結論
インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)は、ブレント原油・欧州ガス(TTF)・ユーリボー金利先物など世界の指標になる先物取引所とニューヨーク証券取引所(NYSE)を持つ取引所グループで、債券の評価価格・インデックス・CDS 清算を扱うデータ事業と、2023 年に買収したブラックナイトを核にした住宅ローン基盤(組成の Encompass、サービシングの MSP)を併せ持つ。2025 年の純売上は 99.3 億ドル(前年比 +7%、20 年連続の過去最高)、GAAP の営業利益は 49.3 億ドル(営業利益率 50%)、GAAP 純利益は 33.2 億ドル。取引所は営業利益率 74% と突出して高く、債券・データは 39%、住宅ローン基盤は買収の償却を引いたあとで 1% にとどまる。年 9.9 億ドルの買収無形資産の償却が GAAP 利益を押し下げており、これが減るほど GAAP の利益は伸びる。
2026 年は中東情勢でブレントの取引量と建玉が 3 月に過去最高を付けたが、4〜6 月期のエネルギー売上は前年比 −13% と山が剥がれた。上半期の GAAP 純利益に入った持分投資の評価益(約 4 億ドル)は営業の実力ではないので、利益の土台に入れていない。
数量×価格で 9 つの塊を積むと、中立の 10 年後は純売上 約 166.3 億ドル(年 +5.3%)、純利益 約 63.5 億ドル。取引と清算の集中で、資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る強い堀になる。資本コスト 8.0%(基本 8.0% + quality 0%)・g 4%・ROE 16.9% の式から正当化 PER は約 17.8 倍で、その 8.2 割の約 14.6 倍を中立に置いた。確率を掛けて割り引いた本質価値は今の時価総額を約 27% 下回り、期待の年率は 3.3% と資本コストに届かず、総合は『やや割高』になる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後を問う。エネルギー・金利・債券の価格を管理したい資金、債券の評価価格を必要とする運用会社、上場の場は 10 年後も存在し、ICE の指標とデータの堀は広がることはあっても狭まりにくい。弱いのは住宅ローン基盤で、金利と住宅市場の山谷に収益が揺れ、AI で作り直されるリスクがある。
オーナー利益:GAAP 純利益 33 億ドルは買収無形資産の償却 9.9 億ドル(税引き後約 7.5 億ドル)を引いた後の数字で、償却は現金支出がない。一方で設備投資と資本化したソフトの開発費は年 8 億ドル弱かかり、FCF は 39 億ドルと純利益を上回る。株主に届く利益は GAAP より少し厚い。
資本配分:成長のために大型買収を重ねてきたが、ブラックナイトの統合は相乗効果の目標を引き上げながら進み、今は買い戻しを優先している。レバレッジは目標の範囲に戻った。
安全域:利益ベースの式の PER は中立 10 年で 14.6 倍と今の GAAP の PER(28 倍)よりかなり低く、10 年の価値は今の時価総額を 27% 下回る。安全域は無く、今の値段を正当化するには楽観寄りの筋書きが要る。住宅市場とエネルギーの両方が悪い年が重なる点に確信度を下げた。確信度は中。
何で稼ぐ会社か
売上は 3 つのセグメントから成る(2025 年の純売上。取引費用を引いたあと)。
取引所(54.1 億ドル、営業利益率 74%):エネルギー先物(21.8 億ドル。ブレント・ガスオイル・TTF・WTI・北米ガス・排出権)、金融先物と農産物・金属・OTC など(12.4 億ドル。ユーリボー・英国債・砂糖・コーヒー・綿花・MSCI 指数先物)、取引所データと接続(10.3 億ドル。価格データの配信とコロケーション)、NYSE の上場手数料(4.9 億ドル)、現物株と株オプションの取引(4.7 億ドル)。取引は 1 枚ごとの手数料で、清算機関(ICE クリア・ヨーロッパなど)も自前で持つ。
債券・データ事業(24.2 億ドル、営業利益率 39%):債券の評価価格・参照データ・インデックス(12.3 億ドル。ICE のインデックスに連動する ETF の運用資産は 7,940 億ドル)、ネットワーク・データ技術(7.2 億ドル)、CDS の清算(3.4 億ドル)、債券の取引基盤(1.3 億ドル)。8 割が契約型の継続収入。
住宅ローン基盤(21.0 億ドル、調整後の営業利益率 41%):組成ソフトの Encompass(ローン 1 件ごとの手数料と年間契約)、サービシングソフトの MSP(管理する借り手 1 件あたりの料金)、クロージング、住宅ローン関連データ。金利が下がって組成が増える年に取引収入が伸びる。
営業費用は GAAP で 50.0 億ドル、うち減価償却・償却が 15.6 億ドル(買収無形資産の償却 9.9 億ドル)。営業外では支払利息 8.0 億ドル、受取利息 1.2 億ドルで、借入は 196 億ドル。
優良さと弱いところ
堀は事業ごとに質が違う。1 つ目は指標の堀。ブレントと TTF は世界の原油・ガス価格の基準として契約が結び付けられており、この指標を別の取引所に移すのは建玉の厚み・清算の相互証拠金・契約の規格が絡んで難しい。ユーリボーも同じ。2 つ目はデータの堀。債券の評価価格と参照データは、運用会社や銀行の評価・リスク管理・規制報告の流れに埋め込まれ、契約更新率が高く毎年の値上げが通る。3 つ目は NYSE のブランドと上場の網で、上場が増えれば取引・データ・上場手数料に広がる。
資本効率:取引所は営業利益率 74% と高いが、全社の GAAP ROE は 11.5% にとどまる。自己資本 289 億ドルの中に、NYSE(2013 年)・インタラクティブ・データ(2015 年)・エリー・メイ(2020 年)・ブラックナイト(2023 年)の買収ののれん 306 億ドルと無形資産 148 億ドルが入っているため。買収が成長の手段でもあるので、ROE からのれんは除いていない。
