
産業機器では在庫の谷が繰り返され、長寿命の装置であっても次の世代の採用を奪われる。AMIのファームウェアは一部のOEMが内製化し、オープンな代替品も増える。顧客固有の実装サービスはAIエージェントで工数が減り、利益率はほぼ消える。ハードとソフトを両方持っていても、買収の相乗効果が思うほど出ない。
研究開発費と買収関連費用は固定的に残り、GAAP営業利益率は大きく下がる。過去の買い戻し枠を優先できず、2026年の買収新株とその後の株式報酬が正味還元を上回る。期間累計利益は、2026~30年の回復期に約6億ドルを稼ぎ、その後の縮小期に約4億ドルへ落ちるため合計10億ドルとなる。正味還元はマイナス5.9億ドルとなる。存続はするが資本コストを稼げない普通の部品会社へ変わる。
- 低消費電力FPGA・通信/計算機:数量 5.8(通信・計算機用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア=当社実質売上換算数量)× 価格 118(採用製品1単位当たりのASP指数(2025年=100。製品構成の高付加価値化と競争値下げを反映))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。通信・計算機市場(実質)110億ドル×当社5.3%。専用ASIC・BMCへの統合が進む。
- 低消費電力FPGA・産業/車載/民生:数量 2.5(産業・自動車・民生用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア)× 価格 120(1採用製品当たり売価指数(2025年=100))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。産業・車載市場(実質)95億ドル×当社2.63%。競合へ設計を失う。
- AMI・サーバー基本ソフトと管理ファームウェア:数量 2.6(採用サーバー・管理機器の2025年価格によるライセンス等売上換算数量(億ドル)=市場×推定シェア)× 価格 120(ライセンス・管理機器1単位当たり実現単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。AMI管理ソフト対象市場(実質)80億ドル×当社3.25%。OEM内製と競合ソフト。
- AMI・受託開発/導入専門サービス:数量 0.3(AMIの2025年専門サービス工数売上0.55922億ドルを基準とした実質提供工数換算数量)× 価格 114(1工数単位当たり実現請求単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。工数は2025年比60%、単価は物価を大幅に下回り利益が残らない。
倍率:k9.25%、GAAP純利益1.207億ドル÷終期自己資本23億ドル=ROE5.2%で資本コストを下回る。長期g3.5%、moat普通でRONIC7.25%の式によるPERは9.31倍。構造的な設計シェア喪失とAMI買収の低収益を反映し9.20倍に下げ、ROE≦kでの上限1/k=10.81倍も下回る。調整後利益は用いず、利息・買収償却・株式報酬を控除したGAAP純利益に掛ける。 10年間の正味還元-5.9億ドル=買戻し7.6億ドル-株式報酬相当7.0億ドル-AMI対価の株式約6.5億ドル。期末自己資本は2025年末7.1+累計GAAP純利益10-正味還元-5.9=23億ドル。
確率:サーバー向けが増えてもチップ1台当たりの制御用部品が減る可能性と、AMIの資本効率低下がある。2024~25年の利益急減を踏まえ23%。
悲観 13% FPGAの設計主導権を失い、買収の価値も傷む 利益 1 億ドル · PER 9.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5.41 ドル7 億ドル
AIサーバーへの設備投資が一巡し、制御機能が専用の半導体やBMCに吸収される。ラティスはFPGA市場の大手2社に開発速度と販売力で劣り、低消費電力という得意分野だけでは新規採用を増やせない。既存顧客への供給は続くが、価格を上げれば別製品へ移られるため、名目価格は物価の上昇に大きく負ける。
産業分野でもマイクロチップとの競争に押され、機器の設計更新のたびに数量を失う。AMIの基本ソフトはOEMの内製化とオープンソース製品に置き換えられ、買収時ののれんに減損が生じる。専門サービスの工数はAIエージェント代替により2025年比55%まで減る。ソフトと半導体を一緒に売れる相乗効果は消え、販売代理店と研究開発費の負担が残る。
2026年の買収による希薄化と株式報酬が続き、期間を通じて正味還元はマイナス5.4億ドルになる。途中の赤字・減損を含む累計GAAP利益はわずか1.5億ドルである。これは減損前の累計約4.5億ドルからAMIののれんなど約3億ドルの減損を控除したもので、2035年末には小幅黒字へ戻るが資本コストを稼げない。時価総額は今の会社の自己資本7.1億ドルをかろうじて超える水準を下限として、ゼロにはしない。
