結論
リージョンズ・ファイナンシャル(アラバマ州バーミングハム本社)は、南東部・中西部の 15 州に約 1,250 店を持つ総資産約 1,630 億ドルの銀行で、預金規模は全米 19 位。2026 年 7〜9 月期は純利益 6.31 億ドル(普通株分 6.11 億ドル)、純金利マージン(NIM)3.68%、効率比率 56.2%、純償却率 0.29% と、収益力・費用・信用がそろって良い。無利息預金が約 31%、貸出預金比率が 77% と、預金が安く貸す余力も大きいのが強みで、固定金利の資産が高い今の金利で入れ替わる分が、数年にわたり利ざやを押し上げる。
ただし見かけの ROTCE(有形普通株の利益率)21% は、金利上昇で自己資本が AOCI(その他包括損益)の約 32 億ドルの含み損で削られた分だけ高く出ている。含み損を除いた ROTCE は約 17% で、会社の 16〜18% の長期の目標と合う。帳簿の ROE(のれん込み)の実績は 2014〜25 年で 6〜14%・平均約 10%(直近 5 年の平均約 12%)で、7〜9 月期の年率 14% は過去の最高に並ぶ水準である。これを 10 年続くとは置かず、中立の筋書きでは費用と信用コストを通常の景気循環に戻し、10 年後の帳簿の ROE を 13% 台に置いた。
資本コスト 8.5%(基本 8.0% に quality +0.5%)、10 年目以降の成長 4.0%(業界ノートの銀行の物差し:物価 3.5% + 貸出・預金の実質 0.5%、シェア 0)、帳簿の ROE 13.2%(有形ベースの ROTCE は約 16〜17%。資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金では半分に薄れる)の利益ベースの式から、中立の 10 年後は上限 PER 約 14 倍、その 9 割の約 12.6 倍に置いた。年換算の利益に対する今の倍率は約 10 倍で、式の倍率はその 1.3 倍ほど。結論は割安だが、倍率は資本コストと成長の差 4.5% に敏感で、帳簿の ROE が過去の平均に戻れば大きく縮む。そのため 10 年のうちの不況(やや悲観、確率 22%)と、預金流出・信用悪化で構造的に負ける姿(確率 12%)を厚めに置いた。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、銀行は預金を集めて貸す事業で、見るのは預金の質(安く長く残るか)、貸出の質(不況で損をしないか)、費用の規律、資本の配分である。リージョンズは無利息預金が約 31%・預金費用 1.70%・貸出預金比率 77% と、預金の質が地銀の上位にあり、信用も弱かった 3 分野を外へ出して改善している。10 年後もこの事業は存在し、店の密度と預金の質で今と同じかやや強いと考える。ただし支払いやカードで USバンコープ・JPモルガンのような圧倒的な堀があるわけではなく、堀の広さは地銀の上位という位置にとどまる。
オーナー利益は、純利益から貸出の伸びに必要な資本を引いた額で、中立の筋書きでは純利益の約 7 割を株主に返せる。注意点は 3 つ。第 1 は、見かけの有形自己資本の利益率 21% が金利上昇による含み損で膨らんでおり、含み損を除くと約 17%、帳簿の ROE(のれん込み)では 14% と、実績の平均約 10% を大きく上回ること。この水準が続く保証はなく、式の倍率が過去の PER 8〜16 倍の中ほどから上に出る原因でもある。第 2 は、南東部への他行の進出で預金の競争が厳しくなること。第 3 は 2009 年の損失に見るように、景気が悪い年に株主の資本が大きく削られた歴史。
安全域は、悲観(構造的に負け、帳簿の ROE 4% 前後)では時価総額が今の約 0.5 倍まで下がるが、不況の底でも普通株の自己資本が保たれる点にある。ただし式の倍率は資本コストと成長の差 4.5% と小さめで、倍率の振れが大きいため、確信度は中程度とした。
何で稼ぐ会社か
リージョンズは、アラバマ・テネシー・フロリダ・ルイジアナ・ミシシッピ・ジョージア・アーカンソーなど南東部を中心に、預金の約 9 割を上位 8 州で集める銀行である。預金約 1,295 億ドルのうち無利息が約 408 億ドル、貸出は約 998 億ドル(事業向けが約 68%、住宅ローンなど個人向けが約 32%)。収益 19.7 億ドル(2026 年 7〜9 月期)の約 66% が純金利収益、約 34% が手数料で、手数料は預金口座の手数料 1.71 億ドル、資産運用 1.46 億ドル、カード 1.26 億ドル、資本市場 1.07 億ドル、住宅ローン 0.32 億ドルなどである。
事業は 3 つに分かれる。法人・商業銀行(Corporate Bank)は、中堅企業・大企業・商業用不動産・公共団体への貸出と、資金管理(トレジャリー・マネジメント)・資本市場(融資シンジケート・M&A 助言・不動産資本市場)・リースで、預金約 395 億ドルを集める。2026 年 7 月には自治体債券の引受に強い投資銀行フレイザー・ラニエ社を買収し、自治体・公共向けの業務を足した。個人・小規模事業銀行(Consumer Bank)は、預金約 801 億ドルを集め、住宅ローン・ホームエクイティ・カード・自動車などを貸す。資産運用(Wealth Management)は、プライベートバンク・信託・証券仲介・保険で、顧客資産は約 600 億ドル、預金約 75 億ドル。開示の収益・利益の内訳は 7〜9 月期の資料の外にあるため、ここでは残高と手数料から割り振った推定で扱う。
