結論
G-FACTORYは、飲食店の出店に必要な物件や設備を手配し、自らも「名代 宇奈とと」などの飲食店を営む会社である。不動産開発会社というより、飲食店の開業と運営に必要なものを束ねる事業者と見る方が実態に近い。筆者の結論は「割高」である。継続課金に近い収益源は育っているが、全社の利益を長く株主に残せることがまだ証明されていない。
評価できるのは経営サポート事業だ。2025年12月期には同事業で30.26億円を売り上げ、4.58億円の営業利益を得た。そのうち会社が示すストック収益は25.22億円に達する。一方、飲食事業は34.39億円を売り上げながら営業利益が0.44億円にとどまり、本社費用5.73億円を差し引いた連結営業利益は赤字だった。売上高の成長と株主に帰属する利益の成長が結び付いていない。
将来の鍵は、ストック収益を増やすだけでなく、契約増加から生まれる追加の利益が本社費用や海外出店費用を上回るかどうかだ。ベトナムの飲食事業には伸びしろがあるが、国内の外食需要は成熟し、外国人材紹介には規制とAIエージェントによる代替が重なる。会社が2026年12月期に計画する黒字転換も、2026年上期時点では達成途上である。
さらに見過ごせないのが上場維持だ。2025年末の流通株式比率は24.8%で、25%の基準を下回った。2026年末までに改善できなければ、所定の審査を経て2027年7月1日に上場廃止となる可能性がある。これは現時点で上場廃止が決定したという意味ではない。事業価値と市場で売買できる株式の価値の双方を考えると、約38.3億円の現在の時価総額を正当化するには、継続収益の拡大に加えて相当な利益率改善が必要だ。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が最初に考えるべきことは、10年後も飲食店の開業を手伝う仕事が必要かどうかだ。答えは、おそらく必要だ。物件の所有者と借り手の利害を調整し、厨房設備を実際に用意し、契約後の不具合に対応する仕事はなくならない。継続して家賃やサービス料が入る物件契約には、小さいながらも積み上がる事業の魅力がある。
次に問うべきことは、その利益が本当に株主のものになるかだ。2025年の経営サポート事業には4億円を超えるセグメント利益があった。それでも連結では赤字となった。事業を大きくするために本社組織や海外店舗を増やし、そこに利益を再投資しても資本コストを上回れないなら、成長は株主の豊かさにつながらない。売上高の伸びを評価する前に、追加契約や追加店舗からいくらの自由な現金が生まれたかを確認したい。
この会社が持つ現金も、見た目ほど自由ではない。2025年末は純有利子負債がマイナスで、数字上は純現金だった。しかし転貸物件の保証金、店舗の賃貸借、家賃の支払義務があり、契約を維持するための運転資金が必要になる。帳簿上の現金を丸ごと少数株主の資産として評価することはできない。毎年の減価償却費も現金支出そのものではないが、設備や店舗を更新する際には、物価と工事費の上昇によって再投資額が膨らむ。
最も気になるのは、事業を評価する以前に、長く上場株主でいられるかという問題だ。上場維持の条件を満たせなければ、事業が存続しても株式の売買環境は大きく変わる。これは株主にとって無視できない不確実性である。堀が広がり、利益率が改善し、還元が定着する道はある。しかし現在の価格に十分な安全域があるとは考えにくい。将来の経営改善を期待することと、その成功を先に高く買うことは別の判断だ。
何で稼ぐ会社か
収益の柱は、飲食店向けの経営サポートと直営・ライセンスによる飲食事業の二つである。経営サポートでは、店舗物件を借りて飲食店に転貸するサブリース、物件と設備をまとめて手配する「まるごとサポート」、厨房設備のリース支援、外国人材の紹介などを提供する。飲食店は開業資金と物件探しの負担を減らせる一方、同社は契約時の手数料だけでなく、契約期間にわたる賃料やサービス料を受け取る。
サブリースには独特の経済性がある。契約が続く間は売上が積み上がり、物件所有者との交渉や設備の再利用も事業の一部になる。ただし売上には物件所有者へ支払う賃料に対応する部分が大きく、売上高そのものを利益や自由に使える現金と同一視できない。借り手が退店しても、元の賃貸借契約が残れば家賃負担は止まらない。ストック収益の安定性と、空室・滞納時の固定的な支払い義務は表裏一体だ。
飲食事業は、手頃な価格で鰻を提供する「名代 宇奈とと」と、高単価の焼鳥・日本料理・イタリアンなどのレストランに分かれる。2025年末の店舗は、国内の宇奈とと直営19店、国内レストラン23店、海外直営13店で、国内外のライセンス店も64店ある。ライセンス収益は食材卸売りやロイヤルティからなるが、会社はまだ金額的重要性が小さいとして直営店収益と合算している。したがって、ライセンス店数の伸びをそのまま高収益な加盟店ビジネスの拡大と評価するのは早い。
海外ではベトナムとシンガポールが重要だ。2026年上期のベトナム事業は前年同期比で売上を39.2%伸ばし、会社はその運営方法を他国へ展開する構想を示した。ただし、シンガポールでは赤字解消が課題であり、同じ和食業態でも立地、人件費、家賃、客単価が異なる。日本で培った店舗運営ノウハウが海外でも利益を生むかは、国ごとに確認する必要がある。
2025年の売上64.65億円の内訳は、経営サポート30.26億円、飲食34.39億円である。以下の数量モデルでは、前者を継続収益、物件関連の一時収益、人的支援等に分け、後者を国内宇奈とと、国内レストラン、海外飲食に分けた。開示のない契約件数や細分類別利益は推計と明示し、会社が公表した数値と混同しない。
優良さと弱いところ
この会社にある最も確かな強みは、飲食店の出店と退店という現実の仕事に入り込んでいることだ。店舗物件の探索、家主との契約、設備の手配、原状回復は、情報を表示するだけでは完了しない。契約が続けば賃料とサービス料も入るため、新規営業だけに頼らない収益源ができる。2021年から2025年にかけて会社公表のストック収益が増加した事実は、この仕組みの有効性を示している。
しかし、継続収益があることと、競争上の堀が強いことは別だ。飲食店向け物件転貸にはテンポイノベーションなどの競合があり、同社の公表する2026年3月末の転貸借物件は2,706件に達する。G-FACTORYには、競争相手を圧倒する物件数、解約率の低さを示す数値、価格改定によって顧客単価を大きく上げた実績が十分には開示されていない。顧客の切り替えには手間がかかるが、それだけで長期の超過収益を保証できない。
