結論
FIS は、銀行・信用組合向けの勘定系(コア)・デジタルバンキング・カード発行の処理を行う銀行向けと、資産運用・ウェルス・証券会社向けのソフトと処理を行う資本市場向けの 2 本柱の会社である。2026 年 1 月に、グローバル・ペイメンツの発行体処理事業(旧 TSYS・カード発行の処理、評価額 約 135 億ドル)を、ワールドペイの持ち分 45%(約 58 億ドル)と現金 約 77 億ドルで取得し、ワールドペイの持ち分を手放した。どちらも成立済みなので、この分析は成立後の会社で書く。
成立後の会社の 2026 年は、会社の見通しで売上 約 136.6 億ドル、調整後 EBITDA 約 57.6 億ドル、調整後の純利益 約 32 億ドル(推定)。ただし GAAP の純利益は約 10 億ドル(推定)にとどまる。買収で積んだ無形資産の償却が年 約 13 億ドル、統合・分離の費用が重なっているため。借金は 212 億ドル、現金 7 億ドルで純負債 約 205 億ドルは今の時価総額(約 189 億ドル)の 108%。2026 年 8 月には資本市場向けの成長見通しを 5.5% から 3〜3.5% へ下げ、全社の見通しも下げた(最高経営責任者は「自社の責任」と認めた)。株価は年初来で約 4 割下がり、調整後で 6 倍前後、GAAP でも 19 倍と、事業の安定性に比べ低い。
バリュー投資の観点では、見るべきは 3 点。①銀行の勘定系とカード処理は切り替えの重さで守られ、発行体処理の契約の 72% が 2029 年以降まで続く。②償却と統合費が消えるにつれ GAAP の利益が調整後に近づく。③借金が大きく、利益が少し下がるだけで株主の取り分が大きく減る。利益ベースの式(資本コスト 8.75%、成長 4%、資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金では半分に薄れる)の中立の正当化 PER は 10 年後に約 16 倍、伸びの遅さと借金からその 7.5 割の約 12 倍に置き、中立なら 10 年後の時価総額は今の約 2.5 倍。ただし借金と統合の実行リスクを考え、悲観・やや悲観の合計を 10 年で 39% と厚くした。
バリュー投資の観点から
バリュー投資家なら、まず「10 年後もあるか」を問う。ある。銀行の勘定系とカード処理は金融の土台で、なくならない。ただし「今より強いか」は割れる。契約の 72% が 2029 年以降まで続き、切り替えの重さが守るが、ビザの Pismo・クラウド型の新興・大手銀行の自前化が堀を削りうる。堀は広がるより、守る段階にある。
オーナー利益は、GAAP の純利益(2026 年に約 10 億ドル・推定。償却は現金が出ない費用)より厚い。フリーキャッシュフローは約 22 億ドル。会社の調整後の数字(調整後で 6 倍前後)は償却を戻した値で、この分析は GAAP の純利益で置いた。資本配分は、事業の出し入れが多い。ワールドペイを 2019 年に買収し、2024 年に過半を売り、2026 年に残りを手放して発行体処理を取り込んだ。この往復が価値を足したかは疑わしく、評価を割り引く。
値段と安全域。時価総額 約 189 億ドルに対し純負債 約 205 億ドルで、事業全体の値段の 52% が借金。利益が 2 割下がれば株主の取り分は 3 割以上減る、傾きの大きい構造。そのため式どおりに倍率を出しても、中立の筋書きの確率は 3 分の 1 強にとどめ、悲観側を 39% とした。分かりやすい事業かと問われれば、半分。確信度は中。安全域は、今の値段が悲観を深く織り込んでいる分だけある。
何で稼ぐ会社か
事業は 2 つの塊と周辺で成り立つ。第 1 は銀行向け(2026 年 4〜6 月期の売上 約 24.8 億ドル、調整後 EBITDA 率 45.8%)。これは従来の銀行向けの勘定系・デジタル・決済処理に、今年取り込んだ発行体処理を足したもの。発行体処理は、世界のカード発行銀行の口座管理・取引の承認・不正検知・カードの発行業務を請け負う。1 件あたりの単価が小さく、取引量に連動する収入と最低保証が混ざった長期契約が中心で、一度入れると他社へ移すのが難しい。競合はファイサーブ(Fiserv)、ジャック・ヘンリー(Jack Henry)、ビザの Pismo(クラウド型の発行体処理)、クラウド型の新しい勘定系(マンブ(Mambu)・ソート・マシン(Thought Machine)など)、大手銀行の自前化。
第 2 は資本市場向け(4〜6 月期の売上 約 8.1 億ドル、調整後 EBITDA 率 51.9%)。資産運用会社・保険・ウェルス・証券会社向けの運用管理・取引の後方業務ソフトと、取引量に連動する処理。競合はブロードリッジ(Broadridge)・SS&C・ブラックロックのアラジン・ステート・ストリート。その他(法人・周辺)は売上 約 4 億ドルで縮小中。
