結論
アシュアード・ギャランティーは、自治体やインフラ事業者が発行する債券の元利払いを保証する信用補完保険会社である。筆者の結論は「やや割安」だ。ただし安さの根拠は見かけの純資産の大きさではなく、長い保証契約から生まれる収益と、不要になった規制資本を株主へ戻せる力にある。
米国の新発地方債保険は実質二社市場で、同社は2025年の保険付き元本の約58%を引き受けた。新発地方債市場全体では保険加入率が7.5%しかなく、自治体は保険を付けずに売る選択肢も持つ。信用格付けと資本力は強みだが、値上げし放題の独占ではない。2026年4〜6月の新発保証シェアは51%に下がった一方、同年上期の新規契約価値PVPは前年より48%増えた。数量と採算が逆方向に動く事業である。
指定factsによる2025年の純利益は5億ドル、自己資本は約56.6億ドルである。ただし損失回収や評価損益による変動があり、2026年上期のGAAP純利益は1.27億ドルに減った。新しく取得した年金再保険事業もまだ小さい。したがって10年後の中立利益は4.8億ドルにとどめ、過去の一時的な好業績を増幅しない。
2025年には配当と自社株買いで約5.7億ドルを払い出し、2013年以降の累積買戻しは約59億ドルに達した。今後10年の正味還元を中立で34億ドルと見込み、5つの筋書きを資本コスト8.5%で現在価値に直すと約39.1億ドルになる。現在の時価総額約30.8億ドルに対し約27%高い。ただし長期保証の集中損失と資本移転の制限が重なれば、この安全域は失われ得る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、保険会社を買うとは、帳簿上の有価証券を買うだけではない。何十年も後に起こるかもしれない債務不履行を引き受け、その重荷を負ったうえで手元に残る利益を買うことだ。米国地方債の信用保証は今後10年も必要とされるが、保険を付けない債券やBAMとの比較を避けられない以上、保証料率を何倍にも上げる将来は考えにくい。
2025年末の株主資本56.6億ドルと時価総額約30.8億ドルの大きな差は、魅力にも警告にもなる。ROEが資本コストを下回るままなら、帳簿価額を維持するための再投資は必ずしも価値を作らない。また会社の調整後帳簿価額には将来の経過保険料が含まれており、これを利益評価にもう一度上乗せすると二重計算となる。運用資産約85億ドルも同じ理由で自由な現金として別途足さない。
むしろ買戻しが続けられるかを見る。保険損失を冷静に見積もり、足りない値付けの案件を断り、余剰となった資本を少数株主にも公平に返せるなら、事業が大きく伸びなくても総リターンは残る。2026年上期の減益と新規シェア下落を考えれば、予想利益を過去最高からさらに伸ばすのは危険だ。筆者は、保険料が増えない時にも資産運用で稼げる部分と、保証事故が起きる時に本当に支払える資産を分けて見る。
中立の将来利益は過大に見込まず、将来の時価総額だけでなく期間の正味還元も現在価値に入れる。低い価格を買うことと、低い価値の会社を買うことは違う。ここには安全域があるが、普通の保険株以上に、信用事故一件の尾が長いことを受け入れる必要がある。
何で稼ぐ会社か
収益の根は債券の支払保証である。自治体が債券を発行する時、信用力の高い保険会社が元利払いを保証すると、一部の投資家にとって債券が買いやすくなる。会社は新規契約で保険料を受け取っても、長期契約のリスクが続く限り会計上の収益を年々認識する。このため、新規引受のPVPとその年の経過保険料を足して売上にすることはできない。
2025年末の保証中純元本は米国公共金融2150億ドル、海外公共金融506億ドル、構造化金融115億ドルの合計約2771億ドルである。2025年の新規引受元本は約329億ドル、PVPは2.86億ドルだった。実際に経過した公共金融保険料は3.09億ドル、構造化金融は0.69億ドルで、信用デリバティブや特殊保証の収入は別に振れる。地域別の経過保険料は会社が分けていないため、米国と海外は保証中元本の比率で推定する。
もう一つの利益源は、保険の裏付けに保有する約84.9億ドルの運用資産である。2025年の純投資収益は約3.6億ドルと、保険料に並ぶ。信用投資会社サウンド・ポイントの約30%持分も持ち、運用会社が管理する約440億ドルを丸ごと連結せず、権益の収益のみを取り込む。さらに2026年1月にウォーウィック・リを買収し、年金再保険事業を始めた。
米国債券保証の申込から審査・契約、既存保証の監視、資産運用までが仕事であり、人月・席課金・画面操作を商品とするAIエージェント代替の指定類型には当たらない。ただしAIが自治体の格付け比較や引受審査を効率化すれば、競合との見積価格を押し下げる可能性はある。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社が模倣しにくい強みは、引受免許と信用格付け、厚い保証支払原資、損害処理の実績である。2026年7月にS&Pは中核保険子会社の財務格付けAAを安定的と評価した。2008年以降も新規地方債保証を続けられた旧来の主要会社は同社だけであり、同業のビルド・アメリカ・ミューチュアル(BAM)とほぼ二社で市場を担う。大口案件を引き受けられる資本の厚さは小さな参入者には作りにくい。
この強みがそのまま値上げ力を意味するわけではない。2025年の地方債市場では発行元本の92.5%が保険を付けずに売られ、BAMは中小案件で価格競争を仕掛ける。既存契約の保険料を物価に応じて毎年自由に引き上げることもできない。2026年4〜6月には新発保証シェアが51%まで落ちたため、同社は二社市場の首位でも、強い独占企業ではなく普通の堀と判定する。
自己資本利益率の過去10年中央値は約7.4%で、資本コストを恒常的に超える実績は乏しい。2025年の8.9%は旧契約の損益や信用回収の助けもあった。新規の保険保証には準備金が必要で、利ざやが薄ければ再投資収益率は下がる。その場合、利益を無理な買収で成長させず、許される資本を返す判断が長期株主に有利だ。
