結論
クリアルは、不動産を小口化して資金を集め、物件の取得から運用、売却まで担う資産運用会社だ。筆者の結論は割安である。基準時点の時価総額は約155億円に対し、10年後の五つの筋書きから計算した本質価値は約341億円となる。物件売買の利益だけでなく、ファンドを運用する継続的な手数料が育つと考えるためだ。ただし、この値段の魅力は将来の実行力を保証するものではない。
事業の変わり目は不動産特定共同事業法の第3号・第4号許可を得たことにある。ファンドの不動産を原則として連結貸借対照表から外し、取得時と運用中にも報酬を受け取れる。従来型の販売用不動産を売った年だけ利益が跳ねる姿から、資産を預かる事業へ重心が移る。CREALの登録投資家数は2026年9月末に約14.7万人へ広がったが、2027年3月期のGMVは9月時点で通期目標の18.5%にすぎず、足元の成長速度は楽観できない。
本質価値の土台は、中立で2036年に純利益約42億円を稼げるという見通しである。これは2026年3月期の約19億円から着実に増えるが、2030年純利益100億円という会社計画を達成する前提ではない。金利3%の国債が定着する世界では、高い建築費と物件取得利回りの低下が運用報酬を圧迫する。証券化市場への新規参入もまだ本申請の段階であり、失敗する筋書きに相応の確率を配した。それでも、不動産を持たずに預かる形への移行が一定程度定着すれば、今の値段には安全域がある。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が買うのは、上場しているアプリの画面ではない。良い物件を適切な価格で見つけ、他人の資金を安全に預かり、その運用から毎年現金を生み出す仕組みである。従来のように売却まで売上を確定できず、在庫や借入を抱え続ける形より、特別目的会社を使い報酬を受け取る形のほうが、事業そのものの質は良い。もし顧客が繰り返し投資し、管理する資産が積もり、増分の自己資本に対する利益が資本コストを上回れば、会社の価値は十年で大きく伸びる。
ただし、資金の流入を得るには、投資家への約束を守り続けなければならない。これまで償還した案件が元本割れを起こしていないことは評価できるが、不動産価格の下落と高金利が重なる十年をまだ通っていない。組成額と売上高が伸びても、案件の利回りを無理に高く見せていれば、それは堀ではなく将来の損失の種である。ホテル開発やPROの一時的な売却益まで永続収益として買うべきではない。
経営者には、規模を追うより先に、拡大した資本をどれだけの利回りで使えるか示してほしい。SBIとの提携は販路を開くが、資金調達を続けて少数株主の権利を薄めるなら高いROEにも意味がない。中期計画の2030年純利益100億円が達成できない場合でも、手数料収入と物件の運用力が地道に育てば株主価値は残る。筆者はその現実的な成長と、失敗時にも残る現在の自己資本を評価する。だから現時点の価格には安全域を認めるが、四半期ごとのGMVだけで自信を強めるつもりはない。
何で稼ぐ会社か
CREALは、個人投資家からオンラインで資金を集め、住宅、ホテル、事務所などの不動産をファンドに組み入れるサービスだ。2026年3月期は組成総額313.9億円、取得物件を売却した旧方式の収入も含めた売上は約234億円、売上総利益は約44億円だった。旧方式では不動産を自社の帳簿に乗せ、売れたときに物件代金を売上計上する。これに対し新方式は特別目的会社を使い、組成時の取得報酬約3%、運用中の年0.5%、売却時の約1%や成果連動報酬で稼ぐ。二つの方式では同じ組成額でも売上の会計上の見え方が大きく異なる。
CREAL PROは金融機関、機関投資家、富裕層向けに大型のホテル・住宅案件を組成する。2026年3月期の売上は約38億円、粗利益は約19億円で、売却収益、仲介・組成報酬、期中の運用報酬の三つがある。2027年3月期に向けて約687億円の案件候補が公表されているが、候補がそのまま成約するわけではない。CREAL PBは投資用区分マンションを個人に販売し、約91億円の売上に対して粗利益は約9億円だった。PBは売上規模が大きくても薄利であり、ファンド運用と同じ倍率で評価してはいけない。
その他には賃貸住宅の管理を行うCREAL PARTNERSと、自社ブランドを含むホテルを運営するCREAL HOTELSがあり、2026年3月期の売上は約15億円、粗利益は約6億円だった。物件の仕入れと家賃の引き上げ、ホテルの稼働改善を同じグループで行い、運用商品に載せる狙いである。加えて、2025年に買収した臼木証券を通じて不動産セキュリティ・トークンの取扱いを準備している。2026年10月5日に第一種金融商品取引業の変更登録を申請した段階で、まだ本格的な事業収入の実績はない。
優良さと弱いところ
同社の強みは、規制対応、物件の見極め、投資家の募集、管理、償還という工程を一つにつないでいる点だ。不動産特定共同事業の許可を得て投資家保護の業務を続けるには一定の組織と資本が要る。CREALは2026年10月22日時点で累計147ファンド、償還済み122ファンドを掲げ、過去の償還で元本毀損がなかったとしている。2026年3月期のリピート投資率90.4%も顧客との関係を示す。ただし、これは投資額のうち過去の投資家による割合であって、顧客解約率ではない。
堀、すなわち競争相手が簡単に奪えない優位は、現状では中程度にとどまる。投資家は償還後に別のプラットフォームへ資金を移せる。COZUCHIの累計投資額は2026年9月末で約1,413億円と、CREALの同月末約1,165億円を上回る。三井住友信託や大手証券、ケネディクスもデジタル証券市場で強い顧客接点と案件調達力を持つ。長い無事故実績だけで今後の元本保全や手数料率を保証することはできない。