本分析では 3 つのセグメントで置いた。①銀行向け(発行体処理を含む):市場(実質)× FIS のシェアで量、価格は契約の単価(物価に連動する値上げ条項の一部)。②資本市場向け:同じ形。③その他。2025 年を、買収後の姿に直した推定(2026 年の見通し 136.6 億ドルを pro forma 成長 4.75% で割り戻し)で置いた。セグメントの利益は調整後 EBITDA から、ソフト開発費の償却(買収以外の減価償却、年約 10 億ドル)を引いた値で、本社費・買収の償却・株式報酬・統合費は全社の調整に入れた。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 は切り替えの費用。銀行の勘定系は入れ替えに数年かかり、失敗すれば取引全体が止まるので、顧客は乗り換えをためらう。発行体処理は契約の 72% が 2029 年以降まで続き、2025 年から全体の約 3 分の 1 を更新済みと会社は述べる。第 2 は規模。取引量・口座数が大きく、不正検知・システム投資を薄く広げられる。第 3 は銀行向け・資本市場向けの顧客の幅で、クロスセルの余地がある。
資本効率は、GAAP の営業利益率が 16% 前後(2026 年見通しからの推定。調整後 EBITDA 率は 42%)と低く見える。買収の償却と、のれん・無形資産が自己資本(160 億ドル)の大半を占めるため、帳簿の ROE は 6% 前後。設備投資と開発費の資産計上は売上の約 8% で、フリーキャッシュフローは 2026 年に約 22 億ドル(調整後純利益の約 7 割)。価格を決める力は、物価連動の値上げ条項で守られるが、大手銀行は更新時に値引きを要求する。
弱い点。①2026 年に見通しを下げ、資本市場向けの成長が 5.5% から 3〜3.5% へ下がった。②発行体処理の統合は実行中で、技術の切り離し・統合の費用が出続ける。③借金が大きく、純負債は調整後 EBITDA の約 3.6 倍。④ビザの Pismo のクラウド型の攻勢。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
銀行向けの処理は、銀行の IT 支出(物価 3.5% + 実質 1%前後)に連動して年 +4% 前後で伸びる成熟した市場。銀行は合併で数が減るが、残った銀行はデジタル・カード・不正対策・クラウド化への支出を増やす。FIS は米国の大手銀行・地銀向けのコアと、国際の発行体処理(TSYS 由来)を持ち、競合のファイサーブ(金融機関向けで解約が約 2 倍に増え、2026 年に見通しを 2 度下げた)より、足元は安定している。ジャック・ヘンリーは中小銀行のコアで解約が少ない。
新しい脅威は 2 つ。ビザの Pismo(クラウド型のカード発行・勘定系)は大手銀行の発行体処理を奪いうる、と市場は 2026 年の初めから懸念している。第 2 に、AI を使った開発で新興のコアが作りやすくなり、更新時の値付けを押し下げる。一方、銀行のコアの入れ替えは失敗の危険が大きく、実際の乗り換えは遅い。
資本市場向けは、運用資産・取引量・口座数に連動する。2026 年は成長 3〜3.5% で、会社は「営業の実行(自社の責任)」と説明する。市場は年 +4〜5%(物価 3.5% + 実質 1%前後)。ブロードリッジ・SS&C は買収で規模を広げ、FIS の資本市場向けは利益率 51.9% と高いが成長は低い。景気後退では取引量連動の収益が落ちる(2020 年・2022 年に株価は大きく下げた)が、ソフトの保守料は堅い。10 年の構造では、決済ネットワークほどの寡占ではなく、年 +4% の成長に落ち着く、と見る。
資本政策と M&A
資本政策は 2026 年に大きく変わった。ワールドペイの持ち分(2024 年に過半を売却した残りの 45%)を 2026 年 1 月 9 日に手放した。税引前の利益 約 22 億ドルを計上(1 回限り。GAAP の純利益に入るが、この分析では経常利益から除いた)、上期の納税が約 3 億ドル出た。取得した発行体処理の対価は約 135 億ドル(現金 77 億ドル、ワールドペイ持分 58 億ドル)で、借入で賄い、純負債が 200 億ドル台に増えた。
会社の方針は、レバレッジ(総借入÷EBITDA)を約 2.8 倍へ下げること。そのため自社株買いを一時絞り(4〜6 月期は 0.4 億ドル)、小型の買収も停止した。配当は続け、年約 9 億ドル(調整後 EPS の伸びに合わせる方針)。借り換えで利払いは約 5.75% へ上がる(4〜6 月期の純利息は 2.0 億ドル)。統合の相乗効果は 2028 年までに調整後 EBITDA で 1.5 億ドル超。
M&A は、買う側から事業を整理する側へ。買われる側としては、時価総額が小さく株価が半値になっており、ファイナンス投資家(アクティビスト・LBO)の関心を引きうるが、純負債が時価総額を上回り、反トラストと買収資金の壁がある。成立していない話は筋書きに入れていない。
2026 年に決算期末後すでに実行した自社株買い 1.2 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元には数えず、自己資本の起点(137.8 億ドル)からも外した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
