結論
ハウスフリーダムは、大阪、福岡、中部、沖縄を中心に、不動産仲介から戸建分譲、買取再販、収益アパートの開発販売まで手掛ける住宅会社である。筆者の結論は、現在の時価総額約43億円に対して、長期の本質価値はやや上回る可能性があるというものだ。ただし、明白な割安株と呼ぶほどの安全域はない。価値を左右するのは新築住宅の販売拡大より、収益物件の利益を守り、借金を減らしながら株主に利益を戻せるかである。
2025年12月期は売上高169億円、営業利益11億円、純利益6.6億円となり、いずれも過去最高を更新した。2026年上期も営業利益5.5億円と好調だったが、前年の一過性費用が消えた効果も大きい。過去10年の売上拡大は評価できるものの、その勢いをそのまま2035年まで延ばすことはできない。全国の分譲戸建需要は人口減少と住宅価格上昇によって縮小しており、住宅ローン金利も従来の低水準を前提にできなくなる。
最大の特徴は、住宅仲介という顧客接点を持ちながら、利益の大きな部分を木造アパートなどの収益物件販売で得ていることだ。2025年の不動産賃貸事業は約41億円を売り上げたが、その大部分は賃料ではなく物件販売である。安定した家賃収入が積み重なる会社と見誤ってはならない。投資家の期待利回りが上がれば、収益物件の販売価格と利益率は同時に圧迫される。
財務にも慎重さが要る。2025年末の自己資本は約39億円、純有利子負債は約82億円で、自己資本比率は23%にとどまる。ROE18%という数字には、在庫と物件開発を借入で支える効果が含まれている。長期の中立では、事業規模は緩やかに拡大しても、留保利益で自己資本が増え、ROEは過去の中央値より低下すると考える。
現在の株価から一定の長期リターンを期待できる理由は、地域で築いた顧客網、買取再販への展開、近年の増配と自社株買いの実績にある。ただし、その価値の一部は蓄積した利益が株主に戻ることに依存する。営業利益率が数ポイント下がるだけで純利益が大きく減る財務構造であり、景気悪化時にも余裕を持って保有できる会社とは評価しない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社の価値は土地や建物をどれほど多く持つかではなく、その資産を何度回転させ、どれだけの現金を株主のために残せるかで決まる。不動産仲介の地域情報は再現に手間が掛かるが、長期間の独占利益を約束するほどの堀ではない。顧客は高い買い物をするため、会社の看板より立地、品質、価格を比較して選ぶ。競争に負けないために価格を下げれば利益率が簡単に縮む事業である。
同社が優れているのは、仲介だけで終わらず、顧客情報を用地仕入れやリフォームに生かしていることだ。2022年以降に拡大した収益アパート販売は、同じ営業基盤でより大きな利益を生む可能性を示した。しかし、2025年の高収益は投資家への物件売却で得たものであり、毎年同じ条件で売れる賃貸料の年金ではない。市場金利が上昇した場合も利益が残るかを見なければ、本物の稼ぐ力を過大評価してしまう。
株主の取り分を考えると、借入に依存した成長には慎重になる。2025年の純利益は約6.6億円だが、売上に先立って土地を買い、建築費を払い、売却まで保有する必要がある。利益を積み上げても、それがすべて自由に使える現金になるわけではない。今後の借入条件が厳しくなれば、同じ物件を回すために必要な自己資金も増える。
それでも、現在の時価総額は高収益事業の成長を全面的に織り込んだ水準とは言い切れない。投資用アパートの販売で高い利幅を守り、中古住宅への転換を進め、借入を減らしながら配当と買戻しを続けられれば、長期の株主には価値が残る。反対に、土地在庫を増やすこと自体を成長と取り違えれば、会計上のROEが高くても株主価値は損なわれる。
筆者が保有者として最も気にするのは、安全域が外部の資金環境に大きく左右されることだ。強いブランドや独占事業のように、景気悪化時も利益を守れるとは考えない。株価の安さだけでなく、借金、売れ残り、資本配分を継続して検証できる場合に限り、長く持つ価値がある会社と判断する。
何で稼ぐ会社か
この会社の商売は、住宅を探す顧客と売りたい所有者を地域の店舗で結び付けることから始まる。不動産仲介では大阪、福岡、愛知などを中心に住宅売買を仲介し、取引成立に応じた手数料を得る。2025年の有価証券報告書に記載された販売契約件数は1,575件で、売上高は22.9億円だった。決算説明資料にある1,632件にはグループ内部の取引が含まれるため、数量の起点には外部売上に対応する1,575件を使う。
不動産分譲では、地域の土地情報を仕入れに利用し、主として10〜20戸規模の小さな開発案件を手掛ける。新築戸建のほか、リフォスタによる中古住宅の買取再販や、シティーホームによる土地分譲も含む。2025年の販売は新築等248件、中古69件の合計317件で、セグメント売上高は92.2億円だった。土地だけの販売も含まれるため、会社が公表する新築住宅の平均販売価格と、セグメント売上を件数で割った平均収入は一致しない。
利益面で特に重要なのが不動産賃貸事業である。ここには木造アパート「F+Style」などの開発販売と、保有物件の賃料・管理収入が入る。2025年は収益物件24棟を売却し、販売収入約35.4億円を計上した。一方、賃料・管理料等は約5.1億円であり、継続収入は当該セグメントの約13%にすぎない。2026年上期も9棟の収益物件を販売しており、この事業は賃貸という名称でも実態は開発・売却型の色彩が濃い。
建設請負事業は注文住宅とリフォームを扱い、2025年の契約件数は1,089件だった。平均収入は約122万円で、小規模な改修案件が件数を支えている。損害保険代理事業は不動産取引に付随する火災保険などの手数料が中心で、規模は小さいが既存顧客との関係を広げる役割を持つ。
五つの事業が顧客を紹介し合えることは、この会社の合理性である。仲介で顧客を獲得し、土地の情報を開発に使い、購入者にリフォームと保険を紹介する。ただし、収益物件販売と戸建分譲には用地取得から引き渡しまで多額の資金が固定される。純利益のすべてがそのまま自由に配当できる現金になるわけではない。
優良さと弱いところ