弱みは 3 つ。1 つ目、住宅ローン基盤は金利と住宅市場に左右され、組成ソフトではファニーメイ・フレディマック・ブレンド・コンステレーション傘下のオプティマル・ブルーなどが競う(FTC の同意で ICE は 10 年間、組成システムを買い足せない)。2 つ目、エネルギーは原油の山と谷に取引量が左右され、2026 年 4〜6 月期は売上が −13%。3 つ目、AI がデータとソフトの価値を動かす(内製化と、AI が使う価格データへの新しい需要の両面)。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
取引所は数量(取引枚数・建玉)と 1 枚あたりの手数料で売上が決まる。エネルギーはヘッジ需要が地政学で急に増え、2025 年に ICE の先物・オプションは 23 億枚(+13%)、エネルギー全体の 1 日平均取引量は +15%(ブレント +11%・WTI +10%・TTF +22%)で過去最高になり、2026 年 3 月にもブレントの建玉は 830 万枚の最高を付けた。ただし 4〜6 月期のエネルギー売上は −13% で、山の後は取引量が戻る。
構造の変化は 4 つある。第 1 に米国債の清算。ICE クリア・クレジットが 2026 年 2 月に SEC の承認を受け、現物の米国債の清算が稼働した(レポは次段階)。CME グループも自前で参入し、2027 年 1 月の義務化に向けて米国債の清算機関が 1 社から複数に増える。第 2 に予測市場とトークン化。ICE は 2025 年 10 月にポリマーケットへ最大 20 億ドルを出資し(2026 年 3 月に 6 億ドル目を実行)、データの世界販売権を得た。NYSE はトークン化証券の基盤の承認を目指す。第 3 にデータの AI 化。AI の学習・分析に使う価格データの新しい買い手が増える一方、自前でデータを作る内製化も進む。第 4 に住宅ローン。組成の正常化は年 700 万〜1,000 万件とされ、金利が下がれば組成が増える。
競合の位置:エネルギーは CME グループ(WTI・米国ガス)、ユーロネクスト・ユーレックス(欧州ガス・電力)。債券データは LSEG・ブルームバーグ・S&P グローバル・MSCI。NYSE はナスダックと上場を競う。住宅ローン基盤は先に挙げた各社と競う。
資本政策と M&A
還元:2025 年は自社株買い 13 億ドルと配当 11 億ドル超、合計 24 億ドル(GAAP 純利益の約 7 割)。配当は +6% 引き上げた。2026 年 7 月に買い戻し枠を 40 億ドルへ増やし、上半期の買い戻しは 12 億ドル。負債は 196 億ドルで、調整後 EBITDA の 3.0 倍(2024 年末は 3.3 倍)へ下げた。
M&A が成長の道具:2013 年に NYSE ユーロネクストを買収(のちに欧州部分を分離上場)、2015 年にインタラクティブ・データ、2020 年にエリー・メイ、2023 年にブラックナイトを買収した。ブラックナイトは FTC の同意でオプティマル・ブルーと組成システム Empower を売却して成立し、費用の相乗効果は 2025 年末で年 2.3 億ドル、2028 年の目標を 2.75 億ドルへ引き上げた。大型買収は今のところ控え、出資(ポリマーケット)と自社株買いが中心。
2026 年の費用の見通しは GAAP で 51.4〜51.8 億ドル、設備投資は約 8.5 億ドル(データセンター・不動産を含む)。実効税率は 24〜26%。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
取引所の指標は崩れない。2025 年は先物・オプションが 23 億枚で過去最高、エネルギーの 1 日平均取引量が +15%、TTF は +22%。2026 年 3 月のブレントの建玉は 830 万枚の最高を付け、地政学リスクとエネルギー移行の不確実性が続く限りヘッジは増える。債券データは、運用資産 7,940 億ドル(+20%)の ICE インデックス連動 ETF、評価価格・参照データの契約更新と値上げで年 +8% 台、AI 企業向けの新しい買い手も加わる。
米国債の清算は ICE が 2026 年 2 月に参入して稼働し、2027 年 1 月の義務化で現物・レポ・先物に広がれば、取引所と清算の収益が増える。ポリマーケットのデータ配信権と NYSE のトークン化も、まだ収益に入っていない上振れ。住宅ローン基盤は、金利が下がれば組成が年 700 万〜1,000 万件の正常化の水準へ戻り、取引収入が数億ドル増える。買収の償却が減り、ブラックナイトの相乗効果が 2.75 億ドルに届けば、GAAP の営業利益率は取引所 80%・債券データ 50%・住宅ローン 30% へ上がる。
この見方では 10 年後の純利益は約 88.0 億ドルで、式の上限の 9 割の PER 17.2 倍がつき、時価総額は 1,516 億ドルと今の約 1.6 倍になる。
慎重な見方
2026 年は中東情勢が押し上げた特殊な年で、4〜6 月期のエネルギー売上は前年比 −13% と、山の後の落ち込みがもう見えている。取引所の価格を物価に合わせて上げ続けられる保証はなく、同業の CME グループは平均手数料が 2025 年から 2026 年に 5% 下がった。ICE も段階料金と大口割引で単価に圧力がかかる。
債券データは AI で価値が二分される。評価価格や指標のデータは、AI 企業が自前で作る、競合(LSEG・ブルームバーグ・S&P グローバル)が値下げする圧力にさらされ、インデックス連動 ETF の手数料は低下を続ける。住宅ローン基盤は、金利が高止まりすれば組成が年 500 万件前後にとどまり、組成ソフトではファニーメイ・フレディマックの無料ツールや新興の競合、AI での作り直しが Encompass の単価を削る。買収の償却が減っても、GAAP の営業利益率は住宅ローンで 1 割強にとどまる。
米国債の清算は CME グループと並び、先物と現物を一体で提供する競合が出れば手数料競争になる。買収で大きくなった会社なので、のれん 306 億ドルの減損のリスクもある。この見方では 10 年後の純利益は 26〜43 億ドルにとどまる。
どちらに重みを置いたか