2026 年の下方修正は資本市場向けの営業の取りこぼしが原因で、市場や契約の問題ではない。最高経営責任者自身が「自社の責任」と認めており、直せる。銀行向けは 2026 年の上期に +6〜7% で伸び、発行体処理の契約の 72% が 2029 年以降で、更新の実績(2025 年から約 3 分の 1 を更新)も積み上がっている。統合の相乗効果は 2028 年までに調整後 EBITDA で 1.5 億ドル超の計画に対し、2026 年の費用削減は目標(0.3〜0.4 億ドル)の上限近くで進んでいる。
GAAP の利益が薄いのは、買収の償却(年約 13 億ドル)と統合費という、現金の出ない・一度きりの費用が大きいため。それが 2028 年には 10 億ドル・6.5 億ドル程度へ減り、売上が年 +4〜5% で伸びるだけで GAAP の純利益は 2026 年の約 10 億ドルから 2028 年に 20 億ドル超へ倍増する。借金は年約 22 億ドルのフリーキャッシュフローで返せ、2027 年に自社株買いを再開できる。今は調整後の倍率で 6 倍前後と、成長しない会社の値段で、堅いソフト・処理の事業とは釣り合わない。
慎重な見方
見通しを 2026 年に下げ、資本市場向けの成長は 5.5% から 3〜3.5% へ落ちた。「自社の責任」と言うが、営業の実行は簡単に直らない。銀行向けは、ビザの Pismo などクラウド型の新規参入が大手銀行の発行体処理を奪い、大手は自前化も進め、更新ごとに値引きを求める。発行体処理の取り込みは大型の取引で、技術の切り離しと統合の費用が出続け、会社が言う相乗効果(1.5 億ドル超)は売上 130 億ドルに対して小さい。
借金が大きい。純負債 205 億ドルは調整後 EBITDA の約 3.6 倍、時価総額を上回り、借り換えで利払いは年 8 億ドルから 9 億ドル台へ上がる。利益が 2 割下がれば、自社株買いを止めて返済に回すしかなく、配当の維持も怪しくなる。のれんと無形資産が自己資本の大半で、事業が計画に届かなければ減損が出る。GAAP の PER 19 倍は低くない。調整後の 6 倍前後は、償却と統合費を引く前の数字にすぎず、統合費が毎年出続けるなら、調整後の数字は信用できない。
どちらに重みを置いたか
事業の質は、切り替えの重さと契約の長さを評価して弱気一色にはしない。一方、見通しを 2026 年に下げた実績、統合の実行、純負債が時価総額を上回る重さは慎重な言い分が強い。値段は調整後で 6 倍前後、GAAP で 19 倍で、利益ベースの式の中立でも 10 年後に今の 2.5 倍を超える。そこで、中立は 10 年で 34% にとどめ、やや悲観 24%・悲観 15% と厚く置き、楽観・やや楽観は合計 27% に抑えた。倍率は式の 7.5 割に置き、事業の不確かさと借金の重さは確率と悲観の深さ(売上が縮み、のれんを減損し、借金で株主の取り分が細る)で表した。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 77.55 ドル407 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 32.81 ドル172 億ドル)。 今の値に割り戻すと 55.09 ドル289 億ドル、今との差 +43.9%、 期待の年率 +11.2%(資本コスト 8.8%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 144.46 ドル758 億ドル | 41.10 ドル216 億ドル | +384.6% | +17.1% | 14.84 ドル78 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 115.54 ドル607 億ドル | 38.82 ドル204 億ドル | +303.1% | +15.0% | 29.33 ドル154 億ドル |
| 中立 | 34% | 91.35 ドル480 億ドル | 41.68 ドル219 億ドル | +247.4% | +13.3% | 45.23 ドル237 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 45.52 ドル239 億ドル | 28.72 ドル151 億ドル | +93.9% | +6.8% | 17.82 ドル94 億ドル |
| 悲観 | 15% | 13.71 ドル72 億ドル | 7.24 ドル38 億ドル | −45.3% | −5.9% | 3.14 ドル17 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 77.55 ドル407 億ドル | 32.81 ドル172 億ドル | +188.2% | +11.2% | 110.37 ドル579 億ドル |
