結論
パルマは、トランクルームを営む会社のために、利用者の審査、賃料の集金、滞納の保証、荷物の撤去までを丸ごと請け負う会社だ。施設を開発して投資家に売る事業も持つ。筆者の結論はやや割安である。理由は、保証つきの代行の事業が、業界の過半の事業者に使われる土台になっていることにある。
この代行の事業は、契約の件数が毎年5%ほど積み上がり、利益率は35%に達する。毎月の手数料が入る形で、景気の波も小さい。一方、施設の開発と販売は、売れた年だけ黒字で、それ以外は赤字が続いてきた。全社の数字がさえないのは、この二つが混ざっているからだ。
手元には借入を差し引いても十数億円の現金があり、財務は堅い。大株主のディア・ライフが4割近くを持つが、配当性向40%以上を掲げて増配を続けている。
筆者は、代行の事業だけで今の時価総額の大半を説明できると見る。懸念は、保証の焦げ付きが景気の悪化で増えることと、大手の事業者が自前に切り替えることだ。それでも、確率で重みを付けた価値は今の値段を2割ほど上回る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、代行の事業は持ち続けたい種類の商売だ。小さな手数料が毎月積み上がり、件数が増えても人手はあまり増えない。業界の過半の事業者が使う土台になっていて、利用者の契約の流れを押さえている。こういう事業は、10年後も今より強くなっている可能性が高い。
株主のものになる利益で見ると、代行の事業は年5億円ほどを生み、大きな設備の投資も要らない。一方、開発の事業は資本を食う。施設を建てて在庫を抱え、売れなければ赤字が残る。経営が開発に資本を回し続けるなら、代行の事業の稼ぎがそこに吸い込まれる。資本の配分が最大の見どころだ。
安全域、つまり値段と価値の差の余裕は、今の値段なら少しある。代行の事業だけで今の時価総額の大半を説明でき、手元の現金も厚い。ただ、保証の焦げ付きは見えにくい費用で、景気の谷で一気に膨らむ。値段の安さは、その不確かさの分を割り引いたものと見るのが妥当だ。
何で稼ぐ会社か
事業は二つある。一つ目はビジネスソリューションと呼ぶ代行の事業で、売上の約3分の2と利益のほぼ全部を生む。トランクルームの事業者に代わって、利用者の申し込みの審査、毎月の賃料の集金、滞納した時の督促、退去しない利用者の荷物の撤去までを請け負う。滞納の分はパルマが事業者に立て替えて払うので、事業者は空き室と滞納の心配を減らせる。対価は、利用者が払う保証料と事業者が払う事務の手数料だ。
契約の件数は2026年6月末で14万2千件あり、1年に5%ほど増えている。1件あたりの売上は年1万円強と小さいが、件数が積み上がるほど本社の費用は軽くなる。ウェブの申し込みと予約のシステム「クラリス」、集客サイト「ニコニコトランク」も持ち、7,500施設・32万室が登録している。最近は東電用地の遊休地の活用や、最大手級のエリアリンクの「ハローストレージ」にもサービスを広げた。
二つ目はターンキーソリューションと呼ぶ開発の事業だ。土地を借りたり買ったりしてコンテナ型や屋内型のトランクルームを建て、稼働を上げてから投資家に売る。自社で運営する施設も45ほどある。売れた年は利益が大きいが、売れない年は開発の費用と運営の赤字が残る。2025年9月期は8施設を売ったが、それでも赤字だった。郵便局の空き地を使う日本郵政グループとの取り組みもこの事業に入る。
優良さと弱いところ
優良さの芯は、業界の裏方の土台になっていることだ。400社以上が導入し、事業者の過半がパルマのサービスを使う。審査、集金、保証、撤去まで一つの窓口でできる会社はほかに見当たらない。いったん導入すると、利用者の契約と集金の流れがパルマのシステムに乗るので、切り替えには手間がかかる。これが堀、つまり他社がまねしにくい強みになっている。
件数が増えても人手はそれほど増えない。代行の事業の利益率は35%前後で、件数の伸びとともに少しずつ上がってきた。毎月の手数料が積み上がる形なので、売上の見通しも立てやすい。
弱い所は二つある。一つは開発の事業で、施設を売れるかどうかで業績が大きく振れ、過去10年の多くの年に全社の利益を食った。もう一つは保証の焦げ付きだ。立て替えた賃料の回収を待つ求償債権6億円に対し、すでに6割の貸倒引当金を積んでいる。景気が悪くなれば、この費用は膨らむ。
経営は2027年9月期に営業利益6億円、ROE10%を目標に掲げる。2019年9月期の営業利益5億円の後に業績を落とした経緯があり、目標の達成は開発の事業の立て直しにかかっている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
