結論
コロンビア・ワークスは、都心の賃貸住宅やオフィスを企画・開発し、投資家に売却して利益を得る不動産会社である。筆者の結論は「割安」だ。純有利子負債491億円という財務の危うさはあるが、開発件数の緩やかな増加と管理・運用収益の成長を考えると、現在の時価総額約250億円には相応の安全域がある。
魅力は、建物を売って終わりにしない仕組みにある。賃貸住宅のLUMIEC、オフィスのBIASTAなどを開発し、売却後も賃貸管理やアセットマネジメントを受託する。2025年の開発売上は約348億円、売却件数は16件だった。2026年上期には管理戸数が3,357戸、運用資産が684億円まで増え、収益源を一棟売却だけに頼らない体制が育ち始めた。
ただし、高いROEをそのまま10年先まで延ばしてはいけない。2025年末の自己資本174億円に対して純負債は491億円あり、利益の厚さには借入による拡大効果が含まれる。金利の上昇、建設期間の長期化、物件価格の下落が重なれば、売却益だけでなく自己資本も急速に傷む。2026年上期の営業キャッシュフローが約91億円のマイナスだったことも、仕入れを続ける成長に多額の資金が要る証拠だ。
2030年に営業利益200億円を目指す会社計画は魅力的だが、中立の10年後にはそれより低い営業利益約150億円を見込む。開発売却は年30件とし、運用資産や管理戸数の伸びも会社目標から大きく割り引いた。それでも確率を考慮した価値は現在の時価総額の約2.1倍となる。企業の成長予想を全面的に信じる必要はないが、借金に支えられた成長が本当の株主価値になるかを継続して見極める必要がある。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の立場では、まず建物を売った利益が次の建物を取得するためにどれだけ必要になるかを考える。この会社の会計利益は大きいが、土地取得と建築費の支払いが売却代金より先に来るため、利益のすべてが自由に使える現金ではない。2026年上期の営業キャッシュフローが約91億円のマイナスだったことは、その特徴をよく示している。
それでも、物件を売った後の賃貸管理と運用報酬が増える仕組みは魅力的だ。建物の所有に必要な借金を減らし、投資家の資産を管理することで報酬を得られれば、同じ自己資本から生まれる利益は増える。中期経営計画で掲げるファンド型開発への転換は、利益の絶対額より資本の使い方を改善する試みとして評価できる。
堀の持続性はまだ検証の途中である。LUMIECやBIASTAには独自性があるが、賃貸住宅やオフィスの企画は競合も研究している。相場より高い賃料を得た実績は価値がある一方、それを10年続け、仕入れ価格の上昇を上回る利益に変えられるかは別問題だ。筆者は、強いブランドを持つ会社というより、優れた資本配分が求められる開発会社として評価する。
中立では、自己資本が積み上がるにつれてROEが現在の高水準から低下すると考える。利益の成長と自己資本の成長を別々に考え、将来もROE24%を維持する前提にはしていない。それでも現在の時価総額と比べると、十分な価値が残る。
この会社を長く持つうえで最も警戒すべきことは、経営者が過去の高い収益率に自信を深めすぎることである。土地の仕入れ価格が上がり、金利も上がる時代に、借金で開発規模を追い続ければ一度の不況で蓄積した利益を失いかねない。資本を減らさず、案件の回転と管理報酬の増加で成長できるなら、現在の価値との差は大きい。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は不動産開発である。港区や渋谷区などを中心に土地や既存建物を取得し、立地に合った用途とデザインを考え、賃料や収益性を高めたうえで国内外の機関投資家などに売る。土地から新築する開発と、既存物件を改修するバリューアップがある。販売価格から取得費、建築費、販売経費を引いた差額が利益となるため、仕入れの時点で出口価格を読む力が問われる。
もう一つの柱が、外部投資家の資本を使うファンド型開発である。特別目的会社に物件を持たせ、同社は企画・開発管理を担う。自社だけで資金を借りるより貸借対照表を軽くできる反面、開発利益は出資者と分け合う。さらに開発管理報酬や運用報酬を受け取れる。2026年上期には自社開発、ファンド型、他社協業という複数の方法を使い分けており、資産の持ち方を変えながら案件を増やそうとしている。
売却後の収益は主にコロンビア・コミュニティとコロンビア・アセットマネジメントが担う。前者は入居者募集、家賃回収、建物管理、修繕などを受託し、後者は不動産ファンドや外部保有物件の運用管理を担う。2026年6月末の管理戸数3,357戸のうち1,505戸は外部受託であり、自社開発だけに依存しない成長が始まっている。
ホテル事業ではコロンビアホテル&リゾーツが宿泊施設を運営する。NOCTISという自社ブランドを展開し、都市型の小規模宿泊施設から拡大を目指している。2026年10月には日光で約50室のホテル開発についてテイクアンドギヴ・ニーズとの運営委託の合意を公表した。ただし、この施設の運営主体は提携先であり、自社運営客室数にそのまま加えてはいけない。
会計上は不動産開発事業の単一セグメントであるが、経営資料では開発売却と不動産運営を分けて説明している。本分析ではさらに、賃貸、現場管理、事務代行、資産運用、ホテルを分けた。セグメント別の営業利益は公式開示がないため、売上総利益に相当する事業別貢献利益を推定し、本社費・共通販管費を別に控除している。
優良さと弱いところ
同社の強みは、物件の企画と売却後の運営を一体で考えられることだ。会社はテーマ型開発によって周辺相場より20〜30%高い賃料を実現した事例を示している。入居者が求める空間を作り、より高い賃料を払えるテナントを集められれば、投資家への売却価格も高くなる。ブランドの名前より、物件ごとの賃料と売却価格に成果が表れる点を評価したい。
しかし、これを独占的な堀、つまり競争相手が容易にまねできない強みと呼ぶのは早い。開発用地は入札や相対取引で取得し、三井不動産、三菱地所、オープンハウスグループ、ロードスターキャピタル、ディア・ライフなどとの競争がある。デザインや用途特化は差別化できても、優良立地そのものを独占できない。成功した企画が模倣され、仕入れ価格に利益が吸収される可能性もある。
2025年のROEは23.5%で、資本効率の実績は優れている。一方、純負債は営業利益の8倍超、自己資本の約2.8倍に達する。仕入れ資金を借入で調達する事業なので、一般企業の借金と全く同じには扱えないが、金融機関が融資姿勢を変える局面では脆い。高ROEのうち、優れた物件企画による部分と財務レバレッジによる部分を分けて見る必要がある。