今の株価時価総額 38.29 ドル201 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:発行体処理がピズモなどの攻勢を退け、銀行向けが年 +5.4% で伸びる 利益 55 億ドル · PER 13.7 倍 · 株価時価総額 144.46 ドル758 億ドル
10 年後(2035 年 12 月期)、売上は 225.6 億ドル(2025 年の姿 130 億ドルに対し年 +5.6%)、GAAP 営業利益 79.3 億ドル、純利益 55.2 億ドル。銀行向けは 166.6 億ドル。発行体処理は 72% が 2029 年以降の契約で、更新を重ねて取りこぼしがなく、新規の銀行の取り込みも進む(実質の量 +25%・価格 +41%)。利益率は費用削減と規模で 43.0%(2025 年は約 37%)。資本市場向けは年 +5.4% の 54.5 億ドル。ビザの攻勢(ピズモ)は大手の一部にとどまる。借金は返済と自社株買いのバランスで純負債 132.0 億ドルまで下がり、買収の償却も年 5 億ドルへ減る。2035 年の利益の伸びは 5% 弱に落ち着く。
- 銀行向け(勘定系・デジタル・カード発行処理。発行体処理を含む):数量 1,375(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 12.1%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 8.6% × 価格指数。価格指数は物価と契約の値上げ条項で動く))→ 売上 167 億ドル・営業利益 72 億ドル。量×価格
- 資本市場向け(運用・ウェルス・証券向けソフトと処理):数量 549(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 9.9%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 7.1% × 価格指数))→ 売上 55 億ドル・営業利益 26 億ドル。量×価格
- その他(法人・周辺):数量 32.0(周辺事業の対象規模(実質、億ドル))× 価格 14.1%(売上 ÷ 対象規模(10%)× 価格指数)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。周辺事業の整理
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)。事業の ROE 25.7%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 214 億ドル)、残る割合 1/2(普通 1/2)で RONIC 17.2%、g 4.0%(銀行向けの量は実質で年 +1%、価格は物価の 8 割(契約の値上げ条項)で、全社の名目は 4% 前後)。式の値は 16.2 倍で、これが検査の上限になる。銀行と証券会社の基幹処理で契約が長く、乗り換えにくい。ただ統合の出来と借金の重さに利益が左右され、堀は強いとまでは言えない。 上限の 8 割の 13.7 倍に置いた。
確率:ピズモなど新規の攻勢を退け、統合の相乗効果が出きる展開。複数の条件が必要で 8%。
やや楽観 19% やや楽観:銀行向けが年 +5% 弱、資本市場向けも 4.5% で伸びる 利益 48 億ドル · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 115.54 ドル607 億ドル
10 年後(2035 年 12 月期)、売上は 208.8 億ドル(年 +4.8%)、GAAP 営業利益 70.4 億ドル、純利益 47.8 億ドル。銀行向けは実質の量 +19%・価格 +37%(物価 +41% には届かない契約上の上限)で 154.1 億ドル、資本市場向けは 50.3 億ドル。統合の費用削減は計画どおり出て、銀行向けの利益率は 42.0%。大手銀行の一部が自前化やピズモへ動くが、中堅・地銀の取り込みで補う。純負債は 144.0 億ドル、自社株買いは 10 年で約 120 億ドル。
- 銀行向け(勘定系・デジタル・カード発行処理。発行体処理を含む):数量 1,309(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 11.8%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 8.6% × 価格指数。価格指数は物価と契約の値上げ条項で動く))→ 売上 154 億ドル・営業利益 65 億ドル。量×価格
- 資本市場向け(運用・ウェルス・証券向けソフトと処理):数量 518(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 9.7%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 7.1% × 価格指数))→ 売上 50 億ドル・営業利益 23 億ドル。量×価格
