結論
アシュラント(Assurant)は、ニューヨークに本社を置く特殊保険・サービス会社である。事業は 2 本柱で、グローバル・ライフスタイル(携帯端末の保護・下取り・修理を担うコネクテッド・リビングと、自動車の延長保証を担うグローバル・オートモーティブ)と、グローバル・ハウジング(貸し手付保険を中心に、住宅所有者保険・賃貸保険・プレハブ住宅)である。2025 年は売上 約 128 億ドル、GAAP 純利益 8.7 億ドル(前年比 +15%)、調整後 EBITDA 15.4 億ドル。2026 年 4〜6 月期は純利益 2.99 億ドル(+27%)、調整後 EBITDA 4.79 億ドル(+24%)と好調で、会社は通期見通しを引き上げた。
強みは、携帯電話会社・銀行・住宅ローン会社・自動車販売店といった大口の提携先に埋め込まれた販売経路と、引受よりも手数料・サービスに寄った資本の軽い収益。弱みは、利益の半分を稼ぐハウジングが大災害(ハリケーン)と過去準備金の戻し益に揺れること、携帯端末の保護が少数の通信事業者に偏ること、料率規制と提携先の契約更新である。
バリュー投資の観点では、10 年後もこの事業は存在し、提携先の経路と請求・修理の運用能力は堀として残ると見る。ただし 2025 年の利益には、繰り返さない過去準備金の戻し益 1.1 億ドルと、繰り返すとみる大災害費用が混ざるため、大災害は年 1.85 億ドルの想定で全筋書きに入れ、戻し益は落とした。中立の純利益は 10 年後 16.6 億ドル。ROE 14.6%・g 3.5%・資本コスト 8.5%(基本 8.0% + quality +0.5%)から正当化 PER 14.5 倍を出し、その 9 割の 13.1 倍に置いた。今の PER には寄せていない。確率で加重した 10 年後の価値は 136 億ドルで、今の時価総額 140 億ドルに対し -3%(総合で「適正」)。資本コストと大災害の想定に敏感である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、アシュラントは事業の寿命と堀を確かめやすい会社である。10 年後も、携帯端末の保護、自動車の延長保証、貸し手付保険はいずれも「誰かが運営する」必要があり、提携先に組み込まれた運用能力は簡単には複製できない。ただし堀は超優良のそれではなく、提携先の契約更新で料率や取り分を削られる点、携帯端末が少数の顧客に偏る点で、価格決定力は限定的である。
オーナー利益で見ると、2025 年の純利益 8.7 億ドルには繰り返さない過去準備金の戻し益 1.1 億ドルが入り、大災害費用 約 2 億ドルは毎年のように来る。これをならすと利益の実力は 8〜10 億ドルで、今の時価総額 140 億ドルは実力の PER で約 16 倍にあたる。資本配分は、自社株買いを純利益の 4 割弱、配当を約 2 割とし、のれんが積み上がる小さな買収を続ける。割高で自社株を買っていないかは注意が要るが、今の PBR 2.4 倍・PER 16 倍は過去 20 期の中央値(PER 14 倍・PBR 1.4 倍)より少し上で、買い戻しは割高とまでは言えない。
安全域は、楽観でも悲観でも見る。悲観の底は、ハリケーン級の大災害と景気後退が重なる年で、ハウジングの利益が半分に落ち、携帯端末・自動車の数量も落ちる。それでも保険引受の資本は厚く、2008 年の AIZ は株価が約 7 割下がったが存続した。確信度は中くらい。端末保護と自動車の利益の分解が開示されないため、推定を含むからである。
何で稼ぐ会社か
アシュラントの利益は 3 つの事業から来る(会社は 2 部門で開示し、3 つへの分割は本調査の推定)。
第一はコネクテッド・リビング(2025 年の売上 約 58 億ドル、EBITDA 約 5 億ドルと推定)。携帯電話会社や小売の顧客向けに、端末の保険・保証、修理・交換、下取り、再生品の販売、物流を請け負う。保護対象の端末は 6,600 万台を超える(2025 年 Q4)。収益は端末 1 台あたりの保険料・手数料と、下取り・再生品の売上である。2026 年 4〜6 月は EBITDA が +29%(一時益 1,000 万ドルを除いても +22%)と会社全体の成長を牽引した。
第二はグローバル・オートモーティブ(売上 約 40 億ドル、EBITDA 約 3 億ドル)。ディーラーや自動車メーカー経由で延長保証・車両サービス契約・クレジット関連の保険を売り、対象車両は約 5,700 万台。利益率は 7% 台と低めだが、過去の料率引き上げと保険金請求の運用改善で 3〜4% ずつ伸びている。
第三はグローバル・ハウジング(売上 約 29 億ドル、EBITDA 8.6 億ドル。大災害損失を含む報告値)。貸し手付保険(住宅ローンの借り手が保険をかけていない時に、貸し手が代わりにかける保険)が中核で、住宅所有者保険の売上が上半期 11.8 億ドル、賃貸ほかが 3.0 億ドル。2025 年は貸し手付の有効契約が +5%、賃貸が +15%、主要 4 社・400 万件超のローンの契約を更新し、2026 年はフリーダム・モーゲージ(約 260 万件)が加わった。