注意すべきは高い帳簿価額の錯覚である。未経過保険料は将来の収益源であると同時に将来も続く信用リスクで、運用資産も支払債務の裏付けだ。金利上昇、信用損害の見積もり、運用先の流動性が重なると、帳簿資本の全額を親会社が自由に株主へ配れるわけではない。保証取引に付随して連結されるVIEの資産も、一般株主が自由に引き出せる余剰資産ではない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国地方債の2025年新発市場は元本約5703億ドルで、そのうち保証付きは429億ドル、浸透率7.5%だった。同社の新発保証額は251億ドルで約58%を占め、残る約42%は主にBAMが握る。2023年の保険浸透率8.8%から低下した事実は、地方債市場が拡大すれば必ず保証が増えるわけではないことを示す。市場全体は巨大だが、信用補完を買う顧客は一部に限られる。
10年後の地方債の名目発行額は物価3.5%を反映して約8千億ドルに達し得るが、件数の実質成長は小さいとみる。中立では保険加入率7〜8%と同社の新発シェア5割強を組み合わせ、年間の新規保証元本が概ね330億ドル規模となる。そこから古い債券の償還を引けば、実質の保証中残高はほぼ横ばいとなる。楽観では保険の普及と大型案件でのシェアがともに上がり、悲観では無保険発行とBAMの値下げで残高が減る。
海外の公共金融・インフラでは、英国・欧州の規制電力、空港、交通プロジェクトに案件がある。比較対象は他のモノライン保険だけでなく、銀行の信用状、政策金融、投資家が保証なしで債券を買う方式だ。市場規模と同社の厳密な世界シェアには統一した公表値がないので、2025年の新規引受13.85億ドルと既存の保証中残高506億ドルを起点に控えめに延長する。
構造化金融はファンド融資、生命保険の資本管理、証券化の組み合わせで、年間の案件数が少なく収入が大きく振れる。2026年上期には新規PVPが増えたが、2025年の英国関連訴訟の回収を恒久収入と見ない。年金再保険ではアテネやグローバル・アトランティックなど規模の大きい事業者と間接的に競う。高金利は運用益には追い風だが、信用事故と借換え費用の重みも増す。
資本政策と M&A
経営の資本配分は長年、自社株買いを中心としてきた。2013年から2025年までに約58.6億ドルを投じ、当初の発行済み普通株の約8割に当たる規模を買い戻した。2025年の買戻しは5億ドル、配当は約0.7億ドルで、2026年1〜8月初旬は買戻しを約1.3億ドルに落としている。2026年8月5日時点の追加買戻し可能枠は1.21億ドルだったが、年ごとの固定額の約束はない。
買戻しが有益だったかは、取得額だけでなくその時の将来利益と資本の使い道で決まる。規制子会社の余剰資本は直ちに親会社へ引き上げられず、2025年に支払った買戻しを10年間そのまま繰り返すことはできない。中立の正味還元34億ドルは、10年間の配当約10億ドルと買戻し約27億ドルから、株式報酬等の希薄化約3億ドルを控除した想定だ。収益を生む自己資本を残しつつ、買戻しの年額は2025年より小さくし、増資は予定しない。
2013年以降の旧保証ポートフォリオ取得は資本回収に寄与したが、魅力的な残余案件は減っている。2023年の運用事業再編によりサウンド・ポイントの持分を持ち、2026年1月にはウォーウィック・リを取得して年金再保険へ広げた。年金の長い支払義務と投資資産の期間不一致は新しい賭けであり、資本が不足するなら追加の買収より保険契約者への支払いを優先すべきだ。上場廃止を伴う買収合意や非公開化合意は現時点の開示で確認していない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
この会社の価値は新規保険料の小ささでは測れない。2025年末時点の保証中純元本は約2771億ドルあり、既存契約からの保険料収益は長期に分散して入ってくる。2025年の新発米国地方債市場では保証付きのうち58%を引き受け、大口のインフラ債ではAAの格付けと保証支払原資が明確な参入障壁になる。BAMと二社で顧客の多くを獲得する構造は急には壊れない。
さらに保険料とは別に、2025年末で約85億ドルの投資資産が利息を生む。低利債が満期を迎えて新しい利回りへ置き換わるほど、金利5%の世界では純投資収益が厚くなる。2026年上期のPVPは前年同期より48%増え、ファンド融資と欧州インフラも動き始めた。2026年に買収した年金再保険は、新しい規制資本の使い道として規模が小さい段階にある。
2013年以降の株式買戻し約59億ドルは、保険事業が長年ためた資本を株主へ返す文化を示す。今後は高い成長率を追わずとも、買戻しと配当を10年続けるだけで投資成果の相当部分を作れる。高い信用格付けを保ったまま新規保証のシェアを広げられれば、投資運用と本業の両方が利益を押し上げる。
慎重な見方
二社寡占は大きな堀に見えるが、顧客の大多数は二社のどちらも選ばない。2025年に米国で発行された地方債の92.5%は無保険であり、自治体が保険を買うかどうかこそ競争の核心である。2026年4〜6月の同社シェアは51%となり、前年同期64%から落ちた。BAMが保険料を下げれば、新規契約の採算と既存契約の拡大の双方に圧力がかかる。
もっと危険なのは、儲かった年の数字が損失の先送りを含み得る点だ。地方債保証は一度結んだ契約を簡単に止められず、債務再編・大型インフラの失敗・景気後退時の信用損害は遅れて表面化する。過去にはプエルトリコの再編や英国の旧案件に長年の交渉を要した。2025年の信用デリバティブ収益には一時的な訴訟回収が含まれるため、その年のGAAP利益を永久に保てるものとみるのは危険だ。
株主資本が厚くても、州の保険監督当局と格付会社が子会社資本の流出を抑えれば、帳簿の資本は株主に戻らない。年金再保険は長期の年金給付と債券・為替・インフレのヘッジの失敗が新たな尾を作り、信用投資の減損とも同時発生し得る。残高拡大を成長と呼ぶほどリスクは増える。
どちらに重みを置いたか