- その他(法人・周辺):数量 32.0(周辺事業の対象規模(実質、億ドル))× 価格 14.1%(売上 ÷ 対象規模(10%)× 価格指数)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。周辺事業の整理
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)。事業の ROE 23.7%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 202 億ドル)、残る割合 1/2(普通 1/2)で RONIC 16.2%、g 4.0%(銀行向けの量は実質で年 +1%、価格は物価の 8 割(契約の値上げ条項)で、全社の名目は 4% 前後)。式の値は 15.9 倍で、これが検査の上限になる。銀行と証券会社の基幹処理で契約が長く、乗り換えにくい。ただ統合の出来と借金の重さに利益が左右され、堀は強いとまでは言えない。 上限の 8 割の 12.7 倍に置いた。
確率:堀が保たれ、費用削減が計画どおり出る展開。19%。
中立 34% 中立:売上は年 +4%、利益率は統合の効果で 2025 年より上がる 利益 40 億ドル · PER 12.1 倍 · 株価時価総額 91.35 ドル480 億ドル
10 年後(2035 年 12 月期)、売上は 193.9 億ドル(年 +4.0%)、GAAP 営業利益 62.4 億ドル、純利益 39.8 億ドル。銀行向けは実質の量 +13%(市場 +1.2%/年、シェアはほぼ維持)、価格 +33%(契約の値上げは物価 41% の 8 割ほど)で 142.0 億ドル。資本市場向けは量 +10%・価格 +35% で 47.4 億ドル。利益率は統合の効果で銀行向け 41.0%、資本市場向け 45.0% と 2025 年並みに戻り、買収の償却は年 5 億ドルへ減り GAAP の利益が調整後に近づく。純負債は 187.0 億ドル(目標のレバレッジ 2.8 倍より低い水準まで下げ、自社株買いと小型の買収に回す)。
- 銀行向け(勘定系・デジタル・カード発行処理。発行体処理を含む):数量 1,243(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 11.4%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 8.6% × 価格指数。価格指数は物価と契約の値上げ条項で動く))→ 売上 142 億ドル・営業利益 58 億ドル。量×価格
- 資本市場向け(運用・ウェルス・証券向けソフトと処理):数量 495(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 9.6%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 7.1% × 価格指数))→ 売上 47 億ドル・営業利益 21 億ドル。量×価格
- その他(法人・周辺):数量 32.0(周辺事業の対象規模(実質、億ドル))× 価格 14.1%(売上 ÷ 対象規模(10%)× 価格指数)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。周辺事業の整理
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)。事業の ROE 25.1%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 159 億ドル)、残る割合 1/2(普通 1/2)で RONIC 16.9%、g 4.0%(銀行向けの量は実質で年 +1%、価格は物価の 8 割(契約の値上げ条項)で、全社の名目は 4% 前後)。式の値は 16.1 倍で、これが検査の上限になる。銀行と証券会社の基幹処理で契約が長く、乗り換えにくい。ただ統合の出来と借金の重さに利益が左右され、堀は強いとまでは言えない。 上限の 7 割の 12.1 倍に置いた。
確率:成熟した処理会社として売上 年 +4%(業界の置き方)。契約の長さと再契約の実績で最大の 34%。
やや悲観 24% やや悲観:大手銀行の自前化とピズモに銀行向けが削られ、売上は年 +2% 利益 23 億ドル · PER 10.2 倍 · 株価時価総額 45.52 ドル239 億ドル
10 年後(2035 年 12 月期)、売上は 158.9 億ドル(年 +2.0%)、GAAP 営業利益 39.6 億ドル、純利益 23.4 億ドル。ビザのピズモなどのクラウド型の発行体処理と、大手銀行の自前化が進み、銀行向けは量が 3% 減り、更新ごとの値引きで価格は +25% にとどまり 114.6 億ドル。資本市場向けは取引量連動の収益が伸びず 39.9 億ドル。銀行向けの利益率は 36.0% まで下がる。借金は純負債 159.0 億ドルと高止まりし、自社株買いは細る。ROE は 19% 前後。
