結論
明和地所は、神奈川・東京を地盤に「クリオ」ブランドのマンションを分譲し、中古の買取再販、売買仲介、管理までを一貫して持つ会社だ。筆者の結論は、やや割安である。利益は直近が山で、中立の10年後はそれを少し上回る程度に見る。
2026年3月期の売上は901億円、営業利益は78億円、純利益は38億円。分譲マンションの引渡しは825戸で、粗利率は21%に上がった。完成在庫は2戸まで減り、販売は順調だ。一方、2027年3月期は引渡しが480戸に減り、営業利益は70億円の予想になる。引渡しの波が大きい商売である。
重い点は借入だ。有利子負債は867億円、純有利子負債は約660億円で、自己資本の1.8倍にあたる。土地と建築中のマンションを持つため、事業が伸びるほど借入も増える。借り換えで金利が3.5%まで上がる前提では、利払いが利益を大きく削る。
10年後の中立は、売上が1165億円、営業利益が91億円、純利益が42億円。ROEは8%で、資本コスト9%に届かない。ためた利益は額面より低く見る。強気の筋書きは8%、悲観は12%に置いた。管理と仲介の高い収益性が下を支えるため、価値は今の時価総額をやや上回る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、持ちたい会社と言い切れない。理由は、利益が景気で振れ、借入が重く、資本コストを超える稼ぎが安定しないことだ。直近の利益は山で、同じ水準を続けられるとは限らない。
良い点もある。管理と仲介は、資本を食わず、毎年同じ顧客から収入が入る。2026年3月期は管理戸数が6%増え、他社からの乗り換えが続く。こうした事業が大きくなるほど、利益の振れは和らぐ。会社もそれを目標に置く。
安全域の材料は、在庫が貸借対照表の大半を占め、完成在庫は2戸しか残っていない点だ。売れ残りの山が小さい分、谷の傷は浅い。ただ、土地の仕入れ値が高い時期に買った分は、将来の利益率を下げる。仕掛の不動産867億円は、その押し引きに揺れる。
わからない点は、次の中期計画だ。2027年3月期までの計画は超過達成したが、2028年3月期は端境期となる。その先の目標が数字で示されるまで、筆者は利益の持続性に確信を置けない。同業の中で見ると、資本の軽い事業の比率を高めようとする方向は評価できる。ただ、利益の大半が分譲と再販に残る限り、景気の波は避けられず、安全域は大きくない。
何で稼ぐ会社か
事業は五つに分かれる。分譲、流通、管理、賃貸、その他だ。2026年3月期の売上901億円のうち、分譲が61%、流通が30%、管理が7%を占める。
分譲は、首都圏の世帯年収1,000万円以上の共働き世帯と富裕層に、立地を厳選したマンションを売る。2026年3月期の引渡しは825戸、1戸あたりの売上は約6,400万円。1億円を超える住戸の比率が、金額ベースで3割近くに上がった。用地は競争が激しく、会社は不動産M&Aやマンション建替えで多様化している。
流通は三つの顔を持つ。中古マンションを買って改装して売る買取再販が178億円、売買仲介が14億円、投資家向けに賃貸マンションを一棟で売るウェルスソリューション(WS)が56億円と土地建物22億円。管理は管理戸数55,040戸で、他社の管理物件の取り込みで伸ばす。
エリアは神奈川県を中心に、東京23区、札幌、福岡へ広がる。累計の供給は2023年時点で約4.8万戸、神奈川県の供給棟数は500棟を超えた。管理を持つため、売った後も居住者との接点が続き、買い替えや仲介の紹介が生まれる。
賃貸は保有物件の入れ替えで売上7億円、利益2億円と小さい。調整額(本社費用)は9億円で、事業ごとの利益から差し引く。売上の大半は分譲と買取再販で、物件を持つ時間が長いほど借入が増える。管理と仲介は、物件を持たないため資本が軽い。
優良さと弱いところ
強みは、製・販・管の全部を持つ点だ。自分でマンションを開発し、売り、引渡し後の管理も受ける。管理では他社物件の乗り換えを3,700戸ほど取り、満足度が高い。2026年3月期の管理と仲介の投下資本利益率は、34%と57%ある。
分譲の価格帯は上がっている。1億〜5億円台の物件が増え、粗利率は2025年3月期の19%から21%へ上がった。デザインと環境性能(ZEH-M)で選ばれる点は評価できる。ただ、土地の仕入れは入札で、住宅ローンの金利と景気で買い手の姿勢が揺れる。堀は強くない。
分譲の購入者を管理で長く囲い込み、中古の再販・仲介へ送る循環が、資本の軽い事業を育てる。ただ、2026年3月期の管理と仲介を合わせた利益は約9億円(推定)と、営業利益の1割強にとどまる。
資本の効率は低い。2026年3月期のROICは4.5%で、会社自身が管理・仲介・買取再販など資本の軽い事業を伸ばして上げようとしている。過去10年のROEの中央値は9%台で、稼ぐ力が安定して資本コストを超える会社ではない。
競合は、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産などの大手と、日神グループ・エスリード・ゴールドクレストなど中堅だ。明和地所は神奈川の供給実績(500棟)が強みで、都心の大型案件では大手に競り負ける面がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