資本効率には改善の余地がある。2026年3月期の自己資本は約113億円へ増えたが、約43億円の第三者割当増資が大きく効いている。増資後の資金を高い増分利回りで運用できるかが、これからの価値を決める。同期の営業利益は約29億円でも、営業キャッシュフローは約94億円のマイナスだった。匿名組合からの預り金や不動産の回収時期に大きく左右されるため、帳簿上の純現金48億円をそのまま株主が自由に使える現金と見ない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の不動産クラウドファンディングは、国土交通省の統計で2024年度の新規出資額1,763億円から2025年度1,797億円へ小幅な増加にとどまった。案件数は875件から827件へ減っており、市場は無条件の高成長局面ではない。CREALの2026年3月期組成総額314億円を国の出資額で割ると約17.5%となるが、CREALのGMVには銀行借入も含まれ、両者の定義が異なる。これは同社の市場での規模感を示す参考比率であって厳密なシェアではない。COZUCHI、TECROWD、利回り不動産などが資金集めで競い、個社の同一年・同一定義のシェアは確認できない。
実需面では、人口減少によって地方の住宅戸数が減る一方、都心の住宅、観光地のホテル、再開発を伴う物件には資金需要が残る。2025年の首都圏中古マンション成約数は約4.9万件だったが、2026年9月は前年同月比で約23%減った。PBが年間数百戸を販売するだけなら市場全体の1%にも満たず、数量の増減は市況よりも自社の仕入れ・販売網に左右される。PROの競争相手は私募ファンド運用会社、不動産会社、信託銀行で、市場規模は数兆円の投資用不動産取引に連なるが、同社と完全に同じ区分の市場統計はない。賃貸管理でも全国の大手管理会社との規模差は大きい。
別の柱として不動産セキュリティ・トークン市場が育つ。野村ホールディングスの集計では2025年度の公募ST発行額は1,650億円、そのうち不動産を裏付けとした信託型は1,408億円だった。野村、BOOSTRY、Progmat系の金融機関、SMBC日興、大和証券などが先行する中、CREAL STの現時点の実績シェアはゼロである。中立では2036年の不特法型市場を現在の価格で約4,000億円、同社の新型GMVを1,100億円、ST市場の実質発行額を約5,500億円、同社の取扱いを320億円と仮定した。したがって市場の定義差を留保した参考シェアは、不特法型で約28%、STで約6%となる。これは公式予測ではなく、競争と金利上昇を織り込んだ推計である。
金利3%の国債と年3%の物価上昇が続くなら、借入金利はおおむね3.5〜5%となる。投資家が要求する分配利回りが上がり、物件の利回りが低すぎれば案件を組成できなくなる。建築費は上がるが、既存建物の償却費は過去の取得原価のままなので、会計利益が増えても更新投資の現金負担は増える。2026年に強化された不特法の情報開示と分別管理は信頼のある事業者には追い風だが、採算が取れない物件まで救うものではない。
資本政策と M&A
資本配分の中心は、金融商品としてのファンドを増やすための仕入れ能力、システム、許認可、そしてホテル運営への投資だ。2025年1月の臼木証券取得はデジタル証券市場に入るための足場で、2026年10月現在は登録変更を申請したところである。2025年12月にはSBIホールディングスなど5社から約43億円を調達し、資本比率の改善と事業提携を進めた。引き換えに既存株主の取り分が薄まった事実は重い。株式分割後の発行済み株式から自己株式を除いた約3,566万株を今回の基準とし、過去の増資を再度織り込まない。
中期経営計画「Game Changer 2030」は2030年3月期の年間GMV2,500億円、売上総利益270億円、純利益100億円、ROE40%、自己資本比率40%を目指す。配当性向の目安は15%で、株主優待と機動的な自社株買いにも言及するが、DOE、自社株買い額、総還元性向の具体的な数字の約束はない。売上高と営業利益についても最終年度の数値目標は示していない。足元のGMV進捗から見て、達成を当然視できる計画ではない。
配当は近年増え、自己株取得も始めたが、過去5年の還元実績が厚い会社ではない。利益の約15%を配当に、仮に年0.6億円程度を優待費用に使う前提とし、利益が縮めば還元も縮むと考えた。優待は対象株主数が開示されていないため実費ではなく、年間5,000人程度が一人当たり平均1.2万円を受け取る試算である。資金余力があっても投資家の預り金には手を付けられず、余剰資金の株主への戻り方は実績の薄さから75%と見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
国内の家計金融資産に対してオンラインの不動産小口投資はまだ小さい。国土交通省の統計で年間出資額が1,800億円弱にとどまる市場を、少数の有力サービスが制度対応と資金調達で拡大する余地はある。クリアルは既に十数万人の投資家基盤を持ち、償還を終えた案件で元本毀損がないという記録がある。投資家が別のサービスに移ることはできても、物件探しから管理・売却まで一括して担える会社は限られる。貸借対照表を軽くする新方式とホテル・賃貸管理の内製化は、単なる広告による会員獲得以上に持続的な強みになる。
SBIグループとの提携が証券商品の販売や機関投資家資金の確保に結びつけば、資金調達の上限は個人の小口出資だけに制約されなくなる。2025年に取得した証券会社の変更登録が認められ、CREAL STが不動産デジタル証券の販売にも参入すれば、複数の収益源が同時に育つ。初期の旧方式が終わって一時的な売上高が減っても、新方式の取得報酬と運用報酬は案件数と運用残高の積み上がりで大きくなる。PROではホテルの開発・組成・運用の関係を深め、PBや賃貸管理と物件データを共有する。新しい資本を無理な土地保有に使わず、継続報酬を稼ぐ案件に集中すれば増分の資本利回りを高く保てる。
2030年の利益目標は野心的だが、それを実現するための許認可と投資家の土台は整いつつある。会社の中期計画をそのまま信じずとも、今後十年で営業利益と純利益を倍増させる程度なら十分に射程に入る。現在の時価総額が直近の自己資本に近い規模である以上、従来型不動産の在庫リスクと新型ファンドの潜在収益を同時に見ても、上値が開いている。
慎重な見方
利益成長の見た目と現金の回り方を分けるべきだ。2026年3月期に営業利益が増えた一因は旧方式の物件を高い収益率で売却できたことであり、毎年同じ売却益を繰り返せる保証はない。さらに同期の営業キャッシュフローは約94億円の支出超過だった。2025年12月に調達した約43億円が自己資本を厚くしたのは事実だが、株主から新しい資本を集める必要があったことの裏返しでもある。物件取得のつなぎ資金が必要な期間には、帳簿上の現金を簡単に分配できない。