取引所の指標の堀とデータの継続収入は強いが、価格を物価に届かせるのは難しく、住宅ローン基盤は景気と技術の影響が大きい。強気の言い分をそのまま採らず、価格は物価の半分前後の上昇にとどめた。中立の 10 年後は純利益 約 63.5 億ドル、PER は式の上限 17.8 倍の 8.2 割の 14.6 倍。結論は「質は高いが、今の値段はやや割高」で、10 年の価値は今を 27% 下回る。確率は楽観側 34%・中立 34%・悲観側 32%。悲観は取引所が混乱時に取引量を増やす面を考えて 11% に抑え、構造で負ける悲観はデータと住宅ローンの AI による置き換えを重く見た。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 157.58 ドル906 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 66.45 ドル382 億ドル)。 今の値に割り戻すと 118.22 ドル680 億ドル、今との差 −27.8%、 期待の年率 +3.2%(資本コスト 8.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 263.69 ドル1,516 億ドル | 82.09 ドル472 億ドル | +111.0% | +7.8% | 34.58 ドル199 億ドル |
| やや楽観 | 24% | 208.19 ドル1,197 億ドル | 75.30 ドル433 億ドル | +73.0% | +5.6% | 68.04 ドル391 億ドル |
| 中立 | 34% | 161.34 ドル928 億ドル | 68.87 ドル396 億ドル | +40.5% | +3.5% | 78.27 ドル450 億ドル |
| やや悲観 | 21% | 99.67 ドル573 億ドル | 55.83 ドル321 億ドル | −5.1% | −0.5% | 32.65 ドル188 億ドル |
| 悲観 | 11% | 49.67 ドル286 億ドル | 45.74 ドル263 億ドル | −41.8% | −5.3% | 10.49 ドル60 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 157.58 ドル906 億ドル | 66.45 ドル382 億ドル | +36.7% | +3.2% | 224.04 ドル1,288 億ドル |
今の株価時価総額 163.84 ドル942 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:指標の堀が広がり、データ・米国債清算・住宅ローンが上乗せ 利益 88 億ドル · PER 17.2 倍 · 株価時価総額 263.69 ドル1,516 億ドル
2035 年に純売上は約 207 億ドル(年 +7.6%)、営業利益は約 130 億ドル(GAAP の営業利益率 63%)、純利益は約 88 億ドル。エネルギーは取引量が 2025 年比 1.9 倍・手数料 +28%(物価 41% の 6 割前後)で、ブレントと TTF の指標の堀が広がる。債券データは契約と値上げで 2 倍近くになり、取引所データも AI・予測市場向けの新しい買い手で伸びる。住宅ローンは組成が約 9.0 百万件で正常化の上限に近づき、ブラックナイトの相乗効果と償却の減少で GAAP の営業利益率は住宅ローンで 3 割に達する。米国債の清算・ポリマーケットのデータ・NYSE のトークン化も上乗せ。競合に対しては、米国債先物の一部は CME グループに残るが、ICE の清算は有力な第 2 の選択肢になる。
- エネルギー先物・オプション:数量 30.0(年間取引枚数(億枚、推定))× 価格 1.75(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 52 億ドル・営業利益 42 億ドル。数量×単価
- 金融・農産物先物とその他の取引:数量 16.8(年間取引枚数(億枚、OTC その他を同単価の枚数に換算))× 価格 1.39(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 19 億ドル。数量×単価
- 取引所データ・接続:数量 163(有料のデータ・接続契約(千件、推定))× 価格 0.15(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 19 億ドル。数量×単価
- NYSE の上場:数量 2,541(上場企業・ETF(件、推定))× 価格 0.00(1 件あたりの売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量×単価
- 現物株・株オプションの取引:数量 56.2(NYSE 系の売買代金(兆ドル、推定))× 価格 0.12(売買代金 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量×単価
- 債券の取引基盤・CDS 清算・米国債清算:数量 75.4(清算・執行の取扱額(兆ドル、推定))× 価格 0.11(取扱額 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量×単価
- 債券データ・インデックス・ネットワーク:数量 212(有料契約(千件、推定))× 価格 0.21(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 45 億ドル・営業利益 22 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン組成・クロージング・データ:数量 9.0(米国の住宅ローン組成件数(百万件))× 価格 3.01(1 件あたりの ICE の売上(億ドル/百万件))→ 売上 27 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン サービシング:数量 60.3(管理対象の住宅ローン(百万件、推定))× 価格 0.21(1 件あたり年間の売上(億ドル/百万件))→ 売上 13 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)。事業の ROE 21.6%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 407 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 17.1%、g 4.0%(取引量と継続収入の伸びで、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 19.1 倍で、これが検査の上限になる。取引所・債券データ・住宅ローン基盤の 3 本柱で、継続収入が厚い。 上限の 9.0 割の 17.2 倍に置いた。