- 低消費電力FPGA・通信/計算機:数量 3.4(通信・計算機用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア=当社実質売上換算数量)× 価格 110(採用製品1単位当たりのASP指数(2025年=100。製品構成の高付加価値化と競争値下げを反映))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。通信・計算機市場(実質)90億ドル×当社3.78%。BMC・ASIC統合と大手競合による採用減。
- 低消費電力FPGA・産業/車載/民生:数量 1.7(産業・自動車・民生用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア)× 価格 112(1採用製品当たり売価指数(2025年=100))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。産業・車載市場(実質)82億ドル×当社2.07%。マイクロチップとアルテラに劣勢。
- AMI・サーバー基本ソフトと管理ファームウェア:数量 1.7(採用サーバー・管理機器の2025年価格によるライセンス等売上換算数量(億ドル)=市場×推定シェア)× 価格 112(ライセンス・管理機器1単位当たり実現単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。AMI管理ソフト対象市場(実質)70億ドル×当社2.43%。OEM内製化で大幅失注。
- AMI・受託開発/導入専門サービス:数量 0.3(AMIの2025年専門サービス工数売上0.55922億ドルを基準とした実質提供工数換算数量)× 価格 105(1工数単位当たり実現請求単価指数(AMIの2025年=100))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。2025年AMI工数比55%。工数型AI代替の指定範囲下端、実質値下げが続く。
倍率:k9.25%、GAAP純利益0.795億ドル÷終期自己資本14億ドル=ROE5.7%で資本コストを下回る。長期g3.5%、moat普通でRONIC7.46%の式によるPERは9.56倍。構造的な設計シェア喪失とAMI買収の低収益を反映し9.40倍に下げ、ROE≦kでの上限1/k=10.81倍も下回る。調整後利益は用いず、利息・買収償却・株式報酬を控除したGAAP純利益に掛ける。 10年間の正味還元-5.4億ドル=買戻し6.1億ドル-株式報酬相当5.0億ドル-AMI対価の株式約6.5億ドル。期末自己資本は2025年末7.1+累計GAAP純利益1.5-正味還元-5.4=14億ドル。
確率:技術・買収・顧客内製化が同時に悪化する構造的敗北。ただし既存設計が直ちには消えず清算近傍ではないため、13%にとどめる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
低消費電力FPGA・通信/計算機
AIサーバーの起動・電源・セキュア管理、ネットワーク機器の接続と制御に使うFPGA。GPUを置き換える演算製品ではなく補助制御向けが中心。
| 数量通信・計算機用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア=当社実質売上換算数量 | 価格採用製品1単位当たりのASP指数(2025年=100。製品構成の高付加価値化と競争値下げを反映) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.9 | 100 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 10.0 | 135 | 14 | 5 |
取り方:2025年10-K「Communications and Computing」売上292,716千ドル=2.92716億ドル。製品別の出荷個数・ASPは非開示。MarketsandMarketsの2025年世界FPGA市場117.3億ドルを通信・計算機55億ドル、残り62.3億ドルに仮配分し、当社の同用途での金額シェアは約5.32%(2.92716÷55)。分類別市場規模とシェアは分析推計で公表値ではない。volumeは市場55×シェア5.32%の実質売上換算数量、priceは100、factor0.01。営業利益は全社利益率約2.9%で按分した推計。競合はAMD、アルテラ、マイクロチップ。出典:SEC 2025 Form 10-K、https://www.marketsandmarkets.com/Market-Reports/fpga-market-194123367.html。競合シェアは欧州委員会2025年の競争法審査(2023年金額シェア)https://ec.europa.eu/competition/mergers/cases1/202523/M_11749_10643197_1155_3.pdf
低消費電力FPGA・産業/車載/民生
工場のロボット・センサー、車載電子制御、カメラや画像処理などの小型FPGA。半導体の新規設計採用と在庫循環が売上を左右する。
