結論
KBフィナンシャル・グループは、韓国の国民銀行を中核に、証券、損害保険、カード、生命保険を束ねる金融持株会社である。筆者の結論は「割安」だ。価値を支えるのは短期的な株高ではなく、分厚い預金基盤から生まれる利益と、資本の余剰を消却・配当に回す経営方針である。
2025年は純利益約40億ドルを稼ぎ、銀行がグループ利益の約6割を担った。2026年上期には証券事業が伸び、非銀行の稼ぎの厚さが際立った。国内銀行として大きな強みだが、足元の証券活況を10年間続く恒常利益とは見なさない。貸出金利と預金コストの差、企業貸出の信用費用、保険の損害率を分けて考える必要がある。
10年先の韓国では人口減少が融資の実質需要を抑え、デジタル銀行が預金を奪う。対して、預金と住宅ローンの口座を一緒に持つ顧客は簡単には移らず、法人金融・年金・資産運用への販売経路も残る。証券部門への資本移転が収益力を高めれば、利ざや以外の柱が太くなる。だから中立でも利益の名目成長は見込める。
ただし、規制資本は株主の自由になる現金ではない。2025年末の自己資本は約380億ドルだが、預金者への債務と貸倒への備えを差し引けば、帳簿がそのまま換金価値になるわけではない。韓国の家計債務、海外子会社の資産の質、ウォンをドルへ換える際の変動も怖い。悲観側には銀行の堀そのものが傷つく筋書きを残した。
5つの将来と実際の還元方針を組み合わせると、基準時点の時価総額約403億ドルに対して価値は約541億ドルになる。安全域はあるが、信用循環で何年も利益が落ちる可能性を含んだ評価である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、銀行の第一の資産は現金残高ではなく、低い費用で資金を預けてくれる顧客との関係だ。国民銀行は巨大な貸出・預金網を持ち、証券と保険を同じ顧客に届けられる。10年後に銀行口座も保険も不要になるとは考えにくい。金融の仕組みがデジタルになっても、預金を受けて信用を供給する者には許認可と資本が要る。
しかし、銀行の純利益をそのまま自由な現金とは呼べない。貸出を増やすほどリスクに備える自己資本が必要である。2025年の純利益約40億ドルに対し、配当・買い戻しの正味還元は約19億ドルだった。増分の資本が資本コストを超えて稼げるなら貸出や証券への再投資は歓迎するが、海外の低収益な買収で資本を費やすなら還元した方がよい。
帳簿のROEは過去10年の中央値で8.6%。資本コスト8.75%とほぼ同じだから、過去の利益すべてを高い質の恒久利益と見なすわけにはいかない。近年は費用効率、非金利収益、資本管理の改善によって一段上の収益が見え始めた。だが、その進歩が本物かは、証券市場が冷えた時と家計貸出が停滞した時に試される。
最も大切なのは安全域だ。規制資本を温存した後でも還元が続き、貸倒を伴わない資本配分が実現するなら、現在の時価総額には相応の余地がある。反対に、自己資本は帳簿上多くても、担保不動産の価値が傷めば短期間で薄くなる。良い銀行を安いと決めつけず、貸倒と市場業務の両方が悪化する未来に耐えるかを重視した。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心はKB国民銀行である。家計と企業から預金を集め、住宅ローン、中小企業や大企業への貸出、資金決済に使う。2025年末の国内ウォン建て貸出は約377兆ウォン、比較可能な大手5行の約23%を占める。預金と貸出の差額から生じる純金利収益が土台で、資金調達に支払う金利が上がれば利益は細る。2026年6月末の貸出は385兆ウォン、銀行の純金利マージンは1.74%である。
KB証券は株式・債券の売買仲介、企業の資金調達、富裕層向け資産管理、自己勘定の市場取引で稼ぐ。2025年の韓国株式委託売買手数料のシェアは約10.3%で、ミレアセット証券と首位水準に並ぶ。証券市場が活況なら売買数量と預り資産が増え、収益が上がる。ただし売買手数料は競争で下がるため、資産や取引額が膨らんでも同じ比率で利益は増えない。
KB損害保険は長期・自動車・一般保険を引き受け、保険料から保険金と費用を支払った残りと資産運用で稼ぐ。2025年の元受保険料は約14.35兆ウォン、保有契約は約2502万件である。保険金の支払いが想定を上回ると、新契約が伸びても利益は下がる。KB国民カードは年約151兆ウォンの利用取扱高を持ち、決済手数料とカードローン・分割払いの利息を得る。
そのほかにKB生命保険、KBキャピタル、資産運用、不動産信託や海外銀行がある。銀行の窓口、カード、保険、証券の接点を共有できるのが複合金融グループの利点だ。業績表の売上は金利・保険・売買取引の粗い会計収益を含むため、普通の事業会社の売上とは違う。事業の価値は、貸倒引当後の利益と、株主に返せる資本で判断する。
優良さと弱いところ
最大の堀、つまり競争相手が容易に奪えない強みは、国民銀行の預金と融資の顧客基盤である。大手5行のウォン建て貸出におけるKBのシェアは2023年から2025年まで約23%でほぼ動かなかった。地元企業の融資、給与口座、住宅ローン、保険を同時に使う顧客には乗り換えの手間がある。店舗とデジタルサービスを維持する固定費も、規模が大きいほど一人当たりで薄まる。
ただし、銀行商品に自由な値上げ権はない。貸出金利は競合と監督当局に制約され、預金金利はカカオバンク、トスバンク、シンハン銀行、ハナ銀行が押し上げる。2026年6月には企業貸出の競争と資金調達費の上昇で銀行の利ざやが前四半期から縮んだ。強い流通経路はあるが、値決め力の強い独占事業ではない。このため堀の分類は通常とする。
稼ぐ資本の利回りは改善している。2025年のROEは約10.4%で、2026年上期の年率換算ROEは14.09%となった。ただし後者には好調な証券市場と引当費用の落ち着きが効く。過去10年の中央値は8.6%であり、平時の資本収益力が恒久的に14%へ変わった証拠とはまだ言えない。中立の10年後は12%台を見込むが、資本を証券に振り向けて稼ぎを改善するという条件付きである。