資本効率の推移は厳しい。2015年から2017年には高い営業利益率を示したものの、事業を広げた後は連結赤字の期が目立つ。直近の2023年から2025年は3期続けて最終赤字となり、2025年末の自己資本は11.6億円、自己資本比率は29.3%だった。売上が増えても、店舗の減損や本社費用が利益を消してしまえば、追加投資の利回りは株主の要求収益率に届かない。
2024年には約4.19億円、2025年には約1.08億円の固定資産減損を計上した。これらは飲食店などへの過去の投資が期待どおりの利益を生まなかった具体的な証拠である。今後の新規出店や買収は、売上増加ではなく、投じた資本に対する利益と現金回収で判定すべきだ。ブランド、店舗運営力、物件ネットワークに一定の価値は認めるが、全社としての堀は弱いと判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の外食市場は巨大だが、成熟している。会社の事業計画が引用する経済センサスでは、飲食店の事業所数は約55.6万に上る。新規出店と退店が繰り返される限り、物件の紹介や設備の再利用には一定の需要が残る。一方、人口減少、人手不足、原材料費の上昇が小規模店の経営を圧迫するため、店舗数全体が長期に増え続けるとは考えにくい。
物件転貸の競争相手には、テンポイノベーションを中心とする店舗専門の事業者、不動産仲介会社、内装施工会社、居抜き物件のマッチングサービスがある。テンポイノベーションは2026年3月期の年間成約607件を公表しており、仲介業者との関係と既存物件の蓄積が営業上の武器になっている。G-FACTORYの推計契約数はそれより小さく、全国の飲食店という巨大な母集団に対する浸透率も低い。市場には拡大余地があるが、競合が同時に狙える市場でもある。
国内の飲食事業では、名代宇奈ととの価格帯に牛丼、定食、うどん、持ち帰り弁当などの選択肢が並ぶ。鰻という商品には差別化の余地があるが、原材料の調達条件が厳しくなれば、値上げと客数減少の板挟みになる。高単価レストランは料理人の腕前や店舗体験が価値を生むものの、人材への依存が強く、チェーンのように同じ利益率で店舗数を増やすことは難しい。中立では国内の実質的な店舗需要をほぼ横ばいとし、売上の名目成長は主として単価の上昇から得る。
海外の日本食市場も、成長一辺倒ではない。農林水産省によれば、世界の日本食レストランは2025年に約18.1万店で、2023年の約18.7万店から減った。地域ごとの差が大きく、アジア全域を一つの成長市場として扱うのは危険だ。ベトナムの好調は評価するが、シンガポールや今後の進出先でも利益を再現できるかが重要になる。
外国人材紹介には政策リスクが加わった。2026年上期の会社資料は、外食業の特定技能人材の新規受入停止を受け、食品加工、介護、宿泊などへ対象を広げる方針を示している。さらに、人材紹介や研修、書類作成、顧客対応の一部はAIエージェントによる省力化が進む。実際の店舗、物件、料理はAIだけでは置き換えられないが、人的サービスを従来どおりの人数と単価で売り続けられる保証はない。
資本政策と M&A
資本配分で評価すべき成果は、経営サポート事業の継続収益を着実に増やしたことだ。2025年のストック収益25.22億円は2016年の12.04億円から増加しており、物件契約の積み上げには再現性がある。会社は2026年から2028年にかけてストック収益を年率約11%伸ばす方針を掲げている。ただし、この目標がそのまま連結利益の成長目標になるわけではない。
一方、過去のレストラン事業への投資については慎重な評価が必要だ。M.I.Tの買収などでブランドの幅を広げ、海外にも進出したが、2024年から2025年にかけて固定資産の減損が続いた。2025年の営業キャッシュフローも小幅なマイナスであり、利益が出ていない段階で拡大投資を続ければ資金の余裕は細る。新店の売上ではなく、店舗ごとの投資回収期間と減損の再発有無を見なければならない。
2026年12月期の会社予想は売上69億円、営業利益0.66億円、最終利益0.34億円である。経営サポートのセグメント利益4.69億円、飲食の同利益1.73億円を見込むが、本社費用が残るため全社の営業利益率は約1%にとどまる。事業計画には2028年のストック収益成長率という数字はあるものの、同年の連結売上高、営業利益、ROEについて明確な数値目標は見当たらない。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額についても継続的な数字の約束なしと判断する。
株主還元は安定した高配当政策とはいえない。2022年には配当があり、その後無配の期を経て2025年は配当を実施した。100株以上の株主には年3,000円相当の食事券を提供するが、これは現金配当と違い、使える店舗や利用条件に制約がある。将来の還元は黒字化と資金繰りを優先し、利益が減れば減るものとして評価した。
上場維持の問題も資本政策そのものだ。創業者と関係者の保有比率が高く、会社は流通株式比率を改善するために役員等の持株売却を予定している。短期的には売り圧力になりうるが、株式の流通性を改善する必要もある。さらに、東証グロース市場の時価総額基準は2030年から100億円へ引き上げられる。現在の時価総額とは大きな開きがあり、少数株主にとって上場継続の見通しは長期評価の核心となる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
この会社の価値は、現在の最終赤字だけでは測れない。経営サポート事業のストック収益は着実に拡大しており、2016年の12.04億円から2025年には25.22億円になった。サブリース契約は一度成立すれば継続的な収入につながる。物件数が増えるほど不動産会社や設備業者との接点が増え、飲食店の出店希望者を集めやすくなる。契約数の増加と営業効率の改善が同時に進めば、現在の大きな本社費用を吸収できる。
飲食事業も、2025年の利益率だけで将来を決め付けるべきではない。会社は不採算店舗の整理を進め、2026年には国内飲食の採算回復を計画した。ベトナムでは2026年上期に売上が前年同期比39.2%増えた。鰻、焼鳥、日本料理という日本食の品ぞろえを持ち、現地で料理人を育てられるなら、海外の店舗展開は単なる輸出よりも高い付加価値を生みうる。
また、物件の転貸や厨房設備の提供はAIで代替できる作業ではない。人材紹介や事務作業をAIで効率化できれば、むしろ固定費の削減に役立つ可能性がある。2026年の会社計画どおり黒字に戻り、その後も高収益の物件契約を積み上げられれば、現在の利益からは想像しにくい収益力に達する余地がある。上場維持についても、必要な流通株式比率との差は小さく、関係者の持株売却によって解決できる可能性が十分にある。
