結論
CME グループは、米国債・SOFR などの金利先物、E ミニ S&P 500 などの株価指数先物、WTI 原油・金・農産物の先物とオプションを扱う世界最大のデリバティブ取引所で、取引の清算までを自前で行う。売上は 2025 年に約 65 億ドル(前年比 +6%、4 年連続の過去最高)、営業利益率は 65%、純利益は約 40 億ドル。稼いだ現金はほぼ全部を定例配当と年に 1 度の変動配当で還元し、借入は 34 億ドルと小さい。
2026 年は 1〜3 月期の ADV(日次平均取引量)が 3,623 万枚と全資産クラスで過去最高、7〜9 月期も同期間として過去最高の 2,940 万枚。ただし 1〜3 月期は金利と商品価格の急変動が押し上げた面があり、4〜6 月期は売上が前年並みにとどまった。平均手数料(RPC)も 0.686 ドル(2025 年 1〜3 月期)から 0.652 ドル(2026 年 1〜3 月期)へ下がり、価格が物価に届かない傾向は続く。米国債先物の独占には BGC の FMX とインターコンチネンタル・エクスチェンジが挑み、予測市場は FanDuel と組んで新しい収益源を探している。
数量×価格で 8 つの塊に分けて積むと、中立の 10 年後は売上 約 108 億ドル(年 +5.2%)、純利益 約 63 億ドル。取引と清算の集中で、資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る強い堀になる。資本コスト 7.75%(基本 8.0% + quality −0.25%)・g 4%・ROE 23% の式から正当化 PER は約 20.6 倍で、その 8.5 割の約 17.5 倍を中立に置いた。確率をかけて割り引いた本質価値は今の時価総額を約 17% 下回り、期待の年率は 4.3% と資本コストに届かず、総合は『やや割高』になる。取引量が高止まりすれば結論は縮む。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後を問う。債券・株・エネルギーの価格リスクを管理したい資金は 10 年後も存在し、そのための取引の場として CME は今より強い位置にいる見込みが高い。堀の中心は、最大の買い手と売り手が集まるネットワークと、清算で証拠金を相殺する仕組みで、この 2 つは広がることはあっても狭まりにくい。狭まるとすれば、米国債先物で ICE と FMX が清算まで一体で提供する新しい形が広がる場合。
次にオーナー利益。設備投資は売上の 1% 強で、純利益のほぼ全部が株主のものになる。事実、純利益の約 98% を配当と自社株買いで還元しており、再投資の必要はほとんどない。式の ROE は買収ののれんを含む帳簿の自己資本 ROE を使ったが、伸びに買収が要らないので、除けば倍率はさらに上がる。そこは保守側に置いた。
経営の資本配分は、余剰の現金を年に 1 度全部返す規律が明快で、割高な買収で価値を壊した形跡は近年ない。自社株買いは小さい。経営者の交代(2027 年)は不確実要素。
安全域:資本コストは 7.75%(基本 8.0% + quality −0.25%)で、今の値段(PER 約 26 倍)に安全域はない。10 年後の中立の PER は約 17.5 倍で、縮む分だけ期待の年率が下がる。楽観で時価総額は今の約 1.8 倍、悲観で今の 3 割弱。確信度は中〜高。
何で稼ぐ会社か
売上は 3 本の柱から成る。
清算・取引手数料(2026 年 4〜6 月期の売上の約 79%):取引所で約定した先物・オプションの 1 枚ごとに手数料を取り、清算機関として売り手と買い手の間に入って証拠金を管理する。手数料は 1 枚あたり、金利先物(ADV の約半分)が 0.48 ドル、E ミニなどの指数先物(約 3 割)が約 0.6 ドル、為替が約 0.8 ドル、エネルギーが約 1.1 ドル、金属が約 1.3 ドル、農産物が約 1.4 ドルと単価が違い、数量が多いのは安い金利先物と指数先物。
市場データ・情報サービス(約 14%、2026 年 4〜6 月期に過去最高の 2.38 億ドル、+20%):取引所の価格データを金融機関・データ会社に配信する契約。取引量に左右されず、契約の更新と値上げで伸びる高採算の収入。
その他(約 7%):米国債の現物の取引基盤 BrokerTec、為替の EBS、店頭デリバティブの清算、技術サービス。
営業費用は 4〜6 月期に約 6 億ドルで、取引量が増えても費用はほとんど増えないため、売上の増加分の大半が利益になる(営業利益率 65%)。営業外では、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス(約 27% 持ち分、S&P グローバルとの合弁)と、FanDuel との予測市場の合弁の持ち分法の損益、現金の運用益が加わる。
優良さと弱いところ
堀は 3 層ある。1 つ目はネットワーク効果。金利先物と株価指数先物は、すでに最も多い買い手と売り手が集まっているため、新しい取引所に移ると値が飛びやすく、大口の資金は動かさない。2 つ目は清算の一体性。1 つの清算機関に建玉を集めると証拠金が相殺され、CME によると毎日 950 億ドル超の証拠金が節約される。他社に分けるとこの節約が崩れる。3 つ目は商品の規格(米国債先物の受渡し対象・WTI の標準契約など)で、これは規格を作った側が持つ。
資本効率は高い。設備投資は年約 0.85 億ドルで売上の 1% 強、利益のほぼ全部を還元できる。ROE は 14%(2025 年)だが、これは 2007〜08 年の CBOT・NYMEX の買収で積んだのれんと無形資産を自己資本に含むため。伸びに買収は要らず、除けばはるかに高い。
弱みは 3 つ。価格を物価並みに上げられていない(RPC が 2025 年から 2026 年に 5% 下がった)。取引量が金利の変動に連動し、静かな年は伸びない。経営者が代わる(CEO は 2027 年 3 月に執行会長へ、後任は社長兼 CFO)。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
取引所は、数量(ADV・建玉)と 1 枚あたりの手数料(RPC)の掛け算で売上が決まる。数量は金利・為替・商品価格の変動と、ヘッジをしたい資金の量(米国債の発行額・運用資産)で増え、2025 年から 2026 年にかけては金利の乱高下と、金・銅・原油の急騰で全資産クラスが過去最高になった。