全社費用(ホーム・ワランティの立ち上げ費用など)は年 約 1.45 億ドルの赤字、減価償却 約 1.8 億ドル・無形償却 約 0.7 億ドル・利払い 約 1.13 億ドルを引き、税率 19〜21% で純利益になる。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第一に提携先への埋め込み。携帯電話会社・住宅ローンの上位貸し手・自動車ディーラーの基幹の仕組み(請求・契約管理・コールセンター)にアシュラントの運用が組み込まれており、他社に切り替えると顧客の体験と費用が動く。貸し手付保険では、全米の住宅ローンの追跡と未保険の判定、保険金の支払いを大規模に行える会社が少数に限られる(競合は QBE など数社)。第二に引受の資本の軽さ。端末保証や自動車保証は手数料・サービス収入の比重が高く、2025 年の調整後の有形自己資本利益率は 30% を超える(会社の開示)。第三に株主への還元。2025 年は自社株買い 3 億ドルと配当で、配当は 21 年連続の増配だった。
弱みも明確である。一つは提携先の集中。携帯端末は少数の通信事業者に収益が偏り、契約更新で料率や取り分を削られる恐れがある。二つ目は利益の質。2025 年のハウジングは過去準備金の戻し益 1.13 億ドルに支えられており、2026 年はそれを除いた成長(中〜高い一桁)を会社が見込む。三つ目は規制。貸し手付保険は州ごとの料率審査と利益上限の議論があり、住宅所有者保険の料率も各州で審査される。四つ目は経営の資本配分で、小さな買収を毎年重ねるが、のれん 26.6 億ドルと無形資産 4.9 億ドルは自己資本 61 億ドルの半分に迫る。
総じて、アシュラントは競合のアシュリオン(携帯端末保護の最大手・未上場)や、再保険で引受を強める大手損保ほど規模の堀は強くないが、組み込み型の提携で堀を築いた中堅の優良会社である。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
アシュラントが戦う市場は 3 つに分かれ、それぞれ数量と価格の動きが違う。
携帯端末保護:世界のモバイル保険の市場は約 60 億ドル、年率 約 10% で伸びるとされる(業界調べの要約・推定)。会社の売上はこれより広く、下取り・修理・再生品を含む。端末の価格が上がり、保有期間が延びるほど保護の需要が増す。競合はアシュリオン、オールステート傘下のスクエアトレード、アライアンツ・パートナーズなど。携帯電話会社が自社でサービスを内製する動き、アップルケア(アップルの自前の保証)の拡大、端末の買い替えサイクルの鈍化が下振れ要因である。
自動車保証:新車・中古車の平均価格が上昇し、修理費が上がるほど延長保証の需要が増える。市場は断片化しており、オートモーティブの利益率は低い(7% 台)。関税による修理部品の値上がり、自動運転・電動化による修理の構造変化が論点である。
住宅(貸し手付・住宅所有者・賃貸):貸し手付保険の市場は住宅ローンの件数に連動し、数量は横ばいから微増、価格(保険料)は住宅の再調達費用の物価で伸びる。2026 年は住宅所有者保険の市場が強く、貸し手付の有効契約が +5% と、通常の貸し手付に戻る契約が増えている。一方で民間の住宅保険の料率がなお硬く、フロリダ・カリフォルニアのように州の再保険基金や保険会社の撤退が起こる地域では数量が減る。再保険の料率は 2026 年に急に軟化し、アシュラントの大災害再保険料は 2 億ドルから約 1.8 億ドルに下がった。
分かれ目は、ハリケーンの発生と、再保険・住宅所有者保険の料率の軟化がどこまで貸し手付の利益率に波及するかである。
資本政策と M&A
資本政策は規律がある。2025 年は自社株買い 3 億ドル、配当(21 年連続の増配)で、純利益の 5 割強を還元した。2026 年は自社株買いを 3〜3.5 億ドルの上限付近に引き上げる見込みで、残りの買い戻し枠は 5.4 億ドル、持株会社の流動性は 9.1 億ドルと最低水準を 6.9 億ドル上回る。
買収は小さな案件を毎年重ねる型で、2025 年は 4 件(RL サーキュラー・オペレーションズなど)、2025 年 10 月にオプトフィデリティの携帯端末試験事業を買った。大型の合併は考えにくい。事業の整理も進めており、長期介護などの廃止事業を 2026 年 3 月に売却し(損失 1,120 万ドル)、マイアミの不動産を 1.26 億ドルで売却する契約がある。借金は 22.1 億ドルで自己資本の約 36%、利払いは約 1.13 億ドル。金融の借金は事業の仕入れではなく資本構成の問題として扱い、借り換えで新しい利率に変わる影響は軽微と見た。
TOB・再編の可能性は小さい。時価総額 140 億ドルの会社で、買い手になりうるのは大手保険・サービス会社だが、携帯端末の提携先との関係が絡むため規制と契約の面で動きにくい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
コネクテッド・リビングは、携帯端末の高額化と保有期間の長期化で保護の需要が伸び、2026 年 4〜6 月にすでに EBITDA が +22〜29% と加速している。新しい大手通信事業者との提携で保護対象の端末が 1 年で 400 万台以上増え、保護対象は 6,600 万台を超えた。端末の下取り・再生品の事業(2026 年 Q1 の下取り額 16.3 億ドル、前年比で大幅増)は保険と別の収益になり、サプライチェーン事業を取り込むほど顧客の離れにくさが増す。
