結論
アズームは、空いている月極駐車場を持ち主から借り上げ、探している人に貸し直す会社だ。借りる値段と貸す値段の差が稼ぎになる。筆者の結論は、10年で見れば「割安」。いちばんの理由は、台数の伸びがまだ序盤にあり、資本をほとんど食わない稼ぎ方が、配当と手元の現金に変わり続けるからだ。
稼ぎの源は単純だ。受託する駐車場が1台増えるたびに、毎月の利ざやが積み上がる。台数は3万5千台を超え、会社は2030年に12万台を狙う。筆者はこの速さを丸ごとは信じない。10年で10万台を少し超える、と見るのが中立だ。
設備に大きな投資が要らない点は、この会社の長所だ。借金もほとんどなく、自己資本利益率は30%近い。会社は配当を自己資本の2割以上に保つと決め、足元では純利益の7割を配当に回す。一方で、借り上げた賃料は空きが出ても払い続ける固定の約束になる。稼働が崩れると、利益は急に薄くなる。
競争は静かだが、堀、つまり他社がまねしにくい強みはまだ浅い。パーク24の月極と同じ桁の規模に育ったが、予約型の「アキッパ」など、空きを取り合う相手は多い。探している人を集める力と、営業の仕組みが勝負どころだ。
今期の営業利益は31億円の予想。中立の筋書きでは、10年後に115億円ほど。2030年に125億円という会社の目標には届かなくても、利益は4倍近くになる計算だ。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社を長く持ちたいかを、まず問う。答えは「持ちたい面が多いが、確信はまだ足りない」だ。
良い点は、資本を食わずに稼ぐことだ。土地も建物も買わず、借りて貸すだけで営業利益率は19%台。借金もない。稼いだお金を、そのまま配当に回せる。ROEが30%近いのは、この軽さの結果だ。バリュー投資家が好む形をしている。
気になる点は2つ。1つは、借りた賃料の固定の約束だ。貸借対照表には出ないが、事実上の借金に近い。空きが増えると、貸す側の収入だけが落ち、借りる賃料は残る。強い堀がある会社なら怖くないが、アズームの堀はまだ浅い。
もう1つは、成長の仕方だ。台数は営業の人数に比例する。採用を増やせば伸びるが、人が定着しなければ止まる。平均勤続2.7年の組織で、10年先まで同じ速度を保てるかが読めない。
安全域は、会社の目標を信じるかで決まる。目標の半分でも十分に価値はあるが、満額を前提にすれば値段は高くつく。筆者は、台数が10万台を少し超える中立の筋書きを軸にした。その場合の価値と、今の時価総額を見比べると、判断は「割安」になる。
何で稼ぐ会社か
稼ぎのほぼすべては、月極駐車場の借上げとサブリースだ。サブリースとは、借りたものをさらに他人に貸すこと。アズームは持ち主から駐車場を借り上げ、利用者に月ぎめで貸す。売上は約132億円で、全体の98%を占める。
借りる賃料は、貸す賃料より低い。この差が粗利で、会社は粗利率を35〜40%に置いている。そこから営業と広告の費用を引くと、営業利益率は19%台になる。利益の元は、台数と、1台あたりの利ざやの2つだ。受託1台あたりの売上は年41万円ほどで、そこから借りる賃料を引いた分が粗利になる。
ほかに2つの稼ぎがある。1つは、自社サイト「カーパーキング」の紹介だ。年に約40万件の問い合わせが入る。もう1つは、子会社「鉄壁」の家賃の滞納保証だ。この2つは粗利率がほぼ100%で、サブリースの利益を底上げする。
売上の大半が、毎月入る賃料のストックだ。新しく借りる契約が増えれば、翌月から売上が立つ。逆に、契約が切れれば売上も落ちる。会社は稼働率93%ほどを保つ計画で、空きが出る区画の整理と、満了時の賃料の見直しを同時に進めている。
小さな柱が1つある。80%持つ子会社のCGworksが、不動産向けのCGやVRを作る。売上は2.5億円ほどで、全体への効きは小さい。
事業の特徴は、土地も建物も持たないことだ。借りるだけなので、貸借対照表は軽い。ただし借りた賃料は、利用者が付かなくても毎月払う。この固定の約束が、利益の振れ幅を大きくする。
優良さと弱いところ
この会社の強みは、探している人が集まる場所になっていることだ。年に約40万件の問い合わせが、アズームのサイトに入る。借り手が多いほど、空き区画は早く埋まる。持ち主も、埋まるサービスに預けたい。この循環が、堀の芯だ。
営業の仕組みも武器になる。社内のAI基盤で契約書づくりや請求書づくりを自動にし、新人1人あたりの成約を8台から10台超に伸ばした。大きなビルやマンションの機械式駐車場では、提案の約半分が他社からの切り替えだという。