AIは審査・顧客対応・売買発注の作業を自動化するが、銀行預金、融資債権、保険契約、規制資本そのものは人月や席課金のソフトではない。AIエージェント代替の指定型に当たる主要外部売上はない。他方、代理店や売買画面の手数料優位は崩されうる。持ち株会社の弱点は、海外の融資や保険事故の損失が良い銀行の利益を食うことだ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
韓国の銀行市場は人口が伸びない。住宅ローンは家計負債の管理を受け、2025年の金融部門全体の家計貸出増加率は2.3%まで鈍った。銀行は実質の貸出数量を大きく増やすより、企業の設備投資、退職年金、富裕層資産を取り込むことで成長する局面にある。貸出の名目残高は物価とともに増えるが、それだけで資本利回りは上がらない。
競争の基準をそろえると、2025年末の大手5行のウォン建て貸出約1637兆ウォンに対し、国民銀行は377兆ウォンで23.1%だった。シンハン銀行20.4%、ハナ銀行19.4%、ウリ銀行18.4%、農協銀行18.8%が続く。別の集計で大手4行とネット銀行3行の家計・中小企業向け残高を比べると、KBは26.6%を占める。母集団が違うため両方を混ぜてシェア上昇とは言わない。
ネット銀行ではカカオバンク、ケイバンク、トスバンクが若年層の口座を獲得している。彼らは高金利預金と使いやすいアプリで銀行の価格競争を強める。一方、支店や法人取引を含む大手銀行の地位は簡単には崩れない。中立では貸出の実質市場は10年で緩やかに拡大し、KBの大手内シェアはほぼ横ばいとする。市場の名目増加分は物価相当の再評価として扱う。
非銀行は競争の顔が異なる。2025年の株式委託売買手数料でKB証券のシェアは10.3%、ミレアセット証券も10.3%、NH投資証券9.3%で拮抗する。損保の2025年秋の元受保険料シェアはKB14.1%、サムスン火災22.4%、DB損保18.1%、現代海上15.5%である。カードの主要7社の2025年取扱高ではKBの比率は約15.5%にとどまり、シンハン、現代、サムスンと競り合う。
米国の大手銀行と違い、韓国の国民銀行のNIMは2026年6月時点で1.74%と低い。金利と手数料の定義が異なるため単純比較はできず、韓国内の預金競争、融資規制、保険の損害率の方が収益を左右する。次の10年は不況を何度か挟み、信用費用と市場業務収益が同時に揺れる展開を想定する。
資本政策と M&A
資本配分では、預金と融資で得た利益を証券・保険へ移し、余った資本を株主へ返す戦略が続いている。2015年以降にLIG系損保を取り込み、2016年に現代証券を統合し、2020年にプルデンシャル生命を買収した。銀行だけに依存しない収益源を育てた点は評価できる。一方、インドネシアなど海外金融会社の立て直しには継続的な損失の危険がある。
2024年公表の企業価値向上計画はROE10%以上、普通株式等Tier1比率(CET1)13%以上を目標とする。前年度末のCET1が13%を超える部分を翌年の配当・自社株買いと消却に回し、年内に13.5%を超えて積み上がる部分も追加還元に使う。これは単なる配当性向の約束でなく、規制上の資本を先に確保する仕組みだ。
2025年の総還元は3.06兆ウォン、総還元性向は約52%だった。2026年6月末のCET1は13.74%。会社は2026年の配当と買い戻しを約3.7兆ウォンと見込んだ。上期には証券子会社へ合計1.7兆ウォンの内部増資を決めたが、これは親会社の外部株主に対する増資ではない。持ち分を希薄化させる外部調達とは区別している。
10年間の配当と消却は利益と信用費用に応じて増減すると考える。規制資本の余剰を使い続ければ買い戻しは株主の得になるが、好況時に株価が高くても機械的に買うなら価値を損なう。2026年10月29日16時(韓国時間)に第3四半期の発表予定があるが、分析基準日の情報にはまだ含まれない。合意済みの非公開化や上場廃止予定は確認できない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
国民銀行の貸出シェアが大手5行内で約23%を維持している事実は、成熟した韓国でも事業の基盤が崩れていないことを示す。高金利を売り物にするネット銀行は増えたが、住宅ローン、給与口座、法人決済をまとめて移す顧客は少ない。KBは既存顧客に年金・保険・証券を提案できる。広告費を巨額に増やさなくても収益の種類を増やせる強みがある。
2026年上期のグループ純利益は前年同期より13.1%増え、ROEは14.09%に上がった。証券が利益の約21%を稼ぐようになり、銀行一本足からの転換が数字になり始めた。子会社への1.7兆ウォンの内部増資は、資本市場関連サービスの事業機会を取り込むための投資である。単なる好況の取り分ではなく、投資信託・退職年金・企業金融が継続的に広がれば、利益は融資残高より速く伸びる。
損保も約2500万の保有契約を持つ。保険料の改定と長期保険の販売を通じて、医療費や修理費の上昇を吸収できれば収益は底堅い。CET1が13.5%を超える余剰を消却に回す方針は、規制資本と株主還元の衝突を少なくした。利益の質が改善するほど、追加の自己資本を積まずに還元できる額も増える。銀行の貸出が物価並みに伸び、証券・保険が堅調なら、10年後の純利益は現在の倍に迫る。
慎重な見方
韓国の家計債務は重く、住宅ローンの実質需要を人口減少が押さえる。銀行の貸出シェアが高くても、価格を自由に引き上げられるわけではない。国民銀行の2026年第2四半期NIMは1.74%で、前四半期から3bp低下した。企業融資の価格競争が続き、デジタル銀行への預金流出で調達費用が上がれば、大量の貸出を持つ強みは薄利多売に変わる。