競争上の強みは、全国規模のブランドではなく、限られた地域に蓄積した不動産情報である。会社は店舗から半径約2.5キロの商圏を重視し、地元の売り物件、土地所有者、購入希望者を継続的に把握している。2025年末には関西、九州、中部、沖縄で25拠点を展開していた。宅地建物取引業と建設業の許認可も備えており、土地の発見から仲介、建築、販売まで顧客をつなぐ実務能力は簡単には複製できない。
しかし、これは強固な独占の堀ではない。顧客はインターネットで競合物件を比較でき、価格が高ければ他社に移る。土地所有者も複数の不動産会社から条件を取れるため、用地取得競争が激しくなるほど開発利益は薄くなる。飯田グループのような大手と比べれば資材調達量も施工規模も小さく、商品価格を自由に引き上げられる力は限られる。
収益性には事業間の大きな差がある。2025年の新築戸建分譲事業のセグメント利益率は約4.1%だったのに対し、不動産賃貸事業は約21.9%だった。後者は収益アパートの販売が好調だったことによるもので、継続賃料の高い利益率だけで説明できる数字ではない。2026年上期も収益物件販売が増益に寄与しており、新しい収益源を育てた実績は評価できる。
再投資効率には改善の証拠がある。2015年から2025年にかけて、自己資本と純有利子負債の合計は約49億円から約121億円へ増え、営業利益は約1億円から約11億円へ拡大した。増加した投下資本に対する営業利益の増分は単純計算で約14%となり、税引き後では資本コストに近いか、やや上回る水準が示唆される。ただし、2025年は過去最高益であり、この増分利回りが毎年再現できる証拠ではない。
長期の評価で最も重い弱点は財務レバレッジだ。純有利子負債は営業利益の数倍を超え、住宅の売れ行きが鈍れば在庫の評価損と利払いが同時に響く。価格競争を受けやすい事業であること、借入依存が高いこと、競争優位を地域の実務能力に頼ることから、堀の評価は弱いと判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の住宅分譲市場は、数量が長く伸びる産業ではない。国土交通省の統計では2025年の新設住宅着工は約74万戸で、分譲一戸建は約11.6万戸だった。建売住宅の平均取得価格を約3,826万円とすれば、全国の分譲戸建市場は概算で年間4.4兆円となる。ハウスフリーダムが2025年に扱った新築等248件を単純に対応させると全国シェアは約0.21%であり、全国市場を動かすほどの規模ではない。
最大手級の飯田グループホールディングスは、年間約4万棟の戸建供給実績を持ち、同社の数百倍の供給量を背景に仕入れと施工の規模の利益を得ている。オープンハウスグループ、ケイアイスター不動産、各地の工務店や仲介会社も競合となる。新築戸建の供給は地場企業が多く分散しているが、大手の低価格商品が同じ商圏に入れば、土地の仕入れ価格と販売価格の両面で圧力が強まる。
業界全体では少子化、世帯数の頭打ち、建設費上昇、住宅ローン金利上昇が重なる。2035年の中立では全国の分譲戸建需要を約8.5万戸とみる。それでも同社の新築等販売件数が大きく減らない筋書きは、関西と中部での地域シェア上昇、沖縄への展開、中古買取再販の増加が新築の減少を補うことを前提としている。全国市場の縮小を無視して成長する想定ではない。
中古住宅には別の需要がある。新築価格が家計の購入能力を超えるほど、中古購入と改修を組み合わせる選択肢が広がる。2025年に69件だった同社の中古買取再販は、物件の見極めと短期間の改修がうまく回れば、新築縮小の一部を補える。ただし中古市場でも大手のカチタスや地域の買取再販業者が競争相手となり、仕入れ価格の上昇によって利益率が失われる可能性がある。
収益アパート市場は戸建分譲と異なり、賃料と投資家の要求利回りが販売価格を決める。2025年の全国貸家着工は約32.5万戸で、同社の年間24棟という供給規模は小さい。したがって商品力が認められればシェア拡大余地はあるものの、10年国債金利3%という前提では買い手の要求利回りが高くなりやすい。家賃が上昇しても、物件販売価格が同じ割合で上がる保証はない。
リフォーム市場は矢野経済研究所の推計で2025年に約7.5兆円ある。同社の建設請負売上はその約0.02%で、市場全体の拡大余地より営業拠点からの案件紹介が重要になる。住宅の断熱・省エネ規制、空き家対策、既存住宅流通の政策は事業機会となるが、施工人員不足と資材価格上昇は利益を削る。AIエージェント代替の指定型である人月受託、席課金ソフト、広告運用、情報販売には主力事業が直接該当しない。ただし物件検索、査定補助、契約書類作成の自動化は仲介手数料の競争と人員効率に影響する。
資本政策と M&A
資本配分の実績には評価できる点がある。2015年にシティーホーム、2017年にアイデムホームを買収し、中部地方での営業基盤を獲得した。リフォスタの設立によって中古買取再販とリフォームも取り込み、2022年からは収益不動産の販売を本格化している。過去10年の売上高と利益の増加を見る限り、買収と事業拡張が全体として無意味だったとは言えない。ただし、買収した個別企業の投下資本利回りを継続開示しているわけではなく、買収価格に対する十分な成果を断定することはできない。
株主還元では2024年に自己株式20万株を約1.55億円で取得した。2025年は増配を行い、年間配当総額は約2.1億円、連結配当性向は32.0%となった。2026年も総額約2.1億円に相当する年間配当を予定している。実際に自社株買いと増配を行っており、利益をすべて会社内に抱え込む経営ではない。
2025年の有価証券報告書では売上高経常利益率を重要指標に挙げている。しかし、調査できた開示には複数年度を対象とする中期経営計画の売上高、営業利益、ROEの定量目標は確認できない。配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額についても中期の数字の約束なしである。確認できる単年度の2026年12月期予想は売上高180億円、営業利益12億円、純利益6.75億円である。
上位10株主の持株比率は2025年末に約65.6%だった。持株の集中は経営判断の継続性を支えるが、少数株主が資本配分を変えにくい面もある。2024年の株数減少は約5%で、2025年には増配したため、余剰現金がまったく還元されないとは考えない。一方、配当性向の長期中央値は50%に届かず、継続的な大規模買戻しも約束されていない。このため余剰資本の株主への実現割合は75%を基本とする。
