結論
結論:愛知を地盤とする戸建分譲の中堅が、在庫の絞り込みで利益を戻した直後にある。借金は重く、稼ぐ力は資本コストにまだ届かないが、今の値は純資産の4割で、期待がほとんど入っていない。
2026年8月期は売上679億円、営業利益20.1億円(利益率3.0%)。営業利益は前期の13億円から5割増えた。戸建の分譲が前期の赤字から11.6億円の黒字になったためである。純利益14.2億円には、子会社の巨勢工務店の売却益が入っており、実力は会社予想の10.5億円(2027年8月期)に近い。
貸借対照表は、棚卸資産が481億円(総資産の2/3)と大きい。借入金373億円に対して現金146億円、純借入は227億円で、時価総額の約1.9倍にあたる。ただし借入の大半は仕入れた土地と建築中の家に対応する運転資金で、売れ行きが保たれる限り回転して返る。自己資本比率は40%を保つ。
10年後の中立は、売上が約1000.0億円、営業利益が約36億円(利益率3.6%)、純利益が約20億円。戸建は10年で棟数が4%増え、単価は物価をやや下回る1.28倍で、営業利益率は3.0%に置いた。ROEは5%台と資本コストに届かないため、正当化PERの9割(約7倍)にとどめた。余った現金は、配当の下限と自己株買いで一部が戻る前提で0.75を掛けた。株主優待(100株以上でQUOカード)は、費用を年2.5億円と推定し、10年分を還元に足した。
バリュー投資の観点から
結論:在庫の絞り込みで稼ぐ力が戻りかけた回転型の会社で、純資産の4割という値は期待が低い。ただし借金の重さと景気の谷に弱く、堀は浅い。
良い点は、在庫管理プロセスを直して戸建の粗利益率を戻したこと(14.7%)、東海の商圏で一定の棟数を持つこと、リフォーム・火災保険など利益率の高い周辺事業が積み上がっていること、PBR0.4倍と低く、配当と優待と自己株買いで株主への姿勢が出ていること。悪い点は、純借入が時価総額の1.9倍あること、ROEが過去の中央値4%と資本コストに届かないこと、住宅ローン金利に弱いこと、新築需要が人口減で細ること、大手に価格決定力で劣ること。
判断は、2027年から2028年の中期計画(売上850億円・経常利益32億円)が、利益率を戻したまま売上を伸ばせるかで割れる。中立では計画に届かない前提(営業利益約36億円)とし、10年かけて計画の水準に近づく形に置いた。重みづけた価値が今の値を上回るのは、悲観側が資産価値(在庫と現金)という床に支えられ、下側が限られるためである。
何で稼ぐ会社か
結論:売上の7割は戸建とマンションの分譲で、残りは不動産流通・請負・その他。愛知・岐阜・三重の東海を中心に、戸建を作って売る回転型の会社である。
戸建(AVANTIA の主力)は、2026年8月期に1,107棟を引き渡し、売上463億円・営業利益9.9億円。1棟の平均価格は4,132万円(前期は3,760万円)で、土地2,353万円と建物1,779万円からなる。引渡しと受注は同じ水準で、期末の受注残は318棟。粗利益率は14.7%に戻った。マンションの分譲は売上27億円・利益1.7億円で、名古屋の栄・名古屋駅前・国府宮で、2027年から2028年に約200戸を引き渡す。
不動産流通は、売上99億円・利益1.1億円。中古戸建・区分マンション・事業用不動産を買い取って売る事業で、前期より21%減った。在庫の入替えを進めている最中である。請負は、土地を持つ顧客から注文を受けて建てる事業で、売上66億円・利益1.7億円。その他はリフォーム、仲介、火災保険代理店、家賃収入で売上23億円・利益4.8億円と、利益率が高い。
子会社の整理が続く。2025年9月に巨勢工務店を売却し、2026年12月に戸建を営む2社(五朋建設・ネクスト-ライフ-デザイン)を吸収合併する。新しい動きは、京都(2026年7月)と仙台(2026年9月)の出店と、米国カリフォルニアのタウンハウス開発への参画(2026年3月、第1号は12戸)である。米国は金額が小さい。
優良さと弱いところ
結論:事業の質は並、財務の質はやや弱い。k(求める利回り)は基本の7.5%に2.25ポイントを足した9.75%に置いた。同業の戸建分譲(9.0〜10.0%)の範囲に収まる。
循環は+0.75。住宅の分譲は金利と景気に大きく左右される。2008年から2009年の谷で、営業利益が3割近く落ちた実績がある(2009年8月期の経常20億円)。値決めは+0.5。土地と建築費は市況で決まり、価格に載せても買い手の予算(ローン)に上限がある。回転型の会社は、在庫の評価損を恐れて値下げで売る局面が来る。
借金は+0.75。純借入は自己資本の0.8倍、営業利益は支払利息の3.4倍。借入373億円のうち短期が252億円で、毎年借り換える。金利が上がれば利払いが増える(10年で年5億円ほど。会社の推計は純借入を3.5%で借り換える前提)。ただし棚卸資産481億円が担保となり、自己資本比率も40%と同業の平均並みである。