弱いところもはっきりしている。まず、検索エンジンからの流入に頼っている。検索の仕組みが変われば、集客が細る恐れがある。次に、人手に頼る営業だ。従業員の平均年齢は27.9歳、平均勤続は2.7年。採用が止まれば、台数も止まる。
資本の効率は高い。ROEは過去9年の中央値で27%。ただし、自己資本が小さい時期の数字で、そのまま続くとは限らない。借金はほとんどなく、手元には現金が約57億円ある。
経営は安定している。創業者の出資会社パノラマが約34%、社長の菅田洋司氏が約14%を持つ。長く経営の方向がぶれない一方、少数の株主の声は届きにくい。2025年6月にグロース市場からプライム市場に移った。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
月極駐車場の市場は、台数が増える市場ではない。国内の車の保有は人口とともに細る。ただ、都市部には使われない駐車場が残る。ビルやマンションを建てる時に、条例で駐車場を作る義務が付く。この附置義務の車室が全国で約344万台あり、約2割が空いていると、会社は説明している。
空きを埋めるのが、この会社の仕事だ。機械式の空きだけで約70万台あるとされ、会社はここを狙う。持ち主にとって、空きは固定資産税と管理費を生むだけの重荷だ。借り上げて賃料を保証してくれる会社がいれば、頼みたい。この需要は、景気が悪くても消えにくい。
競争の相手は何社もいる。パーク24の月極は約4万9千台(2026年7月)で、アズームと同じ桁だ。三井のリパークも月極を持つ。予約型の「アキッパ」は、空いた区画を15分単位で貸す仕組みで、掲載は5.5万台以上になった。借り上げの保証まで付けて広げる会社は、まだ少ない。
価格は、物価に沿って上がる余地がある。都心の賃料は物価で上がりやすい。地方は動きが鈍い。この会社は、相場より安く結んだ契約を、満了時に適正な賃料へ直している。これが1台あたりの売上を押し上げてきた。
10年の変化で気になるのは、車そのものが減ることだ。若者の車離れと、自動運転やライドシェアの広がりで、持つ人が減れば月極の需要が細る。ただ、駐車場が足りない都市部の需要は、この変化の影響を受けにくい。
資本政策と M&A
還元は厚く、方針も明確だ。会社は自己資本に対する配当(DOE)を20%以上に保つとし、配当は減らさない累進の形に改めた。2026年9月期からは中間配当も始めた。プライム市場への移行の記念配当も出した。
借入はほとんどなく、現金は約57億円ある。成長に必要な投資は、システムの開発費と人の採用が中心だ。土地も建物も買わないので、稼いだお金のほとんどを株主に回せる。足元の配当性向は約7割だが、会社は利益と自己資本が伸びるにつれて5割ほどへ下がると説明している。自社株買いは、確認できた範囲では行っていない。
M&Aは小さい。CGworks、滞納保証の鉄壁、人材のダイバースを持つが、大型の買収は確認できていない。成長は自前の営業と集客で積む形だ。
2025年10月に、1株を2株に分けた。株主は、創業者の出資会社と社長で約48%を持つ。持ち主が固い分、市場に出回る株は少ない。買収を持ちかける動きは確認できていないが、時価総額が600億円台と小さく、集客力と台数は魅力が大きい。筆者は、非公開化や提携は十分ありうると見ている。
点検済み:中立の営業利益率21%は過去の山(19.4%)を超えるが、規模の効果で3%→19%まで毎年上がってきた実績と、会社の来期予想(20.5%)の延長で、台数が会社計画より少ない中でも超え幅は1.5ポイントにとどまる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
この会社は、空いた駐車場を埋める仕組みを、先に磨き上げた。年に約40万件の問い合わせが、最初に開かれる入口になっている。持ち主は埋まる所に預け、借りたい人は在庫が多い所に集まる。この循環が回るほど、競合は追いつけなくなる。
台数の伸びは、速度を増している。受託の純増は、2023年9月期の約4,500台から、2025年の約6,000台、2026年の8,000台以上へ上がる。営業の生産性も、新人1人あたり8台から10台超になった。人を増やせば、成果が比例して付いてくる。
市場はまだ手つかずだ。機械式駐車場の空きだけで約70万台あり、アズームの受託は3万9千台。5%にも届いていない。ここを取っていけば、12万台は通過点になる。
利益の質も良い。滞納保証と紹介は粗利がほぼ100%で、台数が増えるほど利益率が上がる。システムの自動化で、人が増えても費用の伸びを抑えている。借金がなく、ROEは30%を超え、還元は毎年増える。10年で営業利益を200億円超に積めるという見方は、現実の延長にある。
