結論
MSCI は、世界の株式の指数(MSCI ACWI・EAFE・エマージング)を運用会社・年金・ヘッジファンドに配り、その指数に連動する ETF の資産から料を取る会社。売上 2025 年 31.4 億ドル、営業利益率 54.7%、純利益 12.0 億ドル。利益の約 8 割が指数部門で、うち資産連動料(ABF、7.7 億ドル)は費用がほぼ増えずに利益になる。2026 年 4〜6 月期は売上 +12.2%、調整後 EBITDA 率 62.1%、ABF +26.6%、指数の定期購読 +11%(維持率 97% 超)と加速した。ただし ABF の伸びの多くは株高による残高の増加で、料率は下がり続ける。
自己資本は自社株買いの累積で -26.5 億ドルと赤字、債務は 62 億ドル(調整後 EBITDA の約 3.3 倍)。バリュー投資の観点では、指数の堀(乗り換えにくさ)は強いが、分析(AI の置き換え)とサステナビリティ(米国の反発)は堀が薄く、ABF は株価と料率の両方に左右される。
数量×価格で 5 部門を積むと、中立の 10 年後は売上約 62 億ドル(年 +7.1%)、純利益約 23.7 億ドル。ROE は自己資本が赤字のため ROIC(のれんを含む投下資本の利益率、約 33%)から出し、利益ベースの式(k 8.0%(基本 8.0% + quality 0%)・g は決まりの 4%、指数の堀で資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る強い堀として正当化 PER 約 21 倍)の 8.5 割で約 17.9 倍、時価総額は約 424 億ドル。確率をかけて割り引いた本質価値は今の時価総額を約 16% 下回り、期待の年率は 4.4% で資本コストに届かず、総合は『やや割高』。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点ではまず 10 年後を問う。株式のパッシブ運用は 10 年後も広がり、世界・新興国の指数は使われ続ける見込みが高く、指数の堀は今より強い位置にいる可能性が高い。ただし分析(AI)とサステナビリティ(米国の反発)の堀は狭まる可能性があり、全体の確信度は ABF の料率と株価の動きで下がる。
次にオーナー利益。事業が必要とする設備投資は売上の約 4% で、利益の大半は株主のものになる。それでも、2025 年は純利益の約 2.5 倍を還元し、差額を借入で賄った。借入で買い戻して自己資本が赤字になった会社の利益は、株主の元手が見かけ上ゼロに近く、ROE が意味を失う。ここでは ROIC(のれんを含む投下資本の利益率、約 31〜35%)を式の ROE に使い、レバレッジで膨らんだ 40% 超の値は使っていない。
経営の資本配分は、買い戻しが株価の高い局面(2026 年の平均買い値は今の水準に近い)に偏っている点が気になる。株価が割安なときだけ価値を足し、割高なときは借入と引き換えに株主の元手を縮める。M&A は中規模で、価値を壊してはいないが、サステナビリティ分野の買収の想定は外れている。
安全域:利益ベースの式の PER で出した 10 年の価値は、今の時価総額を約 16% 下回る。楽観でも今の 1.3 倍程度(10 年後の時価総額 534 億ドル)、悲観では 6 割ほど減る。今の値段は『高収益の優良会社を、成長を先取りした値段で買う』水準。確信度は中。
何で稼ぐ会社か
収益は 4 つの部門から成り、売上の種類では「定期購読」(2025 年 22.8 億ドル、73%)、「資産連動料(ABF)」(7.7 億ドル、25%)、「非定期」(0.9 億ドル)に分かれる。
指数(2025 年売上 17.9 億ドル、調整後 EBITDA 率 76%):MSCI ACWI・MSCI EAFE・MSCI Emerging Markets などの指数を、運用会社・年金・ヘッジファンド・銀行に配布し、ベンチマークや分析の基準として使わせる。収入は 2 本立てで、指数のデータとカスタム指数の定期購読(約 10 億ドル)と、MSCI 指数に連動する ETF・投信の純資産に対する資産連動料(ABF、7.7 億ドル)。ABF は連動する ETF の資産(2026 年 6 月で 2.8 兆ドル超)に 数 bp(1bp = 0.01%)の料率を掛けて入るので、株価が上がり資金が入るほど、人手も費用も増えずに利益が積み上がる。ブラックロック(BlackRock)の iShares が最大の顧客で、MSCI ACWI や MSCI エマージング(EM)の ETF の主力を占める。
アナリティクス(7.1 億ドル、48%):リスク管理・ポートフォリオ分析のソフト(バラ、RiskMetrics、Barra の流れ)。運用会社がリスクと運用成績を測る基盤で、使い始めると乗り換えにくい。
サステナビリティと気候(3.5 億ドル、36%):ESG 格付け・気候リスクのデータと指数(旧 MSCI ESG、トゥルコスト、カーボン・デルタ)。米国で ESG への反発が強く、2026 年に入って米州で解約が続いている。
プライベート・アセット(その他、2.8 億ドル、25%):バージェス(Burgiss)、リアルキャピタル・アナリティクス、ホライゾンなどによる未公開株・不動産のデータと分析。定期購読が前年比 +16% と最も伸びが速いが、買収の償却が重く利益率は低い。
利益の約 8 割が指数部門、うち ABF がほぼそのまま利益になる(2025 年の部門利益の合計の約 4 割)。成長の主役は ABF とカスタム指数・ヘッジファンド向けで、データ・分析は着実に伸びる脇役という構造になっている。
優良さと弱いところ
堀の中心は「指数は一度使われると乗り換えにくい」ことにある。ベンチマークは運用会社の成績を測る物差しで、変えると過去との比較が切れ、顧客との契約や運用方針の文書も書き換えになる。MSCI ACWI や EM は、世界の株式を測る共通語として ETF・先物・デリバティブに組み込まれ、競合の FTSE ラッセル(FTSE Russell)や S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは、米国の大型株ではそれぞれ強いが、新興国と世界全体では MSCI が最も広く使われる。定期購読の維持率は指数で 97% 超、全社で 95% 超。
