結論
L3ハリスは、2019 年にハリスと L3 テクノロジーズが合併して生まれた防衛電子の主契約者で、2023 年にロケットエンジンのエアロジェット・ロケットダイン(Aerojet Rocketdyne)を買収した。2026 年から 3 部門で開示する:宇宙・ミッション・システムズ(SMS・年約 117 億ドル)、通信・スペクトラム支配(CSD・約 80 億ドル)、ミサイル・ソリューションズ(MSL・約 41 億ドル)。2025 年は売上 219 億ドル、GAAP の純利益 16 億ドル、営業利益率 10.7%(買収無形資産の償却が重く、部門の利益率は 15% 台)、受注残は 2026 年 6 月末で過去最高の 420 億ドル。
この会社の特色は 2 つ。ひとつは CSD の戦術無線機・電子戦が利益率 25% 前後の高収益で、全体の利益の半分以上を稼ぐこと。もうひとつは MSL で、米国のミサイル弾薬の増産(THAAD・PAC-3 の 7 年枠組みで将来売上 約 120 億ドル)の最大の受け手の 1 社であり、固体ロケットモーターはノースロップとの複占である。国防総省が 2026 年 4 月に MSL へ 10 億ドルを出資し、生産能力を 2030 年までに 3 倍超にする計画(IPO は 2027 年半ばへ延期)。
バリュー投資の観点では、純負債 102 億ドル(時価総額の 22%)は重いが、年金は積立超過なので負債には足さず、FCF は年 30 億ドル前後と堅い。部門ごとに市場 × シェア × 価格で積み上げると、中立の純利益は 2028 年で約 24 億ドル、2035 年で約 38 億ドル(GAAP・株式報酬と償却を費用にした値)。10 年後の倍率は利益ベースの正当化 PER(ROE 17%・g 4%・k 7.75%・RONIC 約 12%・上限 18.1 倍)の 8.5 割、15.4 倍に置き、割引と還元を含めて確率で加重すると、本質価値は今の時価総額を 1 割ほど下回る(やや割高)。ただし k − g が 3.75% と小さく、割引率の置き方への依存が強い点は差し引いて読む。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。ある。ミサイルの推進装置・戦術無線機・ミサイル警戒の衛星は、米国と同盟国の防衛の基盤で、固体ロケットモーターは複占。10 年後に今より強いかというと、予算の追い風と国防総省の出資で MSL は強くなるが、CSD は新興との競争で堀が少し狭まる、というのが筋。
オーナー利益は、2026 年の FCF 見通し 30 億ドルに対し時価総額 約 465 億ドルで利回り 6.5%。国債の 5% を上回り、ここまでは安全域がある。利益ベースの式では、k 7.75%・g 4%・ROE 17% の上限 18.1 倍の 8.5 割、15.4 倍を 2035 年の純利益 38 億ドルに掛けて今の時価総額の 1.26 倍。ただし k − g が 3.75% と小さく、k が 1 ポイント上がれば上限は約 15 倍まで縮む。結論の大きさは割引率への依存が強い。結論の大きさは割引率への依存が強い。
資本配分は中程度。統合後は負債返済を優先し評価できる。一方、のれんが自己資本の大半を占め、固定価格の開発契約の損失(SMS)と、高値での自社株買い(2021 年の 37 億ドル)は割り引く。予測のしやすさは中程度で、受注残 420 億ドルは売上の約 1.8 年分と見えやすいが、利益率は契約の見積り(EAC)で揺れる。確信度は中程度。
何で稼ぐ会社か
SMS(2025 年の組み替え推定で売上 約 109 億ドル・利益率 約 10%)は、ミサイル警戒・追尾の衛星(宇宙開発庁の追尾層)、軍用衛星のセンサー、空中の情報収集機・電子戦機の改修、海軍の水中・水上システム、宇宙のデータ中継を作る。利益率は 10% 前後と薄く、固定価格の開発契約の損失(衛星・海軍の艦載機器)が収益のばらつきの源。2026 年 4〜6 月期は前年にあった製品ラインの売却益が無く 9.8% に下がった。
CSD(同 75 億ドル・約 25%)は、ハリス製の戦術無線機(AN/PRC-117G・152・163 などの携帯型・車載型)、電子戦、暗視装置、航空機の通信を持つ。米陸軍・海兵隊・同盟国が顧客で、波形(通信方式)の認証と互換性が切り替えの壁になり、国際売上が増えている。投資の簿価益を含む 4〜6 月期は 26.9%、基調は 24〜25%。
MSL(同 36 億ドル・約 12%)は旧エアロジェット・ロケットダイン。固体ロケットモーター(THAAD・PAC-3・スタンダード・ミサイル・GMLRS・ジャベリン・極超音速)、液体エンジン(SLS の RS-25)、軌道上推進を作る。2026 年 8 月に商業宇宙推進事業を売却して連結から外れる(利益の逆風)。国防総省が 10 億ドルを転換優先証券で出資し、カムデン・ハンツビル・オレンジの工場を拡張中。顧客は米国防総省と同盟国、主契約者(ロッキード・ノースロップ・RTX)である。
優良さと弱いところ
強みは 3 つ。第一に CSD の戦術無線機:波形・暗号・認証の資産が切り替えの壁で、利益率 25% を保つ。第二に MSL の固体ロケットモーター:量産の許認可・火薬・鋳造の設備が必要で、参入の壁が高い複占(L3ハリスとノースロップ)。需要が供給を上回り、国防総省が資金まで出す。第三に宇宙のセンサー:ミサイル警戒・追尾の赤外線センサーで実績がある。
弱みは、合併と買収の積み重ねで自己資本 196 億ドルの大半をのれんと買収無形資産が占めること。帳簿の ROE は 8% と低く、純利益の償却費が重い。SMS は固定価格の開発契約の損失が出やすく利益率は 10% 前後で、ロッキード・ノースロップと比べて特別に厚くはない。CSD は米陸軍の通信の再編(ネットワーク近代化)で、アンドゥリルやモトローラ(シルバス)など新興の電波装置・ソフト主導の企業に入札で取られうる。