現状は純負債約82億円という重い資金構造であり、最優先の資本政策は高収益物件への選別投資と借入負担の抑制である。2026年上期の営業キャッシュフローは仕掛販売用不動産の増加などでマイナスだった。配当だけで経営を評価せず、売却代金が確実に回収され、営業キャッシュフローと借入残高が改善するかを重視する。2026年10月23日までの確認では、TOB、MBO、上場廃止予定および継続企業の前提に関する注記は確認されない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
地域密着の仲介網は、見かけ以上に拡張性を持つ。2025年に外部顧客向け仲介契約1,575件を扱った実績があり、2026年上期も中部エリアで販売件数が伸びた。店舗網を増やすだけでなく、既存の顧客から分譲、リフォーム、保険を獲得できるため、顧客一人当たりの収益を増やせる。大手不動産会社が全国的な効率を追求するほど、半径数キロの小さな商圏で土地所有者と接点を持つ会社には独自の役割が残る。
新築住宅の全国需要が減っても、同社のシェアはまだ極めて小さい。中部と沖縄の営業基盤を広げ、中古買取再販への比重を高めれば、全国の住宅着工戸数より速く事業を伸ばすことは十分可能だ。新築価格の上昇に苦しむ購入者へ、安い中古住宅と改修を一体で提供できることも有利になる。顧客の選択肢が新築から中古へ移っても、顧客接点を持つ会社であり続ける。
最大の利益源となった収益アパートには、住宅分譲とは別の成長機会がある。F+Styleは小規模な木造賃貸住宅という分かりやすい商品であり、2025年は関連する収益物件を24棟販売した。2026年上期も高単価物件の販売によって増益を実現している。建築費を管理し、入居需要のある場所を選び、投資家に安定した収益を提示できれば、販売棟数と利益率をともに伸ばせる。
過去の買収によって中部地方を開拓し、直近では増配と自社株買いも実施している。経営陣が利益を再投資と還元に振り分ける実績はある。今後10年で自己資本を積み上げ、借入依存を低下させながら収益物件の販売を増やせば、現在の時価総額は長期の株主利益を十分に反映していないことになる。
慎重な見方
この会社の収益力は、住宅価格と低金利に支えられた時期の数字である。全国の新築分譲戸建市場はすでに縮小しており、購入者が支払える住宅ローン返済額にも限界がある。物価が上昇して建設費だけが増えれば、値上げではなく用地取得価格の抑制によって利益を守らなければならない。しかし、良い土地は競争が激しく、売り主が値下げを受け入れるとは限らない。
不動産賃貸事業の利益は、とりわけ慎重に評価すべきだ。2025年のセグメント売上約41億円のうち、実際の賃料・管理料等は約5億円しかない。残りの大半は物件販売であり、投資家が物件を買う利回りが上がると価格が下がる。借入金利上昇による負担と、物件売却価格の低下が同時に起これば、現在の高いセグメント利益率は容易に縮む。
貸借対照表は決して強くない。自己資本約39億円に対して純有利子負債は約82億円ある。2025年の営業利益は11億円だったが、過去には営業利益が数億円にとどまった年も少なくない。建売住宅が売れなければ棚卸資産が増え、営業キャッシュフローが悪化し、借り換えの際に資金調達条件が厳しくなる。収益が落ちるときに固定費と利息が残る構造は、長期保有者にとって無視できない。
中期の売上・ROEや還元について、具体的な定量目標は確認できない。2024年の自社株買いと2025年の増配は評価できるが、それだけで今後10年の余剰資本が必ず株主へ返るとは言えない。少数株主が支配株主の資本配分を変更するのも難しい。人口減少と金利上昇が進む環境では、成長を続けるほど在庫と借入を増やしてしまう危険がある。
どちらに重みを置いたか
地域の仲介網を基盤に新しい利益源を育てた実績は確かであり、現在の時価総額には一定の割安余地がある。ただし、収益アパートの高利益率が永続する証拠はなく、借入負担も大きい。強気側30%、中立34%、慎重側36%と、確率はやや下側に厚くした。新築需要の構造的減少と物件売却価格の金利感応度を考えると、上振れだけを評価することはできない。結論はやや割安だが、余剰資本の株主還元が進まなければ安全域は小さくなる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 2,487 円95 億円(+ 還元の換算額還元の合計 544 円21 億円)。 今の値に割り戻すと 1,404 円54 億円、今との差 +27.5%、 期待の年率 +12.1%(資本コスト 9.0%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 5,645 円216 億円 | 1,017 円39 億円 | +505.2% | +22.6% | 600 円23 億円 |
| やや楽観 | 21% | 3,934 円151 億円 | 725 円28 億円 | +323.2% | +17.6% | 979 円38 億円 |
| 中立 | 34% | 2,605 円100 億円 | 584 円22 億円 | +189.6% | +12.8% | 1,084 円42 億円 |
| やや悲観 | 24% | 929 円36 億円 | 339 円13 億円 | +15.2% | +1.7% | 304 円12 億円 |
| 悲観 | 12% | 365 円14 億円 | 170 円7 億円 | −51.4% | −8.0% | 64 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,487 円95 億円 | 544 円21 億円 | +175.3% | +12.1% | 3,031 円116 億円 |
今の株価時価総額 1,101 円42 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 中古再販と収益アパートが地域展開の柱になる 利益 16 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 5,645 円216 億円