- 銀行向け(勘定系・デジタル・カード発行処理。発行体処理を含む):数量 1,067(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 10.7%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 8.6% × 価格指数。価格指数は物価と契約の値上げ条項で動く))→ 売上 115 億ドル・営業利益 41 億ドル。量×価格
- 資本市場向け(運用・ウェルス・証券向けソフトと処理):数量 450(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 8.9%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 7.1% × 価格指数))→ 売上 40 億ドル・営業利益 16 億ドル。量×価格
- その他(法人・周辺):数量 31.2(周辺事業の対象規模(実質、億ドル))× 価格 14.1%(売上 ÷ 対象規模(10%)× 価格指数)→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。周辺事業の整理
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)。事業の ROE 18.7%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 125 億ドル)、残る割合 1/2(普通 1/2)で RONIC 13.7%、g 4.0%(銀行向けの量は実質で年 +1%、価格は物価の 8 割(契約の値上げ条項)で、全社の名目は 4% 前後)。式の値は 14.9 倍で、これが検査の上限になる。銀行と証券会社の基幹処理で契約が長く、乗り換えにくい。ただ統合の出来と借金の重さに利益が左右され、堀は強いとまでは言えない。 上限の 7 割の 10.2 倍に置いた。
確率:大手銀行の自前化・ピズモ・ジャック・ヘンリーへの流出が続き、値引きで利益率が落ちる展開。借金の重さと、今年 2 度見通しを下げた実績を織り込み 24%。
悲観 15% 悲観:構造的に負ける。銀行向けの流出と値引きで売上が縮み、のれんを減損する 利益 8 億ドル · PER 9.0 倍 · 株価時価総額 13.71 ドル72 億ドル
10 年後(2035 年 12 月期)、売上は 115.1 億ドル(年 −1.2%)、GAAP 営業利益 15.8 億ドル、純利益 8.0 億ドル。構造的に負ける。銀行向けは大手の離脱とクラウド型の新興(ピズモ・マンブなど)に量が 22% 減り、価格も +10% にとどまり 81.1 億ドル、利益率は 30.0%。資本市場向けも量 15% 減で 29.8 億ドル。のれんの減損で自己資本は約 60 億ドル縮み 152.0 億ドルになる。配当は削り、純負債は 94.0 億ドルと営業利益に対して重い。もう優良な処理会社ではなくなっている。
- 銀行向け(勘定系・デジタル・カード発行処理。発行体処理を含む):数量 858(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 9.5%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 8.6% × 価格指数。価格指数は物価と契約の値上げ条項で動く))→ 売上 81 億ドル・営業利益 24 億ドル。量×価格
- 資本市場向け(運用・ウェルス・証券向けソフトと処理):数量 383(対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる))× 価格 7.8%(FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 7.1% × 価格指数))→ 売上 30 億ドル・営業利益 10 億ドル。量×価格
- その他(法人・周辺):数量 30.0(周辺事業の対象規模(実質、億ドル))× 価格 14.1%(売上 ÷ 対象規模(10%)× 価格指数)→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。周辺事業の整理
倍率:事業の ROE 5.3%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 152 億ドル)が k 8.75%(基本 8.0% + quality +0.75%)以下なので、PER は 1÷k = 11.4 倍まで(ためた利益は額面未満の価値。SCHEMA §1-1)。銀行と証券会社の基幹処理で契約が長く、乗り換えにくい。ただ統合の出来と借金の重さに利益が左右され、堀は強いとまでは言えない。 上限の 8 割の 9.0 倍に置いた。
確率:構造的に負け、のれんの減損と借金で株主の取り分が細る展開。ビザ・マスターの 11〜12% より厚い 15%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