寿命は+0.25。世帯数が減る中、新築戸建の需要は人口が減るにつれて細る。会社は商圏を深く掘る方針で、京都・仙台と海外に出る手を打つが、収益はまだ小さい。積み上げは+2.25ポイントで9.75%。同じ領域のオープンハウスグループ(9.0%)より高く、ケイアイスター不動産(10.0%)より低い。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
結論:新築戸建は、人口と世帯数が減る中で、値段が上がり続けて需要が先細る業種である。大手に規模で劣る中堅は、仕入れと在庫管理の巧拙で利益が決まる。
新設住宅着工は2025年に74万戸と、62年ぶりの低水準。分譲の戸建は約11.6万戸で、建築費の高騰と住宅ローン金利の上昇が買い手の予算を圧迫する。会社の戸建の平均価格は10%上がったが、棟数の伸びは小さく、価格で稼ぐ局面は長く続かない。
競争の形は分散的で、飯田グループ(国内最大)、オープンハウスグループ、ケイアイスター不動産の大手と、地場の工務店が重なる。価格決定力は弱く、土地の仕入れ力と建築費の圧縮が競争力になる。同業の比較では、3社(飯田グループ、ケイアイスター、フージャース)は、同じ前提で測ると今の値が中立を上回る(割高)か、近い水準に出る。AVANTIA は ROE が低い分、倍率も低く(PBR0.4倍)、そこが期待を織り込んでいない証拠でもある。
在庫の評価損が最大の落とし穴で、2008年から2009年には、建売在庫の投げ売りと資金繰り難で中堅の破綻が相次いだ。会社は在庫管理を直し、期間別の在庫比率を改善したと示す。事業の中身は、土地を仕入れて建てる期間が短いほどリスクが小さい構造である。固定資産は少なく、減価償却の影響は小さい(穴10は影響が限られる)。
資本政策と M&A
結論:運転資金の借入は大きいが、自己資本は4割を保ち、還元は配当の下限と優待、自己株買いで小さく進む。
2026年8月末の現金は146億円(前期末は183億円)、借入は373億円(短期252億円・長期121億円)。営業キャッシュフローは12億円のマイナス、投資は10億円のマイナス、財務も4億円のマイナス。棚卸資産が81億円増え、現金が37億円減った。金利の上昇が続けば、利払いは年10億円近くまで増えうる。
配当は、配当性向25%程度を目安に、下限を年間の総額で約5.4億円(中間・期末とも同額)に置く。2027年8月期も同水準の予想で、純利益予想に対する配当性向は5割を超える。自己株買いは、2026年10月14日に市場外取引で22.9万株(1.9億円)を取得し、2027年1月29日まで最大35万株・3億円の枠を持つ。株数は発行済14,884,300株から自己株を引いて約1,427万株、取得後は約1,427万株を下回る。
株主優待は、毎年8月末に100株以上を1年以上保有する株主へ、QUOカード(500株以上は2倍の額)。株主数は4.2万人で、費用は年2.5億円ほどと推定した(範囲は2〜3.5億円)。10年の還元に(中立1.0、やや悲観0.75、悲観0.5)を掛けて足した。
上場は東証スタンダードと名古屋プレミア。親会社はなく、創業家や大口の保有が目立たない。余った現金が貯まったときの戻り方は、配当の下限と自己株買いが実績としてあるため0.75とした。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
結論:商圏の深掘りと京都・仙台の出店が当たり、中期計画の水準(経常利益32億円)を超え、2030年の目標(経常利益60億円)に近づく。
戸建は1,350棟まで増え、平均価格は1.34倍、営業利益率は4.2%まで戻る。マンションは年150戸、不動産流通は在庫回転で利益率3.2%、請負は950(千万円)まで伸び、その他の利益は積み上がる。営業利益は約61億円、純利益は約38億円、ROEは9%に上がる。借入は在庫の回転で増えず、利払いは年6億円に抑えられる。
この筋書きは、住宅ローン金利が低位にとどまり、新築戸建の需要が思ったより落ちないことが前提になる。会社の戸建の粗利益率は14.7%に戻ったが、過去の山(2013年8月期の利益率9.1%)には遠い。価格を上げ続けられる局面は長く続かないため、確率は低い。ただし、2027年8月期の予想(営業利益23億円)が実現し、請負と流通の利益が戻れば、足元の追い風は確かにある。優待と配当は続く(年2.5億円×10年×1.0)。
慎重な見方
結論:住宅ローン金利の上昇と新築需要の細りが重なり、在庫の評価損で赤字になる。株の価値は、資産の床(在庫と現金)で測る。