経営は、2022 年にハリス・L3 の統合を終え、2023 年のエアロジェット買収後に自社株買いより負債の返済を優先した。2025 年は営業 CF 31 億ドル・FCF 27 億ドル、配当 9 億ドル・自社株買い 12 億ドル。資本効率はまずまずだが、買収の償却を除いた事業の利益率は競合並みである。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の国防は、2027 会計年度の要求が 1.5 兆ドル(基礎 約 1.15 兆ドル+調整予算 約 3,500 億ドル)まで膨らむ方向だが、調整予算は別の法案で成立は未定。L3ハリスの市場は、宇宙・ミサイル防衛・通信・電子戦・弾薬の 4 つで、いずれも予算の伸びが国防全体より速い。ゴールデンドーム(宇宙配備の迎撃体・センサー層)、PAC-3・THAAD・スタンダード・ミサイルの増産、軍の通信網の更新(米陸軍のネットワーク)が柱。
ミサイル弾薬は、国防総省が複数年の大型契約を結び、主契約者が下請けに生産能力の拡大を迫る構図で、MSL のような推進装置の供給元が最も恩恵を受ける。ただし競争も動いている:ノースロップが SRM 能力を倍増し、アンドゥリルは 450 エーカー超の新工場を持ち、ウルサ・メジャーも参入した。国防総省が 10 億ドルを出して L3ハリスの能力を 3 倍超にするのは、複占を維持しつつ供給不足を埋めるため。
宇宙は、宇宙開発庁の追尾層(トランシェ)や宇宙配備迎撃体で、スペース X・アンドゥリル・パランティアなど新興が割って入り、主契約者の独占が崩れる流れもある。通信・電子戦は、ウクライナ・中東の電子戦の教訓で需要が強いが、小型で安価なソフト無線機が増え、価格が下がる圧力もある。循環では、金利 5% の下で連邦の財政赤字が膨らみ、つなぎ予算・予算の凍結が分かれ目になる。
資本政策と M&A
還元は配当(年 約 9 億ドル、増配を続ける)と自社株買い(2025 年 11.5 億ドル)で、株式報酬(年 3.7 億ドル)の希薄化を引いた正味の還元は純利益の 9 割弱。2023 年のエアロジェット買収後は純負債を 124 億ドルから 102 億ドルへ減らした。
M&A は、買う側から売る側に回りつつある。2026 年 8 月に商業宇宙推進事業を売却し、MSL は国防総省の出資を受け、80% 超を保ったまま IPO で一部を市場に出す構想(2027 年半ばへ延期)。MSL の評価を市場で確かめつつ、得た資金で負債を減らす狙い。TOB を受ける規模ではない。年金は積立超過(2025 年初時点で資産が負債を約 7 億ドル上回る)なので、純負債に足さない(足すと、むしろ純負債は減る)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ミサイルの需要は構造的に変わった。ウクライナ・中東・台湾有事で米国の弾薬の在庫が減り、国防総省は THAAD・PAC-3・スタンダード・ミサイルなど十数品目の増産を複数年契約で進める。固体ロケットモーターは L3ハリスとノースロップの複占で、新興(アンドゥリル・ウルサ)が量産に達するまで 5 年はかかる。その間に MSL は国防総省の 10 億ドルで能力を 3 倍超にし、7 年の枠組み(将来売上 約 120 億ドル・利益 約 20 億ドル)に交渉中の 200 億ドル超が加わり、売上が年 15% 超で伸び、利益率も 14〜16% へ上がる。
CSD は戦術無線機の世界的な更新サイクルの最中で、国際売上が増えている(国際は売上の 23%)。電子戦は需要が強く、利益率 25% を保つ。SMS はミサイル警戒・追尾の衛星とゴールデンドームの宇宙センサーで宇宙開発庁の契約が増え、固定価格の損失が減って利益率が 11〜12% に上がる。償却が減るので純利益はさらに伸び、2035 年の純利益は 50 億ドルへ。自社株買いを続けて ROE も 22% 台に上がり、利益ベースの上限は 29 倍台になる。
慎重な見方
利益の質が低い。GAAP の営業利益率は 10.7% で、部門利益率 16% との差は買収の償却と本社費で、償却はキャッシュを生まないが、株主の取り分は GAAP の純利益 16 億ドルだけ。FCF 27 億ドルは純利益の 1.7 倍に見えるが、償却の戻しと運転資本に支えられている面がある。SMS の固定価格の開発契約(衛星・海軍)は損失の常連で、MSL は急拡大で設備投資と立ち上げ費用が重く、利益率 12% は枠組みの利益率 17% に届いていない。
競争は強まる。ノースロップが固体ロケットモーターの能力を倍増し、アンドゥリルは 450 エーカー超の工場を建て、ウルサ・メジャーも参入した。国防総省の 10 億ドルの出資は、L3ハリスのシェアを守る一方、複数供給元を育てる意図でもある。CSD ではシルバスを買ったモトローラ、アンドゥリル、RTX が米陸軍の通信の入札で安価なソフト無線機を持ち込み、利益率 25% は守れない。ゴールデンドームの宇宙は、新興がセンサー層を取り、主契約者の取り分が減る。予算は調整予算が成立せず、つなぎ予算で数量が減る。純負債 102 億ドルは金利 5% で借り換えると利払いが増える。
どちらに重みを置いたか
MSL の構造的な追い風(複数年契約・国防総省の出資・複占)は強く、ミサイルの増産は一時の話ではない。一方 CSD の競争と SMS の利益率の薄さは確かで、ゴールデンドームの宇宙は新興に割られる。強い方は強気だが、式の倍率が k に敏感なことを重く見て、確率はやや楽観・中立に寄せつつ悲観を 13% と厚く置いた(新興に取られ利益率が 9% 台に落ちる筋書き)。同じ領域の NOC・GD・LMT と並べ、中立の確率は 34〜38% に揃えた。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 289.06 ドル545 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 125.38 ドル236 億ドル)。 今の値に割り戻すと 223.35 ドル421 億ドル、今との差 −9.8%、 期待の年率 +5.3%(資本コスト 7.8%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 498.46 ドル939 億ドル | 159.77 ドル301 億ドル | +165.9% | +10.3% | 59.24 ドル112 億ドル |