首都圏の新築マンションは、建築費の高騰で価格が上がり、供給戸数が減っている。建築費指数は2015年から3割近く上がり、新築の平均価格は6,000万円を超えた。会社の分譲価格も上がっているが、買える世帯は限られ、戸数は伸びにくい。
首都圏の新築マンションの発売戸数は、ピークの4万戸台から2万戸台へ減った。供給が減る一方で価格が上がり、売れ行きは好立地に集中する。会社は戸数を追わず、単価の大きい高価格帯へ寄せる戦略をとる。
需要は底堅い。共働きの高所得世帯が増え、都心・近郊の好立地は完売が早い。2026年3月期の契約高は508億円で、完成在庫は2戸まで減った。ただ、住宅ローン金利の上昇は、中長期の逆風になる。会社は足もとの販売への影響を限定的とみる。
マンション管理の市場は、ストックの増加と管理費の上昇で安定して伸びる。ただ、管理員と清掃員の人手不足が、人件費を押し上げる。
中古マンションの市場は、新築を大きく超える規模に育った。新築の価格が上がるほど、中古の再販や仲介が受け皿になる。買取再販は2026年3月期に売上が39%増えた。マンションの老朽化では、建替えや敷地売却の事業も用地の新しい入口になる。
リーマン級の谷では、新築の供給が3〜4割減り、売れ残りの値引きで赤字になる。2009年3月期に営業利益率が-52%まで落ちた実績が、この会社にもある。分譲は在庫を抱える商売で、金利と景気の両方に弱い。
資本政策と M&A
還元は配当性向30%を目処とする。2026年3月期は記念配当を含めて性向28%、2027年3月期は利益の減少に合わせて減配を予想する。株主優待は、優待ポイントを1,000株から贈る形で、費用は開示がなく、年1億円に届かないとみて還元に数えない。
事業の元手は、販売用と仕掛の不動産で1,190億円と、総資産の8割に近い。営業CFは2026年3月期で6億円と小さく、売上の伸びは借入が支える。2026年3月期は仕入高が902億円と前期の2倍になり、2027年3月期以降の供給が増える。分譲の売上材料は、2029年3月期以降に600億円超を確保した。
大株主は英興発が37.3%、信託銀行が5.7%と続き、筆頭株主が3割台後半を持つ。支配に近い比率で、少数株主に有利な再編が起きる保証はない。TOB(株式公開買い付け)の確率は参考値で33%だが、筋書きには入れず、価値は事業の稼ぎで測った。
減価償却は小さい。賃貸等の不動産73億円と自社ビル分の償却は年2億円ほどで、物価で増やさない。在庫の土地と建物は償却せず、売れた時に原価として落ちる。仕入れ値の上昇は、売値に転嫁できるかで利益が決まる。借入が増えれば、借り換えの金利3.5%が現金を細らせる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
分譲の仕入れが2026年3月期に2倍へ増え、2029年3月期以降の売上材料は600億円を超える。1億円超の高価格帯の比率が上がり、1戸あたりの売上と粗利率がともに上がる。大型の用地はM&Aと建替えで確保し、大手と争わない領域を広げる。
建替えと敷地売却は、公的な枠組みで進む事業で、用地の競争から外れた案件を取れる。渋谷神泉や本牧元町の事業が収益に乗れば、仕入れ価格の高騰を避けられる。
買取再販は人員を増やし、売上が毎年3割ほど伸びる。WSは竣工した物件を貸して高く売り、分譲の谷を埋める。管理は他社物件の乗り換えで管理戸数が年3,000戸ずつ増え、売買仲介は店舗を増やさずに収益性を上げる。
この道を行けば、10年後の売上は1507億円、営業利益は145億円、純利益は72億円まで伸びる。ROEは13%に上がり、資本コストを超える。資本の軽い事業が増え、会社の利益の質が上がる。
物価が上がる世界では、マンションの価格と管理費が名目で伸びる。借入は膨らむが、稼ぎの増え方が追い越す。配当性向30%を保ち、10年の配当は180億円近い。
慎重な見方
利益が山にあることが最大の懸念だ。2027年3月期は引渡しが480戸に減り、2028年3月期は工期の遅れで端境期となる。広告費が先に増え、売上が追いつくまで利益が薄い。引渡しの波は、会社が小さいほど年ごとの利益を大きく揺らす。
借入が重い。有利子負債は867億円、純有利子負債は自己資本の1.8倍で、事業が伸びるほど増える。借り換えで金利が3.5%へ上がれば、純利益が1割以上削られる。住宅ローン金利の上昇は、買い手の予算を直接縮める。
新築の価格は上がり続けられない。世帯年収の伸びが物価に追いつかなければ、高価格帯の販売が止まり、完成在庫が積み上がる。2009年3月期には営業利益率が-52%まで落ち、増資に追い込まれた。再び大幅な評価損を出せば、自己資本比率24%の会社には重い。
最後に、筆頭株主が3割台後半を持つ。少数株主の影響力は小さく、経営の判断は筆頭株主の意向に左右されやすい。この会社は、利益の山にある期の数字で、高く見られやすい。会社が資本の軽い事業を伸ばしても、利益の大半は今も分譲と再販に残る。管理と仲介の利益は、営業利益の1割強にとどまる。波の大きい事業が土台にある限り、利益の山を長く続けるのは難しい。
