結論
コグネックスは、工場の検査装置や物流施設の読み取り装置に、画像認識という目を与える会社である。筆者の結論は大幅な割高だ。工場の自動化が進むほど同社の技術は必要になるが、その利益を受け取る株主が今の値段で十分に報われるとは考えにくい。
2025年の売上は9.9億ドル、営業利益は1.6億ドルだった。2026年第2四半期には売上が前年同期比17%増え、GAAP営業利益率も29.4%まで回復した。OneVisionを使う顧客も増えており、AIを現実の製造工程に組み込む力は確かにある。しかし好調な四半期の利益率を、そのまま10年間の実力とみなすことはできない。
この会社の強みは、単に画像を認識するソフトではない。照明、レンズ、カメラ、専用計算機、検査アルゴリズムを組み合わせ、製造ラインで安定して動かす技術にある。検査工程を一度組み込んだ顧客は簡単には乗り換えられない。ただしキーエンスや中国勢もAIを利用できるため、技術の先行だけで長期の独占利益が約束されるわけではない。
10年後の中立では、売上が約20億ドル、営業利益率が約26%へ高まると考える。物流と包装の自動化が広がり、半導体向け検査も伸びる。ただし競合との価格競争が残り、経営が目標とする高成長のすべては実現しない。2026年9月に発表されたRealSense買収は魅力的な隣接分野への進出だが、基準日時点で完了を確認できないため、相手会社の利益は算入しない。
資本コスト8.5%で将来価値と正味の株主還元を割り引くと、確率加重した本質価値は約32.5億ドルとなる。今の時価総額約94.1億ドルとの差は約マイナス65%である。技術と事業の存続には相応の確信を持てる。しかし、再投資によって資本コストを上回る利益を長く生み続けるかには、まだ十分な証拠がない。良い技術を持つ会社と、今の値段で長く持ちたい株は別である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、コグネックスの魅力は機械に組み込まれる技術の寿命にある。工場がどれほど自動化されても、製品を見て、位置を確認し、異常を検出する機能は必要だ。顧客が精密検査を一度認定すると、交換には手間と費用がかかる。こうした仕事は10年後にも残る可能性が高く、単に流行している技術を販売する会社とは違う。
しかし、良い事業であるためには、利益を再投資した時の利回りが資本コストを超えなければならない。コグネックスは長年、多額の研究開発費を使って技術を守ってきた。2021年までは高い営業利益率を示したが、その後は2023年から2025年にかけて利益率が大きく低下した。競争が強まると研究開発と販売費用を簡単には減らせず、追加売上がそのまま株主利益にならない。
2026年には営業利益率の回復が見られる。新製品が売れ、販売効率が改善すれば、研究開発に要する固定費をより多くの売上で支えられる。これが数年続けば、再投資の評価は大きく変わる。ただし一四半期の改善と10年間の収益力は違う。買収した会社の技術が既存の顧客に売れるか、株式報酬を差し引いても現金が積み上がるかを確かめたい。
安全域については慎重である。世界のマシンビジョン市場が伸びても、その利益がコグネックスに集中するとは限らない。キーエンスのような総合的な販売力を持つ企業も、低価格で製品を提供する中国勢も存在する。10年後の中立でかなりの利益率改善を見込んでも、現在の時価総額を正当化するには届かない。将来の成長が有望であることだけを理由に高い値段を払わず、利益が増える証拠と買値の両方を求めたい。
何で稼ぐ会社か
コグネックスの主な商品は、工場や物流施設で物体を識別し、検査し、位置を測定する産業用マシンビジョンである。製品にはDataManの産業用コードリーダー、In-Sightの画像検査システム、3次元検査装置、レンズや照明、画像認識用ソフトウェアがある。顧客は製造業者、物流会社、設備メーカー、システム構築会社であり、装置や関連技術の販売が収益の中心となる。
物流では、荷物のバーコードを高速で読み、仕分け装置へ正しい情報を渡す。アマゾンのような大規模物流企業や配送事業者が自動化投資を増やすと需要が生まれる。2025年の売上構成は物流が約26%だった。2025年に発売したSLXは、AIを利用して物流設備の設定を簡単にし、これまで技術者が必要だった検査にも対象を広げる。
包装は約21%を占める。食品や医薬品の包装ラインで、印字、ラベル、容器の欠陥を検査する。品質規制と追跡可能性の要求が需要を支え、設備の停止による損失が大きいため、単純なカメラの値段だけでは購入先が決まらない。会社はOneVisionで設定の難しさを減らし、従来は専門技術者を置けなかった中小規模の顧客にも販売を広げようとしている。
民生電子機器と自動車は、それぞれ約19%を占める。スマートフォンの精密組み立て、電池、車載電子部品、車体の検査などが対象だ。これらは製品の世代交代で大型受注が発生する反面、顧客が設備投資を止めれば売上も急減する。半導体は約10%で、ウエハーの位置合わせ、製造中の識別、精密検査などに使われる。残る約5%には他の産業用途が含まれる。
事業は会社の報告上では単一のセグメントであり、用途別の営業利益は開示していない。また、保守、導入支援、研修、コンサルティングによるサービス収入もあり、会社によれば全体の10%未満である。分析上はこの部分を別に扱う。AIが人の設定作業を減らすことは、小さなサービス収入には逆風だが、装置を導入しやすくするという本業への追い風にもなる。
優良さと弱いところ
コグネックスには技術と顧客との結び付きから生まれる堀がある。難しい検査では、画像を認識する精度だけでなく、照明条件の変化、振動、速度、部品の個体差に耐える必要がある。装置が止まれば生産ラインも止まり、誤検査は不良品の流出につながる。採用された装置を別のメーカーに替えるには、設定のやり直しや品質確認が必要となる。
長年の研究開発、特許、製品群、販売技術者の経験も優位を支える。顧客は3万社を超え、会社は顧客数の倍増を掲げている。2023年のモリテックス買収によってレンズと照明の品ぞろえも増えた。検査装置を構成する部品を一体で提供できれば、顧客の導入費用が下がり、取引の継続にもつながる。
ただし、強い値決め力が数字で証明されたとは言えない。製品ごとの販売数量と平均価格は開示されず、継続的な値上げ率や解約率も確認できない。2026年第2四半期の粗利益率改善は、会社が説明する製品構成と数量の回復による部分が大きい。値上げだけで高い利益率を保てると考えるのは早い。
資本効率にも注意が必要である。2016年から2025年にかけて売上は大きく増えたのに、GAAP営業利益はほぼ同じ水準だった。自己資本は積み上がり、ROEは2021年の約20%から2025年には約8%まで下がった。2026年の回復は好材料だが、過去に投じた資金の増分利回りが常に資本コストを超えていたとは言い切れない。