戸建は850棟まで減り、単価は1.12倍にしか上がらず、営業利益率はゼロを割る。マンションと流通も赤字になる。営業利益はほぼゼロ、利払いは年11億円に増え、純利益は赤字になる。借入373億円は借り換えの条件が悪化し、短期借入の252億円が負担になる。配当は半分以下に、優待は縮小する(年2.5億円×10年×0.5)。
清算した場合の資産は、棚卸資産481億円を投げ売りで55%、現金146億円をそのまま、固定資産を5割で見て約460億円。負債432億円を引くと、約30億円しか残らない。売却費用と未計上の負債を2割見て、約24億円に置いた。2008年から2009年のように、建売在庫の投げ売りと資金繰り難で、中堅が破綻に向かった前例がある。評価損と赤字で自己資本は235億円まで細り、PBRは0.10倍に置いた。
どちらに重みを置いたか
結論:中立の価値は今の値を上回るが、悲観側の重みが大きく、重みづけた価値は今の値を上回る。確率は、中立の38%に、悲観側の約4割を置いた。
稼ぐ力が資本コストに届かない会社は、本来は純資産を下回る値が付く。今の値(PBR0.4倍)はその水準に近く、中立も悲観も、在庫と現金という床が下を支える。次の分かれ目は、2027年8月期の予想(営業利益23億円)が実現するか、金利上昇の中で戸建の粗利益率14.7%を保てるかである。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/08 期)
確率で加重した株価時価総額 1,320 円188 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 516 円74 億円)。 今の値に割り戻すと 909 円130 億円、今との差 +9.3%、 期待の年率 +8.2%(資本コスト 8.8%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 3,062 円437 億円 | 858 円122 億円 | +371.1% | +16.8% | 235 円34 億円 |
| やや楽観 | 17% | 2,507 円358 億円 | 731 円104 億円 | +289.2% | +14.6% | 550 円79 億円 |
| 中立 | 38% | 1,578 円225 億円 | 567 円81 億円 | +157.8% | +9.9% | 815 円116 億円 |
| やや悲観 | 27% | 335 円48 億円 | 376 円54 億円 | −14.6% | −1.6% | 192 円27 億円 |
| 悲観 | 12% | 165 円24 億円 | 193 円28 億円 | −57.1% | −8.1% | 43 円6 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,320 円188 億円 | 516 円74 億円 | +120.6% | +8.2% | 1,835 円262 億円 |
今の株価時価総額 832 円119 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 6% 商圏の深掘りが当たり利益率が戻る 利益 38 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 3,062 円437 億円
戸建が1,350棟(10年で22%増)、平均価格が1.34倍、営業利益率が4.2%まで戻る筋書き。マンションは150戸、不動産流通は120件で利益率3.2%、請負は950(千万円)で4.2%、その他は利益率23%。営業利益は約61億円、純利益は約38億円。借入は在庫の回転で増えず、利払いは年6億円。配当は純利益の4割、優待は続く(年2.5億円×10年×1.0)。会社の2030年の目標(経常利益60億円)にほぼ届く。住宅ローン金利が低位にとどまり、新築需要が思ったより落ちないことが前提で、確率は低い。
- 戸建(分譲):数量 1,350(年間の引渡し棟数(棟))× 価格 0.56(1棟当たり売上(億円))→ 売上 757 億円・営業利益 32 億円。営業利益率4.2%
- マンション(分譲):数量 150(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 0.72(1戸当たり売上(億円))→ 売上 109 億円・営業利益 7 億円。営業利益率6.5%
- 不動産流通:数量 120(年間の引渡し件数(件))× 価格 1.90(1件当たり売上(億円))→ 売上 229 億円・営業利益 7 億円。営業利益率3.2%