慎重な見方
ストック収益の伸びは事実だが、株主に残る利益は伸びていない。2025年には経営サポート事業で4.58億円を稼いでも、飲食事業の薄い利益と本社費用によって連結赤字となった。2023年から2025年まで最終赤字が3期続き、自己資本も減少した。事業拡大に伴う人員増、外国人材紹介への先行投資、海外店舗の開設が続けば、売上を増やしても利益が増えない構造が残る。
サブリースは無条件に安全な継続収益ではない。契約先の飲食店が退店した後も物件所有者への家賃支払いが残り、保証金の返還や原状回復に資金が必要になることがある。外食市場の競争は厳しく、テナントの倒産が重なれば物件の空室期間も長くなる。物件を増やすほど、好況時には収入が積み上がる一方、不況時には固定的な約束も積み上がる。
外国人材紹介も新たな成長の柱として過大評価できない。外食業向け特定技能人材の受入規制が事業環境を変え、別業界への進出には追加の営業費用が必要だ。人材の照合、書類作成、研修といったサービスにはAIエージェントが入り込み、人の作業時間に基づく料金は長期に圧迫されうる。店舗運営では人件費、鰻の仕入価格、家賃が上がり、海外展開では為替を固定しても現地の競争や人材確保が残る。
そして上場維持リスクは、長期保有を考える株主には決定的な問題である。流通株式比率の改善には2026年末という期限があり、基準に適合できない場合の上場廃止予定日まで明示されている。加えて2030年以降の時価総額100億円基準は現在の規模を大きく上回る。事業の再建に成功しても、少数株主がその成果を上場市場で実現できるとは限らない。
どちらに重みを置いたか
物件契約から得られる継続収益には実体があり、事業そのものが10年後に不要になるとは考えない。ただし、それが全社の高いROEにつながる証拠はまだ弱い。過去3期の最終赤字、飲食事業の減損、本社費用の重さに加え、流通株式比率の改善期限と将来の時価総額基準が少数株主の不確実性を大きくしている。したがって確率は上側22%、中立32%、下側46%と慎重な方向へ寄せた。AIエージェントによる業務縮小は該当セグメントの数量と長期成長率に織り込み、確率では主として上場維持、資本配分、利益回復の失敗という別の危険を評価した。現在の時価総額に対する結論は明確に割高である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 421 円28 億円(+ 還元の換算額還元の合計 38 円2 億円)。 今の値に割り戻すと 216 円14 億円、今との差 −63.2%、 期待の年率 −2.5%(資本コスト 8.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 2,221 円145 億円 | 125 円8 億円 | +299.0% | +15.5% | 188 円12 億円 |
| やや楽観 | 14% | 922 円60 億円 | 89 円6 億円 | +71.9% | +5.9% | 142 円9 億円 |
| 中立 | 32% | 217 円14 億円 | 31 円2 億円 | −57.9% | −8.7% | 79 円5 億円 |
| やや悲観 | 28% | 110 円7 億円 | 15 円1 億円 | −78.7% | −14.9% | 35 円2 億円 |
| 悲観 | 18% | 80 円5 億円 | 8 円1 億円 | −85.1% | −17.8% | 16 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 421 円28 億円 | 38 円2 億円 | −21.9% | −2.5% | 459 円30 億円 |
今の株価時価総額 588 円38 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 物件契約の集積と海外飲食の採算改善が両立 利益 10 億円 · PER 13.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,221 円145 億円
飲食店向け物件のサブリース契約が10年間で大きく積み上がる。物件所有者との関係が強まり、出店希望者に紹介できる物件の選択肢も増える。テンポイノベーションなどの競合が存在する中でも、居抜き物件と設備支援を一体で扱う利便性が評価され、収益性を保った契約拡大が続く。ストック収益の増加が固定費の伸びを上回り、本社費用を十分に吸収できるようになる。
国内の宇奈ととは出店場所を厳選し、原材料費の上昇を価格転嫁と厨房の効率化で吸収する。国内レストランは不採算店の整理を終え、少数の強いブランドへ集中する。ベトナムで得た店舗運営ノウハウがシンガポールや新たな東南アジア市場でも通用し、海外直営店は大幅に増える。店舗を増やすだけではなく、新店が実際に現金を稼ぐことが確認される。
人材紹介と研修ではAIによる代替が進むが、同社は人員増加に頼らず実際のマッチングに集中するため、案件数を過大には見込まない。成功の主役はあくまで物件契約と実店舗だ。上場維持に必要な流通株式比率を改善し、経営陣の資本配分も利益率と投資回収を重視するようになる。少数株主が継続的な利益と還元を受け取れる会社へ変わる。
- 経営サポート・継続収益:数量 1,100(年間稼働契約相当数(件・推計))× 価格 0.07(年間稼働契約1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 78 億円・営業利益 16 億円。稼働契約相当数2.20倍、年間単価1.41倍。物件ネットワーク拡大と管理効率化で営業利益率21%。物価3%の10年累積1.34倍を上回る単価は、契約内容の高度化と物件当たり付帯収益の増加が実現する場合に限定する。
- 経営サポート・出退店と設備の一時収益:数量 250(年間の物件・設備支援完了案件相当数(件・推計))× 価格 0.02(完了案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。物件・設備案件が拡大し、紹介コストが低下。
- 経営サポート・人材紹介、研修、その他支援:数量 240(年間支援案件相当数(件・推計))× 価格 0.02(支援案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替を受けても案件数は2025年相当を上限とし、単価は物価の範囲内で上昇。AIによる売上拡大実績が未確認のため案件増は想定しない。