| 数量産業・自動車・民生用途FPGA市場の2025年価格による実質売上(億ドル)×当社推定シェア | 価格1採用製品当たり売価指数(2025年=100) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.3 | 100 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 3.8 | 135 | 5 | 2 |
取り方:2025年10-Kの産業・自動車193,965千ドル+民生36,581千ドル=2.30546億ドル。2026年の開示区分Industrial & Embeddedに近づけるため合算。FPGA全市場117.3億ドルから通信・計算機55億ドルを除いた62.3億ドルを当用途と仮定し、当社シェア約3.70%(2.30546÷62.3)。出荷個数と平均単価は未公表のため、実質売上換算市場×シェアを数量、2025価格指数を100とする。営業利益は全社比率で按分した推計。低価格分野の競合はマイクロチップとアルテラ。
AMI・サーバー基本ソフトと管理ファームウェア
Aptio、MegaRACなどサーバーの起動と遠隔管理を支えるライセンス、管理ソリューション、関連ハードウェア。機器当たり採用で稼ぎ、席課金SaaSではない。
| 数量採用サーバー・管理機器の2025年価格によるライセンス等売上換算数量(億ドル)=市場×推定シェア | 価格ライセンス・管理機器1単位当たり実現単価指数(AMIの2025年=100) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.0 | 100 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 4.0 | 135 | 5 | 2 |
取り方:AMIは2026年7月27日買収完了のため、factsが正本の2025年LSCC連結にはまだ入らず0。SEC 2026年10月の買収8-K/AのAMI調整後2025売上2.02759億ドル、内訳ライセンス1.06467億、ハードウェア0.32313億、サービス0.55922億、未配分表示調整0.08057億。これらからサービス以外は1.46837億ドル。未来のvolumeはこの1.46837億ドルを2025年価格での始点として市場拡大×採用シェアを予測。AMIの総市場シェアは開示されないため、分析上2025年のサーバー管理ソフト・関連機器の実質市場を40億ドルと仮置きし、その約3.67%とみなす。対象市場は世界FPGA市場とは重ねず、会社の買収時に示したSAM拡張とは区別。https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/855658/000119312526420671/d116673dex993.htm
AMI・受託開発/導入専門サービス
顧客向けファームウェアの実装・個別調整・移行・保守支援など、専門家の工数に依存する役務。AIエージェント代替の対象。
| 数量AMIの2025年専門サービス工数売上0.55922億ドルを基準とした実質提供工数換算数量 | 価格1工数単位当たり実現請求単価指数(AMIの2025年=100) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.0 | 100 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.4 | 125 | 0 | 0 |
取り方:2025年LSCCには連結されず0。SEC 2026年8-K/AではAMIの2025年Professional services売上55,922千ドル=0.55922億ドル。工数・契約件数と部門別市場占有率は未開示であり、単体売上を2025年実質工数の代理とする。AIエージェント代替により中立の数量は2025年工数の65%=0.36349億ドル(予測値は丸め0.365)、価格125(物価による141より低い)。人月・工数型の指定範囲0.55〜0.75倍、価格1.34倍以下、2035年以降g0%をこの部分に適用。
リスクと懸念
AIサーバー需要の設備投資依存
2026年のクラウド向け回復は本物だが、GPUを増やすための設備投資が一巡すれば、補助制御チップも同じ方向に減速する。ラティスの売上はGPU本体ほど大きくならない一方、装置の新規設計が止まると部品の量産が遅れる。2024~25年の在庫調整と営業利益の急落が、需要の波に対する脆さを示す。
AMD・アルテラ・マイクロチップとのシェア競争
欧州委員会の2023年調査ではAMDが世界FPGAの50~60%を握り、アルテラも20~30%を持つ。ラティスは低電力で差別化するが、競合が小型品へ降りてくれば設計の囲い込みは崩れる。価格維持よりも新しい機種への採用率が落ちた時、将来の数量と利益率を同時に切り下げる必要がある。
AMI買収の償却・負債・のれん減損
2026年7月に16.5億ドルでAMIを取得し、借入約9.25億ドルと約520万株の発行が伴った。2025年通年の仮定合算GAAP損益は約1.03億ドルの赤字となる。調整後EBITDAの高さだけでは投資回収を証明できず、ファームウェアの採用が伸びなければ、利払いと無形資産償却に加えてのれん減損が株主価値を傷める。
AIエージェント代替