事業の存続と資本還元の実績では強い見方に分がある。しかし新規地方債保険の市場浸透率は低く、2026年の市場シェアにも下押しが見えるため、楽観側を厚くしない。楽観・やや楽観は計26%、やや悲観・悲観は計40%、中立34%と慎重側に寄せた。既存保証の長い尾と2026年に始めた年金再保険の実績不足を、資本コストの恣意的な引上げではなく利益と確率へ反映した。それでも10年の正味還元を合わせた現在価値は約39.1億ドル、現在の約30.8億ドルに対し約27%高く、「やや割安」と判断する。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 104.62 ドル46 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 63.21 ドル28 億ドル)。 今の値に割り戻すと 88.31 ドル39 億ドル、今との差 +25.3%、 期待の年率 +11.8%(資本コスト 8.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 185.73 ドル82 億ドル | 90.29 ドル40 億ドル | +291.6% | +19.0% | 19.32 ドル9 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 151.22 ドル67 億ドル | 85.78 ドル38 億ドル | +236.3% | +17.0% | 45.03 ドル20 億ドル |
| 中立 | 34% | 120.81 ドル54 億ドル | 76.75 ドル34 億ドル | +180.3% | +14.4% | 67.17 ドル30 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 59.59 ドル26 億ドル | 49.66 ドル22 億ドル | +55.0% | +6.0% | 28.41 ドル13 億ドル |
| 悲観 | 14% | 45.15 ドル20 億ドル | 11.29 ドル5 億ドル | −19.9% | −2.4% | 7.90 ドル4 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 104.62 ドル46 億ドル | 63.21 ドル28 億ドル | +138.1% | +11.8% | 167.83 ドル74 億ドル |
今の株価時価総額 70.48 ドル31 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 7% 楽観:二社寡占と海外事業が強まり、資本がよく回る 利益 7 億ドル · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 185.73 ドル82 億ドル
自治体が信用補完による調達コスト削減を重視し、米国の債券保険普及率は2025年の7.5%から10%近くへ上昇する。アシュアード・ギャランティーはBAMとの競争をかわし、新発保険付き債券の6割超を確保する。米国の保証中元本は実質で約2割伸び、既存債務の償還を超える新規案件が積み上がる。保険料もリスクに応じて転嫁できる。
海外では英国公益・欧州インフラの大型案件が継続し、保証中元本は約4割増える。金融機関のファンド融資や保険資本向け保証では、2025年の特別回収に頼らなくても定常的な新規契約が育つ。サウンド・ポイントの運用持分は増配し、2026年に買った年金再保険は保守的な資産運用を守りながら残高を45億ドル規模へ増やす。
利益が伸びてもすべてを残さず、10年間で正味40億ドルを配当と自社株買いとして返す。金利低下や信用スプレッドの値上がりを頼らず、資本効率は9%台に届く。保証の信用格付けはAA級を保ち、過去の旧保証会社を高値で買い漁ることもしない。
- 米国地方債・公共金融保証:数量 2,600(保証中の米国公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 5 億ドル・営業利益 3 億ドル。地方債保証の実質残高+21%、10年の単価+52%、BAMより大型案件に強い
- 海外公共金融・インフラ保証:数量 690(保証中の海外公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。欧州公益・インフラの大型案件が増え、リスク審査は維持
- 国内外の証券化・特殊信用保証:数量 210(証券化・特殊金融の保証中純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.01(保証元本1ドル当たり年間計上保証・デリバティブ等収益(ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。特殊金融の残高増、2025年特別利益依存は縮小
- 保険フロート・債券等の運用:数量 115(投資資産の運用簿価(億ドル))× 価格 0.05(投資資産に対する年間純利息収益率)→ 売上 6 億ドル・営業利益 5 億ドル。保険運用資産115億ドル、利回り4.8%
- サウンド・ポイント等の運用持分:数量 8.0(持分法適用運用会社への簿価投資額(億ドル))× 価格 0.08(簿価投資額当たり持分収益等の会計上の計上比率)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。サウンド・ポイント持分投資額8億ドル
- 評価差・特殊回収・その他の会計収益:数量 95.0(評価対象資産の代用元本(億ドル))× 価格 0.00(元本当たりの評価・その他損益率(期間損益))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場評価益を平常水準に抑える
- 年金再保険(2026年取得事業):数量 45.0(年金再保険準備金・保険契約者勘定相当額(億ドル))× 価格 0.05(準備金に対応する年間運用収益率)→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。年金再保険残高45億ドルまで拡大し利ざやを確保
倍率:10年後の普通株主帰属GAAP純利益6.8億ドルと自己資本74.59億ドルから、持分法投資内ののれん等約2.7億ドルを引いた有形ROEは9.46%。新規保証で寡占の利点があるが無保険発行も多く、moatはnormal、超過収益の残存割合は1/2。k8.5%、RONIC8.98%、その後のg3.8%(市場実質数量+0.4%、保険加入率・シェア+0.1%、価格+3.3%)から正当化PERの当年利益換算上限12.74倍。利益の法定資本制約を考慮して約95%の12.1倍とする。純現金の別建て加算はない。
確率:新発地方債で保険普及率が上がり、同社が高採算案件を多く取ることに加え、年金再保険が大損失なく育つ場合。2026年の米国シェア下落を考え確率は7%に限る。