そのため、堀は普通と評価する。製造ラインへの組み込みと精密検査には持続的な強みがある。しかし、キーエンスの販売網、オムロンの制御技術、ハイクロボットの価格と製品展開が、コグネックスの超過利益を削る可能性も大きい。10年後に技術が残ることと、その技術で今と同じ利益率を得られることは分けて考えるべきだ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
産業用マシンビジョンは長期的に需要が増える市場である。世界の労働力不足と品質要求の高まりによって、目視検査をカメラとAIに置き換える動きが続く。会社の2025年投資家説明会では、2024年の対象市場を約70億ドルと推定し、物流15億ドル、自動車18億ドル、電子機器15億ドル、包装12億ドル、半導体5億ドル、その他5億ドルに分けている。
市場調査の推定値には定義の差がある。GMI Insightsは2025年の産業用市場を約68億ドル、2035年を約136億ドルと予測する。物流向けは自動化率がまだ低く、検査と読み取りの用途が広がる余地が大きい。包装では医薬品の追跡可能性が需要を支える。半導体では高精度化とAI向け製品の製造投資が追い風になる。
競争相手として最も重要なのはキーエンスである。Interact Analysisの2024年の調査では、世界のマシンビジョン市場でキーエンスが14.2%、コグネックスが11.4%だった。続いてTKHビジョンが6.8%、テレダインが6.5%、ハイクロボットが6.2%と推定される。会社自身が用いる対象市場ではシェアが十数%の半ばとされ、調査ごとの製品範囲が異なるため、これらを単純に同一視しない。
キーエンスは幅広い工場に直接販売し、簡単に使える製品を提供する。ジックは物流の産業用読み取り装置で競争する。テレダインとバスラーはカメラや画像処理部品に強く、ハイクロボットは中国の電子機器や電池工場で存在感を高めている。顧客の用途と販売地域が違うため、世界シェアだけで個別の競争優位を判断することはできない。
10年後も画像検査は必要だが、装置の姿は変わる。AIを搭載した安価なカメラが普及し、汎用モデルでも簡単な検査を処理できるようになる。高精度で高速な用途には専用装置が残る一方、標準的な識別は価格競争が強まる。コグネックスの将来は市場全体の拡大よりも、価値の高い用途を増やしながら、価格競争に巻き込まれる製品をどれだけ減らせるかに左右される。
資本政策と M&A
資本配分では、株主への還元と技術取得を両立させてきた。2025年には約1.51億ドルの自社株買いと約0.55億ドルの配当を実施した。ただし株式報酬による希薄化があるため、この合計がすべて既存株主への正味の還元ではない。2026年2月には追加で5億ドルの自社株買い枠が承認されたが、毎年の実行額を約束したものではない。
2023年には日本のモリテックスを企業価値約2.7億ドルで買収した。光学部品を内製化し、日本市場への販売も広げる狙いは合理的だった。一方で買収後の収益性には改善余地が残り、2026年4月には取得した日本の商社事業を約0.12億ドルで売却した。買収で技術を得る判断は理解できるが、増えた資本が十分な利益を生んだかは別の問題である。
2026年9月にはRealSenseを約5億ドルの現金で買収する契約を発表した。対象会社は3次元の距離認識技術を持ち、ロボットが周囲を把握する市場を開拓している。約0.565億ドルの従業員維持報酬と、約0.5億ドル相当の株式報酬も予定される。2026年10月時点で取引完了を確認できないため、以下の評価にはRealSenseの売上も取得代金も含めていない。成立後は価値と希薄化を改めて計算する必要がある。
会社の2025年投資家説明会は、景気循環を通じた売上成長率13〜14%、調整後EBITDA利益率20〜30%、調整後純利益に対するFCF転換率100%超を目標としている。成長率には買収による約3ポイントが含まれる。2026年の売上見通しは11.3〜11.5億ドルで、回復は計画より強い。ただし調整後利益はGAAP利益と異なる。長期株主が確かめるべきなのは、買収費用、株式報酬、維持投資を差し引いた後にも利益が残るかである。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
産業用マシンビジョンは、AIの普及によって用途が大きく広がる。従来の画像検査には、照明や対象物に合わせた複雑な設定が必要だった。OneVisionはこの作業を簡単にし、経験の浅い技術者でも高度な検査を導入できるようにする。市場の裾野が広がれば、コグネックスは既存の大企業だけでなく、多数の中小工場を顧客に加えられる。
物流では荷物の読み取りに加え、破損の確認、寸法の計測、ロボットの誘導が普及する。包装では食品と医薬品の規制対応が広がり、検査の必要性が高まる。半導体では先端工程の微細化、電子機器ではAI機能の搭載と複雑化によって、従来より高度な検査が必要になる。こうした市場では、数千万円の生産ラインを止めるリスクに比べ、検査装置の価格差は小さい。
2026年第2四半期の営業利益率29.4%は、好調な需要と費用管理が重なるとどれほど稼げるかを示した。研究開発の多くは固定費であり、売上が増えれば利益率は上がりやすい。会社の顧客数倍増計画が進み、販売員の効率も改善すれば、10年後の営業利益率が30%を超えても不思議ではない。
さらに、モリテックスの光学部品は検査装置の性能と製品構成を強める。RealSenseの買収が成立すれば、ロボット用の3次元認識という新たな市場へ進める。ただし買収は未完了であり、数値に織り込むべきではない。既存事業だけでも売上の増加と利益率の上昇が重なれば、現在より大きな利益を生み出す余地がある。生産現場の自動化とAIは、同社の製品が必要とされる範囲を広げる方向に働く。
慎重な見方
マシンビジョンの需要が伸びることと、コグネックスの利益が増えることは同じではない。AIによって画像認識ソフトを作る費用が下がれば、従来の高度なアルゴリズムを持つ企業の優位も縮む。安価なカメラと汎用AIを組み合わせた装置が簡単な検査を処理するようになれば、コグネックスは複雑な用途だけに追い込まれる。
最大の競争相手はキーエンスである。キーエンスは幅広い製品群と販売員の顧客接点を使い、単に優れた画像処理だけでなく、工場全体の問題を解決する。中国ではハイクロボットなどがAIを搭載した製品を低価格で投入し、電池や電子機器の製造設備に入り込む。市場が成長しても、顧客数を増やすために価格を下げれば、増えた売上が利益に残らない。