トランクルームの市場は、ここ10年でゆっくり大きくなってきた。都市の住まいが狭くなり、在宅勤務で部屋を空けたい人が増え、ネット通販の個人の在庫を置く場にもなっている。矢野経済研究所の調べでは、市場は2025年に1,000億円を超え、2030年には1,100億〜1,200億円に伸びる見込みだ。物価の分を除いた実質で見ると、室数の伸びは年2〜3%ほどになる。日本の利用率は米国の10分の1以下とされ、伸びる余地はまだある。
業界の担い手は、エリアリンクの「ハローストレージ」、加瀬倉庫、キュラーズ、ライゼボックスなどの大手と、土地の持ち主が副業で営む小さな事業者に分かれる。小さな事業者ほど、審査や集金、滞納の対応を自前でこなせない。パルマの代行は、ここにぴったりはまる。大手も、新しい地域や小さな施設では外に任せる方が安い。
一方で、施設の開発は建設費の上昇に押されている。コンテナや鉄骨の値段が上がり、土地の賃料も上がった。投資家が求める利回りは金利の上昇で上がり、施設を高く売りにくくなった。開発の事業にとっては向かい風だ。
保証の事業には競争相手もいる。賃貸住宅の家賃保証の大手が、トランクルームに手を広げる可能性はある。ただ、荷物の撤去や施設の運営の知識まで要るので、すぐに追いつかれる分野ではない。業界の追い風は代行の事業に、逆風は開発の事業に吹いている。
資本政策と M&A
配当は配当性向40%以上を目安に、増配を続ける方針だ。2026年9月期も増配の予定で、配当の総額は年0.9億円ほどになる。自社株買いの実績はほとんど無い。株主優待はクオカードで、保有の株数と期間に応じて額を増やす。費用は年0.1億円に満たないとみられ、価値への上乗せはごく小さい。
大株主はディア・ライフで、39%を持つ。もとはディア・ライフの子会社で、2018年に日本郵政キャピタルへの株の譲渡と増資で連結から外れた。ディア・ライフは不動産の開発の会社で、パルマとは施設の開発で縁が深い。親子に近い関係なので、手元の現金がすべて株主に戻るとは限らない。
手元の現金は借入を差し引いて十数億円ある。保証の立て替えと施設の開発に要る分を除いても、数億円は事業に要らない。2025年に東証のスタンダード市場へ移り、名証にも上場したのは、株主を増やし流動性を上げるためだ。ディア・ライフが残りを買い取る、あるいは同業が買う可能性はあるが、気配は無い。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
代行の事業は、業界の土台として伸び続ける。トランクルームの室数は年に数%ずつ増え、そのたびに審査、集金、保証の仕事が生まれる。パルマはすでに事業者の過半に入っており、新しい施設の多くが最初からパルマの仕組みを使う。2026年にはエリアリンクの「ハローストレージ」や東電用地にもサービスを広げた。大手が外に任せ始めたことは大きい。
件数は毎年5%以上増え、1件あたりの手数料も賃料の値上げとともに上がる。代行の事業の利益は10年で2倍から3倍になりうる。レンタルオフィス向けの滞納保証や、荷物の撤去と整理のサービスなど、同じ仕組みを横に広げる余地もある。
開発の事業は、赤字の施設を整理して東日本で稼働の高い施設に絞っている。日本郵政グループとの郵便局の空き地の活用や、蓄電池の設置との組み合わせも始まった。売れる施設が増えれば、赤字は止まる。
財務は堅く、借入を引いても十数億円の現金がある。配当性向40%以上を約束し、毎年増配している。今の時価総額は、代行の事業の利益の7倍ほどで、成長する積み上げ型の事業としては安い。
慎重な見方
保証の事業は、景気の谷で本当の顔を見せる。立て替えた賃料の回収を待つ求償債権は6億円まで増え、すでに6割の引当金を積んだ。利用者の多くは個人で、景気が悪くなれば滞納は増える。荷物を撤去しても、売って回収できる額は小さい。利益率35%の見かけは、焦げ付きが少ない時期の数字にすぎない。
大手の事業者が自前に切り替える危険もある。規模が大きくなれば、審査と集金を自前でこなした方が安い。賃貸住宅の家賃保証の大手が本気で参入すれば、手数料は下がる。業界の過半に入っていることは、裏返せば新しい顧客の余地が小さいということでもある。
開発の事業は、10年近く全社の利益を食ってきた。建設費の上昇と金利の上昇で、施設を高く売るのは難しくなった。販売用の不動産は12億円まで膨らみ、借入も増えた。売れ残れば評価を下げるしかない。