構造の変化は 4 つある。第 1 に米国債先物の競争。FMX(BGC)が現物債で 30% のシェア(前年 23%)を持ち、インターコンチネンタル・エクスチェンジの米国債清算が承認されたが、先物の取引量は 99% 近くが CME に残る。CME は米国債の清算にも自前で参入し、競合に先手を打った。第 2 に予測市場。FanDuel と組んだ FanDuel Predicts は 2025 年 12 月に始まり、イベント契約の ADV は 400 万枚を超えるが、CME はスポーツを扱わず、規制の見通しは不透明。第 3 に 24 時間の商品(マイクロ金・暗号資産)と、株価指数のオプション(シービーオーイーの SPX や 0DTE)の拡大で、先物からオプションへの流れが進む。第 4 に市場データの高単価化と、AI による内製化の両面。
競合の位置:エネルギーはインターコンチネンタル・エクスチェンジがブレント原油と欧州ガスで優位、CME は WTI と米国ガス。株価指数はシービーオーイーのオプション、ナスダックの指数ビジネスと競う。暗号資産はコインベースなどの取引所が主役。
資本政策と M&A
還元の原則は「余った現金は年に 1 度の変動配当で返す」。2026 年 2 月に定例配当(四半期ごと)と、前年の業績と現金の必要量から決める変動配当を宣言し、1〜3 月期に約 27 億ドルを支払った。2025 年の配当は約 39 億ドルで純利益の約 98%。4〜6 月期には自社株買いも 6.95 億ドル実施し、上半期の買い戻しは約 12 億ドル。有利子負債は 34 億ドルで、現金(約 23 億ドル)を引いた純負債は 11 億ドルと時価総額の 1% 程度。
M&A は 2007〜08 年に CBOT・NYMEX を、2018 年にロンドンの NEX を約 54 億ドルで買収し、今の自己資本のうち大きな部分がこの買収ののれんと無形資産。近年は大型買収を控え、合弁(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス約 27%、FanDuel との予測市場)で新しい領域に出る。
優先株 458 万株は 2026 年 3 月に普通株へ転換済みで、株式は 1 種類に整理された。2026 年の費用の見通しにはクラウド移行・24 時間取引・証券清算・予測市場の投資が入り、2026 年の税率は調整後で 23.5〜24.5%。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
金利先物は、米国の財政赤字で米国債の発行が増え続ける限り、ヘッジの需要が拡大する。2026 年 1〜3 月期の ADV 3,623 万枚が全資産クラスで過去最高になり、7〜9 月期も同期間で過去最高。米国債先物の取引量は 99% 近くが CME で、FMX も ICE も小さな割合にとどまる。清算の相互証拠金(毎日 950 億ドル超の節約)で大口は CME に集まり続け、CME は米国債の清算にも自前で参入して先手を打った。
市場データは 2026 年 4〜6 月期に過去最高の 2.38 億ドル(+20%)で、AI 企業・データ会社への提供という新しい買い手も加わる。予測市場は FanDuel の顧客網を借りて 14 万口座まで伸び、24 時間のマイクロ金・暗号資産・証券清算も加わる。費用の伸びは年 4.5% 程度で、売上が年 +7% を超えれば営業利益率は 70% に近づく。
この見方なら 10 年後の純利益は約 91 億ドル、ROE 34% でも式の PER の上限は約 22.5 倍で、その 9 割の PER 20.7 倍がつき、時価総額は 1,885 億ドルと今の約 1.8 倍になる。
慎重な見方
2026 年の取引量は、金利と金・銅・原油の急変動という特殊な年に押し上げられた面が強い。7〜9 月期の ADV 2,940 万枚は 1〜3 月期の 3,623 万枚より約 2 割少なく、4〜6 月期の売上は前年並みにとどまった。平均手数料は 2025 年 1〜3 月期の 0.686 ドルから 2026 年 1〜3 月期の 0.652 ドルへ下がり、取引量が増えても単価の低下で売上が伸びない傾向は続く。金属の RPC は 1.59 ドルから 1.15 ドルへ急低下した。
米国債先物は BGC の FMX(現物債でシェア 30%)とインターコンチネンタル・エクスチェンジの清算承認で、取引と清算を一体で提供する競合が現れ、大口が一部を動かす可能性がある。競合が出れば CME は手数料を引き下げざるを得ず、独占の価格決定力が削られる。株価指数はシービーオーイーのオプションに押される。予測市場は、スポーツを扱わない CME の立場では広がりにくく、規制の不確実性も大きい。
クラウド移行・24 時間取引・証券清算の投資で費用が年 +4.5% 以上伸び、売上が +2% なら営業利益率は 61% に下がる。この見方では、10 年後の純利益は 29 億〜46 億ドルにとどまる。
どちらに重みを置いたか
独占の堀と低い費用構造は強いが、手数料が物価に届かず、競合の新規参入が始まったため、強気の言い分をそのまま採らず、中立でも価格は物価の半分以下の上昇にとどめた。取引所は混乱の時に取引量が増えるので悲観を厚くしすぎず、悲観は 11% にした。確率は楽観側 37%・中立 32%・悲観側 31% で、わずかに強気寄り。ただし倍率は式の上限の 8.5 割前後で、10 年の価値は今の時価総額を 17% 下回り、期待の年率は 4.3% と資本コスト 7.75% に届かない(やや割高)。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 304.06 ドル1,096 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 143.98 ドル519 億ドル)。 今の値に割り戻すと 243.27 ドル877 億ドル、今との差 −20.5%、 期待の年率 +3.9%(資本コスト 7.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 523.13 ドル1,885 億ドル | 186.51 ドル672 億ドル | +131.9% | +8.8% | 85.16 ドル307 億ドル |
| やや楽観 | 25% | 390.77 ドル1,408 億ドル | 163.47 ドル589 億ドル | +81.1% | +6.1% | 138.56 ドル499 億ドル |
| 中立 | 32% | 307.32 ドル1,107 億ドル | 146.54 ドル528 億ドル | +48.3% | +4.0% | 145.23 ドル523 億ドル |