確率:指標・データ・住宅ローンのすべてが伸び、米国債清算と予測市場の上乗せも実る最良の筋書き。
やや楽観 24% やや楽観:データと住宅ローンが伸び、償却が減って利益率が上がる 利益 75 億ドル · PER 15.9 倍 · 株価時価総額 208.19 ドル1,197 億ドル
2035 年に純売上は約 185 億ドル(年 +6.4%)、営業利益は約 112 億ドル(GAAP の営業利益率 61%)、純利益は約 75 億ドル。エネルギーは取引量 1.6 倍・手数料 +21%。債券データと取引所データは年 +7% 台で伸び、住宅ローンは組成が約 8.1 百万件へ増える。償却が減って GAAP の営業利益率は住宅ローンで 27%、債券データで 48% に上がる。AI は新しい買い手にもなり、内製化の影響は小さい。競合のデータ値下げはあるが、更新率は高く保たれる。金融先物の手数料も年 +1.2% と物価に届かず、NYSE の上場は件数が少し増えて価格が物価並みに上がる。ポリマーケットのデータ販売と米国債の清算は小さな追加収入にとどまる。
- エネルギー先物・オプション:数量 26.1(年間取引枚数(億枚、推定))× 価格 1.66(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 43 億ドル・営業利益 34 億ドル。数量×単価
- 金融・農産物先物とその他の取引:数量 15.2(年間取引枚数(億枚、OTC その他を同単価の枚数に換算))× 価格 1.35(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 21 億ドル・営業利益 16 億ドル。数量×単価
- 取引所データ・接続:数量 152(有料のデータ・接続契約(千件、推定))× 価格 0.14(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 22 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量×単価
- NYSE の上場:数量 2,491(上場企業・ETF(件、推定))× 価格 0.00(1 件あたりの売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量×単価
- 現物株・株オプションの取引:数量 53.6(NYSE 系の売買代金(兆ドル、推定))× 価格 0.13(売買代金 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量×単価
- 債券の取引基盤・CDS 清算・米国債清算:数量 68.5(清算・執行の取扱額(兆ドル、推定))× 価格 0.11(取扱額 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量×単価
- 債券データ・インデックス・ネットワーク:数量 198(有料契約(千件、推定))× 価格 0.21(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 41 億ドル・営業利益 20 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン組成・クロージング・データ:数量 8.1(米国の住宅ローン組成件数(百万件))× 価格 3.01(1 件あたりの ICE の売上(億ドル/百万件))→ 売上 24 億ドル・営業利益 7 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン サービシング:数量 58.6(管理対象の住宅ローン(百万件、推定))× 価格 0.22(1 件あたり年間の売上(億ドル/百万件))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)。事業の ROE 19.2%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 391 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 15.5%、g 4.0%(取引量と継続収入の伸びで、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 18.5 倍で、これが検査の上限になる。取引所・債券データ・住宅ローン基盤の 3 本柱で、継続収入が厚い。 上限の 8.6 割の 15.9 倍に置いた。
確率:データと住宅ローンが堅調で、償却の減少が GAAP 利益に効く筋書き。
中立 34% 中立:価格は物価に届かず、数量とデータの値上げで年 5% 台 利益 64 億ドル · PER 14.6 倍 · 株価時価総額 161.34 ドル928 億ドル
2035 年に純売上は約 166 億ドル(年 +5.3%)、営業利益は約 97 億ドル(GAAP の営業利益率 58%)、純利益は約 64 億ドル。エネルギーは取引量が 2025 年比 1.4 倍(年 +3.5%)、手数料は +16%(物価 41% に届かない。段階料金・大口割引・CME グループとの競争が続くため)。債券データと取引所データは年 +6〜7%、NYSE の上場は件数ほぼ横ばいで価格のみ上がる。住宅ローンは組成が約 7.4 百万件(正常化の 700 万件に近づく)、サービシングは年 +4%。買収の償却が半分以下に減り、GAAP の営業利益率は住宅ローンで 24%、債券データで 47%、取引所で 77.5% へ上がる。米国債の清算・ポリマーケットは小さな上乗せにとどまる。