| やや楽観 | 21% | 396.13 ドル746 億ドル | 145.97 ドル275 億ドル | +119.0% | +8.2% | 113.84 ドル214 億ドル |
| 中立 | 34% | 312.47 ドル589 億ドル | 133.23 ドル251 億ドル | +80.0% | +6.1% | 151.54 ドル285 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 181.37 ドル342 億ドル | 108.28 ドル204 億ドル | +17.0% | +1.6% | 66.62 ドル126 億ドル |
| 悲観 | 13% | 100.42 ドル189 億ドル | 78.03 ドル147 億ドル | −27.9% | −3.2% | 23.20 ドル44 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 289.06 ドル545 億ドル | 125.38 ドル236 億ドル | +67.4% | +5.3% | 414.44 ドル781 億ドル |
今の株価時価総額 247.55 ドル466 億ドル(2026-10-21)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 9% 楽観:ミサイル推進の複占が強まり売上 4,200 億ドル 利益 50 億ドル · PER 18.7 倍 · 株価時価総額 498.46 ドル939 億ドル
2035 年、国防予算は名目で年 6%(実質 2.5%)。ミサイル弾薬は 10 年で市場が約 2 倍になり、L3ハリスは複占を保ち 12% のシェア、MSL の固体ロケットモーターは売上 80 億ドル・利益率 16%。CSD は 126 億ドル・25.5%、SMS は 195 億ドル・12%(宇宙・ミサイル警戒の拡大と固定価格の損失の減少)。売上は合計 422 億ドル(2025 年の 1.9 倍・価格だけで 1.41 倍)、GAAP の営業利益 66.0 億ドル、純利益 50.3 億ドル。償却が終わり、自社株買いで ROE は 22% まで上がる。競合のノースロップ・アンドゥリルは参入するが市場が大きく、シェアは落ちない。
- 宇宙・ミッション・システムズ(SMS):数量 3,600(米国と同盟国の軍用宇宙・センサー・航空機の改修・海上システムの市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 5.4%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 195 億ドル・営業利益 24 億ドル。市場 3600 億ドル × シェア 3.85% × 価格 1.41 倍
- 通信・スペクトラム支配(CSD):数量 1,380(世界の軍用通信・電子戦・暗視(電子光学)の市場(億ドル。実質))× 価格 9.2%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 127 億ドル・営業利益 32 億ドル。市場 1380 億ドル × シェア 6.50% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:固体ロケットモーター・推進(MSL-SRM):数量 471(世界のミサイル・弾薬向けの推進装置・構成部品(固体ロケットモーター)の市場(億ドル。実質))× 価格 16.9%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 80 億ドル・営業利益 13 億ドル。市場 471 億ドル × シェア 12.00% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:液体エンジン・宇宙推進(MSL-LQ):数量 143(世界の軍民宇宙向けの液体エンジン・軌道上推進の市場(億ドル。実質))× 価格 14.1%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 20 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 143 億ドル × シェア 10.00% × 価格 1.41 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 22.7%(この筋書きの純利益 50.3 ÷ 自己資本 222 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.8%(基本 8.0% + quality -0.2%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 15.2%(堀は普通:固体ロケットモーターの複占はあるが、通信は新興との競争、宇宙は固定価格契約の損失があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=宇宙・通信・ミサイル推進の防衛需要の数量(実質年 1.5〜2%)+ 契約価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=19.7 倍に対し、95% の 18.7 倍に置いた(弾薬の増産が前倒しされ固体ロケットモーターが急伸する筋書き。固定価格の損失リスクが残るので 9.5 割)。時価総額=純利益 50.3 億ドル × 18.7 倍=939 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:複占の強化と予算の追い風がそろう筋書き。MSL の複占は強いが、新興の参入も確かなので 9%。
