結論
ランドは、住宅・オフィス・ホテル・物流施設などの開発用地を仕入れ、許認可を取って着工できる形にし、大手デベロッパーや外資の開発ファンドへ売る会社だ。太陽光・バイオマスなど再エネ発電への共同事業の出資も手がける。従業員は十数人しかいない。
2026/02 期は売上 30 億円、営業利益 4.3 億円で、前期の 51 億円・9.8 億円から 4 割減った。売却先が決まらない案件があり、引渡しが遅れたためだ。次期は営業利益 14.7 億円と、会社は 3 倍増を見込む。
筆者の結論は、10 年先の価値で測ると今の値段は大きく割高、というものだ。財務は堅く、自己資本比率は 89%、現金 29 億円が借入を上回る。ただ、この自己資本を回して稼ぐ ROE が資本コストに届かない。時価総額は自己資本の 1.7 倍にあたり、会社が出すと言う利益が毎年続く前提でも届かない値段だ。
売上の約 75% は共同事業のパートナー 2 社に偏る。1 社でも離れれば、利益は急に細る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、持ち続けたい会社かを問う。答えは、財務は堅いが、事業の質は見極めにくい。
事業の質は、少人数の目利きに依存する。同じ型の事業は他社でも再現でき、価格を自分で決められない。10 年先も同じ水準で稼げるかは、特定の人材と、売り先の大手 2 社との関係にかかっている。
資本の使い方は、現金を共同事業の出資に回す型だ。うまく当たれば高い ROE が出るが、外れると出資金が戻らない。過去 10 年の ROE は 40% から −60% まで振れた。
払う値段に安全域があるかを見ると、悲観では売れる資産から負債を引いても、今の時価総額の 1 割ほどしか残らない。中立の筋書きでも、10 年後の価値を今に直すと、今の値段の半分に届かない。
経営者の資本配分は、配当を出したり止めたりと一貫しない。安全域は無い。
何で稼ぐ会社か
ランドは、横浜に本社を置く不動産開発会社だ。2026/02 期の売上は 30 億円で、不動産事業・再生可能エネルギー関連投資・その他の 3 つに分かれる。
不動産事業が売上の 87% にあたる 26 億円で、営業利益は 6.0 億円。住宅、オフィスビル、ホテル、商業施設、物流施設、宅地造成の用地を仕入れ、権利関係の調整や開発許可を取って、着工できる状態にしてから売る。買い手は大手のデベロッパーや外資系の開発型ファンドだ。建物を自社で建てて貸すのではなく、開発の初期段階の利益を取る。共同事業の形が多く、利益の分配額だけを売上に載せる会計もある。
再エネ関連投資は売上 3.3 億円、営業利益 1.1 億円。太陽光やバイオマスの発電案件に共同事業で出資し、蓄電所の流動化収入や売電収入の分配を得る。前期は営業赤字だった。
その他は売上 0.6 億円の小さな事業で、新しい柱を作るために設立した子会社が行う。セグメント利益の合計は 7.5 億円だが、全社の営業利益は 4.3 億円で、差の約 3.2 億円は本社費用だ。従業員は十数人で、人件費は小さい。
売上の約 75% は、共同事業のパートナー 2 社への売却で占められる。
優良さと弱いところ
強みは、大手が手を出しにくい開発の初期段階を担う点にある。権利の整理や許認可の取得は手間がかかり、大手は時間を買う。ランドは少人数で、その専門性を生かす。自己資本比率は 89%、財務はきわめて堅い。
ただ堀は強くない。用地の仕入れ値と出口の値段は市場で決まり、価格を自分で決められない。特定の担当者の目利きに依存し、同じ型の事業は他社でも再現できる。売り先の大手も、自前の開発部門を持つ。
資本効率は低い。ROE は 4.9%、過去 10 年の中央値は 13.6% だが、利益は年ごとに赤字から大幅黒字まで振れる。2021/02 期は営業損失 28 億円で、自己資本の 4 割近くを失った。
営業キャッシュフローは 2026/02 期に 9.5 億円の支出で、現金は 40 億円から 29 億円に減った。仕入れた用地や出資金が積み上がったためで、利益が出ても現金が増えない型の事業だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
開発型不動産は、不動産の取引市場の厚みに左右される。金利が低く、海外マネーが日本の不動産に流れる局面では、開発用地の買い手が多く、利益が積み上がる。逆に、金利が上がり、資金調達が難しくなると、買い手が消える。
リーマン後の 2008〜2010 年には、不動産ファンドの運用会社が複数破綻した。出口の売却が止まり、開発中の物件が在庫に変わり、借入の返済に行き詰まる流れだ。ランドも 2013/02 期までは経常赤字の年が続いた。
建設費は 2021 年以降に 2〜4 割上がり、新築の供給を絞っている。このため、すでに許認可の取れた用地は価値が上がりやすい。データセンター、物流施設、ホテルの用地は需要が強く、開発型の仲介役にも追い風になる。
再エネ発電への投資は、国の制度変更や電力の買取価格の動きに左右される。蓄電所は新しい分野で、流動化による利益は案件ごとに一度きりの色合いが強い。
競争相手は、大手デベロッパーの開発部門、商社、外資ファンドと幅広い。ランドのような十数人の会社は、専門性と機動力で戦うが、資金力では勝てない。金利が上がると買い手の資金が細り、最初に影響を受けるのは、初期段階の開発を担う小さな会社になる。
資本政策と M&A
資本政策は、守りに寄っている。自己資本比率は 89% で、借入はごくわずかだ。2025/02 期は配当を出したが、2026/02 期は配当を出さず、2027/02 期の予想は未定。配当性向は 17% ほどにとどまった期もあり、利益の大半は事業に回る。自社株買いは目立たない。