銀行向け(勘定系・デジタル・カード発行処理。発行体処理を含む)
銀行・信用組合の勘定系、デジタルバンキング、カード発行・口座処理、不正検知を長期契約で提供する。2026 年 1 月に取り込んだ発行体処理(旧 TSYS)を含む。
| 数量対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる) | 価格FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 8.6% × 価格指数。価格指数は物価と契約の値上げ条項で動く) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,100 | 8.6% | 95 | 35 |
| 10 年後 中立 | 1,243 | 11.4% | 142 | 58 |
取り方:2026 年の見通し(売上 約 136.6 億ドル、pro forma 成長 4.5〜5.0%)から割り戻した 2025 年の発行体処理を含む姿の売上 約 130 億ドルのうち、銀行向け 約 94.5 億ドル(2026 年 4〜6 月期 24.8 億ドルの年換算 約 99 億ドル ÷ 成長 5% 強)。量 = 銀行向けの IT・カード処理の対象市場(実質、推定で約 1,100 億ドル)× FIS のシェア(売上ベース 8.6%)、価格 = 売上 ÷ 市場 = 0.0859(シェア 8.6% × 価格指数 1.0 の 2025 年)、シェアの増減は量の倍率に入れる。物価は 3 年 1.11 倍・10 年 1.41 倍だが、契約の値上げ条項は物価の 8〜9 割(3 年 1.095 倍・10 年 1.33 倍が中立)と置いた。営業利益 35.2 億ドルは、セグメント調整後 EBITDA 率 約 45%(4〜6 月期 45.8%)の 42.5 億ドルから、ソフト開発費の償却(買収以外・年約 10 億ドルを売上比で配分)7.3 億ドルを引いた推定。競合はファイサーブ・ジャック・ヘンリー・ビザの Pismo・クラウド型新興・大手銀行の自前化。
資本市場向け(運用・ウェルス・証券向けソフトと処理)
資産運用会社・保険・ウェルス・証券会社向けの運用管理・取引後方業務のソフトと処理。保守料の安定収入と、取引量・口座数に連動する収入。
| 数量対象市場の実質規模(2025 年のドル・億ドル。シェアの増減は量に入れる) | 価格FIS の取り分(売上 ÷ 市場の実質規模 = シェア 7.1% × 価格指数) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 450 | 7.1% | 32 | 14 |
| 10 年後 中立 | 495 | 9.6% | 47 | 21 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の資本市場向けの売上 8.1 億ドル(+3.2%)の年換算 約 33 億ドル ÷ 1.03 で 2025 年 約 31.9 億ドル。量 = 資本市場向けソフト・処理の市場(実質、推定で約 450 億ドル)× シェア 7.1%。価格 = 売上 ÷ 市場 = 0.0709(2025 年の価格指数 1.0)、シェアの増減は量に入れる(物価に対し契約の値上げ条項は 3 年 1.09 倍・10 年 1.35 倍が中立)。営業利益 14.2 億ドルは、調整後 EBITDA 率 約 51.5%(4〜6 月期 51.9%)の 16.4 億ドルから開発費の償却 2.2 億ドルを引いた推定。2026 年は成長見通しを 5.5% から 3〜3.5% へ下げた(最高経営責任者は自社の営業の責任と説明)。競合はブロードリッジ・SS&C・ブラックロックのアラジン・ステート・ストリート。
その他(法人・周辺)
コーポレート・その他の売上。周辺事業の整理が進み、縮小する。
| 数量周辺事業の対象規模(実質、億ドル) | 価格売上 ÷ 対象規模(10%)× 価格指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 40.0 | 10.0% | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 32.0 | 14.1% | 5 | 0 |
取り方:4〜6 月期の「その他」売上 0.84 億ドルの年換算 約 3.4 億ドルと、整理前の 2025 年 約 4 億ドルから置いた。小さいので事業の整理(売却・縮小)で量が減ると置き、価格は物価並み。営業利益は薄利と置いて 0.4 億ドル。
リスクと懸念
発行体処理の統合の実行
グローバル・ペイメンツから取り込んだ発行体処理は、技術の切り離しと統合の費用が 2026〜28 年に出続ける。相乗効果(2028 年に調整後 EBITDA で 1.5 億ドル超)は売上の約 1% で小さく、顧客の離脱や統合の失敗が出れば、買収の対価 約 135 億ドルに見合わない。GAAP の利益が戻る前提が崩れる。
借金の大きさと金利