| やや悲観 | 20% | 182.57 ドル658 億ドル | 119.90 ドル432 億ドル | −1.1% | −0.1% | 60.49 ドル218 億ドル |
| 悲観 | 11% | 79.38 ドル286 億ドル | 89.65 ドル323 億ドル | −44.8% | −5.8% | 18.59 ドル67 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 304.06 ドル1,096 億ドル | 143.98 ドル519 億ドル | +46.4% | +3.9% | 448.04 ドル1,614 億ドル |
今の株価時価総額 305.98 ドル1,102 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 12% 楽観:金利ヘッジの独占が広がり、データと新商品が上乗せされる 利益 91 億ドル · PER 20.7 倍 · 株価時価総額 523.13 ドル1,885 億ドル
2035 年に売上は約 153 億ドル(年 +8.9%)、純利益は約 91 億ドル。金利先物は ADV が 2.0 倍の約 3,100 万枚(財政赤字の拡大で米国債の発行が増え、ヘッジが増え続ける)、手数料は 25% 上がる(物価 41% の約 6 割。値上げが通る)。株価指数は 2.0 倍・手数料 +18%。市場データは AI 企業・資産運用会社への提供が加わって 2.5 倍の約 20 億ドル。24 時間の暗号資産・予測市場・証券清算も追加の収益になる。競合に対して、米国債先物は FMX・ICE に 1 割も渡さず、清算の相互証拠金の節約で CME に集まる流れが続く。S&P 500 先物は、シービーオーイーのオプションに対しても今のシェアを保つ。ROE は 34% で、利益を毎年ほぼ全部還元するので自己資本は膨らまない。
- 金利先物・オプション:数量 78.1(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 1,550 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.60(1 枚あたりの平均手数料(ドル。売上 億ドル ÷ 億枚))→ 売上 47 億ドル・営業利益 33 億ドル。ADV×手数料
- 株価指数先物・オプション:数量 39.8(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 790 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.73(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 20 億ドル。ADV×手数料
- 為替先物:数量 5.0(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 110 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.96(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 3 億ドル。ADV×手数料
- エネルギー先物・オプション:数量 13.2(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 290 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.35(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 12 億ドル。ADV×手数料
- 農産物先物・オプション:数量 7.6(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 200 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.75(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 9 億ドル。ADV×手数料
- 金属先物・オプション:数量 6.0(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 85 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.42(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 6 億ドル。ADV×手数料
- 市場データ・情報サービス:数量 100(有料の購読・配信契約(千件、推定))× 価格 0.20(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 13 億ドル。契約数×単価
- 現物債券・外為の取引基盤、店頭清算、その他:数量 230(取引基盤・清算の取扱高に相当する量(兆ドル、推定))× 価格 0.05(取扱高 1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 7 億ドル。取扱高×料率
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 34.4%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 265 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 25.5%、g 4.0%(取引量の伸びと手数料率の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 22.5 倍で、これが検査の上限になる。金利先物と清算をほぼ独占し、取引量が増えるほど利益が増える。ただし 2026 年の取引量の急増は一部が戻る。 上限の 9.2 割の 20.7 倍に置いた。
確率:AI 向けデータ・予測市場・暗号資産・証券清算の新しい収益が実り、競合も崩せない最良の筋書き。
やや楽観 25% やや楽観:新商品が一部実り、米国債の独占は守る 利益 74 億ドル · PER 19.0 倍 · 株価時価総額 390.77 ドル1,408 億ドル