数量と価格の置き方:数量は貸出と預金の平均残高(資産運用は運用資産を加える)を名目で置き、価格は残高 1 ドルあたりの収益(利ざやと手数料)の率。残高が物価とともに名目で増えるので、率は物価では上げず、利ざや・手数料の上げ下げだけを乗せた(同じ領域の他行と同じ置き方)。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 は預金:無利息預金が約 31%、計息預金の費用が 1.70%、貸出預金比率が 77% で、預金の質は同業でも上位。上位 5 位のシェアを持つ都市圏が約 7 割、上位 20 市場のうち 16 で上位 5 位(会社の資料)と、店の密度で預金を守る。金利が上下した局面の預金ベータは 37% で、今後も 30% 台半ばを見込む。第 2 は信用と資本の規律:2026 年の連邦準備制度の資本審査で、収益力(引当前の利益 ÷ 資産)が同業比較の最上位、ストレスバッファーは下限の 2.5%。弱かった 3 分野(トラック運送・通信・オフィス系)の貸出約 13 億ドルを銀行の外へ出し、純償却率は 0.29% まで下がった。第 3 は手数料の厚み:資金管理を使う顧客の割合が 5 年で 57% から 66% に上がり、資産運用も記録を更新している。
弱みも明確だ。第 1 は自己資本の薄さ:有形普通株の比率は 6.83%(前期 7.55%)で、AOCI の約 32 億ドルの含み損が長期金利の上昇で四半期に約 10 億ドル広がった。規制上の CET1 は 10.8% あるが、格付会社が見る比率は薄い。第 2 は資本市場の手数料が 2 年ほど横ばいで、会社も次の段階へ移るにはまだ途上だと認める点。第 3 は 2027 年に完了する預金の基幹システムの入れ替えという大きな実行リスク。第 4 は南東部へ大手・他地域の銀行が店を出し、預金の販促競争が 12〜18 か月続いていること。第 5 は歴史で、2009 年に純損失 10 億ドル、株価は山から 89% 下げ、PBR は 0.29 倍まで落ちた。今は不動産投資向け貸出が約 10% と当時より軽いが、テキサスの集合住宅で一部に鈍りが見える。経営は会長兼 CEO のジョン・ターナー、CFO のアニル・チャドハ(2026 年 7 月の決算説明会の発言者)。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の銀行は、FDIC によると 2026 年 4〜6 月期に全体で純利益 901 億ドル(年換算 3,600 億ドル)、ROA 1.37%、NIM 3.32%、貸出は前年比 +6.8% と好調である。短期金利 3.5〜4%・10 年国債 5% 前後が続く世界では、低利の債券・住宅ローンが満期や借り換えで高利に入れ替わり、利ざやが徐々に広がる。リージョンズの NIM は 3.68% で業界平均より約 0.4 ポイント高く、会社は 2026 年末に 3.7% を見込み、さらに「複数年にわたり」固定金利資産の入れ替えが利ざやを押し上げると言う(年約 30 億ドルの資産の入れ替えで 0.75〜1.0 ポイントの利回り上昇)。一方で預金は、短期金利が高いため無利息預金が流れにくいとはいえ、販促金利の競争が続く。
競争は 2 つの軸で起きている。第 1 は南東部・テキサスへの進出:フィフス・サード(コメリカの買収でテキサスを得た)、PNC(南東部で新規出店を進める)、ハンティントン(ケイデンスの買収で南東部とテキサスへ進出)が規模を広げ、ウェルズ・ファーゴ・バンク・オブ・アメリカ・JPモルガン・トゥルーイストは店と販促で預金を取りにくる。ピナクル・ファイナンシャルとシノバスの統合(2025 年発表)も同じ流れで、会社の CFO は「預金の競争は 12〜18 か月続くが、これまでと同じ」と述べる。第 2 は技術と決済:ステーブルコイン・フィンテックによる預金・決済の置き換えが 10 年の火種で、会社は 2027 年の預金システム刷新と技術投資で対抗する。
循環の位置:不況に近い局面ではない。消費者向け貸出は安定し、事業向けの貸出は発電・公益・製造・政府向けなど信用の高い先で伸びる(新規の約半分が投資適格)。2026 年の貸出残高は低い 1 桁の伸びで、7〜9 月期は前期比の伸びが鈍った。銀行の再編は規制緩和で承認が早まっており、リージョンズは預金を持つ銀行の買収には関心がないと明言している。
資本政策と M&A
還元は、CET1(AOCI 込み)の運用目標 9.25〜9.75% の中央で、利益の約 45〜50 ベーシスポイント分を毎四半期生み、配当に約 18〜20 ベーシスポイント、残りを自社株買いと貸出の伸びに回す方針である。2026 年 7 月に配当を 13% 増やし(過去 10 年の増配は年 16%)、7〜9 月期は約 300 万株・約 0.95 億ドルを買い戻した。配当は年約 10 億ドル。規制上の CET1 は 10.8% で、最終のバーゼル III では約 10.5% と会社は見込む。格付会社との協議の結果次第で目標が変わりうる(TCE 比率の重視)。優先株は約 13.7 億ドルで、当面は追加しない。
M&A は、預金を持つ銀行の買収には関心がないと明言し、預金の基幹システムの入れ替えを 2027 年の第 3 四半期までに終えることに集中する。買う場合は、資本市場・資産運用・リースなど預金を持たない事業の小口の買収で、2026 年 7 月に成立したフレイザー・ラニエ社(自治体債券の引受)がそれにあたる。会社の規模(総資産 1,630 億ドル)は、買収する側にも買われる側にもなりうる大きさだが、上位行の再編が進む中で、預金の質が高い会社は買収の対象になるという見方もある。本分析は、成立していない合併を筋書きに入れず、今の会社だけで書く。 なお、決算期末後に実行済みの自社株買い 4.6 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元(payout_oku)からは除いてある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