やや楽観 21% やや楽観:MSL の拡張が計画どおり進み償却が減る 利益 44 億ドル · PER 17.0 倍 · 株価時価総額 396.13 ドル746 億ドル
2035 年、MSL の拡張(2030 年に能力 3 倍超)が計画どおり進み、固体ロケットモーターは 71 億ドル・利益率 15%、市場は 10 年で 1.9 倍。CSD は 120 億ドル・24.5%、SMS は 187 億ドル・11.5%。売上は合計 396 億ドル、GAAP の営業利益 58.3 億ドル、純利益 43.9 億ドル。競合ではノースロップと並んで複占を守り、アンドゥリルが少し取るが、国防総省の支援で能力が足りなくなることはない。固体ロケットモーターの市場が広がるぶん、複数の供給元が育っても取り分は目減りしにくい。ゴールデンドームの宇宙のセンサー層は主契約者との共同で一部を取る。償却が減り、純負債は返済が進んで利払いも軽くなる。
- 宇宙・ミッション・システムズ(SMS):数量 3,540(米国と同盟国の軍用宇宙・センサー・航空機の改修・海上システムの市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 5.3%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 187 億ドル・営業利益 22 億ドル。市場 3540 億ドル × シェア 3.75% × 価格 1.41 倍
- 通信・スペクトラム支配(CSD):数量 1,356(世界の軍用通信・電子戦・暗視(電子光学)の市場(億ドル。実質))× 価格 8.8%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 120 億ドル・営業利益 29 億ドル。市場 1356 億ドル × シェア 6.25% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:固体ロケットモーター・推進(MSL-SRM):数量 437(世界のミサイル・弾薬向けの推進装置・構成部品(固体ロケットモーター)の市場(億ドル。実質))× 価格 16.2%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 71 億ドル・営業利益 11 億ドル。市場 437 億ドル × シェア 11.50% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:液体エンジン・宇宙推進(MSL-LQ):数量 138(世界の軍民宇宙向けの液体エンジン・軌道上推進の市場(億ドル。実質))× 価格 13.4%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 18 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 138 億ドル × シェア 9.50% × 価格 1.41 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 19.7%(この筋書きの純利益 43.9 ÷ 自己資本 223 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.8%(基本 8.0% + quality -0.2%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 13.7%(堀は普通:固体ロケットモーターの複占はあるが、通信は新興との競争、宇宙は固定価格契約の損失があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=宇宙・通信・ミサイル推進の防衛需要の数量(実質年 1.5〜2%)+ 契約価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=18.9 倍に対し、90% の 17.0 倍に置いた(受注残が売上に変わり利益率が上がる筋書き)。時価総額=純利益 43.9 億ドル × 17.0 倍=746 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:MSL の拡張が計画どおり進み償却も減る。21%。
中立 34% 中立:市場は実質年 1.5%、シェア微減、GAAP の利益率 14% 利益 38 億ドル · PER 15.4 倍 · 株価時価総額 312.47 ドル589 億ドル
2035 年、国防予算は名目で年 5%(実質 1.5%)、価格は物価並みの 1.41 倍。売上は合計 372 億ドル(SMS 179・CSD 114・MSL の固体ロケットモーター 62・液体エンジン 17)。ミサイルの市場は弾薬の増産で 10 年に 1.75 倍、L3ハリスのシェアは 10.7% から 11.0% でほぼ横ばい(ノースロップ・アンドゥリルの参入と能力の 3 倍超が相殺)。CSD は新興に押されシェア 6.3% から 6.0%・利益率 23.5%、SMS は 11%。GAAP の営業利益 51.5 億ドル(償却の減少で利益率 14%)、純利益 38.3 億ドル。競合と照らすと、ミサイル推進はノースロップと並ぶ強い複占、通信は寡占の中の 1 社として 20% 台前半の利益率を保つ。