ファンドの安全性も市場が急落するまで測り切れない。日本国債が3%となり、銀行借入の金利が上がれば、投資家は今より高い利回りを求める。既存物件の価格が下がり、ホテルの稼働も悪化すれば、過去の償還実績が良好でも新規投資は細る。国の統計で不動産クラウドファンディング市場は2025年度にほぼ横ばいで、募集件数は前年より減少した。COZUCHIだけでなく大手証券や不動産運用会社も案件獲得を争い、手数料は競争で下がる。登録会員が増えても、組成したい物件が見つからなければ利益は生まれない。
中期計画は2030年に純利益100億円を目指すが、現実には2026年3月期のGMVが当初目標の約8割だった。2027年3月期も9月時点のGMV進捗率は18.5%で、四半期業績は赤字から始まった。STはまだ許認可手続きの途中で、野村や銀行系の既存基盤を追う立場だ。資本を増やし続けても本業の稼ぎが追いつかなければ、利益が積もらず既存株主の取り分だけが減る。買い手の見つからないホテルや地方物件を抱える悲観では、今の良好な収益性は容易に消える。
どちらに重みを置いたか
事業の将来像では新方式の資本効率改善を評価し、現時点の実績と資金繰りでは慎重な見方を重く採る。2030年の会社目標を中立にせず、STの立ち上げを限定的に見て利益を組み立てた。そのうえで下振れ二つの確率を計40%、上振れ二つを25%とした。下に寄せる理由は、2026年の営業資金流出、期初の赤字、翌期GMVの進捗遅れ、旧スキームの売却益が続かないという固有の事実にある。高金利と競争は利益率に既に反映し、確率で二重に損失を掛けたつもりはない。それでも算定価値が時価総額を上回るため、結論は割安である。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 2,122 円757 億円(+ 還元の換算額還元の合計 144 円51 億円)。 今の値に割り戻すと 1,105 円394 億円、今との差 +169.4%、 期待の年率 +19.7%(資本コスト 7.8%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 7,291 円2,600 億円 | 421 円150 億円 | +1,781.0% | +36.6% | 540 円193 億円 |
| やや楽観 | 18% | 4,047 円1,443 億円 | 252 円90 億円 | +948.6% | +28.2% | 774 円276 億円 |
| 中立 | 35% | 2,042 円728 億円 | 143 円51 億円 | +432.8% | +19.3% | 765 円273 億円 |
| やや悲観 | 25% | 484 円172 億円 | 64 円23 億円 | +33.7% | +3.1% | 137 円49 億円 |
| 悲観 | 15% | 317 円113 億円 | 17 円6 億円 | −18.7% | −2.1% | 50 円18 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,122 円757 億円 | 144 円51 億円 | +452.5% | +19.7% | 2,265 円808 億円 |
今の株価時価総額 410 円146 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 許認可と投資家基盤が強い収益循環を作る 利益 150 億円 · PER 15.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 7,291 円2,600 億円
個人の不動産投資が定着し、CREALは新方式を使って大きな物件を次々に組成する。年の組成額は現在価値で2,100億円に伸び、運用中の資産が期中報酬を生み続ける。会社がホテルと賃貸管理の現場で得る情報が良い仕入れに結びつき、銀行からの融資と投資家の資金を必要以上の自己資本なしに組み合わせられる。旧方式の売却益は消えるが、それを上回る継続的な運用報酬が育つ。
臼木証券を土台とするCREAL STが許認可の壁を乗り越え、野村系の販売網と異なる中型物件を次々に供給する。SBIとの業務提携も集客と商品の販売先を広げ、STの年間取扱額は現在価値で1,150億円になる。PROのホテル案件では自己勘定保有を短く保ち、期中運用と売却時の両方で収益を上げる。PBも仕入れ効率が改善し、ホテル・賃貸管理の安定収益が厚くなる。
営業利益は200億円台に達し、継続的な運用報酬の大きさが財務基盤を強くする。経営は増資に頼る拡大から、蓄積した利益を使った成長に切り替える。株主への配当と自社株買いも増やしながら、次の十年に投じる資本の利回りを国債や資本コストより高く維持する。
- CREAL旧方式・自社計上の物件売却:数量 0.0(年間売却した旧方式の物件数(件))× 価格 21(1物件当たり計上売上高(億円・名目、取得原価を含む総額))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。旧方式の残存物件は十年で売り切る。
- CREAL新方式・組成運用報酬:数量 2,100(新方式年間GMV(2026年の物価で実質評価した億円))× 価格 0.08(実質GMV1億円当たりの計上報酬売上(億円、物価と手数料率を反映))→ 売上 166 億円・営業利益 144 億円。不特法新方式の実質GMV×報酬単価。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL ST・不動産デジタル証券:数量 1,150(年間不動産ST取扱額(現在価格の億円、実質))× 価格 0.06(実質取扱額1億円当たり収益(億円、想定手数料率×物価))→ 売上 63 億円・営業利益 53 億円。STの許認可と取扱い進捗を反映。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PRO・機関投資家向け案件:数量 1,800(年間取り扱い物件価額(2026年価格で評価した億円、推定))× 価格 0.15(実質物件取扱額1億円当たり会計売上(億円、売却総額の認識を含む))→ 売上 270 億円・営業利益 97 億円。案件取扱価額と総額計上を含む収益の混合係数。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PB・投資用区分マンション販売:数量 480(投資用区分マンションの年間販売戸数(推定))× 価格 0.59(1戸当たり売上(億円、名目))→ 売上 283 億円・営業利益 30 億円。年間販売戸数×平均販売価格。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PARTNERS・HOTELSなど:数量 15,500(管理住戸・ホテル客室を合わせた稼働単位数(推定))× 価格 0.01(稼働単位1戸・1室当たり年間会計売上(億円、名目、混合平均))→ 売上 109 億円・営業利益 41 億円。賃貸管理住戸とホテル客室の複合稼働単位。共通販管費控除前の粗利益寄与。