2026 年 7〜9 月期は純利益 6.31 億ドル、NIM 3.68%(前年同期 3.59%)、効率比率 56.2%、純償却率 0.29% と、利益・利ざや・費用・信用が同時に良い。会社は 2026 年末に NIM 3.7% を見込み、固定金利の貸出・債券の入れ替え(年約 30 億ドルで 0.75〜1.0 ポイントの利回り上昇)が複数年続く。預金費用 1.70% と預金ベータ 37% が守られれば、金利が 5% に張りつく世界で最も得をする銀行の 1 つになる。
成長の源は 3 つ。第 1 は預金の基幹システムの刷新(2027 年)で、新商品の投入が速くなり、小規模事業と個人の預金口座(2026 年は小規模事業の口座開設が 2024 年比 +7%)が伸びる。第 2 は法人銀行で、2 年前から 60 人超の銀行員を採用して新規の取引先が約 4 割増え、資金管理の利用率が 66% まで上がった。資本市場は年 4 億ドルの目標に向かい、自治体債券の引受(フレイザー・ラニエ社)が加わる。第 3 は 3〜4 年で 130〜150 店の新規出店と、テキサス・フロリダなどの成長都市圏での預金シェアの上乗せ。バリュー投資の観点では、年換算の利益に対して約 10 倍の値段は、有形自己資本の利益率が 17% で資本コスト 8.5% の銀行には低すぎる。利益ベースの式でも帳簿の ROE 13.2% なら上限 PER 約 14 倍、その 9 割で約 12.6 倍が出る。
慎重な見方
まず利益の質が割り引ける。有形自己資本の利益率 21% は、AOCI の約 32 億ドルの含み損が自己資本を削った分だけ高い(含み損を除くと約 17%)。7〜9 月期の純利益には、引当金の低い期(繰入 0.68 億ドル、純償却 0.72 億ドル)と一時的な要素(証券の売却損 0.15 億ドル)も混ざる。会社自身が純償却率を 40〜50 ベーシスポイントと見るのに対し、足元は 29 ベーシスポイントで、正常化すれば利益の約 1 割が消える。帳簿の ROE の実績は 2014〜25 年の平均が約 10% で、最高は 2022 年の 14.1%。今の 14% を 10 年続くと置くのは楽観に過ぎる。
競争も重い。フィフス・サード・PNC・ハンティントンが南東部に進出し、大手 4 行も店と販促を増やすため、預金の販促競争は続き、リージョンズは 2027 年に基幹システムの入れ替えと並行して耐えることになる。システム移行の失敗は預金の流出に直結する。さらに南東部・テキサスの集合住宅や、データセンター・AI 関連の取引先の連鎖、2009 年に純損失 10 億ドルと株価 89% 下落を経験した歴史(今は不動産投資向けが約 10% と軽い)もある。TCE 比率は 6.83% で、格付会社が資本の積み増しを求めれば自社株買いが止まる。式の PER 約 12.6 倍は、k − g が 4.5% の差から出た数字で、g が 1 ポイント下がると約 1 倍縮む。
どちらに重みを置いたか
預金・信用・費用の質は強気の見方が強く、帳簿の ROE が過去の平均を大きく上回る点と、含み損の影響、南東部の競争の激化は慎重な見方が強い。そこで 10 年は中立に厚め(35%)、やや悲観 22%、悲観 12% と置いた。手本のハンティントン(悲観 14%)より悲観を薄くしたのは、預金の質(無利息約 31%・貸出預金比率 77%)と買収の統合リスクの無さによる。一方、帳簿の ROE を平均の約 10% に戻した姿は、やや悲観(11.5%)と悲観(4.2%)で表した。倍率は利益ベースの式で、中立の 10 年は帳簿の ROE 13.2% と g 4.0%(業界ノートの物差し)から上限 PER 約 14 倍、その 9 割の約 12.6 倍。今の約 10 倍より高いが、上限すれすれにせず、悲観の確率と深さで表した。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 52.66 ドル450 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 23.74 ドル203 億ドル)。 今の値に割り戻すと 39.08 ドル334 億ドル、今との差 +37.6%、 期待の年率 +10.4%(資本コスト 8.5%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 80.80 ドル690 億ドル | 28.85 ドル246 億ドル | +286.1% | +14.5% | 8.77 ドル75 億ドル |
| やや楽観 | 23% | 68.03 ドル581 億ドル | 26.98 ドル230 億ドル | +234.5% | +12.8% | 21.85 ドル187 億ドル |
| 中立 | 35% | 55.15 ドル471 億ドル | 25.22 ドル215 億ドル | +183.0% | +11.0% | 28.13 ドル240 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 43.33 ドル370 億ドル | 23.11 ドル197 億ドル | +133.9% | +8.9% | 14.62 ドル125 億ドル |