- 請負:数量 950(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.13(1単位当たり売上(億円))→ 売上 127 億円・営業利益 5 億円。営業利益率4.2%
- その他(リフォーム・仲介・保険代理店・家賃):数量 290(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.13(1単位当たり売上(億円))→ 売上 39 億円・営業利益 9 億円。営業利益率23%
倍率:事業の純利益 38 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.8% が k 8.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.8%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.44 倍、時価総額 437 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:金利が低位にとどまり、新築戸建の需要が落ちない道。足元の営業利益率3.0%から4%台は、過去の山でもあるため、確度は低い。
やや楽観 17% 中期計画を達成してさらに伸びる 利益 31 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 2,507 円358 億円
戸建が1,250棟(10年で13%増)、平均価格が1.32倍、営業利益率が3.8%。マンションは140戸、不動産流通は110件、請負は900(千万円)。営業利益は約52億円、純利益は約31億円。借入は少しずつ減り、利払いは年6.5億円。配当は純利益の4割弱。会社の中期計画(2028年8月期の経常利益32億円)は達成し、そこから伸びる形である。優待は続く(年2.5億円×10年×1.0)。ROEは7.5%と資本コストに近づくが、届かない。京都・仙台の出店が採算に乗り、請負と不動産流通の利益が戻る一方、戸建の利益率は過去の山(2013年8月期の9.1%の全社利益率)には遠いままで、住宅ローン金利は緩やかに上がる前提である。
- 戸建(分譲):数量 1,250(年間の引渡し棟数(棟))× 価格 0.55(1棟当たり売上(億円))→ 売上 690 億円・営業利益 26 億円。営業利益率3.8%
- マンション(分譲):数量 140(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 0.71(1戸当たり売上(億円))→ 売上 100 億円・営業利益 6 億円。営業利益率6%
- 不動産流通:数量 110(年間の引渡し件数(件))× 価格 1.88(1件当たり売上(億円))→ 売上 206 億円・営業利益 6 億円。営業利益率2.8%
- 請負:数量 900(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.13(1単位当たり売上(億円))→ 売上 119 億円・営業利益 5 億円。営業利益率4%
- その他(リフォーム・仲介・保険代理店・家賃):数量 280(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.13(1単位当たり売上(億円))→ 売上 37 億円・営業利益 8 億円。営業利益率22%
倍率:事業の純利益 31 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.5% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.43 倍、時価総額 358 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:中期計画(経常利益32億円)が達成され、その先も伸びる道。足元の予想(営業利益23億円)が実現すれば、十分ありうる。
中立 38% 中立:戸建は横ばい、単価は物価を下回る 利益 20 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 1,578 円225 億円
戸建が1,150棟(10年で4%増)、平均価格は物価をやや下回る1.28倍、営業利益率が3.0%。マンションは100戸、不動産流通は95件で2%、請負は780(千万円)で2.8%、その他は利益率20%。営業利益は約36億円(利益率3.6%)、純利益は約20億円。会社の中期計画(2028年8月期に経常利益32億円)に、10年かけて近づく形で、営業利益率は過去の山(4%台)を超えない。借入は在庫の増加でわずかに増え、利払いは年7億円。配当は純利益の4割弱(総額で約5.6億円ずつ)、優待は続く(年2.5億円×10年×1.0)。ROEは5%台と、求める利回り9.75%を下回るため、PERは1÷kの10.3倍でなく、貯める分を割り引いた11.43倍に置いた。償却費は小さく、物価で膨らむ影響は限られる。