2035 年に売上は約 126 億ドル(年 +6.8%)、純利益は約 74 億ドル。ADV は 2025 年の 1.8 倍(金利先物 約 2,790 万枚)で、手数料は金利 +12%・株価指数 +8%・エネルギー +5%(物価 41% を大きく下回る)。市場データは 2.2 倍の約 18 億ドル。24 時間取引と証券清算は小さく始まり、予測市場は規制が整って広がる。インターコンチネンタル・エクスチェンジとシービーオーイーには株価指数のオプションで一部を取られるが、金利先物は守る。費用は年 +4.5% で、営業利益率は 66.7% から 68.9% へ上がる。
- 金利先物・オプション:数量 70.3(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 1,550 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.54(1 枚あたりの平均手数料(ドル。売上 億ドル ÷ 億枚))→ 売上 38 億ドル・営業利益 26 億ドル。ADV×手数料
- 株価指数先物・オプション:数量 35.8(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 790 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.67(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 16 億ドル。ADV×手数料
- 為替先物:数量 4.4(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 110 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.89(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 3 億ドル。ADV×手数料
- エネルギー先物・オプション:数量 11.7(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 290 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.23(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 10 億ドル。ADV×手数料
- 農産物先物・オプション:数量 6.8(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 200 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.61(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 8 億ドル。ADV×手数料
- 金属先物・オプション:数量 5.1(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 85 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.32(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 5 億ドル。ADV×手数料
- 市場データ・情報サービス:数量 88.0(有料の購読・配信契約(千件、推定))× 価格 0.20(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 11 億ドル。契約数×単価
- 現物債券・外為の取引基盤、店頭清算、その他:数量 200(取引基盤・清算の取扱高に相当する量(兆ドル、推定))× 価格 0.05(取扱高 1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 6 億ドル。取扱高×料率
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 27.3%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 272 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 20.8%、g 4.0%(取引量の伸びと手数料率の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 21.5 倍で、これが検査の上限になる。金利先物と清算をほぼ独占し、取引量が増えるほど利益が増える。ただし 2026 年の取引量の急増は一部が戻る。 上限の 8.8 割の 18.9 倍に置いた。
確率:経営の新商品が半分実る程度の筋書き。
中立 32% 中立:取引量は年 5%、価格は物価に届かず、独占は保たれる 利益 63 億ドル · PER 17.5 倍 · 株価時価総額 307.32 ドル1,107 億ドル
2035 年に売上は約 108 億ドル(年 +5.2%)、純利益は約 63 億ドル。取引量は 2025 年の 1.6 倍(年 +5%)で、金利先物の ADV は約 2,511 万枚、株価指数は約 1,280 万枚。手数料は金利 +5%・株価指数 +2%・エネルギー ±0%・農産物 +8%・金属 −5%。物価が 41% 上がる中で手数料が 0〜8% しか上がらないのは、取引量に応じた段階値引き(量が増えるほど 1 枚の単価が下がる料金表)、小口のマイクロ契約への移行、競合の目があるため。2015 年からの実績でも平均手数料は物価に届かず、農産物は在庫と生産者の引き合いが固く値上げが通りやすいので +8% と他より高く置いた。市場データは年 +7% で約 16 億ドル。競合に対して、金利先物は米国債の新規参入(FMX・ICE)で一部の大口を取られるが、清算の相互証拠金の仕組みで 85% 以上を守る。S&P グローバルとの指数の合弁の利益も増える。営業利益率は 65.7% から 66.9% 程度。
- 金利先物・オプション:数量 63.3(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 1,550 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.50(1 枚あたりの平均手数料(ドル。売上 億ドル ÷ 億枚))→ 売上 32 億ドル・営業利益 22 億ドル。ADV×手数料
- 株価指数先物・オプション:数量 32.3(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 790 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.63(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 14 億ドル。ADV×手数料