2026年上期の証券収益は、市場の出来高と株価が好調であったことに助けられている。売買画面の自動化とAIによる金融商品の比較が進めば、委託手数料と資産運用報酬に下げ圧力が生じる。市場の値上がりを恒常的な事業成長と取り違えると、資本を移した証券子会社が次の弱点になる。2025年の保険は長期保険や自動車保険の損害率が上がり、2026年にも保険利益が不安定だった。
最大の危険は危機が連鎖することだ。不動産担保価値が下がると銀行の貸倒が増え、同時に保険の運用資産と証券の自己勘定も傷む。インドネシア・カンボジアの金融子会社では、国内の預金網が持つ強みをそのまま持ち込めない。過去の金融危機では株価が大幅に下落した。資本が厚いように見えても、預金債務は株主のものではない。還元を止めて損失処理に回す10年間が来れば、現時点の期待には届かない。
どちらに重みを置いたか
事業の存続と預金の堀では前向きな見方が優る。2026年上期の収益改善も具体的で、資本還元方針の透明性は同業の中でも評価できる。ただし人口減少下で貸出を増やしにくく、証券市場の好況が一時的な可能性もあるため、楽観側28%に対して慎重側37%へ確率を寄せた。
中立では国内シェアをほぼ維持し、非銀行利益が厚くなる。悲観では単なる一度の不況でなく、預金競争と融資規制、海外損失、保険引当が重なって資本を傷める。確率を加味した現在価値は基準時点の時価総額を上回り、割安という結論になる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 214.33 ドル753 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 93.08 ドル327 億ドル)。 今の値に割り戻すと 153.83 ドル541 億ドル、今との差 +36.5%、 期待の年率 +13.1%(資本コスト 8.8%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 378.41 ドル1,330 億ドル | 122.34 ドル430 億ドル | +344.3% | +19.7% | 50.08 ドル176 億ドル |
| やや楽観 | 18% | 305.00 ドル1,072 億ドル | 110.96 ドル390 億ドル | +269.1% | +17.2% | 74.87 ドル263 億ドル |
| 中立 | 35% | 243.43 ドル856 億ドル | 105.27 ドル370 億ドル | +209.4% | +15.0% | 122.05 ドル429 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 129.31 ドル455 億ドル | 81.09 ドル285 億ドル | +86.7% | +8.3% | 52.60 ドル185 億ドル |
| 悲観 | 12% | 33.86 ドル119 億ドル | 31.30 ドル110 億ドル | −42.2% | −6.8% | 7.82 ドル27 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 214.33 ドル753 億ドル | 93.08 ドル327 億ドル | +172.8% | +13.1% | 307.41 ドル1,080 億ドル |
今の株価時価総額 112.70 ドル396 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 楽観:融資基盤を守り、資本市場事業が利益の第二の柱へ 利益 95 億ドル · PER 14.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 378.41 ドル1,330 億ドル
2035年末、国民銀行は住宅・企業融資で大手5行内のシェアを約24%へ広げる。実質の貸出預金量は25%増え、名目の残高増加と安定した利ざやで銀行の収益は364億ドルになる。シンハン銀行やハナ銀行が企業金融を争う中でも、給与口座と法人の決済取引を守れる。貸倒は平常で、銀行の費用率はデジタル審査と事務自動化によって下がる。
証券は資本増強が奏功し、年金・投資信託・企業金融の取引量を増やす。ミレアセットやキウムと競争しながら委託手数料シェアを11%台へ高め、取引・資産量の実質指数は約1.9倍となる。保険は契約数が増えて価格改定が損害率の上昇を吸収し、カードもシェアを維持する。成熟後の名目成長は約4%へ落ち着く。
10年の純利益累計673億ドルから正味還元430億ドルを返し、自己資本は約623億ドルへ積み上がる。年度末の純利益95億ドルは資本コストを十分超えるROEを生む。大型買収で海外に賭けず、子会社への内部投資と消却を優先する場合に成立する。
- KB国民銀行(預金・貸出):数量 6,500(貸出残高+預金残高の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.06(実質換算残高当たり連結粗収益代理率(純金利マージンそのものではない))→ 売上 364 億ドル・営業利益 78 億ドル。預金と法人融資のシェアを獲得し損失率安定
- KB証券:数量 1,010(証券子会社の運用・顧客取引の基礎となる総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.16(総資産当たり連結粗収益代理率(手数料率と運用・売買収益を合算))→ 売上 165 億ドル・営業利益 26 億ドル。証券市場の実質拡大とシェア上昇
- KB損害保険:数量 130(年間元受保険料の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.65(元受保険料当たり連結粗収益代理係数(損害保険の利幅ではない))→ 売上 85 億ドル・営業利益 18 億ドル。保有契約増と損害率改善