過去の実績も警告を発している。2021年には高い営業利益を上げたが、2023年と2024年は営業利益率が大きく落ち込んだ。売上が回復した2025年も、過去の最高水準には届かなかった。研究開発と販売費用が重いため、顧客の設備投資が減ると利益の落ち込みが大きい。2026年の好調な四半期が、構造的な改善ではなく景気循環の回復である可能性を無視できない。
RealSense買収にも注意が必要である。買収価格は対象会社の年間売上を大きく上回り、今後の高成長を前提とする。ロボット向けの画像認識は有望だが、大手半導体企業やカメラメーカーも参入している。買収が成立しても、期待どおりの収益力が得られない可能性がある。高い価格で事業を買い、研究開発と株式報酬を増やせば、売上は伸びても既存株主の取り分が増えない。
どちらに重みを置いたか
需要の長期的な拡大では強気の見方が優勢だが、株主が受け取る利益と買収の規律については慎重な見方が強い。検査装置には堀があるものの、過去の利益率の振れは大きく、2026年の好調を恒久的なものと断定できない。
確率は楽観側30%、中立33%、悲観側37%とした。悲観をやや厚くしたのは、電子機器と自動車の設備投資循環、競争による価格下落、買収の資本効率が重なる可能性による。小規模なサービス事業へのAIエージェント代替は数量と長期成長率に反映し、確率では二重に数えていない。中立でも今の時価総額との差が大きいため、結論は割高となる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 29.90 ドル51 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 9.00 ドル15 億ドル)。 今の値に割り戻すと 19.21 ドル33 億ドル、今との差 −65.8%、 期待の年率 −4.0%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 69.36 ドル117 億ドル | 16.83 ドル29 億ドル | +53.5% | +4.9% | 7.76 ドル13 億ドル |
| やや楽観 | 21% | 47.59 ドル81 億ドル | 12.99 ドル22 億ドル | +7.9% | +0.9% | 12.72 ドル22 億ドル |
| 中立 | 33% | 33.34 ドル56 億ドル | 9.45 ドル16 億ドル | −23.8% | −3.0% | 14.12 ドル24 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 8.61 ドル15 億ドル | 5.31 ドル9 億ドル | −75.2% | −15.1% | 3.62 ドル6 億ドル |
| 悲観 | 11% | 3.87 ドル7 億ドル | 2.36 ドル4 億ドル | −88.9% | −22.2% | 0.69 ドル1 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 29.90 ドル51 億ドル | 9.00 ドル15 億ドル | −30.7% | −4.0% | 38.90 ドル66 億ドル |
今の株価時価総額 56.15 ドル95 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 楽観:高度な画像検査が標準となり、工場と物流の両方で市場を広げる 利益 7 億ドル · PER 16.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 69.36 ドル117 億ドル
物流ではAIを使った破損検査、寸法計測、ロボット誘導が普及し、単純なバーコード読み取りを超えて売上が伸びる。包装では食品と医薬品の検査が高度化し、販売網の拡大で顧客数が増える。OneVisionは多くの顧客が使う標準的な開発環境となり、装置を追加導入する理由が強くなる。
民生電子機器と半導体では、AIを搭載した新しい製品の組み立てと検査工程が増える。キーエンスと競争しながらも、複雑な検査では高い精度と低い導入費用で選ばれる。中国のハイクロボットには標準的な低価格用途を一部奪われるが、高度な用途の増加がそれを補う。
10年後の売上は約28.8億ドル、営業利益は約8.7億ドルとなる。営業利益率は30%を超え、研究開発と販売の固定費が広い顧客基盤に分散する。既存の現金を維持しながら、期間純利益約41億ドルのうち正味28.5億ドルを株主に還元する。RealSense買収は成立前のため売上に加算せず、買収成否は別途再評価する。
- 物流・倉庫向け画像認識:数量 5.5(物流向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.55(製品・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 8 億ドル・営業利益 3 億ドル。物流市場の実質拡大と高付加価値の検査用途の増加で数量が2025年の2.22倍になる。
- 包装・食品・医薬品向け検査:数量 3.7(包装向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.48(検査装置・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。包装検査の普及と販売網の拡大により数量が1.86倍になる。
- 民生電子機器向け高精度検査:数量 3.3(民生電子機器向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.47(精密検査機器・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。新型電子機器と高度な組み立て検査により数量が1.80倍となる。
- 自動車・電池・車載部品向け検査:数量 3.0(自動車向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.45(自動車製造向け検査装置の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。電池と車載電子機器の検査普及が自動車生産台数以上に需要を増やす。
- 半導体・その他の精密検査:数量 3.6(半導体・その他向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.50(精密画像処理・光学部品の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。半導体と精密光学の高い検査要求が新たな用途を生む。