現金 29 億円は、共同事業の出資や用地の仕入れに使う資金だ。2026/02 期は営業キャッシュフローが 9.5 億円の支出で、現金が減った。この現金は、開発の資金として使われ続けるもので、株主に分ける余り資産とは見ない。
発行済株式数は 15 億株を超える。1 株の価値が極端に小さく、株価は国内の上場株で最も低い水準にあり、単元株でも千円に届かない。希薄化は過去にも起きたが、近年は株数がほぼ変わらない。
株主優待は出していない。筆者は、資本を成長に回す姿勢を認めるが、ROE が資本コストを下回る点を気にしている。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ランドは、財務が堅く、利益が戻れば大きく伸びる会社だ。自己資本比率は 89%、現金は借入を 23 億円上回る。過去 10 年のうち 2022/02 期は営業利益 14 億円、2020/02 期は 15 億円と、今の 3 倍の利益を出した年が複数ある。
会社が示す 2027/02 期の営業利益は 14.7 億円、純利益は 13.5 億円で、今の 3 倍にあたる。今期の減益は、売却先が決まらない案件が先送りされたもので、事業そのものが傷んだわけではない。引渡しが次期にずれれば、利益が戻る。
再エネ投資は黒字転換し、営業利益 1.1 億円を稼いだ。蓄電所の流動化という新しい収益源が開いた。新しい子会社も黒字になり、事業の柱が増えている。
開発の初期段階を担う会社は、大手が手を出しにくい分野で、少人数でも利益率が高い。営業利益率は 14% から 23% の水準を戻せる。自己資本 92 億円は、上場企業の中でも異例に厚く、用地の仕入れで一気に勝負をかけられる。
慎重な見方
ランドは、財務の堅さを稼ぎに変えられていない会社だ。自己資本 92 億円に対して、純利益は 4.4 億円。ROE は 4.9% で、資本コストを大きく下回る。時価総額は自己資本の 1.7 倍にあたり、PER は 30 倍を超える。
会社の予想する営業利益 14.7 億円は、案件の売却が重なった年の姿だ。直近 10 年の営業利益の平均は約 6 億円で、赤字の年も混ざる。2021/02 期は 28 億円の営業損失を出した。均して見ると、今の値段を支える利益は出ていない。
売上の約 75% は共同事業のパートナー 2 社に偏る。どちらかが離れれば、利益は急に細る。営業キャッシュフローは 9.5 億円の支出で、現金は減り続けている。
従業員は十数人で、特定の担当者への依存が大きい。同じ型の事業は他社でも再現でき、堀は強くない。金利が上がれば買い手の資金が細り、小さな開発会社から先に影響を受ける。配当も出したり止めたりで、株主に戻る額は読めない。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方がかなり強い。財務の堅さは本物だが、均した稼ぐ力は時価総額を支えない。強気の見方の予想利益 14.7 億円は、案件が重なった年として、強気の筋書きに織り込んだ。確率は、中立に 38% を置き、強気側に 3 割、慎重側に 3 割を置いた。悲観は、売り先が 2 社に偏り、リーマン後の前例もあるため、1 割を置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/02 期)
確率で加重した株価時価総額 6 円89 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1 円13 億円)。 今の値に割り戻すと 3 円46 億円、今との差 −70.3%、 期待の年率 −4.1%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 13 円200 億円 | 2 円27 億円 | +47.5% | +4.0% | 1 円18 億円 |
| やや楽観 | 22% | 8 円127 億円 | 1 円17 億円 | −6.6% | −0.7% | 2 円32 億円 |
| 中立 | 38% | 7 円102 億円 | 1 円14 億円 | −24.4% | −2.8% | 3 円44 億円 |
| やや悲観 | 22% | 1 円21 億円 | 0 円5 億円 | −83.1% | −16.3% | 0 円6 億円 |
| 悲観 | 10% | 1 円15 億円 | 0 円3 億円 | −88.3% | −19.3% | 0 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 6 円89 億円 | 1 円13 億円 | −34.0% | −4.1% | 7 円101 億円 |
今の株価時価総額 10 円154 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 大型の用地開発が続けて当たり、自己資本を回して利益が 4 倍になる 利益 17 億円 · PER 11.6 倍 · 株価時価総額 13 円200 億円
自己資本 92 億円と現金 29 億円を元手に、大型の開発用地を毎年のように引き渡す。物件の規模は 2 倍に近づき、価格は物価に沿って 3 割強上がる。売上は 150 億円前後、営業利益は 24 億円に届く。
再エネ投資は蓄電所の流動化が続き、新しい子会社の事業も育って、全社の利益率は 15% を超える。会社が今期に示した営業利益 14.7 億円の水準を、毎年のように超える姿だ。
配当は利益の 25% ほどを出す。それでも利益の大半は次の案件に回る。倍率は ROE が k に近づくため、上限に近い 11.55 倍に置いた。