- 戸建(分譲):数量 1,150(年間の引渡し棟数(棟))× 価格 0.54(1棟当たり売上(億円))→ 売上 616 億円・営業利益 19 億円。営業利益率3%
- マンション(分譲):数量 100(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 0.70(1戸当たり売上(億円))→ 売上 70 億円・営業利益 4 億円。営業利益率5%
- 不動産流通:数量 95.0(年間の引渡し件数(件))× 価格 1.85(1件当たり売上(億円))→ 売上 176 億円・営業利益 4 億円。営業利益率2%
- 請負:数量 780(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.13(1単位当たり売上(億円))→ 売上 101 億円・営業利益 3 億円。営業利益率2.8%
- その他(リフォーム・仲介・保険代理店・家賃):数量 260(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.13(1単位当たり売上(億円))→ 売上 34 億円・営業利益 7 億円。営業利益率20%
倍率:事業の純利益 20 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.1% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍。全体の PER 11.43 倍、時価総額 225 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:戸建の棟数がほぼ横ばいで、単価が物価をやや下回って上がり、利益率が3%台に定着する、最も自然な道。
やや悲観 27% 金利上昇で利益が今を下回る 利益 9 億円 · PER 5.4 倍 · 株価時価総額 335 円48 億円
戸建が1,000棟(10年で1割減)、平均価格は1.20倍、営業利益率が2.1%。マンションは70戸、不動産流通は70件で1.2%、請負は660(千万円)で2.2%。営業利益は約22億円と、今の水準(20億円)並みにとどまる。利払いは年8.5億円で、純利益は約9億円。配当は下限の約5.4億円を保つのは難しく、純利益の3.6割に下がる。優待は縮小する(年2.5億円×10年×0.75)。ROEは2.5%に低迷し、在庫の評価損も一部出る。住宅ローン金利が上がり、買い手の予算が縮み、価格を上げられずに棟数が減る展開である。
- 戸建(分譲):数量 1,000(年間の引渡し棟数(棟))× 価格 0.50(1棟当たり売上(億円))→ 売上 502 億円・営業利益 11 億円。営業利益率2.1%
- マンション(分譲):数量 70.0(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 0.65(1戸当たり売上(億円))→ 売上 45 億円・営業利益 2 億円。営業利益率4%
- 不動産流通:数量 70.0(年間の引渡し件数(件))× 価格 1.71(1件当たり売上(億円))→ 売上 119 億円・営業利益 1 億円。営業利益率1.2%
- 請負:数量 660(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.12(1単位当たり売上(億円))→ 売上 79 億円・営業利益 2 億円。営業利益率2.2%
- その他(リフォーム・仲介・保険代理店・家賃):数量 235(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.12(1単位当たり売上(億円))→ 売上 28 億円・営業利益 5 億円。営業利益率18%
倍率:ROE 2.5% は k 8.75% を下回る。新しく貯める利益は資本コストを稼げず価値を増やさないので、PER は 1÷k = 10.3 倍が上限。貯める分は ROE÷k = 0.26 の価値でしか数えないので、配当で戻る割合 0.36 + 貯まる割合 0.64 × 0.26 = 0.52 を掛けて 5.4 倍に置いた。戸建分譲の中堅で、借金が重く稼ぐ力が資本コストに届かないので、やや悲観は
確率:金利が上がり、買い手の予算が縮んで利益が今の水準を下回る道。2024年8月期の利益率1.3%、2025年8月期の1.9%の実績があり、十分ありうる。