- 導入支援・研修・保守などのサービス:数量 0.3(導入・支援工数の需要(2025年売上換算の億ドル相当))× 価格 1.30(1単位の支援工数当たり売上指数(2025年=1))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。AIエージェントが作業を減らすため、楽観でも支援工数は2025年を超えない。
倍率:事業ROEは7.10÷27.40=25.9%。堀はnormalで残る割合1/2、k8.5%、g3.8%からRONICは17.2%。10年目のGAAP利益に対する正当化PER上限は17.21倍であり、利益率改善と高い製品競争力が持続するため、その約95%である16.35倍を採用する。時価総額は(純利益7.10−余剰現金利息1.80×1.4%)×16.35+余剰現金1.80=117.47億ドル。現在や過去の市場倍率は使わない。
確率:物流、包装、半導体の需要拡大に加え、製品の高付加価値化とシェア上昇が同時に必要になる。2026年の利益率改善は上振れの実現可能性を示すが、キーエンスと中国勢に勝ち続ける必要があるため9%。未成立のRealSenseの売上は含めない。
やや楽観 21% やや楽観:物流と包装が伸び、利益率の回復が続く 利益 5 億ドル · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 47.59 ドル81 億ドル
物流では高速のコード読み取りに加え、検査や計測の用途が増える。包装では規制対応と省人化への投資が続き、食品と医薬品の顧客が増える。販売網の改善によって、中小規模の工場にも製品が届くようになる。
民生電子機器は製品の世代交代に合わせて成長するが、大口顧客への依存は残る。自動車市場ではキーエンスとオムロンに一部の案件を奪われるものの、電池と車載電子機器の検査需要が支える。半導体では精密化の恩恵を受け、モリテックスの光学技術が差別化を助ける。
10年後の売上は約23.8億ドル、営業利益率は約28%となる。GAAP利益率の改善は続くが、2026年第2四半期の高い水準を永久に維持するわけではない。期間の純利益累計は約32.3億ドルで、正味22億ドルを株主に還元する。RealSenseの買収は未成立のため計算に入れず、既存製品の市場拡大から得られる利益を評価する。
- 物流・倉庫向け画像認識:数量 4.7(物流向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.50(製品・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。物流の自動化が進み、数量は1.91倍となる。
- 包装・食品・医薬品向け検査:数量 3.2(包装向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.45(検査装置・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。食品と医薬品の検査普及で数量は1.58倍となる。
- 民生電子機器向け高精度検査:数量 2.7(民生電子機器向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.43(精密検査機器・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。精密組み立ての検査需要が増え、数量は1.50倍となる。
- 自動車・電池・車載部品向け検査:数量 2.6(自動車向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.41(自動車製造向け検査装置の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。車載電子機器の増加が自動車向け需要を支える。
- 半導体・その他の精密検査:数量 3.1(半導体・その他向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.45(精密画像処理・光学部品の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。半導体と新しい精密検査の用途が広がる。
- 導入支援・研修・保守などのサービス:数量 0.3(導入・支援工数の需要(2025年売上換算の億ドル相当))× 価格 1.20(1単位の支援工数当たり売上指数(2025年=1))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。AIによる省工数化で実質数量は2025年の0.83倍に近い水準となるが、販売拡大による支援需要も残る。
倍率:事業ROEは5.35÷25.15=21.3%。k8.5%、g3.8%、moatはnormalで残る割合1/2とするとRONIC14.9%、10年目の利益に対する正当化PER上限16.45倍となる。利益の質を踏まえて上限の約90%となる14.80倍とする。時価総額は(5.35−1.80×1.4%)×14.80+1.80=80.61億ドル。GAAP利益を使い、株式報酬を足し戻さない。
確率:OneVisionの採用拡大と販売効率の改善が進み、キーエンスとの競争でも重要顧客を維持できる筋書き。2026年の回復と会社の製品開発力から十分な可能性があるが、会社目標のすべてが実現するわけではないため21%。
中立 33% 中立:市場は拡大するが競争も続き、利益率は正常化する 利益 4 億ドル · PER 13.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 33.34 ドル56 億ドル
物流では自動化が続くが、2020年代初めのような集中投資は常態化しない。包装では食品と医薬品の検査が広がり、数量が増える。民生電子機器ではAI対応の製品が複雑化するものの、同社のシェアはほぼ横ばいである。自動車では電池と車載電子機器の需要が増えるが、設備投資の循環が利益を不安定にする。
半導体とその他の精密検査は引き続き成長する。2025年の一時的な医療関連売上は繰り返さず、通常の検査需要の増加で補う。キーエンスの販売網と中国勢の製品価格が競争を強め、標準的な検査では単価を物価以上に上げられない。一方、精度と安定性が必要な装置では一定の値決め力が残る。
10年後の売上は約20.1億ドル、営業利益は約5.2億ドルとなる。営業利益率は約26%で、2025年より明確に改善するが、2026年第2四半期の好調な水準は繰り返さない。純利益の期間累計約26.3億ドルから正味16億ドルを還元し、自己資本は25.2億ドルになる。RealSenseは未成立のため含めず、既存事業だけで価値を測る。