- 不動産事業(開発型の用地・共同事業):数量 220(引渡し規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.35(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 77 億円・営業利益 23 億円。数量 2.20 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 30.0%
- 再生可能エネルギー関連投資:数量 250(投資規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.04(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 10 億円・営業利益 3 億円。数量 2.50 倍・価格 1.20 倍(名目)・営業利益率 35.0%
- その他(新規の子会社事業):数量 600(売上の数量指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.01(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 2 億円。数量 6.00 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 35.0%
倍率:事業の純利益 17 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.9% が k 9.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 11.6 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.6 倍。全体の PER 11.55 倍、時価総額 200 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:用地を次々に仕入れて高値で売却でき、再エネ投資の出口も開く必要がある。売り先の大手が 2 社に偏る会社で、案件が 1 つ流れると崩れるため、8% にとどめた。
やや楽観 22% 用地の引渡しが回り、利益が今の 3 倍に増える 利益 11 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 8 円127 億円
用地の引渡しは、今より 8 割多い規模で回る。売り先は大手デベロッパーと外資の開発ファンドで、共同事業のパートナーも増える。売上は 90 億円、営業利益は 15 億円。
再エネ投資は 2 倍の規模になり、発電所の売電収入の分配が安定した収益になる。その他の事業も黒字を保つ。本社の費用は物価に沿って増えるが、案件の粗利がそれを上回る。
配当性向は 22% ほど。自己資本は 140 億円台まで増えるが、事業に使う資本が増える分、ROE は 7% 台にとどまる。売り先の大手が 2 社に偏る構造は変わらず、ここでも 1 社の動向が利益を左右する。
- 不動産事業(開発型の用地・共同事業):数量 180(引渡し規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.35(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 63 億円・営業利益 16 億円。数量 1.80 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 26.0%
- 再生可能エネルギー関連投資:数量 200(投資規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.04(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 3 億円。数量 2.00 倍・価格 1.20 倍(名目)・営業利益率 32.0%
- その他(新規の子会社事業):数量 400(売上の数量指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.01(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。数量 4.00 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 30.0%
倍率:事業の純利益 11 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.4% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍。全体の PER 11.11 倍、時価総額 127 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:直近 10 年の営業利益の平均(約 6 億円)を、資本の増加で超えていく。会社予想の営業利益 14.7 億円に近い年を平均的に置けるかが分かれ目で、強気の中では最も起こりやすい。
中立 38% 自己資本を回して規模は 1.7 倍に、利益は今の 2〜3 倍にとどまる 利益 9 億円 · PER 11.1 倍 · 株価時価総額 7 円102 億円
用地の引渡しは、規模で 1.7 倍に増える。直近 10 年の売上は平均で 30 億円強。自己資本が 92 億円から 150 億円ほどまで増える分と物価を反映して、売上は 70 億円になる。
営業利益率は 24% と、今の 23% を保つ。再エネ投資は 1.5 倍、新しい子会社の事業は 3 倍に伸びるが、全体の中では小さい。本社の費用は物価で増え、営業利益は 12.5 億円。