- KB国民カード:数量 1,350(年間カード決済・融資取扱高の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.03(取扱高当たり連結粗収益率(決済手数料とローン利息の混合))→ 売上 46 億ドル・営業利益 7 億ドル。加盟店網を維持し手数料流出を抑制
- 生命保険・キャピタル・資産運用等:数量 550(生命保険とキャピタル子会社の総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.07(その他業務を含む総資産当たりの連結収益代理率)→ 売上 36 億ドル・営業利益 9 億ドル。生命保険とリースの資本効率改善
倍率:資本コストk8.75%、2025年末の自己資本379.6億ドルに10年の純利益累計673億ドルを足し正味還元430億ドルを引いた2035年自己資本622.6億ドル。2035年の事業ROEは15.3%。銀行・保険の有形資本が基本だが、開示比較可能性のため保守的に帳簿ROEを代用。堀は通常のため残存率1/2、RONICは12.0%。長期g4.0%は韓国の実質信用・資産形成市場の伸び、シェア上昇、物価3.5%を含む名目価格転嫁から判断。10年目利益用の正当化PER上限は(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)=14.60倍。利益の景気感応度と持続性を考慮し、その約96%の14.00倍とする。市場の今・過去・同業の倍率を根拠にしない。純現金は加算しない。
確率:国内融資シェアの微増と証券の実質需要拡大、保険引受の改善、CET1余剰の還元がそろうケース。複数の追い風が必要で10%に限る。
やや楽観 18% やや楽観:融資の地盤は堅く、非銀行の伸びが続く 利益 80 億ドル · PER 13.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 305.00 ドル1,072 億ドル
2035年末、銀行の大手5行内シェアは23%台を保ち、実質貸出預金量は約15%伸びる。家計融資は規制で伸び悩むが、企業金融と決済から顧客を増やす。ウォンの物価相当の名目拡大が売上を支え、銀行の収益は約336億ドルとなる。NIMは現状から大きく改善せず、預金競争の費用を店舗効率化で吸収する。
証券は2026年上期の好況を平常利益と取り違えず、それでも年金と資産運用の定着で実質の業務量を増やす。委託手数料シェアは10〜11%を保ち、利益の振れは残る。損保は長期契約を増やして保険金の伸びに対処し、カードの決済単価にはやや下げ圧力がかかる。合意済みでない大型買収を前提とせず、グループ内再投資を続ける。
10年間に純利益約598億ドルを稼ぎ、配当と自社株買いから株式報酬等を引いた正味還元390億ドルを出す。2035年末の自己資本は約588億ドル、純利益80億ドルとなる。目標CET1を守りながら資本効率を上げられる場合だ。
- KB国民銀行(預金・貸出):数量 6,050(貸出残高+預金残高の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.06(実質換算残高当たり連結粗収益代理率(純金利マージンそのものではない))→ 売上 336 億ドル・営業利益 67 億ドル。貸出シェア安定と企業金融増
- KB証券:数量 840(証券子会社の運用・顧客取引の基礎となる総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.16(総資産当たり連結粗収益代理率(手数料率と運用・売買収益を合算))→ 売上 134 億ドル・営業利益 21 億ドル。富裕層・年金の流入
- KB損害保険:数量 116(年間元受保険料の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.64(元受保険料当たり連結粗収益代理係数(損害保険の利幅ではない))→ 売上 74 億ドル・営業利益 14 億ドル。保険料改定が損害増を吸収
- KB国民カード:数量 1,250(年間カード決済・融資取扱高の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.03(取扱高当たり連結粗収益率(決済手数料とローン利息の混合))→ 売上 42 億ドル・営業利益 6 億ドル。決済量は増えるが料率競争
- 生命保険・キャピタル・資産運用等:数量 490(生命保険とキャピタル子会社の総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.07(その他業務を含む総資産当たりの連結収益代理率)→ 売上 32 億ドル・営業利益 7 億ドル。資産運用と生命保険がゆっくり拡大
倍率:資本コストk8.75%、2025年末の自己資本379.6億ドルに10年の純利益累計598億ドルを足し正味還元390億ドルを引いた2035年自己資本587.6億ドル。2035年の事業ROEは13.6%。有形自己資本を用いるとより高いが、ここでは保守的に帳簿ROEを代用する。堀は通常のため残存率1/2、RONICは11.2%。長期g4.0%は物価3.5%、実質の資産形成市場の拡大とシェア維持から判断。正当化PER上限は(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)=14.06倍。非銀行の利益が伸びるが市況変動も残るため、その約95%の13.40倍とする。純現金は加算せず、市場の評価倍率から決めていない。
確率:国民銀行の貸出シェアを保ち、2026年の非銀行利益改善の一部が定着する見通し。信用循環はあるが大規模な資本毀損に至らない場合で18%。
中立 35% 中立:成熟した国内銀行の上に、非銀行が少しずつ太る 利益 69 億ドル · PER 12.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 243.43 ドル856 億ドル