- 物流・倉庫向け画像認識:数量 4.1(物流向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.43(製品・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。実質の物流向け需要が増加し、シェアは現在に近い水準を保つ。
- 包装・食品・医薬品向け検査:数量 2.7(包装向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.41(検査装置・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。包装検査の数量は1.38倍。単価はほぼ物価並み。
- 民生電子機器向け高精度検査:数量 2.4(民生電子機器向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.39(精密検査機器・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量は1.33倍だが中国勢との競争で単価は物価をわずかに下回る。
- 自動車・電池・車載部品向け検査:数量 2.2(自動車向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.40(自動車製造向け検査装置の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量は1.22倍。車載電子機器の増加が自動車生産の伸び悩みを補う。
- 半導体・その他の精密検査:数量 2.6(半導体・その他向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.43(精密画像処理・光学部品の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。半導体と高精度検査の数量は1.71倍。2025年の一時売上は恒常化しない。
- 導入支援・研修・保守などのサービス:数量 0.2(導入・支援工数の需要(2025年売上換算の億ドル相当))× 価格 1.10(1単位の支援工数当たり売上指数(2025年=1))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。AIエージェント代替によって導入・設定工数は0.67倍、価格指数は1.10倍。
倍率:事業ROEは4.16÷25.20=16.5%。k8.5%、g3.8%、moatはnormalで残る割合1/2とするとRONICは12.5%。来年の利益に対する式へ1+gを掛けた10年目利益基準の正当化PER上限は15.37倍である。設備投資循環、価格決定力の限界、過去の低い増分資本効率を考慮し、上限の約86%となる13.22倍を使う。時価総額は(GAAP純利益4.16−余剰現金1.80×1.4%)×13.22+1.80=56.46億ドル。現在のPERや同業の市場倍率から決めていない。
確率:物流、包装、半導体の実質需要が伸び、製品の平均単価はおおむね物価並みとなる。電子機器と自動車では競争が続くがシェアの大幅な喪失はない。2026年の回復を認めつつ、その高い利益率が永久に続くとはしない中心の筋書きとして33%。
やや悲観 26% やや悲観:競争による値下げと設備投資の停滞が長引く 利益 2 億ドル · PER 8.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 8.61 ドル15 億ドル
物流の自動化は続くが、顧客は安価な読み取り装置と汎用AIを利用するようになる。ジックやゼブラとの競争で大型案件の利益率が下がり、コグネックスは高度な用途だけで十分な値段を得られる。包装では規制対応の需要が残るが、キーエンスとの販売競争が強まる。
民生電子機器ではハイクロボットなどの中国勢が市場シェアを伸ばす。製造設備を内製化する大手顧客も増え、コグネックスの販売数量は横ばいに近い。自動車では電池設備への投資が鈍化し、従来の車両製造工程でも価格競争が続く。研究開発費と販売費用は簡単に減らせないため、売上の伸びよりも利益率の低下が目立つ。
10年後の売上は約13.2億ドルにとどまり、営業利益率は約15%となる。純利益は約1.55億ドルで、ROEは資本コストをやや下回る。株主還元は正味9億ドルに縮小し、期間の利益累計約13.3億ドルとの関係から自己資本は約19.2億ドルとなる。余剰現金の一部は競争に対応するための投資に使われ、長期の高い収益性は失われる。
- 物流・倉庫向け画像認識:数量 3.0(物流向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.31(製品・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。物流向け市場は伸びるが、シェア低下と実質の単価下落で利益が伸びない。
- 包装・食品・医薬品向け検査:数量 2.2(包装向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.32(検査装置・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。規制対応の需要は残るが、価格競争が強まる。
- 民生電子機器向け高精度検査:数量 1.7(民生電子機器向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.25(精密検査機器・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。中国勢と顧客の内製化で数量が減り、実質価格も下がる。
- 自動車・電池・車載部品向け検査:数量 1.5(自動車向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.29(自動車製造向け検査装置の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。車載検査の需要は残るが、設備投資の弱さで利益率が低下する。
- 半導体・その他の精密検査:数量 1.7(半導体・その他向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.32(精密画像処理・光学部品の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。精密用途は残るが、競合製品の性能向上で超過利益が縮む。