倍率:事業ROE19.66%、k7.75%、堀は普通(超過利回り残存1/2)。RONIC=7.75%+0.5×(ROE−7.75%)=13.71%、2036年以降の名目g=2.5%。正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=15.573倍で、上限そのものを使う。余剰現金は別計上せず、現行市場倍率を参照しない。10年累積純利益約800億円のうち配当120億円、優待相当6億円、自社株買い24億円を還元。残り650億円を自己資本に積み増す。
確率:STと不特法の双方でシェアを取り、ホテルやPROの高い粗利率も維持する必要がある。競合の大手金融機関と金利高を考えると好循環の連続成功は稀なので7%に絞る。
やや楽観 18% 不特法ファンドが定着しSTも利益に寄与 利益 84 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 4,047 円1,443 億円
不特法第3号・第4号の仕組みが安定し、年間の新方式GMVは現在価値で1,600億円に拡大する。投資家数の増加よりも、投資済み顧客が大きな物件に繰り返し資金を出す仕組みが利益を支える。CREALの収益は物件売却のタイミングから次第に自由になり、手数料を獲得してから償還するまでの期間にも継続収入が積もる。
STは先行する証券会社の巨大な発行案件すべてを奪うわけではない。それでもSBIとの連携や物件評価の知見を使い、年700億円程度の中型デジタル証券を取り扱う。ホテルの運営機能がPROの新規案件を増やし、賃貸管理の戸数も着実に伸びる。PBでは販売戸数を増やす一方、物件価格上昇が仕入れ負担にもなるため粗利率は大幅に改善しない。
制度対応と顧客基盤を使った規模の利益が、広告や人件費の増加を上回る。経営は投資先を選び、過度に大きい借入や買収を避ける。配当を続けつつ、資本コストを超える利回りで運用資産を増やす会社になる。ただしこの段階でも、顧客の資金が償還のたびに別サービスへ流れる競争は残る。
- CREAL旧方式・自社計上の物件売却:数量 0.0(年間売却した旧方式の物件数(件))× 価格 21(1物件当たり計上売上高(億円・名目、取得原価を含む総額))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。旧方式の残存物件は十年で売り切る。
- CREAL新方式・組成運用報酬:数量 1,600(新方式年間GMV(2026年の物価で実質評価した億円))× 価格 0.07(実質GMV1億円当たりの計上報酬売上(億円、物価と手数料率を反映))→ 売上 114 億円・営業利益 99 億円。不特法新方式の実質GMV×報酬単価。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL ST・不動産デジタル証券:数量 700(年間不動産ST取扱額(現在価格の億円、実質))× 価格 0.05(実質取扱額1億円当たり収益(億円、想定手数料率×物価))→ 売上 35 億円・営業利益 30 億円。STの許認可と取扱い進捗を反映。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PRO・機関投資家向け案件:数量 1,300(年間取り扱い物件価額(2026年価格で評価した億円、推定))× 価格 0.13(実質物件取扱額1億円当たり会計売上(億円、売却総額の認識を含む))→ 売上 174 億円・営業利益 63 億円。案件取扱価額と総額計上を含む収益の混合係数。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PB・投資用区分マンション販売:数量 390(投資用区分マンションの年間販売戸数(推定))× 価格 0.51(1戸当たり売上(億円、名目))→ 売上 199 億円・営業利益 21 億円。年間販売戸数×平均販売価格。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PARTNERS・HOTELSなど:数量 11,500(管理住戸・ホテル客室を合わせた稼働単位数(推定))× 価格 0.01(稼働単位1戸・1室当たり年間会計売上(億円、名目、混合平均))→ 売上 75 億円・営業利益 28 億円。賃貸管理住戸とホテル客室の複合稼働単位。共通販管費控除前の粗利益寄与。
倍率:事業ROE14.92%、k7.75%、堀は普通(超過利回り残存1/2)。RONIC=7.75%+0.5×(ROE−7.75%)=11.34%、2036年以降の名目g=2.5%。正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.847倍で、上限そのものを使う。余剰現金は別計上せず、現行市場倍率を参照しない。10年累積純利益約540億円、配当約81億円、優待約6億円、自社株買い約3億円とし、株主還元約90億円を見込む。
確率:新方式の手数料を積み上げ、証券登録と案件販売も軌道に乗るが、会社の2030年目標ほど急拡大しない筋書き。外部提携が機能する可能性を18%とみる。
中立 35% 運用報酬の増加と競争が釣り合う 利益 42 億円 · PER 14.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,042 円728 億円