ハウジングは、民間の住宅所有者保険が硬く、貸し手付保険が通常の契約に戻る形で有効契約が +5%、賃貸が +15% と伸びる。再保険料は 2 億ドルから約 1.8 億ドルへ下がり、大災害の想定 1.85 億ドルに対して再保険の防御は 16 億ドルで厚い。フリーダム・モーゲージ(約 260 万件)の新規契約が加われば、数量はさらに乗る。
資本面では、有形自己資本の ROE が 30% を超える資本の軽い事業で、純利益の 5 割強を還元しても借金は自己資本の 36% と軽い。純利益が 10 年で年 6% 近く伸び、利益の質が保たれれば、今の PER 16 倍は低すぎる。ホーム・ワランティが Compass との契約で立ち上がれば、全社費用の赤字が事業に変わる上振れもある。
慎重な見方
2025 年の利益は繰り返さない要素に支えられている。ハウジングの EBITDA 8.6 億ドルには過去準備金の戻し益 1.13 億ドルが入り、2026 年はそれを除いた成長(中〜高い一桁)が見込みの実態である。2026 年の好調(4〜6 月に非災害の損害率が平年より低い)も、平年に戻れば利益は押し戻される。住宅所有者保険の料率が軟化し、再保険の料率下落が続けば、貸し手付保険の料率審査で利益上限の議論が強まる恐れがある。
コネクテッド・リビングは少数の通信事業者への依存が高い。契約更新のたびに取り分を削られる、通信事業者が内製する、アップルの自前の保証が広がる、端末の買い替えサイクルが鈍る、といった理由で数量と利益率が同時に落ちうる。アシュリオンやスクエアトレードとの競争で 1 台あたりの収益が下がれば、物価で価格が上がる前提も崩れる。
自動車は利益率が 7% 台と低く、関税で修理部品が値上がりすれば損害率が悪化する。大災害は毎年のように起き、2025 年も約 2 億ドルが出た。のれん・無形資産が自己資本の半分に迫る点、小さな買収で積み上げる点も、資本効率の見かけを良く見せている。資本コストは quality で +0.5% 上げたが、k が 0.5% 上がると倍率は 1〜2 割下がり、少しの前提の違いで倍率が大きく動く。
どちらに重みを置いたか
強気の主張は、コネクテッド・リビングの伸びとハウジングの数量の確かさで、足元の事実に裏づけがある。慎重な主張は、利益の質(戻し益・平年より低い損害率)と提携先の集中で、これも事実に基づく。落としどころは、利益が 10 年で年 5〜6% 伸びるという中立。確率は慎重な側にやや厚く、悲観・やや悲観を 10 年で 39% とした。携帯端末の集中と、ハリケーン級の大災害に景気後退が重なる可能性を重く見たからである。倍率は正当化 PER の 9 割で、結果は 10 年で -3%、総合は「適正」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 388.64 ドル192 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 153.85 ドル76 億ドル)。 今の値に割り戻すと 274.21 ドル136 億ドル、今との差 −3.5%、 期待の年率 +6.7%(資本コスト 8.5%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 717.07 ドル355 億ドル | 197.90 ドル98 億ドル | +221.8% | +12.4% | 64.05 ドル32 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 573.09 ドル284 億ドル | 181.74 ドル90 億ドル | +165.5% | +10.3% | 150.97 ドル75 億ドル |
| 中立 | 34% | 437.80 ドル217 億ドル | 163.57 ドル81 億ドル | +111.5% | +7.8% | 204.46 ドル101 億ドル |
| やや悲観 | 26% | 235.05 ドル116 億ドル | 135.30 ドル67 億ドル | +30.3% | +2.7% | 96.29 ドル48 億ドル |
| 悲観 | 13% | 106.62 ドル53 億ドル | 98.95 ドル49 億ドル | −27.7% | −3.2% | 26.72 ドル13 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 388.64 ドル192 億ドル | 153.85 ドル76 億ドル | +90.8% | +6.7% | 542.49 ドル269 億ドル |
今の株価時価総額 284.30 ドル141 億ドル(2026-10-21)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 7% 楽観:硬い市場と端末保護の拡大が 10 年続く 利益 23 億ドル · PER 15.2 倍 · 株価時価総額 717.07 ドル355 億ドル