関西と中部の仲介網が拡充し、売買仲介契約は年2,050件まで増える。全国の新築需要は減るが、同社は土地の仕入れ力と地域情報を使ってシェアを伸ばす。中古買取再販は買い手の価格負担を抑えられる商品として成長し、住宅・土地の販売は新築等260件、中古等130件の計390件となる。
F+Styleを中心とする収益物件は年間40棟を販売する。賃料が緩やかに上昇し、投資家が求める利回りを満たしながらも、用地仕入れと施工の効率化で高い開発利益を確保する。収益物件販売が利益の柱となり、仲介、建設請負、保険も顧客紹介の効果で拡大する。
競合する飯田グループや地域開発会社に対して、全国の価格競争ではなく地元の土地情報と小規模開発の速さで差別化する。買収で無理に拡大せず、開発資金を選別して投入することで増分投下資本利回りを資本コストより高く保つ。利益増加に伴って配当と自社株買いも拡大し、10年後には自己資本が100億円を超える。
- 不動産仲介:数量 2,050(外部顧客向け売買仲介契約件数(件・年))× 価格 0.02(1件当たり連結仲介売上(億円・名目))→ 売上 40 億円・営業利益 6 億円。地域シェア上昇と高単価案件の取り込みで仲介件数1.30倍、1件収入1.35倍
- 戸建分譲・中古買取再販・土地販売:数量 390(新築・中古・土地の販売契約件数(件・年))× 価格 0.38(1契約当たり連結売上(億円・名目))→ 売上 149 億円・営業利益 11 億円。新築等260件、中古等130件。良質用地の仕入れと中古再販の効率化で利幅改善
- 収益物件の開発・販売:数量 40.0(収益物件の販売棟数(棟・年))× 価格 1.80(1棟当たり収益物件販売額(億円・名目))→ 売上 72 億円・営業利益 15 億円。年間40棟の売却と高い開発利益率を維持。用地取得と賃料設定に成功
- 保有不動産の賃料・管理料等:数量 850(年間の賃貸・管理収益を表す戸換算数(戸相当・推計))× 価格 0.01(1戸換算当たり年間収入(億円・名目))→ 売上 11 億円・営業利益 3 億円。収益換算戸数拡大と賃料上昇。戸数は実際の管理戸数ではない
- 注文住宅・リフォーム請負:数量 1,450(建設・リフォーム請負契約件数(件・年))× 価格 0.02(1件当たり売上(億円・名目))→ 売上 26 億円・営業利益 2 億円。中古住宅改修需要を取り込み、施工単価と生産性が改善
- 損害保険代理:数量 1,750(年間保険契約の収益換算件数(件・推計))× 価格 0.00(1件当たり代理店手数料(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。住宅関連取引の増加と付帯率改善
倍率:k9.0%、長期名目g2.0%、弱い堀の残存割合1/3を適用する。10年後ROEは約14.2%で、留保利益のうち将来の事業維持に不要となる資本を除いた事業ROEはさらに高い。余剰資本の現金収益を除いたRONICはおおむね13%となり、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)は約12.1倍。市場で付いた倍率を参照せず、将来の投下資本効率から決める。
確率:2025年までの仲介・分譲の拡大に加え、収益物件販売の高利益率を長く維持する必要がある。地域シェア上昇と高い資本効率が重なる可能性はあるが、金利3%の環境では高い確率を与えない。
やや楽観 21% 地域シェアの拡大と収益物件販売が順調に続く 利益 11 億円 · PER 11.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,934 円151 億円
仲介の商圏を広げ、中部や福岡で地域の顧客情報をさらに蓄積する。全国の新築戸建着工は縮小するが、同社の新築等販売は235件程度を維持し、中古住宅や土地の販売が増える。住宅・土地の合計販売件数は355件となり、売上は物価上昇と商品構成の改善によって増加する。
収益物件は年間34棟を販売し、F+Styleのブランドが関西の小規模投資家に定着する。2025年ほど高い利益率は続かないものの、立地の選別と一定の家賃上昇によって、金利上昇後も投資家に販売できる条件を維持する。賃料・管理収入も緩やかに増え、戸建分譲の利益率低下を補う。
建設請負はリフォーム案件を中心に件数が増え、仲介顧客からの追加需要が収益を支える。大きな買収は前提とせず、既存の地域で人員配置と店舗効率を改善する。営業利益は20億円を超え、純利益も10億円台へ達する。配当と自社株買いを続けながら、利益の一部を自己資本に積み上げる。
- 不動産仲介:数量 1,800(外部顧客向け売買仲介契約件数(件・年))× 価格 0.02(1件当たり連結仲介売上(億円・名目))→ 売上 33 億円・営業利益 4 億円。営業地域の拡大と仲介手数料の名目上昇
- 戸建分譲・中古買取再販・土地販売:数量 355(新築・中古・土地の販売契約件数(件・年))× 価格 0.36(1契約当たり連結売上(億円・名目))→ 売上 128 億円・営業利益 8 億円。新築等235件、中古等120件。中古への商品構成転換が数量を支える
- 収益物件の開発・販売:数量 34.0(収益物件の販売棟数(棟・年))× 価格 1.78(1棟当たり収益物件販売額(億円・名目))→ 売上 61 億円・営業利益 12 億円。年間34棟を販売し、金利上昇下でも二桁後半の開発利益率を維持
- 保有不動産の賃料・管理料等:数量 740(年間の賃貸・管理収益を表す戸換算数(戸相当・推計))× 価格 0.01(1戸換算当たり年間収入(億円・名目))→ 売上 8 億円・営業利益 2 億円。継続収入の契約規模と名目単価が増える
- 注文住宅・リフォーム請負:数量 1,280(建設・リフォーム請負契約件数(件・年))× 価格 0.02(1件当たり売上(億円・名目))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。改修工事の件数拡大と利益率改善
- 損害保険代理:数量 1,580(年間保険契約の収益換算件数(件・推計))× 価格 0.00(1件当たり代理店手数料(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。仲介取引の増加に比例して保険手数料が拡大
