結論
ジャック・ヘンリーは、米国の中小の銀行・信用組合向けに、勘定系のコア(預金・貸出の基幹システム)、デジタルバンキング(Banno)、カード・振込・即時決済の処理を一括して提供する会社である。2026 年 6 月期の売上は 25.4 億ドル(+7.1%)、GAAP の営業利益は 6.35 億ドル(率 25.0%)、純利益は 5.03 億ドル。売上の大半が数年にわたる継続契約で、借金はほぼない(借入 0.4 億ドル・現金 0.1 億ドル)。顧客はコアだけで約 1,650 行。
売上は「顧客の銀行・信用組合の数 × 1 行あたり売上」で組み立てた。数は、米国の金融機関が合併で年 2% 前後減る向かい風と、競合から取るコアの受注(2026 年 6 月期は過去最高の 58 件)によるシェアの上昇が打ち消し合い、中立では年 −0.4%。1 行あたり売上は、物価 3.5% の約 9 割を転嫁する値上げ条項と、クラウド移行・デジタル・決済の利用の深まりで年 +5.0%。合わせて売上は 10 年で年 +5.1%、GAAP の純利益は 5.0 億ドルから 8.6 億ドルへ。
利益ベースの式(k 7.5%、g 4%、ROE 24.5%、乗り換えの重さから資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る強い堀)の中立の正当化 PER は 10 年後で約 22.5 倍、その 8.8 割の約 19.8 倍に置き、時価総額は約 171 億ドルで今の約 1.6 倍。バリュー投資の観点では、事業の質(切り替えの重さ・借金なし・高い資本効率)は高く、割れるのは「合併で数が減る世界で顧客数を保てるか」と「AI を使った新しいコアが堀を削るか」の 2 点。そこで悲観・やや悲観の確率を合わせて 10 年で 31% と置いた。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず「10 年後もあるか」を問う。ある。銀行は消えず、口座を動かす基幹と決済の処理は金融の土台。「今より強いか」も、中小の銀行に特化した 1 社完結という位置と、競合の乗り換え需要(ファイサーブの不調)で、堀は守られ、少し広がっている。
オーナー利益は GAAP の純利益 5.0 億ドルと、フリーキャッシュフロー 5.4 億ドルがほぼ同じで、成長にいる投資を引いても 8〜9 割は株主に出せる。借金がなく、のれんも小さく、株式報酬を費用に入れても利益率は 25%。資本配分は、買収で壊さず、株価が下がった時に自社株買いを増やす点が評価できる。
懸念は「顧客の数が合併で減る」という構造。これは数のシェアを上げることで打ち消しており、足元はそれができているが、続く保証はない。もう 1 つは、倍率。利益ベースの式(k 7.5%、g 4%、ROE 24.5%)なら中立で PER 19.8 倍。この倍率は「ほぼ確実に伸び続ける事業」に払う値段で、確信度が欠かせない。分かりやすい事業か、と問われれば、はい。確信度は中〜高。安全域は、時価総額 110 億ドルに対して中立で約 1.6 倍だが、悲観(10 年で 48 億ドル)では半値以下になるので、悲観・やや悲観を 31% と厚く置いて結果を見る。
何で稼ぐ会社か
事業は 3 つの塊で成り立つ。第 1 は、コア(勘定系)とその上の補完製品。コアは銀行・信用組合の預金・貸出・会計を動かす基幹で、入れ替えに数年かかり、失敗すれば取引全体が止まる。補完製品は、デジタルバンキング(Banno)・不正対策・貸出の審査・資金管理など。2026 年 6 月期の売上は、コア 7.7 億ドルと補完 7.5 億ドルを合わせて 15.2 億ドル。コアには保守・ホスティング(自社のプライベートクラウドで運用する形)の料金が含まれ、クラウドへの移行が進むほど 1 行あたりの料金が上がる。
第 2 は決済(9.4 億ドル)。顧客の銀行の口座から出る支払い——デビット・クレジットのカード処理、ACH、小切手、即時決済(FedNow・RTP)、法人向けの決済——を処理し、取引件数に連動する。2026 年 6 月期の決済セグメントの利益率は 48.8%(研究開発費・販管費を配る前)。
第 3 は本社サービス(0.9 億ドル)。機器の再販など。ここに全社の費用の一部が載る。
セグメントの利益は、会社が開示する「研究開発費と販管費を引く前の利益」から、その 2 つの費用(合計 4.76 億ドル)を売上の比で配って営業利益に直した(コア・補完 6.35 億ドル、決済 2.75 億ドル、全社調整 −2.75 億ドル。合計は営業利益 6.35 億ドル)。顧客の数(コア顧客)を共通の「数量」にし、決済・補完の売上のうち非コア顧客から入る分は、1 行あたり売上に含めた。競合はファイサーブ(Fiserv)・フィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシーズ(FIS)・フィナストラ(Finastra)・コアレーション(Corelation)、デジタルではキューツー(Q2)・アルカミ(Alkami)。