- 飲食・国内「名代 宇奈とと」:数量 30.0(国内直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 1.12(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 34 億円・営業利益 2 億円。好立地への出店と価格転嫁、厨房運営の標準化が両立。
- 飲食・国内レストラン:数量 26.0(国内レストラン店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.73(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 19 億円・営業利益 1 億円。強いブランドへ集約し、高単価業態の採算が安定。
- 飲食・海外直営店:数量 38.0(海外直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.82(店舗年換算1単位当たり売上(億円・円換算・名目))→ 売上 31 億円・営業利益 3 億円。ベトナム方式の他国展開が成功し、海外店舗年換算数を約2.9倍へ。
倍率:k=8.25%、長期名目g=2%、弱い堀の超過収益残存割合1/3。2035年のROE=10.2÷43=23.7%、RONIC=8.25%+(23.7%-8.25%)÷3≈13.4%。正当化PER=(1-g÷RONIC)÷(k-g)≈13.61倍を採用する。強い利益回復でも、持続的な再投資利回りは競争によって薄まる。
確率:経営サポートの契約規模拡大、海外飲食の再現性、全社の大幅な営業利益率改善が同時に必要である。過去の減損と最終赤字を考えると達成難度は高いが、事業の伸びしろを無視しないため8%とした。
やや楽観 14% サブリースが成長し海外飲食も黒字の柱になる 利益 5 億円 · PER 13.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 922 円60 億円
経営サポート事業の稼働契約が着実に増える。物件所有者との関係が広がり、退店した物件を新しい借り手へつなぐ力が改善する。競合との価格競争は続くものの、物件と設備をまとめて提供する利便性によって一定の手数料を確保する。ストック収益が本社費用を支えるようになり、売上高の伸びよりも営業利益の伸びが大きくなる。
国内の宇奈ととは採算のよい店舗を中心に緩やかに広がり、国内レストランでは閉店とブランドの入れ替えを続ける。海外ではベトナムの成長が続き、シンガポール事業も赤字を解消する。新規店舗への投資が増えるため減価償却費と運転資金は増加するが、店舗利益がその負担を上回る。
人材紹介は政策変更とAIエージェントの影響で、従来型の案件数が減る。事務作業の効率化によって一定の利益は保てるが、会社全体の成長を担うほどにはならない。経営陣は大型買収よりも既存事業の採算改善を優先し、上場維持基準も満たす。成長と株主還元が徐々に両立する10年になる。
- 経営サポート・継続収益:数量 850(年間稼働契約相当数(件・推計))× 価格 0.07(年間稼働契約1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 58 億円・営業利益 11 億円。契約相当数1.70倍、単価1.35倍。管理効率の改善で営業利益率18.5%。
- 経営サポート・出退店と設備の一時収益:数量 220(年間の物件・設備支援完了案件相当数(件・推計))× 価格 0.02(完了案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。物件・設備の支援案件が増え、利益率も改善。
- 経営サポート・人材紹介、研修、その他支援:数量 185(年間支援案件相当数(件・推計))× 価格 0.02(支援案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替で案件数は2025年の0.77倍。成果報酬への移行実績が未確認のため売上拡大は見込まない。
- 飲食・国内「名代 宇奈とと」:数量 25.0(国内直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 1.08(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 27 億円・営業利益 2 億円。国内の緩やかな店舗増と価格転嫁。
- 飲食・国内レストラン:数量 24.0(国内レストラン店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.68(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。不採算店の閉鎖と主力ブランドへの集中。
- 飲食・海外直営店:数量 27.0(海外直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.77(店舗年換算1単位当たり売上(億円・円換算・名目))→ 売上 21 億円・営業利益 2 億円。海外店舗年換算数は約2.1倍。ベトナム以外でも一定の採算改善が進む。
倍率:ROE=4.6÷27.5=16.7%、k=8.25%、g=2%。弱い堀の残存割合1/3からRONIC≈11.1%。正当化PER=(1-2%÷RONIC)÷(8.25%-2%)≈13.11倍。売上成長を倍率の高成長率で再び数えない。
確率:会社の示すストック収益増加が一定期間続き、ベトナムなどの海外店舗が高収益化する場合である。契約増加には裏付けがあるものの、これまでの連結赤字を大幅な黒字へ転じる必要があるため14%とした。
中立 32% 継続収益は伸びるが全社の利益率改善は限定的 利益 1 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 217 円14 億円
サブリースの契約相当数は10年間で緩やかに増加する。国内の飲食店数自体は大きく伸びないが、退店と新規開業が繰り返されるため物件支援への需要は残る。テンポイノベーションなどの競合も契約物件を増やしており、顧客単価を物価上昇以上に引き上げるのは難しい。それでも契約の継続から得られる収益が全社を下支えする。
国内の宇奈ととは実質的な店舗数がほぼ横ばいとなる。客単価は上昇するが、鰻の仕入価格や人件費、家賃も上がるため、営業利益率の改善は小幅にとどまる。国内レストランでは採算の悪い店舗を閉め、店舗数をやや減らす。海外ではベトナム事業が成長し、海外店舗は増えるものの、シンガポールなどで利益率の差が残る。