価格を決める力も強い。2025 年の調整後 EBITDA 率は 60.8%、指数部門は 76%、直近の 2026 年 4〜6 月期は全社で 62.1%。売上が伸びても費用がほぼ増えない形で、利益率は 2022 年の 53.9%(営業利益率)から 2025 年の 54.7%、2026 年はさらに上がる見込みである。
弱い所は 4 つある。第 1 に ABF の料率(bp)が下がり続ける点。2026〜27 年に最大顧客ブラックロックとの契約が改定され、巨大 ETF の下限が下がる。成長が低料率の先進国・全世界型の商品に偏ることも効く。第 2 に分析・サステナビリティの堀が薄い点(ブルームバーグ、ファクトセット(FactSet)、ISS、モーニングスター傘下のサステナリティクスなどと競う)。第 3 に AI が分析ソフトの使い方を変える点。第 4 に自社株買いの累積で自己資本が -26.5 億ドルと赤字で、借入が 62 億ドル(調整後 EBITDA の約 3.3 倍)ある点。
資本効率:自己資本がマイナスのため ROE は計算できない。のれんを含む投下資本(自己資本 + 純負債 + 前受収益)で見ると、税引き後の営業利益 約 13.8 億ドルに対し約 44.5 億ドルで、ROIC は約 31%。事業そのものは設備がほとんど要らず(capex は売上の 4%)、利益のほぼ全部を株主へ返せる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
市場は「指数・ベンチマーク」「リスク分析」「ESG・気候」「未公開資産データ」の 4 つの別々の市場に分かれる。
指数と ABF:世界の株式パッシブ運用の拡大が原動力。MSCI 連動の ETF 資産は 15 か月で 1 兆ドル増えて 2.8 兆ドル超、2026 年 4〜6 月期の流入は約 400 億ドル、非 ETF のパッシブ(年金・機関投資家の指数運用)が約 5 兆ドル。2026 年 4〜6 月期は ABF が +26.6%、指数部門の売上が +17.5%と加速した。ただし、売上の伸びの大半は株高による残高の増加で、株価が下がれば逆回転する。料率は、運用会社の値下げ競争(ETF の信託報酬の低下)と、低料率商品へのシフトで毎年少しずつ下がる。2026 年 4〜6 月期の ABF の料率低下は新興国の資金が弱く、低料率の先進国・全世界型に偏ったためと会社が説明した。
カスタム指数・ヘッジファンド:運用会社が自社用に作る指数(ダイレクト・インデックスなど)の需要が伸び、定期購読で +23%(買収の Compass を除く)。ヘッジファンド向けは +19%。
分析:運用会社のリスク管理の予算は安定して伸びるが、AI が分析を自動化する流れの影響を受ける。2026 年に入り、アンスロピック(Anthropic)の業務自動化プラグインの発表でデータ・分析会社の株価が急落した。MSCI は『Index AI Insights』(顧客 1,000 社超)を出し、AI 向けの学習ライセンスも初めて結んだが、規模は小さい。
サステナビリティと気候:米国で ESG の運用が後退し、2026 年は米州で解約が続く(当面の新規は 0〜微減の見込み)。競合の撤退(ESG 評価から手を引く会社)でシェアは取れるが、市場自体が小さくなる。気候の物理リスク(洪水・山火事)のデータは伸びており、約 0.1 億ドルの定期購読を持つファースト・ストリート(First Street)を買収中。
プライベート・アセット:未公開資産が運用会社の中心になるにつれ、データと分析の需要は強い。定期購読 +16%。
競争の形:指数は MSCI・S&P ダウ・ジョーンズ(S&P グローバル傘下)・FTSE ラッセル(ロンドン証券取引所グループ)の三強。ABF は S&P 500 連動が大型 ETF の主力で、MSCI は世界・新興国で強く、米国の主要 ETF(SPY・VOO・IVV)は S&P 500 の資産が多い。分析はブルームバーグ、ファクトセット、モーニングスターなど。
資本政策と M&A
還元が非常に積極的。2025 年は配当 5.6 億ドルと自社株買い 24.8 億ドルを合わせて 30.4 億ドルで、純利益 12.0 億ドルの約 2.5 倍。差額は借入(債務は 62 億ドル、2026 年に入り増加)で賄った。2026 年 4〜6 月期から翌日までに 1.47 億ドルを買い戻した。配当は 2025 年が 5.6 億ドルで配当性向は 5 割弱、毎年増やす方針である。
財務の余力は薄くなっている。調整後 EBITDA の約 3.3 倍まで借入が積み上がり、2026 年の利息は当初見込み 2.7〜2.8 億ドルから 2.82〜2.86 億ドルへ上方修正された。借入の金利は借り換えのたび 5.75% 前後へ上がる(今は 3.6〜4% 台が中心)。
M&A:中規模の買収を繰り返す。バージェス(2023 年)、リアルキャピタル・アナリティクス、Compass(カスタム指数)、フェブリック(Fabric)、ファースト・ストリート(2026 年 7〜9 月完了見込み)。価格は高めだが、大型の買収で価値を壊したことはまだない。サステナビリティ分野のトゥルコスト(2019 年)・カーボン・デルタ(2020 年)は、米国の ESG 後退で買収時の想定より伸びていない。
ブラックロックとの ETF 契約は 2035 年 3 月まで延長された(以降 3 年ごとの自動更新)。料率は 2026〜27 年に下限が下がるが、更新を確保した意味は大きい(最大顧客の離脱リスクが当面なくなる)。 なお、決算期末後に実行済みの自社株買い 5.8 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元(payout_oku)からは除いてある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