- 為替先物:数量 3.9(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 110 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.83(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 2 億ドル。ADV×手数料
- エネルギー先物・オプション:数量 10.2(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 290 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.17(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 8 億ドル。ADV×手数料
- 農産物先物・オプション:数量 6.3(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 200 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.51(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 6 億ドル。ADV×手数料
- 金属先物・オプション:数量 4.5(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 85 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.28(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 4 億ドル。ADV×手数料
- 市場データ・情報サービス:数量 78.0(有料の購読・配信契約(千件、推定))× 価格 0.20(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 10 億ドル。契約数×単価
- 現物債券・外為の取引基盤、店頭清算、その他:数量 175(取引基盤・清算の取扱高に相当する量(兆ドル、推定))× 価格 0.05(取扱高 1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 5 億ドル。取扱高×料率
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 22.6%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 280 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 17.6%、g 4.0%(取引量の伸びと手数料率の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 20.6 倍で、これが検査の上限になる。金利先物と清算をほぼ独占し、取引量が増えるほど利益が増える。ただし 2026 年の取引量の急増は一部が戻る。 上限の 8.5 割の 17.5 倍に置いた。
確率:強気と慎重の落としどころ。取引所の独占は続くが、手数料が物価に届かない近年の傾向(平均手数料は 2025 年 1〜3 月期 0.686 ドル、2026 年 1〜3 月期 0.652 ドル)を重く見た。
やや悲観 20% やや悲観:米国債の値引き競争が続き、予測市場・暗号資産は伸びない 利益 46 億ドル · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 182.57 ドル658 億ドル
2035 年に売上は約 83 億ドル(年 +2.4%)、純利益は約 46 億ドル。取引量は 2025 年の 1.35 倍(年 +3%)で、金利先物の ADV は約 2,092 万枚。FMX とインターコンチネンタル・エクスチェンジが米国債の取引と清算を一体で提供し、CME は残りを守るために手数料を引き下げる。手数料は金利 −5%・株価指数 −7%・エネルギー −8%・金属 −12%。市場データは 1.5 倍の約 12 億ドルで、AI による内製化の影響を受ける。予測市場はスポーツを扱わない CME の立場では広がらず、暗号資産は他社の取引所に流れる。費用は年 +4.5% で伸び、営業利益率は 61.5% に下がる。
- 金利先物・オプション:数量 52.7(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 1,550 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.46(1 枚あたりの平均手数料(ドル。売上 億ドル ÷ 億枚))→ 売上 24 億ドル・営業利益 15 億ドル。ADV×手数料
- 株価指数先物・オプション:数量 26.9(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 790 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.58(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 10 億ドル。ADV×手数料
- 為替先物:数量 3.2(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 110 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.77(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 2 億ドル。ADV×手数料
- エネルギー先物・オプション:数量 8.4(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 290 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.08(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 6 億ドル。ADV×手数料