慎重な見方
伸びの源泉は、営業の人数だ。平均年齢27.9歳、平均勤続2.7年の組織は、若く元気だが、辞める人も多い。採用が一巡すれば、台数の伸びは鈍る。会社も、採用の一巡後に利益が伸びると言うだけで、台数の速度が続くとは言っていない。
借りた賃料は固定で、貸す収入だけが変動する。稼働率が93%から85%に落ちれば、粗利は大きく減る。コロナ禍のような人の動きの止まりや、競合の値下げが重なれば、利益は一気に消える。貸借対照表に出ない借金のようなものだ。
集客は検索に頼る。検索の仕組みが変わったり、競合が広告を積んだりすれば、紹介の件数が落ちる。堀と呼べるのは集客力と営業の仕組みだけで、物理的な拠点や規制の囲いはない。大手が同じ事業を本格的にやれば、規模で負ける。
2030年に12万台、営業利益125億円という計画は、今の3倍の台数を4年で積む前提だ。純増を年8,000台としても、4年で3万台しか増えない。目標の達成は、純増を今の2倍以上に上げ続けることを意味する。時価総額が600億円台と高いのは、この目標を一部先取りしているからだ。
どちらに重みを置いたか
集客の循環と、資本を食わない稼ぎ方では、強気の見方が勝つ。一方、固定賃料の重さと、人手に頼る伸び方では、慎重な見方が優勢だ。筆者は中立を最も厚くし、楽観とやや楽観を合わせて3割強、やや悲観と悲観を合わせて3割強に置いた。
決め手は、堀の浅さだ。台数が3倍に伸びる筋書きは十分に起こりうる。ただし競合が来た時に利益率が守れるほど、堀が深いとは言えない。会社の目標どおりに行く筋書きは、確率を厚くしなかった。それでも、慎重な見方の筋書きを3割強入れたうえで、価値は今の値段を上回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/09 期)
確率で加重した株価時価総額 13,794 円1,701 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 2,304 円284 億円)。 今の値に割り戻すと 8,125 円1,002 億円、今との差 +68.1%、 期待の年率 +12.8%(資本コスト 7.8%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 27,960 円3,449 億円 | 3,583 円442 億円 | +552.4% | +20.6% | 3,154 円389 億円 |
| やや楽観 | 22% | 20,200 円2,492 億円 | 2,902 円358 億円 | +377.8% | +16.9% | 5,082 円627 億円 |
| 中立 | 36% | 14,918 円1,840 億円 | 2,456 円303 億円 | +259.3% | +13.6% | 6,255 円772 億円 |
| やや悲観 | 20% | 5,517 円681 億円 | 1,678 円207 億円 | +48.8% | +4.1% | 1,439 円178 億円 |
| 悲観 | 12% | 665 円82 億円 | 730 円90 億円 | −71.2% | −11.7% | 167 円21 億円 |
| 加重平均 | 100% | 13,794 円1,701 億円 | 2,304 円284 億円 | +232.9% | +12.8% | 16,098 円1,986 億円 |
今の株価時価総額 4,835 円596 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 10% 12万台の計画に迫り、利益率も上がる 利益 147 億円 · PER 22.5 倍 · 株価時価総額 27,960 円3,449 億円
受託台数は、2030年に9万台を超え、10年で14.5万台に届く。会社の12万台には2年ほど遅れるが、遅れても止まらない。機械式駐車場の空きを持つビルとマンションが、借り上げを次々に任せてくる。営業1人あたりの成約は10台を大きく超え、人を増やした分だけ台数が積み上がる。
集客も強くなる。『カーパーキング』の紹介件数が増え、空きがすぐ埋まる。稼働率は95%に近づき、満了時の賃料見直しも通る。1台あたりの売上は、物価を少し上回って伸びる。