運営事業には、開発実績から管理・運用契約が増える循環がある。管理契約を継続できれば、追加の土地取得なしで利益を増やせる。この仕組みは魅力的だが、低い解約率や何年にもわたる契約継続率の定量的な証拠はまだ不足している。運用業務の許認可や実績は参入障壁になるものの、同社全体を強い堀の会社と評価する段階ではない。
資本配分では2025年の公募増資と2026年の自社株買いを評価する必要がある。増資による希薄化を上回る利益成長を会社は説明しているが、それが継続的な株主価値の増加につながったかは今後の検証事項だ。高い資本効率を維持しながら増資への依存を減らせるかが、経営の質を測る最も大切な指標となる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本の事業用不動産投資市場は大きい。CBREによれば、2025年の国内投資額は約6.5兆円で過去最高となった。海外投資家、私募ファンド、事業会社などが買い手となり、都心オフィスや住宅の売買を支えている。同社の年間開発売上約348億円は、この市場規模との単純比較で約0.5%にすぎない。対象物件や集計範囲が完全には一致しないため厳密な市場シェアではないが、小さな会社が案件を増やす余地はある。
ただし、現在の取引額を10年先まで高い成長率で延ばすべきではない。2026年第2四半期のCBRE調査では、都心の優良オフィスやホテルの期待利回りは低水準にあり、金利がさらに上昇すれば売買価格が下落する余地がある。国債利回りが3%の世界では、物件の買い手も従来より高い利回りを求めやすい。賃料の上昇が建設費と金利の上昇を上回る物件だけが、価値を維持できる。
最大手との競争で同社が勝つ道は、資金量の大きさではなく小回りと企画力にある。大手にとって規模が小さく、用途が特殊な案件でも、独自の企画によって採算を確保できれば商機はある。一方、都心用地への資金流入が続くほど仕入れ競争が厳しくなり、開発利益率は下がりやすい。競争相手には国内大手に加え、ブラックストーンなど外資系不動産投資家も含まれる。
不動産管理の市場はさらに広い。日本賃貸住宅管理協会によれば、全国で管理会社に委託される賃貸住宅はおよそ1,200万戸に上る。2026年6月の同社管理戸数3,357戸は、この市場の約0.03%である。開発物件に付随する管理契約と外部受託を積み重ねれば、全国市場が横ばいでもシェアを増やせる。
ファンド運用市場も拡大余地がある。国土交通省が2026年9月に公表した調査では、2025年度末の証券化対象不動産は約73.4兆円だった。同社の運用資産684億円は、その規模に比べれば非常に小さい。ただし、大手運用会社の実績と投資家基盤は強く、同社が大幅に受託を増やすには継続的な運用成果と信用の蓄積が必要となる。
建設業の人手不足も無視できない。会社は開発工期が以前の約2年から3年超へ延びたと説明している。工期が長くなれば金利支払いと市況変動への露出が増える。バリューアップ型やファンド型で資金の拘束期間を短くできるかが、今後10年間の勝ち負けを左右する。
資本政策と M&A
2026年8月公表の2030年中期経営計画は、営業利益200億円、ストック営業利益32億円、ROE24%超、PBR2倍超、総資産経常利益率10%以上、自己資本比率20〜30%を目標とする。さらにAUM約4,000億円、賃貸管理9,000戸、ホテル客室800室を掲げる。最重要指標は1株当たり利益で、2026年予想比約2.2倍への拡大を目指す。これらは会社目標であり、10年先までの達成を保証するものではない。
株主還元では配当性向15〜20%を明示し、残る利益を高収益の案件に再投資する方針である。2026年には72,200株の自社株買いを実施した。一方、2025年末には約11%の希薄化を伴う公募増資を行っている。株数の増加を上回る利益成長を実現できれば増資は合理的だが、借入と増資を繰り返さないと成長できないなら、利益総額ほど既存株主の取り分は増えない。
2025年にはACSホールディングスを取得し、サンクス沖縄を傘下に収めた。沖縄の地域販売力と自社の資金・開発ノウハウを結び付ける買収で、2026年上期の業績は堅調だった。新中計ではAM会社、賃貸管理会社、ホテル運営会社、内装工事会社を買収候補に挙げる。のれん償却後の利益貢献を条件とし、買収件数の目標を設けない点は評価できる。ただし、買収価格と統合後の投下資本利益率は引き続き確認が必要だ。
2030年計画には具体的なDOEや総還元性向、自社株買い総額の約束はない。中立では10年間の純利益合計に対して約17%の還元を見込む。残る利益は開発在庫、ファンド出資、運営事業に再投資され、余剰現金が大量に積み上がる前提にはしない。借金の借り換えや在庫の維持に必要な資金を差し引いても株主に戻せるかを重視する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
同社の最大の成長余地は、不動産市場全体の高成長ではなく市場シェアの拡大にある。日本の事業用不動産投資市場は数兆円規模であり、同社の取引規模はまだそのごく一部にすぎない。都心の小規模・用途特化型の物件を得意とすることで、大手が取り切れない案件を確保できる。LUMIECやBIASTAで示した賃料プレミアムも、仕入れと開発の判断が適切なら継続可能である。
ファンド型開発への転換は利益成長の速度を高める可能性がある。自社だけで借入を増やして物件を保有する方式から、外部投資家と資本を分担する方式に移れば、同じ自己資本で複数の案件を手がけられる。開発利益を分け合っても案件数を増やせれば、会社全体の利益は伸びる。開発管理報酬と売却後の運用報酬も積み上がるため、過去の不動産開発会社とは異なる収益構造になる。
2026年上期にはAUMが684億円、管理戸数が3,357戸まで拡大した。自社物件以外からも契約を獲得しており、運営会社としての成長余地は広い。2030年計画はAM、賃貸管理、ホテル運営の急成長を見込むが、その達成に加えて優良な買収が実現すれば、さらに利益を押し上げられる。AIによる業務自動化が定着すれば、人員増を抑えた成長にも近づく。
借金は確かに多いが、物件ごとのプロジェクト融資が中心であり、売却すると返済が進む。金融機関との取引を維持し、投資家への売却先を多様化できれば、借金の大きさだけで企業価値を否定するのは適切でない。10年後に開発売却が年50件規模となり、管理・運営報酬が十分な厚みを持つなら、現在よりはるかに大きな利益を生む企業になる。