| 悲観 | 12% | 14.29 ドル122 億ドル | 10.94 ドル93 億ドル | −11.2% | −1.2% | 3.03 ドル26 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 52.66 ドル450 億ドル | 23.74 ドル203 億ドル | +169.0% | +10.4% | 76.40 ドル652 億ドル |
今の株価時価総額 28.40 ドル243 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:新店と基幹システムの刷新で預金の密度が効き、NIM 3.9% 台・ROTCE 20% 前後を保つ 利益 50 億ドル · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 80.80 ドル690 億ドル
2036 年末、預金の基幹システムの刷新(2027 年)が成功し、小規模事業・個人の口座が伸びる。130〜150 店の新規出店でテキサス・フロリダなどの成長都市圏の預金シェアが上がり、無利息預金約 31% と預金ベータ 30% 台半ばを守る。固定金利資産の入れ替えが続いて NIM は 3.9〜4.0%、効率比率は 52% 台まで下がる。競合との比較では、フィフス・サード(調整後 ROTCE 約 19%)・USバンコープ(約 18.5%)を上回る収益力を保つ姿で、フィフス・サード・PNC・ハンティントンの南東部への進出を店の密度と預金の質で押し返した場合にあたる。
残高(貸出+預金。資産運用は運用資産を含む。名目)は 法人・商業 1,930 億ドル、個人・小規模事業 1,889 億ドル、資産運用 1,519 億ドル。収益は 151 億ドル(今の年換算 78.9 億ドルの約 1.91 倍。名目の残高の伸びと利ざやの変化を含む)、営業利益(貸倒引当後の税引前)64 億ドル、普通株の純利益は約 50 億ドル。ROTCE(優先株・のれん等を除く有形自己資本。含み損の戻りを含む)は 20.5%、帳簿の ROE(のれん込み)は 16.1%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 246 億ドル。時価総額は今の約 3.5 倍になる。
- 法人・商業銀行(法人・商業用不動産・資金管理・資本市場):数量 1,930(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.04(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 68 億ドル・営業利益 29 億ドル。法人・商業
- 個人・小規模事業銀行(預金・住宅ローン・カード・小規模事業):数量 1,889(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 65 億ドル・営業利益 27 億ドル。個人・小規模
- 資産運用・信託・プライベートバンク:数量 1,519(運用資産と預金・貸出の残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.01(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 18 億ドル・営業利益 8 億ドル。資産運用
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 0.8 億ドル)・優先株(約 13.7 億ドル)を除いた普通株の値。AOCI の含み損(今 −32 億ドル)を除いた有形ベースの ROE は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.50%(基本 8.0%+quality +0.50%)、事業の ROE 16.1%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 12.3% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=15.0 倍が上限。利益の質(預金の質と信用の規律は地銀の上位だが、貸出の構成が地銀型で南東部の競争を受ける)から、上限の 9.2 割の PER 13.8 倍に置いた(検査の上限は時価総額 749 億ドル)。
確率:預金の質を新店・基幹システムの刷新で広げ、他行の進出を押し返す姿。10 年で 8%(フィフス・サード 9%・ハンティントン 8%)。
やや楽観 23% やや楽観:固定金利資産の入れ替えが数年続き、手数料の割合が上がる 利益 43 億ドル · PER 13.4 倍 · 株価時価総額 68.03 ドル581 億ドル
2036 年末、基幹システムの入れ替えが予定どおり終わり、固定金利資産の入れ替えで NIM は 3.8〜3.9% へ上がる。手数料(資金管理・資産運用・資本市場)が貸出より速く伸びて収益の 4 割近くになり、新店の預金が積み上がる。不況は 1 度挟むが、信用は平常の範囲。競合との比較では、フィフス・サード・USバンコープに近い収益力を保ち、南東部で小さくシェアを取る。うまくいけば、他行の進出を受けても預金を守った場合の利益で、純利益は今の約 1.8 倍。