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 は切り替えの費用。コアの入れ替えは数年がかりで、銀行は失敗を恐れ、契約の更新率は高い。一方、競合から取る受注は増えており(2026 年 6 月期に 58 件、過去最高)、経営はコアのシェアが銀行で 8 年間に +17%、信用組合で +40% 上がったと述べる(会社の説明)。第 2 は「中小の銀行に最適な 1 社完結」という位置。ファイサーブ・FIS が大手に力を入れ、サービスの質が落ちたと感じる銀行が JKHY へ移る流れがある(2026 年はファイサーブが見通しを 2 度下げ、金融機関向けの解約が増えた)。第 3 は高い利益率。コアと補完のセグメント利益率は 60% 前後、決済も 49%。
資本効率は高い。研究開発と設備に年 2.5 億ドル近く(ソフトの資産計上 1.8 億ドル+設備 0.7 億ドル)を使うが、フリーキャッシュフローは 5.4 億ドルで純利益を上回る。借金なし。株主資本が 20.5 億ドルと小さいのは自社株買いを積み重ねたためで、帳簿の ROE は 24.5%。のれんは小さい。
弱い点。①顧客が銀行・信用組合に限られ、その数は合併で減り続ける。②FY26 の利益率の改善には、医療費と手数料の一時的な軽さが入っており、FY27 の GAAP 営業利益率は 24.5〜24.7% と下がる見通し。③解約・統合の手数料(FY26 は 0.43 億ドル、営業利益に 0.30 億ドル)は一時的で、FY27 は約 0.23 億ドルへ減る。④コアの更新で大口の顧客が値引きを求める。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の銀行は約 4,400、信用組合は約 4,300(合わせて約 8,700 機関。推定)。毎年 2% 前後が合併で消え、残った銀行は規模が大きくなる。顧客を失うのは JKHY にとって逆風だが、合併の相手が JKHY の顧客なら顧客が大きくなって 1 行あたり売上が増え、解約の際に手数料(deconversion)も入る。経営は統合を「構造的に中立〜プラス」と見る。
コアは、ファイサーブ・FIS・JKHY の大手 3 社と、フィナストラ・コアレーションなどが競う。銀行の IT 支出は、規制対応(不正対策・即時決済)・デジタル体験・クラウド化に向かい、物価(3.5%)に実質 1〜2% を足して伸びる。新しい脅威は、クラウドで一から作った新しいコア(ソート・マシン(Thought Machine)・マンブ(Mambu))と、AI を使った開発でコアを作りやすくする動き。ただし銀行は規制と安定のため乗り換えに慎重で、新興のコアは大手銀行向けから入り、中小の銀行向けでは JKHY が強い。
決済は、カードの取引件数(現金からカードへの移行・物価)と、即時決済(FedNow・RTP・ゼル(Zelle))の伸びで年 +6〜7%。逆風は、デビットの交換手数料の規制(Credit Card Competition Act など)と、ステーブルコイン・口座間決済による価格の低下。JKHY は交換手数料そのものを受け取るネットワークではなく、処理の手数料なので、規制の直撃は弱い。
2026 年は、AI がソフトウェア会社の堀を壊すという不安で株価が下がった(年初の時価総額 136 億ドル → 110 億ドル前後)。ただし銀行のコアは規制・データ・接続の塊で、AI で置き換わるのは遅い、と見る。
資本政策と M&A
資本政策は堅実。借金は最小(FY26 末で 0.4 億ドル)で、フリーキャッシュフロー(FY26 は 5.4 億ドル)を、配当(1.7 億ドル)と自社株買い(4.5 億ドル)に回す。FY26 は株価が下がった局面で自社株買いを増やし(4〜6 月期は 1.6 億ドル)、株数は年 1〜1.5% 減っている。株式報酬の分の新株も出るので、この分析は純利益を株式報酬を費用にした GAAP で置き、還元は「純利益の合計から、伸びに要る投資を引いた額」で書いた。
M&A は小型の買収(FY26 は 0.4 億ドル。決済・デジタル・不正対策)が中心で、FY27 の見通しは買収・売却なしの前提。大型の買収で価値を壊した歴史はなく、資本配分は保守的。
買われる側としては、時価総額 110 億ドルは大きすぎず、反トラスト(ファイサーブ・FIS は買い手になりにくい)と、顧客の銀行との関係の壁がある。ファイナンス投資家(LBO)には、継続契約が厚く借金がないので魅力的に見えうるが、成立していない話は筋書きに入れていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
コアの受注は過去最高の 58 件で、10 億ドル超の資産の機関(ウッドフォレスト銀行は過去最大)にも広がっている。ファイサーブ・FIS のコアに不満を持つ銀行が JKHY へ動く流れが続き、顧客の数は合併で減る分を上回って増える。しかも獲得する顧客が大きくなるので、1 行あたり売上が上がる。Banno(デジタル)は、JKHY のコアを使わない銀行にも売れ始め(デジタル専業銀行の契約、コア外の銀行と契約間近)、コアに縛られない成長の道が開く。