慎重な見方
高ROEの見た目に惑わされてはいけない。2025年末の自己資本174億円に対して純負債は491億円であり、自己資本の約2.8倍の純借入に依存している。開発用の借金とはいえ、物件が予定どおり売れることが前提だ。投資家が物件の取得を控えれば借金だけが残り、評価損と利払いが自己資本を急速に削る。
現在の不動産投資市場は、将来の賃料上昇を織り込んだ価格で売買されている。国債利回りが3%となり、買い手が不動産にさらに高い利回りを求めれば、賃料が上昇していても売却価格は下落しうる。開発工期が3年を超える案件では、仕入れ時に想定した売却価格と実際の市場価格の差が大きくなる。最悪の場合、簿価を下回る売却や事業の縮小が必要になる。
賃料プレミアムにも限界がある。物件のテーマ性は模倣可能であり、優良立地を安く仕入れる力がなければ、販売価格の高さは土地の取得費に吸収される。大手不動産会社や外資系ファンドとの競争が激しくなれば、小規模な同社は用地取得で不利になる。これまでの成長率は低金利時代と都心不動産への旺盛な資金流入に支えられた面もあり、次の10年をその延長で考えるのは危険である。
運営事業が成長しても、当面の開発利益を完全には代替できない。2025年売上の大部分は開発売却であり、管理・運用事業はまだ小さい。事務作業のAIエージェント代替が進めば、外部管理や報告業務の報酬率に値下げ圧力がかかる。買収によってストック収益を増やす戦略も、高い買収価格や統合の失敗によって期待した収益率を下回る恐れがある。
2025年に希薄化を伴う増資を実施した事実も軽視できない。成長資金を再び株式発行で調達すれば、会社全体の利益が増えても既存株主の取り分は薄まる。利益より資金繰りを優先しなければならない局面が来たとき、会社の価値と株主の価値が大きく乖離する可能性がある。
どちらに重みを置いたか
事業の伸びしろと現在の値付けについては、成長を評価する見方に分がある。ただし財務の安全性については慎重な見方が正しく、倒産に近い局面まで想定する必要がある。確率は楽観側31%、中立29%、悲観側40%と、負債の大きさと開発売却の集中を理由に下側へ寄せた。AIの影響は事務代行の数量と長期成長率に反映し、確率で重ねて過大に引いていない。会社の2030年目標を大幅に割り引いた中立でも価値が残るため、総合判断は割安となる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 15,262 円1,159 億円(+ 還元の換算額還元の合計 1,406 円107 億円)。 今の値に割り戻すと 7,361 円559 億円、今との差 +129.3%、 期待の年率 +19.2%(資本コスト 9.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 45,515 円3,458 億円 | 3,716 円282 億円 | +1,433.7% | +34.4% | 4,923 円374 億円 |
| やや楽観 | 21% | 27,466 円2,086 億円 | 2,347 円178 億円 | +828.7% | +27.1% | 6,261 円476 億円 |
| 中立 | 29% | 14,791 円1,124 億円 | 1,499 円114 億円 | +407.5% | +19.1% | 4,724 円359 億円 |
| やや悲観 | 26% | 2,128 円162 億円 | 326 円25 億円 | −23.6% | −2.8% | 638 円48 億円 |
| 悲観 | 14% | 717 円54 億円 | 156 円12 億円 | −72.8% | −13.0% | 122 円9 億円 |
| 加重平均 | 100% | 15,262 円1,159 億円 | 1,406 円107 億円 | +419.3% | +19.2% | 16,668 円1,266 億円 |
今の株価時価総額 3,210 円244 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 外部資本による開発拡大と運営収益の飛躍 利益 261 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 45,515 円3,458 億円
都心の用途特化型物件が投資家に評価され、LUMIECやBIASTAの企画力が販売価格と仕入れ競争の双方で優位を生む。年間の売却物件数は53件となり、1件当たりの売上も上がる。バリューアップ型と外部資本による開発を組み合わせ、借入と自己資本を一つの案件に長く固定しない方式が定着する。競合が優良用地を取り合う中でも、用途の選択と早い出口確保によって利益率を維持する。
管理・運営は大きな第二の柱になる。外部受託が広がり、管理戸数は1万6,000戸、運用資産は実質5,000億円相当へ拡大する。ホテルも運営受託と自社ブランドの成長によって客室数が増える。買収した管理会社や運用会社の統合も進み、管理契約の継続率を維持しながら報酬を積み上げる。AIによる定型業務削減は内部の生産性向上として実現するが、AI製品の外部販売収入は見込まない。
開発規模の拡大に合わせて本社費と融資費用も増えるため、利益率が無制限に高まるわけではない。土地取得や更新投資には依然現金が必要であり、株主還元は利益に対して節度ある水準が続く。それでも金融機関との関係を維持し、追加の大規模な公募増資に依存せず成長できる。高収益の開発とストック型収益の両方を確立する、最も成功した10年になる。
- 不動産開発・売却:数量 53.0(年間売却物件数(件。コロンビア・ワークス本体の公表件数を基準))× 価格 35(1件当たり連結開発売上換算額(億円。協業・沖縄等の付随売上を含む))→ 売上 1,829 億円・営業利益 402 億円。販売件数は2025年比3.31倍。案件単価は1.59倍。高付加価値物件と高回転型案件が両立し、開発貢献利益率22%。
- 保有・開発中不動産の賃貸:数量 38,000(年間稼働賃貸面積(平方メートル、換算推計))× 価格 7.20(年間賃料単価(万円/平方メートル))→ 売上 27 億円・営業利益 21 億円。保有賃貸面積の増加と賃料上昇。既存建物の償却は取得原価ベースのまま。