指数は MSCI ACWI と EM が世界の機関投資家の共通語で、乗り換えれば過去との比較が切れる。ETF 資産は 15 か月で 1 兆ドル増え、非 ETF のパッシブ約 5 兆ドルが ETF へ移る余地もある。世界の株式の運用は 10 年で実質 1.9 倍に増え、ABF は売上が今の 2.5 倍になる。料率は下がっても、残高の伸びが上回る。
カスタム指数は +23%、ヘッジファンド向けは +19% と、運用会社が独自の指数を作る需要が構造的に伸びている。プライベート・アセットは定期購読 +16% で、未公開資産が運用の中心に移るなかで MSCI は指数とデータの両方を持つ数少ない会社になる。
AI については、MSCI は 1,000 社超に『Index AI Insights』を提供し、初の学習ライセンスも結んだ。AI の入口が増えても、その裏で使われるデータは MSCI のものなので、データを持つ会社が AI 企業へ売る側に回れる。費用は固定的で、売上の増加分の約 8 割が利益になる。
この見方なら 10 年後の純利益は約 30 億ドル、今の約 2.5 倍。ROIC から直した ROE は約 35% でも、利益ベースの式の PER の上限は約 21 倍で、その 8.5 割の 18.1 倍がつくと時価総額は約 534 億ドルと今の約 1.3 倍。還元を含めた年率は 7.3% で、楽観でも資本コスト 8.0% にはわずかに届かない。
慎重な見方
ABF は株高の最大の受益者で、同時に最大のリスク。2008 年は株価が山から谷で 60%、2022 年は 38% 下がった。ABF は費用がほぼ変わらないので、株価が 3 割下がれば利益も同じくらい落ちる。直近の +26% は一過性の高さで、流入の約 400 億ドルも次の下落で逆回転する。
料率は一方向に下がる。ブラックロックとの契約は 2035 年まで延びたが、そのために巨大 ETF の下限を下げた。低料率の先進国・全世界型へ資金が偏り、運用会社の信託報酬の競争と、FTSE ラッセル・S&P ダウ・ジョーンズの値下げが重なると、10 年で料率は物価に対して 3 割以上削られる。
アナリティクス(売上の約 23%)は AI が席数ベースの契約を奪う典型で、サステナビリティは米国の反発で縮む。プライベート・アセットは買収の償却が重く、営業利益率はまだ 1 割弱。
最後に財務。債務 62 億ドルは調整後 EBITDA の約 3.3 倍、自己資本は赤字、借り換えは 5.75% 前後。純利益の 2.5 倍を還元した 2025 年は異常な年で、続ければ 10 年後に純負債は 2 倍になる。この見方では 10 年後の純利益は約 12〜20 億ドル、PER も 15〜16 倍に縮む。
どちらに重みを置いたか
指数の堀は強いが、ABF の利益の約 4 割を占める料率と株価の動きは MSCI が決められず、アナリティクスとサステナビリティは AI と米国の反発で堀が薄い。強気の言い分(ABF の継続・カスタム指数)はこれまでの実績に裏付けられ強いが、式の倍率で見ると今の値段がすでに 10 年の強気を織り込んでいるため、悲観・やや悲観を厚めの 3 割強(32%)に置いた。確率は楽観側 34%・中立 34%・悲観側 32%。倍率は式の上限の 8.5 割前後で、10 年の価値は今の時価総額を約 16% 下回る。強気の言い分がやや強いが、慎重な見方も実績から外れていない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 545.71 ドル397 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 321.21 ドル234 億ドル)。 今の値に割り戻すと 471.38 ドル343 億ドル、今との差 −24.0%、 期待の年率 +3.4%(資本コスト 8.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 733.52 ドル534 億ドル | 405.49 ドル295 億ドル | +83.6% | +6.3% | 113.90 ドル83 億ドル |
| やや楽観 | 24% | 652.47 ドル475 億ドル | 365.66 ドル266 億ドル | +64.2% | +5.1% | 244.35 ドル178 億ドル |
| 中立 | 34% | 582.42 ドル424 億ドル | 331.32 ドル241 億ドル | +47.3% | +4.0% | 310.67 ドル226 億ドル |
| やや悲観 | 20% | 447.80 ドル326 億ドル | 279.12 ドル203 億ドル | +17.2% | +1.6% | 145.38 ドル106 億ドル |
| 悲観 | 12% | 234.89 ドル171 億ドル | 203.57 ドル148 億ドル | −29.3% | −3.4% | 52.62 ドル38 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 545.71 ドル397 億ドル | 321.21 ドル234 億ドル | +39.8% | +3.4% | 866.92 ドル631 億ドル |
今の株価時価総額 620.24 ドル452 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:ABF が 4.5 兆ドル規模に、指数は料率を守る 利益 30 億ドル · PER 18.1 倍 · 株価時価総額 733.52 ドル534 億ドル
2035 年に売上約 73 億ドル(年 +8.8%)、純利益約 29.5 億ドル。ABF は連動 ETF 資産が実質で 1.95 倍(株式の実質リターン年 +4% と純流入年 +3%)、料率は物価についていけず 1.41 倍にならず 1.30 倍(ブラックロックとの下限と低料率商品へのシフト)で売上 19.5 億ドル。指数の定期購読は契約 1.5 倍、価格は物価+実質 +6% で 23.1 億ドル(カスタム指数・ヘッジファンドが牽引)、分析は AI を取り込み 1.28 倍・価格 +5% で 13.5 億ドル、プライベート・アセットは 2.5 倍で 10.4 億ドル(利益率 30%)。AI 企業へデータをライセンスする収益も加わる。競合には FTSE ラッセル・S&P に対する新興国・世界の指数の位置を守り、シェアは少し上がる。