人材紹介・研修・事務支援の案件数は、政策変更やAIエージェント代替のため減少する。会社が掲げる営業効率化によって一部の固定費を抑えられるが、事業の規模に応じて本社組織も維持する必要がある。利益を再投資してもROEは資本コストに届かず、売上規模の拡大ほどには本質価値が増えない。上場維持問題は改善に向けて取り組まれるが、長期の経営体制について確信できるほどの成果はまだ得られない。
- 経営サポート・継続収益:数量 650(年間稼働契約相当数(件・推計))× 価格 0.06(年間稼働契約1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 42 億円・営業利益 7 億円。年間稼働契約相当数500から650へ1.30倍、平均単価は1.27倍。賃料は物価3%に完全連動せず、国内飲食店の支払能力が価格転嫁を制限。営業利益率16%。
- 経営サポート・出退店と設備の一時収益:数量 180(年間の物件・設備支援完了案件相当数(件・推計))× 価格 0.02(完了案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。国内の開廃業件数は成熟市場に沿って横ばい圏。設備価格の上昇を案件単価に反映。
- 経営サポート・人材紹介、研修、その他支援:数量 160(年間支援案件相当数(件・推計))× 価格 0.02(支援案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替の人月・工数型。案件数は240から160へ0.667倍、単価は2025年の1.32倍で物価3%の10年累積1.34倍以内。物価以上の価格決定力は認めない。
- 飲食・国内「名代 宇奈とと」:数量 20.0(国内直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 1.06(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 21 億円・営業利益 1 億円。国内店舗数はほぼ横ばい、売上単価は1.31倍。食材と人件費の上昇を織り込む。
- 飲食・国内レストラン:数量 21.0(国内レストラン店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.64(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 13 億円・営業利益 0 億円。不採算店舗の整理で店舗数を減らし、黒字化しても利益率は低い。
- 飲食・海外直営店:数量 21.0(海外直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.75(店舗年換算1単位当たり売上(億円・円換算・名目))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。海外店舗年換算数は13から21へ増加。ベトナムの成長が続くが、他国で同じ利益率は得られない。
倍率:2035年のROEは1.17÷18.2=6.43%でk8.25%に届かない。再投資は資本コストを超える価値を増やさないため、正当化PERの上限は稼ぐ力による1÷k=12.12倍。g_long2%を使ってROEを超える成長価値を足さない。現金の蓄積を別途計上する場合は事業の利益との二重計上を避ける。
確率:サブリース契約の着実な積み上がりと国内外の店舗採算改善を認めつつ、競争と固定費の重さを残す中立である。利益が2026年予想から改善しても、高いROEに届かない可能性を中心に据えた。
やや悲観 28% 転貸借の採算が悪化し海外店舗の固定費も重くなる 利益 −2 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 110 円7 億円
国内の小規模飲食店の経営環境が悪化し、新規出店よりも退店の相談が増える。サブリース契約の一部で空室期間が長くなり、既存物件の転貸条件も厳しくなる。物件所有者への賃料支払いは続くため、売上の減少以上に利益が落ちる。競合との争奪戦によって、条件の良い物件を新たに確保する力も弱まる。
国内の宇奈ととは原材料費と賃金上昇を十分に価格転嫁できず、閉店によって店舗数を減らす。高単価レストランも料理人の確保や人件費が負担となり、減損と閉店が再び発生する。海外ではベトナムの成長が鈍化し、シンガポールの赤字解消も遅れる。会社は店舗や本社の費用を削減するが、家賃や設備更新に関わる固定的な支出を短期間では取り除けない。
人的支援サービスはAIによる代替と外国人材受入政策の影響を受け、従来の案件数と利益率を維持できない。赤字に伴って株主還元も縮小する。上場維持のために関係者の株式売却が進んでも、事業の収益性が回復しないため長期投資家の評価は低いままになる。事業の一部は残るが、株主に帰属する価値は大きく減少する。
- 経営サポート・継続収益:数量 480(年間稼働契約相当数(件・推計))× 価格 0.06(年間稼働契約1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 27 億円・営業利益 3 億円。既存契約の減少と空室・滞納への対応費用増加で、営業利益率11%。
- 経営サポート・出退店と設備の一時収益:数量 130(年間の物件・設備支援完了案件相当数(件・推計))× 価格 0.01(完了案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。出店支援案件が減少し、設備案件の単価上昇も限定的。
- 経営サポート・人材紹介、研修、その他支援:数量 130(年間支援案件相当数(件・推計))× 価格 0.01(支援案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替と政策変更による案件減少。営業体制を維持する費用が重い。
- 飲食・国内「名代 宇奈とと」:数量 16.0(国内直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.96(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 15 億円・営業利益 0 億円。国内店舗の閉鎖と値上げによる客数減少で採算が低下。
- 飲食・国内レストラン:数量 16.0(国内レストラン店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.55(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。店舗縮小後も調理人材の人件費と賃料負担が残る。