- 農産物先物・オプション:数量 5.5(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 200 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.40(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 5 億ドル。ADV×手数料
- 金属先物・オプション:数量 3.4(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 85 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.19(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 3 億ドル。ADV×手数料
- 市場データ・情報サービス:数量 60.0(有料の購読・配信契約(千件、推定))× 価格 0.20(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 7 億ドル。契約数×単価
- 現物債券・外為の取引基盤、店頭清算、その他:数量 140(取引基盤・清算の取扱高に相当する量(兆ドル、推定))× 価格 0.05(取扱高 1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 4 億ドル。取扱高×料率
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 15.9%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 290 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 13.2%、g 4.0%(取引量の伸びと手数料率の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 18.6 倍で、これが検査の上限になる。金利先物と清算をほぼ独占し、取引量が増えるほど利益が増える。ただし 2026 年の取引量の急増は一部が戻る。 上限の 7.7 割の 14.3 倍に置いた。
確率:競合と規制で価格が崩れ、新商品が実らない筋書き。
悲観 11% 悲観:米国債の独占が崩れ、取引が分散して価格競争が続く 利益 29 億ドル · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 79.38 ドル286 億ドル
2035 年に売上は約 56 億ドル(年 −1.5%)、純利益は約 29 億ドル。米国債先物がインターコンチネンタル・エクスチェンジ(清算を含む一体の提供)と FMX・シービーオーイーの連合に分散し、CME の金利先物の ADV は 2025 年と同じ約 1,550 万枚にとどまり、手数料は 20% 下がる(物価が 41% 上がる中で名目でも下がる)。株価指数先物はオプションへ移り、取引量は 1.05 倍、手数料は 18% 下がる。担保のトークン化と 24 時間取引の新興取引所が登場し、データは AI に内製化されて売上が伸びない。もう独占とは呼べず、費用は削れず営業利益率は 55.5% まで下がる。ROE も 9.5% に落ちる。
- 金利先物・オプション:数量 39.1(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 1,550 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.38(1 枚あたりの平均手数料(ドル。売上 億ドル ÷ 億枚))→ 売上 15 億ドル・営業利益 9 億ドル。ADV×手数料
- 株価指数先物・オプション:数量 20.9(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 790 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.51(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 6 億ドル。ADV×手数料
- 為替先物:数量 2.5(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 110 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.69(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 1 億ドル。ADV×手数料
- エネルギー先物・オプション:数量 6.6(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 290 万枚 × 252 営業日)× 価格 0.99(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 4 億ドル。ADV×手数料
- 農産物先物・オプション:数量 4.8(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 200 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.29(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 4 億ドル。ADV×手数料
- 金属先物・オプション:数量 2.4(年間取引枚数(億枚)= 日次平均 85 万枚 × 252 営業日)× 価格 1.08(1 枚あたりの平均手数料(ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 2 億ドル。ADV×手数料
- 市場データ・情報サービス:数量 42.0(有料の購読・配信契約(千件、推定))× 価格 0.20(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 9 億ドル・営業利益 5 億ドル。契約数×単価
- 現物債券・外為の取引基盤、店頭清算、その他:数量 90.0(取引基盤・清算の取扱高に相当する量(兆ドル、推定))× 価格 0.05(取扱高 1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。取扱高×料率