- 指数:資産連動料(ABF):数量 4.7(MSCI 連動 ETF の資産(実質、2025 年の物価で、兆ドル)。2025 年平均を約 2.4 兆ドルとする(2026 年 6 月は 2.8 兆ドル超))× 価格 4.17(1 兆ドルあたりの売上(億ドル)= 約 3.2 bp 相当)→ 売上 20 億ドル・営業利益 19 億ドル。連動資産(実質)×料率。料率はブラックロック契約の下限・低料率商品へのシフトで物価に届かない
- 指数:定期購読(指数データ・カスタム指数):数量 13.7(指数の定期購読契約(千件相当・推定))× 価格 1.69(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 15 億ドル。契約数×単価
- アナリティクス:数量 7.7(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.76(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 6 億ドル。契約数×単価
- サステナビリティと気候:数量 4.8(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.27(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。契約数×単価
- プライベート・アセット(その他):数量 7.5(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.39(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 3 億ドル。契約数×単価
倍率:式の PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。自己資本がマイナスのため ROE は ROIC から出した(ROIC = 税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 + 前受収益。のれんを含む)で 35%。レバレッジの上乗せはせず ROIC をそのまま式の ROE に使い、40% 超は使っていない)。k 8.00%(基本 8.0% + quality 0.00%)。この筋書きの長い伸びは 5.0%(実質の市場 +2.5%・シェア +0.5%・価格は物価から ABF の料率低下を引いた分)。決まりで g は 4.0% までに収める。RONIC = k + 2/3 ×(ROIC − k)= 26.1%(指数の堀で、資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る)、g 4.0% で (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 正当化 PER 21.2 倍。指数と分析の契約収入で安定し、運用資産に連動する手数料も持つ一方、分析は AI で揺らぐので、上限の 8.6 割の PER 18.1 倍に置いた。
確率:強気の言い分(ABF の継続・カスタム指数・AI 向け供給)が全部実現する形で 1 割。
やや楽観 24% やや楽観:ABF は年 +6%、分析は AI を取り込む 利益 26 億ドル · PER 18.0 倍 · 株価時価総額 652.47 ドル475 億ドル
2035 年に売上約 67 億ドル(年 +8.0%)、純利益約 26.4 億ドル。ABF は ETF 資産が実質 1.83 倍、料率は 1.24 倍(物価 1.41 倍に届かず)で 17.5 億ドル。指数の定期購読は契約 1.46 倍・価格 1.47 倍で 21.9 億ドル、分析は 1.21 倍・価格が物価+3.5% で 12.6 億ドル、サステナビリティは安定して 5.7 億ドル、プライベート・アセットは 2.3 倍で 9.5 億ドル。営業利益率は 60.4%。競合に対して、指数の三強は変わらず、分析のシェアは小さく取る。
- 指数:資産連動料(ABF):数量 4.4(MSCI 連動 ETF の資産(実質、2025 年の物価で、兆ドル)。2025 年平均を約 2.4 兆ドルとする(2026 年 6 月は 2.8 兆ドル超))× 価格 3.99(1 兆ドルあたりの売上(億ドル)= 約 3.2 bp 相当)→ 売上 18 億ドル・営業利益 17 億ドル。連動資産(実質)×料率。料率はブラックロック契約の下限・低料率商品へのシフトで物価に届かない
- 指数:定期購読(指数データ・カスタム指数):数量 13.1(指数の定期購読契約(千件相当・推定))× 価格 1.66(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 14 億ドル。契約数×単価
- アナリティクス:数量 7.3(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.74(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 6 億ドル。契約数×単価
- サステナビリティと気候:数量 4.5(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.26(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 2 億ドル。契約数×単価
- プライベート・アセット(その他):数量 6.9(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.37(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 3 億ドル。契約数×単価