どちらに重みを置いたか
管理と仲介の収益性、高価格帯への移行、分譲の売上材料の確保は事実だ。ただ、利益の山と重い借入は、同じくらい確かな現実である。確率は強気8%、やや強気21%、中立34%、やや悲観25%、悲観12%に置いた。同じ領域の他社と同じ物差しで、悲観をやや厚めにした。
中立の純利益は42億円、ROEは8%で資本コストに届かない。価値は今の時価総額をやや上回る。結果はやや割安だが、利益の山の期の数字で置いた強気に寄せなかった点を、確認しておく。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 1,981 円464 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 462 円108 億円)。 今の値に割り戻すと 1,137 円267 億円、今との差 +44.7%、 期待の年率 +12.0%(資本コスト 9.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 3,613 円847 億円 | 755 円177 億円 | +455.7% | +18.7% | 349 円82 億円 |
| やや楽観 | 21% | 2,868 円672 億円 | 606 円142 億円 | +341.9% | +16.0% | 729 円171 億円 |
| 中立 | 34% | 2,303 円540 億円 | 512 円120 億円 | +258.1% | +13.6% | 957 円224 億円 |
| やや悲観 | 25% | 969 円227 億円 | 363 円85 億円 | +69.4% | +5.4% | 333 円78 億円 |
| 悲観 | 12% | 533 円125 億円 | 85 円20 億円 | −21.3% | −2.4% | 74 円17 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,981 円464 億円 | 462 円108 億円 | +210.8% | +12.0% | 2,443 円573 億円 |
今の株価時価総額 786 円184 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 高価格帯と資本の軽い事業が育ち、ROEが資本コストを超える 利益 73 億円 · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 3,613 円847 億円
分譲は、高価格帯の比率が上がり、1戸あたりの売上が名目で1.38倍に伸びる。戸数は0.95倍と、ほぼ今の水準を保つ。買取再販は人員の増強で1.8倍の戸数になり、WSは物件数が1.5倍、管理は管理戸数が1.4倍になる。
売上は1507億円、営業利益は145億円(利益率10%)、純利益は72億円。ROEは13%に上がり、資本コストを超える。資本の軽い事業の利益が、分譲の波を和らげる。
借入は事業の拡大とともに増えるが、稼ぎが追い越す。配当は性向32%で、10年に約177億円になる。
(名目の前提)分譲の単価は10年で1.38倍、戸数は0.95倍、管理の単価は1.38倍と置いた。本社費用は1.60倍。減価償却は賃貸等の不動産分で年2億円ほどと小さく、物価で増やさない。在庫の土地と建物は償却せず、売れた時に原価で落ちる。在庫は10年で約1862億円(今は1,191億円)。純有利子負債は約952億円で、借り換え後の金利3.5%により純利息は年33.3億円(今は年約19億円)。
- 分譲マンション(クリオ):数量 784(年間の分譲マンション引渡し戸数(戸))× 価格 0.92(1戸あたりの分譲売上(億円。土地建物売却を含めて割った実効単価))→ 売上 724 億円・営業利益 83 億円。数量 0.95倍・単価 1.38倍・営業利益率 11.5%
- 買取再販(中古マンションの改装販売):数量 324(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 1.36(1戸あたり売上(億円))→ 売上 442 億円・営業利益 33 億円。数量 1.80倍・単価 1.38倍・営業利益率 7.5%
- ウェルスソリューション(投資用一棟販売)・土地建物:数量 15.0(年間の売却物件数(物件。土地建物の売却を含む推定))× 価格 11(1物件あたりの売上(億円))→ 売上 171 億円・営業利益 19 億円。数量 1.50倍・単価 1.38倍・営業利益率 11.0%
- 売買仲介(明和地所の仲介):数量 1,167(年間の取扱件数(件))× 価格 0.02(1件あたりの仲介手数料(億円))→ 売上 29 億円・営業利益 6 億円。数量 1.50倍・単価 1.38倍・営業利益率 22.0%
- 管理(マンション管理):数量 7.7(管理戸数(万戸))× 価格 17(1万戸あたりの年間売上(億円。管理委託料・工事関連等を含む))→ 売上 129 億円・営業利益 14 億円。数量 1.40倍・単価 1.38倍・営業利益率 11.0%