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 9.5%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 300 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 8.9%、g 4.0%(取引量の伸びと手数料率の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 14.7 倍で、これが検査の上限になる。金利先物と清算をほぼ独占し、取引量が増えるほど利益が増える。ただし 2026 年の取引量の急増は一部が戻る。 上限の 6.8 割の 10.0 倍に置いた。
確率:構造的に負け、優良な独占ではなくなる筋書き。10 年で起きる確率を 1 割強と置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
金利先物・オプション
米国債・SOFR などの金利先物とオプション。世界最大の金利ヘッジの場。
| 数量年間取引枚数(億枚)= 日次平均 1,550 万枚 × 252 営業日 | 価格1 枚あたりの平均手数料(ドル。売上 億ドル ÷ 億枚) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 39.1 | 0.48 | 19 | 12 |
| 10 年後 中立 | 63.3 | 0.50 | 32 | 22 |
取り方:2025 年の ADV は 1〜3 月期 1,503 万枚・4〜6 月期 1,547 万枚(8-K)。通年を 1,550 万枚と置いた(下期は 7〜9 月期の取引量発表からの推定)。RPC は 0.48 ドル前後。39.06 億枚 × 0.480 = 18.8 億ドル。2026 年は 1〜3 月期 1,867 万枚に急増、4〜6 月期は 1,453 万枚で RPC 0.480。
株価指数先物・オプション
E ミニ S&P 500 など株価指数の先物とオプション(マイクロ含む)。
| 数量年間取引枚数(億枚)= 日次平均 790 万枚 × 252 営業日 | 価格1 枚あたりの平均手数料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 19.9 | 0.62 | 12 | 8 |
| 10 年後 中立 | 32.3 | 0.63 | 20 | 14 |
取り方:2025 年 1〜3 月期 800 万枚・4〜6 月期 766 万枚、通年 790 万枚(推定)。RPC は 0.62 ドル前後。19.91 億枚 × 0.620 = 12.3 億ドル。2026 年 4〜6 月期は 863 万枚・RPC 0.605。
為替先物
ユーロ・円・ポンドなどの為替先物とオプション。
| 数量年間取引枚数(億枚)= 日次平均 110 万枚 × 252 営業日 | 価格1 枚あたりの平均手数料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.8 | 0.77 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 3.9 | 0.83 | 3 | 2 |
取り方:2025 年 1〜3 月期 115 万枚・4〜6 月期 110 万枚、通年 110 万枚(推定)、RPC 0.77 ドル前後。2.77 億枚 × 0.770 = 2.1 億ドル。
エネルギー先物・オプション
WTI 原油・天然ガス・石油製品の先物とオプション。
| 数量年間取引枚数(億枚)= 日次平均 290 万枚 × 252 営業日 | 価格1 枚あたりの平均手数料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 7.3 | 1.17 | 9 | 6 |
| 10 年後 中立 | 10.2 | 1.17 | 12 | 8 |
取り方:2025 年 1〜3 月期 290 万枚・4〜6 月期 308 万枚、通年 290 万枚(推定)、RPC 1.14〜1.22 ドル。7.31 億枚 × 1.170 = 8.6 億ドル。2026 年 1〜3 月期は 399 万枚に増えたが RPC は 1.08 ドルへ下がった。
農産物先物・オプション
とうもろこし・大豆・小麦・畜産などの先物とオプション。
| 数量年間取引枚数(億枚)= 日次平均 200 万枚 × 252 営業日 | 価格1 枚あたりの平均手数料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.0 | 1.40 | 7 | 5 |
| 10 年後 中立 | 6.3 | 1.51 | 10 | 6 |
取り方:2025 年 1〜3 月期 196 万枚・4〜6 月期 196 万枚、通年 200 万枚(推定)、RPC 1.38〜1.44 ドル。5.04 億枚 × 1.400 = 7.1 億ドル。
金属先物・オプション
金・銀・銅などの先物とオプション(マイクロ金を含む)。
| 数量年間取引枚数(億枚)= 日次平均 85 万枚 × 252 営業日 | 価格1 枚あたりの平均手数料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2.1 | 1.35 | 3 | 2 |
| 10 年後 中立 | 4.5 | 1.28 | 6 | 4 |
取り方:2025 年 1〜3 月期 73 万枚・4〜6 月期 94 万枚、通年 85 万枚(推定)、RPC は 1.59 ドル(1〜3 月期)から 1.46 ドル(4〜6 月期)へ、通年 1.35 ドル前後と置いた。2.14 億枚 × 1.350 = 2.9 億ドル。2026 年 1〜3 月期は 168 万枚に倍増し RPC は 1.15 ドルへ急低下(小口のマイクロ契約と大口割引の影響)。
市場データ・情報サービス
リアルタイムの相場データの配信と情報サービス。取引所の価格を使うプロ・機関・データ会社が契約する。
| 数量有料の購読・配信契約(千件、推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 40.0 | 0.20 | 8 | 5 |
| 10 年後 中立 | 78.0 | 0.20 | 16 | 10 |
取り方:2025 年の市場データ売上は四半期 約 2 億ドルで通年 約 8.1 億ドル(2026 年 4〜6 月期は 2.38 億ドルで前年比 +20%)。契約を約 4 万件・1 件あたり約 20 万ドル(開示なしの推定)と置いた。