決済は、即時決済(FedNow・RTP)・カードの取引件数の増加・法人決済で年 +6〜7% が続く。コアと決済が一緒に使われるほど、1 行あたり売上が増え、切り替えがさらに重くなる。借金がなくフリーキャッシュフローが純利益を上回るので、株主還元の余力が大きい。
今の値段は、AI がソフトウェアの堀を壊すという一般的な不安で下がったもので、銀行のコアは規制・データ・接続の塊で、AI で置き換わるのは遅い。式で、利益が年 +6%(売上 +5.1〜6.6%、利益率の改善)で伸びれば、倍率が式の値(約 22 倍)に届くだけで、今の値段の 2 倍を超える。
慎重な見方
顧客の数は構造的に減る。銀行の合併は続き、合併の相手が JKHY の顧客でなければ、顧客と売上を失う。FY26 の解約手数料(0.43 億ドル、営業利益 0.30 億ドル)は一時的で、FY27 は 0.23 億ドルへ減る。FY26 の利益率の改善には医療費と手数料の一時的な軽さが含まれ、FY27 の営業利益率は下がる見通し。
コアの競争は厳しくなる。クラウド型の新しいコア(ソート・マシン・マンブ)と、AI を使って低い費用で作られるコアが、更新の時の値付けを押し下げ、契約の値上げの上限が物価(3.5%)を下回る。ファイサーブ・FIS は、不調でも値引きで取り返しに来る。デビットの交換手数料の規制が決済の価格を押し下げる火種もある。
式の倍率は高い。k 7.5%(基本 8.0% から強い堀の分だけ下げた下限)・g 4% で PER は 19.8 倍。金利 5% の世界では k がもう少し高くても不思議はない。そして今の GAAP PER 22 倍は決して安くなく、その分「当然に伸び続ける」ことを織り込む。顧客の数が減るなら、1 行あたりの値上げが物価についていけるかが分かれ目で、分からない。
どちらに重みを置いたか
事業の質(切り替えの重さ・借金なし・競合の不調による受注)を評価し、中立を 10 年で 36% と最大にした。一方、顧客の数が減る構造と、AI が堀を削る可能性、倍率の高さ(利益ベースの式で PER 19.8 倍)には慎重な言い分が強い。そこで楽観・やや楽観を 33%、やや悲観 20%・悲観 11% とし、悲観は構造的に負ける(顧客数が 3 割以上減り、価格も上がらない)深さにした。倍率は式の 8.8 割に置き、不確かさは確率と悲観の深さに入れた。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 212.61 ドル153 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 72.26 ドル52 億ドル)。 今の値に割り戻すと 153.49 ドル111 億ドル、今との差 −5.1%、 期待の年率 +5.8%(資本コスト 7.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 314.40 ドル227 億ドル | 77.73 ドル56 億ドル | +142.4% | +9.3% | 35.29 ドル25 億ドル |
| やや楽観 | 24% | 274.84 ドル198 億ドル | 76.34 ドル55 億ドル | +117.0% | +8.1% | 84.28 ドル61 億ドル |
| 中立 | 36% | 237.50 ドル171 億ドル | 74.96 ドル54 億ドル | +93.1% | +6.8% | 112.48 ドル81 億ドル |
| やや悲観 | 20% | 127.70 ドル92 億ドル | 70.79 ドル51 億ドル | +22.7% | +2.1% | 39.70 ドル29 億ドル |
| 悲観 | 11% | 66.49 ドル48 億ドル | 52.75 ドル38 億ドル | −26.3% | −3.0% | 13.12 ドル9 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 212.61 ドル153 億ドル | 72.26 ドル52 億ドル | +76.1% | +5.8% | 284.87 ドル205 億ドル |
今の株価時価総額 161.80 ドル117 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 9% 楽観:コア受注が加速し、大きな顧客が増えて 1 行あたり売上が年 +6% 台で伸びる 利益 11 億ドル · PER 21.5 倍 · 株価時価総額 314.40 ドル227 億ドル
10 年後(2036 年 6 月期)、売上は 48.4 億ドル(年 +6.6%)、GAAP 営業利益 13.7 億ドル(率 28.2%)、純利益 10.5 億ドル。顧客数は競合からの乗り換えが合併を上回り 1,690 行(年 +0.2%)、しかも 10 億ドル超の銀行が増えて、コア・補完の 1 行あたり売上が 10 年で 1.80 倍(値上げ 1.33 倍 × 利用の深さ 1.35 倍)。決済は件数の増加と即時決済で 1 行あたり 2.02 倍。コア・補完 28.0 億ドル、決済 19.4 億ドル。規模と Banno のコア外販売で利益率は改善。借金はなく、純利益から伸びに要る投資(約 21.1 億ドル)を引いた約 56 億ドルを株主に返す。10 年目以降の g は 4.1%(顧客数の減少が年 −0.3%、1 行あたり売上 +4.4%)。