- 宇宙・ミッション・システムズ(SMS):数量 3,480(米国と同盟国の軍用宇宙・センサー・航空機の改修・海上システムの市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 5.1%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 179 億ドル・営業利益 20 億ドル。市場 3480 億ドル × シェア 3.65% × 価格 1.41 倍
- 通信・スペクトラム支配(CSD):数量 1,344(世界の軍用通信・電子戦・暗視(電子光学)の市場(億ドル。実質))× 価格 8.5%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 114 億ドル・営業利益 27 億ドル。市場 1344 億ドル × シェア 6.00% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:固体ロケットモーター・推進(MSL-SRM):数量 402(世界のミサイル・弾薬向けの推進装置・構成部品(固体ロケットモーター)の市場(億ドル。実質))× 価格 15.5%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 62 億ドル・営業利益 9 億ドル。市場 402 億ドル × シェア 11.00% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:液体エンジン・宇宙推進(MSL-LQ):数量 132(世界の軍民宇宙向けの液体エンジン・軌道上推進の市場(億ドル。実質))× 価格 12.7%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 17 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 132 億ドル × シェア 9.00% × 価格 1.41 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 17.1%(この筋書きの純利益 38.3 ÷ 自己資本 224 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.8%(基本 8.0% + quality -0.2%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 12.4%(堀は普通:固体ロケットモーターの複占はあるが、通信は新興との競争、宇宙は固定価格契約の損失があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=宇宙・通信・ミサイル推進の防衛需要の数量(実質年 1.5〜2%)+ 契約価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=18.1 倍に対し、85% の 15.4 倍に置いた(固体ロケットモーターの複占という堀と予算の見通しの良さはあるが、利益率は 10% 台で薄い)。時価総額=純利益 38.3 億ドル × 15.4 倍=589 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:市場は実質で伸びるがシェアは微減、利益率は GAAP で 14%。最も起きやすい 34%(領域の中立 33〜38% に揃えた)。
やや悲観 23% やや悲観:新興に取られ利益率 11% 台へ 利益 27 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 181.37 ドル342 億ドル
2035 年、新興に取られる。MSL の固体ロケットモーターはシェア 10%(アンドゥリル・ウルサ・ノースロップが拡大)、利益率 11.5%・売上 49 億ドル。CSD はソフト無線機の価格下落でシェア 5.6%・利益率 21.5%、SMS は固定価格の損失が続き 10%。売上は合計 326 億ドル、GAAP の営業利益 38.7 億ドル、純利益 27.4 億ドル。価格は物価並みだが、数量とシェアが負け、ROE は 12% に落ちる。競合の名前で言えば、ノースロップが固体ロケットモーターで同等の能力を持ち、アンドゥリルが戦術ミサイル向けで食い込み、通信ではモトローラとアンドゥリルが米陸軍の入札を分け合う。主契約者(ロッキード・RTX)が推進装置を内製に寄せる動きも出る。
- 宇宙・ミッション・システムズ(SMS):数量 3,300(米国と同盟国の軍用宇宙・センサー・航空機の改修・海上システムの市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 4.9%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 163 億ドル・営業利益 16 億ドル。市場 3300 億ドル × シェア 3.50% × 価格 1.41 倍