- 飲食・海外直営店:数量 15.0(海外直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.64(店舗年換算1単位当たり売上(億円・円換算・名目))→ 売上 10 億円・営業利益 0 億円。海外店舗の成長が止まり、低い利益率にとどまる。
倍率:営業赤字で純利益PERが使えない。現在の自己資本11.6億円を起点とする残存資産の回収可能額で評価し、PBR0.62倍に相当する7.19億円とした。2035年に累積損失で縮む自己資本6億円へ現在のPBRを機械的に掛けない。相当部分は純現金と売却可能な資産の残価であり、のれんや事業継続を前提とする資産の帳簿価額は床に算入しない。
確率:下に寄せる理由:2023~2025年の最終赤字、飲食店舗の減損、固定費負担、2026年末の流通株式比率改善期限が重なる。ストック収益の成長が止まるだけで連結赤字に戻りやすい構造を重視する。
悲観 18% 競争と資本配分に敗れ、事業を大幅縮小 利益 −2 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 80 円5 億円
出店希望者の減少と飲食店の倒産増加によって、サブリースの契約基盤が傷む。退店した物件の次の借り手が見つからず、賃料支払いと保証金対応が現金を消費する。テンポイノベーションなどの競争相手との物件獲得競争でも劣後し、管理できる契約相当数は2025年より大きく減る。出退店や設備支援の一時収入も減少し、事業を縮小して固定費を削減せざるを得なくなる。
国内の飲食事業では、原材料の調達費と賃金の上昇に十分な値上げで対応できない。宇奈とととレストランの直営店を大幅に整理し、海外店舗も採算の悪い国から撤退する。過去の出店投資は再び減損され、売上高だけでなくブランドの拡大余地も失われる。固定的な家賃や退店費用が残るため、店舗を減らしても利益は容易には戻らない。
外国人材紹介や人的支援ではAIエージェントによる業務代替が進み、顧客が従来型のサービスに支払う金額が減る。会社は人員と拠点を減らして生き残りを図るが、10年後も安定した営業黒字を回復できない。上場維持基準への不適合が解消されず上場廃止となるか、継続のために少数株主に不利な資本政策を迫られる可能性もある。この場合の価値は将来の成長期待ではなく、売却できる資産と残る事業の価値によって決まる。
- 経営サポート・継続収益:数量 370(年間稼働契約相当数(件・推計))× 価格 0.05(年間稼働契約1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 19 億円・営業利益 2 億円。契約相当数0.74倍、価格はほぼ横ばい。空室・滞納・契約終了対応で採算低下。
- 経営サポート・出退店と設備の一時収益:数量 70.0(年間の物件・設備支援完了案件相当数(件・推計))× 価格 0.01(完了案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。物件・設備案件の競争力低下。
- 経営サポート・人材紹介、研修、その他支援:数量 95.0(年間支援案件相当数(件・推計))× 価格 0.01(支援案件1件相当の売上(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替によって案件相当数は2025年の0.40倍まで縮小。人員整理が追い付かない。
- 飲食・国内「名代 宇奈とと」:数量 12.0(国内直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.82(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 10 億円・営業利益 0 億円。国内店舗の撤退と価格転嫁力の低下。
- 飲食・国内レストラン:数量 12.0(国内レストラン店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.48(店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目))→ 売上 6 億円・営業利益 −1 億円。高い人件費と家賃が残り、閉店費用も負担。
- 飲食・海外直営店:数量 12.0(海外直営店舗年換算数(店舗年))× 価格 0.55(店舗年換算1単位当たり売上(億円・円換算・名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。海外撤退と減損を伴う構造的な不振。
倍率:継続赤字のため将来純利益にPERを掛けない。2025年末自己資本11.6億円を基準に、純現金と換価可能な資産から負債、保証金返還、店舗撤退費用を控除した回収可能価値に限る。PBR0.45倍に相当する5.22億円は推定回収額5.2億円程度を下回らない範囲である。事業の成長や収益力を床として加算しない。
確率:物件転貸での損失と飲食店舗の減損が繰り返され、上場維持の失敗や資本政策上の不利益も重なる場合である。単なる景気の谷ではなく、継続的な収益力を失う構造的な敗北として18%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
経営サポート・継続収益
飲食店向け物件のサブリース、設備リース、契約継続中のサービス利用料など。物件の契約と現場対応が価値の中心であり、AIエージェントによる全面代替の対象とはしない。
| 数量年間稼働契約相当数(件・推計) | 価格年間稼働契約1件相当の売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 500 | 0.05 | 25 | 4 |
| 10 年後 中立 | 650 | 0.06 | 42 | 7 |
取り方:会社の2026年3月公表『事業計画及び成長可能性に関する事項』56ページのFY2025ストック収益2,522百万円を採用。会社は同収益にサブリース以外のストック収益も含むと明記する。稼働契約数と平均料金は非開示であるため、物件サブリースを中心とした年間500契約相当、1件年504.4万円、月42.0万円という数量・価格の代理変数に分解した。500は開示件数ではない。セグメント内の営業利益3.91億円も未開示の細分類別利益を配賦した分析上の推計であり、公式の経営サポート事業全体の営業利益4.577億円との整合を優先した。市場比較には国内飲食事業所約55.6万、テンポイノベーションの2026年3月末転貸借2,706件を用いるが、契約定義の違いがあり厳密なシェアではない。競合資料:https://www.tenpo-r.co.jp/strength/