- コア・補完(銀行・信用組合の勘定系コアとデジタル・不正対策・貸出などの補完製品):数量 1,690(顧客の銀行・信用組合の数(米国の金融機関約 8,700 × JKHY のシェア約 19%))× 価格 0.02(1 行あたり売上(値上げ × 利用の深さ。クラウド移行・モジュールの追加))→ 売上 28 億ドル・営業利益 12 億ドル。数×1 行あたり売上
- 決済(カード処理・振込・即時決済・デジタル決済):数量 1,690(顧客の銀行・信用組合の数(コア顧客の基準に揃える))× 価格 0.01(1 行あたり決済売上(取引件数 × 1 件の単価。値上げ × 件数の増え方))→ 売上 19 億ドル・営業利益 6 億ドル。数×1 行あたり売上
- 本社サービス(ハードウェア・周辺):数量 1,690(顧客の銀行・信用組合の数)× 価格 0.00(1 行あたり売上)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数×1 行あたり売上
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.50%)。事業の ROE 25.3%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 42 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 19.4%、g 4.0%(銀行向けの口座数は実質横ばい〜微増、価格は物価並みで、決済・クラウドが上乗せ。長期の名目は 4% 前後)。式の値は 22.7 倍で、これが検査の上限になる。乗り換えの重さから、基幹処理の契約は長く続き、値上げも通りやすい。借金が軽く、利益の質は高いが、小さな銀行の合併で顧客数が細る。 上限の 9 割の 21.5 倍に置いた。
確率:コア受注の勢いが続き、決済の伸びも保たれる展開。複数の条件が必要で 9%。
やや楽観 24% やや楽観:顧客数はほぼ維持、1 行あたり売上が年 +5.5% で伸びる 利益 10 億ドル · PER 20.8 倍 · 株価時価総額 274.84 ドル198 億ドル
10 年後、売上は 44.5 億ドル(年 +5.7%)、GAAP 営業利益 12.4 億ドル(率 27.8%)、純利益 9.5 億ドル。顧客数は 1,640 行(年 −0.06%)でほぼ維持され、コア・補完の 1 行あたり売上は 1.69 倍(値上げ 1.33 倍 × 利用の深さ 1.27 倍)、決済は 1.93 倍。コア・補完 25.5 億ドル、決済 17.9 億ドル。コアと補完の利益率は規模で 44%、決済は 32%。ファイサーブ・FIS の不調から続く乗り換えの受注と、解約手数料の低位な推移が前提。10 年目以降の g は 4.0%(顧客数 −0.4%、1 行あたり売上 +4.4%)。
- コア・補完(銀行・信用組合の勘定系コアとデジタル・不正対策・貸出などの補完製品):数量 1,640(顧客の銀行・信用組合の数(米国の金融機関約 8,700 × JKHY のシェア約 19%))× 価格 0.02(1 行あたり売上(値上げ × 利用の深さ。クラウド移行・モジュールの追加))→ 売上 26 億ドル・営業利益 11 億ドル。数×1 行あたり売上
- 決済(カード処理・振込・即時決済・デジタル決済):数量 1,640(顧客の銀行・信用組合の数(コア顧客の基準に揃える))× 価格 0.01(1 行あたり決済売上(取引件数 × 1 件の単価。値上げ × 件数の増え方))→ 売上 18 億ドル・営業利益 6 億ドル。数×1 行あたり売上
- 本社サービス(ハードウェア・周辺):数量 1,640(顧客の銀行・信用組合の数)× 価格 0.00(1 行あたり売上)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数×1 行あたり売上
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.50%)。事業の ROE 24.7%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 39 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 19.0%、g 4.0%(銀行向けの口座数は実質横ばい〜微増、価格は物価並みで、決済・クラウドが上乗せ。長期の名目は 4% 前後)。式の値は 22.5 倍で、これが検査の上限になる。乗り換えの重さから、基幹処理の契約は長く続き、値上げも通りやすい。借金が軽く、利益の質は高いが、小さな銀行の合併で顧客数が細る。 上限の 9 割の 20.8 倍に置いた。