倍率:式の PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。自己資本がマイナスのため ROE は ROIC から出した(ROIC = 税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 + 前受収益。のれんを含む)で 34%。レバレッジの上乗せはせず ROIC をそのまま式の ROE に使い、40% 超は使っていない)。k 8.00%(基本 8.0% + quality 0.00%)。この筋書きの長い伸びは 4.5%(実質の市場 +2.0%・シェア +0.5%・価格は物価から料率低下を引いた分)。決まりで g は 4.0% までに収める。RONIC = k + 2/3 ×(ROIC − k)= 25.5%(指数の堀で、資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る)、g 4.0% で (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 正当化 PER 21.1 倍。指数と分析の契約収入で安定し、運用資産に連動する手数料も持つ一方、分析は AI で揺らぐので、上限の 8.5 割の PER 18.0 倍に置いた。
確率:強気が主要部分で当たり、AI の影響が小さくて済む形。
中立 34% 中立:ABF は市場の成長、データは物価並み、料率は下がる 利益 24 億ドル · PER 17.9 倍 · 株価時価総額 582.42 ドル424 億ドル
2035 年に売上約 62 億ドル(年 +7.1%)、純利益約 23.7 億ドル(今の約 2.0 倍)。ABF は ETF 資産が実質 1.71 倍、料率は物価に届かず 1.20 倍(1.41 倍 × 0.85)で 15.8 億ドル。指数の定期購読は契約 1.40 倍・価格 1.45 倍で 20.7 億ドル、分析は 1.15 倍・価格 1.44 倍で 11.8 億ドル、サステナビリティは 5.3 億ドル(米国の反発と競合の撤退でほぼ物価並みの成長)、プライベート・アセットは契約 2.07 倍・価格 1.45 倍で 8.4 億ドル(利益率 24%)。営業利益率 58.8%。競合の FTSE ラッセル・S&P・ブルームバーグに対し、指数の位置は保ち、分析は 3 番手争いを続ける。
- 指数:資産連動料(ABF):数量 4.1(MSCI 連動 ETF の資産(実質、2025 年の物価で、兆ドル)。2025 年平均を約 2.4 兆ドルとする(2026 年 6 月は 2.8 兆ドル超))× 価格 3.85(1 兆ドルあたりの売上(億ドル)= 約 3.2 bp 相当)→ 売上 16 億ドル・営業利益 15 億ドル。連動資産(実質)×料率。料率はブラックロック契約の下限・低料率商品へのシフトで物価に届かない
- 指数:定期購読(指数データ・カスタム指数):数量 12.6(指数の定期購読契約(千件相当・推定))× 価格 1.64(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 21 億ドル・営業利益 13 億ドル。契約数×単価
- アナリティクス:数量 6.9(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.71(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 5 億ドル。契約数×単価
- サステナビリティと気候:数量 4.3(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.25(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。契約数×単価
- プライベート・アセット(その他):数量 6.2(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.35(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。契約数×単価
倍率:式の PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。自己資本がマイナスのため ROE は ROIC から出した(ROIC = 税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 + 前受収益。のれんを含む)で 33%。レバレッジの上乗せはせず ROIC をそのまま式の ROE に使い、40% 超は使っていない)。k 8.00%(基本 8.0% + quality 0.00%)。この筋書きの長い伸びは 4.5%(実質の市場 +2.0%・シェア 0・価格は物価から料率低下を引いた分)。決まりで g は 4.0% までに収める。RONIC = k + 2/3 ×(ROIC − k)= 24.7%(指数の堀で、資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る)、g 4.0% で (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 正当化 PER 21.0 倍。指数と分析の契約収入で安定し、運用資産に連動する手数料も持つ一方、分析は AI で揺らぐので、上限の 8.5 割の PER 17.9 倍に置いた。
確率:強気の見方と慎重な見方の落としどころ。MSCI の指数の堀は保たれ、ABF の料率低下を物価成長が上回る。
やや悲観 20% やや悲観:料率の下落が続き、AI で分析が伸び悩む 利益 20 億ドル · PER 16.2 倍 · 株価時価総額 447.80 ドル326 億ドル