大株主のディア・ライフは39%を持ち、もとは親会社だった。手元の現金が少数株主に戻るとは限らない。中期計画の営業利益6億円も、開発の販売しだいで、達成は不確かだ。
どちらに重みを置いたか
強気の見方がやや強い。代行の事業が業界の土台になっていることと、件数が毎年積み上がっていることは、数字で確かめられる。慎重な見方の突く保証の焦げ付きと開発の赤字は本物の懸念だが、引当金はすでに厚く、開発の事業は全社の中で小さくなっていく。確率は中立を中心に楽観の側へ少し寄せ、悲観にも景気の谷の重みを残した。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した株価時価総額 1,402 円95 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 202 円14 億円)。 今の値に割り戻すと 804 円54 億円、今との差 +42.2%、 期待の年率 +11.0%(資本コスト 7.8%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 15% | 2,644 円179 億円 | 319 円22 億円 | +424.5% | +18.0% | 445 円30 億円 |
| やや楽観 | 22% | 2,044 円138 億円 | 266 円18 億円 | +308.9% | +15.1% | 508 円34 億円 |
| 中立 | 33% | 1,452 円98 億円 | 216 円15 億円 | +195.2% | +11.4% | 550 円37 億円 |
| やや悲観 | 18% | 299 円20 億円 | 103 円7 億円 | −28.8% | −3.3% | 72 円5 億円 |
| 悲観 | 12% | 192 円13 億円 | 44 円3 億円 | −58.1% | −8.3% | 28 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,402 円95 億円 | 202 円14 億円 | +183.9% | +11.0% | 1,604 円109 億円 |
今の株価時価総額 565 円38 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 15% 業界の標準の仕組みになる 利益 9 億円 · PER 18.7 倍 · 株価時価総額 2,644 円179 億円
エリアリンクの「ハローストレージ」を皮切りに、大手の事業者も新しい施設の審査と保証をパルマに任せるようになる。小さな事業者の新規参入も続き、受託残高は10年で26万件に増える。レンタルオフィスや貸し倉庫にも同じ仕組みが入り、1件あたりの手数料は賃料の値上げを少し上回って伸びる。件数が増えても人手は増えず、代行の事業の利益率は38%に上がる。
開発の事業は、日本郵政グループの郵便局の空き地や東電用地の遊休地を使い、土地を買わずに施設を増やす。稼働の高い施設を毎年安定して売り、黒字に定着する。
営業利益は14億円近くになり、配当性向40%以上の方針で還元も増える。ROEは16%台に上がる。
- ビジネスソリューション(滞納保証つきの代行・IT):数量 260,000(滞納保証つき代行の受託残高(件))× 価格 0.00(1件あたりの年間売上(億円))→ 売上 40 億円・営業利益 15 億円。26万件×1件あたり1.45倍、利益率38%
- ターンキーソリューション(施設の開発・販売・運営):数量 70.0(開発・運営する施設の数(施設))× 価格 0.26(1施設あたりの年間売上(億円、販売と賃料))→ 売上 18 億円・営業利益 1 億円。70施設×1施設あたり1.35倍、利益率6%
倍率:事業の純利益 9 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.9% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.7 倍 + 余った現金(戻り方込み)4 億円。全体の PER 18.67 倍、時価総額 178 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:大手の事業者の外部委託が広がり、レンタルオフィスや郵便局など隣の分野にも同じ仕組みが入る姿。ハローストレージと東電用地の取り込みが始まっており、1割5分。