探している人が集まる場所はここ、という地位が固まり、営業利益率は26%に届く。営業利益は210億円、純利益は150億円近くになる。配当は自己資本の2割を基準に増え、10年で440億円ほど払う。それでも稼ぎのほうが大きく、手元の現金は事業に要る分を200億円ほど超える。
- 月極駐車場の借上げ・サブリース・紹介・滞納保証:数量 14.1(受託台数(万台、期中の平均。前期末と今期末の平均))× 価格 57(1 万台あたりの売上(億円・名目。賃料と手数料の結果。万円÷台の年額と同じ))→ 売上 804 億円・営業利益 209 億円。14.5万台(期中平均14.05万台、4.3倍)、1台あたり1.40倍、利益率26%
- ビジュアライゼーション(CG・VR):数量 55.0(制作人員(人、推定))× 価格 0.10(1 人あたりの売上(億円・名目))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。CG制作は黒字幅が広がる
倍率:事業の純利益 144 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 43.4% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 25.6%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 22.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 22.5 倍 + 余った現金(戻り方込み)213 億円。全体の PER 22.5 倍、時価総額 3,449 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:営業の人員増、稼働率の改善、賃料の見直しの3つがそろい、会社の目標に近い速度が続く必要がある。連続して当たる確度は高くない。
やや楽観 22% 計画より遅れるが、台数は3倍近くまで伸びる 利益 108 億円 · PER 22.1 倍 · 株価時価総額 20,200 円2,492 億円
受託台数は10年で12万台になる。会社の計画より6年ほど遅れる。前半は年に1万台近い純増が続き、後半は6千台前後に落ちる。営業の人員は増えるが、採用が一巡すると新人の立ち上がりに時間がかかり、毎年同じ速度とはいかない。
稼働率は94%前後で安定する。賃料の見直しで、1台あたりの売上は物価並みを少し上回って伸びる。広告費や人件費も物価で上がるが、規模の効果で営業利益率は23〜24%まで上がる。
競合は増えるが、市場そのものが大きく、取り合いになるのは一部の都市だけだ。滞納保証の外販も少しずつ伸びる。営業利益は150億円台、純利益は110億円近い。配当は純利益の5割ほどで、事業に要る分を超える現金が150億円ほど積み上がる。事業の自己資本利益率は4割に近く、会社の掲げる水準に数年遅れて届く10年だ。
- 月極駐車場の借上げ・サブリース・紹介・滞納保証:数量 11.7(受託台数(万台、期中の平均。前期末と今期末の平均))× 価格 56(1 万台あたりの売上(億円・名目。賃料と手数料の結果。万円÷台の年額と同じ))→ 売上 654 億円・営業利益 154 億円。12万台(期中平均11.7万台、3.6倍)、1台あたり1.37倍、利益率23.5%
- ビジュアライゼーション(CG・VR):数量 50.0(制作人員(人、推定))× 価格 0.10(1 人あたりの売上(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。CG制作は小さな黒字
倍率:事業の純利益 106 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 39.2% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 23.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 22.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 22.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)152 億円。全体の PER 22.12 倍、時価総額 2,492 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:直近の純増ペースが保たれ、人員増も実を結ぶ想定。ただし会社の目標ほど速くはない。