2035年末、韓国では人口減少が続き、家計融資の実質残高は大きく伸びない。国民銀行は大手5行内の貸出シェア約23%を維持し、企業金融への組み替えで実質の貸出預金量を約8%増やす。預金獲得競争で利ざやが大幅に広がることはないが、物価相当の名目残高増加が融資・決済の収益を支える。銀行の会計粗収益は約308億ドルとなる。
証券の実質業務量は年金と投資信託の普及で約4割増えるが、ミレアセットやキウムとの手数料競争で名目収益率は物価ほど上がらない。損保は保有契約の伸びが限定的で、保険料改定が修理・医療費をおおむね吸収する。カードは支払数量が増えてもシンハンや現代にシェアを奪われずに済む程度とする。海外銀行の大型買収は織り込まない。
純利益は2035年に69億ドル、10年間の累計は543億ドルになる。利益の約7割に相当する370億ドルを正味還元し、自己資本は約553億ドルへ増える。ROEは約12.5%と過去の中央値を上回るが、2026年上期の高い水準をそのまま延長しない。
- KB国民銀行(預金・貸出):数量 5,650(貸出残高+預金残高の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.05(実質換算残高当たり連結粗収益代理率(純金利マージンそのものではない))→ 売上 308 億ドル・営業利益 59 億ドル。大手5行内の貸出シェアほぼ横ばい
- KB証券:数量 740(証券子会社の運用・顧客取引の基礎となる総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.16(総資産当たり連結粗収益代理率(手数料率と運用・売買収益を合算))→ 売上 115 億ドル・営業利益 17 億ドル。積立投資・年金は伸び手数料は圧縮
- KB損害保険:数量 108(年間元受保険料の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.63(元受保険料当たり連結粗収益代理係数(損害保険の利幅ではない))→ 売上 68 億ドル・営業利益 13 億ドル。保険料の改定が損害費をおおむね吸収
- KB国民カード:数量 1,140(年間カード決済・融資取扱高の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.03(取扱高当たり連結粗収益率(決済手数料とローン利息の混合))→ 売上 38 億ドル・営業利益 5 億ドル。取扱量は横ばい強、価格転嫁は不完全
- 生命保険・キャピタル・資産運用等:数量 420(生命保険とキャピタル子会社の総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.07(その他業務を含む総資産当たりの連結収益代理率)→ 売上 28 億ドル・営業利益 6 億ドル。海外の低収益事業を大きく増やさない
倍率:資本コストk8.75%。2025年末自己資本379.6億ドルに10年純利益累計543億ドルを加え、正味還元370億ドルを引くと2035年自己資本552.6億ドル。2035年の事業ROEは12.5%で、保守的に帳簿自己資本を用いる。堀は通常で超過利益の残存率1/2、RONICは10.6%。長期g3.5%は、国内金融市場の実質成長が小さく、シェアが横ばいで、物価上昇の名目分だけが残る前提。正当化PER上限は(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)=13.22倍。その約94%の12.40倍とした。純金利収益の安定性を認める一方、信用循環と証券市況の変動を考慮した。倍率は市場のPER・PBRに合わせていない。
確率:韓国の実質融資需要は弱くても、物価による名目残高増加と既存シェア維持、保守的な貸倒引当、資本還元が両立する本筋を35%とする。
やや悲観 25% やや悲観:預金価格競争と保険金増で収益性が鈍る 利益 45 億ドル · PER 10.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 129.31 ドル455 億ドル
2035年末、国民銀行はカカオバンクやトスバンクへの預金流出を止められず、大手5行内の貸出シェアが約22%へ下がる。企業融資の価格競争も長引き、銀行の実質貸出預金量は出発点を下回る。金利が高止まりしていても調達費が増え、銀行の収益性は弱くなる。銀行の利益率は14%台へ落ちる。
証券は2026年上期の市場好況が去り、委託手数料シェアが9%前後に低下する。自己勘定を大きく取れず、証券の収益は85億ドル程度にとどまる。保険は長期保険の保険金支払いが増え、価格改定が遅れる。カードでも加盟店費用と貸倒負担が増す。子会社買収は成功せずとも、大規模な外部増資を要する破綻には至らない。
10年間の純利益累計は423億ドルで、正味還元285億ドルを維持するが、2035年の純利益は45億ドルにとどまる。自己資本は約518億ドルでROEは資本コストとほぼ同じになる。利益を配当へ回しても、新たな投資で超過利潤を大きく生めない会社へ変わる。
- KB国民銀行(預金・貸出):数量 5,150(貸出残高+預金残高の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.05(実質換算残高当たり連結粗収益代理率(純金利マージンそのものではない))→ 売上 242 億ドル・営業利益 35 億ドル。競争で預金・貸出の実質量と利ざやが低下
- KB証券:数量 600(証券子会社の運用・顧客取引の基礎となる総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.14(総資産当たり連結粗収益代理率(手数料率と運用・売買収益を合算))→ 売上 85 億ドル・営業利益 9 億ドル。手数料と市場取引収益が鈍る