- エネルギー先物・オプション:数量 22.6(年間取引枚数(億枚、推定))× 価格 1.58(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 36 億ドル・営業利益 28 億ドル。数量×単価
- 金融・農産物先物とその他の取引:数量 13.8(年間取引枚数(億枚、OTC その他を同単価の枚数に換算))× 価格 1.33(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 14 億ドル。数量×単価
- 取引所データ・接続:数量 141(有料のデータ・接続契約(千件、推定))× 価格 0.14(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 15 億ドル。数量×単価
- NYSE の上場:数量 2,418(上場企業・ETF(件、推定))× 価格 0.00(1 件あたりの売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量×単価
- 現物株・株オプションの取引:数量 51.1(NYSE 系の売買代金(兆ドル、推定))× 価格 0.13(売買代金 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量×単価
- 債券の取引基盤・CDS 清算・米国債清算:数量 62.2(清算・執行の取扱額(兆ドル、推定))× 価格 0.11(取扱額 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量×単価
- 債券データ・インデックス・ネットワーク:数量 183(有料契約(千件、推定))× 価格 0.20(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 37 億ドル・営業利益 17 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン組成・クロージング・データ:数量 7.4(米国の住宅ローン組成件数(百万件))× 価格 3.01(1 件あたりの ICE の売上(億ドル/百万件))→ 売上 22 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン サービシング:数量 57.4(管理対象の住宅ローン(百万件、推定))× 価格 0.23(1 件あたり年間の売上(億ドル/百万件))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)。事業の ROE 16.9%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 376 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 13.9%、g 4.0%(取引量と継続収入の伸びで、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 17.8 倍で、これが検査の上限になる。取引所・債券データ・住宅ローン基盤の 3 本柱で、継続収入が厚い。 上限の 8.2 割の 14.6 倍に置いた。
確率:強気と慎重の落としどころ。指標の堀は保たれるが、価格は物価に届かないと見た。
やや悲観 21% やや悲観:データの値下げと米国債の競争で伸びが鈍る 利益 43 億ドル · PER 13.4 倍 · 株価時価総額 99.67 ドル573 億ドル
2035 年に純売上は約 132 億ドル(年 +2.9%)、営業利益は約 69 億ドル(GAAP の営業利益率 52%)、純利益は約 43 億ドル。エネルギーは取引量 1.2 倍・手数料 +5%。債券データと取引所データは AI と競合の値下げで年 +4% 前後にとどまり、住宅ローンは組成が約 6.4 百万件と低い水準が続く。米国債の清算は CME グループと分け合い、手数料競争になる。費用は売上より速く伸び、GAAP の営業利益率は 52% 前後で止まる。上場は新規上場が戻らず件数が横ばいで価格のみ上がり、現物株・株オプションは取引量が伸びても単価が下がって増収にならない。買収の償却は減るが、住宅ローンの利益率はなお 1 割強にとどまる。
- エネルギー先物・オプション:数量 18.6(年間取引枚数(億枚、推定))× 価格 1.43(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 20 億ドル。数量×単価
- 金融・農産物先物とその他の取引:数量 12.0(年間取引枚数(億枚、OTC その他を同単価の枚数に換算))× 価格 1.20(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 11 億ドル。数量×単価
- 取引所データ・接続:数量 122(有料のデータ・接続契約(千件、推定))× 価格 0.13(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 11 億ドル。数量×単価
- NYSE の上場:数量 2,300(上場企業・ETF(件、推定))× 価格 0.00(1 件あたりの売上(億ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量×単価
- 現物株・株オプションの取引:数量 44.1(NYSE 系の売買代金(兆ドル、推定))× 価格 0.12(売買代金 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量×単価
- 債券の取引基盤・CDS 清算・米国債清算:数量 53.7(清算・執行の取扱額(兆ドル、推定))× 価格 0.10(取扱額 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量×単価