- 賃貸・その他:数量 720(賃貸等の戸数(戸。推定))× 価格 0.02(1戸あたりの年間売上(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 4 億円。数量 1.20倍・単価 1.34倍・営業利益率 30.0%
倍率:事業の純利益 72 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.1% が k 9.00% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 9.4%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.45 倍、時価総額 830 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:高価格帯への移行、再販・管理の拡大、用地の多様化が三つとも成功し、ROEが資本コストを超える必要がある。分譲は波があり、同業の強気と同じ8%に置いた。
やや楽観 21% 分譲の谷を再販・管理が埋め、利益が緩やかに伸びる 利益 57 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 2,868 円672 億円
2027年3月期の谷のあと、分譲は戸数を0.92倍に保ち、単価が1.32倍に上がる。買取再販・WSは年2〜3割で拡大し、管理は管理戸数が1.34倍になる。住宅ローン金利は上がるが、買い手の底堅さが勝つ。
売上は1353億円、営業利益は118億円、純利益は57億円。ROEは11%で、資本コストをわずかに超える。
借入は約887億円。配当は10年で約142億円になる。
(名目の前提)分譲の単価は10年で1.32倍、戸数は0.92倍、管理の単価は1.34倍と置いた。本社費用は1.50倍。減価償却は賃貸等の不動産分で年2億円ほどと小さく、物価で増やさない。在庫の土地と建物は償却せず、売れた時に原価で落ちる。在庫は10年で約1753億円(今は1,191億円)。純有利子負債は約887億円で、借り換え後の金利3.5%により純利息は年31.1億円(今は年約19億円)。
- 分譲マンション(クリオ):数量 759(年間の分譲マンション引渡し戸数(戸))× 価格 0.88(1戸あたりの分譲売上(億円。土地建物売却を含めて割った実効単価))→ 売上 670 億円・営業利益 70 億円。数量 0.92倍・単価 1.32倍・営業利益率 10.5%
- 買取再販(中古マンションの改装販売):数量 288(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 1.32(1戸あたり売上(億円))→ 売上 381 億円・営業利益 27 億円。数量 1.60倍・単価 1.34倍・営業利益率 7.0%
- ウェルスソリューション(投資用一棟販売)・土地建物:数量 13.0(年間の売却物件数(物件。土地建物の売却を含む推定))× 価格 11(1物件あたりの売上(億円))→ 売上 144 億円・営業利益 14 億円。数量 1.30倍・単価 1.34倍・営業利益率 10.0%
- 売買仲介(明和地所の仲介):数量 1,089(年間の取扱件数(件))× 価格 0.02(1件あたりの仲介手数料(億円))→ 売上 26 億円・営業利益 5 億円。数量 1.40倍・単価 1.34倍・営業利益率 20.0%
- 管理(マンション管理):数量 7.4(管理戸数(万戸))× 価格 16(1万戸あたりの年間売上(億円。管理委託料・工事関連等を含む))→ 売上 120 億円・営業利益 12 億円。数量 1.34倍・単価 1.34倍・営業利益率 10.0%
- 賃貸・その他:数量 660(賃貸等の戸数(戸。推定))× 価格 0.02(1戸あたりの年間売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。数量 1.10倍・単価 1.30倍・営業利益率 30.0%
倍率:ROE 10.6% は k 9% を上回る。堀が弱く(売値は市場が決め、用地は入札)残る割合は1/3:RONIC=k+1/3×(ROE−k)=9.9%、g 3.5% から式の値は 10.8 倍。下限は 1÷k=11.08 倍。借入が重く、分譲の利益に波があるため、11.08 倍に置いた。借金を今の値で足したEVは営業利益に対して 12.5 倍。
確率:2027年3月期の谷を乗り越え、再販・管理・WSが分譲の山を埋める筋書き。売上材料と中計の超過達成があり、強気側の中心に置いた。
中立 34% 利益は山の水準を少し超え、借入と利払いが増える 利益 42 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 2,303 円540 億円
分譲の戸数は0.85倍に減り、単価が1.25倍に上がる。建築費の上昇を売値に転嫁できるが、買い手の予算が上限になる。買取再販は戸数が1.4倍に増え、管理は1.28倍になる。賃金は先に上がり、本社費用は1.45倍になる。