10 年で保護対象の端末は 6,600 万台から約 9,900 万台(+50%。市場の実質 +30%・シェア +15%)、1 台あたりの収益は物価 1.41 倍にやや上積みの 1.45 倍で、コネクテッド・リビングの売上は約 127 億ドル、EBITDA は約 14.6 億ドル(利益率 11.5%)。複数の通信事業者と下取り・再生品・サプライチェーンを束ねる運用の堀が広がり、シェアが上がる。自動車は対象車両 +20%・価格 1.45 倍で売上約 70 億ドル、利益率 8.6%。ハウジングは契約数 +16%・価格 1.45 倍で売上約 48 億ドル、大災害除きの利益率 36.5%・大災害 2.5 億ドルで EBITDA 約 15.1 億ドル。純利益は約 23.3 億ドル(2025 年から年 +10%)。還元は純利益の 62% で、10 年の合計は約 98 億ドル。
- コネクテッド・リビング(携帯端末の保護・下取り・修理):数量 99.0(保護対象の端末(百万台))× 価格 128(1 台あたり年間収益(ドル。保険料・手数料・下取り・再生品の売上を含む))→ 売上 127 億ドル・営業利益 15 億ドル。数量 ×1.50・1 台あたり収益 ×1.45・EBITDA 利益率 11.5%
- グローバル・オートモーティブ(自動車の延長保証):数量 68.4(対象車両(百万台))× 価格 103(1 台あたり年間収益(ドル))→ 売上 71 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 ×1.20・1 台あたり収益 ×1.45・EBITDA 利益率 8.6%
- グローバル・ハウジング(貸し手付・住宅所有者・賃貸):数量 940(有効契約数相当(万件))× 価格 514(1 件あたり年間収益(ドル))→ 売上 48 億ドル・営業利益 15 億ドル。契約数 ×1.16・価格 ×1.45・大災害除きの利益率 36.5%・大災害 2.50 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.50%)・g 4.0%(上限の内側。市場の実質 +1% + 価格 3.5% から、提携先の取り分の削減と軟調の分を引いた約 3.5%(中立)で、4% を超えない)・事業の ROE 19%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 23.3 ÷ 自己資本 124.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.6%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 15.7 倍(上限 = 純利益 23.3 億ドル × これ = 366 億ドル)。これの 1.0 割(15.2 倍)に置いた。楽観:利益の質が最も良く出る筋書きなので上限に最も近く置いた。
確率:提携先が増え、保護対象の端末が年 +4% で伸び、ハウジングの利益率が高く保たれる筋書きは 7%。携帯端末の集中と大災害の増加があり、強気の見方が 10 年続くことは稀と見る。
やや楽観 20% やや楽観:端末保護の拡大が続き、ハウジングは 3 割台の利益率を保つ 利益 20 億ドル · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 573.09 ドル284 億ドル
保護対象の端末は +42%(約 9,400 万台。市場 +30%・シェア +9%)、1 台あたり収益は物価並みの 1.42 倍で、コネクテッド・リビングの売上は約 118 億ドル、EBITDA は約 12.7 億ドル(利益率 10.8%)。自動車は車両 +16%・価格 1.43 倍で売上約 67 億ドル、利益率 8.2%。ハウジングは契約数 +13%・価格 1.42 倍で売上約 46 億ドル、非災害の利益率 35%、大災害 2.65 億ドル。純利益は約 19.9 億ドルで 2025 年から年 +8.6%。大災害の増加は再保険の更新で吸収でき、小さな買収が毎年積み上がるが価値を壊さない。還元は純利益の 62%(約 90 億ドル)で、自社株買いが株数を減らす分は還元に入れている。
- コネクテッド・リビング(携帯端末の保護・下取り・修理):数量 93.7(保護対象の端末(百万台))× 価格 126(1 台あたり年間収益(ドル。保険料・手数料・下取り・再生品の売上を含む))→ 売上 118 億ドル・営業利益 13 億ドル。数量 ×1.42・1 台あたり収益 ×1.42・EBITDA 利益率 10.8%
- グローバル・オートモーティブ(自動車の延長保証):数量 66.1(対象車両(百万台))× 価格 102(1 台あたり年間収益(ドル))→ 売上 67 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 ×1.16・1 台あたり収益 ×1.43・EBITDA 利益率 8.2%