会社が示す次期の営業利益 14.7 億円は、案件の売却が重なった年の姿として、10 年の標準には置かない。配当は利益の 2 割ほどで、残りは次の用地に回る。
- 不動産事業(開発型の用地・共同事業):数量 170(引渡し規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.35(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 60 億円・営業利益 14 億円。数量 1.70 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 24.0%
- 再生可能エネルギー関連投資:数量 150(投資規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.04(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 2 億円。数量 1.50 倍・価格 1.20 倍(名目)・営業利益率 30.0%
- その他(新規の子会社事業):数量 300(売上の数量指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.01(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。数量 3.00 倍・価格 1.34 倍(名目)・営業利益率 30.0%
倍率:事業の純利益 9 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.3% が k 9.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.1 倍。全体の PER 11.11 倍、時価総額 102 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:開発用地の売却は年ごとのばらつきが大きいが、長く均すと自己資本の伸びに沿って規模が増える。最も無理のない落としどころで、確率が最大になる。
やや悲観 22% 用地の売却先が決まらず、利益の出ない年が続く 利益 3 億円 · PER 7.5 倍 · 株価時価総額 1 円21 億円
開発用地の売却先が決まらず、仕入れた用地が在庫として残る。引渡しの規模は今の 1.2 倍にとどまり、利益率は 18% に下がる。再エネ投資は出口が開かず、規模も縮む。
本社の費用は物価で増えるが、粗利がそれを吸収しきれず、営業利益は 3.7 億円。今期の 4.3 億円を下回る水準が続く。
配当は出しても、利益の 15% ほど。現金は共同事業の出資に回ったまま、戻ってこない。ROE は 2% 台に落ちる。会社は財務の堅さで耐えるが、均した稼ぎが自己資本に比べて小さい状態が長く続き、株主に戻る額も限られる。
- 不動産事業(開発型の用地・共同事業):数量 120(引渡し規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.33(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 39 億円・営業利益 7 億円。数量 1.20 倍・価格 1.25 倍(名目)・営業利益率 18.0%
- 再生可能エネルギー関連投資:数量 80.0(投資規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.04(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。数量 0.80 倍・価格 1.10 倍(名目)・営業利益率 20.0%
- その他(新規の子会社事業):数量 200(売上の数量指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.01(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量 2.00 倍・価格 1.25 倍(名目)・営業利益率 20.0%
倍率:事業の ROE は 2% 台で k を大きく下回る。式の上限は 1÷k=10.5 倍。稼ぐ力の弱さを見て、その 7 割の 7.5 倍に置いた。
確率:今期も、売却先が決まらず引渡しが遅れ、減収減益になった。これが続く谷は、長い間に 2〜3 回は来る。共同事業のパートナーが 2 社に偏ることも重なる。
悲観 10% 共同事業のパートナーが行き詰まり、出資金の大半が戻らない 利益 −3 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 1 円15 億円
共同事業のパートナー 2 社のうち 1 社が行き詰まり、出資金の回収が止まる。売却先が見つからない用地は、大きく値引きして手放すことになる。営業損益は赤字に落ちる。
現金は事業の出資に使われ、手元に残らない。自己資本比率の高さも、出資金が戻らなければ意味を失う。
利益で測れば会社の値打ちはほとんど無い。売れる資産から負債を引くと、約 15 億円しか残らない。買い手がつかない出資金は、さらに安く手放す。リーマン後に不動産ファンドの運用会社が相次いで破綻した前例と同じ形で、財務の堅さだけでは谷を越えられない。
- 不動産事業(開発型の用地・共同事業):数量 60.0(引渡し規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.29(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 17 億円・営業利益 0 億円。数量 0.60 倍・価格 1.10 倍(名目)・営業利益率 0.0%