- 賃貸管理・現場対応:数量 16,000(年間平均受託管理戸数(戸、推計))× 価格 29(1戸当たり年間売上(万円、管理・工事等を含む推計))→ 売上 46 億円・営業利益 39 億円。外部受託と修繕工事の拡大。物理的な管理業務は残る。
- 賃貸管理・事務代行:数量 2,100(年間の定型事務サービス換算戸数(戸相当。処理量の指標))× 価格 11(1換算戸当たり年間報酬(万円))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替型。人手による有償処理量は今以下。AI製品の外販成長は含まない。
- アセットマネジメント・ファンド管理:数量 5,000(2025年価格で測った実質運用資産残高(億円))× 価格 0.01(実質AUM1億円当たり年間報酬(億円。名目収入係数))→ 売上 44 億円・営業利益 39 億円。大規模な外部受託が定着。実質AUM5,000億円と名目収入係数0.87%。
- ホテル運営:数量 1,200(年間平均運営客室数(室))× 価格 0.10(1室当たり年間運営売上(億円。稼働率・客室単価・付帯収入を含む))→ 売上 122 億円・営業利益 39 億円。高単価ホテルの運営受託とブランド展開に成功。賃借・人件費を含めた利益率32%。
倍率:10年後ROEは261÷1476.3=17.68%。k9.0%、堀は普通として超過ROEの半分が残るため、RONIC=9%+0.5×(17.68%−9%)=13.34%。長期g2.5%。正当化PER=(1−0.025÷0.1334)÷(0.09−0.025)≒12.50倍。高い事業利益と同時に借入・資本の増加も織り込む。2035年の税前金融収支等のマイナスは約49億円、実効税率約33%を想定。純利益261億円。
確率:テーマ型開発の賃料優位が維持され、ファンド型開発と外部受託が同時に大幅成長する筋書き。中期計画の継続達成に加え、売却市場・融資環境の好調が長く必要となるため10%とする。
やや楽観 21% 開発の拡大とストック収益の定着 利益 160 億円 · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 27,466 円2,086 億円
テーマ型開発の優位は維持され、年間売却件数は43件に増える。大規模案件を増やすだけではなく、ファンド型開発と既存物件の短期バリューアップが組み合わさり、資本の回転が速くなる。立地による選別は厳しくなるが、都心住宅とセットアップオフィスで一定の賃料優位を確保する。開発利益率は高いものの、仕入れ競争と建設費上昇のため、上振れは限定される。
管理戸数は1万1,000戸、実質AUMは3,300億円相当となる。2030年の会社目標に近い規模の管理基盤を作り、その後も外部受託を増やす。運用報酬率は一時的な組成報酬の比率が低下するため、名目資産に対する実効手数料率が現在より低くなる。ホテル運営は650室へ増えるが、自社開発案件をすべて自社運営するわけではない。
2025年に取得したサンクス沖縄との事業統合は成果を出し、運営会社の小規模な買収も増収に貢献する。ただし、買収は事業の付加価値を高める範囲にとどめ、投下資本に見合わない高値買収は行わない。金利上昇による負担は増えるものの、売却期間が短い案件を増やすことで財務の危うさを抑える。2035年のROEは現在より低下するが、資本コストを上回る収益力が残る。
- 不動産開発・売却:数量 43.0(年間売却物件数(件。コロンビア・ワークス本体の公表件数を基準))× 価格 32(1件当たり連結開発売上換算額(億円。協業・沖縄等の付随売上を含む))→ 売上 1,367 億円・営業利益 273 億円。販売件数2.69倍、単価1.46倍。案件の大型化と回転率改善が進む。
- 保有・開発中不動産の賃貸:数量 30,000(年間稼働賃貸面積(平方メートル、換算推計))× 価格 6.85(年間賃料単価(万円/平方メートル))→ 売上 21 億円・営業利益 15 億円。保有面積が緩やかに増え、賃料は物価を上回る部分がある。
- 賃貸管理・現場対応:数量 11,000(年間平均受託管理戸数(戸、推計))× 価格 28(1戸当たり年間売上(万円、管理・工事等を含む推計))→ 売上 30 億円・営業利益 24 億円。開発物件と外部契約を合わせて管理戸数を大幅拡大。
- 賃貸管理・事務代行:数量 1,850(年間の定型事務サービス換算戸数(戸相当。処理量の指標))× 価格 11(1換算戸当たり年間報酬(万円))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。AI代替後も残る事務サービス。数量は今の約87%に縮小。
- アセットマネジメント・ファンド管理:数量 3,300(2025年価格で測った実質運用資産残高(億円))× 価格 0.01(実質AUM1億円当たり年間報酬(億円。名目収入係数))→ 売上 27 億円・営業利益 25 億円。実質AUM3,300億円。継続報酬が主体となる。
- ホテル運営:数量 650(年間平均運営客室数(室))× 価格 0.09(1室当たり年間運営売上(億円。稼働率・客室単価・付帯収入を含む))→ 売上 61 億円・営業利益 15 億円。宿泊需要を取り込みながら、開業費用と固定費を負担する。
倍率:ROE=159.91÷1037.3=15.42%、k9.0%、残存超過収益率50%よりRONIC12.21%。長期g2.5%から正当化PER≒12.23倍。金融収支等の税前負担を約37億円とし、税率33%で純利益約160億円とする。
確率:都心開発の案件数拡大と外部管理契約の成長はすでに始まっている。ただし、運用資産と管理戸数が長期間成長するには人材、融資、運用実績が要るため21%とする。
中立 29% 開発件数は緩やかに増え、資本効率は平常化 利益 86 億円 · PER 11.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 14,791 円1,124 億円
都心の開発需要は続くが、土地の仕入れ競争と建築費の上昇により、かつての高成長は鈍化する。2026年の販売計画24件から、10年後の売却件数は30件へ増える。企画力を生かした案件は残るものの、投資家の要求利回りが上昇し、売却価格の上昇率は物価と同程度に収まる。開発貢献利益率は18%となり、2025年の水準をやや下回る。