残高(貸出+預金。資産運用は運用資産を含む。名目)は 法人・商業 1,822 億ドル、個人・小規模事業 1,808 億ドル、資産運用 1,411 億ドル。収益は 139 億ドル(今の年換算 78.9 億ドルの約 1.76 倍。名目の残高の伸びと利ざやの変化を含む)、営業利益(貸倒引当後の税引前)56 億ドル、普通株の純利益は約 43 億ドル。ROTCE(優先株・のれん等を除く有形自己資本。含み損の戻りを含む)は 18.8%、帳簿の ROE(のれん込み)は 14.7%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 230 億ドル。時価総額は今の約 3.0 倍になる。
- 法人・商業銀行(法人・商業用不動産・資金管理・資本市場):数量 1,822(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 63 億ドル・営業利益 25 億ドル。法人・商業
- 個人・小規模事業銀行(預金・住宅ローン・カード・小規模事業):数量 1,808(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 60 億ドル・営業利益 24 億ドル。個人・小規模
- 資産運用・信託・プライベートバンク:数量 1,411(運用資産と預金・貸出の残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.01(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 17 億ドル・営業利益 7 億ドル。資産運用
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 0.8 億ドル)・優先株(約 13.7 億ドル)を除いた普通株の値。AOCI の含み損(今 −32 億ドル)を除いた有形ベースの ROE は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.50%(基本 8.0%+quality +0.50%)、事業の ROE 14.7%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 11.6% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.5 倍が上限。利益の質(預金の質と信用の規律は地銀の上位だが、貸出の構成が地銀型で南東部の競争を受ける)から、上限の 9.2 割の PER 13.4 倍に置いた(検査の上限は時価総額 631 億ドル)。
確率:固定金利資産の入れ替えが数年続き、手数料が貸出より速く伸びる姿。楽観と合わせて約 3 割(同じ領域の地銀と同水準)。
中立 35% 中立:預金は市場並み、利ざやは 3.7〜3.8% で頭打ち、信用は循環の平均へ 利益 37 億ドル · PER 12.6 倍 · 株価時価総額 55.15 ドル471 億ドル
2036 年末、南東部の預金は市場並みにしか伸びず、新店とテキサス・フロリダの伸びが、他行の進出で失う分と相殺してシェアは変わらない。NIM は 3.7〜3.8% で、固定金利資産の入れ替えが数年利ざやを押し上げた後は頭打ち。不況を 1 度挟み、純償却率は循環の平均で 0.45%、効率比率は 55〜56%。競合との比較では、フィフス・サード(NIM 3.36%)・ハンティントン(3.21%)より利ざやで優位を保つが、預金コストを守る販促の分を織り込む。AOCI の含み損は満期で戻るが、金利が下がらない世界なので 8 割どまり。
残高(貸出+預金。資産運用は運用資産を含む。名目)は 法人・商業 1,718 億ドル、個人・小規模事業 1,729 億ドル、資産運用 1,305 億ドル。収益は 129 億ドル(今の年換算 78.9 億ドルの約 1.64 倍。名目の残高の伸びと利ざやの変化を含む)、営業利益(貸倒引当後の税引前)48 億ドル、普通株の純利益は約 37 億ドル。ROTCE(優先株・のれん等を除く有形自己資本。含み損の戻りを含む)は 17.1%、帳簿の ROE(のれん込み)は 13.2%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 215 億ドル。時価総額は今の約 2.4 倍になる。
- 法人・商業銀行(法人・商業用不動産・資金管理・資本市場):数量 1,718(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 58 億ドル・営業利益 21 億ドル。法人・商業
- 個人・小規模事業銀行(預金・住宅ローン・カード・小規模事業):数量 1,729(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 56 億ドル・営業利益 21 億ドル。個人・小規模
- 資産運用・信託・プライベートバンク:数量 1,305(運用資産と預金・貸出の残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.01(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 15 億ドル・営業利益 6 億ドル。資産運用
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 0.8 億ドル)・優先株(約 13.7 億ドル)を除いた普通株の値。AOCI の含み損(今 −32 億ドル)を除いた有形ベースの ROE は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.50%(基本 8.0%+quality +0.50%)、事業の ROE 13.2%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 10.9% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.0 倍が上限。利益の質(預金の質と信用の規律は地銀の上位だが、貸出の構成が地銀型で南東部の競争を受ける)から、上限の 9.0 割の PER 12.6 倍に置いた(検査の上限は時価総額 524 億ドル)。