- グローバル・ハウジング(貸し手付・住宅所有者・賃貸):数量 915(有効契約数相当(万件))× 価格 503(1 件あたり年間収益(ドル))→ 売上 46 億ドル・営業利益 13 億ドル。契約数 ×1.13・価格 ×1.42・大災害除きの利益率 35.0%・大災害 2.65 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.50%)・g 4.0%(上限の内側。市場の実質 +1% + 価格 3.5% から、提携先の取り分の削減と軟調の分を引いた約 3.5%(中立)で、4% を超えない)・事業の ROE 17%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 19.9 ÷ 自己資本 119.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 12.6%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 15.2 倍(上限 = 純利益 19.9 億ドル × これ = 302 億ドル)。これの 0.9 割(14.3 倍)に置いた。やや楽観:楽観より伸びと利益率が控えめなので一段下。
確率:コネクテッド・リビングが年 +3.5% の数量と物価並みの価格で伸び、ハウジングの料率審査が穏やかな筋書き。今の勢いに近く 2 割を置く。
中立 34% 中立:事業全体が数量 +2〜3%・価格は物価並みで伸び、純利益は年 +5〜6% 利益 17 億ドル · PER 13.1 倍 · 株価時価総額 437.80 ドル217 億ドル
コネクテッド・リビングは保護対象の端末が +34%(約 8,800 万台。市場 +25%・シェア +7%)、1 台あたり収益 1.38 倍で売上約 108 億ドル、EBITDA 約 10.8 億ドル(利益率 10.0%)。自動車は対象車両 +12%・価格 1.41 倍で売上約 64 億ドル、利益率 7.8% で EBITDA 約 5.0 億ドル。ハウジングは契約数 +10%・価格 1.38 倍(貸し手付の料率は住宅の再調達費用の物価よりやや遅れる)で売上約 44 億ドル、大災害除きの利益率は 33.5%、大災害は物価と曝露の増加で想定の 1.5 倍の 2.8 億ドルとして EBITDA 約 11.8 億ドル。全社費用は 2.1 億ドルの赤字、償却 3.2 億ドル・利払い 1.3 億ドルで、純利益は約 16.6 億ドル(2025 年から年 +6.7%、2026 年見通しからは年 +5.8%)。10 年の還元は純利益の 62%で約 81 億ドル。中立では提携先の離反や大規模な買収はなく、のれんの減損は起きない。
- コネクテッド・リビング(携帯端末の保護・下取り・修理):数量 88.4(保護対象の端末(百万台))× 価格 122(1 台あたり年間収益(ドル。保険料・手数料・下取り・再生品の売上を含む))→ 売上 108 億ドル・営業利益 11 億ドル。数量 ×1.34・1 台あたり収益 ×1.38・EBITDA 利益率 10.0%
- グローバル・オートモーティブ(自動車の延長保証):数量 63.8(対象車両(百万台))× 価格 100(1 台あたり年間収益(ドル))→ 売上 64 億ドル・営業利益 5 億ドル。数量 ×1.12・1 台あたり収益 ×1.41・EBITDA 利益率 7.8%
- グローバル・ハウジング(貸し手付・住宅所有者・賃貸):数量 891(有効契約数相当(万件))× 価格 489(1 件あたり年間収益(ドル))→ 売上 44 億ドル・営業利益 12 億ドル。契約数 ×1.10・価格 ×1.38・大災害除きの利益率 33.5%・大災害 2.80 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.50%)・g 4.0%(上限の内側。市場の実質 +1% + 価格 3.5% から、提携先の取り分の削減と軟調の分を引いた約 3.5%(中立)で、4% を超えない)・事業の ROE 15%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 16.6 ÷ 自己資本 114.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 11.5%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 14.5 倍(上限 = 純利益 16.6 億ドル × これ = 241 億ドル)。これの 0.9 割(13.1 倍)に置いた。中立:資本の軽い手数料型の利益だが、提携先への集中と大災害で利益が振れるため、上限の 9 割にとどめた
確率:議論の落としどころ。端末保護が市場より少し速く、自動車・ハウジングは市場並みで、大災害の想定が物価と曝露の増加で伸びる筋書き。
やや悲観 26% やや悲観:端末保護の取り分と住宅料率が圧縮され、純利益は年 +3% 台 利益 11 億ドル · PER 10.2 倍 · 株価時価総額 235.05 ドル116 億ドル
提携先の契約更新で取り分が削られ、コネクテッド・リビングは保護対象の端末が +15%(約 7,600 万台)にとどまり、1 台あたり収益は物価より遅れて 1.33 倍、利益率 8.9% で EBITDA 約 8.0 億ドル。自動車は車両 +5%・価格 1.37 倍、利益率 7.0% で EBITDA 約 4.1 億ドル。ハウジングは民間の住宅保険の競争が戻って契約数が横ばい(810 万件)、価格 1.32 倍、大災害除きの利益率が 32%・大災害が 3.0 億ドルで EBITDA 約 9.1 億ドル。全社の純利益は約 11.4 億ドルで 2025 年から年 +2.7% と物価に届かない。10 年の還元は純利益の 63% で約 67 億ドル。2015〜22 年のような ROE 3〜8% の低い局面が長引く型で、のれんの一部を減損する。