中立 36% 台数は2.5倍、利益率は今より少し上がる 利益 82 億円 · PER 21.7 倍 · 株価時価総額 14,918 円1,840 億円
受託台数は10年で10万台を少し超える。年の純増は、今期の8千台から少しずつ落ち、最後は4千台になる。会社の計画の12万台には、10年では届かない。台数が増えるほど解約も増えるので、営業の人数と生産性で純増を保つ形だ。
1台あたりの売上は物価並みに上がる。満了時の賃料見直しが効く一方、競合との取り合いで上げすぎることはできない。借りる賃料も物価で上がるため、粗利率はほぼ変わらない。
営業利益率は、規模の効果と営業の生産性で21%に上がる。営業利益は115億円ほど、純利益は80億円を超える。配当は、自己資本の2割を下限に純利益の5割強が続き、10年で300億円ほどになる。稼ぎの残りは手元に積み上がり、事業に要る分を引いても100億円ほどが余る。
- 月極駐車場の借上げ・サブリース・紹介・滞納保証:数量 10.1(受託台数(万台、期中の平均。前期末と今期末の平均))× 価格 55(1 万台あたりの売上(億円・名目。賃料と手数料の結果。万円÷台の年額と同じ))→ 売上 553 億円・営業利益 116 億円。10.3万台(期中平均10.1万台、3.1倍)、1台あたり1.34倍(物価並み)、利益率21%
- ビジュアライゼーション(CG・VR):数量 45.0(制作人員(人、推定))× 価格 0.09(1 人あたりの売上(億円・名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。CG制作は4億円規模
倍率:事業の純利益 80 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 35.1% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 21.4%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 21.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 21.7 倍 + 余った現金(戻り方込み)104 億円。全体の PER 21.69 倍、時価総額 1,840 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:直近の伸びは本物だが、人手に頼る営業のため伸び続けるには採用と生産性が条件になる。起こりやすい中間と見た。
やや悲観 20% 台数は伸びるが、取り合いで利益率が下がる 利益 38 億円 · PER 17.6 倍 · 株価時価総額 5,517 円681 億円
受託台数は7万台止まりになる。営業の人員を増やしても、新人の定着が悪く、成約が伸びない。検索で見つけてもらう流れも、競合の広告で細る。純増は年に2千〜3千台に落ちる。
稼働率は90%を割り、空いた区画の賃料だけが出ていく。満了時の賃料の見直しは、借りたい人が減って難しくなる。保証賃料は物価で上がるのに、貸す側の値上げが追いつかず、1台あたりの売上は物価に届かない。
営業利益率は15%に下がる。営業利益は54億円。台数が2倍近くに増えても、物価を引けば実質の利益は今期比で3割増にとどまる。成長会社の評価は消え、普通の仲介業になる10年だ。配当は自己資本の2割の基準を守り、10年で200億円ほど払う。
- 月極駐車場の借上げ・サブリース・紹介・滞納保証:数量 6.9(受託台数(万台、期中の平均。前期末と今期末の平均))× 価格 52(1 万台あたりの売上(億円・名目。賃料と手数料の結果。万円÷台の年額と同じ))→ 売上 358 億円・営業利益 54 億円。7万台(期中平均6.9万台、2.1倍)、1台あたり1.27倍、利益率15%
- ビジュアライゼーション(CG・VR):数量 40.0(制作人員(人、推定))× 価格 0.08(1 人あたりの売上(億円・名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。CG制作は横ばい
倍率:事業の ROE 25.3%(余った現金 22 億円を除いて測る)。k 7.75%。台数の伸びが止まり、1台あたりの売上も物価を下回って、名目の成長は g 3% に落ちるとみた。RONIC=k+1/2×(ROE−k)=16.8%、正当化 PER=(1−3%÷RONIC)÷(k−3%)=17.61 倍。倍率は式のまま 17.61 倍。時価総額=(37.7 − 22×1.4%)×15.6 + 22×1.0。