- 通信・スペクトラム支配(CSD):数量 1,272(世界の軍用通信・電子戦・暗視(電子光学)の市場(億ドル。実質))× 価格 7.9%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 100 億ドル・営業利益 22 億ドル。市場 1272 億ドル × シェア 5.60% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:固体ロケットモーター・推進(MSL-SRM):数量 345(世界のミサイル・弾薬向けの推進装置・構成部品(固体ロケットモーター)の市場(億ドル。実質))× 価格 14.1%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 49 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 345 億ドル × シェア 10.00% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:液体エンジン・宇宙推進(MSL-LQ):数量 121(世界の軍民宇宙向けの液体エンジン・軌道上推進の市場(億ドル。実質))× 価格 11.3%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 14 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 121 億ドル × シェア 8.00% × 価格 1.41 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 12.2%(この筋書きの純利益 27.4 ÷ 自己資本 224 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.8%(基本 8.0% + quality -0.2%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 10.0%(堀は普通:固体ロケットモーターの複占はあるが、通信は新興との競争、宇宙は固定価格契約の損失があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=宇宙・通信・ミサイル推進の防衛需要の数量(実質年 1.5〜2%)+ 契約価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=16.0 倍に対し、78% の 12.5 倍に置いた(固定価格契約の損失と通信の競争で利益が減る筋書き)。時価総額=純利益 27.4 億ドル × 12.5 倍=342 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:新興と主契約者の内製化で MSL のシェアが落ち、通信の競争で利益率が 11% 台へ。23%。
悲観 13% 悲観:固体ロケットモーターが 3〜4 社に広がり通信も取られる 利益 17 億ドル · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 100.42 ドル189 億ドル
2035 年、構造的な負け。固体ロケットモーターは 3〜4 社が量産でき、国防総省が分散調達に切り替えて L3ハリスのシェアは 8.5%、利益率 9%・売上 36 億ドル。CSD は新興に入札で負けてシェア 5.2%・利益率 19%、SMS は 8%。売上は合計 286 億ドル、GAAP の営業利益 26.2 億ドル、純利益 16.6 億ドル。のれんの一部(約 30 億ドル)を減損し、自己資本は 199 億ドル。もう防衛の優良企業ではなく、普通の主契約者になっている。競合の名前で言えば、固体ロケットモーターはノースロップ・アンドゥリル・ウルサ・メジャーが量産でき、価格が競争入札で下がり、通信は新興のソフト無線機が主流になる。ゴールデンドームでも宇宙のセンサー層の取り分が小さい。
- 宇宙・ミッション・システムズ(SMS):数量 3,150(米国と同盟国の軍用宇宙・センサー・航空機の改修・海上システムの市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質))× 価格 4.8%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 151 億ドル・営業利益 12 億ドル。市場 3150 億ドル × シェア 3.40% × 価格 1.41 倍
- 通信・スペクトラム支配(CSD):数量 1,200(世界の軍用通信・電子戦・暗視(電子光学)の市場(億ドル。実質))× 価格 7.3%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 88 億ドル・営業利益 17 億ドル。市場 1200 億ドル × シェア 5.20% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:固体ロケットモーター・推進(MSL-SRM):数量 299(世界のミサイル・弾薬向けの推進装置・構成部品(固体ロケットモーター)の市場(億ドル。実質))× 価格 12.0%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 36 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 299 億ドル × シェア 8.50% × 価格 1.41 倍
- ミサイル・ソリューションズ:液体エンジン・宇宙推進(MSL-LQ):数量 110(世界の軍民宇宙向けの液体エンジン・軌道上推進の市場(億ドル。実質))× 価格 9.9%(L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 110 億ドル × シェア 7.00% × 価格 1.41 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 8.3%(この筋書きの純利益 16.6 ÷ 自己資本 199 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.8%(基本 8.0% + quality -0.2%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 8.0%(堀は普通:固体ロケットモーターの複占はあるが、通信は新興との競争、宇宙は固定価格契約の損失があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=宇宙・通信・ミサイル推進の防衛需要の数量(実質年 1.5〜2%)+ 契約価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=13.4 倍に対し、85% の 11.4 倍に置いた(固体ロケットモーターが 3〜4 社に広がり通信も取られる筋書き)。時価総額=純利益 16.6 億ドル × 11.4 倍=189 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:構造的な負け。固体ロケットモーターが 3〜4 社に広がり、CSD が取られ、のれんの減損も出る。NOC 14%・LMT 12% と揃えて 13%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