売上は1165億円、営業利益は91億円(利益率7.8%)。営業利益は今の78億円を少し超えるが、純利息が年26.6億円と増え、純利益は42億円にとどまる。
ROEは8%で、資本コスト9%に届かない。借入は約760億円に増え、配当は10年で約120億円になる。
(名目の前提)分譲の単価は10年で1.25倍、戸数は0.85倍、管理の単価は1.30倍と置いた。本社費用は1.45倍。減価償却は賃貸等の不動産分で年2億円ほどと小さく、物価で増やさない。在庫の土地と建物は償却せず、売れた時に原価で落ちる。在庫は10年で約1573億円(今は1,191億円)。純有利子負債は約760億円で、借り換え後の金利3.5%により純利息は年26.6億円(今は年約19億円)。
- 分譲マンション(クリオ):数量 701(年間の分譲マンション引渡し戸数(戸))× 価格 0.84(1戸あたりの分譲売上(億円。土地建物売却を含めて割った実効単価))→ 売上 586 億円・営業利益 56 億円。数量 0.85倍・単価 1.25倍・営業利益率 9.5%
- 買取再販(中古マンションの改装販売):数量 252(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 1.26(1戸あたり売上(億円))→ 売上 319 億円・営業利益 21 億円。数量 1.40倍・単価 1.28倍・営業利益率 6.5%
- ウェルスソリューション(投資用一棟販売)・土地建物:数量 11.0(年間の売却物件数(物件。土地建物の売却を含む推定))× 価格 11(1物件あたりの売上(億円))→ 売上 116 億円・営業利益 10 億円。数量 1.10倍・単価 1.28倍・営業利益率 8.5%
- 売買仲介(明和地所の仲介):数量 973(年間の取扱件数(件))× 価格 0.02(1件あたりの仲介手数料(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 4 億円。数量 1.25倍・単価 1.28倍・営業利益率 18.0%
- 管理(マンション管理):数量 7.0(管理戸数(万戸))× 価格 16(1万戸あたりの年間売上(億円。管理委託料・工事関連等を含む))→ 売上 111 億円・営業利益 11 億円。数量 1.28倍・単価 1.30倍・営業利益率 9.7%
- 賃貸・その他:数量 600(賃貸等の戸数(戸。推定))× 価格 0.02(1戸あたりの年間売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 3 億円。数量 1.00倍・単価 1.25倍・営業利益率 30.0%
倍率:事業の純利益 42 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.7% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍。全体の PER 11.11 倍、時価総額 463 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:分譲の戸数が減り、価格が名目で伸び、資本の軽い事業が伸びる中心の筋書き。借入の増加と金利で、利益は山の水準を少し超える程度になる。
やや悲観 25% 住宅ローン金利と価格が重く、分譲の利益が細る 利益 18 億円 · PER 8.4 倍 · 株価時価総額 969 円227 億円
住宅ローン金利が上がり、分譲の戸数は0.70倍に減る。単価は1.12倍と、建築費の上昇に届かない。買取再販・WSも戸数が頭打ちで、在庫の回転が遅くなる。値引きと評価損で、10年に約40億円の損失が出る。
売上は838億円、営業利益は46億円(利益率5.5%)、純利益は18億円。ROEは4%と、資本コストを大きく下回る。
借入は約512億円。配当は性向30%を保てず、10年で約85億円にとどまる。管理だけが、変わらず安定して稼ぐ。
(名目の前提)分譲の単価は10年で1.12倍、戸数は0.70倍、管理の単価は1.25倍と置いた。本社費用は1.35倍。減価償却は賃貸等の不動産分で年2億円ほどと小さく、物価で増やさない。在庫の土地と建物は償却せず、売れた時に原価で落ちる。在庫は10年で約1203億円(今は1,191億円)。純有利子負債は約512億円で、借り換え後の金利3.5%により純利息は年17.9億円(今は年約19億円)。
- 分譲マンション(クリオ):数量 578(年間の分譲マンション引渡し戸数(戸))× 価格 0.75(1戸あたりの分譲売上(億円。土地建物売却を含めて割った実効単価))→ 売上 433 億円・営業利益 30 億円。数量 0.70倍・単価 1.12倍・営業利益率 7.0%
- 買取再販(中古マンションの改装販売):数量 180(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 1.14(1戸あたり売上(億円))→ 売上 205 億円・営業利益 10 億円。数量 1.00倍・単価 1.15倍・営業利益率 5.0%