確率:預金は市場並みに伸び、不況を 1 度挟んで信用が循環の平均へ戻る落としどころ。35%(フィフス・サード 33%・ハンティントン 34%)。
やや悲観 22% やや悲観:預金の販促競争で預金コストが上がり、利益率が 15% 台へ 利益 31 億ドル · PER 12.0 倍 · 株価時価総額 43.33 ドル370 億ドル
2036 年末、預金の販促競争が続いて預金ベータが 40% 台に上がり、無利息預金が 28% 台に下がる。新店でも預金シェアを小さく失い、NIM は 3.5% 前後へ戻る。純償却率は 0.55% 前後で、不況を 2 度経験する。競合のフィフス・サード・PNC・ハンティントンが南東部で店と販促を厚くした結果、リージョンズの利益率は ROTCE で 15% 前後にとどまる。競合に負ける場合の利益は、今の約 1.3 倍。
残高(貸出+預金。資産運用は運用資産を含む。名目)は 法人・商業 1,601 億ドル、個人・小規模事業 1,628 億ドル、資産運用 1,217 億ドル。収益は 115 億ドル(今の年換算 78.9 億ドルの約 1.46 倍。名目の残高の伸びと利ざやの変化を含む)、営業利益(貸倒引当後の税引前)40 億ドル、普通株の純利益は約 31 億ドル。ROTCE(優先株・のれん等を除く有形自己資本。含み損の戻りを含む)は 15.1%、帳簿の ROE(のれん込み)は 11.5%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 197 億ドル。時価総額は今の約 1.9 倍になる。
- 法人・商業銀行(法人・商業用不動産・資金管理・資本市場):数量 1,601(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 51 億ドル・営業利益 18 億ドル。法人・商業
- 個人・小規模事業銀行(預金・住宅ローン・カード・小規模事業):数量 1,628(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 50 億ドル・営業利益 17 億ドル。個人・小規模
- 資産運用・信託・プライベートバンク:数量 1,217(運用資産と預金・貸出の残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.01(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 14 億ドル・営業利益 5 億ドル。資産運用
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 0.8 億ドル)・優先株(約 13.7 億ドル)を除いた普通株の値。AOCI の含み損(今 −32 億ドル)を除いた有形ベースの ROE は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.50%(基本 8.0%+quality +0.50%)、事業の ROE 11.5%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 10.0% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.3 倍が上限。利益の質(預金の質と信用の規律は地銀の上位だが、貸出の構成が地銀型で南東部の競争を受ける)から、上限の 9.0 割の PER 12.0 倍に置いた(検査の上限は時価総額 411 億ドル)。
確率:預金の販促競争が続き、預金ベータが上がる姿。慎重な見方は強く 22%(フィフス・サード・ハンティントンと同じ)。
悲観 12% 悲観:預金流出と不況の連続で負け、ROTCE は 10% 前後 利益 11 億ドル · PER 11.2 倍 · 株価時価総額 14.29 ドル122 億ドル
2036 年末、預金が MMF・ステーブルコインへ流れて預金コストが 4% 台に固定され、基幹システムの入れ替えの失敗で顧客が離れる。2 回の不況で不動産・事業向けに損失が出て、南東部でシェアを 1 割失う。NIM は 3.0% 前後へ縮み、効率比率は 62% 前後。競合の大手 4 行・フィフス・サードが預金を取る。
残高(貸出+預金。資産運用は運用資産を含む。名目)は 法人・商業 1,396 億ドル、個人・小規模事業 1,437 億ドル、資産運用 1,086 億ドル。収益は 92 億ドル、営業利益(貸倒引当後の税引前)14 億ドル、普通株の純利益は約 11 億ドルと今の約 0.45 倍まで落ち、帳簿の ROE は 4.2%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 93 億ドル。倍率は稼ぐ力の 9.5 割の PER 11.2 倍(PBR 約 0.47 倍は結果)で、時価総額は今の約 0.5 倍になる。
- 法人・商業銀行(法人・商業用不動産・資金管理・資本市場):数量 1,396(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 41 億ドル・営業利益 6 億ドル。法人・商業