現物債券・外為の取引基盤、店頭清算、その他
BrokerTec(米国債の現物)・EBS(為替)の取引基盤、店頭デリバティブの清算、技術・その他の収入。
| 数量取引基盤・清算の取扱高に相当する量(兆ドル、推定) | 価格取扱高 1 兆ドルあたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 100 | 0.05 | 5 | 3 |
| 10 年後 中立 | 175 | 0.05 | 9 | 5 |
取り方:その他収益 約 4.4 億ドル(四半期 1.1 億ドル前後)に、現物債券・店頭清算の手数料 約 1.0 億ドルを足して 5.4 億ドル。取扱高は BrokerTec と EBS の日次取引額から年間 約 100 兆ドルと置いた(開示が粗い推定)。
リスクと懸念
米国債先物の独占への挑戦
金利先物は取引量の約半分で、CME の中核。BGC の FMX は現物債でシェア 30%(前年 23%)、インターコンチネンタル・エクスチェンジの米国債清算も承認された。取引と清算を一体で提供する競合が現れると、大口が一部を動かし、CME は手数料を下げて守る必要が出る。悲観では金利先物の手数料が 20% 下がり、取引量が増えない。
取引量の急増が一過性
2026 年 1〜3 月期の ADV 3,623 万枚は金利と商品価格の急変動が押し上げた面が強く、4〜6 月期は売上が前年並み、7〜9 月期の ADV は 2,940 万枚。静かな年に戻ると取引量は 2025 年並みの 2,800 万枚前後に戻り、費用は年 +4.5% で伸びるため利益率が下がる。
手数料の下落と価格決定力
平均手数料は 2025 年 1〜3 月期 0.686 ドルから 2026 年 1〜3 月期 0.652 ドルへ下がった。金属は 1.59 ドルから 1.15 ドルへ急低下。マイクロ契約・大口割引・競合の目で、物価(10 年で 41% 上昇)に届かない状態が続く。この前提で中立の価格は物価の 1 割以下の上昇にとどめた。
予測市場・暗号資産の規制と実行
FanDuel との予測市場は 2025 年 12 月に始まり、CME はスポーツを扱わない立場を取る。最高裁を含めた法的な不確実性があり、広がらない場合は投資の費用だけが残る。24 時間の暗号資産取引は、コインベースなどの取引所が先行する。
クラウド移行と費用の増加
Google Cloud への移行で、オンプレミスとクラウドの費用が二重に出る期間がある(10-Q のリスク欄)。24 時間取引・証券清算・予測市場の投資も 2026 年の費用に入る。費用が売上より速く伸びると営業利益率が 65% から下がる。
データ事業の AI による内製化
市場データは 2026 年 4〜6 月期に +20% と伸びているが、AI 企業や大手金融機関が取引所の価格データを使った自前の分析を作ると、契約の更新と単価に圧力がかかる。ただし価格そのものは取引所だけが持つため、影響は MI 型のデータ会社より小さい。
経営者の交代と清算機関の信用
CEO は 2027 年 3 月に執行会長へ移り、後任は社長兼 CFO。長年の経営の連続性は保たれるが、新しい経営者の資本配分は未知数。清算機関は市場の混乱時に会員の破綻を引き受ける最終の担い手で、極端な混乱では信用不安が株価に直結する(リーマンで株価 74% 下落)。
今後の分かれ目
- 米国債先物で FMX・ICE の合計シェアが 10% を超える
- 独占が崩れ始めたと見て、やや悲観・悲観の確率を厚くし、金利先物の手数料の上げ幅を 0 以下へ下げる。本質価値は 1 割強下がる。
- 2026 年 7〜9 月期の決算(10 月 28 日)で ADV が 3,000 万枚を維持し、売上が前年比 +10% 以上
- 取引量の急増が定着すると見て、やや楽観・楽観の確率を上げる。
- 金融市場が落ち着き、ADV が 2 四半期続けて 2,700 万枚を割る
- 2025 年並みに戻る筋書き(やや悲観)の確率を上げる。費用が伸びるため営業利益率が下がる。
- 予測市場でスポーツ契約の規制が明確になり、CME・FanDuel のイベント契約の ADV が 500 万枚を超えて伸びる
- 新しい収益源として楽観の確率を上げる。規制で禁止されれば、投資の費用が無駄になる。
- 市場データの売上が 2 四半期続けて前年比 +10% を割る
- AI による内製化・値下げ圧力が始まったと見て、データの伸びを年 +7% から +4% へ下げる。
- 金融市場の急落で清算会員の信用不安が起き、CME が証拠金を大幅に引き上げる
- 10 年の悲観(2008 年型)に近づく。取引量は増えるが倍率が 10 倍前後まで下がる。
見ておくもの
- 月次の ADV(資産クラス別)と平均手数料(RPC)
- 米国債先物の建玉と FMX・ICE のシェア
- 市場データ・情報サービスの売上と契約更新
- 営業費用の伸び(クラウド移行・24 時間取引・証券清算の投資)
- イベント契約の ADV・口座数と規制
- 2026 年 7〜9 月期の決算(10 月 28 日)と通年の費用見通し
- CEO 交代後(2027 年 3 月)の資本配分
倍率と資本コストの決め方
今の PER 26 倍(2025 年の純利益)・PBR 3.7 倍を見ずに、8 つの塊を数量×価格で積んで純利益を出し、倍率は利益ベースの正当化 PER((1 − g/RONIC)/(k − g)、RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k))の 8.5 割前後で置いた。k は基本 8.0% + quality −0.25% の 7.75%、g は決まりの 4%(k − g = 3.75%)。ROE は買収ののれんを含む帳簿の自己資本 ROE で、利益のほぼ全額を還元するので自己資本は膨らまない(ROE の理由は roe_why)。中立 10 年の PER は 17.5 倍。今の時価総額(約 1,059 億ドル)には寄せていない。純利益は GAAP(株式報酬は費用)、純現金はほぼ 0 で無視した。結果は今の値段を 17% 下回り、期待の年率が資本コストに届かないので、やや割高。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality -0.25% = 7.75%。内訳は cycle +0.25・pricing -0.50・debt +0.00・life +0.00(%)で、理由は quality_why。β は使わない。個別の懸念(取引所間の競争・取引量の反動・規制)は k に足さず、筋書きの数量・利益率と確率で表した。