確率:堀が保たれ、値上げと利用の深まりが計画どおり出る展開。24%。
中立 36% 中立:顧客数は年 −0.4%、1 行あたり売上が年 +5% で伸び、売上は年 +5% 利益 9 億ドル · PER 19.8 倍 · 株価時価総額 237.50 ドル171 億ドル
10 年後、売上は 42.0 億ドル(年 +5.1%)、GAAP 営業利益 11.2 億ドル(率 26.7%)、純利益 8.6 億ドル。米国の金融機関の数は 8,700 から約 6,800 へ(年 −2.4%)、JKHY のシェアは 19% から 23% へ上がり、顧客数は 1,585 行(年 −0.4%)。コア・補完の 1 行あたり売上は 1.66 倍(値上げ 1.33 倍 × 利用の深さ 1.25 倍。クラウド移行・Banno・大きな顧客への偏り)で 24.3 億ドル、決済は 1.86 倍(値上げ 1.33 倍 × 件数 1.40 倍)で 16.7 億ドル。利益率はコア・補完 43%、決済 31%、全社調整は売上比 10.5%。借金なしで、純利益から伸びに要る投資を引いた約 54 億ドルを配当と自社株買いで返す。解約手数料は低位。
- コア・補完(銀行・信用組合の勘定系コアとデジタル・不正対策・貸出などの補完製品):数量 1,585(顧客の銀行・信用組合の数(米国の金融機関約 8,700 × JKHY のシェア約 19%))× 価格 0.02(1 行あたり売上(値上げ × 利用の深さ。クラウド移行・モジュールの追加))→ 売上 24 億ドル・営業利益 10 億ドル。数×1 行あたり売上
- 決済(カード処理・振込・即時決済・デジタル決済):数量 1,585(顧客の銀行・信用組合の数(コア顧客の基準に揃える))× 価格 0.01(1 行あたり決済売上(取引件数 × 1 件の単価。値上げ × 件数の増え方))→ 売上 17 億ドル・営業利益 5 億ドル。数×1 行あたり売上
- 本社サービス(ハードウェア・周辺):数量 1,585(顧客の銀行・信用組合の数)× 価格 0.00(1 行あたり売上)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数×1 行あたり売上
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.50%)。事業の ROE 24.5%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 35 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 18.8%、g 4.0%(銀行向けの口座数は実質横ばい〜微増、価格は物価並みで、決済・クラウドが上乗せ。長期の名目は 4% 前後)。式の値は 22.5 倍で、これが検査の上限になる。乗り換えの重さから、基幹処理の契約は長く続き、値上げも通りやすい。借金が軽く、利益の質は高いが、小さな銀行の合併で顧客数が細る。 上限の 9 割の 19.8 倍に置いた。
確率:足元(顧客数ほぼ横ばい・1 行あたり売上 +5〜7%)の延長で、成長が鈍る。切り替えの重さと受注の実績で最大の 36%。
やや悲観 20% やや悲観:合併と新しいコアで顧客数が年 −1.5%、値上げも物価に届かない 利益 6 億ドル · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 127.70 ドル92 億ドル
10 年後、売上は 33.5 億ドル(年 +2.8%)、GAAP 営業利益 8.2 億ドル(率 24.5%)、純利益 6.3 億ドル。合併が加速して顧客が合併の相手(JKHY 以外のコア)へ移り、クラウド型の新しいコアにも取られ、顧客数は 1,420 行(年 −1.5%)。更新の値引きで値上げは物価の 9 割に届かず 10 年 1.30 倍、利用の深さは 1.15 倍。決済は件数の伸びが鈍り 1.63 倍。コア・補完 19.6 億ドル、決済 13.1 億ドル。固定費の重さで利益率は下がり、コア・補完 41%、決済 29%。10 年目以降の g は 3.3%(顧客数 −1.5%、1 行あたり売上 +4.9%)。
- コア・補完(銀行・信用組合の勘定系コアとデジタル・不正対策・貸出などの補完製品):数量 1,420(顧客の銀行・信用組合の数(米国の金融機関約 8,700 × JKHY のシェア約 19%))× 価格 0.01(1 行あたり売上(値上げ × 利用の深さ。クラウド移行・モジュールの追加))→ 売上 20 億ドル・営業利益 8 億ドル。数×1 行あたり売上
- 決済(カード処理・振込・即時決済・デジタル決済):数量 1,420(顧客の銀行・信用組合の数(コア顧客の基準に揃える))× 価格 0.01(1 行あたり決済売上(取引件数 × 1 件の単価。値上げ × 件数の増え方))→ 売上 13 億ドル・営業利益 4 億ドル。数×1 行あたり売上