やや楽観 19% やや楽観:地方債の大口案件と運用利ざやが順調 利益 6 億ドル · PER 11.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 151.22 ドル67 億ドル
米国地方債の発行額は名目で物価程度増え、保険付き債券の比率は8%台へ戻る。BAMも堅実に伸びるが、大型交通・病院・公益案件での信用力が武器となり、新規保証でおよそ55%のシェアを維持する。既存保証中元本の実質数量は9%増え、契約の追加で利息収益も厚くなる。
海外公益では英国・スペインのような規制事業で案件を選び、欧州全域への無理な拡張はしない。ファンド融資や生命保険の資本管理向け構造化保証は2025年の一過性収益を補って余りある。年金再保険は準備金32億ドル程度に育ち、長期債と為替・インフレのヘッジが想定通り機能する。
資本還元は10年間で正味38億ドルへ増えるが、2025年の買戻し金額が毎年続くとは見ない。全社の帳簿ROEは8%程度で資本コストを少し下回る。それでも既存契約の引受価値と、額面以下で買い戻す資本配分が長期保有者の得を作る。
- 米国地方債・公共金融保証:数量 2,350(保証中の米国公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 4 億ドル・営業利益 2 億ドル。保険付き債券の市場拡大を取り込み、実質保証残高+9%
- 海外公共金融・インフラ保証:数量 620(保証中の海外公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。英国の規制公益中心、保証料は物価近く上昇
- 国内外の証券化・特殊信用保証:数量 190(証券化・特殊金融の保証中純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.01(保証元本1ドル当たり年間計上保証・デリバティブ等収益(ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。ファンド融資・証券化の回復が続く
- 保険フロート・債券等の運用:数量 105(投資資産の運用簿価(億ドル))× 価格 0.05(投資資産に対する年間純利息収益率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 5 億ドル。利回り4.7%、残高105億ドル
- サウンド・ポイント等の運用持分:数量 6.5(持分法適用運用会社への簿価投資額(億ドル))× 価格 0.07(簿価投資額当たり持分収益等の会計上の計上比率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。運用会社持分が着実に増える
- 評価差・特殊回収・その他の会計収益:数量 90.0(評価対象資産の代用元本(億ドル))× 価格 0.00(元本当たりの評価・その他損益率(期間損益))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。特殊利益の依存を抑える
- 年金再保険(2026年取得事業):数量 32.0(年金再保険準備金・保険契約者勘定相当額(億ドル))× 価格 0.05(準備金に対応する年間運用収益率)→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。年金再保険残高32億ドル、運用収益の一部が利益に残る
倍率:10年後純利益5.8億ドル、自己資本71.59億ドル、のれん等約2.7億ドルを除いた有形ROE8.42%。k8.5%未満であり、倍率の上限は1/kの11.76倍を超えない。数量は米国公共債務市場の実質拡大0.2%、シェア概ね横ばい、価格3.2%で長期g3.4%。通常の堀、GAAP利益の質を勘案しPER11.55倍とする。RONIC8.46%とg3.4%を使うと当年利益換算の式は12.13倍だが、ROEがk以下の場合の厳しい上限11.76倍を適用する。
確率:足元の新規PVP回復と長年の引受実績から十分起こり得るが、新発保証シェアの維持と年金再保険の資本効率にはまだ実証不足があるため19%。
中立 34% 中立:保証残高は維持し、資本還元が価値の柱となる 利益 5 億ドル · PER 11.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 120.81 ドル54 億ドル
米国地方債市場は実質の発行件数がほぼ横ばいで、10年後の名目発行額は物価上昇で8千億ドル前後になる。保険の市場浸透率は7〜8%程度にとどまり、アシュアード・ギャランティーの新発保証シェアは2025年の58%よりやや低い5割強とみる。償還を新規案件が補い、米国保証中元本の実質残高はおおむね横ばいだ。
海外インフラは信用力のよい案件を選び、実質元本は1割強増える。構造化金融はファンド融資が拡大する一方、2025年の訴訟回収など一過性収益は消える。債券運用では金利5%の長期環境で利回りがゆっくり改善し、年金再保険の準備金は25億ドル程度になるが、必要資本の拘束を考えて利益への寄与は小さい。
2025年のGAAP純利益5億ドルを恒常的な稼ぎと誤認せず、2026年上期の減益を踏まえ10年後を4.8億ドルとみる。10年間の正味還元は34億ドルであり、その間の利益合計49億ドルの一部を契約リスクの裏付けとして保有する。薄い成長でも持分の回収が長期株主を支える。
- 米国地方債・公共金融保証:数量 2,150(保証中の米国公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 4 億ドル・営業利益 2 億ドル。BAMとの二社競争、保証浸透率7〜8%、実質元本は横ばい
- 海外公共金融・インフラ保証:数量 567(保証中の海外公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。公益・インフラ保証の実質元本+12%