- 債券データ・インデックス・ネットワーク:数量 158(有料契約(千件、推定))× 価格 0.18(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 12 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン組成・クロージング・データ:数量 6.4(米国の住宅ローン組成件数(百万件))× 価格 2.86(1 件あたりの ICE の売上(億ドル/百万件))→ 売上 18 億ドル・営業利益 2 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン サービシング:数量 52.0(管理対象の住宅ローン(百万件、推定))× 価格 0.21(1 件あたり年間の売上(億ドル/百万件))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)。事業の ROE 12.2%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 350 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 10.8%、g 4.0%(取引量と継続収入の伸びで、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 15.8 倍で、これが検査の上限になる。取引所・債券データ・住宅ローン基盤の 3 本柱で、継続収入が厚い。 上限の 8.5 割の 13.4 倍に置いた。
確率:AI・競合の値下げと米国債清算の競争で、伸びが鈍る筋書き。
悲観 11% 悲観:指標とデータの独占が崩れ、住宅ローンも負ける 利益 26 億ドル · PER 10.9 倍 · 株価時価総額 49.67 ドル286 億ドル
2035 年に純売上は約 102 億ドル(年 +0.3%)、営業利益は約 46 億ドル(GAAP の営業利益率 45%)、純利益は約 26 億ドル。構造的に負ける筋書き。エネルギーの取引量は 2025 年比 1.05 倍にとどまり、手数料は -9%(ブレントと TTF の一部が競合に移り、エネルギー移行で原油の取引が細る)。債券データは AI の内製化と競合の値下げで契約が増えず、住宅ローンは組成ソフトでシェアを失い、組成は約 5.0 百万件、サービシングも件数が減る。買収ののれんの減損が出て自己資本は膨らまず、GAAP の営業利益率は 45% まで下がる。もう優良な指標の独占ではなくなっている。
- エネルギー先物・オプション:数量 16.8(年間取引枚数(億枚、推定))× 価格 1.23(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 21 億ドル・営業利益 14 億ドル。数量×単価
- 金融・農産物先物とその他の取引:数量 10.3(年間取引枚数(億枚、OTC その他を同単価の枚数に換算))× 価格 1.09(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量×単価
- 取引所データ・接続:数量 100(有料のデータ・接続契約(千件、推定))× 価格 0.11(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量×単価
- NYSE の上場:数量 2,080(上場企業・ETF(件、推定))× 価格 0.00(1 件あたりの売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量×単価
- 現物株・株オプションの取引:数量 38.0(NYSE 系の売買代金(兆ドル、推定))× 価格 0.11(売買代金 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量×単価
- 債券の取引基盤・CDS 清算・米国債清算:数量 46.3(清算・執行の取扱額(兆ドル、推定))× 価格 0.09(取扱額 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。数量×単価
- 債券データ・インデックス・ネットワーク:数量 137(有料契約(千件、推定))× 価格 0.17(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン組成・クロージング・データ:数量 5.0(米国の住宅ローン組成件数(百万件))× 価格 2.73(1 件あたりの ICE の売上(億ドル/百万件))→ 売上 14 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量×単価
- 住宅ローン サービシング:数量 44.7(管理対象の住宅ローン(百万件、推定))× 価格 0.19(1 件あたり年間の売上(億ドル/百万件))→ 売上 9 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)。事業の ROE 8.3%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 318 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 8.2%、g 4.0%(取引量と継続収入の伸びで、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 12.8 倍で、これが検査の上限になる。取引所・債券データ・住宅ローン基盤の 3 本柱で、継続収入が厚い。 上限の 8.5 割の 10.9 倍に置いた。
確率:構造的に負けて優良な指標の独占ではなくなる確率。AI でのデータ・ソフトの置き換えと大型買収の減損を含め、10 年で 1 割強と置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
エネルギー先物・オプション
ブレント・ガスオイル・TTF・WTI・北米ガス・排出権の先物とオプション。
| 数量年間取引枚数(億枚、推定) | 価格1 枚あたりの平均手数料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 16.0 | 1.36 | 22 | 16 |