- 本社サービス(ハードウェア・周辺):数量 1,420(顧客の銀行・信用組合の数)× 価格 0.00(1 行あたり売上)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数×1 行あたり売上
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.50%)。事業の ROE 23.7%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 27 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 18.3%、g 4.0%(銀行向けの口座数は実質横ばい〜微増、価格は物価並みで、決済・クラウドが上乗せ。長期の名目は 4% 前後)。式の値は 22.3 倍で、これが検査の上限になる。乗り換えの重さから、基幹処理の契約は長く続き、値上げも通りやすい。借金が軽く、利益の質は高いが、小さな銀行の合併で顧客数が細る。 上限の 7 割の 14.6 倍に置いた。
確率:合併で顧客が減り、更新の値引きが続く展開。AI を使った新しいコアの懸念も入れ 20%。
悲観 11% 悲観:構造的に負ける。顧客数が 3 割減り、価格も上がらず利益率が落ちる 利益 3 億ドル · PER 16.5 倍 · 株価時価総額 66.49 ドル48 億ドル
10 年後、売上は 21.3 億ドル(年 −1.8%)、GAAP 営業利益 3.8 億ドル(率 17.7%)、純利益 2.9 億ドル。構造的に負ける。AI を使って低い費用で作られた新しいコアと、ファイサーブ・FIS の値引き攻勢、顧客の合併で、顧客数は 1,150 行(年 −3.5%)まで減る。更新の値引きとデビットの交換手数料の規制で、価格は 10 年 1.15 倍にとどまり、利用の深まりも 1.05 倍だけ。コア・補完 12.8 億ドル、決済 7.9 億ドル。固定費のかかる事業の規模が縮み、利益率はコア・補完 35%、決済 22%。もう中小の銀行の定番ではなくなっている。ROE は 14%。
- コア・補完(銀行・信用組合の勘定系コアとデジタル・不正対策・貸出などの補完製品):数量 1,150(顧客の銀行・信用組合の数(米国の金融機関約 8,700 × JKHY のシェア約 19%))× 価格 0.01(1 行あたり売上(値上げ × 利用の深さ。クラウド移行・モジュールの追加))→ 売上 13 億ドル・営業利益 4 億ドル。数×1 行あたり売上
- 決済(カード処理・振込・即時決済・デジタル決済):数量 1,150(顧客の銀行・信用組合の数(コア顧客の基準に揃える))× 価格 0.01(1 行あたり決済売上(取引件数 × 1 件の単価。値上げ × 件数の増え方))→ 売上 8 億ドル・営業利益 2 億ドル。数×1 行あたり売上
- 本社サービス(ハードウェア・周辺):数量 1,150(顧客の銀行・信用組合の数)× 価格 0.00(1 行あたり売上)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数×1 行あたり売上
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.50%(基本 8.0% + quality -0.50%)。事業の ROE 14.1%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 20 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 11.9%、g 4.0%(銀行向けの口座数は実質横ばい〜微増、価格は物価並みで、決済・クラウドが上乗せ。長期の名目は 4% 前後)。式の値は 19.0 倍で、これが検査の上限になる。乗り換えの重さから、基幹処理の契約は長く続き、値上げも通りやすい。借金が軽く、利益の質は高いが、小さな銀行の合併で顧客数が細る。 上限の 9 割の 16.5 倍に置いた。
確率:構造的に負け、顧客の数と価格が同時に下がる展開。処理会社の悲観として 11%(借金がなく、ファイサーブ・FIS の 15〜18% より低い)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
コア・補完(銀行・信用組合の勘定系コアとデジタル・不正対策・貸出などの補完製品)
銀行・信用組合の預金と貸出の基幹システム(コア)と、その上に載るデジタルバンキング(Banno)・不正対策・貸出・会計などの補完製品。多年の継続契約と保守・ホスティングの料金が中心。
| 数量顧客の銀行・信用組合の数(米国の金融機関約 8,700 × JKHY のシェア約 19%) | 価格1 行あたり売上(値上げ × 利用の深さ。クラウド移行・モジュールの追加) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1,650 | 0.01 | 15 | 6 |
| 10 年後 中立 | 1,585 | 0.02 | 24 | 10 |