有利子負債 212 億ドル・純負債 約 205 億ドルは、時価総額を上回り、調整後 EBITDA の約 3.6 倍。借り換えで利払いは約 5.75% に上がり、年 8 億ドルから 9 億ドル台へ。利益が 2 割下がると自社株買いを止めて返済に回し、格下げで調達費がさらに上がる。会社の目標は約 2.8 倍へ下げること。
ビザの Pismo などクラウド型の攻勢
ビザの Pismo(クラウド型のカード発行・勘定系)は、大手銀行の発行体処理を奪いうるとして、市場が 2026 年の初めから懸念している。大手銀行の自前化と合わせ、更新時の値引きと量の流出が起きると、銀行向けの利益率(45.8%)が下がる。
資本市場向けの失速
2026 年に成長見通しを 5.5% から 3〜3.5% へ下げた。会社は営業の実行(自社の責任)と説明するが、直らなければ、ブロードリッジ・SS&C にシェアを譲る。取引量連動の収益は景気後退で落ちる。
のれんの減損
のれん・無形資産が自己資本 160 億ドルの大半を占め、株価が簿価に近づいている。事業の利益が計画を下回れば減損が出て、自己資本が縮み、借入の約定(レバレッジの上限)に響きうる。現金は出ないが、資本政策と格付けに響く。
GAAP の利益の見えにくさ
調整後の利益(2026 年に約 32 億ドル)と GAAP(約 10 億ドル・推定)の差は、買収の償却・統合費・株式報酬。統合費が毎年出続ければ、調整後の数字は信用できない。この分析の 2026 年の GAAP の内訳は 4〜6 月期の決算から逆算した推定で、ずれがありうる。
今後の分かれ目
- 2026 年 10〜12 月期と 2027 年 1〜3 月期に、資本市場向けの成長が 3.5% を超え、銀行向けが 5% 前後を保ったら
- 2026 年が底だった確認になる。楽観・やや楽観の確率を上げ、10 年の悲観を 15% から 10% 前後へ下げる。
- 通期見通しをもう一度下げたら
- 計画の立て方への信頼が崩れる。やや悲観・悲観の確率を上げ、10 年の悲観を 25% 前後に。借金が大きいので倍率の下げ幅が大きい。
- 発行体処理の大口の更新で、ビザの Pismo や大手銀行の自前化への移行が報じられたら
- 銀行向けの量・価格の筋書きをやや悲観側へ。利益率 45% 台の維持が崩れ、全社の利益が 1 割以上下がる。
- 統合の相乗効果が 2027 年に年 1 億ドル(計画の 3 分の 2)を超え、統合費が減ったら
- GAAP の利益が調整後に近づく道筋が見え、中立の 10 年後の利益が 1〜2 割上振れ。自社株買いの再開が近づく。
- 自社株買いを再開し、レバレッジが 2.8 倍へ下がったら
- 借金の重さが軽くなり、悲観の深さが小さくなる。のれんの減損や格下げの心配が遠のく。
- 買収提案(LBO・同業との統合)が報じられたら
- 成立しない提案は筋書きに入れない。成立すれば今の時価総額より上で決まる可能性が高いが、借金の引き受けと反トラストの壁がある。
見ておくもの
- 銀行向け・資本市場向けの有機的売上の伸びと通期見通しの修正
- 発行体処理の更新率と契約残(2029 年以降の割合 72% の推移)
- 統合の相乗効果の進み(2026 年の費用削減 0.3〜0.4 億ドル、2028 年に 1.5 億ドル超)
- 調整後 EBITDA 率と GAAP の営業利益率の差(償却・統合費の縮み方)
- 純負債 ÷ 調整後 EBITDA(目標 2.8 倍)と自社株買いの再開
- ビザの Pismo の大手銀行での採用事例
- 資本市場向けの営業体制の立て直し(成長 3〜3.5% の先)
倍率と資本コストの決め方
今の PER(GAAP で約 19 倍、調整後で 6 倍前後)や時価総額 約 189 億ドルを見る前に、銀行向け・資本市場向けの市場 × シェア × 価格で売上を積み、利益率を置き、次に償却・統合費・利払い・税から GAAP の純利益を出し、ROE・g・k 8.75% から利益ベースの正当化 PER を出し、その 7.5 割に倍率を置いた。結果として中立でも今の 2.5 倍になるが、GAAP の純利益が償却と統合費で薄い今の年(約 10 億ドル)から、費用の消える 2035 年に約 40 億ドルへ戻るため。この割安さを事業・統合・借金の不確かさの対価と見て、倍率は質の分(7.5 割)だけにとどめ、悲観・やや悲観の確率を合計 39% と厚くした。同じ領域のファイサーブと並べると、k は 8.75% と 9.0%、中立の g は 4.0% と 4.0%、ROE は 25% と 19%、倍率は 12.1 倍と 10.7 倍で、式の差で説明できる。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。内訳は cycle +0.00・pricing +0.00・debt +0.50・life +0.25(%)で、理由は quality_why。β は使わない。個別の懸念(統合の出来・のれんの減損・大手行の離脱)は k に足さず、筋書きの数量・利益率と確率で表した。