やや楽観 22% 件数が伸び、開発も赤字を脱する 利益 7 億円 · PER 18.2 倍 · 株価時価総額 2,044 円138 億円
受託残高は年4〜5%増え、10年で23万5千件になる。新しく開く施設の多くが最初からパルマの仕組みを使い、既存の事業者からの切り替えも続く。1件あたりの手数料は賃料の値上げに合わせて物価並みより少し上に伸び、代行の事業の利益率は36%になる。
開発の事業は、東日本の稼働の高い施設に絞って毎年数施設を売り、小さな黒字に転じる。蓄電池の設置との組み合わせで、施設の空きの土地からも収入が入る。
本社の費用は人件費とともに物価並みに増える。営業利益は11億円ほどになり、配当は方針どおり利益の4割を払う。ROEは15%前後になる。
- ビジネスソリューション(滞納保証つきの代行・IT):数量 235,000(滞納保証つき代行の受託残高(件))× 価格 0.00(1件あたりの年間売上(億円))→ 売上 36 億円・営業利益 13 億円。23.5万件×1件あたり1.42倍、利益率36%
- ターンキーソリューション(施設の開発・販売・運営):数量 60.0(開発・運営する施設の数(施設))× 価格 0.23(1施設あたりの年間売上(億円、販売と賃料))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。60施設×1施設あたり1.23倍、利益率4%
倍率:事業の純利益 7 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 17.4% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 12.6%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.2 倍 + 余った現金(戻り方込み)4 億円。全体の PER 18.17 倍、時価総額 137 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:今の件数の伸び(年5%前後)が続き、開発の事業がとんとんを超える姿。中期計画の方向がおおむね形になる筋で2割強。
中立 33% 代行が積み上がり、開発は小さく残る 利益 6 億円 · PER 17.2 倍 · 株価時価総額 1,452 円98 億円
受託残高は年4%ほど増え、10年で21万件になる。新しい施設の増え方は市場の伸びに沿って鈍り、残る余地は既存の事業者の切り替えだ。1件あたりの手数料は物価並みに上がる。保証の焦げ付きの費用も物価とともに増え、代行の事業の利益率は33%と今より少し下がる。
開発の事業は、建設費と金利の上昇で施設を高く売りにくい。それでも土地を持たない形の開発で損を抑え、小さな黒字を保つ。転貸の施設の損失は引当金の範囲に収まる。
本社の費用は物価で1.34倍に増える。営業利益は8億円ほどで、純利益は5億円台。配当性向40%の方針で、10年の還元は15億円近くになる。ROEは12%台で資本コストを上回る。
- ビジネスソリューション(滞納保証つきの代行・IT):数量 210,000(滞納保証つき代行の受託残高(件))× 価格 0.00(1件あたりの年間売上(億円))→ 売上 31 億円・営業利益 10 億円。21万件×1件あたり1.38倍、利益率33%
- ターンキーソリューション(施設の開発・販売・運営):数量 55.0(開発・運営する施設の数(施設))× 価格 0.22(1施設あたりの年間売上(億円、販売と賃料))→ 売上 12 億円・営業利益 0 億円。55施設×1施設あたり1.15倍、利益率3%
倍率:事業の純利益 5 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 14.8% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 17.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 17.2 倍 + 余った現金(戻り方込み)4 億円。全体の PER 17.2 倍、時価総額 97 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:件数の伸びが少しずつ鈍り、開発の事業はとんとん近くにとどまる姿。過去5年の件数の伸びと代行の利益率の実績の延長で、いちばん起きやすいので一番厚い。