経営サポート・出退店と設備の一時収益
物件取得・退店支援、厨房設備の手配、設備売買やリース契約に伴う一時的な手数料など。実際の物件と設備の受け渡しが必要であり、純粋な情報サービスとは区別する。
| 数量年間の物件・設備支援完了案件相当数(件・推計) | 価格完了案件1件相当の売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 175 | 0.01 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 180 | 0.02 | 3 | 1 |
取り方:2025年有報の出退店サポート売上27.35461億円と、会社公表のストック収益25.22億円との差2.13461億円を、物件・設備関連の一時収益の暫定的な代理値とする。ストック収益には『その他サポート』に属する部分も含まれうるため、この差額は会計上の正式なフロー収益額ではない。取引件数は非開示なので175件、1件約122万円と仮定する。設備売買と手数料の会計処理が混在するため平均単価はあくまで案件相当額である。営業利益0.45億円は推計配分。物件の仲介事務はAIで効率化できても、物件取得と設備引渡しの実体は残ると判断する。
経営サポート・人材紹介、研修、その他支援
外国人材紹介、飲食関連の研修、開業支援など。人的な照合、助言、書類作成の割合が高く、AIエージェント代替の人月・工数型として評価する。
| 数量年間支援案件相当数(件・推計) | 価格支援案件1件相当の売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 240 | 0.01 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 160 | 0.02 | 3 | 0 |
取り方:2025年有価証券報告書の製品・サービス別情報で『その他サポート』売上290,524千円が開示されているため、その全額を人的支援等を代表する代理値に採用する。ただし『その他サポート』には人的サービス以外も含まれ、内訳は非開示である。年間240件、1件約121万円とした件数・価格も推計であり、外国人材紹介の実際の成約件数ではない。営業利益0.21723億円は会社の細分類別開示ではない。AIエージェント代替は本区分に最も強く適用し、中立で案件相当数を240件から160件、10年間で0.667倍にする。単価は物価上昇の範囲内にとどめ、2035年以降の人的サービス部分の名目成長率は0%とする。低解約率や独自データなど『記録の正本』型の堀を示す証拠が2つ以上確認できないため、同型には格上げしない。
飲食・国内「名代 宇奈とと」
鰻料理の比較的手頃な価格帯を中心とする国内直営店と、付随する小規模なライセンス収入・食材卸収入。
| 数量国内直営店舗年換算数(店舗年) | 価格店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 19.0 | 0.81 | 15 | 1 |
| 10 年後 中立 | 20.0 | 1.06 | 21 | 1 |
取り方:2025年有報に国内宇奈とと直営19店が開示され、2026年8月の決算説明資料の国内宇奈とと・国内レストラン・海外の四半期売上図から国内宇奈ととの2025年売上を約15.4億円と読み取る。19店で割った年約8,105万円は期末店舗数に対する年換算の代理単価であり、既存店だけの厳密な年商ではない。ライセンスのロイヤルティ・食材卸も飲食売上に含まれ、会社はその金額的重要性が小さいと説明している。営業利益0.88億円は飲食事業全体の利益からの推計配分。
飲食・国内レストラン
「中目黒いぐち」「鳥カミ」「鳥さき」などの焼鳥・日本料理・イタリアンを含む国内レストラン業態。
| 数量国内レストラン店舗年換算数(店舗年) | 価格店舗年換算1単位当たり売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 23.0 | 0.50 | 11 | −1 |
| 10 年後 中立 | 21.0 | 0.64 | 13 | 0 |
取り方:2025年有価証券報告書の国内レストラン23店と、2026年8月決算説明資料の2025年四半期別構成図を使い、国内レストラン売上を約11.4億円と推計する。店舗の開閉店時期と業態別の単価差があるため、店舗当たりの数値は単純平均の代理値である。2025年の細分類別営業利益は開示されていないため、不採算店舗整理と減損の事実を踏まえて営業損失0.60億円を仮配分した。
飲食・海外直営店
ベトナム、シンガポール等で営む和食店。現地の店舗拡大と採算改善が収益の変動要因となる。
| 数量海外直営店舗年換算数(店舗年) | 価格店舗年換算1単位当たり売上(億円・円換算・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 13.0 | 0.58 | 8 | 0 |
| 10 年後 中立 | 21.0 | 0.75 | 16 | 1 |
取り方:2025年有報の海外直営13店を数量に採る。2026年8月の会社資料における2025年の四半期別売上の海外部分は概ね7.5億円であるため、飲食事業全体34.39339億円から国内宇奈とと15.4億円、国内レストラン11.4億円を引いた7.59339億円を代理値とした。海外業態と国別単価が混在しており、1店舗当たり約5,841万円は実際の同一店舗売上ではない。営業利益0.15503億円は推計配分。会社開示の地域別売上はグループ全体の所在地別売上であり、この店舗業態別推計と直接同一ではない。為替は全筋書きで1ドル150円に固定する。
リスクと懸念
流通株式比率の未達と上場廃止
2025年末の流通株式比率は24.8%で、東証グロース市場の上場維持基準25%を下回った。会社は2026年12月末までの改善を計画し、達成できない場合には所定の審査を経て2027年7月1日に上場廃止となる可能性を開示している。現時点で上場廃止が決定したわけではないが、長期保有を想定する株主には最優先の確認事項である。
2030年以降の時価総額基準
東証グロース市場では2030年3月1日以後最初に到来する事業年度末から、原則として上場5年経過後の時価総額100億円以上という維持基準が適用される。現在の時価総額は約38.3億円であり、大きな隔たりがある。適合計画による追加期間などの制度はあるが、上場維持を事業成長だけで自然に達成できると考えるのは危険だ。