- 導入支援・研修・保守などのサービス:数量 0.2(導入・支援工数の需要(2025年売上換算の億ドル相当))× 価格 1.08(1単位の支援工数当たり売上指数(2025年=1))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。AIエージェント代替と顧客による導入の内製化で工数が減る。
倍率:ROEは1.55÷19.15=8.1%でk8.5%を下回る。超過利益の再投資価値を認めず、PERの上限は1÷k=11.76倍以下とする。稼ぐ力の劣化と低い成長を考慮して8.65倍。中立の13.22倍より低い。時価総額は(1.55−1.35×1.4%)×8.65+余剰現金1.35=14.59億ドル。余剰現金は初期額の75%へ減少し、過去の谷の市場倍率は根拠にしない。
確率:キーエンスとハイクロボットに標準的な用途を奪われ、電子機器と自動車の投資が伸び悩む筋書き。産業用検査は消えないが、需要拡大が価格下落と利益率低下で相殺される可能性を重く見て26%。サービスのAI代替は数量に反映済みで、確率には重ねない。
悲観 11% 悲観:汎用AIと低価格製品に標準用途を奪われ、事業の収益力が崩れる 利益 0 億ドル · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3.87 ドル7 億ドル
画像認識の汎用技術が急速に進歩し、従来はコグネックスの専用装置でしかできなかった検査が安価なカメラでも可能になる。中国のハイクロボットが電子機器と電池の製造設備を広く押さえ、キーエンスは販売網と製品の使いやすさで先行する。コグネックスは一部の高度な検査工程だけに強みを残す。
物流では読み取り装置の価格競争が激しくなり、従来の優位が薄れる。包装では規制対応の需要が残るものの、利益率は大きく下がる。自動車と民生電子機器では事業が赤字となり、半導体とその他の精密検査も研究開発費を十分に回収できない。販売網と製品開発の縮小がさらに競争力を削る。
前半には2026年の回復による利益が残るが、中盤の事業縮小で赤字や無形資産の減損が発生する。期間累計の純利益は減損を含めて約3.6億ドルとなり、正味4億ドルの還元後の自己資本は約14.5億ドルとなる。余剰現金の半分は整理費用や事業立て直しに使われる。10年後の営業利益率は約3%で、成長企業としての評価を失う。
- 物流・倉庫向け画像認識:数量 1.5(物流向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.10(製品・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。物流の標準用途でシェアを大きく失い、価格も物価を大幅に下回る。
- 包装・食品・医薬品向け検査:数量 1.4(包装向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.14(検査装置・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。規制対応の検査は残るが、競争で利益率が下がる。
- 民生電子機器向け高精度検査:数量 1.0(民生電子機器向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.05(精密検査機器・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。中国勢と顧客の内製化で数量がほぼ半分となり赤字化する。
- 自動車・電池・車載部品向け検査:数量 0.9(自動車向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.10(自動車製造向け検査装置の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。自動車工場の設備投資が減り、固定費を回収できない。
- 半導体・その他の精密検査:数量 0.8(半導体・その他向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当))× 価格 1.10(精密画像処理・光学部品の平均販売価格指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。高精度の一部用途だけが残り、営業利益はほぼゼロ。
- 導入支援・研修・保守などのサービス:数量 0.2(導入・支援工数の需要(2025年売上換算の億ドル相当))× 価格 1.00(1単位の支援工数当たり売上指数(2025年=1))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。人の導入・研修工数がAIエージェントに代替され、サービスも赤字となる。
倍率:GAAP純利益が0.15億ドルまで縮み、ROEは資本コストを大幅に下回る。継続企業の通常のPERより、現在の自己資本と売却可能資産の価値で判断する。現在の自己資本14.9億ドルにPBR0.44倍を掛けた6.56億ドルを採用し、床の6.40億ドルを下回らない。10年後に残る自己資本14.50億ドルへPBRを掛け直しておらず、過去の谷のPBRも使わない。PBR0.44は清算時の実現可能価値を意識した保守的な資産回収率である。
確率:10年間で競争構造が変わり、コグネックスが難しい検査の一部だけを扱う会社へ縮む場合。高度な装置の必要性は残るため倒産を中心とはしないが、技術優位と価格決定力が同時に失われる可能性を11%認める。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
物流・倉庫向け画像認識
物流施設や配送センターで荷物を識別し、仕分け、計測、破損検査を行う装置とソフトウェア。DataMan、SLX、AI画像認識を含む。
| 数量物流向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当) | 価格製品・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.5 | 1.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 4.1 | 1.43 | 6 | 2 |