やや悲観 18% 大手が自前に移り、手数料が下がる 利益 2 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 299 円20 億円
大手の事業者は規模が大きくなり、審査と集金を自前で抱えるようになる。賃貸住宅の家賃保証の大手もトランクルームに参入し、手数料の値下げで小さな事業者を奪い合う。受託残高は16万件で頭打ちになり、1件あたりの手数料は物価に追いつかない。焦げ付きの費用はそのまま残り、代行の事業の利益率は25%に下がる。
開発の事業は施設が売れず、運営の赤字と在庫の評価の引き下げが続く。全社の営業利益は2億円台にとどまり、ROEは資本コストを下回る。配当は増配が止まり、方針の40%を払うだけになる。
業界の裏方という立ち位置は残るが、手数料を自分で決める力は弱まる。
- ビジネスソリューション(滞納保証つきの代行・IT):数量 160,000(滞納保証つき代行の受託残高(件))× 価格 0.00(1件あたりの年間売上(億円))→ 売上 22 億円・営業利益 5 億円。16万件×1件あたり1.26倍、利益率25%
- ターンキーソリューション(施設の開発・販売・運営):数量 45.0(開発・運営する施設の数(施設))× 価格 0.18(1施設あたりの年間売上(億円、販売と賃料))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。45施設×1施設あたり0.94倍、赤字
倍率:ROE5.3%がk7.75%を下回るので、ためた利益は帳簿の額ほどの値打ちが無く、PERの上限は1÷kの12.9倍。伸びの止まった利益の質を見て10倍。余った現金は今の5億円の0.75倍に戻り方0.75を掛けて足した。
確率:大手の事業者が審査と保証を自前で抱え、家賃保証の大手も参入して手数料が下がる姿。業界の過半に入った後の伸びしろの小ささを突く筋で2割弱。
悲観 12% 焦げ付きが膨らみ、開発の在庫が残る 利益 −2 億円 · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 192 円13 億円
景気の悪化で個人の滞納が急に増え、立て替えた賃料の多くが戻らない。荷物を撤去して売っても回収はわずかで、焦げ付きの費用が手数料の稼ぎをほとんど食う。大手の事業者は自前の保証に移り、受託残高は12万件まで減る。
開発の事業は、金利の上昇で投資家が施設を買わなくなり、販売用の不動産が売れ残る。評価を下げて損を出し、転貸の施設の赤字も膨らむ。全社は赤字になり、配当も減らされる。少数株主に残る値打ちは、手元の現金と売れる施設のうち、保証の立て替えに要らない分だけになる。
代行の仕組みそのものは残り、会社は小さく続く。
- ビジネスソリューション(滞納保証つきの代行・IT):数量 120,000(滞納保証つき代行の受託残高(件))× 価格 0.00(1件あたりの年間売上(億円))→ 売上 15 億円・営業利益 2 億円。12万件×1件あたり1.17倍、焦げ付きで利益率12%
- ターンキーソリューション(施設の開発・販売・運営):数量 40.0(開発・運営する施設の数(施設))× 価格 0.15(1施設あたりの年間売上(億円、販売と賃料))→ 売上 6 億円・営業利益 −1 億円。40施設、在庫の評価引き下げで赤字
倍率:赤字なのでPERは当てない。稼ぐ力はマイナスで、床は手元の現金と売れる施設の税後。今の自己資本24.3億円に0.53倍を掛け、床の資産の額にそろえた。
確率:景気の谷で滞納が急増し、大手の自前化も重なる構造的な負け。保証の事業は焦げ付きが見えにくく、谷の深さを過去に経験していないので1割強。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ビジネスソリューション(滞納保証つきの代行・IT)
トランクルームの事業者に代わり、利用者の審査・賃料の集金・滞納の保証・荷物の撤去を請け負う。予約と決済のシステム「クラリス」、集客サイトも持つ。
| 数量滞納保証つき代行の受託残高(件) | 価格1件あたりの年間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 135,411 | 0.00 | 15 | 5 |
| 10 年後 中立 | 210,000 | 0.00 | 31 | 10 |
取り方:2025年9月末の受託残高135,411件(有報)。売上は全社23.0億円からターンキーの8.54億円を引いた約14.5億円。利益は第3四半期まで3.70億円に第4四半期を足した推定。1件あたり年約1.07万円。