資本の使い方は改善するが、借入依存から完全に脱却するわけではない。自社開発では引き続き大きな資金が必要となり、ファンド型開発による利益は外部出資者と分け合う。開発の速度より採算を重視した結果、売上や利益は2030年中期計画の強気な延長を下回る。2026年上期に確認された仕入れと運用受託の拡大は、持続的な成長の出発点として残る。
賃貸管理は7,200戸、実質AUMは2,000億円相当、ホテル運営は300室とする。いずれも2030年の会社目標を2035年にそのまま実現する前提ではない。管理の現場業務は増えるが、定型事務はAIエージェントの普及によって処理量と報酬の伸びが制約される。ファンド報酬も一時的な組成報酬が減り、実効手数料率は低下する。
2035年の営業利益は約150億円、純利益は約86億円となる。10年間に利益を内部留保することで自己資本は約725億円まで増え、ROEは約12%へ低下する。高ROEを永遠に維持する会社ではなくなるが、資本コストを上回る利益を稼ぐ開発・運営会社として存続する。配当を続けながら借入を管理できれば、株主に帰属する価値は現在の時価総額を大きく上回る。
- 不動産開発・売却:数量 30.0(年間売却物件数(件。コロンビア・ワークス本体の公表件数を基準))× 価格 30(1件当たり連結開発売上換算額(億円。協業・沖縄等の付随売上を含む))→ 売上 894 億円・営業利益 161 億円。2025年の16件から30件へ。価格は1.37倍で物価10年1.34倍にほぼ沿う。開発貢献利益率18%。
- 保有・開発中不動産の賃貸:数量 24,000(年間稼働賃貸面積(平方メートル、換算推計))× 価格 6.46(年間賃料単価(万円/平方メートル))→ 売上 16 億円・営業利益 12 億円。賃貸面積はほぼ横ばい、単価は物価並み。既存建物の取得原価による償却は維持。
- 賃貸管理・現場対応:数量 7,200(年間平均受託管理戸数(戸、推計))× 価格 25(1戸当たり年間売上(万円、管理・工事等を含む推計))→ 売上 18 億円・営業利益 15 億円。管理受託の実質数量拡大。修繕・原状回復を含む。
- 賃貸管理・事務代行:数量 1,494(年間の定型事務サービス換算戸数(戸相当。処理量の指標))× 価格 9.40(1換算戸当たり年間報酬(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替型。人手で処理する定型業務数量は10年で0.70倍、価格は1.16倍。g_longはこの部分0%。
- アセットマネジメント・ファンド管理:数量 2,000(2025年価格で測った実質運用資産残高(億円))× 価格 0.01(実質AUM1億円当たり年間報酬(億円。名目収入係数))→ 売上 16 億円・営業利益 13 億円。実質AUM2,000億円。名目AUM換算では約2,690億円、実効管理報酬率は約0.60%に低下。
- ホテル運営:数量 300(年間平均運営客室数(室))× 価格 0.08(1室当たり年間運営売上(億円。稼働率・客室単価・付帯収入を含む))→ 売上 24 億円・営業利益 4 億円。運営客室300室。賃借料・人件費・更新投資負担が残るため採算は慎重に評価。
倍率:2035年ROE=86.4÷725.3=11.91%、k9.0%、普通の堀で残る割合50%よりRONIC10.45%。長期g2.5%。正当化PER=(1−0.025÷0.1045)÷(0.09−0.025)≒11.71倍を使用する。営業利益150.05億円から金融収支・借入関連費用等21.1億円を控除し、実効税率約33%で純利益86.4億円。金融費用等は2025年営業利益と経常利益の差約9億円に、借り換え金利上昇による追加負担約12億円を反映。
確率:2026年の24件という販売計画から2035年の30件への拡大は大きな飛躍を要求しない。2030年会社計画の営業利益200億円や管理規模目標を全面的には達成しない前提であるため、最も自然な中心筋書きとして29%とする。
やや悲観 26% 資金回収が遅れ、開発利益がほぼ消える 利益 −1 億円 · PBR 0.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,128 円162 億円
都心不動産の需要はなくならないが、金利上昇を受けて投資家が物件取得を絞る。開発中の物件は売却までの時間が長くなり、完成後も値引きして販売する案件が増える。年間売却件数は18件となり、物価が上がったにもかかわらず案件単価は2025年から小幅な上昇にとどまる。仕入れ時の価格に建設費上昇が重なり、開発貢献利益率は11%まで低下する。
ファンド型開発にも影響が及ぶ。投資家が期待利回りを引き上げるため、資金を集めにくくなり、新しいSPCの組成が減る。会社は借入の返済を優先し、土地の新規仕入れを抑える。物件の早期売却を進める代わりに販売益を犠牲にする。事業は存続するが、過去の高ROEを再現することはできない。
賃貸管理やAMは残るものの、外部契約の増加は鈍くなる。管理戸数は3,500戸、実質AUMは650億円相当にとどまる。AIエージェントが定型事務処理の多くを代替し、その部分の数量は現在より縮小する。ホテルも集客競争と固定的な賃借費用のため利益を生まない。
10年間の前半には利益が残り配当も行うが、後半に販売損と評価損が発生する。2035年の営業利益は約17億円、純利益は小幅な赤字となる。資産に経済的価値は残るものの、以前のような高い収益率で回転させる能力を失い、再成長には時間がかかる。
- 不動産開発・売却:数量 18.0(年間売却物件数(件。コロンビア・ワークス本体の公表件数を基準))× 価格 26(1件当たり連結開発売上換算額(億円。協業・沖縄等の付随売上を含む))→ 売上 459 億円・営業利益 50 億円。件数が2025年からほとんど増えず、値引きと建設費増加で採算悪化。
- 保有・開発中不動産の賃貸:数量 14,000(年間稼働賃貸面積(平方メートル、換算推計))× 価格 5.80(年間賃料単価(万円/平方メートル))→ 売上 8 億円・営業利益 6 億円。売却・処分で保有面積減少。賃料の上昇も限定的。
- 賃貸管理・現場対応:数量 3,500(年間平均受託管理戸数(戸、推計))× 価格 23(1戸当たり年間売上(万円、管理・工事等を含む推計))→ 売上 8 億円・営業利益 6 億円。新しい開発物件が減り、管理受託の成長も停滞。
- 賃貸管理・事務代行:数量 1,200(年間の定型事務サービス換算戸数(戸相当。処理量の指標))× 価格 8.00(1換算戸当たり年間報酬(万円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AI代替が進み、人による事務処理への支払いが縮小。