悲観 12% 金利上昇と在庫評価損で赤字 利益 −9 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 165 円24 億円
戸建が850棟(2割強減)、単価は1.12倍にとどまり、営業利益率がゼロを割る。マンションと流通は赤字になる。営業利益はほぼゼロ、利払いは年11億円で、純利益は約9億円の赤字。在庫の評価損が出て、借り換えの条件が悪化する。配当は半分以下に、優待は縮小する(年2.5億円×10年×0.5)。清算した場合の資産は、在庫を投げ売りで55%、現金をそのまま、固定資産を5割で見て、負債を引くと約30億円。売却費用と未計上の負債を見て約24億円に置いた。評価損と赤字で自己資本は235億円まで細り、PBRは0.10倍に置いた。2008年から2009年の中堅破綻の再来にあたる。住宅ローン金利が上がり、買い手の予算が縮む中で、仕入れた土地の値が下がる展開である。
- 戸建(分譲):数量 850(年間の引渡し棟数(棟))× 価格 0.47(1棟当たり売上(億円))→ 売上 398 億円・営業利益 −2 億円。営業利益率-0.5%
- マンション(分譲):数量 30.0(年間の引渡し戸数(戸))× 価格 0.60(1戸当たり売上(億円))→ 売上 18 億円・営業利益 −1 億円。営業利益率-3%
- 不動産流通:数量 40.0(年間の引渡し件数(件))× 価格 1.56(1件当たり売上(億円))→ 売上 63 億円・営業利益 −1 億円。営業利益率-1%
- 請負:数量 500(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.11(1単位当たり売上(億円))→ 売上 55 億円・営業利益 0 億円。営業利益率0.5%
- その他(リフォーム・仲介・保険代理店・家賃):数量 200(売上の取引量(千万円相当))× 価格 0.11(1単位当たり売上(億円))→ 売上 22 億円・営業利益 3 億円。営業利益率12%
倍率:稼ぐ力はほぼなく(純利益は赤字)、価値は資産の床で測る。清算すると約30億円しか残らず、売却費用と未計上の負債を見て約24億円。10年後の自己資本235億円にPBR 0.10を掛けた約24億円に置いた。EV(時価総額+純借入227億円)で見ても、営業利益がほぼゼロの会社に利益の倍率は付かない。
確率:住宅ローン金利の上昇と在庫の評価損が重なり、赤字になる構造的な負け。2008年から2009年の前例があり、無視できない確率。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
戸建(分譲)
東海を中心に、土地を仕入れて建売住宅を建てて売る事業。会社の主力。
| 数量年間の引渡し棟数(棟) | 価格1棟当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 1,107 | 0.42 | 463 | 10 |
| 10 年後 中立 | 1,150 | 0.54 | 616 | 19 |
取り方:2026年8月期の戸建売上463.2億円を引渡し1,107棟で割った1棟当たり売上(平均価格4,132万円は土地・建物の販売価格で、売上には付帯工事等が入る)。営業利益は決算説明資料のセグメント内訳(戸建9.91億円)。中立は棟数が4%増、単価は1.28倍。
マンション(分譲)
名古屋で、栄・名古屋駅前・国府宮などの分譲マンションを開発・販売する。
| 数量年間の引渡し戸数(戸) | 価格1戸当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 49.0 | 0.54 | 27 | 2 |
| 10 年後 中立 | 100 | 0.70 | 70 | 4 |
取り方:2026年8月期のマンション売上26.5億円を引渡し49戸で割った値。営業利益は決算説明資料のセグメント内訳(1.69億円)。2027年から2028年に約200戸を引き渡す計画。中立は年100戸。
不動産流通
中古戸建・区分マンション・事業用不動産を買い取って売る。
| 数量年間の引渡し件数(件) | 価格1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 70.0 | 1.42 | 100 | 1 |
| 10 年後 中立 | 95.0 | 1.85 | 176 | 4 |
取り方:2026年8月期の不動産流通売上99.5億円を引渡し70件(中古戸建16・区分マンション38・事業用16)で割った値(仲介手数料等を含む)。営業利益は決算説明資料のセグメント内訳(1.12億円)。中立は件数が1.4倍。
請負
土地を持つ顧客から注文を受けて建てる(注文住宅・請負工事)。