取り方:2026 年 6 月期。売上は、コア 7.685 億ドル+補完 7.522 億ドル = 15.207 億ドル(決算リリース)。数量 = コア顧客の数 約 1,650 行(銀行 900 超+信用組合 700 超、10-K)、価格 = 売上 ÷ 顧客数 = 1 行あたり 約 92 万ドル。数は、米国の機関 約 8,700(推定)× シェア 約 19% と見て、機関数が年 −2% 前後で減り、シェアは競合からのコア受注で年 +2% 弱上がり、純の顧客数は年 −0.4% と置いた(中立)。価格は物価の 10 年 1.41 倍に対し、契約の上げ幅条項が物価の約 9 割(10 年 1.33 倍)、さらに利用の深さ(クラウド移行・Banno・モジュール追加・大きな顧客への偏り)で 10 年 1.25 倍と置いた。営業利益は、セグメント利益(コア 4.636 億+補完 4.655 億 = 9.291 億)から、研究開発費 1.764 億と販管費 2.992 億(合計 4.756 億)の売上比の配分(61.9% = 2.944 億)を引いた 6.347 億ドル。FY26 の売上には解約手数料 0.43 億ドルが入り、FY27 は約 0.23 億ドルへ減る。競合はファイサーブ・FIS・フィナストラ・コアレーション・ソート・マシン・マンブ。
決済(カード処理・振込・即時決済・デジタル決済)
顧客の銀行・信用組合の口座から出る支払いの処理。デビット・クレジットのカード処理、ACH、小切手、即時決済(FedNow・RTP)、法人向けの決済。取引件数に連動する。
| 数量顧客の銀行・信用組合の数(コア顧客の基準に揃える) | 価格1 行あたり決済売上(取引件数 × 1 件の単価。値上げ × 件数の増え方) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1,650 | 0.01 | 9 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1,585 | 0.01 | 17 | 5 |
取り方:2026 年 6 月期の決済セグメントの売上 9.360 億ドル、決算リリース。数量 = コア顧客の数(約 1,650 行)に揃え、決済は非コア顧客(約 5,600)からの売上も入るので、1 行あたり売上(約 57 万ドル)に含めた。価格 = 取引件数 × 単価。物価の転嫁は、契約の値上げ条項で 10 年 1.33 倍(物価 1.41 倍の約 9 割)、取引件数・即時決済の利用の増加で 10 年 1.40 倍と置いた。営業利益は、セグメント利益 4.565 億ドル(率 48.8%)から、研究開発費・販管費の売上比の配分(38.1% = 1.812 億)を引いた 2.753 億ドル(率 29.4%)。決済の売上は FY26 4 四半期目 +6〜7%。競合はファイサーブ・FIS・グローバル・ペイメンツ・フィナストラ。
本社サービス(ハードウェア・周辺)
機器の再販、周辺サービス。売上は小さく、全社の費用の置き場所にもなる。
| 数量顧客の銀行・信用組合の数 | 価格1 行あたり売上 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1,650 | 0.00 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,585 | 0.00 | 1 | 0 |
取り方:本社サービス(ハードウェア再販・周辺)の売上 0.877 億ドル(決算リリース)。営業利益は、セグメント利益 −2.748 億ドル(本社の費用を含む)を、全社の調整(adjust)として別に置き、このセグメントの営業利益は 0 とした。数量は顧客の数、価格は 1 行あたり売上(約 5 万ドル)。物価並みに上がらず、10 年で 1.18 倍と置いた。
リスクと懸念
顧客の数が合併で減り続ける
米国の銀行・信用組合は毎年 2% 前後が合併で消える。合併の相手が JKHY のコアを使わなければ、顧客と売上を失う。解約手数料(FY26 は 0.43 億ドル、FY27 は約 0.23 億ドル)は一時的で補いきれない。JKHY のシェアが年 2% 上がらなければ、顧客数は 10 年で 2 割減り、売上の伸びが 1〜2 ポイント下がる。
AI と新しいコアによる堀の削れ
クラウドで一から作ったコア(ソート・マシン・マンブなど)と、AI を使った開発でコアを作る費用が下がり、更新の時の値引きと値上げの上限が下がりうる。2026 年は AI への不安でソフトウェア株が下がった。銀行の乗り換えは遅いが、10 年の間には大手以外にも広がりうる。
コアの競争(ファイサーブ・FIS の反攻)
ファイサーブ・FIS は 2026 年に不調で、JKHY は競合から 58 件のコアを取ったが、立て直しに入れば値引きで取り返しに来る。コアの更新の値引きと、大口の顧客(10 億ドル超の機関)の値付け交渉が強まると、1 行あたり売上と利益率が下がる。
倍率の高さ(利益ベースの式で PER 19.8 倍)