| 10 年後 中立 | 22.6 | 1.58 | 36 | 28 |
取り方:エネルギー先物・オプション(ブレント・ガスオイル・TTF・WTI・北米ガス・排出権)。2025 年の純売上 21.82 億ドル。ICE は先物・オプションの総枚数 23 億枚(+13%)と開示するが、資産クラス別の枚数・平均手数料は取れないため、エネルギー 16 億枚・1 枚あたり約 1.36 ドルと置いた(推定)。16.0 億枚 × 1.364 = 21.8 億ドル。
金融・農産物先物とその他の取引
ユーリボー・英国債などの金利先物、砂糖・コーヒー・綿花、MSCI 指数先物、OTC その他。
| 数量年間取引枚数(億枚、OTC その他を同単価の枚数に換算) | 価格1 枚あたりの平均手数料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 10.3 | 1.20 | 12 | 9 |
| 10 年後 中立 | 13.8 | 1.33 | 18 | 14 |
取り方:金融先物(ユーリボー・英国債など)と農産物・金属・OTC その他。純売上 12.36 億ドル(金融 6.08・農産物と金属 2.33・OTC その他 3.95)。金融と農産物・金属で約 7 億枚・1 枚あたり約 1.20 ドル、OTC その他を同じ単価の枚数に換算して合算(推定)。10.30 億枚 × 1.200 = 12.4 億ドル。
取引所データ・接続
価格データの配信とコロケーション。
| 数量有料のデータ・接続契約(千件、推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 100 | 0.10 | 10 | 8 |
| 10 年後 中立 | 141 | 0.14 | 20 | 15 |
取り方:取引所データと接続サービス(価格データの配信・コロケーション)。純売上 10.31 億ドル(2026 年 4〜6 月期は 2.87 億ドル、+12%)。契約・接続は開示がなく、約 10 万件・1 件あたり約 10 万ドルと置いた(推定)。
NYSE の上場
NYSE の上場手数料(年会費と新規上場)。
| 数量上場企業・ETF(件、推定) | 価格1 件あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,300 | 0.00 | 5 | 4 |
| 10 年後 中立 | 2,418 | 0.00 | 7 | 5 |
取り方:NYSE の上場手数料(年会費と新規上場)。純売上 4.95 億ドル。上場企業・ETF 約 2,300 件(推定)・1 件あたり約 21.5 万ドル。2025 年は NYSE が 71 社の新規上場で 250 億ドルを調達(決算説明会)。
現物株・株オプションの取引
NYSE 系の現物株と株オプション取引(流動性の支払い・ルーティング費用を引いたあと)。
| 数量NYSE 系の売買代金(兆ドル、推定) | 価格売買代金 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 38.0 | 0.12 | 5 | 3 |
| 10 年後 中立 | 51.1 | 0.13 | 7 | 5 |
取り方:現物株と株オプションの取引(流動性の支払い・ルーティング費用を引いたあと)。純売上 4.67 億ドル。米国株の売買代金のうち NYSE 系の取扱高を約 38 兆ドル(市場全体 約 150 兆ドル × 約 25%、推定)と置き、1 兆ドルあたり約 0.123 億ドル。
債券の取引基盤・CDS 清算・米国債清算
債券の取引基盤(BondPoint など)、CDS の清算、2026 年に稼働した米国債の清算。
| 数量清算・執行の取扱額(兆ドル、推定) | 価格取扱額 1 兆ドルあたりの純売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 46.3 | 0.10 | 5 | 2 |
| 10 年後 中立 | 62.2 | 0.11 | 7 | 3 |
取り方:債券の取引基盤(執行 1.25 億ドル)と CDS の清算(3.38 億ドル)。清算・執行の取扱額の合計を約 46 兆ドル(推定。CDS の清算元本 約 20 兆ドル・債券の取扱額 約 26 兆ドル)と置いた。2026 年 2 月に稼働した米国債清算が上乗せになる。
債券データ・インデックス・ネットワーク
債券の評価価格・参照データ・インデックス(運用資産連動を含む)とネットワーク・データ技術。
| 数量有料契約(千件、推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 130 | 0.15 | 20 | 8 |
| 10 年後 中立 | 183 | 0.20 | 37 | 17 |
取り方:債券の評価価格・参照データ・インデックス(12.34 億ドル、運用資産連動の手数料を含む)とネットワーク・データ技術(7.22 億ドル)。合計 19.56 億ドル。契約は約 13 万件・1 件あたり約 15 万ドルと置いた(推定。ICE のインデックスに連動する ETF の運用資産は 7,940 億ドル)。
住宅ローン組成・クロージング・データ
組成ソフト Encompass、クロージング、住宅ローン関連データ。
| 数量米国の住宅ローン組成件数(百万件) | 価格1 件あたりの ICE の売上(億ドル/百万件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.5 | 2.24 | 12 | 0 |
| 10 年後 中立 | 7.4 | 3.01 | 22 | 5 |
取り方:組成技術(Encompass、7.38 億ドル)・クロージング(2.23 億ドル)・住宅ローン関連データ(2.69 億ドル)。米国の住宅ローン組成件数を約 550 万件と置き(業界の推定)、1 件あたりの ICE の売上 約 224 ドル(件数連動の手数料と年間契約を合わせた平均、推定)。5.5 百万件 × 2.236 = 12.3 億ドル。
住宅ローン サービシング