AMIの2025年専門サービス売上は約0.56億ドルで、個別実装、導入支援、保守など専門家の工数を収益化する。AIエージェントが設定や移行を自動化すれば、必要工数と請求単価がともに下がる。中立では工数65%・単価指数125、10年目以降の名目g0%とした。機器単位のライセンスやFPGAの出荷とは区別している。
株式報酬と少数株主の取り分
2025年度の株式報酬は約1.16億ドルで、GAAP純利益を大きく超えた。自社株買いが1.0億ドルあっても、株式報酬で増える経済的な持ち分を取り返せていない。AMI買収には新株の発行も伴う。普通株に大きな種類株の優先権やVIEは確認されないが、経営者の報酬・買収対価を差し引いた正味の還元が小さければ、少数株主の取り分は弱い。
台湾・アジア製造委託と地政学
製造はUMC、TSMC、サムスンなど外部企業に頼る。台湾海峡の混乱、地震、輸出管理の変更があれば、完成品の納入が止まり、設計採用の優位だけでは供給を守れない。2025年の売上の約68%はアジアの出荷先向けで、そのうち中国大陸・香港への出荷が約52%を占めるが、最終需要がすべて中国であるとは限らない。
サーバー管理の内製化と囲い込みの逆効果
顧客はサーバーの基本ソフトを内製したり、OpenBMCなど開放的な仕組みへ移すことができる。AMI製品をラティスのFPGAだけに結び付ければ、AMDやアルテラを使うOEMが別の管理ソフトを選ぶ恐れがある。二つの商材の組み合わせは利点であると同時に、顧客を失わずに販売を広げる難しい資本配分でもある。
今後の分かれ目
- 2026年第3四半期以降、LSCC単独のFPGA売上が会社見通しの2.1~2.3億ドルを超えて伸び、翌年も設計採用増を維持する
- AIサーバー向け制御FPGAの実質数量が伸びる証拠として、中立の通信・計算機向けの採用シェアを見直し、楽観側の重みを増す。
- 買収後のGAAP営業利益率が2年連続で20%を超え、借入の元金が明確に減る
- AMIの償却・利息を吸収したことになる。中立の純利益率と正味還元を引き上げ、資本コストの負債項目も段階的に点検する。
- 2027~28年のAMIライセンス成長が停滞し、OEM向け管理ソフトの採用が減る
- ファームウェアの対象市場シェアを下げ、買収ののれん減損と利払い負担を強める。中立よりやや悲観の筋書きへ寄せる。
- AMI専門サービスの売上と人員が減る一方、ライセンス収入の継続が確認できる
- AIエージェント代替を専門サービスの工数に限った見方を維持し、FPGAと機器ライセンスに同じ縮みを二重適用しない。
- AMDやアルテラが低消費電力制御用FPGAで大口顧客を奪い、ラティスの採用機種数が減る
- 通信・計算機向けと産業向けの両方で2035年シェアを引き下げ、技術の堀が狭まるやや悲観・悲観へ重心を移す。
- FPGAとAMIのライセンスは伸びるのに、自社株買い額が株式報酬と新株発行額を超えない
- 表面上のFCFよりも正味の還元を低く扱い、期間のpayout_okuを減額する。オーナー利益の改善が伴うまで価値判断を上げない。
- 主要ファウンドリーの台湾拠点で長期の供給停止が起きる、または対中輸出規制が拡大する
- 出荷数量と利益率が同時に損なわれる。顧客の設計変更も進む場合は一時的な景気循環ではなく構造的な悲観と扱う。
見ておくもの
- 2026年11月2日の第3四半期決算でFPGA単独売上2.1~2.3億ドル、AMIを含む売上2.45~2.65億ドルのガイダンスを検証する
- 通信・計算機向けと産業・組込向けの四半期売上、低消費電力FPGAの新製品比率、採用機種数
- AMIのファームウェア・ライセンスと専門サービスの収入を分けた開示、前年からの継続率
- GAAP営業利益率・純利益率と非GAAPとの差額、株式報酬、買収無形資産の償却額
- 2026年AMI取得時借入約9.25億ドルの返済進捗、金利費用、のれん減損の有無
- AMD、独立したアルテラ、マイクロチップのFPGA新製品と採用実績、およびサーバーBMCへの機能統合
- 自社株買いの実行額から株式報酬・新株発行対価を差し引いた正味株主還元と発行済株式数
倍率と資本コストの決め方
財務の起点は添付factsの2025年度とbasisを固定し、2026年AMI買収は完了済みとして将来セグメントにだけ加えた。出荷個数と平均価格が非開示のため、実質FPGA市場×用途別シェアを数量の代理にし、物価と競争による単価変化を価格指数に置いた。資本コスト9.25%、長期g3.5%、堀は普通の残存係数1/2で、RONICから正当化PERを導いた。現在のPERや同業の市場評価は使わず、中立は算式上限の88%。AMI取得に伴う新株・株式報酬を純還元から差し引き、買収後のGAAP利益のみを価値に用いた。確率加重した現在価値37.45億ドルと2026年10月23日のfacts時価総額132.97億ドルの差は-71.8%であり、結論は割高。
資本コスト 9.3% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国基準8.0%にquality4項目の合計1.25%を加え9.25%。既済同領域のAMD9.2%・マーベル9.5%に近く、強い規模の堀を持つエヌビディアやブロードコム8.5%より高い。存続懸念によるextraは0%。βと株式市場のPERは使わず、買収の実行・AI工数代替の個別リスクは事業シナリオに含める。