取り方:2025年の全社売上9.9億ドルのうち物流は約26%。サービスとして別計上する推定部分を除いた売上を2.46億ドルとする。会社が2025年Investor Dayで示した物流向け対象市場は2024年時点で15億ドル。これを2025年固定価格の市場数量の近似に使うと、コグネックスのシェアは約16.4%となる。販売台数と平均単価は非開示なので、実質市場規模×シェアを販売数量の代理変数とし、単価は指数で測る。物流ではジック、ゼブラ、キーエンスとの競争を考慮する。営業利益は単一報告セグメントからの推定配賦で、会社公表値ではない。
包装・食品・医薬品向け検査
食品、日用品、医薬品の製造ラインに使う印字検査、外観検査、識別装置。追跡可能性と品質保証の要求が需要を支える。
| 数量包装向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当) | 価格検査装置・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.0 | 1.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.7 | 1.41 | 4 | 1 |
取り方:2025年の用途別売上構成は包装21%。サービス配賦を除いた売上を1.99億ドルとする。会社の2025年Investor Dayにおける包装向け対象市場は12億ドルで、2025年の固定価格に近似して使うとシェアは約16.6%。市場規模は会社開示、シェアは分析上の推計である。キーエンス、オムロン、包装検査の専門企業との競争を考え、数量は食品・医薬品工場に導入される検査機器の実質需要で測る。平均販売価格は非開示のため指数化し、営業利益も推定配賦とする。
民生電子機器向け高精度検査
スマートフォン、電子部品、精密組み立て工程の位置合わせ、欠陥検査、3次元測定など。
| 数量民生電子機器向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当) | 価格精密検査機器・ソフトの平均販売価格指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.8 | 1.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.4 | 1.39 | 3 | 1 |
取り方:2025年の用途別売上構成19%を出発点に、別計上したサービス分を控除する。会社の2025年Investor Dayで示した電子機器向け対象市場15億ドルを数量の基準として、当社シェアは約12.1%と推定する。数量はスマートフォンの出荷台数そのものではなく、各製造工程で必要になる画像検査機器の実質需要である。キーエンス、ハイクロボット、テレダイン、バスラーが競争相手。製品構成が変わるため単価は指数で扱い、利益は推定配賦とする。
自動車・電池・車載部品向け検査
完成車工場、車載電子機器、電池、精密部品の測定や品質検査。設備投資と車両技術の変化に左右される。
| 数量自動車向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当) | 価格自動車製造向け検査装置の平均販売価格指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.8 | 1.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.2 | 1.40 | 3 | 1 |
取り方:2025年の用途別売上構成19%からサービス分を控除する。会社が2025年Investor Dayで示した自動車向け対象市場18億ドルを2025年固定価格の近似値とすると、当社シェアは約10.1%。電気自動車への移行だけでは需要が決まらず、電池の品質管理、車載電子機器の増加、既存の内燃機関車の製造工程も対象になる。キーエンス、オムロン、ハイクロボットなどが競争する。平均単価と用途別利益は非開示なので分析上の推計である。
半導体・その他の精密検査
半導体製造の位置合わせ、識別、検査と、航空宇宙、防衛、医療関連などその他の産業用途。モリテックスの光学部品も含む。
| 数量半導体・その他向け実質市場規模×当社販売額シェア(2025年固定価格の億ドル相当) | 価格精密画像処理・光学部品の平均販売価格指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.5 | 1.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2.6 | 1.43 | 4 | 1 |
取り方:2025年の用途別売上構成は半導体10%、その他5%。同年の医療研究室自動化に関する一時的な売上約0.13億ドルをその他に含め、サービス配賦を除いて合計1.53億ドルとする。会社の2025年Investor Dayでは半導体とその他の対象市場がそれぞれ5億ドルで、合計10億ドルに対する推定シェアは約15.3%。内訳では半導体約19%、その他約12%とみる。2025年の一時売上を繰り返さないよう将来数量で調整する。競合はキーエンス、テレダイン、バスラー、ハイクロボットなど。営業利益は推定配賦である。
導入支援・研修・保守などのサービス
検査装置の導入支援、顧客技術者への研修、コンサルティング、保守・サポート。工数で提供される部分をAIエージェント代替の対象として保守的に扱う。
| 数量導入・支援工数の需要(2025年売上換算の億ドル相当) | 価格1単位の支援工数当たり売上指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.3 | 1.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.2 | 1.10 | 0 | 0 |
取り方:2025年10-Kは保守、支援、コンサルティング、研修を含むサービス売上が全社の10%未満と説明するが、正確な金額と工数は開示していない。ここでは全社売上の約3%、0.30億ドルを分析上の仮定として各用途の製品売上から切り出す。保守契約の一部は継続するものの、AIエージェント代替の検査では全体を人月・工数型として慎重に扱う。中立の実質工数は10年で0.67倍、単価指数は1.10倍とし、10年以降の名目成長は0%とする。これは開示された実際のサービス数量ではない。
リスクと懸念
キーエンスと中国勢による競争
キーエンスは広い販売網と製品群を持ち、顧客が必要とする検査を簡単に導入できる点に強みがある。ハイクロボットは中国の電子機器と電池工場で存在感を高めている。AIで画像認識の開発費が下がると、性能だけでの差別化が難しくなる。コグネックスが高い精度を維持しても、平均価格や市場シェアが下がれば利益は伸びない。
物流と民生電子機器の大型投資への依存