- アセットマネジメント・ファンド管理:数量 650(2025年価格で測った実質運用資産残高(億円))× 価格 0.01(実質AUM1億円当たり年間報酬(億円。名目収入係数))→ 売上 5 億円・営業利益 3 億円。AUMは微増にとどまり、組成報酬と継続報酬率が低下。
- ホテル運営:数量 90.0(年間平均運営客室数(室))× 価格 0.07(1室当たり年間運営売上(億円。稼働率・客室単価・付帯収入を含む))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。稼働率低下。賃借・人件費の固定負担で営業利益はゼロ。
倍率:2035年は赤字でPERによる稼ぐ力の評価が不適切。2025年末の自己資本174.3億円を基準とし、減損後にも売却できる資産と事業継続の可能性を考慮した130億円を評価する。PBRは130÷174.3=0.74584倍。2035年の蓄積自己資本287.3億円にこの倍率を掛けない。資産清算の下限推計100億円を上回るが、利益を生まない資本には額面以上の価値を認めない。
確率:都心不動産の高値仕入れと金利上昇が重なれば、開発利益が急減しうる。会社の自己資本に対する借入の大きさを考え、業績が低迷する場合を26%とした。
悲観 14% 不動産市場の流動性が失われ、自己資本が大きく毀損 利益 −40 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 717 円54 億円
不動産市場に深い信用収縮が起こり、機関投資家や私募ファンドが新規の取得を停止する。開発物件は完成しても売却できず、銀行は融資期間の延長や追加担保を厳しく審査する。建設費と金利の上昇で原価が膨らむ一方、売却価格は低下する。物件の保有期間が長くなり、販売用不動産の評価損が発生する。年間売却件数は10件に減り、開発の貢献利益は赤字となる。
資金繰りを優先するため、土地仕入れと新規開発を大幅に縮小する。採算の悪い物件は損失を出して売却し、保有不動産を処分して借入を返済する。外部資本を使うファンド開発も、資金の出し手が減るため十分には機能しない。コロンビア・ワークスの企画力自体が完全に消えるわけではないが、過去の成長を支えた金融環境と取引先の信用を失い、競争上の優位が大きく損なわれる。
運営事業も縮小する。管理契約の一部は残るが、管理物件の売却や所有者変更で契約が失われる。AIエージェント代替によって事務手数料はさらに下落する。ホテルは固定費が残る中で稼働率が落ち込み、赤字となる。収益の柱である開発売却と、育成中だったストック収益の両方が傷む。
2035年には営業損失約36億円、純損失約40億円となる。10年間の前半には配当を行うものの、後半は支払いを停止して資金繰りを優先する。自己資本は帳簿上でも大きく減少する。ほぼ清算に近い資産価値を基準に評価し、優良な成長企業だった時代の利益倍率は一切残さない。
- 不動産開発・売却:数量 10.0(年間売却物件数(件。コロンビア・ワークス本体の公表件数を基準))× 価格 20(1件当たり連結開発売上換算額(億円。協業・沖縄等の付随売上を含む))→ 売上 200 億円・営業利益 −4 億円。売却件数は2025年の62.5%。単価も低下し、建設費・評価損で赤字。
- 保有・開発中不動産の賃貸:数量 9,000(年間稼働賃貸面積(平方メートル、換算推計))× 価格 4.90(年間賃料単価(万円/平方メートル))→ 売上 4 億円・営業利益 3 億円。賃貸資産を大量に売却。残存資産からの賃料のみ。
- 賃貸管理・現場対応:数量 2,000(年間平均受託管理戸数(戸、推計))× 価格 20(1戸当たり年間売上(万円、管理・工事等を含む推計))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。管理契約を喪失し、固定的な現場人員費用が残る。
- 賃貸管理・事務代行:数量 700(年間の定型事務サービス換算戸数(戸相当。処理量の指標))× 価格 6.50(1換算戸当たり年間報酬(万円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替と競争による価格下落が同時に進む。
- アセットマネジメント・ファンド管理:数量 250(2025年価格で測った実質運用資産残高(億円))× 価格 0.01(実質AUM1億円当たり年間報酬(億円。名目収入係数))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。ファンド組成が停止し、残存資産の管理報酬だけとなる。
- ホテル運営:数量 40.0(年間平均運営客室数(室))× 価格 0.06(1室当たり年間運営売上(億円。稼働率・客室単価・付帯収入を含む))→ 売上 2 億円・営業利益 −1 億円。宿泊需要低迷と固定的な賃借料で赤字。
倍率:事業の2035年純利益が赤字であるため、稼ぐ力によるPERを使わない。今の自己資本174.3億円を基準とし、簿価を下回る処分損・負債の清算費用を反映した残存価値55億円とする。PBR=55÷174.3≒0.31555倍。2035年の自己資本47.3億円に掛けたものではない。清算価値の控えめな下限45億円を上回る一方、今の時価総額250億円には届かない。
確率:金融危機級の不動産流動性低下と高値仕入れ物件の評価損が重なる複合的な筋書き。純負債が自己資本の約2.8倍であるため、発生確率を無視できず14%とする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
不動産開発・売却
LUMIEC、BIASTAなどの新築開発、既存不動産のバリューアップ、ファンド型開発、他社協業、サンクス沖縄の不動産売却を含む主力事業。
| 数量年間売却物件数(件。コロンビア・ワークス本体の公表件数を基準) | 価格1件当たり連結開発売上換算額(億円。協業・沖縄等の付随売上を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 16.0 | 22 | 348 | 68 |
| 10 年後 中立 | 30.0 | 30 | 894 | 161 |