- 個人・小規模事業銀行(預金・住宅ローン・カード・小規模事業):数量 1,437(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 40 億ドル・営業利益 6 億ドル。個人・小規模
- 資産運用・信託・プライベートバンク:数量 1,086(運用資産と預金・貸出の残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.01(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。資産運用
倍率:稼ぐ力で測る(SCHEMA §1-3)。構造的に負けた筋書きで、ROE が k を下回るため PER は 1÷k が上限になる。ROE 4.2% が k 8.50%(基本 8.0%+quality +0.50%)以下なので、ためた利益は額面を下回る価値で、PER は 1÷k=11.8 倍が上限。上限の 9.5 割の PER 11.2 倍(時価総額 128 億ドルが上限)に置いた。PBR は結果であって根拠ではない。
確率:預金流出・基幹システムの失敗・不況の連続で構造的に負ける姿。預金の質(無利息約 31%・貸出預金比率 77%)と統合リスクの無さから、ハンティントンの 14% より薄い 12%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
法人・商業銀行(法人・商業用不動産・資金管理・資本市場)
中堅・大企業・商業用不動産・公共団体への貸出と預金・資金管理、資本市場(シンジケート・M&A 助言・自治体債券の引受)、リース。
| 数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目) | 価格残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1,060 | 0.03 | 35 | 14 |
| 10 年後 中立 | 1,718 | 0.03 | 58 | 21 |
取り方:2026 年 7〜9 月期の年換算(推定)。平均貸出のうち事業向け約 673 億ドルの大半と、法人の預金約 395 億ドルを合わせた 1,060 億ドル(貸出約 665 + 預金約 395)。収益は純金利収益のうち法人分と、資金管理・資本市場 4.3 億ドル(年換算)・リースなどの手数料から約 35 億ドル(推定)。営業利益は全体の貸倒引当後の税引前 31.5 億ドルを収益比で割り振り 14.0 億ドル(推定)。価格は 3.3%(利ざやと手数料)で。残高は名目で物価とともに増え、率は利ざや・手数料の変化だけを映す(同じ領域の他行と同じ置き方)。競合はバンク・オブ・アメリカ・JPモルガン・ウェルズ・ファーゴ・トゥルーイスト・フィフス・サード・ハンティントン。
個人・小規模事業銀行(預金・住宅ローン・カード・小規模事業)
個人・小規模事業の預金と、住宅ローン・ホームエクイティ・カード・自動車などの貸出。店舗網と預金の入口。
| 数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目) | 価格残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1,121 | 0.03 | 36 | 14 |
| 10 年後 中立 | 1,729 | 0.03 | 56 | 21 |
取り方:2026 年 7〜9 月期の年換算(推定)。個人向け貸出約 300 億ドル(住宅ローン約 194 億ドル・ホームエクイティ・カード・自動車などの個人向け約 319 億ドルのうち資産運用分を除く)と、預金約 821 億ドル(消費者銀行 801 億ドルとその他 20 億ドル)の合計 1,121 億ドル。収益は預金口座の手数料 6.8 億ドル・カード 5.0 億ドル・住宅ローン 1.3 億ドル(年換算)と預金の利ざやから約 35.8 億ドル(推定)。営業利益は収益比で 14.2 億ドル(推定)。価格は 3.2%。残高は名目で物価とともに増え、率は利ざや・手数料の変化だけを映す。競合はウェルズ・ファーゴ・バンク・オブ・アメリカ・トゥルーイスト・PNC・JPモルガン。
資産運用・信託・プライベートバンク
富裕層・法人の信託・資産運用・証券仲介・保険と、関連する預金・貸出。
| 数量運用資産と預金・貸出の残高の合計(億ドル・名目) | 価格残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 702 | 0.01 | 8 | 3 |
| 10 年後 中立 | 1,305 | 0.01 | 15 | 6 |
取り方:運用資産(顧客資産)約 600 億ドル(2026 年 7 月の決算説明会で「約 600 億ドルのうち 60 億ドルを採用した運用担当者が積み増し」)、預金約 75 億ドル、貸出約 27 億ドル(推定)の合計 702 億ドル。収益は資産運用の手数料 1.46 億ドルの年換算 5.8 億ドルに、預金・貸出の利ざや約 2.3 億ドル(推定)で約 8.1 億ドル。営業利益は 3.3 億ドル(推定)。価格は 1.15%。競合はウェルズ・ファーゴ・JPモルガン・バンク・オブ・アメリカ・PNC。
リスクと懸念
預金の競争と預金コストの上昇
フィフス・サード・PNC・ハンティントン・大手 4 行が南東部で店と販促を増やし、預金の販促競争が 12〜18 か月続いている。預金ベータが 30% 台半ばを超えて 50% 近くに上がれば、NIM の拡大(3.68% → 3.7%)が止まる。無利息預金(約 31%)が計息預金へ移るのも同じ打撃になる。