倍率:10年後ROE約11.0%、k9.0%、長期名目g2.0%。将来の事業維持に不要となる留保資本をROEの分母から外すと、事業部分のROEは約17〜18%となる。弱い堀として超過収益の残存割合1/3を用いたRONICは約12%であり、正当化PERは約11.9倍となる。
確率:2025年の収益物件24棟販売と2026年上期の好調を踏まえると、販売棟数増加の現実性はある。ただし物件価格と開発利益率を同時に守る必要があり、上振れの中心として21%とする。
中立 34% 新築需要の減少を中古と収益物件が補う 利益 7 億円 · PER 11.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,605 円100 億円
2035年の全国分譲戸建着工は約8.5万戸となり、2025年より約3割少ない。ハウスフリーダムは関西・中部での地元情報と販売網を使い、新築等の販売を210件程度に保つ。全国の新築市場に対するシェアは約0.21%から約0.25%へ緩やかに高まる。中古買取再販と土地販売は108件へ増え、住宅・土地の合計販売は318件になる。
収益物件は年間29棟の販売を継続する。物価上昇によって建設費と賃料は増えるが、投資家の要求利回りが高くなるため、販売価格と開発利益率は2025年の勢いほど伸びない。賃料・管理収入は緩やかに増えるものの、全体の利益を安定させるほど大きな比率にはならない。
仲介は件数が小幅増となり、住宅の名目価格に伴って取引当たりの収入が増える。建設請負も中古改修を中心に需要を確保するが、人件費と工事原価の上昇を大きく上回る利益率改善は期待しない。本社費も物価に沿って増え、借入の借り換えによる税前約2億円の利払い負担増が純利益を抑える。
10年後の売上高は約212億円、営業利益は約13億円、純利益は約6.9億円となる。利益自体は維持するが、蓄積した自己資本が約83億円に増えるためROEは約8.2%まで低下する。市場で高い利益倍率を得る会社にはならず、株主価値は事業の利益と積み上がった資本がどれだけ還元されるかで決まる。
- 不動産仲介:数量 1,660(外部顧客向け売買仲介契約件数(件・年))× 価格 0.02(1件当たり連結仲介売上(億円・名目))→ 売上 28 億円・営業利益 3 億円。仲介件数は10年で約5%増。価格は約16%上昇し、AI検索による手数料競争を一部反映
- 戸建分譲・中古買取再販・土地販売:数量 318(新築・中古・土地の販売契約件数(件・年))× 価格 0.35(1契約当たり連結売上(億円・名目))→ 売上 110 億円・営業利益 6 億円。新築等210件、中古・土地108件。新築市場は縮むが地域シェア獲得と中古拡大が補う
- 収益物件の開発・販売:数量 29.0(収益物件の販売棟数(棟・年))× 価格 1.71(1棟当たり収益物件販売額(億円・名目))→ 売上 50 億円・営業利益 8 億円。年間販売29棟、物件単価は約16%増。金利上昇による投資家の利回り要求で価格上昇を抑制
- 保有不動産の賃料・管理料等:数量 650(年間の賃貸・管理収益を表す戸換算数(戸相当・推計))× 価格 0.01(1戸換算当たり年間収入(億円・名目))→ 売上 7 億円・営業利益 2 億円。賃料収入の対象が増えるが、価格上昇は10年で小幅にとどめる
- 注文住宅・リフォーム請負:数量 1,150(建設・リフォーム請負契約件数(件・年))× 価格 0.01(1件当たり売上(億円・名目))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。改修件数は微増、名目工事単価は約17%上昇。利益率は現状並み
- 損害保険代理:数量 1,450(年間保険契約の収益換算件数(件・推計))× 価格 0.00(1件当たり代理店手数料(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。付帯率と手数料の競争により契約換算件数は横ばい
倍率:10年後ROE約8.2%はk9.0%を下回るが、留保利益のうち事業維持に不要な資本を分離すると、事業部分のROEは資本コストを上回る。長期名目g2.0%、弱い堀の超過収益残存割合1/3を使うと、事業部分のRONICは約10%となる。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)の上限に近い約11.55倍とする。余剰資本は自動で別に評価するため、PERを任意に下げて二重に割り引かない。
確率:全国の分譲戸建着工が約11.6万戸から約8.5万戸に縮む一方、同社は地域シェアを少し伸ばし中古再販を増やす。2025年の高収益をそのまま延長せず、金利上昇による利益圧迫も含めた中心的な筋書きとする。
やや悲観 24% 住宅需要の減少と金利上昇が利益率を圧迫 利益 2 億円 · PER 9.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 929 円36 億円
住宅ローン金利の上昇で一次取得者の予算が伸びず、新築分譲の販売価格と販売件数がともに伸び悩む。全国の着工減少が地域シェアの上昇を上回り、新築等の販売は155件程度に縮小する。中古・土地販売も75件にとどまり、住宅分譲の売上は2025年を下回る。
投資用不動産では、家賃は緩やかに増えるものの、投資家がより高い利回りを要求する。F+Styleの販売棟数は年間20棟に減少し、在庫の保有期間が長くなる。物件を売り切るために価格や利益率を下げることが増え、2025年の高い収益物件利益率は維持できない。
仲介の地域情報という強みは残るが、買い手が減ると成約件数も落ちる。人員と店舗の固定費を十分には削れず、名目売上は約142億円、営業利益は約5億円に縮小する。借入金の借り換え負担も重く、純利益は約2億円となる。
倒産に直結する状況ではないが、成長のために資本を使う合理性は薄れる。配当は減益に応じて縮小し、自社株買いは限定的となる。地域の仲介事業は続いても、拡大企業としての評価は失われる。
- 不動産仲介:数量 1,350(外部顧客向け売買仲介契約件数(件・年))× 価格 0.01(1件当たり連結仲介売上(億円・名目))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。住宅取引の減少と手数料競争で仲介売上は縮小