MSP などのサービシングソフト。
| 数量管理対象の住宅ローン(百万件、推定) | 価格1 件あたり年間の売上(億ドル/百万件) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 52.0 | 0.17 | 9 | 0 |
| 10 年後 中立 | 57.4 | 0.23 | 13 | 3 |
取り方:サービシング(MSP などの管理ソフト、8.71 億ドル)。管理対象の住宅ローンを約 5,200 万件(推定)、1 件あたり年約 17 ドル。52 百万件 × 0.1675 = 8.71 億ドル。
リスクと懸念
エネルギーの取引量の山と谷
2026 年 3 月に過去最高を付けたブレントの取引量は、4〜6 月期のエネルギー売上が前年比 −13% と戻り始めている。取引所の営業利益率が 74% と高いため、取引量が戻ると利益が速く減る。悲観・やや悲観ではエネルギーの数量を 2025 年並みか下に置いた。
手数料と価格決定力
取引所の単価は物価(10 年で 41% 上昇)に届かない傾向がある。段階料金・大口割引・競合のデータ値下げで、中立でも価格はエネルギー +1.5%/年、金融 +1%/年と物価の半分以下にとどめた。同業の CME グループでは平均手数料が 2025 年から 2026 年に下がっており、ICE も同じ圧力を受けると置いた。
住宅ローン基盤の景気感応とソフトの競争
組成ソフト Encompass とサービシングの MSP は、金利と住宅市場で組成件数が動く。ファニーメイ・フレディマックの無料ツール、ブレンド、コンステレーション傘下のオプティマル・ブルーなどが競り、FTC の同意で ICE は 10 年間組成システムを買い足せない。
買収ののれんと償却
自己資本 289 億ドルに対し、のれん 306 億ドル・無形資産 148 億ドルを抱える。悲観で住宅ローン基盤などの価値が下がると減損が出て、帳簿の ROE と自己資本が崩れる。GAAP 利益は償却 9.9 億ドルで抑えられている。
米国債の清算と予測市場の実行
米国債の清算は 2026 年 2 月に稼働したが、CME グループも同じ領域に入り、手数料競争になる可能性がある。ポリマーケットへの出資(最大 20 億ドル、2026 年 3 月に 6 億ドル目)は評価額が高く、規制や競合で価値が下がれば評価損になる。
データの AI による内製化と値下げ
債券の評価価格・インデックス・取引所データは、AI 企業や大手金融機関が自前で作る、競合が値下げする、ETF の手数料が低下するといった圧力を受けうる。悲観ではデータの数量が伸びず単価も +1%/年にとどまる。
金利と借り換え
借入 196 億ドルは借り換えで約 5.75% になり、純利益は 3 年で約 2 億ドル、10 年で約 3 億ドル減る。金利が高止まりすると住宅ローンの組成も増えず、借り換えの利払い増と組成の低迷が二重に効く。借入は 3 年で約 6 割、10 年で全部が新しい金利になる前提で純利益に入れた。
今後の分かれ目
- 米国債の清算で ICE の取扱高が 2027 年 1 月の義務化後に急増する
- 取引所と清算の新しい収益として、楽観の確率を上げる。現物債だけでなくレポ・先物まで広がれば上振れが大きい。
- エネルギー売上が 2 四半期続けて前年比 −10% を下回る
- 取引量の山が剥がれたと見て、やや悲観の確率を上げる。取引所の高い利益率のため利益への効きが大きい。
- 住宅ローン組成が年 700 万件を超え、取引収入が前年比 +20% 以上で伸びる
- 住宅ローン基盤の取引収入が数億ドル増える筋書きとして、やや楽観・楽観の確率を上げる。
- 債券データの継続収益の伸びが 2 四半期続けて +5% を割る
- AI による内製化・値下げ圧力が始まったと見て、データの価格の伸びを下げる。
- ポリマーケットの評価が大きく下がる、または規制で事業が止まる
- 評価損が出る。本業への影響は小さいが、資本配分の評価を下げる。
- ブラックナイトの費用相乗効果が 2.75 億ドルの目標に届く(または前倒し)
- 住宅ローン基盤の GAAP 営業利益率の改善をやや楽観寄りに見る。
見ておくもの
- 月次の先物・オプションの取引量(エネルギー・金利・農産物)と建玉
- エネルギー・債券データの継続収益の伸び(四半期)
- 米国債の清算の取扱高と参加会員
- 住宅ローンの組成件数と Encompass・MSP の新規契約
- 買収無形資産の償却額の推移(GAAP と調整後の営業利益の差)
- ポリマーケットの評価額・規制と NYSE のトークン化の承認
- 2026 年 7〜9 月期の決算と通年の費用見通し
倍率と資本コストの決め方
今の PER 28 倍(2025 年の GAAP 純利益)・PBR 3.2 倍を見ずに、9 つの塊を数量×価格で積んで純利益を出し、倍率は利益ベースの正当化 PER((1 − g/RONIC)/(k − g)、RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k))の 8.2 割前後で置いた。k は基本 8.0% + quality 0%(取引所の値決め力 −0.25%、買収で増えた借金 +0.25%)の 8.0%、g は決まりの 4%(k − g = 4.0%)。中立 10 年の PER は 14.6 倍。償却が減る分を GAAP の営業利益率の改善に入れたが、これは中立で 50% から 10 年後に 58% の置き方(ROE の理由は roe_why)。上半期の持分投資の評価益(約 4 億ドル)と、ポリマーケット等の出資の価値は筋書きに入れていない(時価総額の約 2〜3%)。結果は今の値段を 27% 下回り、期待の年率が資本コストに届かないので、やや割高。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.00% = 8.00%。内訳は cycle +0.00・pricing -0.25・debt +0.25・life +0.00(%)で、理由は quality_why。β は使わない。個別の懸念(買収の統合・住宅ローン基盤の競合・規制)は k に足さず、筋書きの数量・利益率と確率で表した。