不動産の小口運用需要は残るが、市場全体の伸びは初期ほど大きくない。国交省が公表した2025年度の約1,800億円規模から、2036年には現在価格で約4,000億円の市場になると想定する。CREALは大型ファンド組成の得意分野を伸ばし、新方式の年間GMVは現在価値で1,100億円になる。もっとも競合が増え、手数料を物価と同じ速度では引き上げられない。
旧方式の物件売却がなくなる一方、組成時の報酬に加えて運用中の報酬が積み上がる。STの変更登録と少数の取扱案件は実現するが、野村や銀行系の事業者が主要顧客を押さえ、同社の取扱額は現在価値で320億円にとどまる。PROはホテルと住宅を中心に規模を拡大し、PBは中古区分の売買戸数を緩やかに増やす。管理・ホテルは稼働数が増えてストック収入が厚くなる。
売上高は旧方式の売却総額が抜けるため、十年たっても大幅には膨らまない。それでも粗利益の蓄積と業務効率の改善により営業利益は約66億円、純利益は約42億円になる。配当は利益の約15%を目安に続けるが、余剰資金の多くは案件組成や事業に残す。自己資本の増加がROEを押し下げるため、以前の高い資本効率をそのまま十年先へ延ばさない。
- CREAL旧方式・自社計上の物件売却:数量 0.0(年間売却した旧方式の物件数(件))× 価格 21(1物件当たり計上売上高(億円・名目、取得原価を含む総額))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。旧方式の残存物件は十年で売り切る。
- CREAL新方式・組成運用報酬:数量 1,100(新方式年間GMV(2026年の物価で実質評価した億円))× 価格 0.06(実質GMV1億円当たりの計上報酬売上(億円、物価と手数料率を反映))→ 売上 68 億円・営業利益 59 億円。不特法新方式の実質GMV×報酬単価。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL ST・不動産デジタル証券:数量 320(年間不動産ST取扱額(現在価格の億円、実質))× 価格 0.04(実質取扱額1億円当たり収益(億円、想定手数料率×物価))→ 売上 14 億円・営業利益 12 億円。STの許認可と取扱い進捗を反映。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PRO・機関投資家向け案件:数量 950(年間取り扱い物件価額(2026年価格で評価した億円、推定))× 価格 0.12(実質物件取扱額1億円当たり会計売上(億円、売却総額の認識を含む))→ 売上 116 億円・営業利益 41 億円。案件取扱価額と総額計上を含む収益の混合係数。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PB・投資用区分マンション販売:数量 320(投資用区分マンションの年間販売戸数(推定))× 価格 0.48(1戸当たり売上(億円、名目))→ 売上 152 億円・営業利益 15 億円。年間販売戸数×平均販売価格。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PARTNERS・HOTELSなど:数量 8,500(管理住戸・ホテル客室を合わせた稼働単位数(推定))× 価格 0.01(稼働単位1戸・1室当たり年間会計売上(億円、名目、混合平均))→ 売上 48 億円・営業利益 19 億円。賃貸管理住戸とホテル客室の複合稼働単位。共通販管費控除前の粗利益寄与。
倍率:事業ROE11.54%、k7.75%、堀は普通(超過利回り残存1/2)。RONIC=7.75%+0.5×(ROE−7.75%)=9.65%、2036年以降の名目g=2.5%。正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.111倍で、上限そのものを使う。余剰現金は別計上せず、現行市場倍率を参照しない。10年累積純利益約302億円、配当約45億円、優待約6億円。自己資本は112.9億円+約302億円−51億円=約364億円。
確率:新方式は許認可取得済みでファンド組成も始まった一方、STは申請段階で、市場規模も横ばいの年がある。新方式の成長とフィー競争を両立させる中心筋書きに35%を配分。
やや悲観 25% 金利と手数料競争で稼ぎの伸びが止まる 利益 11 億円 · PER 11.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 484 円172 億円
金利上昇を受けて投資家の求める利回りが上がるが、良質な不動産の売り手は希望価格を簡単には下げない。採算の合う物件の仕入れが止まり、CREAL新方式の組成額は現在価値で640億円しか積み上がらない。顧客が増えても資金を受け取る商品を供給できず、投資家はCOZUCHIなど他の事業者へ向かう。
STでは第一種業の変更登録を終えたとしても、銀行系の販売網に押されて年間取扱額は小さい。PROは大型ホテルの組成が先送りとなり、保有期間が延びた物件の金利負担が利益を削る。PBでは首都圏中古マンションの販売件数が減り、管理・ホテルでも稼働率や平均賃料の改善が止まる。それでも既存の許認可と運用体制は残り、細々とした手数料と住宅管理料が事業を支える。
販管費は人員削減で抑えるが、規制対応とシステム保守の固定費はなくならない。営業利益は十億円台後半、純利益は十億円程度に縮む。増資によって厚くなった自己資本に対して稼ぎが細り、ROEは資本コストを下回る。経営は買収や開発の投資を絞り、配当も利益に応じて縮小する。
- CREAL旧方式・自社計上の物件売却:数量 0.0(年間売却した旧方式の物件数(件))× 価格 21(1物件当たり計上売上高(億円・名目、取得原価を含む総額))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。旧方式の残存物件は十年で売り切る。