- 戸建分譲・中古買取再販・土地販売:数量 230(新築・中古・土地の販売契約件数(件・年))× 価格 0.33(1契約当たり連結売上(億円・名目))→ 売上 76 億円・営業利益 3 億円。新築等155件、中古・土地75件。販売の減少と用地高で利益率低下
- 収益物件の開発・販売:数量 20.0(収益物件の販売棟数(棟・年))× 価格 1.50(1棟当たり収益物件販売額(億円・名目))→ 売上 30 億円・営業利益 5 億円。高利回りを求める買い手に合わせて販売価格と開発利益率が低下
- 保有不動産の賃料・管理料等:数量 550(年間の賃貸・管理収益を表す戸換算数(戸相当・推計))× 価格 0.01(1戸換算当たり年間収入(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。空室増加、賃料交渉、管理効率悪化で継続収入の伸びが止まる
- 注文住宅・リフォーム請負:数量 900(建設・リフォーム請負契約件数(件・年))× 価格 0.01(1件当たり売上(億円・名目))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。リフォーム需要は残るが住宅販売からの紹介案件が減る
- 損害保険代理:数量 1,300(年間保険契約の収益換算件数(件・推計))× 価格 0.00(1件当たり代理店手数料(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。仲介取引減少に伴う付帯契約減少
倍率:ROE約3.2%はk9.0%を大幅に下回る。収益力による上限は純利益÷kに相当するPER11.1倍だが、やや悲観では借り換えの負担と資産回転の悪化を考慮し、利益が回復するまでの不確実性を倍率に反映する。評価は現在の市場PBRではなく将来の稼ぐ力に基づく。
確率:純負債が自己資本の2倍を超え、仕入れた土地や収益物件の資金回収に時間が掛かる事業である。住宅着工の縮小と投資家の要求利回り上昇が重なる可能性を、会社固有の財務の弱さを踏まえて重視する。
悲観 12% 住宅販売と収益物件の両方で構造的に競争力を失う 利益 −6 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 365 円14 億円
人口減少と住宅ローン金利上昇によって地方・郊外の新築需要が大幅に縮む。大手住宅会社の価格競争も厳しくなり、ハウスフリーダムは用地の仕入れで不利な条件を受け入れるか、案件を断るかの選択を迫られる。新築等の販売は85件、中古・土地は45件となり、住宅分譲の売上は現在の半分以下に減る。
収益物件販売でも優位を失う。借入金利が高くなった投資家は、同じ家賃なら低い価格でなければ物件を購入しなくなる。F+Styleの販売は年間11棟まで減り、用地高と建築費上昇を販売価格に転嫁できない。収益物件部門の利益率は大幅に下がり、保有期間の長期化によって資金回収も遅れる。
仲介とリフォームの地域顧客は完全には消えないが、事業規模が半減すると固定費を賄うことが難しくなる。店舗や人員を削減しても、営業損失は約6億円となり、借入の利払いを含む純損失は約5.5億円に達する。配当は途中で大幅に縮小し、新たな大型買収や自社株買いを続ける余力は乏しい。
株主価値は継続事業の利益ではなく、在庫と保有不動産を処分し、債権者に返済した後に残る実物資産の価値が中心となる。帳簿上の自己資本を床とせず、物件の値下げと換金費用を含む保守的な資産価値を使う。地域の仲介事業は残っても、成長会社としての地位は失われる。
- 不動産仲介:数量 900(外部顧客向け売買仲介契約件数(件・年))× 価格 0.01(1件当たり連結仲介売上(億円・名目))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。顧客減少と手数料競争で案件数が大幅に減り、固定費負担が重くなる
- 戸建分譲・中古買取再販・土地販売:数量 130(新築・中古・土地の販売契約件数(件・年))× 価格 0.30(1契約当たり連結売上(億円・名目))→ 売上 38 億円・営業利益 −1 億円。新築等85件、中古・土地45件。値引きと在庫評価損で赤字
- 収益物件の開発・販売:数量 11.0(収益物件の販売棟数(棟・年))× 価格 1.26(1棟当たり収益物件販売額(億円・名目))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。投資家の要求利回り上昇と販売停滞により開発利益の大半が失われる
- 保有不動産の賃料・管理料等:数量 410(年間の賃貸・管理収益を表す戸換算数(戸相当・推計))× 価格 0.01(1戸換算当たり年間収入(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。空室と管理案件の減少により継続収入も縮小
- 注文住宅・リフォーム請負:数量 650(建設・リフォーム請負契約件数(件・年))× 価格 0.01(1件当たり売上(億円・名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。住宅販売に伴う改修案件の減少と人件費負担で利益がほぼ消える
- 損害保険代理:数量 1,050(年間保険契約の収益換算件数(件・推計))× 価格 0.00(1件当たり代理店手数料(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。住宅関連取引の減少で保険代理手数料が縮小
倍率:2035年には営業赤字となり、利益を永久還元するPERでは適切に評価できない。現在の自己資本約38.6億円を基準に、土地・棚卸不動産の値下げと換金費用を控除した実物資産価値を評価する。PBR0.37倍は過去の株価の底から求めた倍率ではなく、現在の資産の保守的な回収見込みから導いたものである。将来の利益留保を積み上げた自己資本に床の倍率を掛けない。
確率:新築需要減少、金利上昇、収益物件の売却価格下落が同時に起こる複合的な悪化を想定する。高い借入依存と薄い自己資本が損失を拡大させるため、低頻度でも無視できない確率を与える。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