宇宙・ミッション・システムズ(SMS)
軍用衛星・ミサイル警戒・追尾センサー、空中の情報収集機の改修、海中・水上の電子システム、宇宙のデータ中継。2026 年見通し 約 117 億ドル。
| 数量米国と同盟国の軍用宇宙・センサー・航空機の改修・海上システムの市場(億ドル。2025 年の価格に換算した実質) | 価格L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3,000 | 3.6% | 109 | 11 |
| 10 年後 中立 | 3,480 | 5.1% | 179 | 20 |
取り方:2025 年の組み替え推定:売上 109 億ドル(部門間除外後)・部門営業利益 約 10.9 億ドル(利益率 10%)。2026 年見通し 約 117 億ドル(+7%)で、4〜6 月期は売上 29.7 億ドル(+7%)・利益率 9.8%(前年は製品ラインの売却益があり、今期は無い)。市場は LMT の宇宙(1,500 億)とミッションシステム(一部)に近い領域を合わせた約 3,000 億ドル(推定)にシェア 3.6%。競合:ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマン、RTX(レイセオン)、ボーイング、スペース X、アンドゥリル。
通信・スペクトラム支配(CSD)
戦術無線機(ハリス製の携帯型・車載型)、電子戦、暗視装置、航空機の通信、スペクトラム(電波)領域の防衛。2026 年見通し 約 80 億ドル、利益率 25% 前後。
| 数量世界の軍用通信・電子戦・暗視(電子光学)の市場(億ドル。実質) | 価格L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,200 | 6.3% | 75 | 19 |
| 10 年後 中立 | 1,344 | 8.5% | 114 | 27 |
取り方:2025 年の組み替え推定:売上 75 億ドル・部門営業利益 約 18.8 億ドル(25%)。2026 年見通し 約 80 億ドル。4〜6 月期は売上 19.4 億ドル(+4%)・利益率 26.9%(国際売上の増加と投資益を含み、基調は 24〜25%)。市場は軍用通信・電子戦・暗視の約 1,200 億ドル(推定)にシェア 6.3%。競合:RTX(コリンズ)、BAE システムズ、タレス、エルビット、モトローラ・ソリューションズ(シルバス買収)、アンドゥリル、ヴィアサット。
ミサイル・ソリューションズ:固体ロケットモーター・推進(MSL-SRM)
旧エアロジェット・ロケットダイン。THAAD・PAC-3・スタンダード・ミサイル・GMLRS・ジャベリンなどのミサイル用固体ロケットモーター、極超音速・ミサイル防衛の推進、戦術ミサイルの部品。MSL 約 41 億ドルのうち大半。
| 数量世界のミサイル・弾薬向けの推進装置・構成部品(固体ロケットモーター)の市場(億ドル。実質) | 価格L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 230 | 10.7% | 25 | 3 |
| 10 年後 中立 | 402 | 15.5% | 62 | 9 |
取り方:2025 年の組み替え推定:売上 24.5 億ドル・利益 約 2.9 億ドル(12%)。MSL 全体は 2026 年見通し 約 41 億ドル(+14%)で、4〜6 月期は売上 10.5 億ドル(+14%)・利益率 12.3%。市場は世界のミサイル・弾薬 約 2,000 億ドル(業界ノート)のうち推進装置・構成部品の約 230 億ドル(推定:その 1 割強)にシェア 10.7%。競合:ノースロップ・グラマン(複占)、アンドゥリル、ウルサ・メジャー。
ミサイル・ソリューションズ:液体エンジン・宇宙推進(MSL-LQ)
旧エアロジェット・ロケットダイン。SLS(宇宙打ち上げシステム)用の RS-25 液体エンジン、軌道上の推進、スラスター。商業宇宙推進事業は 2026 年 8 月に売却済みで含まない。
| 数量世界の軍民宇宙向けの液体エンジン・軌道上推進の市場(億ドル。実質) | 価格L3ハリスのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 110 | 9.5% | 11 | 1 |
| 10 年後 中立 | 132 | 12.7% | 17 | 2 |
取り方:2025 年の組み替え推定:売上 10.5 億ドル・利益 約 1.2 億ドル(11%)。RS-25(SLS)と軌道上推進が中心。市場は約 110 億ドル(推定)にシェア 9.5%。競合:ブルー・オリジン、スペース X、アリアングループ、ノースロップ(軌道上推進)。
リスクと懸念
予算の凍結・つなぎ予算
国防予算は財政赤字と金利 5% の利払いで頭打ちになりうる。2027 年度の 1.5 兆ドル案のうち調整予算 約 3,500 億ドルは別の法案で、成立しないと弾薬増産・ゴールデンドームの数量が減る。2011〜15 年の予算管理法では調達が実質で約 25% 減った。