- 国内外の証券化・特殊信用保証:数量 161(証券化・特殊金融の保証中純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.01(保証元本1ドル当たり年間計上保証・デリバティブ等収益(ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。旧保証の特別回収剥落を織り込んだ価格指標
- 保険フロート・債券等の運用:数量 99.0(投資資産の運用簿価(億ドル))× 価格 0.05(投資資産に対する年間純利息収益率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 4 億ドル。投資資産99億ドル、利回り4.6%、高金利は固定
- サウンド・ポイント等の運用持分:数量 5.5(持分法適用運用会社への簿価投資額(億ドル))× 価格 0.07(簿価投資額当たり持分収益等の会計上の計上比率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。持分会社の利益は小さいが黒字を継続
- 評価差・特殊回収・その他の会計収益:数量 95.0(評価対象資産の代用元本(億ドル))× 価格 0.00(元本当たりの評価・その他損益率(期間損益))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。2025年の会計評価益は構造的な増益とみなさない
- 年金再保険(2026年取得事業):数量 25.0(年金再保険準備金・保険契約者勘定相当額(億ドル))× 価格 0.05(準備金に対応する年間運用収益率)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。2026年取得の年金再保険が25億ドルへ育つ
倍率:10年後のGAAP純利益4.8億ドルと普通株主資本70.59億ドルから、のれん等約2.7億ドルを除いた有形ROEは7.07%。保険契約は長命だが高い新規投資ROEが続く独占ではないのでmoatはnormal、残存割合1/2。k8.5%、RONIC7.79%、成熟後g2.8%(地方債・国際信用保証の市場実質数量▲0.7%、シェア0%、料率+3.5%)で10年目当年利益基準の正当化PERは11.55倍。低ROEと保証損失の振れを踏まえて約96.5%の11.15倍とし、1/k上限11.76倍も下回る。
確率:米国地方債の信用保証はニッチながら存続し、BAMと二社競争が続く公算が最も大きい。2026年上期のPVP改善と市場シェア低下が混在するため34%。
やや悲観 26% やや悲観:無保険発行とBAMに押され、資本は眠る 利益 3 億ドル · PER 8.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 59.59 ドル26 億ドル
BAMが中小自治体に加えて中型案件を取り、投資家も保険なしの地方債を従来ほど嫌がらなくなる。地方債の発行総額が物価で増えても保険加入率は5〜6%へ下がり、同社の新発保証シェアは4割台に低下する。保証中元本は償還分を埋め切れず、実質で約16%縮む。名目の単価も10年間で16%しか上がらず、費用インフレに追いつけない。
海外ではプロジェクト融資の金融機関保証が先行し、構造化金融は個別の資本取引を失う。サウンド・ポイントの持分収益は伸びず、年金再保険も新規契約を厳選して準備金18億ドルで止まる。投資運用資産は残るが資金の一部は損失準備金として拘束される。
それでも新規引受を減らせば過去のリスクは少しずつ償還される。黒字は維持するがROEは4%程度に下がり、取締役会は資本保全を優先して買戻しを縮小する。期間の正味還元22億ドルと株主資本の積み上がりが共存しても、積み上がった資本を十分稼がせる用途が乏しい。
- 米国地方債・公共金融保証:数量 1,800(保証中の米国公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。保証加入率5〜6%、BAMに押され実質元本▲16%
- 海外公共金融・インフラ保証:数量 450(保証中の海外公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。海外保証の入札価格が弱含む
- 国内外の証券化・特殊信用保証:数量 110(証券化・特殊金融の保証中純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.01(保証元本1ドル当たり年間計上保証・デリバティブ等収益(ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。構造化金融の更新が細る
- 保険フロート・債券等の運用:数量 95.0(投資資産の運用簿価(億ドル))× 価格 0.04(投資資産に対する年間純利息収益率)→ 売上 4 億ドル・営業利益 4 億ドル。資産95億ドルでも運用利回り4.1%
- サウンド・ポイント等の運用持分:数量 4.5(持分法適用運用会社への簿価投資額(億ドル))× 価格 0.06(簿価投資額当たり持分収益等の会計上の計上比率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。持分利益が伸びない
- 評価差・特殊回収・その他の会計収益:数量 85.0(評価対象資産の代用元本(億ドル))× 価格 0.00(元本当たりの評価・その他損益率(期間損益))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。評価益は見込まない
- 年金再保険(2026年取得事業):数量 18.0(年金再保険準備金・保険契約者勘定相当額(億ドル))× 価格 0.04(準備金に対応する年間運用収益率)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。年金再保険の受再が小さく利ざやも薄い
倍率:10年後GAAP純利益3.0億ドル、普通株主資本73.59億ドルからのれん等約2.7億ドルを除いた有形ROEは4.23%とk8.5%を大幅に下回る。RONIC6.37%、g1.5%(保証数量▲2%、単価+3.5%)を想定した当年利益ベースの正当化式は約11.08倍だが、低い再投資収益と資金拘束を反映し、その約80%のPER8.8倍に引き下げる。ROEがk未満の上限1/k=11.76倍も守る。