- 再生可能エネルギー関連投資:数量 30.0(投資規模の指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.03(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量 0.30 倍・価格 1.00 倍(名目)・営業利益率 0.0%
- その他(新規の子会社事業):数量 100(売上の数量指数(直近 1 年 =100))× 価格 0.01(指数 1 あたりの売上(億円、名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。数量 1.00 倍・価格 1.00 倍(名目)・営業利益率 0.0%
倍率:赤字で稼ぐ力は無い。値の下支えは回収できる資産から負債を引いた約 15 億円。今の自己資本 92 億円に対して 0.163 倍として置いた。
確率:売上の約 75% が 2 社のパートナーに偏る。どちらかが行き詰まると、出資金の回収が止まる。リーマン後は不動産ファンドの運用会社が複数破綻した前例もあり、10% を置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
不動産事業(開発型の用地・共同事業)
住宅・オフィス・ホテル・物流施設・宅地造成の用地を仕入れ、許認可を取って着工できる状態にし、大手デベロッパーなどへ売る。共同事業の利益分配も含む。
| 数量引渡し規模の指数(直近 1 年 =100) | 価格指数 1 あたりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 100 | 0.26 | 26 | 6 |
| 10 年後 中立 | 170 | 0.35 | 60 | 14 |
取り方:2026/02 期のセグメント売上 26.17 億・営業利益 6.02 億(決算短信)。案件は 1 件ごとに大きさが違うため、売上の実質指数で置く。
再生可能エネルギー関連投資
太陽光・バイオマスなどの発電案件に共同事業の形で出資し、蓄電所の流動化収入や売電収入の分配を得る。
| 数量投資規模の指数(直近 1 年 =100) | 価格指数 1 あたりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 100 | 0.03 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 150 | 0.04 | 6 | 2 |
取り方:2026/02 期のセグメント売上 3.32 億・営業利益 1.08 億(決算短信)。前期は売上 0.19 億・営業損失 1.35 億。
その他(新規の子会社事業)
新しい柱として設立した連結子会社の事業。
| 数量売上の数量指数(直近 1 年 =100) | 価格指数 1 あたりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 100 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 300 | 0.01 | 2 | 1 |
取り方:2026/02 期のセグメント売上 0.58 億・営業利益 0.36 億(決算短信)。前期は営業損失 0.83 億。
リスクと懸念
売り先の偏り
売上の約 75% が共同事業のパートナー 2 社(60% と 16%)。どちらかが離れると、利益が急に細る。
利益の振れ
営業損益は 2021/02 期の −28 億円から 2020/02 期の +15 億円まで動く。均した利益は読みにくい。
出資金の回収
共同事業の出資金や棚卸資産が総資産の大半を占める。パートナーが行き詰まれば、現金が戻らない。
金利の上昇
金利が上がると買い手の資金が細り、開発用地の売却が止まる。初期の開発を担う小さな会社から先に影響を受ける。
人材依存
従業員は十数人。目利きと許認可の交渉に長けた担当者が離れると、案件が回らなくなる。
現金の減少
2026/02 期の営業キャッシュフローは 9.5 億円の支出で、現金は 40 億円から 29 億円へ減った。
今後の分かれ目
- 2027/02 期の営業利益が会社予想の 14.7 億円に届く
- やや楽観の確率を上げる。2 期続けて届けば、強気の確率も上げる。
- 売り先 2 社への売上の集中度が 60% を下回る
- 悲観の確率を下げる。事業の質の評価を見直す。
- 営業キャッシュフローが 2 期続けて支出になり、現金が 20 億円を割る
- やや悲観の確率を上げる。
- 配当を再開し、配当性向を明示する
- 還元の確率を見直す。
- 共同事業のパートナーの 1 社が行き詰まる
- 悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- 営業利益(会社予想 14.7 億円)
- 売り先 2 社への集中度
- 営業キャッシュフロー
- 共同事業出資金の残高
- 再エネ投資の出口
- 配当方針
倍率と資本コストの決め方
倍率は、ROE が資本コストを下回る事業の式(1÷k)の 7〜9 割から置いた。今の株価や PER は見ていない。今の PER が 30 倍超と高いことは根拠にしていない。利益は、直近の 4.3 億円ではなく、10 年の均した規模から積んだ。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10→11.55 倍・やや楽観 PER 9→11.11 倍・中立 PER 8→11.11 倍)。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。