2035 年に売上約 55 億ドル(年 +5.7%)、純利益約 20.1 億ドル。ABF は ETF 資産が実質 1.55 倍だが、料率が 1.13 倍(物価 1.41 倍 × 0.80)まで下がり 13.5 億ドル。指数の定期購読は料率が物価並み(価格 1.41 倍)で契約 1.32 倍、18.9 億ドル。分析は AI の席数減で契約 1.05 倍・価格が物価に届かず 10.5 億ドル、サステナビリティは契約が減り 4.8 億ドル、プライベート・アセットは買収の統合が遅れ 7.1 億ドル(利益率 18%)。営業利益率 56.2%。借入の金利が 5.75% で利息が約 5.7 億ドルに増える。
- 指数:資産連動料(ABF):数量 3.7(MSCI 連動 ETF の資産(実質、2025 年の物価で、兆ドル)。2025 年平均を約 2.4 兆ドルとする(2026 年 6 月は 2.8 兆ドル超))× 価格 3.63(1 兆ドルあたりの売上(億ドル)= 約 3.2 bp 相当)→ 売上 13 億ドル・営業利益 13 億ドル。連動資産(実質)×料率。料率はブラックロック契約の下限・低料率商品へのシフトで物価に届かない
- 指数:定期購読(指数データ・カスタム指数):数量 11.9(指数の定期購読契約(千件相当・推定))× 価格 1.59(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 19 億ドル・営業利益 11 億ドル。契約数×単価
- アナリティクス:数量 6.3(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.66(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 4 億ドル。契約数×単価
- サステナビリティと気候:数量 3.9(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.22(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約数×単価
- プライベート・アセット(その他):数量 5.4(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.31(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約数×単価
倍率:式の PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。自己資本がマイナスのため ROE は ROIC から出した(ROIC = 税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 + 前受収益。のれんを含む)で 31%。レバレッジの上乗せはせず ROIC をそのまま式の ROE に使い、40% 超は使っていない)。k 8.00%(基本 8.0% + quality 0.00%)。この筋書きの長い伸びは 4.0%(実質の市場 +1.5%・シェア −0.5%・価格は物価から 0.5% 低い分)。RONIC = k + 2/3 ×(ROIC − k)= 23.5%(指数の堀で、資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る)、g 4.0% で (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 正当化 PER 20.8 倍。指数と分析の契約収入で安定し、運用資産に連動する手数料も持つ一方、分析は AI で揺らぐので、上限の 7.8 割の PER 16.2 倍に置いた。
確率:料率低下と AI の影響が強めに出る形。慎重な見方が優勢。
悲観 12% 悲観:料率競争と AI で、物価以上に上げる力が消える 利益 12 億ドル · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 234.89 ドル171 億ドル
2035 年に売上約 40 億ドル(年 +2.4%)、純利益約 11.6 億ドル。ABF は ETF 資産が実質 1.3 倍に伸びても、料率が 0.68 倍(物価 1.41 倍 × 0.68 = 0.96 倍、名目で下がる。FTSE ラッセルや運用会社の自前指数との料率競争、ブラックロックの下限引き下げ)で 9.6 億ドル。指数の定期購読は契約 1.10 倍・価格 1.30 倍で 14.5 億ドル、分析は AI が席数ベースの契約を奪い契約 0.8 倍で 7.1 億ドル(利益率 30%)、サステナビリティは契約 0.75 倍で 3.4 億ドル(利益率 15%)、プライベート・アセットは 5.2 億ドル。営業利益率は 49.5% まで下がる。借入 90 億ドルの利息が重く、もう『物価以上に値上げできる優良企業』とは呼べない。
- 指数:資産連動料(ABF):数量 3.1(MSCI 連動 ETF の資産(実質、2025 年の物価で、兆ドル)。2025 年平均を約 2.4 兆ドルとする(2026 年 6 月は 2.8 兆ドル超))× 価格 3.08(1 兆ドルあたりの売上(億ドル)= 約 3.2 bp 相当)→ 売上 10 億ドル・営業利益 9 億ドル。連動資産(実質)×料率。料率はブラックロック契約の下限・低料率商品へのシフトで物価に届かない
- 指数:定期購読(指数データ・カスタム指数):数量 9.9(指数の定期購読契約(千件相当・推定))× 価格 1.47(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 8 億ドル。契約数×単価
- アナリティクス:数量 4.8(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.48(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。契約数×単価
- サステナビリティと気候:数量 3.0(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.12(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約数×単価