固体ロケットモーターの競争
ノースロップが能力を倍増し、アンドゥリルが 450 エーカー超の新工場、ウルサ・メジャーも参入している。複占が 3〜4 社に広がると、MSL のシェアと利益率(枠組みの 17% 想定)が下がる。国防総省は複数供給元を育てる方針で、10 億ドルの出資は L3ハリスのシェアを守る保証ではない。
MSL の拡張の実行
生産能力を 3 倍超にする計画(2030 年)は、新工場・自動化鋳造ラインの立ち上げ費用と品質問題のリスクが大きい。固定価格の契約が多く、費用が超過すると損失が出る。IPO は 2027 年半ばに延期され、国防総省の転換優先証券は将来の持ち分の希薄化にもなる。
通信(CSD)の価格・シェアの圧力
米陸軍が通信を再編する中で、モトローラ(シルバス)・アンドゥリル・RTX が安価なソフト無線機と新しい入札で攻め、25% の利益率が下がる恐れ。2026 年 4〜6 月期の 26.9% は投資益を含み基調は 24〜25%。部門利益の約半分を占めるので、利益への影響が最も大きい。
固定価格の開発契約の損失(SMS)
宇宙・海軍の固定価格契約で見積りの悪化(EAC)が出ると損失を一括計上する。ボーイング・ノースロップの B-21 のような例が業界にある。SMS の利益率 10% 前後に対し、1 契約の損失が数 % の利益率を一年で削りうる。
資本効率と償却の重さ
自己資本 196 億ドルの大半がのれんと買収無形資産で、帳簿の ROE は 8%。GAAP の営業利益は部門利益より 11 億ドル前後低く、償却が減るのは 2030 年代。純負債 102 億ドルは金利 5.75% の借り換えで利払いが増える。
ゴールデンドームの宇宙の取り分
宇宙配備の迎撃体・センサー層は、宇宙軍が 12 社に分けて契約している。L3ハリスは追尾・センサーに強いが、主契約者はロッキード・ノースロップ・スペース X・アンドゥリルなどになり、取り分が想定より小さい可能性がある。
今後の分かれ目
- 調整予算(約 3,500 億ドル)が成立し、弾薬 12 品目の複数年契約が追加される
- MSL の売上が年 15% 超で伸び、固体ロケットモーターの利益率が 14% 以上へ。楽観・やや楽観の確率が上がり、10 年の純利益は 44〜50 億ドルの域へ。
- ノースロップ・アンドゥリルの固体ロケットモーターが量産に乗り、国防総省が調達を複数社に割る
- MSL のシェアが 11% から 8% 台へ下がり、価格交渉力が弱まる。やや悲観・悲観の筋書き(純利益 17〜27 億ドル)に近づく。
- 米陸軍が通信の入札で L3ハリスの無線機を外し、アンドゥリルなどに主力を移す
- CSD の利益率が 25% から 19% へ下がり、全体の純利益が 3〜4 億ドル減る。倍率も ROE の低下で縮む。
- MSL の IPO が 2027 年半ばに実現し、評価が高く付く
- 80% 超の持ち分を保ったまま市場評価が確かめられ、純負債を返済できる。本質価値の計算には入れないが、市場の見方の上振れ材料。
- つなぎ予算が長期化し、国防予算が実質で 10% 減る
- SMS・CSD の数量が減り、悲観に近づく。固定費が重く部門利益率が 4〜5 ポイント下がる。固定費が重く部門利益率が 4〜5 ポイント下がる。
- SMS の固定価格契約で大きな見積りの悪化が出る
- 1 年の営業利益が 5 億ドル前後減り、SMS の利益率が 6% 台へ。ただし 1 回限りなら確率の見直しにとどまる。
見ておくもの
- MSL の四半期の売上の伸びと利益率(高 10 代の成長・12% 台からの上昇)
- 国防総省の弾薬の複数年契約(THAAD・PAC-3・スタンダード・ミサイルの追加と、交渉中の 200 億ドル超)
- 調整予算の成立と 2027 年度の国防予算の成立の形
- 米陸軍の通信の入札・ネットワーク再編での CSD の落札
- ゴールデンドームの契約で L3ハリスが得る宇宙センサー・追尾の取り分
- ノースロップ・アンドゥリルの固体ロケットモーターの量産の立ち上がり
- 純負債の水準(102 億ドルからの返済)と年金の積立状況
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(約 465 億ドル)や PER 29 倍を見る前に、4 つのセグメント(SMS・CSD・MSL の固体ロケットモーター・MSL の液体エンジン)ごとに市場 × シェア × 価格指数で売上を積み、部門の利益率と償却・本社費(GAAP)、利払いから 2028 年・2035 年の純利益を出した。倍率は利益ベースの正当化 PER((1−g÷RONIC)÷(k−g)、k 7.75%=基本 8.0% + quality −0.25%、g 4%、RONIC=k+1/2×(事業の ROE−k)、moat 普通)の内側に、上限の 7.8〜9.5 割(10 年の中立は上限 18.1 倍の 8.5 割で 15.4 倍)で置いた。固体ロケットモーターの複占と予算の見通しの良さはあるが、利益率は 10% 台で薄く、固定価格の損失リスクが残る。同じ領域の防衛の主契約者(NOC・LMT・RTX・LDOS)と上限の割合(8〜8.5 割)を揃えた。結果はやや割高で、割引率への依存は buffett に書いた。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 5% + β 0.66 × 5%。k=基本 8.0% + quality −0.25% = 7.75%。防衛需要と受注残の厚さによる安定を −0.25% で認めた。予算の凍結・固定価格契約の損失・新興の台頭・ゴールデンドームの競争などの個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率(悲観 13%)で表した。純負債は小さく、上乗せは置かない。