- KB損害保険:数量 100(年間元受保険料の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.59(元受保険料当たり連結粗収益代理係数(損害保険の利幅ではない))→ 売上 59 億ドル・営業利益 8 億ドル。医療・自動車保険の損害率上昇
- KB国民カード:数量 990(年間カード決済・融資取扱高の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.03(取扱高当たり連結粗収益率(決済手数料とローン利息の混合))→ 売上 29 億ドル・営業利益 3 億ドル。カードローン信用費用増
- 生命保険・キャピタル・資産運用等:数量 360(生命保険とキャピタル子会社の総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.06(その他業務を含む総資産当たりの連結収益代理率)→ 売上 21 億ドル・営業利益 4 億ドル。海外・信託事業の資本効率が低下
倍率:資本コスト8.75%、2035年自己資本517.6億ドル、純利益45億ドルでROEは8.7%。通常の堀の残存率1/2を使うとRONICは約8.7%。長期g2.5%は物価3.5%に対して実質市場とシェアの縮小が年約1%押し下げる前提。10年目利益用の正当化PERは式では約11.70倍だが、ROEが資本コスト以下なので上限を1/k=11.43倍に制限する。預金の価格競争と信用費用の構造悪化を考慮して10.10倍とする。中立より低い倍率を市場の谷の値付けではなく、稼ぐ力と資本効率から正当化する。
確率:国内の融資規制、預金の高コスト化、証券手数料の低下が重なる蓋然性は小さくないため25%とする。資本を維持しつつ収益性が落ちるケース。
悲観 12% 悲観:預金の堀が傷み、信用損失が資本を束縛する 利益 14 億ドル · PER 8.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 33.86 ドル119 億ドル
2035年末、韓国の住宅担保不動産が長く低迷し、家計・中小企業の返済悪化と預金移動が重なる。国民銀行の大手5行内の融資シェアは20%程度まで低下し、実質の貸出預金量は約16%減る。利ざやを守るための高リスク貸出もできず、銀行の利益率は10%程度まで落ちる。預金を抱えていても高品質な資金調達という堀が弱くなる。
証券では委託手数料シェアを8%台まで失い、投資銀行の損失も出る。損保では保有契約の減少と医療・自動車損害率の悪化が重なり、生命保険・海外銀行でも追加引当が要る。2029〜31年の信用損失で3年間の利益が合計20億ドルに低迷し、最初の3年の約105億ドル、後半4年の約75億ドルと合わせた10年の純利益累計は200億ドルにとどまる。大規模な買収は失敗し、経営は縮小と資本維持を優先する。
配当と自社株買いは危機時に止め、10年の正味還元は110億ドルに減る。累計利益から還元を引いた自己資本は約470億ドルでも、2035年の純利益は14億ドル、ROEは約3%で、帳簿の資本が十分な価値を生まない。預金と債券保有者への支払いを先に済ませた売却可能資産の税後価値を約110億ドルと慎重に見積もる。
- KB国民銀行(預金・貸出):数量 4,420(貸出残高+預金残高の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.04(実質換算残高当たり連結粗収益代理率(純金利マージンそのものではない))→ 売上 187 億ドル・営業利益 20 億ドル。預金の堀と担保価値が同時に低下
- KB証券:数量 450(証券子会社の運用・顧客取引の基礎となる総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.13(総資産当たり連結粗収益代理率(手数料率と運用・売買収益を合算))→ 売上 59 億ドル・営業利益 4 億ドル。委託手数料と市場取引が収縮
- KB損害保険:数量 85.0(年間元受保険料の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.53(元受保険料当たり連結粗収益代理係数(損害保険の利幅ではない))→ 売上 45 億ドル・営業利益 3 億ドル。保険金支払い増と契約流出
- KB国民カード:数量 825(年間カード決済・融資取扱高の2025年購買力換算額(億ドル))× 価格 0.03(取扱高当たり連結粗収益率(決済手数料とローン利息の混合))→ 売上 22 億ドル・営業利益 1 億ドル。決済シェア下落と貸倒
- 生命保険・キャピタル・資産運用等:数量 300(生命保険とキャピタル子会社の総資産の2025年実質換算額(億ドル))× 価格 0.05(その他業務を含む総資産当たりの連結収益代理率)→ 売上 16 億ドル・営業利益 1 億ドル。生命保険・海外子会社の損失で縮小
倍率:2025年末自己資本379.6億ドルを起点に利益累計200億ドル、正味還元110億ドルで2035年自己資本469.6億ドル。2035年ROEは3.0%で資本コスト8.75%を下回るため、利益の再投資では超過利潤を生まない。上限は1/k=11.43倍。長期gは実質市場縮小と低い価格転嫁が打ち消し合い名目0%とする。構造的な信用損失と契約流出を考慮してPER8.5倍とする。余剰現金はなく、株主価値は14億ドル×8.5=119億ドル。床は預金返済と税・清算費用控除後の資産であり、将来積み上げた帳簿純資産にPBRを掛けていない。
確率:住宅信用と海外金融子会社の損失、証券の逆風、保険引当が連鎖する構造劣化を12%とする。過去の危機では大幅下落が起きており、単なる景気後退として軽視しない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
KB国民銀行(預金・貸出)