- ウェルスソリューション(投資用一棟販売)・土地建物:数量 8.0(年間の売却物件数(物件。土地建物の売却を含む推定))× 価格 9.50(1物件あたりの売上(億円))→ 売上 76 億円・営業利益 5 億円。数量 0.80倍・単価 1.15倍・営業利益率 6.0%
- 売買仲介(明和地所の仲介):数量 778(年間の取扱件数(件))× 価格 0.02(1件あたりの仲介手数料(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 2 億円。数量 1.00倍・単価 1.15倍・営業利益率 12.0%
- 管理(マンション管理):数量 6.6(管理戸数(万戸))× 価格 15(1万戸あたりの年間売上(億円。管理委託料・工事関連等を含む))→ 売上 100 億円・営業利益 9 億円。数量 1.20倍・単価 1.25倍・営業利益率 9.0%
- 賃貸・その他:数量 540(賃貸等の戸数(戸。推定))× 価格 0.02(1戸あたりの年間売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 2 億円。数量 0.90倍・単価 1.15倍・営業利益率 28.0%
倍率:ROE 4.1% は k 9% を大きく下回る。PER の上限は 1÷k=10.5 倍で、その8割の 8.4 倍に置いた。利益が薄く、在庫の評価損が残る筋書きのため。EVは営業利益に対し 14.5 倍だが、利益が薄い年のため参考にとどめる。
確率:住宅ローン金利の上昇と価格の頭打ちで戸数が3割減り、利益が細る。借入が重い会社に起こりやすく、強気側より高く置いた。
悲観 12% 在庫の評価損が出て、赤字と借入の増加に沈む 利益 −15 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 533 円125 億円
景気が崩れ、住宅ローン金利の上昇も重なって、分譲の戸数は半分以下になる。値引きの販売が増え、単価は名目で0.95倍に下がる。完成在庫が積み上がり、評価損と赤字が出る。10年に約160億円の損失が出る。
売上は464億円まで縮み、営業利益は11億円の赤字になる。純利益は15億円の赤字で、自己資本は304億円まで削られる。借入は約234億円。
事業の縮小と、保有する在庫の売却を迫られる。価値の支えは、稼ぐ力ではなく、売れる在庫と管理の安定した収入になる。
(名目の前提)分譲の単価は10年で0.95倍、戸数は0.45倍、管理の単価は1.15倍と置いた。本社費用は1.15倍。減価償却は賃貸等の不動産分で年2億円ほどと小さく、物価で増やさない。在庫の土地と建物は償却せず、売れた時に原価で落ちる。在庫は10年で約703億円(今は1,191億円)。純有利子負債は約234億円で、借り換え後の金利3.5%により純利息は年8.2億円(今は年約19億円)。
- 分譲マンション(クリオ):数量 371(年間の分譲マンション引渡し戸数(戸))× 価格 0.64(1戸あたりの分譲売上(億円。土地建物売却を含めて割った実効単価))→ 売上 236 億円・営業利益 −5 億円。数量 0.45倍・単価 0.95倍・営業利益率 -2.0%
- 買取再販(中古マンションの改装販売):数量 108(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 0.94(1戸あたり売上(億円))→ 売上 101 億円・営業利益 −2 億円。数量 0.60倍・単価 0.95倍・営業利益率 -2.0%
- ウェルスソリューション(投資用一棟販売)・土地建物:数量 4.0(年間の売却物件数(物件。土地建物の売却を含む推定))× 価格 7.85(1物件あたりの売上(億円))→ 売上 31 億円・営業利益 −1 億円。数量 0.40倍・単価 0.95倍・営業利益率 -4.0%
- 売買仲介(明和地所の仲介):数量 467(年間の取扱件数(件))× 価格 0.02(1件あたりの仲介手数料(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。数量 0.60倍・単価 0.95倍・営業利益率 5.0%
- 管理(マンション管理):数量 5.8(管理戸数(万戸))× 価格 14(1万戸あたりの年間売上(億円。管理委託料・工事関連等を含む))→ 売上 80 億円・営業利益 6 億円。数量 1.05倍・単価 1.15倍・営業利益率 7.0%
- 賃貸・その他:数量 480(賃貸等の戸数(戸。推定))× 価格 0.01(1戸あたりの年間売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 2 億円。数量 0.80倍・単価 1.05倍・営業利益率 25.0%
倍率:稼ぐ力はマイナス。売れる資産の床(floor_assets_oku)125億円をそのまま時価総額に置いた。今の自己資本369億円に対する PBR は 0.34 倍。在庫の評価損と処分値引きで、帳簿の自己資本は価値の床にならない。