ターンキーソリューション(施設の開発・販売・運営)
コンテナ型・屋内型のトランクルームを開発し、稼働を上げて投資家に売る。自社で運営する施設の賃料収入もある。
| 数量開発・運営する施設の数(施設) | 価格1施設あたりの年間売上(億円、販売と賃料) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 45.0 | 0.19 | 9 | −2 |
| 10 年後 中立 | 55.0 | 0.22 | 12 | 0 |
取り方:2025年3月末に開発・運営中の45施設(説明資料)。売上8.54億円は8施設の販売と運営の賃料。利益は全社の営業利益1.47億円から代行の事業と全社費用を引いた推定。
リスクと懸念
保証の焦げ付き
滞納の賃料を事業者に立て替えて払うので、利用者が払わなければパルマの損になる。立て替えの回収を待つ求償債権は6億円に増え、6割の引当金を積んだ。景気の谷で個人の滞納が増えれば、代行の事業の利益率35%は大きく下がる。
大手の事業者の自前化
エリアリンク、加瀬倉庫、キュラーズなどの大手が規模を増すほど、審査と集金を自前で抱える方が安くなる。業界の過半に入っている分、新しい顧客の余地は狭く、大手の離反は件数に直接響く。
開発の事業の在庫
販売用の不動産は2026年6月末で12億円近くに増えた。建設費と金利の上昇で投資家の求める利回りが上がり、施設を高く売りにくい。売れ残れば評価を下げる損が出て、借入も残る。
転貸の約束
土地や建物を借りて施設を営み、利用者に貸す転貸の形がある。稼働が上がらない施設は家賃が固定費として残り、すでに1億円の転貸損失引当金を積んでいる。2027年度からの新しいリースの会計で、借りている分が負債として帳簿に載る。
大株主との関係
ディア・ライフが39%を持つ。もとは親会社で、開発の事業でも縁が深い。手元の現金や開発の案件の配分が、少数株主より大株主の都合で決まる恐れがある。
家賃保証の大手の参入
賃貸住宅の家賃保証は大手が多く、審査と回収の仕組みを持つ。トランクルームの市場が大きくなれば参入し、手数料の値下げで件数を奪いに来うる。
今後の分かれ目
- 受託残高が年6%を超えて伸び、大手の事業者の採用が続く
- 楽観とやや楽観の筋書きに近づく。代行の事業が業界の標準になった証拠だ。
- 貸倒引当金の繰入が代行の事業の売上の1割を超える
- やや悲観の側に重みを移す。焦げ付きが利益率を削り始めている。
- 開発の事業が2期続けて黒字になる
- 全社の利益の振れが小さくなり、中立からやや楽観の側に寄る。
- 販売用の不動産が売れずに評価を下げる
- 悲観の筋書きに近い。開発の資本が代行の事業の稼ぎを食う。
- ディア・ライフが株の買い増しや買い取りを打ち出す
- 少数株主には上乗せが入る可能性がある。値段は条件しだいだ。
- 配当性向を上げる、自社株買いを始める
- 溜まる現金の戻り方を見直し、価値を少し上げる。
見ておくもの
- 滞納保証つき代行の受託残高と新規の契約数
- 代行の事業の利益率と貸倒引当金の繰入
- 販売用の不動産の残高と施設の販売の数
- 大手の事業者(エリアリンクなど)との取引
- 配当性向と自社株買い
- ディア・ライフの持ち分
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価や過去のPER・PBRから置いていない。代行の事業の件数と1件あたりの手数料、開発の施設の数と1施設あたりの売上から利益を積み、中立はROE12.6%とk7.75%、普通の堀の正当化PER約16.2倍の80%の13倍に置いた。余った現金5億円は事業の倍率に混ぜず、戻り方0.75で足した。悲観側は今の自己資本と、純現金と売れる施設の税後の床で置いた。10年後の数字は今と同じく借りた施設の家賃を費用に入れた形でそろえた(2027年度から新しいリースの会計で負債に載る)。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 16.1→18.67 倍・やや楽観 PER 14.6→18.17 倍・中立 PER 13→17.2 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に質の上乗せ0.25%。同じ領域の会社はまだ無い。不動産の開発の会社より、毎月の手数料が積み上がる分だけ循環を軽く見た。