韓国の住宅・企業向け貸出と預金・決済。市場シェアは大手5行のウォン建て貸出で23.1%(2025年末)。
| 数量貸出残高+預金残高の2025年実質換算額(億ドル) | 価格実質換算残高当たり連結粗収益代理率(純金利マージンそのものではない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5,250 | 0.04 | 205 | 36 |
| 10 年後 中立 | 5,650 | 0.05 | 308 | 59 |
取り方:韓国の大手5行・インターネット銀行の比較資料で国民銀行の2025年末貸出377.5兆ウォン、預金381.7兆ウォンを確認。2025年末の20-F換算レート1ドル=1,444.6ウォンで合計約5,255億ドル。内部取引の相殺と有価証券・手数料を含む連結粗収益の実効係数3.905%を用いるため、銀行が公表するNIM約1.7%と同じ率ではない。銀行子会社の連結前総収益との違いは内部相殺で、部門別連結純収益は未開示につき205億ドルは構成推定。主要5行の貸出市場1,636.9兆ウォンでKB23.06%、シンハン20.42%、ハナ19.38%。https://kind.krx.co.kr/external/2026/06/12/000076/20260612000091/10601.htm
KB証券
委託売買・資産管理・投資銀行・証券自己勘定。2025年の国内委託売買手数料シェアは10.3%。
| 数量証券子会社の運用・顧客取引の基礎となる総資産の2025年実質換算額(億ドル) | 価格総資産当たり連結粗収益代理率(手数料率と運用・売買収益を合算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 530 | 0.12 | 66 | 8 |
| 10 年後 中立 | 740 | 0.16 | 115 | 17 |
取り方:20-FのKB証券2025年末総資産76.46兆ウォンを同じ換算レートで約529億ドルとする。売買益・引受・手数料を含むため証券事業の代理収益率は12.45%であり委託手数料率ではない。公表セグメント収益の内部相殺額は未分離なので66億ドルは連結代理推定。2025年の全証券会社株式委託手数料約5.17兆ウォン中KB証券約5,318億ウォンで10.3%、ミレアセット証券10.3%、NH投資証券9.3%。https://kind.krx.co.kr/external/2026/06/16/000072/20260616000083/10601.htm
KB損害保険
長期・自動車・一般損害保険の契約を引き受ける。2025年の保有契約は約2,502万件、元受保険料約14.35兆ウォン。
| 数量年間元受保険料の2025年購買力換算額(億ドル) | 価格元受保険料当たり連結粗収益代理係数(損害保険の利幅ではない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 99.3 | 0.46 | 46 | 9 |
| 10 年後 中立 | 108 | 0.63 | 68 | 13 |
取り方:20-Fによる2025年元受保険料14.348兆ウォン=約99.3億ドル、契約2,502.3万件。保険負債の再測定・再保険・運用収益の連結表示を調整した代理係数46.3%を用いた。実際の保険料単価や損害率とは異なり、連結部門売上は推定である。2025年9月の国内損保保険料シェアはKB14.1%、サムスン火災22.4%、DB損保18.1%、現代海上15.5%。https://kind.krx.co.kr/external/2026/03/03/001014/20260303002856/00591.htm
KB国民カード
カード決済・分割払い・カードローン。2025年の主要カード7社取扱高の約15.5%。
| 数量年間カード決済・融資取扱高の2025年購買力換算額(億ドル) | 価格取扱高当たり連結粗収益率(決済手数料とローン利息の混合) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,050 | 0.02 | 26 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1,140 | 0.03 | 38 | 5 |
取り方:金融監督院データを引用した韓国取引所開示の2025年KB国民カード信用販売利用実績151.44兆ウォンから、約1,048億ドルに換算。カード7社合計977.4兆ウォン中15.5%、シンハン19.9%、現代19.4%、サムスン18.3%。手数料とカードローンの総合代理単価2.476%で26億ドル、発行体内の利益と連結相殺の差を含む推定。https://kind.krx.co.kr/external/2026/05/15/002334/20260515005239/11013.htm
生命保険・キャピタル・資産運用等
KB生命保険、KBキャピタル、資産運用・信託、海外金融など。生命保険・リース資産と契約管理報酬で稼ぐ。
| 数量生命保険とキャピタル子会社の総資産の2025年実質換算額(億ドル) | 価格その他業務を含む総資産当たりの連結収益代理率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 370 | 0.05 | 19 | 4 |
| 10 年後 中立 | 420 | 0.07 | 28 | 6 |
取り方:20-F掲載のKB生命保険資産35.59兆ウォンとKBキャピタル資産18.16兆ウォンの合計53.75兆ウォン=約372億ドルを数量代理とした。資産運用の報酬や海外子会社の利ざやもこの区分に含み、連結売上の詳細な内訳は未開示。単価5.05%は複合収益の代理率で、実際の契約料率ではない。額は他の4部門と2025年の連結売上361.7億ドルを照合した推定。
リスクと懸念
韓国の家計債務と不動産担保