- コネクテッド・リビング(携帯端末の保護・下取り・修理):数量 75.9(保護対象の端末(百万台))× 価格 118(1 台あたり年間収益(ドル。保険料・手数料・下取り・再生品の売上を含む))→ 売上 89 億ドル・営業利益 8 億ドル。数量 ×1.15・1 台あたり収益 ×1.33・EBITDA 利益率 9.0%
- グローバル・オートモーティブ(自動車の延長保証):数量 59.9(対象車両(百万台))× 価格 97(1 台あたり年間収益(ドル))→ 売上 58 億ドル・営業利益 4 億ドル。数量 ×1.05・1 台あたり収益 ×1.37・EBITDA 利益率 7.0%
- グローバル・ハウジング(貸し手付・住宅所有者・賃貸):数量 810(有効契約数相当(万件))× 価格 468(1 件あたり年間収益(ドル))→ 売上 38 億ドル・営業利益 9 億ドル。契約数 ×1.00・価格 ×1.32・大災害除きの利益率 32.0%・大災害 3.00 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.50%)・g 4.0%(上限の内側。市場の実質 +1% + 価格 3.5% から、提携先の取り分の削減と軟調の分を引いた約 3.5%(中立)で、4% を超えない)・事業の ROE 11%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 11.4 ÷ 自己資本 104.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 9.7%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 13.1 倍(上限 = 純利益 11.4 億ドル × これ = 149 億ドル)。これの 0.8 割(10.2 倍)に置いた。やや悲観:伸びが落ち堀が削れた会社として中立より下。
確率:提携先の契約更新で取り分が削られ、再保険と住宅料率が長く軟化する。2015〜22 年の ROE 3〜8%(2015 年・2018 年・2022 年)のような低い局面が長引く型で 26%。
悲観 13% 悲観:提携先の離反と規制で、構造的に優良ではなくなる 利益 5 億ドル · PBR 0.9 倍 · 株価時価総額 106.62 ドル53 億ドル
構造的に負け、優良な特殊保険ではなくなる。主要な通信事業者を失い(保護対象の端末が 10 年で −8%、約 6,100 万台)、1 台あたり収益は 1.25 倍と物価に遅れ、コネクテッド・リビングの EBITDA は約 5.7 億ドル(利益率 8.5%)。自動車は車両 −12%(OEM の直販・内製)・価格 1.28 倍で EBITDA 約 2.8 億ドル。ハウジングは州の利益上限と競合・内製で契約数 −15%、価格 1.25 倍、大災害が恒常的に 3.6 億ドルへ膨らんで EBITDA 約 5.9 億ドル。全社費用の増加と減損 0.6 億ドルで、純利益は約 5.4 億ドルと 2025 年の 6 割に落ちる。10 年の還元は純利益の 65% で約 49 億ドル。10 年目の純利益は谷に近いので、ならした利益でなく自己資本で測る。
- コネクテッド・リビング(携帯端末の保護・下取り・修理):数量 60.7(保護対象の端末(百万台))× 価格 111(1 台あたり年間収益(ドル。保険料・手数料・下取り・再生品の売上を含む))→ 売上 67 億ドル・営業利益 6 億ドル。数量 ×0.92・1 台あたり収益 ×1.25・EBITDA 利益率 8.5%
- グローバル・オートモーティブ(自動車の延長保証):数量 50.2(対象車両(百万台))× 価格 91(1 台あたり年間収益(ドル))→ 売上 46 億ドル・営業利益 3 億ドル。数量 ×0.88・1 台あたり収益 ×1.28・EBITDA 利益率 6.2%
- グローバル・ハウジング(貸し手付・住宅所有者・賃貸):数量 689(有効契約数相当(万件))× 価格 443(1 件あたり年間収益(ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 6 億ドル。契約数 ×0.85・価格 ×1.25・大災害除きの利益率 31.0%・大災害 3.60 億ドル
倍率:構造的に負けた筋書き。10 年目の自己資本 ROE は 6.0%(純利益 5.4 ÷ 自己資本 90 億ドル。のれんは除かない)で k 8.5% を下回るので、PBR の目安は ROE÷k = 0.71 倍。一方、稼ぐ力は純利益 5.4 億ドル ÷ k = 約 64 億ドルあり、価値はその内側の 53 億ドル(今の自己資本 59 億ドル × 0.9)に置いた。ならした利益では見ない。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。市場の値付けや過去の底からは置いていない。