| 数量売上の取引量(千万円相当) | 価格1単位当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 663 | 0.10 | 66 | 2 |
| 10 年後 中立 | 780 | 0.13 | 101 | 3 |
取り方:2026年8月期の請負売上66.3億円を1千万円単位に直した指標(棟数・件数の開示はない)。営業利益は決算説明資料のセグメント内訳(1.68億円)。中立は取引量が18%増。
その他(リフォーム・仲介・保険代理店・家賃)
リフォーム、グループ内の仲介、火災保険代理店、家賃収入。コア事業との連携で収益が積み上がる。
| 数量売上の取引量(千万円相当) | 価格1単位当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/08 | 233 | 0.10 | 23 | 5 |
| 10 年後 中立 | 260 | 0.13 | 34 | 7 |
取り方:2026年8月期のその他売上23.3億円を1千万円単位に直した指標。営業利益は決算説明資料のセグメント内訳(4.76億円、利益率20%)。リフォームは有償点検を起点に顧客ストックで伸びる。中立は取引量が12%増。
リスクと懸念
金利の上昇と借り換え
借入373億円のうち短期が252億円で、毎年借り換える。金利が上がれば利払いが増える(10年で年5億円ほどの利益減)。戸建は住宅ローン金利に弱く、買い手の予算も縮む。
在庫の評価損
棚卸資産が481億円と総資産の2/3を占める。土地の値下がりや売れ行きの鈍化で、評価損が出れば自己資本が削られる。2008年から2009年には中堅の破綻が相次いだ。
新築戸建の需要の細り
新設住宅着工は2025年に62年ぶりの低水準(74万戸)。世帯数の減少と価格の上昇で、新築の需要は先細る。会社の平均価格は10%上がり、買い手の予算に近づいている。
稼ぐ力が資本コストに届かない
ROEは過去10年の中央値で4%、2027年8月期の予想でも5%程度。資本コストの9.75%を下回る状態が続くと、純資産を下回る値が当然になる。
組織再編と新事業の実行
2026年12月に戸建2社を吸収合併し、京都・仙台の出店と米国のタウンハウス開発に着手する。吸収合併で営業機能が混乱しないか、新規出店が採算に乗るかは、数字で確かめる段階にある。
優待・配当の費用
配当は下限を設け、優待も年2.5億円ほどかかる。利益が落ちると、還元が純利益を超え、余った現金の戻りが縮む。
今後の分かれ目
- 戸建の粗利益率が15%を超え、引渡し棟数が年1,200棟を超えたら
- やや楽観・楽観の確率を上げる。在庫管理の改善が利益に定着していると読む。
- 住宅ローン金利が上がり、期末の受注残が300棟を割ったら
- やや悲観に重みを移す。買い手の予算が縮み始めたと読む。
- 棚卸資産の増加が売上の伸びを上回り、期間別の在庫比率が悪化したら
- 在庫の評価損の確率を上げ、悲観側の重みを移す。
- 2027年8月期の営業利益が予想の23億円に届くか超えたら
- 中立の営業利益率の前提(3.0%)を上げて見直す。
- 自己株買いや増配が続き、純借入が200億円を下回ったら
- 余った現金の戻り方(0.75)を1.0に近づけ、kの借金の上乗せ(+0.75)を見直す。
- ほかの会社との資本提携や買収の提案が表に出たら
- 経営の独立性が変わるので、前提を最初から計算し直す。
見ておくもの
- 戸建の引渡し棟数・平均価格・粗利益率・受注残
- 棚卸資産(販売用不動産・開発事業等支出金)と在庫回転
- 営業利益率(2027年8月期予想3.1%)
- 純借入と利払い、短期借入の借り換え
- 中期計画2028の進捗(2028年8月期の経常利益32億円)
- 自己株買いと配当・優待の費用
倍率と資本コストの決め方
今の株価や同業の値付けは見ずに、戸建の棟数と単価、各事業の利益率から10年後の利益を組み立て、正当化PERの8〜9.5割を掛けた。株価の位置は、最後に比べただけで、数字は後から合わせていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 9.6→11.44 倍・やや楽観 PER 8.8→11.43 倍・中立 PER 7.2→11.43 倍)。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality +2.25% を足した 9.75%。同じ領域のオープンハウス(9.0%)より借金が重く、ケイアイスター(10.0%)より自己資本の厚みがある分だけ低い。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.75% → 8.75%。