韓国の家計債務の対GDP比率はなお高く、住宅の取引量と担保価値が同時に下がれば大手銀行でも貸倒引当が増える。融資総額を減らす政策が長期化すると実質数量も伸びない。中立の貸出を実質で小幅増とする前提が崩れるため、銀行の利益率と還元額を一緒に下げる必要がある。
預金の獲得競争と利ざや低下
カカオバンク、ケイバンク、トスバンクの高金利預金と簡便な操作画面は、給与口座の粘着性を徐々に弱める。国民銀行のNIMは2026年第2四半期に1.74%まで縮んだ。仮に市場金利が高止まりしても預金への支払いが先に上がれば利ざやは減る。貸出と預金の量を増やすほど利益が増えるとは限らない。
証券市況と手数料の恒常性
2026年上期の証券の利益寄与は約21%に達したが、売買代金と株価上昇が強い時期の利益をそのまま10年目に置けない。ミレアセット、NH投資、キウムとの価格競争で手数料率が低下し、自己勘定の損失も起きうる。KB証券に内部増資した資本の利回りが落ちれば、資本配分の良さが弱点に変わる。
損保の損害率と契約負債
長期医療保険の保険金請求や自動車修理費の上昇は、契約数が増えても利益を削る。2025年のKB損保の損害率は82.8%で、2026年上期も保険利益に不安定さがあった。保険負債の見積り変更や契約サービスマージンの減損が重なれば、純利益と規制資本の双方が痛む。
海外子会社と不良債権
インドネシアのKBバンクやカンボジアの事業には、韓国内の預金基盤や監督制度が持つ強みを同じようには期待できない。現地の貸出品質、通貨、政策変更によって資本注入や信用損失が発生する余地がある。親会社のグループ管理能力が改善しなければ、国内で稼ぐ利益を海外に再投資しても株主利益に結びつかない。
規制資本と株主還元の停止
CET1の超過分を配当と消却に回す方針は良いが、13%の基準を割るほど融資資産が傷めば還元の原資は消える。銀行の自己資本は預金者の債権に先立つ自由資金ではなく、貸倒への緩衝材である。金融当局の配当規制、与信規制、消費者保護に関わる賠償で余剰資本の戻る速度が下がる危険がある。
為替とAI・金融仲介の再編
本分析は売上・利益をドルへ換算する際に韓国ウォンの換算水準を固定している。ウォン安が長期化するとADR保有者のドル価値は下がる。AIエージェントによって金融商品の検索や売買注文が自動化すると、手数料は下がりうる。ただし預金債務や保険引受は席課金ソフトではないため、主要売上を直接消失させる型の代替には該当しない。
今後の分かれ目
- CET1が2四半期続けて13%を下回ったら
- 消却と追加配当の見通しを削り、海外・不動産の信用損失が原因なら悲観側の確率を厚くする。
- 国民銀行の大手5行内貸出シェアが23%付近から21%を下回ったら
- 給与口座・法人融資の堀が削れた証拠として、銀行の実質数量と長期の利益増加を下げる。
- 銀行NIMが1.50%を下回る状態が4四半期続いたら
- 預金調達力の低下を疑い、数量が横ばいでも銀行の実効収益率と営業利益率を引き下げる。
- 2026年以降も証券の委託手数料シェアが11%超を保ち、自己勘定を除く利益が増えたら
- 証券の成長を単なる株高でなく事業の堀の拡大と認め、やや楽観・楽観の確率を上げる。
- KB損保の損害率が85%を超え、改善せずに1年続いたら
- 長期保険の値付けと引当を見直し、損保の利益率とグループの資本還元余力を減らす。
- 韓国の家計融資延滞と不動産PF損失が同時に増えたら
- 銀行の貸倒引当を増やし、通常の景気後退でなく10年の構造的な悲観が現実化する可能性を再評価する。
- 証券子会社への増資後に資本収益率がグループの資本コストを下回ったら
- 非銀行への追加資本投入を抑え、配当・消却の方が株主の得になると判断する。
見ておくもの
- 国民銀行のウォン建て貸出・預金残高、大手5行内の貸出シェアとネット銀行の預金流入
- 銀行NIM(2026年6月1.74%)、預金金利の上昇幅、法人融資の利回り
- 国内家計ローン・不動産PFの延滞、貸倒引当、グループ信用コスト
- KB証券の委託売買手数料シェアと自己勘定を除く利益・内部増資の成果
- KB損保の損害率・保有契約件数・契約サービスマージンとK-ICS
- グループCET1(2026年6月13.74%)と消却額、配当・自社株買いの正味還元
- 2026年10月29日の第3四半期決算発表と韓国金融当局の家計融資・配当規制
倍率と資本コストの決め方
基準時価総額約403億ドルから逆算せず、2025年の金融資産・貸出預金・保険料・カード取扱額を数量の原点にした。物価による名目残高の増加を価格側で表し、銀行の実際のNIMとモデル上の連結粗収益率を混同しない。2025年の粗収益は銀行・証券・保険の内部相殺が大きく、各部門は説明可能な代理指標から推定したもので、公式セグメント収益の断定ではない。
倍率は市場の現在値や過去の底値に依存しない。k=8.75%、通常の堀の持続率1/2を使い、伸びを支えるROEからRONICを求める。中立は2035年ROE12.5%、事業成長g3.5%、RONIC10.6%で、当年利益に対する正当化PERの上限は約13.2倍。その約94%とした。銀行の信用費用を個別の資本コスト上乗せに二重計上せず、悲観の価値と確率に反映した。
期末純現金は分けない。金融機関の現預金は預金・市場調達と対応する流動性資産であり、1083億ドルの有利子負債は貸出等の調達源だから、一般事業の純負債を営業利益から一括控除しない。非銀行ソフトの席課金売上は中心でなく、AI代替の指定型の対象外である。ドル円は150円固定。ウォンからドルへの換算も将来の為替益を見込まず、基準年の換算水準を維持した。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本8.0%+事業品質0.75%=8.75%。韓国の家計信用循環と預金競争を反映。個別の海外投資失敗や為替ショックは確率・利益に織り込み、追加割引はしない。