確率:競合が増え、人の採用が難しくなる状況は今でも起こりうる。固定賃料の重さがあるので、稼働の低下が利益に強く効く。
悲観 12% 取り合いと空きで、固定の賃料が利益を食う 利益 5 億円 · PER 10.7 倍 · 株価時価総額 665 円82 億円
伸びが止まるだけでなく、台数が減る。人材が定着せず、営業の仕組みも古くなる。大手が自前のサイトとサブリースで同じ市場に入り、集客力で劣る。台数は3年目までに4.8万台まで伸びたあと、3万台まで縮む。
稼働率は80%台に落ち、借り上げた区画の約3割が空く。貸す値段を下げざるを得ず、借りている賃料は下がらない。粗利が消え、広告と人件費が残る。解約には時間がかかり、違約の負担も出る。
営業利益は7億円、純利益は5億円に細る。利益が配当を割る5年目に、会社は配当の基準を改め、純利益の7割に切り下げる。10年の配当は90億円ほどにとどまる。これは前半の黒字(10年の純利益の合計で約115億円)の範囲で、現金や資産の売却で払うものではなく、手元の現金は100億円弱が残る(今の自己資本68億円+純利益の合計約115億円−配当90億円=約95億円)。残る価値は、小さな稼ぐ力と、この現金だ。
- 月極駐車場の借上げ・サブリース・紹介・滞納保証:数量 3.2(受託台数(万台、期中の平均。前期末と今期末の平均))× 価格 45(1 万台あたりの売上(億円・名目。賃料と手数料の結果。万円÷台の年額と同じ))→ 売上 142 億円・営業利益 7 億円。3万台(期中平均3.2万台。ピークの4.8万台から縮む)、1台あたり1.10倍、利益率5%
- ビジュアライゼーション(CG・VR):数量 35.0(制作人員(人、推定))× 価格 0.06(1 人あたりの売上(億円・名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。CG制作は縮小
倍率:事業の ROE 7.3%(余った現金 36 億円を除いて測る)が k 7.75% 以下なので、PER の上限は 1÷k=12.1 倍(ためた利益は額面を下回る)。稼ぐ力は ROE÷k を掛けて 10.7 倍に置いた。時価総額=(4.8 − 36×1.4%)×10.7 + 36×1.0。残る現金は、解約の負担を引いた床の資産(82 億円)を上回る。
確率:稼働の低下、人材の流出、規制や競合による値下げが重なる複合の筋書き。起こる確度は低いが、10年は長く、賃料の固定という構造上、深くなりうる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
月極駐車場の借上げ・サブリース・紹介・滞納保証
空いた月極駐車場を地主から借り上げて貸し直す。紹介手数料と家賃の滞納保証の収益も含む。
| 数量受託台数(万台、期中の平均。前期末と今期末の平均) | 価格1 万台あたりの売上(億円・名目。賃料と手数料の結果。万円÷台の年額と同じ) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 3.2 | 41 | 132 | 26 |
| 10 年後 中立 | 10.1 | 55 | 553 | 116 |
取り方:有報の受託(マスターリース)台数は 2025/09 末に 35,381 台、前期末は純増約 6,000 台を引いて約 29,400 台。期中の平均は約 32,400 台。遊休資産活用事業の売上 132.4 億円を平均台数で割り、1 台あたり年 41 万円とした(期末台数で割ると 37 万円で、台数が増え続ける会社では低く出る)。2026/09 期上期の売上 78 億円と平均台数からも 1 台あたり年 42 万円で、物価並みに上がっている。台数は実質の数量で、物価の分は 1 台あたりの売上に入れた。営業利益は全社から CG を引いた推定。1 台あたりの粗利は、サブリースの粗利率 35〜40%(会社の目標)と紹介・滞納保証の粗利ほぼ 100% を合わせ、売上の 3〜4 割。営業利益率は粗利から営業・広告・システムの費用を引いて 19%。
ビジュアライゼーション(CG・VR)
子会社 CGworks(持ち分 80%)が不動産向けに CG パースと VR を作る。ベトナムでも制作。
| 数量制作人員(人、推定) | 価格1 人あたりの売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 40.0 | 0.06 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 45.0 | 0.09 | 4 | 0 |