- プライベート・アセット(その他):数量 4.2(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.25(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。契約数×単価
倍率:式の PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。自己資本がマイナスのため ROE は ROIC から出した(ROIC = 税引き後営業利益 ÷(自己資本 + 純負債 + 前受収益。のれんを含む)で 28%。レバレッジの上乗せはせず ROIC をそのまま式の ROE に使い、40% 超は使っていない)。k 8.00%(基本 8.0% + quality 0.00%)。この筋書きの長い伸びは 3.5%(実質の市場 +1.0%・シェア −1.0%・価格は物価並み)。RONIC = k + 2/3 ×(ROIC − k)= 21.4%(指数の堀で、資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る)、g 3.5% で (1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g) = 正当化 PER 18.6 倍。指数と分析の契約収入で安定し、運用資産に連動する手数料も持つ一方、分析は AI で揺らぐので、上限の 7.9 割の PER 14.7 倍に置いた。
確率:MSCI のベンチマークが ABF の料率競争と AI の両方で侵食される構造的な負けを 1 割強と置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
指数:資産連動料(ABF)
MSCI 指数に連動する ETF・投信の純資産に対し、数 bp の料率で入る使用料。
| 数量MSCI 連動 ETF の資産(実質、2025 年の物価で、兆ドル)。2025 年平均を約 2.4 兆ドルとする(2026 年 6 月は 2.8 兆ドル超) | 価格1 兆ドルあたりの売上(億ドル)= 約 3.2 bp 相当 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.4 | 3.21 | 8 | 7 |
| 10 年後 中立 | 4.1 | 3.85 | 16 | 15 |
取り方:2025 年の資産連動料 7.71 億ドル(開示)。連動 ETF 資産の 2025 年平均を約 2.4 兆ドル(年初の約 2.1 兆ドルから年末の約 2.6 兆ドルへ増えた推定)とし、7.71 ÷ 2.4 = 約 3.21 億ドル/兆ドル(約 3.2 bp。先物・OTC の料も含めて ETF 資産に換算)。部門の調整後 EBITDA(指数は 13.66 億ドル)のうち ABF は費用がほぼ増えないため約 7.4 億ドルと推定(利益率 95%)。ブラックロックの iShares が最大。2026 年 4〜6 月期は +26.6%。
指数:定期購読(指数データ・カスタム指数)
指数のデータ・ベンチマークの使用料、カスタム指数、ヘッジファンド向けなどの年間契約。
| 数量指数の定期購読契約(千件相当・推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 9.0 | 1.13 | 10 | 6 |
| 10 年後 中立 | 12.6 | 1.64 | 21 | 13 |
取り方:指数部門の売上 17.87 億ドルから ABF 7.71 億ドルを引いた 10.16 億ドル(定期購読と非定期の合計)。契約を約 9 千件・1 件あたり約 113 万ドル(推定)と置いた。調整後 EBITDA は 13.66 − 7.4 = 約 6.26 億ドル、減価償却を引いた営業利益 5.96 億ドル(利益率 59%)。2026 年 4〜6 月期の定期購読は +11%、維持率 97% 超、カスタム指数 +23%、ヘッジファンド +19%。
アナリティクス
リスク管理・ポートフォリオ分析のソフトとデータ。
| 数量有料の契約(千件相当・推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 6.0 | 1.19 | 7 | 3 |
| 10 年後 中立 | 6.9 | 1.71 | 12 | 5 |
取り方:2025 年の売上 7.14 億ドル、調整後 EBITDA 3.43 億ドル(47.9%)。減価償却を約 0.65 億ドル配分し営業利益 2.78 億ドル(39%)。契約を約 6 千件・1 件あたり約 119 万ドル(推定)と置いた。2026 年 4〜6 月期は有機 +7%。ブルームバーグ、ファクトセットなどと競う。
サステナビリティと気候
ESG 格付け・気候リスクのデータと指数。
| 数量有料の契約(千件相当・推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.0 | 0.88 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 4.3 | 1.25 | 5 | 2 |
取り方:2025 年の売上 3.54 億ドル、調整後 EBITDA 1.28 億ドル(36.3%)。買収の無形資産の償却など約 0.45 億ドルを配分し営業利益 0.84 億ドル(24%)。契約を約 4 千件・1 件あたり約 88 万ドル(推定)と置いた。2026 年は米州の解約が続き、新規はゼロ〜微減が見込み。気候は +12%。
プライベート・アセット(その他)
未公開株・不動産のデータと分析(バージェスなど)。
| 数量有料の契約(千件相当・推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3.0 | 0.93 | 3 | 0 |
| 10 年後 中立 | 6.2 | 1.35 | 8 | 2 |
取り方:2025 年の売上 2.79 億ドル、調整後 EBITDA 0.69 億ドル(24.9%)。買収の無形資産の償却が重く、約 0.46 億ドルを配分して営業利益 0.23 億ドル(8%)。契約を約 3 千件・1 件あたり約 93 万ドル(推定)と置いた。定期購読は 2026 年 4〜6 月期に +16%。