サブリースの家賃と保証金の固定的な約束
転貸先の飲食店が退店しても、物件所有者との契約が残れば賃料支払いは続く。保証金の返還、原状回復、厨房設備の撤去も資金需要となる。2025年末は約4.5億円の純現金だったが、すべてが自由に配当できる資金ではない。契約件数が増えるほど、不況時の空室や滞納が現金に与える影響も大きくなる。
飲食店舗の再減損と再投資負担
2024年と2025年には合計約5.27億円の固定資産減損を計上した。2025年の飲食事業の営業利益は0.44億円と薄い。今後の海外出店や国内店舗更新でも、料理人の採用、内装工事、厨房設備への投資が必要になる。既存設備の減価償却費は取得時の金額に基づく一方、更新投資は物価や建築費の上昇で大きくなりうる。
AIエージェント代替
外国人材紹介、研修、書類作成、顧客の問い合わせ対応、物件情報の整理などはAIエージェントに代替される余地がある。特に人が案件ごとに作業するサービスは、数量や手数料率に下押し圧力がかかる。中立では人的支援の案件相当数を10年間で約3分の2に減らし、単価は物価上昇の範囲内とした。実店舗と転貸契約そのものは同じ型の代替対象とせず、リスクを二重計上しない。
外国人材紹介の規制と採用競争
会社は2026年上期に、外食業の特定技能人材の新規受入停止を受けて食品加工、介護、宿泊などへ紹介対象を広げると説明した。新しい対象分野で顧客を獲得するには営業費用と専門知識が必要であり、従来の成約率を維持できるとは限らない。制度変更は紹介案件の数量を直接動かすため、人材紹介を全社の確実な成長の柱として高く評価しない。
経営者の資本配分と少数株主の利益
創業者と関係者の持株比率が高く、経営の方向を大きく左右できる。支配株主の存在そのものを悪材料とはしないが、飲食店舗への投資、買収、新規事業、上場維持のための持株売却が少数株主の利益と一致するかを確認する必要がある。過去の減損と最終赤字を踏まえると、今後の利益回復を売上成長だけで判断することはできない。
今後の分かれ目
- 2026年12月末の流通株式比率が25%以上となり、東証が適合を確認したら
- 直近の上場廃止リスクを大きく引き下げられる。ただし2030年以降の時価総額100億円基準は別問題であり、長期の上場維持については引き続き確認する。
- 2026年12月期の営業利益0.66億円という会社計画を達成し、2027年も連結営業黒字を維持できたら
- 本社費用を吸収する力が改善した可能性がある。経営サポートの増収と飲食事業の収益改善のどちらが貢献したかを分けて検証し、中立の営業利益率を上方修正する余地を考える。
- ストック収益の成長率が会社の示す2026~2028年の年率11%に近い水準で推移し、全社利益も同時に改善したら
- 継続契約の増加が追加利益へ転換できている証拠となる。物件数と契約当たり利益がともに伸びる場合、やや楽観側の確率を高める。単に賃料の通過額が増えただけなら評価を変えない。
- サブリース物件の空室、滞納、保証金返還、店舗撤退費用が大きく増えたら
- 継続収益の安定性を下方修正する。特に営業キャッシュフローが減少しているのに管理件数だけ増える場合は、やや悲観の収益構造に近づいたと判断する。
- ベトナムに続いてシンガポールなどの海外事業でも、店舗単位の投下資本利益率が資本コストを安定的に超えたら
- 海外飲食店数の成長により高い価値を認められる。店舗数の拡大だけでは判断せず、新店の投資回収期間、減損の有無、国別の営業利益率を確かめる。
- 人材紹介の成約件数や手数料収入が減り始め、AIによる作業削減に見合う利益率改善も見られなかったら
- 人的支援の案件数量と利益率を下方修正する。物件転貸や実店舗の数量には機械的に同じ下落率を適用せず、どのサービスがAIエージェントに置き換わったかを分けて評価する。
- 自社株買い、安定した増配、または不採算事業の売却によって、少数株主への資本還元が明確に改善したら
- 累積する現金の株主への戻り方を再評価する。特に営業利益の改善と還元が両立し、追加投資の利益率も高まっていれば、資本配分への評価を引き上げられる。
見ておくもの
- 2026年12月末の流通株式比率と東証による上場維持基準への適合確認
- 2030年以降の時価総額100億円基準への対応方針と事業計画
- 経営サポート事業のストック収益額、サブリース稼働契約件数、契約当たり粗利益
- 経営サポート事業の営業利益と、配賦されない本社費用の推移
- 国内宇奈とと、国内レストラン、海外直営店の店舗数と各利益率
- ベトナムとシンガポールの国別売上、利益、店舗投資回収期間
- 外国人材紹介の成約件数、対象業種、制度改正、AIを用いた業務効率化
- 営業キャッシュフロー、設備投資額、差入保証金、預り保証金、家賃の負担
- 店舗の追加減損、閉店件数、継続契約の解約と空室率
- 配当、株主優待費用、自社株買い、新株発行による持株の希薄化
倍率と資本コストの決め方
2025年の公表数値を起点に、経営サポートのストック収益25.22億円と、2025年有報の出退店サポート27.35461億円、その他サポート2.90524億円を区別した。区分間の正式な内訳が非開示であるため、数量モデルの細分類は推計と明記した。飲食事業は公表店舗数と四半期売上構成から店舗年換算の数量と単価を推定した。2035年の売上は数量と名目単価を別々に積み上げ、物価3%を二重に掛けていない。為替は1ドル150円に固定した。2025年の本社費用5.73億円は中立で7.75億円とし、物価による費用上昇を無視していない。2025年の減価償却費約1.82億円は既存設備の取得時原価に基づくため単純に物価上昇率を掛けず、将来の更新設備に必要な費用を各セグメントの利益率に反映した。2027年4月以後開始年度から適用される新リース会計基準による表示の変化と、家賃支払義務の実体を区別した。倍率は現在のPER、PBR、株価水準ではなく、k8.25%、g_long2%、各筋書きのROEと残存する超過収益から求めた。悲観側は現在の自己資本と売却可能資産を基礎にし、過去の株価の底値やPBRを根拠にしない。現在の時価総額との比較は最後に行い、結果が大きく割高になることを避けるための数字調整はしていない。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 0.5%。基本7.5%に事業品質による+0.25%と継続赤字による+0.5%を加え8.25%。株価変動率、時価総額の小ささ、上場維持リスクを個別の追加金利としては数えず、上場維持リスクは筋書きと確率で評価する。