確率:2026年4〜6月の新発保証シェア51%と前年64%からの低下は、優位を失う筋書きの証拠になる。事業存続は堅いが株主への資本効率が低下するリスクを26%。
悲観 14% 悲観:複数の債務不履行で資本が毀損し、保証の信用が落ちる 利益 2 億ドル · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 45.15 ドル20 億ドル
複数の大型自治体・交通プロジェクトが債務再編に陥り、英国公益融資と一部の証券化保証でも回収が遅れる。2027〜2031年に支払保険金の現在価値見直しと債券・代替運用の減損が重なり、通常なら得られた利益を含めて約53億ドルの累積逆風となる。十年間のGAAP純利益累計は赤字18億ドルだが、後半には損失の発生が収まり、最終年は2億ドルの黒字に戻る。
保険財務格付けが下がると新しい自治体はBAMや無保険発行へ流れ、米国の保証中元本は実質42%減る。損失が表面化した会社が新しい保険料を自由に上げることはできず、海外・構造化保証も半減する。年金再保険はヘッジ費用が重く、サウンド・ポイントの利益配分も不安定となる。
当局は保険子会社から親会社への配当を厳格に制限し、正味還元は10年間で5億ドルに縮小する。期末の普通株主資本は約33億ドル残るが、保証債務の処分・譲渡には大きな控除が必要で、売れる資産の床は約19.5億ドルとみる。会社は存続しても新規保証の信用力は戻らない。
- 米国地方債・公共金融保証:数量 1,250(保証中の米国公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。大口債務再編と信用格付け低下、実質元本▲42%
- 海外公共金融・インフラ保証:数量 300(保証中の海外公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。海外公益の信用事故で案件が減る
- 国内外の証券化・特殊信用保証:数量 60.0(証券化・特殊金融の保証中純元本(2025年購買力換算、億ドル))× 価格 0.00(保証元本1ドル当たり年間計上保証・デリバティブ等収益(ドル))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。ファンド融資・証券化保証は損失回収に専念
- 保険フロート・債券等の運用:数量 65.0(投資資産の運用簿価(億ドル))× 価格 0.04(投資資産に対する年間純利息収益率)→ 売上 2 億ドル・営業利益 3 億ドル。投資元本が減り、信用事故後の利息回収も鈍い
- サウンド・ポイント等の運用持分:数量 3.0(持分法適用運用会社への簿価投資額(億ドル))× 価格 0.05(簿価投資額当たり持分収益等の会計上の計上比率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。運用持分の利益配分が減る
- 評価差・特殊回収・その他の会計収益:数量 70.0(評価対象資産の代用元本(億ドル))× 価格 0.00(元本当たりの評価・その他損益率(期間損益))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。評価差が一部戻るが売却や損失回収が重い
- 年金再保険(2026年取得事業):数量 10.0(年金再保険準備金・保険契約者勘定相当額(億ドル))× 価格 0.04(準備金に対応する年間運用収益率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。年金再保険が10億ドルで停滞
倍率:最終年はGAAP純利益2.0億ドルの黒字に戻るものの、普通株主資本32.59億ドルからのれん等約2.7億ドルを除いた有形ROEは6.69%でk8.5%未満。成熟後g0.5%(実質の保証数量▲3%、単価+3.5%)とRONIC7.60%では正当化式の当年利益換算上限は約11.74倍であり、1/k上限11.76倍の内側に収まる。格下げと資本封鎖のためPER10.0倍、時価総額20.0億ドルとする。期末の保証資産を換価した床19.5億ドルを上回り、純資産を無条件の床と誤認しない。
確率:地方債保証は数年にわたり巨額の契約履行責任が残る。2008年やプエルトリコで見たように尾の長い損害を完全には除けず、準備金急増と格下げの複合事象に14%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米国地方債・公共金融保証
米自治体、地方公営企業、空港・病院の債券を保証し、既存引受元本から経過保険料を受け取る。新規契約は長年かけて収益になる。
| 数量保証中の米国公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル) | 価格保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,150 | 0.00 | 2 | 2 |
| 10 年後 中立 | 2,150 | 0.00 | 4 | 2 |
取り方:2025年の米国公共金融の保証中純元本2150億ドルは10-K開示。公共金融の年間経過保険料3.09億ドルを、米国2150億ドルと海外506億ドルの保証元本比で概算配分した米国分2.49億ドルを使う。従って年率0.116%は推定であり、正式な地域別保険料開示ではない。別に2025年の米国新規引受元本274.48億ドル、PVP2.06億ドル、新規契約価値率約0.75%、米国地方債新発市場5703億ドル、保険付き429億ドル、同社の新発保証シェア約58%を確認した。PVPを当年売上に足すことはしない。
海外公共金融・インフラ保証
英国、欧州の規制公益事業、交通・インフラ、地方公共団体などの長期債務に信用補完を提供する。
| 数量保証中の海外公共金融純元本(2025年購買力換算、億ドル) | 価格保証元本1ドル当たり年間経過保険料(ドル、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 506 | 0.00 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 567 | 0.00 | 1 | 0 |