リスクと懸念
株価の下落が ABF と指数を直撃
ABF(部門利益の約 4 割)は連動する ETF の資産に比例する。株価が 3 割下がれば ABF の売上も同じくらい落ち、費用がほぼ変わらないため利益はほぼ同じだけ減る。2008 年は株価が山から谷で −60%、2022 年は −38% 下がった。直近の加速は株高に支えられた部分が大きい。
料率(bp)の下落と最大顧客ブラックロックの交渉力
2026〜27 年にブラックロックとの契約で巨大 ETF の下限が下がり、低料率の先進国・全世界型へ資金が偏る。契約は 2035 年まで延びたが、更新のたびに料率が下がる。ABF の料率は物価に届かない前提とした(10 年で 0.85 倍の実質)。
AI によるアナリティクスとデータの置き換え
2026 年 2 月にアンスロピックのプラグイン発表で株価が急落した。分析(売上の約 23%)は席数ベースの契約が減る可能性がある。MSCI は AI 向けデータの供給者になる道(学習ライセンス・Index AI Insights)を探るが、売上はまだ小さい。
サステナビリティと気候の縮小
米国で ESG が後退し、米州で解約が続く。今後 2 四半期の新規はゼロ〜微減の見込みで、買収した価値(トゥルコスト・カーボン・デルタなど)が償却と減損の対象になる可能性がある。売上の約 11%、利益率は低い。
借入の増加と借り換えの金利上昇
債務は 62 億ドル(調整後 EBITDA の約 3.3 倍)で、自己資本は −26.5 億ドル。2026 年は買い戻しと買収で利息の見通しが上がった(2.82〜2.86 億ドル)。借り換えは 5.75% 前後で、10 年後は全部が新しい金利になる。景気後退で EBITDA が落ちると、借入倍率が 4 倍近くに上がる。
買収の連続とのれん
バージェス・リアルキャピタル・Compass・Fabric・ファースト・ストリートと中規模の買収が続く。プライベート・アセットは利益率 25%(EBITDA)にとどまり、買収の償却が営業利益を圧迫する。高い値段で買うと価値を壊す。
競合(FTSE ラッセル・S&P・運用会社の自前指数)
運用会社がダイレクト・インデックスや自前のカスタム指数に切り替えると、指数のデータ料が下がる。S&P ダウ・ジョーンズや FTSE ラッセルとの値下げ競争も起こりうる。指数の定期購読の価格は物価+実質 +2〜3% 程度までにとどめた。
今後の分かれ目
- MSCI 連動 ETF の資産が 2 四半期続けて前年比でマイナスになる(株価の調整)
- ABF の売上が落ち、中立から悲観寄りへ。やや悲観・悲観の確率を厚くする。費用が減らないので利益の落ち方が売上より大きい。
- ブラックロックが MSCI 連動の主力 ETF の一部を他社の指数へ切り替える、または ABF の料率下限がさらに下がる
- ABF の料率を物価の実質 0.8 倍以下へ置き直し、本質価値を 1 割以上下げる。
- アナリティクスの更新率が 90% を割る、または AI 企業が MSCI データを大規模にライセンスする契約を結ぶ
- 前者はやや悲観・悲観を厚くし、後者は楽観の確率を上げる(AI が敵か買い手かの分かれ目)。
- サステナビリティと気候の定期購読ランレートが前年比でマイナスに転じ、ファースト・ストリートの上乗せを打ち消す
- サステナビリティの売上を実質で縮小へ置き直す(全社の売上に対する影響は 1% 台)。
- 債務が調整後 EBITDA の 4 倍を超えて買い戻しを続ける
- 景気後退時の財務が薄くなり、借り換え金利 5.75% で純利益が減る。k は上げず、悲観の深さに反映する。
- 運用会社の ETF の信託報酬の競争が激しくなり、ETF 全体の平均料率が年 5% 以上下がる
- ABF の料率の低下を年 −1.7% から −3% へ置き直し、10 年後の ABF の売上が約 2 割減る。
見ておくもの
- MSCI 連動 ETF の資産残高と四半期の純流入、ABF の料率(bp)
- 指数・アナリティクスの定期購読ランレートと維持率(97% 超・95% 超を保てるか)
- サステナビリティと気候の新規と解約(米州)
- 調整後 EBITDA 率(62% 前後を保てるか)
- 債務の調整後 EBITDA 倍率と、自社株買いの平均価格
- ブラックロック契約の改定の影響(2026〜27 年)と AI 向けライセンスの開示
倍率と資本コストの決め方
今の PER 34.5 倍(2025 年の GAAP 純利益)・自己資本マイナスを見ずに、5 部門を数量×価格で積んで純利益を出し、倍率は利益ベースの正当化 PER((1 − g/RONIC)/(k − g)、RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k))の 8〜8.5 割で置いた。k は基本 8.0% + quality 0%(運用資産連動の循環 +0.25%、指数の値決め力 −0.5%、自社株買いの借入 +0.25%)の 8.0%、g は決まりの 4%(k − g = 4.0%)。ROE は自己資本が赤字のため ROIC(のれんを含む投下資本:自己資本+純負債+前受収益)から出し、28〜35% で 40% 超は使っていない。倍率を割り引かず、下げる理由は g と ROIC に入れた。純利益は GAAP(株式報酬・償却は費用)。調整後 EPS ではなく GAAP で比べている。結果は今の値段を約 16% 下回り、やや割高。今の時価総額(約 414 億ドル)に寄せてはいない。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。内訳は cycle +0.25・pricing -0.50・debt +0.25・life +0.00(%)で、理由は quality_why。β は使わない。個別の懸念(運用資産の縮み・生成 AI によるデータの置き換え・借入の金利)は k に足さず、筋書きの数量・利益率と確率で表した。