- CREAL新方式・組成運用報酬:数量 640(新方式年間GMV(2026年の物価で実質評価した億円))× 価格 0.06(実質GMV1億円当たりの計上報酬売上(億円、物価と手数料率を反映))→ 売上 37 億円・営業利益 31 億円。不特法新方式の実質GMV×報酬単価。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL ST・不動産デジタル証券:数量 100(年間不動産ST取扱額(現在価格の億円、実質))× 価格 0.04(実質取扱額1億円当たり収益(億円、想定手数料率×物価))→ 売上 4 億円・営業利益 3 億円。STの許認可と取扱い進捗を反映。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PRO・機関投資家向け案件:数量 600(年間取り扱い物件価額(2026年価格で評価した億円、推定))× 価格 0.11(実質物件取扱額1億円当たり会計売上(億円、売却総額の認識を含む))→ 売上 63 億円・営業利益 18 億円。案件取扱価額と総額計上を含む収益の混合係数。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PB・投資用区分マンション販売:数量 240(投資用区分マンションの年間販売戸数(推定))× 価格 0.44(1戸当たり売上(億円、名目))→ 売上 106 億円・営業利益 8 億円。年間販売戸数×平均販売価格。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PARTNERS・HOTELSなど:数量 5,200(管理住戸・ホテル客室を合わせた稼働単位数(推定))× 価格 0.01(稼働単位1戸・1室当たり年間会計売上(億円、名目、混合平均))→ 売上 26 億円・営業利益 8 億円。賃貸管理住戸とホテル客室の複合稼働単位。共通販管費控除前の粗利益寄与。
倍率:ROE5.07%はk7.75%以下。10年より先の拡大を価値に加算できず、稼ぐ力の上限は1÷k=12.90倍。資本が積もる一方で旧方式の剥落、ST不調、利益率低下が続くため、やや悲観はこの範囲内の11.5倍で評価する。現在の自己資本約112.9億円の床も上回る。10年累積純利益約127億円、配当約19億円、優待約4億円。自己資本は112.9億円+約127億円−23億円=約217億円。
確率:2026年の旧方式売却益の剥落、直近のGMV進捗遅れ、金利高による物件仕入れの停滞が現実的。下に寄せる理由:資金繰りの悪化が起きた年の赤字拡大余地があるため25%とした。
悲観 15% 物件毀損と資金調達難で優位を失う 利益 −10 億円 · PBR 1.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 317 円113 億円
都心の投資用不動産価格が下落し、借入利息の上昇が想定分配利回りを圧迫する。CREALの一部ファンドでは償還が遅れ、元本損失が起きる。過去の無事故実績が集客のよりどころだったため、ひとたび信用を失うと登録会員が残っていても資金は戻らない。新方式の年間GMVは現在価値で250億円程度に縮む。
証券会社の登録変更後もST商品に競争力がなく、実質的な販売は停止する。PROのホテル案件では売却先が見つからず、自己勘定物件の評価損や借入負担が生じる。PBの販売戸数も減少し、安価な物件を売って事業を維持する。管理・ホテル事業は一定の需要を残すが、賃料引き上げや部屋数拡大は進まず、固定費が収益を押しつぶす。
旧方式売却益が消え、全社は再び赤字となる。成長投資は止まり、創業期から蓄えた資本の一部が不動産損失やシステム整理費用に吸収される。なお会社全体が直ちに清算されると断定する状況ではないため、現在の自己資本約113億円を一応の資産価値の床とする。ただしそれは実際の売却で同額を回収できる保証ではなく、危機が長引けばさらに下回る危険がある。
- CREAL旧方式・自社計上の物件売却:数量 0.0(年間売却した旧方式の物件数(件))× 価格 21(1物件当たり計上売上高(億円・名目、取得原価を含む総額))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。旧方式の残存物件は十年で売り切る。
- CREAL新方式・組成運用報酬:数量 250(新方式年間GMV(2026年の物価で実質評価した億円))× 価格 0.05(実質GMV1億円当たりの計上報酬売上(億円、物価と手数料率を反映))→ 売上 13 億円・営業利益 9 億円。不特法新方式の実質GMV×報酬単価。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL ST・不動産デジタル証券:数量 0.0(年間不動産ST取扱額(現在価格の億円、実質))× 価格 0.04(実質取扱額1億円当たり収益(億円、想定手数料率×物価))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。STは事業化しても定着せず、取扱いゼロ。
- CREAL PRO・機関投資家向け案件:数量 240(年間取り扱い物件価額(2026年価格で評価した億円、推定))× 価格 0.09(実質物件取扱額1億円当たり会計売上(億円、売却総額の認識を含む))→ 売上 22 億円・営業利益 4 億円。案件取扱価額と総額計上を含む収益の混合係数。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PB・投資用区分マンション販売:数量 160(投資用区分マンションの年間販売戸数(推定))× 価格 0.40(1戸当たり売上(億円、名目))→ 売上 64 億円・営業利益 3 億円。年間販売戸数×平均販売価格。共通販管費控除前の粗利益寄与。
- CREAL PARTNERS・HOTELSなど:数量 3,900(管理住戸・ホテル客室を合わせた稼働単位数(推定))× 価格 0.00(稼働単位1戸・1室当たり年間会計売上(億円、名目、混合平均))→ 売上 19 億円・営業利益 4 億円。賃貸管理住戸とホテル客室の複合稼働単位。共通販管費控除前の粗利益寄与。
倍率:最終年は純損失のため利益倍率を使わない。SCHEMA §1-3に従い、悲観側のPBRの分母には2036年の自己資本156.9億円を使わず、現在の自己資本112.9億円を用いる。現在の自己資本112.9億円×床のPBR1.0倍=時価総額112.9億円とし、将来の留保利益によって積み上がった自己資本に倍率を掛けない。2036年の自己資本156.9億円は、期首112.9億円+10年累積利益約50億円−還元6億円という資本の流れを示す数値であり、悲観時価総額のPBR計算には使わない。投資家預り金や帳簿上の純現金48.2億円を別に足す二重計算はしない。現在の自己資本を床とするのは暫定的な評価であり、実際の資産売却で同額を回収できる保証ではない。