取り方:2025年末の海外公共金融純元本506億ドルを10-Kから採用。公共金融の経過保険料3.09億ドルのうち純元本構成比19.1%に当たる0.59億ドルを保守的に按分し、年率0.1166%とする。2025年の海外新規引受元本13.85億ドル、PVP0.37億ドル、新規契約価値率約2.67%は別途確かめた。大型案件偏重で収入と元本は年ごとに振れ、世界市場の共通分母や厳密なシェアは開示がない。
国内外の証券化・特殊信用保証
ファンド融資、保険会社の資本取引、証券化商品の信用補完を引き受ける。旧案件の損失回収やデリバティブ収益も変動要因となる。
| 数量証券化・特殊金融の保証中純元本(2025年購買力換算、億ドル) | 価格保証元本1ドル当たり年間計上保証・デリバティブ等収益(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 115 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 161 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:2025年末の構造化金融純元本115億ドルは10-Kの2771億ドル総純元本から公共金融2656億ドルを控除。2025年の構造化金融経過保険料0.69億ドル、特殊保険0.05億ドル、信用デリバティブ収益0.52億ドルを合算した1.26億ドルを115億ドルで割った。年率1.096%は英国旧案件の訴訟回収などを含む例外的計数で、恒常的な料率ではない。2025年新規引受元本は米国5.03億ドル、海外35.80億ドル、PVPは合計0.43億ドル。10年中立は特殊収益の剥落を織り込む。
保険フロート・債券等の運用
保険契約の準備金と自己資本に支えられる債券・短期運用・代替資産から利息と収益を得る。保証支払いに備える資金である。
| 数量投資資産の運用簿価(億ドル) | 価格投資資産に対する年間純利息収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 84.9 | 0.04 | 4 | 3 |
| 10 年後 中立 | 99.0 | 0.05 | 5 | 4 |
取り方:10-Kでは2025年末の投資ポートフォリオが84.87億ドル、保険部門の純運用収益が3.58億ドルで利回り4.218%。2026年6月末の投資簿価は89.30億ドル。金利前提は10年債5%、短期3.5〜4%で、低利債の借換えと信用コストを相殺した運用利回りを各筋書きに置く。投資資産は契約者への保証債務・規制資本の裏付けであり、自由に処分できる余剰現金として重ねて足さない。
サウンド・ポイント等の運用持分
代替クレジット運用会社サウンド・ポイントの約30%持分と関連投資で収益を得る。運用資産全体の売上は連結しない。
| 数量持分法適用運用会社への簿価投資額(億ドル) | 価格簿価投資額当たり持分収益等の会計上の計上比率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.2 | 0.07 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 5.5 | 0.07 | 0 | 0 |
取り方:2025年末のサウンド・ポイント出資簿価4.15億ドルを数量とし、運用部門のセグメント収益0.29億ドルを割った約6.99%を価格指標にする。セグメントの税前利益は0.26億ドル。サウンド・ポイント全体の運用資産は約440億ドルで同社の権益は約30%。連結対象ではないので440億ドルへ運用報酬率を掛けてAGOの売上とすることは避ける。
評価差・特殊回収・その他の会計収益
保証デリバティブの評価変動、外貨再測定、投資信託の連結など、平常の保険料や利息でない利益の変動を映す。
| 数量評価対象資産の代用元本(億ドル) | 価格元本当たりの評価・その他損益率(期間損益) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 84.9 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 95.0 | 0.00 | 0 | 0 |
取り方:2025年の指定facts全社売上9.2億ドルから、独立に推計した米国公共金融2.494億ドル、海外0.590億ドル、特殊金融1.260億ドル、保険の純運用3.580億ドル、運用持分0.290億ドルを控除し、会計上の差額約0.986億ドルを置く。数量84.87億ドルは年度末運用簿価を代用したもので、取引件数や販売単価を示さない。営業利益は全社facts5.8億ドルから他の推定事業利益5.96億ドルを引いた調整額▲0.16億ドルであり、独立した部門利益の開示値ではない。SEC原表の2025年総収益11.10億ドルと指定facts売上9.2億ドルには差があるが、その厳密な調整表は提示資料にない。指定factsを正としてモデル化し、差額を恒久成長させない。
年金再保険(2026年取得事業)
2026年1月取得のアシュアード・ライフ・リが英国年金リスク移転と米国定額年金の再保険を引き受け、裏付け資産を運用する。
| 数量年金再保険準備金・保険契約者勘定相当額(億ドル) | 価格準備金に対応する年間運用収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.0 | 0.05 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 25.0 | 0.05 | 1 | 0 |
取り方:2025年末は未取得のため売上・契約準備金ともゼロとする。2026年1月21日にWarwick Reを取得し事業化した。2026年6月末の英国年金リスク移転準備金4.84億ドル、米国複数年保証年金の保険契約者勘定2.56億ドル、合計約7.40億ドルが初期規模。2026年4〜6月期の運用収益0.11億ドル、給付・金利負担0.08億ドルで利益は0.02億ドル。10年後の数量は将来の受再残高、価格は運用利回りであり、利益率で責任準備金利息・給付を差し引く。
リスクと懸念
地方債保証の市場縮小とBAMの値下げ