預金の基幹システムの入れ替え
2026 年の秋に試験運用、2027 年の第 1 四半期から第 3 四半期にかけて顧客を段階的に移す大型の工事。移行の失敗は預金の流出・顧客の離反・費用超過に直結する。完了すれば新商品の投入が速くなる利点がある一方で、2027 年の費用を押し上げる。
AOCI の含み損と自己資本の薄さ
AOCI は約 32 億ドルの含み損で、有形普通株の比率は 6.83%(前期 7.55%)まで下がった。長期金利がさらに上がれば広がり、格付会社が TCE 比率を重視すれば、自社株買いが減るか優先株の追加が要る。金利が下がれば逆に自己資本が厚くなる。
信用の正常化と集合住宅・事業用不動産
純償却率は 0.29% と平常の下で、会社の目標は 40〜50 ベーシスポイント。トラック運送・通信・オフィス系の 3 分野は外に出したが、テキサスの集合住宅で吸収の遅れが見える。不況で事業向け貸出(約 68%)が傷めば、2009 年のような損失の再来になりうる。
資本市場と手数料の伸び悩み
資本市場の収益は 2 年ほど横ばい(年 3.6〜3.8 億ドル)で、長期金利の高さが M&A・スワップ・住宅ローンを抑える。会社は 2026 年の手数料の伸びを目標 3〜5% の下限と見る。手数料の厚み(約 34%)を高める戦略が進まないと、利ざや頼みの収益になる。
預金・決済の置き換えと規制
ステーブルコイン・MMF・フィンテックによる預金・決済の置き換えが進めば、預金コストが 4% 台に固定されうる。カード手数料の規制(カード競争法案)や、バーゼル III の再提案による資本規制の変更も、還元の水準を左右する。
今後の分かれ目
- NIM が 2026 年 10〜12 月期に 3.70% に乗り、2027 年に 3.8% へ進む
- 預金の質がそのまま利益に届くと確認され、やや楽観〜楽観の確率が上がる。固定金利資産の入れ替えが複数年続く筋書きが裏づけられる。
- 預金ベータが 40% を超え、無利息預金の割合が 30% を割る
- 預金の質が崩れ始めたと見て、やや悲観の確率を厚くする。NIM の拡大が預金コストに食われる。
- 基幹システムの入れ替えで、2027 年に預金の流出や重大な障害が出る
- 預金の堀が傷つくので、悲観の確率を厚くする。費用の超過も加わり、効率比率が 58% を超える。
- 純償却率が 50 ベーシスポイントを超え、集合住宅・事業用不動産の損失が広がる
- 信用の正常化が悪化に変わった合図。利益が 1〜2 割減り、倍率も縮む。やや悲観の確率を上げる。
- 格付会社が TCE 比率の最低線を引き上げる
- 自社株買いが減り、還元が約 3 割減る。優先株の追加が増えると普通株の利益率が下がる。
- 競合が南東部で預金シェアを大きく取る、またはリージョンズが預金を持つ銀行を買う
- 前者はシェアの縮みで悲観寄りの筋書き、後者は統合リスクと希薄化が加わるので、成立後に筋書きと確率を組み直す。
見ておくもの
- NIM(2026 年 10〜12 月期に 3.70%)、預金コスト(計息預金 1.70%)、無利息預金の比率(約 31%)
- 純償却率(会社目標 40〜50 ベーシスポイント)と事業向けの要注意先の割合(4.71%)、集合住宅の動向
- TCE 比率(6.83%)・AOCI(約 −32 億ドル)・CET1(AOCI 込みの運用目標 9.25〜9.75%)と自社株買いの額
- 預金の基幹システムの試験運用(2026 年秋)と顧客の移行(2027 年)の進み具合
- 手数料の伸び(資本市場 年 4 億ドル、資産運用の記録更新)と効率比率(56% 前後)
- 2027 年の見通し(2026 年 10 月の決算説明会)と 130〜150 店の新規出店の進み具合
倍率と資本コストの決め方
倍率は式どおりに置き、今の値段(年換算の利益の約 10 倍)には寄せていない。利益ベースの上限 PER 約 14 倍の 9 割(12.6 倍)は今の倍率の約 1.3 倍で、利益の伸びが加わって結論は割安になる。g は業界ノートの銀行の物差し 4%(物価 3.5% + 実質 0.5%・シェア 0)に揃え、ROE を足元の見かけの有形 21% ではなく、帳簿の 13.2%(ROTCE 16〜17%)に置いた。2014〜25 年の平均約 10%・最高 14.1% と比べて上寄りなので、roe_why に預金の質と固定金利資産の入れ替えを書き、届かない道をやや悲観・悲観の確率(計 34%)と ROE の深さ(11.5%・4.2%)で表した。資本コストは基本 8.0% に quality +0.5%(地銀型の貸出で景気の振れを受ける)を足した 8.5%。割安が大きいのは、今の倍率が低いことと利益の伸びのためで、g を 1 ポイント下げると PER が約 1 倍縮む感度がある。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β 1.02 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.5% = 8.5%。預金の質(無利息約 31%)と信用の規律は地銀の上位だが、貸出の構成が地銀型で景気の振れを受けるので、ハンティントンやフィフス・サードと同じ水準に置いた。南東部の競争・含み損・基幹システムの入れ替えは k に足さず、悲観の確率と利益率で表した。
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