物流会社が設備投資を集中させた後には、既存施設の活用を優先する時期が来る。スマートフォンなどの電子機器も、製品の世代交代や大口顧客の生産計画に影響される。装置の購入が先送りされても研究開発費と販売網の固定費は残るため、売上の落ち込み以上に営業利益が減る。2021年から2024年の利益率低下は、その危うさを示している。
専用画像認識技術の陳腐化
汎用AIモデルと安価な画像センサーが進歩すると、従来は専用装置を必要とした検査が低価格で実現できる可能性がある。高度な精密検査には専用技術が残るとしても、市場の大きい標準用途で価格が下がれば収益性が低下する。OneVisionが競争力を保つには、使いやすさだけでなく、実際の製造現場で精度、速度、安定性を維持する必要がある。
RealSense買収の投資回収
2026年9月に発表されたRealSenseの買収は、ロボットの3次元認識という有望な市場を取り込む計画である。しかし約5億ドルの買収価格に加え、従業員維持報酬と株式報酬も予定される。ロボット向けの需要が会社の予測より伸びなければ、買収で得たのれんや無形資産の減損が起こりうる。基準日時点では未完了のため、取得代金も利益も予想値には含めていない。
資本配分と株式報酬による株主価値の希薄化
同社は配当と自社株買いを続けているが、株式報酬が既存株主の持ち分を薄める。自社株買いの一部はその希薄化を打ち消すために使われる。高い値段で自社株を買うと、会社の現金は減っても株主の本質価値は十分には増えない。さらに大型買収に資本を使う場合、取得後の増分利益が資本コストを超えなければ株主の取り分は悪化する。
中国、台湾、世界の製造業の地政学リスク
中国の国産化政策や米中の輸出規制は、電子機器と半導体の設備投資の行き先を変える。工場が移転すれば検査機器の新規需要も生まれるが、コグネックスがその案件を取れるとは限らない。光学部品の製造拠点や世界の販売網も地政学の影響を受ける。関税、供給網の混乱、顧客の設備投資延期が重なる場合、製品価格と利益率の両方が圧迫される。
AIエージェント代替と収益構造の変化
保守、導入支援、研修、コンサルティングのうち、人の時間で提供する作業はAIエージェントに置き換わる可能性がある。会社はサービス収入を10%未満としか開示していないため、その影響を正確には測れない。分析では仮に売上の3%を工数型とし、中立で工数を10年後に0.67倍、価格指数を1.10倍とした。一方、画像検査装置そのものは物理的な現場で働くため、席課金の業務ソフトと同じ代替率を当てはめない。
今後の分かれ目
- 2026年以降も物流と包装で二桁の売上成長が続き、販売数量が市場全体より速く伸びたら
- 製品の普及とシェア拡大が進んでいる証拠となる。やや楽観と楽観の確率を上げる。ただし利益率が伴わなければ、数量だけを根拠に本質価値を高くしない。
- 営業利益率が景気の回復後も25〜30%を保ち、GAAP純利益とFCFがともに増えたら
- 2026年の利益率改善が構造的である可能性が高まる。中立の営業利益率と増分資本効率を引き上げられる。株式報酬を差し引いた正味の還元も確認する。
- RealSense買収が成立し、ロボット向け製品の売上と営業利益が取得費用を上回って伸びたら
- 取得後の事業を別セグメントとして追加し、現金支出、株式報酬、買収無形資産の償却、増分ROICを含めて再評価する。買収額だけで価値を上げない。
- キーエンスやハイクロボットに顧客を奪われ、実質平均単価の下落が複数年続いたら
- 普通の堀が弱い堀へ変わる可能性がある。中立のシェアと利益率を下げ、やや悲観と悲観の確率を引き上げる。長期の利益ベースの倍率も引き下げる。
- OneVisionが導入時間を大幅に減らし、顧客数と高付加価値機器の販売が同時に増えたら
- AIによる効率化がサービスの工数を減らすだけでなく、装置の販売数量を増やしていることになる。物流と包装の中立数量を見直す。ただし独立したAI売上が開示されない限り、未確認の収入を追加しない。
- 2026年第3四半期の決算で売上見通しを大きく下回り、営業利益率の改善が止まったら
- 2026年前半の好調が一時的な需要回復だった可能性が高まる。中立の営業利益率を下げ、やや悲観の確率を増やす。11月4日に予定される決算公表が近い確認点となる。
見ておくもの
- 物流、包装、民生電子機器、自動車、半導体の用途別売上成長率と会社の見通し
- 2026年11月4日公表予定の第3四半期決算と通期ガイダンスの更新
- GAAP営業利益率、粗利益率、研究開発費率、販売管理費率の推移
- OneVisionの利用顧客数と、実際の機器売上・継続収入への貢献
- 新規顧客数と、既存顧客への販売拡大による実質的な市場シェアの変化
- キーエンス、ジック、ハイクロボット、テレダインとの製品性能と競争価格の差
- RealSense買収の完了、取得後の売上、GAAP営業利益、無形資産償却、株式報酬
- 自社株買いと配当から株式報酬や増資の影響を引いた正味の株主還元
- 純現金、運転資金、研究開発投資、買収投資を含めた増分ROIC
- 中国とその他のアジアにおける売上構成、輸出規制と生産設備の移転
倍率と資本コストの決め方
価値を現在の株価や市場PERに近づけないため、先に用途別の実質数量と販売価格を組み立て、営業利益率を決めた。会社の2024年対象市場70億ドル、2025年の用途別売上構成、2026年の利益率改善を数量と利益の根拠に使ったが、会社目標の13〜14%成長をそのまま10年間続けていない。
倍率は現在や過去の市場PER・PBRから取らない。資本コスト8.5%、通常の堀の残存割合1/2、10年目以降の名目成長率3.8%、GAAP純利益と事業ROEから正当化PERの上限を計算し、利益の質に応じた割合を使った。余剰現金は帳簿の1ドルを1ドルとして別に加え、受取利息を事業利益から差し引いた。
確率加重価値は約32.54億ドル、台帳の時価総額94.08億ドルに対して約マイナス65.4%となる。5段階では割高である。悲観の時価総額は換価資産の床6.40億ドルを上回り、自己資本は各筋書きの累計利益から正味の還元を引いた道筋と整合する。RealSense買収は基準日時点で未完了のため単体評価にとどめた。結論に合わせて数量、倍率、確率を逆算していない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%にqualityの+0.5%を加え、資本コストは8.5%。β、時価総額、現在のPERを根拠にしない。純現金で継続企業としての存続危機はなく、extraは0%。同じ部品・計測領域のキーサイトの8.5%と近く、財務の弱い機器企業より低い一方、事業の寿命をより読みやすいテレダインの7.5%より高い。