確率:主要な通信事業者を失い、貸し手付の利益上限が全国に広がり、大災害が恒常化する構造的な負け。2018〜2022 年に ROE が 4〜8% に落ちた実績があり、13% を置く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
コネクテッド・リビング(携帯端末の保護・下取り・修理)
携帯電話会社・小売の顧客向けに、端末の保険・保証、修理・交換、下取り・再生品、物流を請け負う。
| 数量保護対象の端末(百万台) | 価格1 台あたり年間収益(ドル。保険料・手数料・下取り・再生品の売上を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 66.0 | 89 | 59 | 5 |
| 10 年後 中立 | 88.4 | 122 | 108 | 11 |
取り方:保護対象の端末は 2025 年 Q4 の開示(6,600 万台超)、売上は 2026 年上半期の 10-Q(コネクテッド・リビング 30.35 億ドル、自動車 20.89 億ドル)の比率を 2025 年のライフスタイルの売上に当てはめた推定で約 58.5 億ドル、1 台あたり約 88.6 ドル。EBITDA 約 5.0 億ドルはライフスタイル 8.01 億ドルの内訳の推定(4〜6 月に GL +21%・CL +29% から逆算)。市場は世界のモバイル保険 約 60 億ドル(年率 約 10%、業界調べの要約・推定)に下取り・修理を加えたもの。競合はアシュリオン・スクエアトレード・アライアンツ・パートナーズ。数量 = 市場(端末の台数と保護の加入率)× シェア、価格 = 1 台あたり収益(端末の物価と下取りの組み合わせ)。
グローバル・オートモーティブ(自動車の延長保証)
ディーラー・自動車メーカー経由で延長保証・車両サービス契約・関連の保険を売る。
| 数量対象車両(百万台) | 価格1 台あたり年間収益(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 57.0 | 71 | 41 | 3 |
| 10 年後 中立 | 63.8 | 100 | 64 | 5 |
取り方:対象車両は 2025 年 Q4 の開示(約 5,700 万台)、売上は上のとおり 10-Q の比率からの推定で約 40.5 億ドル、1 台あたり約 71 ドル。EBITDA 約 3.0 億ドルは推定(利益率 7.4%)。市場は米国の延長保証・車両サービス契約(断片化。新車・中古車の価格と修理費の物価に連動)。競合はディーラー系の保証会社、フォーテジアなど。数量 = 市場(保有車両台数と加入率)× シェア、価格 = 修理費の物価に連動する 1 台あたり収益。
グローバル・ハウジング(貸し手付・住宅所有者・賃貸)
貸し手付保険(借り手が未保険の住宅に貸し手が代わりにかける保険)、住宅所有者保険、賃貸保険、プレハブ住宅の保険。
| 数量有効契約数相当(万件) | 価格1 件あたり年間収益(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 810 | 354 | 29 | 9 |
| 10 年後 中立 | 891 | 489 | 44 | 12 |
取り方:売上は 2025 年の約 28.7 億ドル(2026 年上半期 15.5 億ドル +9% から逆算)、EBITDA 8.59 億ドルは報告値で、大災害損失 約 1.98 億ドルと過去準備金の戻し益 1.13 億ドルを含む。件数は非開示で、貸し手付・賃貸・プレハブ住宅の契約を合わせて約 810 万件に置いた推定(1 件あたり約 354 ドル)。市場は米国の住宅ローンの追跡と住宅保険(貸し手付は QBE などとの寡占)。数量 = 住宅ローン件数・賃貸世帯 × シェア、価格 = 住宅の再調達費用の物価と料率審査。2026 年の大災害の想定 1.85 億ドルは繰り返す費用として全筋書きに入れる。
リスクと懸念
大災害(ハリケーン)
ハウジングはフロリダ・ガルフ沿岸の貸し手付と住宅所有者保険を持ち、2025 年の大災害損失は約 2 億ドル(2025 年上半期は 1.87 億ドル)。2026 年の想定は 1.85 億ドルで、再保険は米国 16 億ドル(自己負担 1.6 億ドル超)、フロリダ 18 億ドル。想定の 2〜3 倍の年が来れば、その年のハウジングの利益は半分近くに落ちる。毎年起きる費用なので、全筋書きに想定額を入れた。
携帯端末の提携先の集中と契約更新
コネクテッド・リビングは少数の通信事業者・小売に収益が偏る。契約更新のたびに取り分を削られる、事業者が内製する、競合のアシュリオンやスクエアトレードに移る、といった形で数量と 1 台あたり収益が同時に落ちる。新しい大手との提携で 1 年に 400 万台以上増えたが、逆の動きがあれば同じ規模で減りうる。
過去準備金の戻し益の消滅
2025 年のハウジングの利益には過去準備金の戻し益 1.13 億ドルが入り、2026 年は戻し益を前提にせず成長を見込む。2026 年の好調な非災害の損害率が平年に戻れば、ハウジングの利益は想定より小さくなる。実力の利益は戻し益を除いたものとして扱った。