取り方:2025年の経営資料で販売件数16件、平均案件単価約21億円を確認。開発事業の連結売上347.71億円を16件で除した21.73億円を使用する。16件は本体の売却物件数で、サンクス沖縄の分譲戸数や協業案件の計数とは一致しない。このため21.73億円は純粋な物件平均売却価格でなく、子会社・協業売上を含む連結換算単価である。2026年上期には9件を売却し、通期24件を計画。op_okuは公式セグメント営業利益ではなく、開発事業の推定売上総利益約19.6%を使用した販管費配賦前の貢献利益。
保有・開発中不動産の賃貸
開発物件の売却までの賃貸運営、継続保有する住宅・オフィスなどの賃料収入。
| 数量年間稼働賃貸面積(平方メートル、換算推計) | 価格年間賃料単価(万円/平方メートル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 23,000 | 4.82 | 11 | 8 |
| 10 年後 中立 | 24,000 | 6.46 | 16 | 12 |
取り方:2025年の賃料収入11.09億円を使用。延べ賃貸面積は開示されていないため、都心の住宅・オフィス混合ポートフォリオについて月額平方メートル当たり約4,018円を仮定し、年間賃料約4.82万円から稼働面積約2.3万平方メートルを逆算した。これは実測の床面積ではなく市場単価による推計であり、用途構成の変化で誤差が出る。推定貢献利益は8.32億円。2026年上期の現金収支には保有目的変更も含まれ、賃貸面積は売却によって変動する。
賃貸管理・現場対応
入居者募集、建物点検、修繕、現場での管理、退去後の原状回復など、物件に人が関与する管理サービス。
| 数量年間平均受託管理戸数(戸、推計) | 価格1戸当たり年間売上(万円、管理・工事等を含む推計) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,134 | 19 | 4 | 3 |
| 10 年後 中立 | 7,200 | 25 | 18 | 15 |
取り方:2025年末の賃貸管理戸数2,841戸と2024年末1,426戸の単純平均約2,134戸を年間平均の代理とした。2025年管理関連売上5.77億円のうち70%を物理的な現場管理・契約維持・工事関連の収益と仮定し、4.04億円を配分する。会社は管理売上の事務・現場内訳を開示していないため、70%は分析上の仮定である。2026年6月には3,357戸、うち外部受託1,505戸に増加した。
賃貸管理・事務代行
賃料請求、債権債務管理、報告書作成、定型的な契約更新処理などの事務代行。AIエージェント代替型。
| 数量年間の定型事務サービス換算戸数(戸相当。処理量の指標) | 価格1換算戸当たり年間報酬(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,134 | 8.11 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,494 | 9.40 | 1 | 1 |
取り方:管理関連売上5.77億円の30%を賃料請求・レポート作成など定型事務相当として配分した推計。契約単価や人月売上の公式開示ではない。会社は2030年計画で定型業務約70%の自動化を目標としているが、外部販売するAIサービスの売上実績は確認できない。AIエージェント代替の人月・BPO型として、中立10年後の処理数量を現在の約70%とし、価格は現在の約1.16倍にとどめる。数量縮小を人員削減と直接同一視せず、人が担う有償事務処理需要の減少として評価する。
アセットマネジメント・ファンド管理
不動産ファンドの組成、開発管理、投資家向け資産運用、外部資産の受託管理と報酬収入。
| 数量2025年価格で測った実質運用資産残高(億円) | 価格実質AUM1億円当たり年間報酬(億円。名目収入係数) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 484 | 0.01 | 4 | 4 |
| 10 年後 中立 | 2,000 | 0.01 | 16 | 13 |
取り方:2025年末のAUM483.6億円とAM関連売上4.05億円から実効報酬率約0.84%を算出した。開発型SPCの組成・開発管理などの一時的な報酬も含むため、継続的な残高比例報酬率ではない。2026年6月末にはAUM684億円、2030年計画では約4,000億円を目標とする。将来のvolumeは物価を除いた実質AUMとし、priceには報酬率の変化と名目物価の効果を含める。報告・債権管理はAIで効率化されるが、運用責任や投資判断そのものは規制・信用に依存するため、全額を人月BPO型にはしない。
ホテル運営
NOCTISなどの都市型ホテルを中心とする宿泊運営。委託開発のみで他社が運営する施設は含まない。
| 数量年間平均運営客室数(室) | 価格1室当たり年間運営売上(億円。稼働率・客室単価・付帯収入を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 49.0 | 0.06 | 3 | 2 |
| 10 年後 中立 | 300 | 0.08 | 24 | 4 |
取り方:2025年ホテル運営売上3.01億円を用い、会社が2026年の規模として示した49室を過去実績の暫定的な代理数量とした。2025年の期中平均客室数の確認はできないため、1室当たり年614万円は実績ADRではなく運営売上の換算値である。2030年目標800室は外部受託を含む。2026年10月公表の日光ホテル約50室はテイクアンドギヴ・ニーズが運営する計画なので、この部門の自社運営客室数には直接加えない。
リスクと懸念
高い借入依存と借り換え
2025年末の純有利子負債は491億円で、自己資本174億円の約2.8倍だった。物件ごとの融資が中心で売却すれば返済が進むものの、予定した売却が止まると負債は残る。借り換え金利が上がるだけでなく、担保評価の下落によって追加の自己資金を求められる危険がある。2026年上期末には有利子負債が約580億円に達しており、成長とともに借入残高も増えている。
物件価格の下落とキャップレート上昇
売却価格は賃料と投資家の要求利回りで決まる。国債利回りが3%となり、不動産に必要な利回りが上がれば、賃料が上昇しても物件価格は下がりうる。特に仕入れから売却まで数年を要する開発案件では、取得時の前提が崩れると在庫の評価損が発生する。自己資本が薄いため、売却価格の小さな変化でも株主の価値への影響が大きい。
建築費高騰と工期の長期化