米国地方債の2025年の保険加入率は7.5%にすぎない。BAMが小中規模案件を安値で受け、信用格付けの高い自治体が無保険発行を増やせば、会社の新規PVPだけでなく、十年後の経過保険料を生む保証中元本が細る。2026年4〜6月期の新発保証シェアが51%に落ちた動きを、単なる四半期のぶれと決めつけない。
地方財政・インフラの集中信用損失
同社は米国地方債の既存保証中元本約2150億ドルを抱える。一般財源債、交通、病院、公益事業には資金繰りと料金認可の問題があり、プエルトリコのような長期再編も起こる。保証契約は発行体の信用悪化で解約できず、見込み損失の引当てや回収見積りの変更が何年にもわたり純利益と法定資本を削る。
保証子会社の格下げと資本移転制約
2026年時点の中核保険会社はS&PのAA格付けを持つが、損失の集中で格下げされると新規保証はさらに売りにくくなる。保険規制当局や格付会社が資本の社外流出を抑制する場合、親会社が保有すると考えた内部資本は配当原資にならない。悲観では帳簿の自己資本をそのまま株主価値の床とは認めない。
債券・CLO・私募信用運用の減損
運用ポートフォリオは2025年末約84.9億ドルで、低利の国債・社債だけではなくCLO持分、私募信用、商業不動産信用も含む。短期金利3.5〜4%、長期金利5%の環境は再投資利回りを支えるが、借り手の金利負担と信用損失にもつながる。保証事故が多い局面で投資資産の換価も悪化すると、二つの損害が同時に出る。
新規年金再保険の負債・ヘッジミスマッチ
2026年1月に取得したアシュアード・ライフ・リの英国年金リスク移転準備金は同年6月末で約4.84億ドル、米国定額年金契約者勘定は約2.56億ドルだった。年金支払いは長期かつインフレ連動を含む一方、裏付けに米ドルや非インフレ連動債もある。ヘッジ価格や再保険条件を誤れば、利益を増やすはずの資本移動が損失と資本拘束を招く。
調整後帳簿価額とGAAP損益の誤読
経営が示す調整後帳簿価額は未経過保険料や将来見込収益を調整しており、現在の現金だけを表さない。PVPは契約獲得時の将来保険料価値で、GAAP経過保険料と二重に足せない。2025年には英国旧案件の損失回収とデリバティブ評価益があり、2026年上期はGAAP利益が前年より減った。単年度純利益の急増を恒常収益と扱うと価値を過大評価する。
資本配分の規律と少数株主の実際の受取
長期の株式買戻しは有力な強みだが、2025年と2026年上期では買戻し速度が大きく変わった。保険子会社から親会社への配当可能額は審査対象であり、新規年金再保険の成長が優先されれば株主還元は減る。サウンド・ポイントは約30%持分の関連会社であり、全運用利益は株主の取り分ではない。株式報酬による増発も差し引いた正味の還元で評価する。
今後の分かれ目
- 米国地方債の保険加入率が8%超を維持し、同社の新発保証シェアが55%超へ戻る
- 保証中元本の実質減少が止まり、米国公共金融のやや楽観寄りに数量を引き上げる。契約のPVPと料率の両方を確認して判断する。
- 保険加入率が5%台まで下がり、BAMが大型案件にも進出する
- やや悲観の確率を上げ、保証元本の減少と保険料の物価割れを同時に織り込む。
- 新規PVPが増えても損失準備金の増加と格下げが続く
- 量の成長を価値の成長とはみなさず、信用損失の高い筋書きへ移し、将来の還元可能額も引き下げる。
- サウンド・ポイントの持分から現金配当が継続し、CLO等の減損を控除してもプラス収益を保つ
- 運用持分の利益を持続可能とみなし、中立利益率を少し引き上げる。ただしAUM総額をAGOの売上に加算しない。
- 年金再保険の準備金が30億ドル超へ成長し、ヘッジ差損を除く採算が安定する
- 既存保証に次ぐ第二の収益源としてやや楽観側の確率を増やす。必要資本と投資負債の期間差を同時に見る。
- 保険会社からの親会社配当が減り、自社株買いが長期間止まる
- 余剰資本の株主への戻りが悪化したと判断し、中立の期間還元を下方修正する。帳簿資本が増えても自動的に時価総額を増やさない。
- 法定資本が積み上がり、正味還元が年3億〜5億ドルの範囲で無理なく続く
- 投資成果を支える最も重要な事実とみなし、還元と自己資本の繰越をそろえて中立の持続性を確認する。
見ておくもの
- 米国地方債の新発総元本・保険加入率、AGOとBAMの引受シェア(四半期)
- 保証中純元本の米国・海外・構造化金融別残高と償還・新規引受(四半期)
- 新規契約のPVP、GWP、保証元本に対するPVP率と案件の信用格付け
- 損失準備金・正味支払保険金・プエルトリコ関連等の回収実績
- S&P・ムーディーズ・KBRAの財務格付け、保証支払原資
- 投資資産残高、簿価利回り、代替信用投資・CLOの減損
- 親会社の流動性、保険子会社からの配当許可と正味自社株買い額
- 年金再保険の準備金、資産負債の期間・インフレ・通貨ヘッジ費用
- GAAP純利益、調整後営業利益、調整後簿価の差と未経過保険料残高
倍率と資本コストの決め方
現在の市場のPER・PBRや他の保険株の倍率を用いず、保証中元本の増減と年間の経過保険料率、保険投資簿価と利回り、運用持分、2026年取得年金再保険の数量を積み上げた。2025年の訴訟回収と会計評価益を恒久収益として増幅せず、最終年の有形自己資本ROEからRONICを求めた。有形自己資本はサウンド・ポイント持分投資内に含まれるのれん・無形資産約2.7億ドルを各筋書きの簿価資本から概算控除したが、貸借対照表の繰越はGAAP簿価を保った。k=8.5%、moatはnormal、gは最大3.8%、全筋書きでk−gは3.5%以上。ROEがk以下の筋書きではPERを1/k以下に抑えた。2025年売上についてSEC総収益11.10億ドルと指定facts9.2億ドルの未照合差があるため、残差の会計収益を恒久化しない。保険フロートの運用資産や調整後帳簿価額に含む将来保険料を重ねて足さない。2026年上期の買戻しが既に最新株数へ反映されているため、純資産は同年6月末の普通株主資本55.59億ドルを起点にした。10年期待価値は約39.12億ドルで、市場時価総額約30.77億ドルとの差は+27.1%。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%にquality+0.5%を加えた8.5%。βや市場のPERを使わず、個別の信用事故・年金再保険の買収リスクは数量・利益・確率に置く。通常の堀で超過収益の残存割合は1/2。