確率:取引縮小に償還遅延・損失、ホテルの評価損、証券登録の実質失敗が重なる複合事象。平時には少ないが、不動産ファンドは信用喪失が連鎖するため15%を配分する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
CREAL旧方式・自社計上の物件売却
不特法第1号・第2号で自社の貸借対照表に載せた住宅・ホテル等を売却する。2026年の利益の一部はこの方式の物件売却による。
| 数量年間売却した旧方式の物件数(件) | 価格1物件当たり計上売上高(億円・名目、取得原価を含む総額) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 15.0 | 15 | 219 | 29 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 21 | 0 | 0 |
取り方:FY2026決算資料の不特法旧方式物件の売却件数15件とCREAL合計売上233.84億円、粗利益43.97億円を参照。売上の旧方式分218.94億円は会社未開示の分解推定で、残額14.90億円を新方式報酬に配賦した。旧方式粗利益29.07億円も差額推定。15件×14.596億円=218.94億円。op_okuは厳密な営業利益でなく共通販管費控除前の粗利益寄与である。
CREAL新方式・組成運用報酬
2025年に許可を得た不特法第3号・第4号のSPC型ファンド。物件取得時、期中、売却時に報酬を受け取り、不動産の原則オフバランス化を進める。
| 数量新方式年間GMV(2026年の物価で実質評価した億円) | 価格実質GMV1億円当たりの計上報酬売上(億円、物価と手数料率を反映) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 258 | 0.06 | 15 | 15 |
| 10 年後 中立 | 1,100 | 0.06 | 68 | 59 |
取り方:会社開示の新方式9ファンド・GMV258億円を実数とした。CREALの売上233.84億円から旧方式へ推定配賦した218.94億円を控除した14.9004億円が新方式の報酬売上の推定値。14.9004÷258=約0.05775億円/実質GMV1億円。売上と粗利益の分割は非開示なので報酬粗利益14.89792億円も推定。会社が開示する取得報酬3%、期中0.5%、売却1%を参照し、十年後の単価では手数料低下も想定した。op_okuは共通販管費控除前の粗利益寄与。
CREAL ST・不動産デジタル証券
取得した証券会社の登録変更後に参入予定の不動産セキュリティ・トークン。許認可と顧客獲得が未達の新規事業。
| 数量年間不動産ST取扱額(現在価格の億円、実質) | 価格実質取扱額1億円当たり収益(億円、想定手数料率×物価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 0.0 | 0.04 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 320 | 0.04 | 14 | 12 |
取り方:2026年3月期にST取扱実績はなく0。価格0.04は将来に向けた仮の4%取扱報酬係数であり、実績単価ではない。2026年10月5日に証券子会社が登録変更を本申請した段階で承認も商用売上も未確認。新規事業だから成長を確約せず、弱い筋書きはゼロとした。
CREAL PRO・機関投資家向け案件
ホテル・住宅等の取得、組成、投資家向け売却、運用受託。物件の自己勘定売却と期中の運用報酬が混在する。
| 数量年間取り扱い物件価額(2026年価格で評価した億円、推定) | 価格実質物件取扱額1億円当たり会計売上(億円、売却総額の認識を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 450 | 0.08 | 38 | 19 |
| 10 年後 中立 | 950 | 0.12 | 116 | 41 |
取り方:2026年3月期のCREAL PROサービス別売上37.92億円、売上総利益18.64億円は会社開示値。取扱額と件数の通期実績は未開示なので、2027年向けに示された約687億円の案件パイプラインと利益額から2026年の年間取扱額450億円を仮置きし、取扱額1億円当たり0.08427億円の平均計上売上を逆算。売却総額が売上となる場合があり、純粋な手数料率ではない。op_okuは共通販管費控除前の粗利益寄与。
CREAL PB・投資用区分マンション販売
個人向け中古区分マンションを仕入れ、販売する薄利の不動産売買事業。
| 数量投資用区分マンションの年間販売戸数(推定) | 価格1戸当たり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 260 | 0.35 | 91 | 9 |
| 10 年後 中立 | 320 | 0.48 | 152 | 15 |
取り方:会社開示のFY2026 PB売上91.42億円、粗利益9.00億円を起点とする。販売戸数は非公表のため、投資用区分マンションの単価約3,500万円とみて年間約260戸と推定し、会計売上÷戸数で単価約0.35162億円を逆算。首都圏中古マンション市場全体の2025年成約4.91万件より大幅に小さいが、投資用ワンルームに限った比較ではない。op_okuは粗利益寄与。
CREAL PARTNERS・HOTELSなど
賃貸住宅管理の手数料とホテル客室運営の売上。管理戸数とホテル規模拡大に応じて積み上がる。
| 数量管理住戸・ホテル客室を合わせた稼働単位数(推定) | 価格稼働単位1戸・1室当たり年間会計売上(億円、名目、混合平均) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 3,200 | 0.00 | 15 | 6 |
| 10 年後 中立 | 8,500 | 0.01 | 48 | 19 |