不動産仲介
関西、九州、中部の店舗を通じた新築・中古住宅、土地などの売買仲介。地域の顧客情報を集め、分譲・リフォーム・保険へ紹介する役割も担う。
| 数量外部顧客向け売買仲介契約件数(件・年) | 価格1件当たり連結仲介売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,575 | 0.01 | 23 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1,660 | 0.02 | 28 | 3 |
取り方:2025年有価証券報告書の販売実績は1,575件、売上2,285,993千円。従って平均収入は約145万円/件。決算説明資料の1,632件は内部取引を含むため、連結外部売上と対応する有報の件数を使用する。2026年上期の仲介売上は11.86億円で、堅調に推移している。競合は地域仲介会社、センチュリー21加盟店、東急リバブルなど。
戸建分譲・中古買取再販・土地販売
小規模の新築戸建分譲と中古住宅の買取再販、土地分譲。関西、中部、福岡、沖縄で一次取得者層などに住宅を供給する。
| 数量新築・中古・土地の販売契約件数(件・年) | 価格1契約当たり連結売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 317 | 0.29 | 92 | 4 |
| 10 年後 中立 | 318 | 0.35 | 110 | 6 |
取り方:2025年の会社資料で新築等248件、中古69件の計317件。売上9,219,626千円を割ると連結売上の平均は2,908万円/件となる。会社の公表する新築平均販売価格は3,681万円だが、土地のみの販売、中古物件、売上計上範囲の違いがあるため、この平均を317件に一律に掛けない。有報では土地のみも1件に数える。国内の分譲一戸建着工約11.6万戸に対する新築等248件は約0.21%だが、全国統計と会社販売件数は完全に同一の定義ではない。
収益物件の開発・販売
木造賃貸アパートF+Styleや住居用マンション等の収益不動産を開発・取得し、投資家へ販売する。会計上は不動産賃貸事業に含まれる。
| 数量収益物件の販売棟数(棟・年) | 価格1棟当たり収益物件販売額(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 24.0 | 1.47 | 35 | 8 |
| 10 年後 中立 | 29.0 | 1.71 | 50 | 8 |
取り方:2025年決算説明資料で収益物件24棟を販売し、そのうちF+Styleは22棟。収益物件販売売上3,537百万円から1棟平均約1.47億円と算出した。2026年上期は9棟販売し、売上14.98億円で平均約1.66億円となった。セグメント利益8.87億円を物件販売と賃料収入へ分けた内訳は非開示のため、販売事業に7.50億円、賃料・管理に1.37億円を分析上の仮配分とする。配分は推計であり会社公表利益ではない。
保有不動産の賃料・管理料等
保有する賃貸住宅や事業用不動産からの賃料、関連する管理収入。収益物件の販売と異なり、継続的な契約から生じる収益。
| 数量年間の賃貸・管理収益を表す戸換算数(戸相当・推計) | 価格1戸換算当たり年間収入(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 500 | 0.01 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 650 | 0.01 | 7 | 2 |
取り方:2025年の不動産賃貸事業売上40.52億円から収益物件販売35.37億円を引いた約5.15億円が賃料・管理料等である。管理戸数は公表資料で確認できない。年間1戸換算103万円、月額約8.6万円の収益単位を仮定し、500戸相当に分解した。これは実際の管理戸数ではなく、家賃・管理収入を数量と価格に分離するための推計単位である。利益1.37億円も分析上の配分。2026年上期の賃料・管理料等は2.46億円で前年同期を約3.6%下回った。
注文住宅・リフォーム請負
注文住宅と住宅リフォームの設計・施工請負。不動産仲介や分譲の顧客から派生する改修需要を取り込む。
| 数量建設・リフォーム請負契約件数(件・年) | 価格1件当たり売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,089 | 0.01 | 13 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,150 | 0.01 | 16 | 1 |
取り方:2025年有価証券報告書の地域別販売実績は1,089件、売上1,323,642千円。平均約122万円/件で、少額リフォームを含む契約単位である。注文住宅とリフォームの内訳件数は非開示。全国の住宅リフォーム市場は2025年約7.5兆円との矢野経済研究所推計で、同社の建設請負売上はその約0.02%に相当するが、注文住宅分を含むため厳密なリフォーム市場シェアではない。
損害保険代理
住宅売買や建築に付随する火災保険、地震保険などの代理店手数料。主として仲介部門の顧客接点から発生する。
| 数量年間保険契約の収益換算件数(件・推計) | 価格1件当たり代理店手数料(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,500 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,450 | 0.00 | 1 | 0 |
取り方:2025年の保険代理事業売上46,666千円は公表実績だが、実際の保険契約件数は非開示。仲介契約1,575件と住宅販売317件から保険が派生することを踏まえ、収益換算1,500契約、平均手数料約3.1万円と仮定した。更新保険や複数契約もあり、実際の契約件数を示すものではない。
リスクと懸念
住宅ローン金利と一次取得者の購買力
同社の新築分譲は初めて住宅を購入する層を主な顧客とする。住宅価格と金利の両方が上昇すれば、毎月の返済額を抑えるために購入者は物件規模を小さくするか購入を延期する。土地と建物の原価が上がる一方で販売価格を上げられなければ、棟当たり利益は急速に縮む。