確率:市況の悪化で在庫の評価損が出て、赤字に落ちる。2009年3月期の営業利益率-52%の実績があり、同業の悲観(11〜14%)と同じ12%に置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
分譲マンション(クリオ)
首都圏(神奈川・東京)での新築分譲マンション。世帯年収1,000万円以上の共働き世帯と富裕層が対象。土地建物の売却等も含む。
| 数量年間の分譲マンション引渡し戸数(戸) | 価格1戸あたりの分譲売上(億円。土地建物売却を含めて割った実効単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 825 | 0.67 | 552 | 56 |
| 10 年後 中立 | 701 | 0.84 | 586 | 56 |
取り方:分譲セグメント売上552.0億円を、引渡し825戸で割った実効単価(1戸あたり約0.67億円)。マンションだけなら528.5億円で1戸0.64億円。土地建物売却22.2億円とその他1.3億円も分子に入る。営業損益は分譲セグメント利益55.8億円。
買取再販(中古マンションの改装販売)
中古マンションを買い取り、リノベーションして売る。パワーファミリー・富裕層向けの上質な改装が特徴。
| 数量年間の引渡し戸数(戸) | 価格1戸あたり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 180 | 0.99 | 178 | 12 |
| 10 年後 中立 | 252 | 1.26 | 319 | 21 |
取り方:買取再販の売上177.9億円を、引渡し180戸で割った値(1戸あたり約0.99億円)。営業損益は流通セグメント利益21.5億円のうち、再販・WS・仲介の按分で推定した値(開示は流通合計のみ。粗利率15.4%・販管費の配分から推定)。
ウェルスソリューション(投資用一棟販売)・土地建物
富裕層・投資家向けに賃貸マンションを開発して一棟で売る事業と、土地建物の売却。
| 数量年間の売却物件数(物件。土地建物の売却を含む推定) | 価格1物件あたりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 10.0 | 8.26 | 83 | 7 |
| 10 年後 中立 | 11.0 | 11 | 116 | 10 |
取り方:WS売上56.3億円と土地建物22.2億円、流通のその他4.1億円の合計82.6億円を、WSの10物件で割った推定(1物件あたり約8.3億円)。営業損益は流通セグメント利益から再販・仲介の推定分を引いた残り。
売買仲介(明和地所の仲介)
東京・神奈川・札幌・福岡の10店舗での中古マンション等の売買仲介。
| 数量年間の取扱件数(件) | 価格1件あたりの仲介手数料(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 778 | 0.02 | 14 | 3 |
| 10 年後 中立 | 973 | 0.02 | 23 | 4 |
取り方:仲介手数料14.1億円を、取扱件数778件で割った値(1件あたり約0.018億円)。営業損益は流通セグメント利益の按分による推定。
管理(マンション管理)
分譲マンションの総合管理、管理員・清掃、リフォーム。自社供給と他社物件のリプレイスで管理戸数が伸びる。
| 数量管理戸数(万戸) | 価格1万戸あたりの年間売上(億円。管理委託料・工事関連等を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 5.5 | 12 | 67 | 6 |
| 10 年後 中立 | 7.0 | 16 | 111 | 11 |
取り方:管理売上66.56億円を、期末の管理戸数55,040戸(5.504万戸)で割った値。営業損益は管理セグメント利益6.44億円。
賃貸・その他
保有するマンション等の賃貸、賃貸管理、インテリア販売・住宅ローン・広告代理。
| 数量賃貸等の戸数(戸。推定) | 価格1戸あたりの年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 600 | 0.01 | 8 | 3 |
| 10 年後 中立 | 600 | 0.02 | 10 | 3 |
取り方:賃貸6.6億円とその他1.3億円の合計7.9億円を、賃貸等の戸数を約600戸と推定して割った値。戸数は開示がない。営業損益は賃貸2.30億円とその他0.67億円の合計。
リスクと懸念
引渡しの波と利益の山
2026年3月期の営業利益78億円は、引渡し825戸と粗利率の上昇が重なった山だ。2027年3月期は480戸で70億円に減り、2028年3月期は端境期になる。分譲は売上計上が引渡し時に集まるため、年ごとの利益が大きく振れる。会社は売上材料を開示しており、先行きの見える化は進んだが、工期の遅れは読みにくい。
借入の重さと金利の上昇