利益ベースの式の中立の倍率は PER 19.8 倍で、今の GAAP PER 22 倍よりは低いが、「ほぼ確実に伸び続ける」前提の値段である。k は強い堀の分だけ下げた 7.5% で、金利 5% の世界で k がもう少し高ければ価値は 2 割以上下がる。成長が鈍ると倍率が先に縮む。
決済の価格(規制・ステーブルコイン)
デビット・クレジットの交換手数料の規制(Credit Card Competition Act)、口座間の即時決済、ステーブルコインが、カードの処理単価と件数を押し下げうる。JKHY はネットワークではなく処理の手数料なので直撃は弱いが、顧客の銀行の収益が減れば IT 支出も絞られる。
FY26 の利益率の一時的な押し上げ
FY26 の利益率の改善には、医療費と手数料の一時的な軽さと、解約手数料(営業利益 0.3 億ドル)が含まれる。FY27 の会社見通しは GAAP 営業利益率 24.5〜24.7%(FY26 は 25.0%)と下がる。この分析の中立は FY27 から緩やかに利益率が上がると置いたので、ずれれば利益が 1 割ほど下振れする。
サイバーと稼働停止
銀行の基幹を動かすため、システム障害やサイバー攻撃は契約解除や賠償に直結しうる。コアをクラウド(自社のホスティング)に集めるほど 1 回の影響が大きい。障害の際は顧客の銀行への補償や、契約更新時の値引き要求、規制当局の指摘による追加の投資費用が重なり、利益率を押し下げる。
今後の分かれ目
- 次の決算(2026 年 7〜9 月期、11 月初め)で、コア受注が 15 件前後を保ち、売上の伸びが 6% 前後で解約手数料を除いても加速したら
- 中立〜やや楽観の確率を上げる。10 年の悲観を 11% から 8% 前後へ下げる。
- コア顧客数(銀行 900・信用組合 700)が 2 年続けて減ったら
- シェアの上昇が合併の減少を上回れていない証拠。やや悲観の確率を上げ、中立の顧客数の置き方(年 −0.4%)を 1 ポイント下げる。
- 大手銀行(10 億ドル超の資産の顧客)が、新しいクラウド型のコアへ移った事例が複数出たら
- 堀の削れが始まった合図。1 行あたり売上の伸び(利用の深さ)を下げ、やや悲観・悲観の確率を上げる。
- FY27 の通期見通し(売上 +5.5〜6.5%、営業利益率 24.5〜24.7%)を上げたら
- FY26 の押し上げの一部が一時的でなかった確認。中立の利益率を 0.5〜1 ポイント上へ。
- デビットの交換手数料を下げる法律(Credit Card Competition Act の成立)、またはステーブルコインでカード処理が置き換わる動きが進んだら
- 決済の単価・件数を下げ、決済の 1 行あたり売上の伸びを物価より低くする。やや悲観の確率を上げる。
- 買収提案(LBO・同業の統合)が報じられたら
- 成立しない提案は筋書きに入れない。成立すれば今の時価総額より高く決まる可能性が高いが、規模と反トラストが壁。
見ておくもの
- コア受注の件数(競合から取った分)とコア顧客数(銀行・信用組合)
- 1 行あたり売上(売上 ÷ コア顧客数)の伸びと解約手数料の額
- 決済セグメントの売上の伸び(カード・即時決済の件数)
- GAAP 営業利益率(FY27 見通し 24.5〜24.7%)と医療費・手数料の一時要因
- クラウド型の新しいコア・AI コアが大手銀行で採用された事例
- 米国の銀行・信用組合の合併の件数(FDIC・NCUA の統計)
倍率と資本コストの決め方
今の PER(GAAP で 22 倍)や時価総額 110 億ドルを見る前に、顧客の数(米国の金融機関数 × JKHY のシェア)× 1 行あたり売上(値上げ × 利用の深さ)で売上を積み、研究開発・販管費を配った利益率から GAAP の純利益を出し、ROE・g・k 7.5% から利益ベースの正当化 PER を出し、その 8.8 割に倍率を置いた。結果として中立で今の約 1.6 倍になるのは、借金がなく堀が強いので k が基本より 0.5% 低く、乗り換えの重さから資本コストを超える稼ぎが残る割合も 2/3 と高いため。割り引いて今に寄せることはせず、顧客数の減少・AI・値引きの不確かさは確率(悲観・やや悲観を 10 年で 31%)と悲観の深さ(顧客数 3 割減)に入れた。同じ領域のファイサーブ(k 9.0%・中立 PER 10.7 倍)や FIS(k 8.75%・12.1 倍)と並べると倍率は大きく違うが、違いは借金と堀の差による k(7.5% と 8.75〜9.0%)と ROE・g で説明できる。コーペイ(k 8.75%・中立 13.2 倍)と並べても、k の低い順に倍率が高い並びになっている。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality -0.50% = 7.50%。内訳は cycle +0.00・pricing -0.25・debt +0.00・life -0.25(%)で、理由は quality_why。β は使わない。個別の懸念(銀行の合併・乗り換え・AI)は k に足さず、筋書きの数量・利益率と確率で表した。