取り方:会社開示のその他売上14.77億円、粗利益6.38億円。賃貸管理2025年3月末2,863戸と翌期の増加、ホテル9施設202室(2025年3月時点)および新規開業を踏まえ、FY2026の管理住戸と客室の合計を約3,200稼働単位と便宜推定。賃貸管理とホテル売上の内訳は非開示で、単価は混合会計売上÷稼働単位とする精度の粗い代理変数。op_okuは粗利益寄与。
リスクと懸念
不動産下落と高金利で組成不能になる
国債利回りが3%になれば銀行調達金利も上昇する。買付価格が下がらない中で投資家が要求する分配利回りだけ上がると、新しいファンドが成立しなくなる。高い簿価で取得したホテルや住宅は、売却までの保有期間が長引くほどつなぎ資金と減損の負担を増やす。
預り金・在庫と営業キャッシュフローの不一致
2026年3月期は最終利益が約19億円でも営業キャッシュフローが94億円近く流出した。SPC方式は資金と資産を帳簿から外す効果があるが、旧物件の売却代金、投資家預り金、預託金、銀行借入の時期ずれは残る。純現金の金額を会社の自由資金と誤認してはならない。
手数料率の圧縮と顧客の移動
不動産クラウドファンディング市場にはCOZUCHIやTECROWDなど競合が多い。募集利回りが同等なら、投資家は償還のたびに別サービスを選べる。新方式の取得報酬約3%と期中報酬0.5%が競争や規制で下がれば、取扱額が増えても売上総利益の伸びは鈍る。
ST事業の許認可と先行事業者
証券子会社は2026年10月に一種業の登録変更を申請したが、承認済みではない。制度対応、募集先の獲得、二次流通の整備に遅れればST事業の売上はゼロにとどまる。野村系BOOSTRY、Progmat系、大手証券会社が既に実績を持ち、シェアを得るには商品の独自性と販売網が要る。
成長投資と希薄化による株主価値の低下
2025年12月の大型増資は資本比率を改善させた半面、既存株主の持分を薄めた。過去にも新株予約権の行使があり、株数は安定していない。拡大した自己資本に見合う純利益が出なければ、事業の売上やGMVが大きくなっても株主が所有する価値は比例して増えない。
旧方式の成功報酬剥落とホテル運営の固定費
2026年3月期のCREAL粗利益は、旧スキームの物件売却益の寄与が大きい。これは継続的な期中報酬ではなく、いずれ在庫が尽きる。ホテル開業が増えると賃借料、人員、改装、修繕の負担が先行する。既存建物の償却額がインフレですぐ増えなくても、更新工事は現在の高い建築費で現金が出る。
AIエージェントによる集客・審査の一般化
AIが投資案件の比較、資料の読み込み、物件査定、広告作成を代替すれば、クリアルのアプリ操作性や自社開発の効率が競争上の優位でなくなる可能性はある。ただし同社は人月・席課金のソフトや広告制作を主力として外販しておらず、現物不動産、許認可、分別管理、運用責任そのものがAIに置き換わるとは見ない。よって人月型AI代替の数量制約を全売上へ機械適用していない。
今後の分かれ目
- CREALの年間GMVが2027年3月期の640億円に近づき、新方式の期中・取得報酬が旧方式の売却益を埋めたら
- 中立の新方式取扱額と利益率を上方修正する。GMVだけでなく同時に売上総利益、投資家一人当たり投資額、営業キャッシュフローの改善を確認する。
- 年間GMVが計画を大幅に下回る状態が2年続いたら
- 投資家数だけが増えて案件が足りないと判断し、やや悲観の確率を引き上げる。旧方式売却益の剥落が重なる場合は悲観の資金繰りも再点検する。
- CREAL STの変更登録が完了し、複数の不動産証券案件で実際の取扱額と手数料が開示されたら
- STの数量と価格の仮置きを実績に置き換える。承認だけでは利益成長を織り込まず、初号案件の販売額と継続案件の組成数を確かめる。
- 首都圏の物件価格が下がり、ファンドの償還で元本損失や長期遅延が発生したら
- 過去の無事故実績への評価を取り消し、集客力と利益率を下げる。物件ごとの借入比率、分別管理と自己資本に対する損失の大きさも再評価する。
- PROの運用受託とホテル開業で売上総利益が伸びても営業CFが継続して赤字なら
- 自己勘定の仕入れ・開発に資本が吸収されていると考え、現金の追加価値は認めず、増資による既存株主の希薄化リスクを上げる。
- 増分のROEが資本コスト7.75%を超え、配当性向15%と自己株買いを5年程度守れたら
- 堀の持続性と余剰資金の戻り方を見直す。増分利回りの改善が物件売却の一時益によるものか継続的な管理・運用報酬かを区別する。
見ておくもの
- 2027年3月期GMV640億円に対する月次進捗、特に不特法3号4号の組成件数と1ファンドの規模
- CREALの旧方式売却益と新方式の取得・期中・出口手数料を分けた売上総利益
- 登録会員数、リピート投資率の定義を変えない推移、償還遅延と元本毀損の有無
- CREAL STの第一種業変更登録、初回商品の取扱額、販売会社と継続発行案件
- PROの案件候補687億円の成約率、運用受託AUM、自己勘定売却利益の割合
- 営業キャッシュフロー、CF預り金、現預金、自己資本比率、追加の株式発行・自己株取得
- 首都圏中古区分マンション成約数、ホテルRevPAR、国債金利と銀行借入金利
倍率と資本コストの決め方
現在の約155億円の時価総額から利益や倍率を逆算していない。旧方式の物件売却件数、新方式のGMV、PROの取扱資産、PBの販売戸数、管理・ホテルの稼働単位をそれぞれ数量とし、物価3%は単価側だけで反映した。実績非開示の個数・手数料分解はhowに仮定と明記した。2026年の旧方式売却益は10年後に残さず、STも承認前である。中立のPERはROE11.5%、資本コスト7.75%、新規投資利回り約9.65%、長期成長2.5%から正当化した。市場の現在・過去のPERを根拠には使わず、悲観は2036年の自己資本156.9億円ではなく現在の自己資本112.9億円をPBRの分母とし、PBR1.0倍による時価総額112.9億円を床とする。将来の留保利益を悲観の床へ重複して加算していない。新リース会計基準の適用でBSの形が変わっても、損益は今と同じ家賃費用ベースにそろえた。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。長期国債3%、株式リスクプレミアム4.5%、質の調整0.25%で資本コスト7.75%。金融・不動産市況の悪化は筋書き側で扱い、個別事情の重複加算はしない。