料率規制と貸し手付保険の利益の上限
貸し手付保険は州ごとに料率の審査があり、利益上限の議論が強まる州がある。再保険・住宅所有者保険の料率が軟化すれば、保険料の引き上げも通りにくくなる。会社は定期の料率申請で対処していると述べるが、規制の動きが利益率を押し下げる余地は残る。
自動車の損害率と関税
グローバル・オートモーティブは利益率が 7% 台で薄い。関税による修理部品の値上がり、電動化・先進運転支援による修理の構造変化、保険金請求の増加で損害率が悪化すれば、料率の引き上げが追いつくまで利益が圧縮される。契約の更新が数年遅れる点も効く。
のれんと小さな買収の積み上がり
のれん 26.6 億ドルと無形資産 4.9 億ドルが自己資本 61 億ドルの半分に迫る。小さな買収は毎年あり、価値を壊さない実績だが、のれんの減損が出れば自己資本と PBR の見方が変わる。式の ROE は買収で伸びる会社としてのれんを除かずに置いた。
金利・運用と景気後退
運用資産 121.6 億ドルは債券が中心で、金利が高いままなら運用益は底上げされる(上半期の正味投資収益 3.0 億ドル)。景気後退で信用損失が出れば運用益が落ち、携帯端末の買い替え・自動車販売・住宅ローンの数量が同時に減る。リーマン級の悪化では 2008〜09 年に株価が約 7 割下がった。
今後の分かれ目
- ハリケーンの大きな年(大災害損失が想定の 2 倍以上)が来る
- その年のハウジングの EBITDA は想定を 1.8 億ドル以上下回る。再保険の防御が効いて自己負担は限られ、翌年の再保険料の更新で上がる。長期の価値への影響は小さいが、その年の純利益は 2 割以上減る。
- 主要な通信事業者が提携を内製や他社へ切り替える
- 保護対象の端末の 1 割以上が動くと、コネクテッド・リビングの数量が下がり、固定費の分だけ利益率が下がる。やや悲観・悲観の筋書き(数量が 10 年で 15% 減など)に近づく。
- 料率審査で貸し手付保険の利益上限が強まる
- ハウジングの EBITDA 利益率が 3〜5 ポイント下がり、10 年の純利益が 1 割以上減る。中立の利益率 33.5% が 30% 前後に下がる筋書きに当たる。
- 新しい大手との提携が成熟し、端末あたりの収益が上がる
- 保護対象が 7,000 万台を超え、下取り・再生品の売上が加わる。コネクテッド・リビングの EBITDA が年 +10% を保つ筋書き(やや楽観〜楽観)に近づく。
- ホーム・ワランティが Compass などで収益化する
- 全社費用の赤字(年 約 1.45 億ドル)が縮小する。利益の上振れは 1 億ドル前後と見るが、立ち上がりの費用が続くうちは中立に織り込まない。
- 自動車の関税で修理部品が値上がりし、損害率が悪化する
- オートモーティブの利益率が 1〜2 ポイント下がり、EBITDA が 1 億ドル近く減る。料率の引き上げで 1〜2 年遅れて戻るが、その間は純利益が下振れる。
見ておくもの
- コネクテッド・リビングの EBITDA の伸び(今は 4〜6 月に +22%、一時益除き)と保護対象の端末数(6,600 万台超)
- ハウジングの大災害除く EBITDA(4〜6 月に 2.87 億ドル)と大災害損失、過去準備金の戻し益の有無、非災害の損害率
- 貸し手付の有効契約(+5%)・賃貸(+15%)、フリーダム・モーゲージなど新規契約の立ち上がり
- 自社株買い(2026 年は 3〜3.5 億ドルの上限付近)と持株会社の流動性(9.1 億ドル)、のれんの動き
- 大災害再保険の更新(毎年 4 月 1 日)の料率と、8〜10 月のハリケーン・シーズンの発生状況
倍率と資本コストの決め方
今の PER・PBR を先に見ず、事業ごとに数量 × 価格で 10 年の利益を積み、その時点の自己資本 ROE・g から式で倍率を出した。k = 基本 8.0% + quality +0.5% = 8.5%、g は事業で決め 4% を超えない(中立は 3.5%)。PER は (1 − g/RONIC)/(k − g) を来年の利益に対して出し、資本コストを超える分は新しく投じるお金では半分に薄れる形で使った。中立の 10 年は正当化 PER 14.5 倍の 9 割 = 13.1 倍で、やや悲観も同じ式の上限に対する割合で置き、過去の PER や PBR には寄せていない。ソフト化・大災害・提携先の離反は、価格と利益率の下落と、悲観・やや悲観の確率の厚み(10 年 39%)で表した。総合は -3% で「適正」。大災害と再保険料率の見直しが分かれ目になる。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.5% = 8.5%(β は使わない。決まり v2。内訳は quality_parts と quality_why)。大災害・提携先の契約更新・自動車の損害率で利益が振れるので quality は少し上げた。金融なので負債の補正は quality の debt で見る。提携先の集中・準備金・料率規制のような個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益率と悲観の確率・深さで表した。長期の g は 4.0% まで、k − g ≥ 3.5% を守る。