有利子負債867億円は、自己資本の2倍を超える。仕入れた用地と建築中の在庫を、借入で持つ。借り換えで金利が3.5%へ上がれば、純利益が1割以上削られる。住宅ローン金利の上昇は、買い手の予算も縮める。借入は在庫と同じ速さで増えるため、売れ残ると利払いが先に重くなる。
用地の仕入れと在庫の評価
用地は入札で、大手や海外資金と競る。高い時期に仕入れた土地は、将来の粗利率を下げる。仕掛の不動産867億円と販売用324億円は、市況が悪化すれば評価損の対象になる。完成在庫は2戸と少ないが、仕掛は残る。評価損は、竣工と販売の遅れが重なる時期に表に出やすい。
建築費・人手不足と工期
建築費の高騰と工期の延びは、竣工と引渡しを後ろへずらし、広告費と利払いだけを先に増やす。2028年3月期の端境期は、まさにこの影響だ。ここが悪化すれば、売上計上の遅れが続き、資金繰りも重くなる。工事を請け負う建設会社の人手不足は、会社の努力では解けない外部の要因である。
筆頭株主の影響
筆頭株主の英興発が37.3%を持つ。少数株主の立場は弱く、再編・TOBの可能性は参考値で33%ある。条件は少数株主に有利とは限らない。価値は事業の稼ぎで測り、再編の確率は筋書きに入れていない。支配に近い持ち分が、配当や資本政策の判断にどう効くかも、外からは読みにくい。
WSと買取再販の在庫回転
WSは物件の仕入れが増えて資本回転が悪化している。賃貸中の物件を高値で売る前提で、買い手の投資家資金が細れば、在庫が滞る。買取再販は人員を増やして拡大中で、中古の仕入れ価格の上昇が粗利率を削る恐れがある。買取再販は戸数が増えるほど仕入れ人員も要り、販管費が先に膨らむ。
住宅政策・税制の変更
住宅ローン減税や、外国人の不動産取得、金融機関の融資姿勢の変更は、分譲の需要を左右する。首都圏のマンションは海外からの買い手も多く、為替や規制の変化が、価格に直接響く。会社の力で動かせない外部の要因だ。政策が変わった年には、契約高が急に鈍ることがある。
今後の分かれ目
- 2027年3月期の営業利益が70億円を超える
- 端境期の前に利益の厚みが出る合図で、やや強気の筋書きに寄る。分譲の粗利率が21%を保てるかが分かれ目になる。
- 分譲の粗利率が18%を割る
- 用地の高値仕入れと値引きが利益に出た合図だ。営業利益率は大きく下がり、やや悲観の筋書きに寄る。
- 次の中期計画で、資本の軽い事業(管理・仲介・再販)の利益比率が示される
- 利益の質が上がる材料だ。管理と仲介の利益が増え、分譲の山を埋める形になれば、強気側に寄る。
- 住宅ローン金利が1%以上上がり、契約高が前年を2割下回る
- 買い手の予算が縮む合図だ。完成在庫が積み上がり、値引きと借入の増加が重なり、悲観側に寄る。
- 筆頭株主の持ち分や再編の動きが表に出る
- TOBの参考確率は33%。条件が少数株主に有利かは分からない。価値は事業の稼ぎで測っており、筋書きには入れていない。
- 有利子負債が900億円を超え、純有利子負債が自己資本の2倍を超える
- 事業の伸びを借入が追い越す合図だ。借り換えの金利3.5%が利益を削り、やや悲観の筋書きへ寄る。
見ておくもの
- 分譲の引渡し戸数・粗利率と、売上材料(2027年3月期の480戸と、2029年3月期以降の600億円超が確保できているか)
- 契約高と完成在庫の戸数(完成在庫が2戸から積み上がらないか)
- 有利子負債と純有利子負債の自己資本倍率、平均金利
- 管理戸数の純増(年3,000戸)と、売買仲介・買取再販の収益性
- 次の中期経営計画の数字(2028年3月期以降の目標)と、資本の軽い事業の比率
- 筆頭株主の持ち分と配当性向(30%目処)
倍率と資本コストの決め方
数量(引渡し戸数・管理戸数など)と名目の単価から利益を積み、倍率は式で置いた。今の市場の評価(PBR 0.5倍・PER 5倍前後)には寄せていない。k は基本7.5%に quality 2.0%(循環+0.75・値決め力+0.5・借金+0.75・寿命0)を足した9.5%。同じ領域の住宅分譲(k 8.2〜10.0%)の中ほどに置いた。借金は純有利子負債の自己資本倍率が1.8倍で、完成在庫が少ない点で0.75にとどめた。ROEがkを下回る中立・やや悲観は、PERの上限1÷k=10.5倍の8.5割・8割に置いた。ROEがkを超える強気側は、堀が弱く(残る割合1/3)、RONIC=k+1/3×(ROE−k)から出した式の値の範囲内にある。新リース会計基準(2028年3月期から)は、借りて営む資産がほぼ無く、影響は小さい。減価償却は小さく物価で増やさない。同業のゴールドクレスト・エスリード・MIRARTHと同じ物差し(悲観の確率11〜14%)で置いた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11→11.45 倍・やや楽観 PER 10.5→11.08 倍・中立 PER 8.9→11.11 倍)。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 2.0% = 9.5%。用地の仕入れ・新築価格・建替え案件の遅れなどの個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.50% → 9.00%。