建設業の人手不足や資材価格上昇により、会社は開発工期が約2年から3年超へ延びたと説明している。工期が長くなると資金拘束期間と利息負担が増え、利益率が下がる。物価上昇を販売価格へ完全に転嫁できなければ、受注・仕入れを増やしても儲からない。過去の高い営業利益率を再現するには、土地と建築費の両方を厳しく管理する必要がある。
資本増強による既存株主の希薄化
2025年には約11%の希薄化を伴う公募増資を実施した。経営陣は増資後の成長が希薄化を上回ると説明しているが、将来も同じ成果が得られるとは限らない。借入の維持や開発用地の確保のために再度大規模な株式発行が必要となれば、全社利益が増えても既存株主に帰属する価値は減る。経営目標のEPS重視が実際の資本配分に反映されるかが重要である。
AIエージェント代替と管理報酬の競争
入居者対応の一部、賃料請求、債権債務管理、報告書作成などの定型業務はAIエージェントによって自動化されやすい。会社自身も定型業務約70%の削減を目標に掲げている。内部の省力化は利益を改善するが、他社も同じ技術を使えば事務代行の手数料には値下げ圧力がかかる。現場管理や建築、運用責任まで一律に消えるわけではないが、事務サービスの数量と長期収益力は縮むと考える必要がある。
M&Aと事業拡大の実行
サンクス沖縄の取得では地域販売力を取り込んだが、管理会社やホテル会社の買収がすべて成功する保証はない。利益の持続性を重視して高い値段で買収すると、のれんや追加投資が株主価値を損なう。2030年中期計画は買収件数を数値目標にせず、のれん償却後の利益貢献を条件にしている。実際の買収価格、現金回収、統合後の利益率を確認すべきである。
保有賃貸・ホテルの固定費と減価償却
保有賃貸物件の既存建物は取得時の原価で減価償却されるため、物価上昇だけで過去の償却費が増えるわけではない。一方、新規建築や建て替えの投資額は建築費高騰で増える。ホテルの賃借料と人件費は稼働率が低下しても簡単には減らない。新リース会計基準の適用によって負債の表示が変わっても、将来の支払い義務そのものは消えない。
今後の分かれ目
- 年間販売件数が30件を安定して超え、案件単価も物価並み以上で推移したら
- 中立の開発売上と利益を上方修正する。案件数だけでなく、仕入れから売却までの期間と借入残高が増えすぎていないかを同時に確認する。
- 2030年に営業利益200億円、ストック営業利益32億円の両方を達成したら
- 中立からやや楽観側へ確率を移す。ただし自己資本と借入の増加、配当後の現金収支を調べ、増資によって利益が水増しされていないかを確認する。
- AUMが4,000億円に近づき、継続的な管理報酬の割合が増えたら
- 資産保有に伴う資本負担なしで利益が拡大する証拠となり、資本効率と収益の再現性を高く評価する。組成時の一時報酬と継続報酬は必ず分ける。
- 開発用在庫が増え続け、販売予定物件の引き渡し延期が繰り返されたら
- 金利・価格下落・担保評価の三重のリスクが高まるため、やや悲観と悲観の確率を引き上げる。売却損益より先に借入の満期構成と現金残高を確認する。
- 公募増資を再び実施し、1株当たり利益の増加が株数の増加に追いつかなかったら
- 将来の利益総額が増えても既存株主の取り分を下方修正する。資本の再投資利回りが資本コストを超えているかを厳しく点検する。
- 金利上昇によって投資家の物件取得利回りが大きく上がり、都心物件価格が下落したら
- 開発単価、利益率、販売件数を同時に下方修正する。賃料の値上げで価格下落を吸収できる物件とできない物件を分けて評価する。
- AI自動化の進展後も管理報酬率と契約継続率が維持され、外部受託が増えたら
- 定型事務の代替リスクを一部減らし、管理・運営事業の長期成長率を再評価する。単なる社内の作業削減目標ではなく、顧客が払う価格と契約数の実績を確認する。
見ておくもの
- 四半期ごとの販売件数、平均案件単価、開発粗利益率と予定物件の販売遅延
- 棚卸資産残高と純有利子負債、借入の平均金利、借り換え期限
- 開発物件の平均保有・販売期間とファンド型開発比率
- AUMのうち外部受託残高、組成報酬と継続AM報酬の区分
- 賃貸管理戸数、外部受託比率、解約率、管理契約当たり売上
- ホテル運営客室数、稼働率、ADR、RevPAR、固定的な賃借負担
- 2030年計画の営業利益200億円・ストック営業利益32億円の進捗
- ROEと自己資本の推移、増資・自社株買い・配当による既存株主の取り分
- 2026年以降の都心オフィス・住宅の取引利回りと賃料動向
- AI業務自動化の実績と管理手数料率への影響
倍率と資本コストの決め方
今の株価や同業PERから10年後の倍率を逆算していない。2025年の開発売上347.71億円と16件の売却実績を出発点に、2035年の中立は30件、単価29.8億円とした。2026年計画24件からの増加は小幅で、2030年の会社目標をそのまま延長していない。管理・運用・ホテルも数量と単価を別々に積み、開示のない数量や事務売上の内訳は推定と明記した。将来の営業利益は事業別貢献利益から本社費を控除し、純利益には新しい借入金利を反映した。自己資本は2025年末174.3億円に10年間の純利益合計を加え、還元を差し引いている。中立では純利益累計約666億円、還元115億円、期末自己資本約725億円となり、ROEは結果として11.9%へ低下する。2026年上期に約1.79億円の減価償却があったことを参考に、2035年の中立の年間償却費は既存資産分約2.5億円と新規・更新資産分約3.5億円の合計約6億円を概算で見込み、貢献利益率に含めている。既存建物の償却額を物価で一律に1.34倍していない。更新に必要な現金支出は償却費より大きくなりうるため、利益を過度に還元へ回さない。2027年以降の新リース会計基準による表示変更は評価額の増加とはみなさない。倍率はk9.0%、g_long2.5%、ROEから計算したRONICによる正当化PERとし、中立から上側は計算上の上限を使用する。悲観側は現在の自己資本を基準とした資産の換価額を重視し、将来の蓄積自己資本へ床のPBRを掛けない。なお、この価値には将来の大規模公募増資を既定の事実として含めておらず、実施時には既存株主の取り分を再評価する。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3.0%と株式リスクプレミアム4.5%に、事業の循環0.5%と借入負担1.0%を加える。個別の買収失敗や経営判断のリスクは割引率に加えず筋書きと確率で扱う。