収益アパートの出口価格下落
不動産賃貸事業の売上の大部分は物件販売であり、長期保有の家賃収入ではない。投資家が求める利回りが上がれば、家賃が変わらなくても建物の売却価格は下がる。金利3%の世界でF+Styleの販売価格と開発利益率を維持できるかが、今後の企業価値を左右する。
純負債82億円と借り換え負担
2025年末の純有利子負債は自己資本の約2.1倍であり、過去の営業利益水準と比較しても重い。資金は主に用地仕入れと物件開発に使われるため、販売が遅れれば借入残高が高止まりする。借り換え金利の上昇は税前利益を10年後に約2億円押し下げる可能性があり、物件売却価格の低下と重なると純利益への影響は大きい。
住宅在庫の評価損とキャッシュフロー悪化
会計上の利益が出ていても、土地や建築途中の物件が増えれば現金は流出する。2026年上期は仕掛販売用不動産の増加などにより営業キャッシュフローがマイナスとなった。売れ残りを値引きで処分する局面では、在庫評価損、利益率低下、借入返済の負担が同時に発生する可能性がある。
人口減少と大手住宅会社との価格競争
全国の分譲一戸建着工はすでに減少しており、同社の成長には縮小市場でのシェア獲得が必要である。飯田グループやオープンハウス、地域工務店が同じ土地や購入者を取り合う。規模で劣る同社が無理な仕入れをすれば、売上が増えても投下資本の利回りが下がる。
AIによる仲介実務の変化
AIエージェント代替の指定型に主力事業は直接該当しないが、物件検索、価格査定の補助、広告文作成、顧客対応、契約書類の作成は自動化されやすい。地元物件の仕入れや現場確認、交渉の役割は残るものの、オンラインで比較しやすくなれば仲介手数料への競争圧力は高まる。効率化の利益を会社が確保できるかが分かれ目になる。
資本配分と少数株主への還元
上位10株主の保有比率は約65.6%で、経営の継続性は高い一方、少数株主が資本配分を変えることは容易でない。過去には買収と自社株買いに一定の成果があるが、中期の総還元性向や自社株買い額の数値目標は確認できない。資金回収後にさらに用地取得を繰り返し、株主還元が抑えられる場合、帳簿上の利益増加が十分な株主価値に結び付かない。
今後の分かれ目
- F+Styleなど収益物件の年間販売が30棟を超え、売却利益率も継続して高水準を維持したら
- 収益物件の差別化が進んだ証拠となる。やや楽観と楽観の確率を引き上げ、収益物件の販売数量と利益率の見通しを上方修正する。ただし、同時に借入残高が増えていないかを確認する。
- 分譲戸建の全国着工が中立想定の約8.5万戸より速く減少し、同社の新築販売も200件を下回ったら
- 中古買取再販の増加で補えるかを検証する。合計販売件数が縮小し始めた場合は中立の数量前提を下げ、やや悲観の確率を増やす。
- 純有利子負債が50億円以下へ減少し、営業利益を維持したまま自己資本比率が30%を超えたら
- 財務の耐久力が改善した証拠として評価する。借金による資本コスト上乗せを見直し、悲観側の資金繰りリスクを下げる。ただし、事業規模縮小による負債減少と区別する。
- 営業キャッシュフローの赤字が複数期続き、棚卸不動産と短期借入金が同時に増加したら
- 在庫回転悪化と資金繰り負担の兆候として、やや悲観と悲観の確率を引き上げる。帳簿上の利益だけでなく、販売後の現金回収と返済期限を優先して確認する。
- 中古買取再販の販売件数が年間100件を超え、利益率の改善も確認できたら
- 全国の新築需要縮小を補う構造転換が進んだと判断する。中立の中古販売比率を引き上げ、住宅分譲の数量減少を緩和する。ただし、仕入れた中古物件の保有日数が伸びていないことを条件とする。
- 配当性向を継続的に高める方針や具体的な自社株買い計画が発表され、実際に実行されたら
- 余剰資本が少数株主に戻る確度が高まる。excess_cash_returnを0.75から1.0へ見直す余地が生じる。増配だけでなく、借入返済後の現金収支に基づく持続可能な還元かを確認する。
見ておくもの
- 全国の分譲一戸建着工戸数と大阪・愛知・福岡の地域別着工動向
- 不動産分譲の販売件数と新築・中古の構成比、平均販売価格
- F+Styleを中心とする収益物件の販売棟数、平均売却額、セグメント利益率
- 不動産賃貸事業の収益物件販売と賃料・管理料等の内訳
- 販売用不動産・仕掛販売用不動産の残高、在庫回転日数、営業キャッシュフロー
- 純有利子負債、借入金利、返済期限、自己資本比率
- 配当総額、自社株買い実績、実効的な総還元性向
- 仲介契約件数、営業拠点数、店舗当たり売上・利益
- 建設請負の契約件数、平均工事単価、受注残高
倍率と資本コストの決め方
評価の出発点は2025年の実際の仲介1,575件、住宅・土地販売317件、収益物件販売24棟、建設請負1,089件である。2026年上期の増益には前年の一過性費用剥落もあるため、その増益率を10年先まで延長していない。数量は全国住宅着工の減少と会社の地域シェア変化から決め、名目価格には物価3%の前提を含めた。新築・収益物件の価格は家計の購買力と金利による制約を反映し、物価と同率では上げていない。
倍率は現在や過去のPER・PBRではなく、k9%、長期g2%、弱い堀の超過収益残存割合1/3から導いた。余剰資本を事業ROEから外して別に評価する考え方に合わせ、楽観から中立のPERは利益の質が正当化する上限に近づけた。2025年のROE18.2%を10年後の中立へ持ち込まず、自己資本の積み上がりと金利負担で約8.2%へ下がると考える。悲観は今の自己資本を無条件の床とせず、棚卸不動産と土地建物の換金額から負債を控除した。
2027年4月以後開始年度からの新リース会計基準により使用権資産とリース負債が増える可能性はあるが、家賃・賃借料は営業費用に含めた従来の利益概念で将来と比較する。今の株価が変わっても、数量、価格、収益性、資本コストから求める企業価値は変更しない。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の基本資本コスト7.5%に、値決め力と借入負担の合計1.5ポイントを加える。規模や株価のβによる上乗せは行わない。個別の資金調達・M&Aリスクは5つの筋書きと確率で表現する。