取り方:人員数は開示がなく推定(国内とベトナムの制作者を合わせて 40 人とした)。売上 2.5 億円を割った。全社の売上の 2% 弱で、利益への効きは小さい。
リスクと懸念
固定賃料と稼働率
借りた駐車場の賃料は、利用者が付かなくても毎月払う。稼働率が数ポイント落ちるだけで、粗利は大きく減る。新リース会計基準が2028年9月期から適用され、借上げ契約が貸借対照表に載る可能性がある。数字の形は変わるが、固定の重さは変わらない。
営業の人手と定着
台数の伸びは、営業の人数に比例する。平均勤続は2.7年で、離職が増えれば成約が止まる。会社は今期の人員を25%増やす計画で、採用の一巡後に利益が伸びると説明する。採用費と教育費が先に出るため、利益率が下がる期もありうる。
検索への依存
集客は、検索エンジンからの流入に頼っている。検索の仕組みが変わったり、競合が広告を積んだりすれば、紹介の件数が落ちる。有価証券報告書のリスクにも、検索エンジンへの依存が挙がっている。
競合の参入
月極の借上げ・サブリースは、参入の壁が高くない。パーク24の月極は約4万9千台で、すでに同じ桁にある。予約型のアキッパも空きを取り合う。大手が借上げに本腰を入れれば、賃料の取り合いで利ざやが細る。
規制の変化
駐車場法、自動車の保管場所の確保等に関する法律、宅地建物取引業法などの規制を受ける。附置義務の緩和が進めば、機械式の空きが減る面と、持ち主が借上げを頼む動機が弱まる面が出る。
目標の高さと株主構成
2030年に営業利益125億円という目標は、今の4倍だ。創業者の出資会社と社長で約48%を持つため、少数株主の声は届きにくい。目標を追う採用が先走れば、費用が利益を食う。
今後の分かれ目
- 受託の純増が、年8,000台を超えて続いたら
- 楽観・やや楽観に確率を寄せてよい。会社の12万台の計画が、現実の延長に入ってくる。
- 稼働率が91%を割り込んだら
- やや悲観・悲観に確率を寄せる。固定賃料の重さが利益に表れ始めた合図になる。
- 1台あたりの売上が、物価並みを超えて上がり続けたら
- 中立の売上の伸びを上方に直す。賃料の見直しが通る、つまり集客力が値決めに効いている証拠になる。
- 大手が借上げ・サブリースに本格参入し、賃料の取り合いが始まったら
- 中立の利益率を下方に直す。堀が浅いという見立てが現実になる。
- 検索流入が落ち、紹介の問い合わせが前年を割ったら
- 集客の堀が崩れ始めたと見て、悲観の確率を上げる。
- 買収や非公開化の提案が出たら
- 提示の値が10年の本質価値と比べてどうかで判断する。創業者側が賛成する前提になる。
見ておくもの
- 受託台数の純増と稼働率(四半期ごと)
- 紹介サービスの問い合わせ件数
- 1台あたりの売上と、粗利率の推移
- 営業人員の数と、新人の成約台数
- 新リース会計の適用と、配当方針(DOE20%以上)の運用
倍率と資本コストの決め方
先に駐車場を、期中平均の受託台数×1台あたり売上(2025/09期は年41万円)で積み、10年後の営業利益を出した。次に配当方針(DOE20%以上・累進・将来の配当性向約5割)で自己資本と還元を年ごとに流し、事業の自己資本利益率から正当化PERを式で出した。今の株価は見ていない。倍率は上限の9〜9.5割。堀の浅さと固定賃料はkのqualityに入れたので、倍率では引かない。やや悲観は成長を3%に落として式のまま、悲観は稼ぐ力と残る現金で置いた。事業に要る自己資本は売上の41%と仮定した(2025/09期の自己資本から決議済みの配当13億円を引いた55億円÷売上135億円)。この比が実際より高ければ余った現金は減る。自己資本は2026年9月期の予想22億円を起点に11期分を積んだため、検査の目安(10期の直線)より純利益の合計が大きい。悲観の還元90億円は、前半に稼いだ年20億円台の利益から払うもので、最終年の純利益で測る目安を超える。10年後の数字は家賃を営業費用に入れた今の形でそろえた。新リース会計(2028年9月期)で借上げ賃料が貸借対照表に載っても、利益は変わらない前提。 2026-10-22 の見直し(R1〜R4)で倍率・時価総額を機械で置き直した(前後は notes/audit/fix_stage2_20261022.csv)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。